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 前回(6月22日)、緊急事態宣言解除後の東京都の新型コロナ感染者は20代男性・30代男性・20代女性の〝三強〟(〝三つ巴〟か)と書いた。

 記者は専門家でも何でもないが、この〝三強〟が来るべき第二波、第三波でも主導権を握るのではないかと思う。

 厚労省のデータでは、感染者のうち「死に至った」人は国民的なタレントの志村けんさん(70)や岡江久美子さん(63)、力士の勝武士さん(28)のように高齢者や基礎疾患の持ち主で、若い人は数%にとどまっている。プロ野球選手の藤浪晋太郎さん(26)、坂本勇人さん(31)、大城卓三さん(27)などはいつの間にか完治し、現場に復帰した。

 われら高齢者で基礎疾患の持ち主にとって新型コロナは間違いなく「死に至る病」だと思うが、若い人はこの数カ月の間にそうではないことを学んだ結果、〝夜の街〟に繰り出し、あるいは生きるために働きだしたのではないか。〝withコロナ〟を若い人は実践していると考えれば、第二波、第三波の対応策も見えてくるし、希望も湧いてくる。

 6月23日現在、東京都の新型コロナ感染者を年代別・性別で見ると、もっとも多いのが30代男性の641人で、以下、20代男性の621人、40代男性の592人、20代女性の576人の順。最近の動向からすれば、20代男性が最多になるのは時間の問題で、20代女性も40代男性を抜きそうだ。

◇      ◆     ◇

 19世紀の哲学者キェルケゴールはその著「死に至る病」(岩波文庫・斎藤信治訳)の緒論で次のように述べている。

 「キリスト教的な意味では死は決してすべてのものの終わりではない。それは一切であるものの内部におけるすなわち永遠の生命の内部における小さな一つの事件にすぎない。キリスト教的な意味では、単なる人間的な意味での生命におけるよりも無限に多くの希望が、死のうちに存在するのである、――この生命がその充実せる健康と活力のさなかにある場合に比してもそうである。

 それ故にキリスト教的な意味では、死でさえも『死に至る病』ではない。いわんや地上的なこの世的な苦悩すなわち困窮・病気・悲惨・艱難・災厄・苦痛・煩悩・悲哀・痛恨と呼ばれるもののどれもそれではない」

 そして、「死に至る病」とは「絶望」のことであると本論で説く。

◇       ◆     ◇

 キェルケゴールがこの著を公にしたのは36歳のときだ。そして、「祖国の困窮時代が漸くその終わりに近づき、この年を前後して国内に政治的・経済的改革が相次ぎ、彼の祖国が新興デンマークとしての輝かしいスタートを切るほぼその年に当たる」(斎藤氏)1855年の42歳で死亡した。

 いまキェルケゴールが生きていたら新型コロナも「死に至る病」ではないというかどうかは分からないが、いまの若い人たちは「死に至る病」でないことを確信しているからこそ〝夜の街〟に繰り出しているのであって、〝絶望〟とは無縁ではないか。

東京都 新型コロナ 感染者は20代男性・30代男性・20代女性の〝三強〟の争い(2020/6/22)

新型コロナ感染者 宣言解除後は20代男性が最多〝夜の街〟自粛呼びかけ 効果あるか(2020/6/7)

新型コロナ「東京アラート」発動 都知事〝夜の街〟強調/大阪府は20代の女性が最多(2020/6/3)

〝闇社会〟〝二重就業〟の記事アクセス1万件突破/北九州「第2波」 どこでも(2020/6/1)

新型コロナ 都の感染者5月は20代女性が突出 全体の14% 同世代男性の倍以上(2020/5/29)

〝闇社会〟〝二重就業〟の記事にアクセス殺到/目から鱗 「風テラス」坂爪氏の著作(2020/5/28)

社会的弱者に襲い掛かり、ジェンダー性差をあぶりだす 新型コロナの本性(2020/5/25)

〝不平等社会〟あぶりだす新型コロナ5月の感染者 年代・性別で最多は20代女性(2020/5/18)

新型コロナ 感染経路不明者が減らない理由 〝闇社会〟〝二重就業〟も一因(2020/5/11)

 

 


 

