隣接のサカタのタネのメタセコイア圧巻 大京のZEH-M「仲町台」 販売好調
「ライオンズ横濱仲町台ヴィアーレ」
先に紹介した「ライオンズ長津田グランリーフ」に続き、大京「ライオンズ横濱仲町台ヴィアーレ」を紹介する。こちらも環境省「高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)支援事業」に認定されており、駅に近く住環境に恵まれた物件で、全29戸のうち残りは未分譲含め8戸のみ。
物件は、横浜市営地下鉄ブルーライン仲町台駅から徒歩4分、横浜市都筑区仲町台1丁目に位置する7階建て全29戸。専有面積は66.54~70.56m²、坪単価は290万円。竣工予定は2020年12月7日。設計は日企設計。施工は大京穴吹建設。デザイン監修は船田徹夫氏。昨年末から分譲を開始し、未分譲住戸を含めて残り8戸と好調。
現地は、駅からはインターロッキング舗装された線路沿いを歩いて4分。敷地は元駐車場。標準階の住戸プランは1フロア5戸構成。東-南-西の3面採光プラン6戸はすべて成約済みのようだ。
主な基本性能・設備仕様は、BELS★5つで、エネルギー消費量を33%削減、Low-E複層ガラス、二重床・二重天井、リビング天井高2400mm、御影石キッチンカウンター、食洗機など。
販売を担当する同社本店営業一部係長・山内康平氏は、「最初はお客さまも〝(価格が)高い〟という印象を持たれたようですが、ZEHのよさを説明させて頂くと納得されます。早期完売を目指します」と話した。
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この物件の特徴の一つとして強調したいのは住環境のよさだ。線路を挟んだ対面のサカタのタネの本社敷地内のメタセコイアは圧巻。数えてはいないが20本くらいあった。美しい円錐形の樹形はこの街に似合う。隣接地には緑に包まれた地区センターもある。
船田氏のデザインもなかなかいい。販売事務所のパネルとパンフレットに記載されているに船田氏の写真は小生が30年くらい前に拝見したのとほとんど同じだった。お若いのにびっくりした。先生は歳を取らないようだ。
どうして「長津田」を先に紹介したかは、「長津田」の記事と合わせて読んで頂ければわかるはずだ。
モデルルーム
UR都市機構・三菱地所「コモレ四谷」満床稼働 建物デザイン美しく緑の量も確保
「CO・MO・RE YOTSUYA(コモレ四谷)」(UR都市機構 提供)
都市再生機構(UR都市機構)と事業パートナーの三菱地所は2月20日、JR・東京メトロ各線四ツ谷駅前のランドマーク大規模再開発プロジェクト「CO・MO・RE YOTSUYA(コモレ四谷)」のメディア向け竣工見学会を行った。
施設は、四ツ谷駅から徒歩3分、地区面積約2.4ha、建築敷地面積約17,900㎡、地下3階~地上31階建て延床面積約139,400㎡。用途は事務所、店舗、住宅(60戸)、教育、公益など。基本設計・デザイン監修は日本設計・三菱地所設計。実施設計は大成建設。総事業費は約840億円。
事業経緯は、全体敷地の約3分の2を占める区立小学校の統廃合と財務省官舎の廃止を受け、2002年、新宿区からUR都市機構へ小学校跡地利用について検討依頼があり、2013年、地区計画及び市街地再開発事業の都市計画決定、事業パートナーが決定。2016年着工、2020年1月竣工。2020年7月事業完了の予定。UR都市機構としては初の「事業パートナー制度」を活用した。施設はCASBB Sランクを取得。
プロジェクトの特徴は、丸の内、新宿、霞が関、渋谷、銀座などがほぼ3㎞圏内という「都心の中心」に位置する大規模開発で、①オフィスゾーン②商業ゾーン③住宅④教育施設⑤公益施設を備えた多機能を整備したこと。
周囲への日影と風の影響を軽減するため建物の四隅は雁行させたほか、外濠から連続するみどりを確保するため、コモレビの広場、みどりの道、みどりの丘、壁面緑化、屋上緑化などみどりの量を確保している。
オフィスフロアの天井高は約2.8m、1フロア約2,000㎡を確保。竣工の1年前にLINE、理研ビタミン、高千穂交易、朝日生命など全テナントが決定。商業ゾーンも2020年夏までに全店舗が開業予定。
新宿区は、地下1階と2階にバレーボール、バトミントン、卓球のほか多目的に利用できる「四谷スポーツスクエア」を整備し、地域に開放する。
「コモレビの広場」(UR都市機構 提供)
