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 ナイスは9月1日、一戸建住宅商品「パワーホーム」の新シリーズとして、自然災害に備える「防災の家」の販売を開始したと発表した。

 高い耐震性や耐風性を確保することで基本性能を高め、災害発生後、ライフラインが途絶した場合にも安心して暮らし続けられるよう自家発電設備や貯水タンクなどの災害対策設備を備えているのが特徴。また、平時から災害発生に備える収納力の確保など提案している。

 具体的には、オリジナル接合金物と集成材を組み合わせ、高い構造信頼性を実現する「パワービルド工法」により、日本住宅性能表示基準における耐震等級3を確保。引き違い窓には耐風シャッターを装備。小窓には高い水密性と耐風圧性を確保したアルミ樹脂複合窓を、屋根材には一般的な陶器平板瓦の約半分の重量となる瓦を採用する。

 停電の際には太陽光発電と蓄電池とエネファーム(燃料電池)の三つの電池が連携、断水時にも最大36リットル(4人家族の場合の3日分に相当)の飲料水を非常兼用給水栓から取り出せるようにしている。玄関脇の大容量ストレージ、小屋裏収納、ローリングストックパントリーも備える。

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「原山公園再整備運営事業」プール

 フージャースホールディングスは8月31日、同社グループのフージャースリビングサービスを代表とする企業グループ原山公園PFIが進めてきた大阪府堺市の「原山公園再整備運営事業」を9月1日にリニューアルオープンすると発表した。

 同事業はPFI法に基づき「子どもから高齢者まで誰もが健康づくりを楽しむきっかけを作る公園」をコンセプトに原山公園PFI2017年から再整備を行ってきたもの。

 リニューアルオープンする原山公園は、新たにウォータースライダー併設の屋外プールや地域住民の健康増進に寄与するウェルネスパークとしての温水プール、フィットネスエリアを整備し、「住民一人ひとりを元気にする拠点」となる公園に生まれ変わった。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で開業が2か月遅れたが、オープン後は施設維持管理をフージャースリビングサービス、運営をフージャースウェルネス&スポーツが、事業全体のマネジメントをアイ・イー・エーが担当する。

 同事業は、敷地面積83,000㎡、設計監理は石本建築事務所、パスコ、建設は大鉄工業、隆栄建設。維持管理は住友林業緑化、フージャースリビングサービス。便益施設運営はジャパンウェルネス。総事業費は約36億円。

◇       ◆     ◇

 平成11年7月に「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)が制定されてから20年経過した。国は平成25年度から令和4年度までの10年間で21兆円の事業規模の達成を目指しているが、平成31年度末で740件、累計契約額は7.4兆円にとどまっている。

 デベロッパーが参画したPPP/PFIによる公園再生事業は、三井不動産の「渋谷区宮下公園」「Hisaya-odori Park(ヒサヤオオドオリパーク)」などがあるが、都市公園などの低未利用の公的不動産を有効活用することが期待されている。他のデベロッパーもどんどんチャレンジしてほしい。

 国土交通省は8月31日、7月の住宅着工戸数をまとめ発表。着工戸数は70,232戸となり、前年同月比11.4%減、13か月連続して減少した。

 利用関係別では持家は22,708戸(前年同月比13.6%減、12か月連続の減少)、貸家は27,684戸(同8.9%減、23か月連続の減少)、分譲住宅は19,359戸(同11.8%減、9か月連続の減少)。分譲住宅の内訳はマンション8,352戸(同2.9%減、3か月連続の減少)、一戸建住宅10,820戸(同17.2%減、8か月連続の減少)。

 首都圏マンション着工戸数は3,815戸(前年同月比15.4%増)で、内訳は東京都2,183戸(同8.8%増)、神奈川県1,063戸(同63.5%増)、埼玉県275戸(同11.6%減)、千葉県294戸8同13.5%減)。

 令和2年1月~7月のマンション着工戸数は30,754戸(前年同期比9.6%減)で、内訳は東京都18,240戸(同13.6%減)、神奈川県6,052戸(同24.3%減)、埼玉県3,010戸(17.8%増)、千葉県3,452戸(同45.1%増)。

 