 昨日夜、NHKが「HARUMI FLUG」の「入居時期が1年程度遅れ」、すでに販売された940戸の既契約者は「デベロッパーの説明では、1年遅れの入居を受け入れるか、解約して手付金の返還を受けるか年末までに判断するように言われた」と報じた。その後、各メディアも一斉に記事を発信した。

この件について、事業主の幹事会社・三井不動産広報は「私たちから新たな引き渡し時期について話していない。いまゼネコンさんと折衝中」としており、「引き渡し時期が決まらないので、販売再開も現段階では未定」としている。

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 引き渡し時期が当初予定の20233月より後にずれ込むことがほぼ確定した。

 既契約者もショックだろう。マンションの購入者は引き渡し時期に応じて賃貸借契約の解除、子どもの転校、公共料金の手続きを行う。多くのマンション引き渡しが3月になっているのは、子どもの転校にそれほど抵抗感がないからだ(小生は、引き渡し直前になって子どもから「お父さん、引っ越しいやだ。友だちと別れたくない」などと泣きつかれ、手付流しで解約したことがある)。

 しかし、報道にあるように、契約者が手付金の倍返しや違約金を請求することはまず認められないだろう。売買契約書に「引き渡し前の滅失・毀損」条項があり、天災地変その他売主または買主のいずれの責めにも帰すことのできない事由によって物件が毀損した場合は、売主は物件を修復して買主に引き渡すものとし、引き渡し期日については双方が協議するとなっている。協議がまとまらなければ、双方とも契約を解除できる、つまり契約は白紙、なかったことにし、その際の違約金支払いの責は双方ともないと明記されているはずだ。

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「クリオ横濱元町通り」

 明和地所が分譲中の横浜「元町通り」に面した「クリオ横濱元町通り」を見学した。6月12日(金)から第1期9戸が販売開始され、ほぼ全戸に申し込みが入ったことから、近く第1期2次6戸の販売を開始する。坪単価は400万円前後になる模様。

 物件は、みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩6分、またはJR京浜東北線・根岸線・横浜線石川町駅から徒歩6分、横浜市中区元町4丁目の商業地域に位置する敷地面積511.26㎡、8階建て全43戸(住戸40戸、事業協力者店舗1戸、管理事務室2戸)。専有面積は31.72~110.23㎡、価格は4,000万円台前半から。坪単価は100㎡以上のタイプは坪400万円を切る模様で、全体的には400万円くらいになる模様。竣工予定は2021年10月下旬。設計はスタイレックス。施工は大勝。

 住戸プランは、2~6階までは1フロア6戸で、南向きが70・65・75㎡、北向きが31・36・54㎡。7・8階は1フロア5戸で、南向きは100・110㎡。リビング天井高は4.25m。

 「アタラシイ住まいのカタチ」を具現化した「atarashie(アタラシエ)」を初採用。共用部はエントランスホールにWi-Fi環境を整備するほか、建物内の動線は「非接触」仕様とし、エントランスの解錠からエレベーターの呼び出し、エレベーター内の操作をノンタッチキーで対応、自宅階に自動着床する。専有部は在宅勤務の増加に備え、快適なインターネット環境を整備、最大1Gbps回線を採用する。

 販売を担当する同社クリオライフスタイルサロン横浜の課長・前田崇裕氏は、「5月に販売を予定していたのですが、新型コロナの影響で延期していました。問い合わせは全国区。現地の看板を見て問い合わせされる方も結構いらっしゃる。接客ブースは10席あるのですが、間隔を空けて対応させていただいています。それでも土曜、日曜は1日当たり10件くらいの来場者があります。第1期は完売のめどが立ち、7月下旬に第一期2次として6戸を販売する予定です。高額住戸は価格を非開示としていますが、均すと坪単価は400万円くらい。竣工まで完売するのは間違いありません」と販売に自信を見せている。

◇       ◆     ◇

 同社がニュース・リリースを発信したのが6月19日。「元町通り」に面していると知って、これは見学しないといけないと考え、すぐ取材の申し込みをした。急な取材申し込みに快く受けていただいた同社に感謝したい。

 新型コロナがなければ現地も見て、横浜中華街あたりで食事をしようと思ったが、前田氏も「当社を代表する物件。責任がある。お客さまの安全・安心を確保するため、自宅と会社・サロンを往復する以外、寄り道して飲むようなことはしていません。タバコ? 止めました」というので、小生もぐっとこらえて横浜駅前の喫煙所でタバコを1本喫ったのみで帰ってきた。