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見学会では、UR都市機構東日本都市再生本部事業推進部四谷駅前再開発事務所所長・林昭兵氏と同東日本賃貸住宅本部技術監理部再開発工事事務所所長・永井正毅氏が「緑にこだわった」「周囲の日影・風の影響に配慮した」などと強調したように、建物形状デザインが美しく、みどりの量も十分確保されていた。
ただ、みどりの質という点では、丸の内・大手町の三菱地所のビル群と比べるとやや見劣りがする。三菱地所は常緑樹のクスの大木などを惜しげもなく配置しているのに対して、今回の施設は常緑樹ではあるが(値段が安くて樹齢が若い)シラカシが主だった。
オフィス、店舗のリーシングなどを担当した三菱地所都市開発二部担当部長・佐野正文氏は「オフィスのテナントは竣工の1年前に財務省のほか朝日生命など民間14社全てが決定。店舗も7月までに全店舗が開業予定」と話した。
左から永井氏、林氏、佐野氏
オフィス東側からの眺望
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URが分譲から撤退して以降、取材する機会はほとんどなくなった。声すらかからなくなった。ところが、この日、受付で渡されたクリアファイルに目が釘付けとなった。かわいい女性(添付写真)が「大切な書類であ――――る。」と呼び掛けてきたではないか。嬉しくなってURの担当者に女性の名前を聞いたら女優の吉岡里帆さんだという。これですっかりまたURのファンになった。以前の住宅公団、住宅・都市整備公団の時代ではこんなしゃれた真似はしなかった。何年前か「であ――――る。」のCMは見てはいたが、これほどかわいい女性だとは全然思わなかった。
(記者は首都圏で年間1万戸くらいの億ションが分譲されたバブルの頃、「公団も億の壁を破るべき」と迫ったことがあるが、頑として受けつけなかった。URは1戸も億ションを分譲していない。公的機関で陋習を打ち破ったのは横浜市住宅供給公社のみだ)
個人的には業界のCMはアットホームのウォリーの漫画と藤田ニコルさんの〝アットホームであった、アットホームであった…〟というのがとても好きだ。〝あった〟は〝在った〟なのか〝会った〟なのだろう。間違っても〝遭った〟ではないはずだ。
この藤田ニコルさんのクリアファイルも貰うことになっている。記者はSDGsの観点からクリアファイルを嫌悪しており、廃止すべきだと思っているが、吉岡里帆さんと藤田ニコルさんは例外だ。いつも持ち歩こうかしら。
クリアファイル(これは記者の所有物。肖像権に問われることはない筈)
外濠公園-番町が望める駅前の「コモレ四谷」マンション「ガーデン」はいくらか
「ザ・レジデンス四ツ谷ガーデン」
都市再生機構(UR都市機構)と事業パートナーの三菱地所は2月20日、JR・東京メトロ各線の四ツ谷駅前のランドマーク大規模再開発プロジェクト「CO・MO・RE YOTSUYA(コモレ四谷)」のメディア向け竣工見学会を行った。
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施設内に併設されている住宅「ザ・レジデンス四ツ谷アベニュー/ガーデン」を先に紹介する。
この日、発表会に臨んだ三菱地所都市開発二部担当部長・佐野正文氏などは「全体で60戸あるうち地権者住戸41戸を除く19戸が分譲対象。面積は約30~130㎡。何戸分譲するかは未定。3月半ばから後半にかけて三菱地所レジデンスのホームページに公開する」としか話さなかった。
基本性能・設備仕様レベル、プランなどが全く分からない現段階で単価を予想するのは難しいが、大胆に挑戦した。
目の前がビル群の南西向き「アベニュー」は坪600万円でも高いような気がするが、外堀公園に面し、その先に一番町エリアが大きく展開する南東向きの「ガーデン」(戸数未定)はズバリ坪単価750万円※とはじいた。
根拠は希薄だ。比較するものがないからだ。強いてあげれば、四ツ谷駅から徒歩6分の旭化成不動産レジデンス「アトラス四谷本塩町(旧四谷コーポラス)」の坪単価463万円、新宿御苑に隣接した三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス 新宿御苑」の坪570万円くらいだが、これらとは立地条件、スケール、眺望などからして比較にならない。
アドレスが「新宿区」なのは割引材料だが、総合的な評価は代田区番町エリアの坪600~800万円台に引けを取らないと読んだ。