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「skye3(スカイエスリー)」

 大和ハウス工業は9月1日、大都市圏の狭小敷地にも対応できる重量鉄骨ラーメン構造3階建て新商品「skye3(スカイエスリー)」を発売する。

 開発に当たっては、最近の3階建て市場の動向や、3階建て戸建住宅に入居中の社員にアンケート結果を踏まえ、「部屋の広さや間取り」「採光や日当たり」「デザイン」などの声を重視した。

 ①新たに開発した新「DRF構法」に加え、繰り返しの地震に強い「Σ形制震パネル」を搭載②天井高最大約6mの広がりと明るさを兼ね備えた「Air GranLiving(エアグランリビング)」③業界最小モジュールなどを取り入れることで、限られた敷地を最大限活用できる「敷地対応力」④「skyful design(スカイフルデザイン)」で実現した開放的な内外観デザイン-などが特徴。

 販売地域は沖縄県など一部地域を除く全国で、本体工事価格は134.31㎡(40.62坪)の試算プランで89.9万円/坪 (税込 設計料・諸費用等別)。販売目標は年間350棟。

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「ブランズタワー所沢」

 東急不動産は8月31日、with&afterコロナの新しい生活様式のキーワード「働き方」「ウイルス対策」「健康増進」に対応する新しい商品企画を開発中のマンション「ブランズタワー所沢」に取り込んだと発表した。

 共用部には、オカムラ、ブイキューブ、テレキューブが開発したフルクローズ型ワークブース「TELECUBE by OKAMURA」、パナソニックが開発した空間除菌脱臭機「ジアイーノ水道直結タイプ」を初導入する。

 専有部には、東急スポーツオアシスが監修したフィットネスアプリ「WEBGYM」を活用した新たなインテリアオプションも盛り込む。

 物件は、西武新宿線・西武池袋線所沢駅から徒歩6分、埼玉県所沢市東町に位置する29階建て全155戸。専有面積は63.77~92.38㎡。設計・監理はジーエー 建築設計社。施工は佐藤工業。竣工予定は2022年1月下旬。

東急不動産 在宅テレワークに対応したインテリアオプション マンションに導入(2020/7/15)

 

 


 

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「西原一丁目公園トイレ」

 日本財団は8月31日、国内外の16名の著名な建築家・デザイナーを起用して渋谷区内の公園17か所にトイレを設置するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」のうちの一つ、「西原一丁目公園トイレ」(デザイン:坂倉建築研究所取締役会長・坂倉竹之助氏)が完成したのに伴い報道陣に公開した。

 「西原一丁目公園トイレ」のテーマは「ANDON TOILET」。「従前は利用頻度が極めて少ない実態があり、近寄りがたい印象すらあります。一般的なトイレ整備の目標とされる便器数の充足、待ち時間解消といった“数”や“時間”という数値とはまた別の魅力を持たせることでみんなが『利用したいと思う』トイレを創出することが、この敷地では重要と考えます。“行燈”としてのトイレが公園を明るく照らし出すことで、誰もが気軽に訪れる公共空間として望ましい姿になることを願っています」(同財団プレス・リリース)としている。

 プロジェクトは、同財団が渋谷区の協力を得て誰もが快適に使用できる公共トイレを2020年夏までに区内17カ所に設置・寄付し、2023年までは同財団も維持管理に関わるもの。クリエイターは安藤忠雄、伊東豊雄、隈研吾、槇文彦氏、坂茂氏ら16名。今回のトイレを含めて7か所で完成、または近く完成する。整備費用は7か所で約7.5億円。全体では17億円くらいになるもようだ。

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2つある男女共用ブース(ほかに車いすも利用できる「だれでもトイレ」がある)

◇       ◆     ◇

 今回のトイレは建設中にも取材しており、記事を添付したので参照していただきたい。ライトグリーンの外観が美しく、周囲に低中高木を巡らしている素晴らしいトイレだ。

 問題は前回も書いたが、誰が利用するかだ。プレス・リリースも書くように「従前は利用頻度が極めて少ない実態があり、近寄りがたい印象すらある」。この日(31日)、1時間近く現場で取材したが、報道陣など関係者以外は一人も通行する人がいなかった。