 現地はおおよその見当がつく。インテリックスが2115年に分譲して人気になった坪単価330万円の「リシャール横濱元町」(23戸)のほぼ対面だそうだ。

 売れ行きがいいのも納得する。神奈川県のマンションでは、先日、三菱地所レジデンスが「鎌倉」を分譲すると発表したが、この「元町」もいい勝負だ。同じ富裕層でも客層が少し違うような気がする。これは好き嫌いの問題だ。両方買う人がいても驚かない。小生は「元町」を選ぶ。

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現地完成予想図(「リシャ―ル横濱元町」は左側)

鎌倉八幡宮の参道・若宮大路沿い 三菱地所レジ「鎌倉」 価格はいくらになるか(2020/6/20)

インテリックス 「リシャール横濱元町」(全23戸)が完売(2016/3/2)

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 東京都の新型コロナ感染者数は〝三強〟の争い-先月25日に新型コロナの緊急事態宣言が解除されてからほぼ1か月近くが経過する。解除後の都の感染者は633人(1日平均23.4人)で、感染経路不明者は285人(単純平均不明率45.0%)となっており、予断を許さない状況が続いているが、年代別・性別感染者では20代男性が179人(28.3%)と他を圧倒し、30代男性と20代女性の免疫力・再生力が勝る〝三強〟が全体の59.9%を占めている。

 別表は、都のデータから緊急事態宣言解除後の感染者を年代別・性別に振り分けたものだ。

 男女別では男性407人(64.3%):女性226人(35.7%)となり、宣言解除前の比率とそれほど変化はない。

 宣言解除前と著しく変わっているのは、20代男性の感染者が断トツであることだ。宣言解除前の感染者と合わせると602人となり、最多の30代男性の632人に迫る勢いだ。勢いからすれば、30代男性を抜くのは時間の問題だ。

 20代女性は82人で、女性の中では二番目に多い30代の43人のほぼ2倍に達している。

◇       ◆     ◇

 6月に入って、小池都知事の一連の〝夜の街〟〝歌舞伎町〟〝ホストクラブ〟発言に乗りメディアも連日のように〝夜の街関連〟を報じている。

 記者が懸念するのは、20代と30代の男性と対をなす層があるはずで、その層の人が爆発的に増えないかということだ。

 〝君子危うきに近寄らず〟というが、記者のような馬鹿で高齢者、しかも基礎疾患の持ち主、さらには喫煙者、飲酒常習者(これはコロナ感染と因果関係はなさそうだが)はどうすればいいのだ。

 唯一一つだけ新型コロナに感謝するとすれば、街行く女性が素晴らしく美人に見えることだ。桃色マスクに悩殺される。

 小生もそうだが、わが住宅新報と週刊住宅の業界紙の記者の皆さんも大変なようだ。デベロッパーもハウスメーカーも新型コロナの影響を受け、取材も含めほとんど「自粛」している。紙面の大半は各社のニュース・リリースのコピペ記事だ。

読者にしてみれば、毎週毎週、三日遅れどころか一週間、二週間も過去の賞味期限切れの記事を読まされるのはたまったものではないが、購読料金(ほとんどは勤務先の会社が負担)を考えたらまあ許容範囲か。(WEBを軽視しているのは両紙の致命的欠陥だが)

ところが、両紙の先週号には現場取材をしたのではないかと思われる貴重な記事が掲載されていた。トーセイ「THEパームスコートひばりが丘」だ。まずは両紙を読んで頂きたい。太字は小生。

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【住宅新報(616日号)】

「トーセイはこのほど、東京都西東京市で、全30戸の戸建て分譲『THEパームスコートひばりが丘』の販売を始めた。国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)を取り入れた同社初のプロジェクトとなる。現地は西武池袋線のひばりヶ丘駅からバスで5分、バス停から徒歩5分で、分譲地の2方向が、西東京いこいの森公園と東京大学の演習林に接しており、緑豊かな立地が特徴だ。第1期として現在4棟を販売中。建物は木造2階建てで、敷地面積は115123m2価格は現時点で未定

新型コロナウイルスの影響で当初予定よりも販売時期が1カ月ほど後ずれし、広告も近隣へのチラシ配布とウェブのみだったが、『予想以上の反響』(同社)だという。隣接市に暮らす子育て世帯からの評価を得た」