読者の皆さんからは「高い!たわけたことを抜かすな」と罵声を浴びせられそうだが、三菱地所レジデンス「北千住」は坪380万円で売れた。桜並木が美しい外濠公園が目の前のマンションなら坪750万円※というのはむしろ安い-これが記者の結論だ。三菱地所レジデンスは果たしていくらの値を付けるか。
※2月24日時点で坪単価を当初の700万円から750万円に上方修正しました。坪800万円もあるかも。
全体鳥観図(UR都市機構 提供)
ワイドスパン、多面採光がいい リストが販売復代理の山田建設「橋本」
「ミオカステーロ橋本」
リストは2月18日、同社が販売復代理している「ミオカステーロ橋本」の問い合わせ件数が250件を超え、2月1日からの予約を含む来場者件数は100件を超えたと発表した。
同社は、リニア中央新幹線の駅が予定されている橋本駅から徒歩10分圏内で総戸数40戸以上のファミリータイプマンションの供給は約10年ぶりで、駅から徒歩6分の立地ながら近隣は戸建て住宅街のため閑静で、眺望も抜ける点を好評の理由としている。
物件は、JR横浜線・相模線・京王相模原線橋本駅から徒歩6分、相模原市緑区橋本三丁目に位置する15階建て42戸。専有面積は55.44~89.32㎡、価格は未定。竣工予定は2021年2月下旬。売主は山田建設。販売代理は自在空間。販売開始は2月下旬。
モデルルームでは、京王相模原線京王多摩センター駅から徒歩3分(小田急多摩線小田急多摩センター駅から徒歩3分)の「ミオカステーロ多摩センター」26戸の設備仕様も確認できる。
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この物件は10日くらい前に見学している。マンション化が進んでいる商業系エリアの一角で、建物は1フロア3戸(最上階のみ2戸)構成。南西向き角住戸は8.7mスパンの70㎡、中住戸は6.3mスパンの55㎡、東南向きの角住戸は7.0mスパン61㎡。最上階の左右対称住戸は10.15mスパンの89㎡。
主な基本性能・設備仕様は、全戸多面(8カ所)採光・窓、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、食器棚、食洗機、ミストサウナ、メーターモジュール廊下幅など。
価格は未定だが、坪単価は250~260万円くらいになるのではないか。中住戸も含めて8カ所に採光・窓を設けているプランがいい。
凄い!全館空調、二重&樹脂サッシ採用 野村不「亀戸」934戸 単価300万円台半ば
「KAMEIDO PROJEKT」
野村不動産は2月19日、地域共生をテーマにした商・住大規模複合「KAMEIDO PROJEKT」発表会を行い、環境・省エネ、防災対策を施した住宅棟「プラウドタワー亀戸クロス」(934戸)と大規模商業施設の概要を明らかにした。マンションは免震工法、全館空調(一部住戸除く)と二重サッシ・樹脂サッシを採用するほか、高さ3mの浸水にも対応する止水扉を設置する。商業施設は従来の店舗面積の約1.5倍、店舗数は約1.3倍の150店舗を予定し「365日亀戸劇場」を目指す。
マンションは、JR総武線亀戸駅から徒歩2分、江東区亀戸六丁目の商業地域・準工業地域に位置する敷地面積約24,823㎡ (小学校増築敷地約1,833㎡含む)、25階建て2棟全934戸。専有面積は29.88~138.44㎡ (トランクルーム面積0.64㎡~8.09㎡含む)、価格は未定だが、坪単価は300万円台の半ばになる模様。売主は同社(事業比率87%)のほか三菱地所レジデンス(同13%)。竣工予定は2022年1月下旬。施工は前田建設工業。デザイン監修は日建ハウジングシステム。
商業施設は、地下1階地上6階建て延べ床面積約58,000㎡。約150店舗が入居する予定。
会見に臨んだ同社代表取締役社長・宮嶋誠一社長は、「ESG、SDGsは経営活動の基盤で、目指すべき価値創造のテーマ。今回の『亀戸』プロジェクトはその取り組みのフラッグシップとなるよう『プラウドシティ日吉』同様、多様なコミュニティ形成や地域との共生をコンセプトとした『BE UNITED』を実現する」と述べた。
マンションの概要について説明した同社取締役兼専務執行役員・松尾大作氏は、「多様なニーズに応えるよう30~140㎡のプランを用意し、自宅をSOHO的に利用できるプランも検討中。環境・省エネの取り組みでは、先進のテクノロジーを導入し、プラウド初となる床空調システム『床快full』、間取りの自由度と可変性を高める『Mi-liful(ミライフル)』、大規模修繕の周期を長くして全体的なコストを削減する『アトラクティブ30』を採用。BELS認定を取得する予定。防災対策では荒川の最大の浸水予想3.5mに対応するため、電気室への浸水を防ぐ止水扉を設置する」と語った。