 “行燈”として公園を明るく照らし出してほしい。〝行灯部屋〟のようにならないことを願う。

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入口の銘板(日本財団も坂倉竹之助氏の名もあるがもう少し目立つようにしていいのでは)

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 前回も書いたが、渋谷区は区立公園の写真撮影は事前に申請し、商業用写真撮影、ビデオ・映画撮影などは1時間3.5万円の撮影料を払い、許可を得なければならないと渋谷区立都市公園条例で定めている。区の担当者に「業として撮影するのではない。報道写真として撮影するのだから」とお願いしたが、ダメだった。(今回は日本財団が許可をとった模様)

 だから、腹いせに書くわけではないが、幡ヶ谷駅から今回の公園とほぼ同距離圏に広さ336㎡の「幡ヶ谷第四児童遊園」がある。

 写真を見ていただきたい(区に写真撮影の申請も許可ももらっていないが)。ほとんど公園内は砂場を含めて雑草に覆われていた。これほどの雑草が成長するまでどれくらいの日にちが必要か分からないが、2~3か月はかかるのではないか。

 区は条例で「公園を損傷し、又は汚損すること」(第11条)を禁止すると定めている。雑草をはびこるままに〝放置〟するのはこの条項に区自身が背馳しているのではないか。近隣の人は平気なのか。誰も利用しないからいいのか。

 一般社団法人日本公園緑地協会「全国中核市等における公園緑地の課題に関する調査研究」(平成28年)には、「500㎡以下の狭小公園については、「公園の統廃合」や「機能分担」等が望まれており少子高齢化・人口減少時代の到来を受け、かつて児童のための公園として整備されてきた小規模公園の利用が極めて低く、社会的ニーズとの乖離がある」との報告がある。

 行政任せにしないでみんなが公園のあり方を考えるきっかけに「THE TOKYO TOILET」がなることを期待したい。

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「幡ヶ谷第四児童遊園」

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坂茂氏も坂倉竹之助氏も素晴らしい 日本財団の民設民営 渋谷区公園トイレ(2020/8/9)

渋谷区に安藤忠雄、伊東豊雄、隈研吾、槇文彦氏ら16人がデザインしたトイレ誕生(2020/8/7)

激減する利用者 激増する1人当たり占有面積 公園のあり方考える(2020/8/9)

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 ここ最近、東京都の新型コロナ感染者は「家庭内感染」が増えているとの報道が目立つ。東京都の年代別・性別属性データからもそのような傾向を読み取ることができる。家庭内での三密は避けられず、悩ましい問題だ。

 別表・グラフは、2週間ごと合計過去6週間の感染者の推移を表したものだ。

 6週間を通じてもっとも多いのは4,203人の20代で、全感染者約11,000人のうち37.1%を占める。次いで多いのが2,632人の30代で、比率は23.2%。この20代と30代の感染者比率は60.3%に達する。他の年代では20代未満が5.2%、40代が13.8%、50代が9.6%、60代が5.0%、70歳以上が6.1%となっている。

 これを2週間ごとに見ると、猖獗を極めた7月19日~8月1日、8月2日~8月15日までの20代はそれぞれ1,600人を超え、比率的には40%前後に達している。ところが、8月16日~8月29日間は982人と全2週間前より632人も減少、全体に占める比率も31.5%へ低下している。

 30代も20代と同じような傾向を示しており、感染者の減少、感染比率の低下が著しい。40代の感染者もこの2週間は前2週間前と比べ21.0%減少している。

 一方で、20歳未満、50代、60代、70歳以上のこの2週間の感染者は4週前と比べると、それぞれ27.7%、12.8%、23.8%、34.9%増加し、全感染者に占める割合も4週前の21.3%から33.0%に増えている。

 このように、20代、30代の層の感染者が大幅に減少し、年少者、高齢者の感染者が増加していることから、都は家庭内感染が増加している理由にしていると思われる。ただ、感染経路不明比率は5~6割に達していることを合わせて考えると、データ的には根拠はやや薄いと思えるがどうだろう。

 若い層の感染者が減少しているのは、8月3日から8月31日までの飲食店、カラオケ店の営業時間を朝の5:00から夜の22:00までとする都の要請効果が表れているといえそうだ。