【週刊住宅(615日号)】

「トーセイが東京都西東京市で開発している新築戸建分譲住宅地『THEパームスコートひばりが丘』(全30棟)の第1期販売(4棟)の滑り出しが好調だSDGs(国連が採択した「持続可能な開発目標」)をコンセプトに盛り込んだ同物件は、緊急事態宣言に伴い、販売開始を約1カ月先の6月6日に延期した。宣言解除後の現在も、モデル棟の見学を1クール2組までの完全予約制に限るなど、営業ペースは抑制しているものの、再来場率は約6割に上っている。

第1期販売分は115124平方メートルの区画に9095平方メートルの4LDK(現時点で販売価格は非開示)20代後半から50代の幅広い年代の子育て層から反響があった」

       ◆     ◇

 読者の皆さんは、この記事を読んでどう思われるか。トーセイがSDGsをテーマにしていることはわかる。これはこれで結構だし、いまSDGsに取り組まないデベロッパーはアウトだ。ただ、これがマンションや分譲戸建ての購入検討者に響くかどうかは別問題だ。記事はSDGsをテーマにしたのが効果的だったような印象を与えめる。しかし、果たしてそうか。小生は両方の記事を読んでさっぱり分からなかった。

 こんなことは書きたくないが、書かざるを得ない。あまりにもひどいからだ。具体的にそのひどさを示そう。

 新報はいつもそうだが、「このほど」(同紙は半月前でも「このほど」と書いた前例がある)「4戸を販売開始」し、「価格は現時点(いつのことか不明)で未定」と書く。それでも「予想以上の反響」と同社のコメントを紹介している。

 「価格が未定」の戸建てを4戸販売開始したのが事実なら、これは間違いなく業界初、前代未聞の〝快挙〟だ。不動産公取協の規約はどうなっているのか。「価格未定」のまま販売していいかどうかの規制はないはずだ。あり得ないからだ。売る側も買う側も、そしてそれを報じる業界紙も狂っているとしか言いようがない。

 さらに、「予想以上の反響」「隣接市に暮らす子育て世帯からの評価」もよく分からない。予想した数値を示さないと、「反響」の大きさは分からないし、「隣接市の子育て」ということは、練馬区は市ではないから武蔵野市、東久留米市、小平市、新座市からの反響が多いということか。地元ではないのか。これが事実だとすれば、これまた凄いことだ。

 一方の週刊住宅は、販売開始時期を66日と明示している。当然だ。いつ生まれたのか死んだのか、いつ書いたのか、「いつ」が全てを優先する。ただ、同紙が新聞を印刷したのは612日のはずで、12日の時点で4戸の売れ行きを示さないと、何をもって「好調」というのか読者には全然伝わらない。「価格は非開示」といわれたら、小生は記事を書かない。分譲開始した物件の価格を(業界紙に)開示しないデベロッパーとは縁を切る。読者に失礼だ。記者にとって読者が全てだ。

 結局、両紙の記事はいったい誰に何のために伝えたかったのか、さっぱりわからない。読者を馬鹿にするのもいい加減にしろといいたい。

 コラムニストの小田島隆氏は「ザ・コラム 小田島隆 2006-2014」(晶文社 2016年発行)で次のように書いている。耳が痛いが、本質を衝いている。

 「記事を配信するならするで、最低限の取材はするべきだ。逆に、独自の取材ができない事情があるとか、取材する気持ちになれないということなら、配信を断念すべきだ。取材せずにニュースを作成することは、メディアの自殺だ。先方が発表したリーク情報をそのまま垂れ流すだけでは、サツ番の犬小屋記者と何も変わらない。キャンキャン。イエス・ゼイ・キャン。吠えているだけ。何もできない」 

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 さて、トーセイの「THEパームスコートひばりが丘」。ネットで調べた。バス便ではあるがなかなか住環境はよさそうだ。4棟の価格は「4,920万円~5,860万円」とあった。物件を見ていないので何とも言えないが、価格的にはストライクゾーンだと思う。

都内に比肩するものなし 野村不の戸建て「プラウドシーズンひばりが丘」(2012/9/25

 

慣用句か枕詞か なぜか頻繁に登場する「このほど」 不動産業界紙の記事(2017/5/3

 