現時点の来場者は700組。2月末まで予約は満席。第1期は200戸弱を予定している。
商業施設については、同社執行役員・宇佐美直子氏が「テーマはLIVE UP!PARK。365日賑わう亀戸劇場を仕掛けていく。来館者目標は年間1,000万人超を目指す」と話した。
左から宇佐美氏、宮嶋氏、松尾氏(皆さんSDGsバッジを付けていた)
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以下は、新型ウイルスの感染を防ぐ役割を果たすかどうかは定かではなく、むしろのべつ幕なし害毒をまき散らす小生の口を封じる狙いがあるのではないかと勘繰りたくなるようなマスクを会見場の受付でもらい、現地・モデルルーム見学会に異動する際にはワンランクもツーランクも上位と思われる亀戸升本の弁当も頂いたお返しの〝お世辞〟記事では断じてない。この前の大京の「長津田」と同じ、極めてレベルの高いマンションに心底ほれ込んだ、賛辞を贈る記事だ。
同社は、今回の「亀戸」のほか、再開発の「金町駅前」190戸、「平井駅北口」約370戸、「小岩駅南口」601戸、「立石駅南口」450戸を数年間かけて今後分譲する(各物件とも地権者住戸含む)。トータルで約2,500戸だ。第一弾の「亀戸」で一挙に弾みをつけると読んだ。
その意気込みがひしひしと伝わる発表会だった。飛び上がらんばかりに驚いたのは全館空調(床快full)の採用だった。2~3年前から採用を検討していたという。
同じような機能を持つ三菱地所ホームの赤坂のモデルハウスに一度体験宿泊させてもらっている。また、外断熱のマンション、戸建て、ホテルなども泊まったことがあるのでその良さがよく分かる。居室はもちろん、廊下もトイレも洗面所、脱衣室、押し入れの中まで温度を一定に保つことができる。P.M2.5なども防げる。
残念だったのはコンパクトの162戸には採用されないことだ。なぜなのか理由を聞いたら、担当者は「コンパクトならエアコンをつけっぱなしにすれば効果は同じ。イニシャルコスト=販売価格を抑えるため採用しなかった」と話した。なるほど、これもありか。
それでも、採用戸数は872戸にのぼる。これまで三菱地所レジデンスは現在進行形の2物件を含め12物件に三菱地所ホームの「エアロテック」を採用しているが、戸数にすると約350戸だそうだ。「亀戸」は一挙に2倍以上上回る。同社は近く分譲する「文京千駄木」「高田馬場」でも採用するという。これは凄いことだ。
もう一つ。二重サッシは道路の騒音対策の一つだが、内側のサッシにアルミではなく樹脂サッシとLow-Eガラスを採用しているのにまた驚いた。こんなマンションはまずないはずだ。BELS認定は最低★3つを取得するようだ。
安心・安全の対策もなるほどと思わせるものだった。止水扉は自動的に作動するという。
モデルルームは74㎡と最上階プレミアム住戸(15戸)の121㎡。上記以外の設備仕様レベルはこれまでのプラウドとそれほど変わらないと思う。リビング天井高は最上階が2700mm、それ以下は2500mm。
約40戸のSOHOタイプはどのような条件を付すかは検討中とのことだった。記者は〝専ら居住〟の時代ではないと考えるので、これにも注目したい。住友不動産が採用している方式とは異なるのではないか。
ついでにトイレ。今年見学したマンション、戸建てのトイレはすべてTOTO製だったが、今回はパナソニックの「アラウーノ」。戸数でもTOTOに迫ったか追い抜いたか。
そして、最大の関心事である坪単価について。「わたしは歳をとってもストレート勝負。変化球は投げません。単刀直入に坪単価を聞きたい」と質問した。ひょっとすると交わされるかと思ったが、松尾氏は「プレ価格ですが、坪単価は300万円台の半ば」としっかり打ち返してくれた。そこで「『所沢』(坪350万円)は超えると思いますが、『北千住』(坪380万円)には負けるのではないか」と畳みかけた。松尾氏も相当負けん気が強い。スタッフを呼び、「コンパクトの162戸は『北千住』を超える」と話した。
値段が高いは安いかはユーザーが決めることだ。これ以上書かないが、マンションの基本性能は間違いなく現時点で最高クラスだ。今年のマンションベスト3候補に早速入れた。
添付した大京「長津田」の記事も併せて読んで頂きたい。立て続けに感動的なマンションを取材する機会を与えてくれた両社に感謝申し上げる。
床の通気口と二重サッシ・樹脂サッシ