新型コロナ 感染経路不明率 東京都など6割超 マンパワー・IT能力不足露呈(2020/8/29)

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 新型コロナの感染動向を示す重要な指標とされる「感染経路不明率50%」がなかなかクリアできていない。厚生労働省が発表した8月27日現在の累計感染者は64,652人で、うち過去1週間の経路不明率は前週より2.0ポイント増の54.2%となった。62.5%の東京都をはじめ大阪府(65.1%)、愛知県(62.5%)、沖縄県(68.3%)、群馬県(69.6%)、高知県(66.7%)などが60%を超えている。

 不明率が下がらないことについては、これまで何度も書いてきたので繰り返しは避けるが、5月11日に発信した「新型コロナ 感染経路不明者が減らない理由 〝闇社会〟〝二重就業〟も一因」の記事はこれまで44,041件のアクセスがある。「#」の使い方など知らないので、読者の方に〝拡散〟するようお願いしたわけでもないのに、他の不動産の記事より数倍どころか数十倍の多さだ。

 その記事の当否はともかく、見えない敵に立ち向かい、感染拡大を防止するには徹底して感染経路を辿ることだと、最初のクラスターとなった屋形船で学んでいるはずだ。

 劇的に感染者が減少した人口約1,945万人の米国ニューヨーク州には感染経路をたどる「トレース部隊」があり、「トレーサー」は3,000人もいると報道された。わが国でも、トレース(Trace:追跡)とアビリティ(Ability:能力)を組み合わせた造語「トレーサビリティ(Traceability)」はあらゆる分野で最低限守るべきものとされている。

 では、東京都にはニューヨーク州のトレーサーに該当するスタッフはどれくらいいるか聞いたが、都が所管するのは多摩地区と島しょのみで、各区の保健所に聞いてほしいとのことだった。つまり、都は感染経路を辿るスタッフがどれくらいいるか把握していないということだ。

 ならば、現場を取材するほかないと、いくつかの区の保健所に取材を申し込んだ。案の定「多忙」を理由に断られた。感染の第一波のときはNHKなどのメディアがひっ迫する現場の模様を報道したが、いまは全くない。

 報道されないのは、現場の感染防止体制が改善されたからでないことは容易に想像できる。マンパワーが圧倒的に足りないのは明らかだ。データがそれを示している。

 社会保障統計年報によると、平成7年の保健所数・職員総数は845か所・約34,000人だったのが、平成27年のそれは495か所・約28,000人となっている。20年間で保健所数は4割以上、職員数は16.8%減少している。職員の中には医師はもちろん薬剤師、保健師、管理栄養士などが多数を占めているので、感染経路を辿る専門職は1か所に10人か20人くらいではないか。だとすれば、都の体制はニューヨーク州の10分の1程度ということになる。

 ITなど情報処理能力不足も露呈した。都は5月11日と21日、それぞれ感染者公表数字を訂正した。11日は保健所からの未報告分111人を追加し、重複分35人を削除し、21日は58人を追加し、重複など11人を削除した。その理由として患者数の急増により業務が増大したため、①患者の入院や退院等の情報を入力するデータベースがない②患者の退院等に関する情報を病院から保健所に連絡する仕組みが整備されていない③発生届についての紙ベースでの管理など、情報管理のしくみにも不備があった-などと報告された。

 その後、数字の訂正は行われていないが、経路不明率は一向に改善されていない。専門家の声は政府に届いているのか。せっかくのオープンデータ・リソースも生かされていない。

東京都 新型コロナ 公表データ訂正 起こるべくして起きたミス 疲弊する現場(2020/5/12)

東京都 新型コロナ 経路不明率1週間50%超 〝プライバシー〟は盾でも壁でもない(2020/7/25)

新型コロナ 感染経路不明者が減らない理由 〝闇社会〟〝二重就業〟も一因(2020/5/11)

激増する若者のコロナ感染 減らない経路不明 蜂の巣をつついた〝夜の街〟発言・報道(2020/7/4)