 

 

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「ザ・パークハウス鎌倉」

三菱地所レジデンスは619日、鎌倉八幡宮の参道・若宮大路沿いに立地する平均123㎡の全館空調「新マンションエアロテック」を採用した「ザ・パークハウス鎌倉」を8月下旬に販売すると発表した。

物件は、JR横須賀線・湘南新宿ライン・江ノ島電鉄鎌倉駅から徒歩4 分、鎌倉市小町2 丁目に位置する5階建て全23戸(事業協力者住戸5戸含む)。専有面積は74.63199.28㎡、価格は未定。竣工予定は202112月下旬。施工は東急建設。モデルルームグランドオープンは718日。販売開始は8月下旬予定。

1995年以降、JR鎌倉駅徒歩5分以内の新築分譲マンションは7物件のみで、同物件は2009年以来約10年ぶりの供給。デザイン監修は坂倉建築研究所で、庇を全周に配した和の趣のファサードデザイン。4階(2戸)と5階(2戸)の4戸は専有面積146.33199.28㎡のプレミアムプラン。床下空間を活用し、二重床下空間をダクトに代わる空気の経路とした「新マンションエアロテック」を同社のマンションとして初採用した。

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       ◆     ◇

 「住みたい街」(呼称は調査機関によって様々)のベスト10に常時ランクインするこの「鎌倉」のマンションは、あらゆる層の〝垂涎の的〟であるのは間違いない。問題は価格だ。

 記者は2007年、東京建物「Brillia 鎌倉御成町」を見学している。設計・監修は黒川紀章建築都市設計事務所で、空間デザインはマーク伊東氏だった。最終的に単価がいくらになったか分からないが、坪500万円と書いた。最高のマンションだった。

 東建の物件は良好な住宅街だったが、今回の物件は、鎌倉八幡宮の参道・若宮大路に面するのがポイントだ。常識的にいって坪単価は600万円台に乗りそうだが、みんな面積が広いし(4050㎡だったら飛ぶように売れたのではないか)、観光シーズンでなくとも人通りが多いところに果たして富裕層は住みたいと思うか。まあ、しかし、これは貧乏人のひがみか。蓼食う虫も好き好きだ。いま一つ読めない。

 ただ、驚くような高値追求はないということだけは言えそうだ。記者が坪750万円とはじいた最高の立地の同社「ザ・レジデンス四ツ谷ガーデン」は坪700万円を切るようだ。「四ツ谷ガーデン」が坪700万円しないのなら、「鎌倉」も…「新マンションエアロテック」は最高に素晴らしが…ということにとどめよう。

外濠公園-番町が望める駅前の「コモレ四谷」マンション「ガーデン」はいくらか(2020/2/21

 黒川紀章氏&マーク伊東氏 東京建物が鎌倉で億ション(2007/10/12

 三井不動産は619日、新型コロナウイルス感染症の治療、検査、ワクチン開発のほか一般外来の診察継続などに尽力している三井記念病院をはじめ複数の医療機関、大学、研究施設に総額8億円を寄付すると発表した。

また、同社が保有していた防災備蓄品から防護服、マスクの提供、弁当の配布などを行い、安定した医療体制の継続に貢献していくほか、国内外の商業施設、自治体、飲食店などへの支援活動を行っていく。

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「東京5LDK@練馬光が丘」

 ポラスグループの中央グリーン開発は6月19日、練馬区光が丘の分譲戸建て「東京5LDK@練馬光が丘」を報道陣に公開した。都営大江戸線光が丘駅から徒歩23分の立地と、新型コロナの拡大という大きなハンディを抱えながら、昨年末の分譲開始から現在までに全23戸のうち17戸が成約済みで、今年末の竣工までに完売する見通しだ。「afterコロナ」を先取りした商品企画がヒットした。

 物件は、都営大江戸線光が丘駅からバス8分徒歩4分(徒歩24分)の建ぺい率50% 容積率100%の第一種低層住居専用地域に位置する全23戸。敷地面積は100.00~119.99㎡、建物面積は91.22~105.81㎡、価格は4,980万 〜 6,250万円。構造・工法は木造2階建(在来工法)。施工はポラテック。全棟完成は今年末の予定で、約半数が竣工済み。