公開空地
収納力を増やした新しいキッチン
蛍が湧き立つ川に隣接 基本性能・仕様レベル高い 大京のZEHマンション「長津田」
「ライオンズ長津田グランリーフ」
大京が分譲中のZEHマンション「ライオンズ横濱仲町台ヴィアーレ」と「ライオンズ長津田グランリーフ」を見学した。当初は「横濱仲町台」を先に書こうと考えていたが、「長津田」を先に紹介する。理由は、蛍が生息する川に隣接し、総合的なレベルも上位だと判断したからだ。
「長津田」の物件は、東急田園都市線・JR横浜線長津田駅から徒歩10分、横浜市緑区いぶき野に位置する6階建て全64戸。現在販売中の住戸(4戸)の専有面積は68.54~76.88㎡、価格は4,390万~4,990万円。坪単価は217万円。竣工は2020年1月24日。設計は日企設計。施工は大末建設。昨年6月から分譲開始し、現在、未分譲の4戸を含めて残りは8戸。
現地は、駅から徒歩8分くらいフラットの道を歩き、そこから先は緩やかな坂を下った準住居地域、第一種住居地域の二方角地。敷地は元駐車場。敷地に隣接して蛍が生息するという恩田川の支流の岩川が流れ、竹林がある。
建物はL字型で、標準階は1フロア12戸構成(南東向きが5戸、南西向きが7戸)。
主な基本性能・設備仕様は、高い断熱・省エネ性能を持つZEH-M基準を満たしており、アルミ樹脂複合サッシ、Low-Eガラス、BELSによるエネルギー消費量29%削減認定、低炭素建築物認定、パッシブデザイン、二重床・二重天井、リビング天井高2400~2500mm、御影石キッチン天板、食洗機、ミストサウナなど。
販売を担当する同社営業二部担当課長・徳本英子氏は、「えっ、『仲町台』から先に書く? 取材を終えるころには『長津田』を書く気持ちに変わりますよ。何たって、ここは始発もある田園都市線の長津田駅。岩川には蛍が生息し、竹林から湧いて出るのも確認しました。ZEHですからね。断熱材は通常の3倍。デザインにも力を入れています。単価230万円? それより低い217万円。これは安いと思いますよ。私が言うのではなく、お客さんがそう仰っていますから」と話した。
敷地のそばを流れる岩川
◇ ◆ ◇
先に「横濱仲町台」を取材したとき、駅からの距離、環境の良さ、売れ行きなどを考えて、「長津田」は後回しにしようと思っていた。しかし、徳本氏の誘導にまんまとはまった。
最初に揺さぶりを掛けられたのが〝蛍が湧いて出る〟だった。記者が生まれ育った伊勢の田舎は、1978年に芥川賞を受賞した宮本輝の「螢川」そのものだった。近くを流れるせせらぎや田んぼの畔は波のようにうねり重なって光り輝いた。手に取ると希望の黄色い光を放ち、暗闇を照らした。蚊帳の中に何匹も放っては、しわくちゃの祖母のおっぱいをまさぐりながら眠りについたものだ。高度成長と共に消えたのではなかったか。
その蛍が長津田に生息すると聞けば、これはもう最優先して書く価値があると判断した。
そして、決め手は商品としての総合力だ。「仲町台」はLow-Eガラスを採用しているが、サッシ枠はアルミだった。ところが「長津田」のサッシ枠は樹脂で、その良さをお客さんにきちんと伝えるよう普通のアルミ複層ガラスと樹脂サッシの比較体験コーナーを設けていた。
外気温をマイナス4.8度、室温を20.8度に設定しており、普通のガラスは7.2度、アルミ枠は9.4度を示し、水滴が張っていたのに対し、樹脂サッシのガラスは16.9度、樹脂枠は16.2度だった。
基本性能・設備仕様レベルから判断して、この単価設定はものすごく割安感があると思う。同社はパンフレットなどで「光熱費は年間54,419円お得!」と書くが、ZEHマンションに住む快適性・地球環境への貢献度合いも金額に換算してはどうか。
アルミサッシと樹脂サッシの比較体験コーナー(左の普通の窓ガラスは9.5度、右の樹脂サッシガラスは16.2度と表示されている)
左側が竹林が生い茂る岩川、右側が完成したマンションの車の出入り口(茶色は木調ルーバー)
隣接のサカタのタネのメタセコイア圧巻 大京のZEH-M「仲町台」 販売好調(2020/2/21)
〝日本一早い花見〟記者も体感 ANA・三井不・NAKED アバター鑑賞会
「FLOWERS BY NAKED 2020 -桜-」Prologue
ANAホールディングス(ANAHD)、三井不動産、NAKEDの3社は2月17日、ANAHDが独自開発したアバター「newme(ニューミー)」を通じて体感型アート展「FLOWERS BY NAKED 2020 -桜-」を鑑賞する模様を報道陣に公開した。