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Shin Tokyo 4TH」センタースクエア

三菱地所は827日、大手町・丸の内・有楽町エリアにおける2020年以降のまちづくりを「丸の内 NEXT ステージ」と位置付け、イノベーション創発とデジタル基盤強化を通じ、個人のクオリティオブライフ向上と社会的課題の発見・解決を生み出す仕掛けづくりを推進しているが、その重点エリアの一つである「有楽町」にイノベーション拠点「Shin Tokyo 4TH」をオープンしたと発表した。

Shin Tokyo 4TH」は、JR・東京メトロ丸ノ内線東京駅直結、JR有楽町駅徒歩3分の「新東京ビル」(東京都千代田区丸の内3-3-14階のフロアリニューアルにより誕生。同拠点を出会いや活気があふれる「Market(市場)」と位置づけ、カフェラウンジやシェアキッチン、スタジオといった機能をワーカーが長い廊下を回遊して利用することで行動範囲を広げ、場所・時間・情報の共有や交流を自然発生的に生み出す空間を目指す。

入居企業は、 丸の内産ITエンジニアを育てるプログラミングスクール「TECH CAMP」を運営するdivや、自動運転社会を見据えたMaaS事業を展開するMONET Technologies、新規事業の代理出産モデルを手掛けるボーンレックスなど9社。

また、同社は、有楽町再構築の大きな柱の一つに文化・芸術を掲げ、様々なアートプロジェクトを進行中で、同拠点にも現代アートを導入することで、「アート×オフィス」が融合した新たなオフィスショーケースを目指していく。

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カフェラウンジ

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辻に見立てた廊下

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「関東 住まいの夢工場」

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「小林さんち。」

 積水ハウスは826日、茨城県古河市にある住まいづくりのテーマパーク「関東 住まいの夢工場」内の7棟のライフスタイル型モデルハウス「みんなの暮らし 7stories」のメディア向け見学会を行った。参加した報道陣は約30人。モデルハウスは予約制で91日にオープンする。

「みんなの暮らし 7stories」は「共感」が最大のコンセプトで、従来型の説明的総花的モデルハウスから脱却し、リアルな暮らしを体感できるように名前、家族構成、年齢、職業、趣味、価値観、ライフスタイルなどを具体的に設定し、各家族の暮らしのシーンを表現する空間づくりを行っているのが特徴。

例えば「子育てファミリーの家 小林さんち。」。夫:小林誠(35歳)会社員、妻:恵(35歳)会社員、長女:凛(7歳)、長男:樹(1歳)の家族構成で、共働き夫婦が建てた東京都・若葉台の新築を想定。家族みんなで「衣家事(イエゴト)」を楽しむ空間や子どもがのびのびと遊べる大空間リビング、多様な働き方をサポートする在宅ワークスペースまで居心地よく暮らせる工夫を提案している。

同社住生活研究所長・河崎由美子氏は、「新型コロナの影響で営業スタイルは個別対応型になりつつあるが、今回のモデルハウスはこれまで積み重ねてきた研究所の成果をもとに、向こう10年間楽しめる幸せになれる価値ある住宅をリアルに提案しようというのが本来の狙い」などと開発背景やコンセプトについて語った。

「7stories」の開設により、「関東 住まいの夢工場」は耐震性や断熱性など同社の技術的な強みを展示している技術・構造館と、同研究所が研究を続けている「幸せ住まい」に関する提案をワンストップで体験することができる新しい施設に生まれ変わる。

見学会を実施するにあたって同社は、東京駅と茨城県古河市の関東住まいの夢工場を大型バス2台で送迎したのだが、正席49席に対して二人掛けに一人利用の最大24名という制限を設けるなど万全のコロナ感染予防策を取った。

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「ガブリエルさんち。」

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「外山さんち。」

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「山本さんち。」

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「紫門さんち。」

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「内藤さんち。」

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「森さんち。」

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河崎氏

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7stories」のモデルハウスを一つひとつ紹介する余裕はないが、コンセプトである「共感」を呼ぶものであるのは間違いない。全体的には、同社の1棟単価は4,000万円近いことからも分かるようにアッパーミドル・富裕層がメインターゲットになりそうだが、〝小道具〟がまたなかなかいい。

「紫門さんち。」には新車なら1,000万円はするポルシェの1998996型の中古車がガレージに展示されている。担当者が「びっくりするほど安く買えた」と話したので、「成約者におまけで付けたらどうか」と聞いたら「車は売りません」とのことだった。