 昨年12月14日にモデルハウスをオープン。成約状況は12月が3棟、1月が1棟、2月が2棟、3月が5棟、4月が2棟、5~6月が各2棟。成約者は20歳代からの共働き夫婦が中心。物件ホームページへのアクセス数は同社グループでベスト3にランクされているという。広域からの問い合わせが多いのも特徴。

 土地面積110.00㎡、建物面積100.19㎡、価格6,250万円のモデルハウスは17畳大のLDKとキッチンから見通せる位置に3.5畳大の書斎コーナーを設置し、2階には6畳大の主寝室(隣接する5.2畳大の居室と一体利用できるよう提案)、4.7畳大、4.5畳大の居室を設置。居室は夫と妻がそれぞれ自分の居場所として利用できるよう家具などを配置。価格は家具付き。

 同社ブランディング課マネージャー・杉山秀明氏は、「用地を取得した1年半前から企画を練った。社内からいろいろ声を集めた結果〝部屋は子どもに取られ、テレビの主導権も奪われる。自分の居場所がない〟ことがヒントになった。ならば、自分の居場所をつくろうではないかと。5LDKは多くの社員の共感を呼んだ。間取り変更は可動間仕切りで十分対応できる。テレワークも想定したスペースを盛り込んだモデルハウスは、コロナ禍が結果的に追い風になった」と話した。

 設計を担当した同社設計部企画設計課参事・諸橋健二氏は、「一低層の建ぺい率、斜線制限のほか緑化基準など厳しい条件があったが、多様なニーズに応えられるよう全棟バリエーションを変えた」と語った。

 販売を担当する同社和光事業所営業課課長・三瓶良樹氏は、「当社の光が丘駅圏の物件供給は10件目で、駅から遠いのは最初に説明するが、コンセプトを説明し、納得してもらっている。全世帯の方から〝間取りがいい〟という評価を得ている。都内の物件は月に1棟の成約スピードだが、この物件は月に3棟ペース。残りも順調に推移するはず」と販売に自信を見せている。(三瓶氏はRBA野球に参加しているポラスグループの6番打者で3塁手。

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左から三瓶氏、杉山氏、諸橋氏

ポラス延長制す 三瓶が決勝打 岩瀬3度の満塁しのぐ エイブル11残塁(2016/7/14

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 モデルハウスを見学する前、一服を兼ね、いつものように価格予想をした。工事中の職人さんと「皆さんは夜の街行きます? 」「全然行かない」などと談笑しながら、「これ、いくらですかね。わたしは5,000万円くらいなら売れると思いますが…」と話したら、ほぼその通りだった。

 驚いたのは、やはり「東京5LDK」だった。言うまでもないことだが、首都圏の分譲戸建ては、たまに3LDKもあるがほとんどが4LDKだ。5LDKなど聞いたことがない。ファミリーマンションは3LDKが主力だが、居住面積が確保できないので2LDKタイプがかなり増えている。

 なので、建物面積約30坪で「5LDK」というのにはさすがにびっくりした。が、同時に納得もした。完全に盲点を突かれたと思った。本来考えないといけないことをズバリ指摘されたという意味だ。

 富裕層には「東京5LDK」などは全然響かない。いわば当たり前だし、部屋数など問題ではない。しかし、このところの地価・建築費の上昇で、23区内のマンションは軒並み坪300万円となり、デベロッパーも売れないのが分かっているから、苦肉の策としてお蔵入りしていたはずの昭和の時代の3LDK=18坪をこっそりと引き出してきた。

 庶民にとって「東京5LDK」は夢のまた夢だ。それぞれの居室は狭いが、ポラスは夢のまた夢を実現した。家を売る商売は〝夢を売る〟商売でもある。

 「東京」もヒントだ。先にも書いたが、東京(23区)で普通のファミリーがゆとりある住宅を取得するのは絶望的になってきた。「東京」ではなく、〝越谷の5LDK〟だったら、果たしてここまで注目されるか。若年層に響くキャッチフレーズ、ネーミングも重要ということをこの物件は示している。

 〝自分の居場所〟づくりというコンセプトはよく分かる。ミレニアル世代が何を考えているかはよく分からないが、夫も妻も(子どももそうか)一人になれる空間を求めている。ましてや新型コロナは否応なくテレワークを強いる。 