「FLOWERS BY NAKED」は、アーティスト・村松亮太郎が代表を務める「NAKED」が企画・演出・制作する花の体感型アート展。2016年から毎年、三井ホールで行われている。ANAHDが開発したアバター「newme(ニューミー)」を通じて企画展の一部エリアを鑑賞できる今回のイベントは2月17日から28日までの期間限定。
テーマは〝日本一早い花見〟で、会場には草月流家元・勅使河原茜氏による山形県啓翁桜が活けられており、写真家LESLIE KEE氏の見事な写真も堪能できる。
タンポポに息を吹きかけると綿毛が空に舞い上がり、(どんな体形の人でも)スタイルのいい妖精に変身して花と戯れることができ、観る人の感情を読み取り、それを画像に表現する仕掛けも施されている。3月1日まで。当日券入場料は税込みで大人/ 1,800円(平日)、2,200円(土日祝)、小人/ 1,200円(全日)。
ANAHDと三井不動産は都市で展開される様々なエンターテイメントにアバターを導入することを目指しており、2020年内をめどに日本橋エリアにアバター100体を投入する予定。ANAHDとNAKEDは、今後、Society5.0(超スマート社会)の実現に向け様々な枠を超えた先進エンターテインメントの実現に取り組んでいく。
Growing Garden
Wildflower Garden
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アナログ人間の記者は、全ての女性は美しいと思っているので、〝アバタ(痘痕)もえくぼ〟を支持するが、「アバター」の映画を見たこともなければ化身=疑似体験の「アバター」なるものが何なのかさっぱりわからない。
しかし、ANAHDのアバター体験CMを見て〝これは間違いなく世の中を変える〟と直感し、今回のイベントに参加することを決めた。
鑑賞会では、担当の若い女性がノートパソコンをいじりながら画面に呼び掛け、手を振り笑顔を振りまく姿を不思議に眺めるしかなかった。小生だって西武ライオンズが激勝したときなどは歓声の声を上げるし、メロドラマに感涙することもあるが、それはテレビに向かってではなく自分自身に対してだ。画面に没入し、感情をあらわにすることはあまりない。冷静な別の自分がいる。
ところが、その女性が会場内にある「花おみくじ」を買う場面では疑似体験とはこういうものかと驚くほかなかった。女性は「それじゃない。その隣」とパソコンに呼び掛け、会場内のスタッフが指示された「花おみくじ」を取り、「大吉です」と開いて見せた。
なるほど。「リアルとバーチャルの融合」とはこのことか。このようなことが可能であれば、自宅に居ながらにしてあらゆる商品を購入する時代はもうすぐやってくる。マンションのモデルルームでやったら営業コストは下げられるし、歩留まり、契約率は格段にアップするはずだ。
アバターは一体100万円はしないそうで、月数万円のリースも検討しているという。100戸のマンションに導入し、アバター効果で10戸が売れたら…ハワイの高級マンションでは事例があるという。三井不動産レジデンシャルはすでに考えているのではないか。
アバター体験を実演する担当者
アバター「newme(ニューミー)」(1体100万円はしないとか)
Dandelion Hill
自らが妖精に変身(この方のスタイルがよくないという意味ではありません=念のため)
蛍のようにシャボン玉が会場に浮遊した
「FLOWERS BY NAKED 2020 -桜-」会場入り口
ANAHDのアバタ―https://avatarin.com/
五感で「花」が楽しめる展示・イベント 三井不動産 日本橋で開催(2016/1/8)
貧しい街路樹 低い緑被率 「緑」に対する市民の不満率44% 「八潮らしさ」を考える
大山市長(左)と中央住宅・品川社長
先に「八潮らいし街並み景観・分譲住宅認定制度」を紹介した。開発行為(500㎡以上)だけでなく、それ以下の開発事業にも認定制度(金児氏は「縛り」と話した)を設け、良好な街づくりを誘導しようというのはよく理解できるし応援したい。
ただ、「八潮らいし」とはどのようなことなのか、部外者にはよく分からないので八潮市のとくに「街並み」「緑」に注目して調べることにした。
記者は、これまで八潮市を訪れたのはマンション取材など数回しかない。緑の量と質で圧倒的に勝るわが多摩市と比較するのは気の毒かもしれないが、埼玉県戸田市、三郷市などと同じように、街路樹・緑が貧弱で街並みは殺伐としていると言わざるを得ない。