同社のヒット外壁材「ダインコンクリート」をリビングダイニング内に取り込んだ「外山さんち。」の提案にははっとさせられた。これは文句なしにいい。他社も真似るのは必至とみた。

「内藤さんち。」「ガブリエルさんち。」「山本さんち。」に設えてある楽器、書籍、日本酒、ウイスキーなどもコンセプトにぴったりだ。「ガブリエルさんち。」には「獺祭」などの名酒がずらり並べられており、食卓には記者の大好きなアユの塩焼きが7匹(もちろんフェイク)も盛られていた。記者が食べるのは1300円くらいの養殖ものだが、天然ものだったら12,000円以上する。うらやましい。お客さんと話し出したら止まらなくなるかもしれない。

ネーミングもいい。カレンダーは1週間(7日)が基本だし、カラスの子は七つ(羽)、ウルトラマンもセブンだ。北斗七星、七賢人、春も秋も七草、七味唐辛子、七人の侍…みんな七だ。

絵画が趣味で酒をこよなく愛す71歳の小生も自分の好みと、記者としての冷静な視点から「7stories」を評価した。

どれもこれもコンセプトが明確で甲乙つけがたいが、好みからいえば「アートと暮らす家 紫門さんち。」、「音楽を愉しむ家 内藤さんち。」、「和の感性を大切にする家 ガブリエルさんち。」を高く評価した。

平屋住宅の「アクティブシニアの家 山本さんち。」もいいが、過剰な造作家具などが気になり、せっかくの庭・緑を生かしていない間取りもマイナス材料だ。3階建ての「グリーンと暮らす家 森さんち。」は敷地面積が狭い都心居住の人には評価されるはずだ。「三世代家族の家 外山さんち。」は、子どもとの同居を望まない小生は対象外とした。孫に話して聞かせる自分の歴史などない。

記者としての視点でいえば、「子育てファミリーの家 小林さんち。」がもっとも優れていると思った。家事動線を考慮してキッチンの裏側にも作業スペースを設けたプランがよく、坪単価は7080万円くらいの坪単価も共感を呼ぶはずだ。

そして、何よりもよかったのは、住生活研究所課長・木野村昭彦氏(41)の堂に入る説明だった。開口一番「リアルを表現した」の短い言葉で特徴を言い切った。子どもとの接し方を話したのを聞いて学校の先生経験者かと思ったほどだし、洗濯物を取り込み、アイロン掛けする〝主夫〟を演じて見せたのには絶句した。

小生も〝主夫〟を約10年やったので、家事労働の大変さは分かっている。なぜそんな芸当ができるのか本人に聞いたら、「うちは完全フルタイムの共働きなので、家事は妻と出来る限り平等に分担していて、私も妻と同様に料理や洗濯も普通にこなします。アイロンに関しては妻はあまりせず、主に私が担当しています」と話した。

なるほど。実践の裏付けがあるから説得力がある。木野村氏はこれまで商品開発部門を担当されてきたようだ。営業を担当したら他人の2倍は売れるのではないか。

〝話術〟では、「和の感性を大切にする家 ガブリエルさんち。」を担当した沢辺泰代氏がとびぬけていた。日本文学を研究する大学教授の〝ガブリエルさん〟は実在する人ではないかと思えるほど、具体的でさもありそうな話をすらすらと語った。沢辺さんもまたどんな顧客に対しても適切な対応できる能力の持ち主だ。(経歴を聞けばよかった)

 ハウスメーカーの住宅展示場やデベロッパーのマンションモデルルームは、いったい誰が住むのだろうと首をかしげざるをえない現実離れした提案も多い(とくにフェイクの造花・観葉植物)。顧客が見えていないのだ。「7stories」がモデルハウスのあり方を変えるかもしれない。シズル(sizzle)は住宅にも当てはまる。大変勉強になった見学会だった。

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「ガブリエルさんち。」の書棚

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「ガブリエルさんち。」の食卓

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「外山さんち。」のリビングダイニング

積水ハウス 古河に2億円「イズ・ステージ」と1.2億円「グラヴィス・ヴィラ」(2016/7/17

 

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