この日(2月14日)は、八潮市駅から市役所までタクシーで移動したのだが、途中のイチョウ並木はとても美しいと思った。しかし、落葉樹のイチョウが美しいのは葉っぱを円錐形に広げる時期もいいが、やはり黄色く染まる秋の一瞬だ。葉を落とすと、枝はビュッフェの絵画のように不気味で不安をあおる風景に一変させる。多摩市にもイチョウ並木はたくさんあるが、自慢できるのは常緑樹のクスノキやシラカシだ。街路樹約1万本のうち常緑樹は2割を超える。真冬でも緑が途絶えることはない。
八潮市の街路樹の本数、樹種を調べようと思ったが、一つもヒットしなかった。つまり、市内にどのような街路樹がどこに植わっているか手掛かりはまったくない。これでは、緑の効用、街並み景観の大事さを市民に伝えられないのではないか。多摩市は1万本の樹種を全て公開している。
緑被率もしかり。これも多摩市の47.4%と比較するのは適当ではないかもしれないが、八潮市の20.2%には驚いた。東京都港区の21.8%より少ない。市内には調整区域が市域面積の約27%(約495 ha)もあり、中川、綾瀬川の水景などもあるのに、都区部並みというのは信じられない少なさだ(戸田市の市街化区域の緑被率は. 11.6%)。市民一人当たりの公園面積も2.12㎡で、埼玉県平均の7.2㎡を大幅に下回っている。
こうした数値は、市民の評価にも現れている。市民アンケートによると、「自然環境や緑化など緑の現状に対しての評価」では、「満足・やや満足」は14%にしか過ぎず、「不満・やや不満」の44%より圧倒的に少ない。
なぜ、これほど街路樹が貧しく緑が少なく、市民からの評価も高くないか。これは同市の土地利用によるものだろう。市名の「八潮」は低地を連想させるように農地や水面は多いが、「山」が付く地名は一つもなく、土地利用では住宅地25%に次いで工業用地は17%を占める。
市街化区域の用途地域でも、良好な低層住宅の環境の保護を目的とする第一種・第二種低層住居専用地域は、県内の和光市、蕨市、戸田市、秩父市とともに1カ所もない。その逆に工業・準工業・工業専用は市域面積の約27%の488haもあり、商業・近隣商業は約3%の56haしかないのも特徴だ。
このように、緑、街並、土地利用などについて概観したが、これらが「八潮らしい」ということではないはずだ。市は土地区画整理事業に熱心だし、昔は泳げたという綾瀬川や中川の水景もある。一挙にイメージを好転させるのは難しいかもしれないが、大山市長が強調したように50年、100年先を志向した街づくりを行ってほしい。
一つだけ、認定制度の必須要件とされる「道路に面した部分の外壁の一部に自然素材(木、漆喰など)又は木目調の外壁材を採用すること」について言わせていただく。
外壁の一部とはどの程度か分からないが、木や漆喰などの自然素材を採用するのは調整区域なら可能かもしれないが、市街化区域では防火・耐火基準をクリアしないといけないので容易ではない。お金もかかる。この条件を課すのは現実的ではない。
この条件は厳しすぎるから、要件に「又は木目調の外壁材」と「又は」を加えたのだろうが、本物の木とフェイクの木は似て非なるものだ。見た目にはそれほど変わらないかもしれないが、地球環境などに大きな役割を果たす木に対して無礼、失礼ではないか。
それよりも、敷地の緑被率を高め、中高木も1本と言わず2本、3本植えるよう誘導してはいかがか。埼玉県は「彩の国みどりの基金」を平成20年に創設し、住みやすく環境にやさしいゆとりの田園都市埼玉を目指し、「みどりと川の再生」に取り組んでいる。市も市民もデベロッパーも一緒になって取り組めばイメージはずっとよくなる。「翔んで埼玉」の第二弾はないのか。
「八潮市らしい街並み景観・分譲住宅認定」制度第一号 ポラス「八潮」認定授与式
「マインドスクェア八潮 やすらぎの家」完成予想図
認証マーク
令和元年9月に創設された埼玉県八潮市「八潮らいし街並み景観・分譲住宅認定制度」第一号にポラスグループ中央住宅「マインドスクェア八潮 やすらぎの家」が認定され、その認定書授与式が2月14日行われた。大山忍市長から同社代表取締役社長・品川典久氏に認定書が手交された。
認定制度は、地域に根ざした八潮らしい街並みづくりを推奨するために創設されたもので、対象となるのは、道路に面した3戸以上、1戸の敷地面積が100㎡以上、用途地域が市街化調整区域や商業系、工業系でないこと、認定を受ける前に着工しないこと、法令違反がないことの5つの条件を満たした分譲住宅。
認定基準は、6項目の必須要件と16項目の努力目標からなる。必須要件は、①道路に面した部分の外壁の一部に自然素材(木、漆喰など)又は木目調の外壁材を採用すること②外壁の位置を道路境界から1m以上後退すること③道路境界部は開放的な設えにすること④屋根の形状は道路に面して山型となるよう寄棟や切妻形などとすること⑤道路に面して屋外照明設備を1個設けること⑥通りから見える位置に中高木を1本以上配置すること。この6つの必須要件に適合すれば★一つが付与される。
努力目標は、家族・地域、街並み・みどりとのつながりつながるよう玄関にゆったりとした庇や軒下空間を設けたり、屋内外をつなぐ箇所に縁側やテラスを設置したりすることが求められている。
5項目以上に適合すれば★2つ、10項目以上であれば★3つが付与され、市のホームページなどで認定マークが公開される。
授与式で大山市長は、「50年、100年先を見据えたより景観を重視した住みやすいナンバーワンの街づくりを民間と連携して進めていく」と述べた。
品川社長は、「認定制度の第一号に認定されてとても嬉しい。市の考えと当社の分譲住宅の取り組み姿勢は合致している」と話した。
同社取締役・金児正治氏は、「必須要件を満たし、限られたスペースに努力目標を盛り込むのは容易でなかったが、明かり協定などこれまで実践してきた経緯もあり、地域のランドマークになる」と語った。
「マインドスクェア八潮 やすらぎの家」は、東武スカイツリーライン草加駅からバス11分徒歩2分(つくばエクスプレス八潮駅からバス9分徒歩3分)、八潮市大字伊草に位置する全11棟。敷地面積は100~122㎡、建物面積は93~97㎡、価格は2,900万円台~3,900万円台。建物は木造2階建て。2月15日から販売される。認定制度で★3つを獲得している。建物は未完成のため、同社としては初めてVR画像で完成後の街並みを表現している。
左から同社マインドスクェア事業部 企画設計課主任・玉越啓資氏、大山市長、品川氏、金児氏(八潮市役所で)
モデルルームインテリアが「経済産業大臣賞」受賞 大成有楽不「中野」
「グランツオーベル中野」モデルルーム
大成有楽不動産は2月13日、現在分譲中の「グランツオーベル中野」のモデルルームインテリアが、「令和元年度住まいのインテリアコーディネーションコンテスト」最高賞の「経済産業大臣賞」を受賞したと発表した。受賞したモデルルームは、コスモスモアがデザイン監修を行っている。
同社は「モデルルームのコンセプトは、働き方改革が進む昨今、これまで以上に自宅で過ごす時間が増えることを想定し、より自宅空間を最良のものにしたいという思いから始まりました。そして、見た目が煌びやかなだけではない、新しいラグジュアリースタイルの提案を行うべく、『New Luxury』をコンセプトとし、インテリアテイストとしては、上質で落ち着いた高級感を醸しながらも、大人の遊び心を刺激する、新しいアイデアが生まれるような空間デザインを創造しました」としている。
主催したインテリア産業協会の審査委員は「マンションはお客様によって『オフィス的に使う』場合や、『趣味の領域』、『ゆったりリラックスするくつろぎの領域』など多様な使い方がある。単に住まうというよりは、『居場所』としての質の向上をすることで多様な使い方に対応していると感じた。この状態が完成形ではなく、今後使いながら空間は変化を続け、より心地よくなっていくような余地を残している感覚がこれからの『住む』ではなく『時間を過ごす』という考えを感じ取ることができる空間表現となっている点が評価できる」としている。
モデルルーム
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記者は昨年10月、このマンションを取材しており「インテリアデザインにコスモスモアを起用した約79㎡のモデルルームが出色だ。家具・調度品、カラーリングなどは富裕層の心を捉えるのは間違いない」「リビングには瘤付き無垢材のテーブルが置かれていた。一流料亭でもあるかないか。このようなテーブルで食事をし、酒を飲みたい。デザイナーの方は女性のようだが、今後が楽しみだ」とストレートに書いた。これほどベタ褒めしたマンションはそうない。
売れ行きも好調のようで、昨年末までに第1期34戸が完売し、2LDKタイプはすべて成約済みとか。
同社にひと言。このように経済産業大臣賞を受賞する力があるのに、今後のマンション事業は抑制気味だと聞いた。良好な土地の仕入れが難しいのは分かるが、敢えて競争が激しいホテルなどに注力するのか。一括売りした「築地」も素晴らしかった。
モデルルーム