 モデルハウスは新型コロナを想定して作ったのではないというが、1階の書斎スペース(家具は約20万円相当)も2階の個室もafterコロナにぴったりだと思う。成約者全員が「間取りがいい」と評価したのもうなずける。

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モデルハウス(右側が書斎コーナー)

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書斎コーナー

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モデルハウスプラン

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「夫の部屋」(左)と「妻の部屋」

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モデルハウス

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外構

 日本住宅情報交流センターは6月18日、新型コロナウイルスの影響により一時中断していた業界初の「名前の記入が不要な、モデルハウス見学ツアー」を「ハウスクエア横浜」(横浜市都筑区)で6月から再開したと発表した。

 同ツアーは、多くの顧客アンケートから「モデルハウスの見学で、もっとも困惑するのは、見学後の営業連絡である」という声が寄せられていることに対応するもので、モデルハウスの見学の際に名前や世帯構成、年収などの個人情報の記入を求めていた業界の慣例をなくした。実現するまで9カ月かけ検討し、ハウスメーカー各社の協力を得て今年3月に開始した。

 来場者はコンシェルジュによる案内、説明が受けられる。

 日本住情報交流センターは横浜市が出資する、中立的な立場で住宅展示場の賃貸及び管理運営、住まいに関するイベント、シンポジウムなどを主な事業とする。

 ハウスクエア横浜は、横浜市営地下鉄ブルーライン中川駅から徒歩2分、モデルハウス22区画のほか4階建て「住まいの情報館」、リフォーム、リノベーションのショップ・ショールーム、カーテンや壁紙の実物サンプルに触れることができるライブラリーが備わっている。

◇       ◆     ◇

 こんないいサービスが行われていることを全然知らなかった。不動産流通研究所の記者の方からニュース・リリースを紹介してもらった。

 記者はもう30年も昔から、きれいな女性による対応は実に慇懃ではあるが、実際は住所、名前、家族構成、連絡先、勤務先、年収、購読紙誌、希望の間取り、予算、資金計画などありとあらゆる個人情報を記入しないと〝見せないぞ〟と迫る、無礼極まりない顧客を丸裸にする〝アンケート調査〟はやめるべきと主張してきた。

 主張するきっかけは、マンションの現場営業マンの接客・接遇の実態を探るため〝客のふり〟をして取材したときだった。断っておくが、小生は取材する際〝客のふり〟など全くしない。営業マンは同じ業界に身を置く〝仲間〟だ。そんな失礼なことはしない。

 なぜ、このときは〝客のふり〟をしたのか。そうしないと現実の接客・接遇を知ることができなかったからだ。今でもあのとき対応してもらった営業マンとデベロッパーには失礼なことをしたと思っている。

 当時、記者は女房を亡くした直後で、家族関係・構成の欄に〝独身〟〝未婚〟〝既婚〟〝死別〟のどれを書けばいいのか戸惑った。同時に、こんな無神経なことを堂々と行うのかと怒りがこみ上げたのをいまでも思い出す。様々な事情で本当のことを書けない人はたくさんいるはずだ。

 腹が立ったのはまだある。お客さんを〝丸裸〟にしながら、パンフレットに記載されていること以上の情報を持ち合わせていない営業マンがたくさんいることだった。とても恥ずかしく情けなくなった。

 顧客情報の収集は、メモ(いまメモをとる営業担当者は少ないはず)を片手に物件を説明しながら聞き出せばいいことだ。それがプロの営業マンだ。お客さんだって本当に物件を検討しているなら、事実を話し相談に乗ってもらうことを希望するはずだ。

 最近はどのような接客・接遇を行っているかは知らない。昔のようなことはないと思うが、いまだに価格にオンされる〝商品券プレゼント〟をほとんどのデベロッパーは行っているのではないか。いわゆる〝歩留まり率〟がなかなか上がらないのは商品企画もさることながら、幾分かは接客・接遇態勢に問題があると思っている。

 長々と余分なことを書いたが、横浜ハウスクエアは住宅展示場の新たなビジネスモデルになる可能性を秘めていると思う。コンシェルジュのレベルが問われるが…。取材を申し込もうかしら。

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YOKOHAMA KITANAKA KNOT(横浜北仲ノット)

 三井不動産レジデンシャルは618日、同社と丸紅が開発を進めてきたみなとみらい線馬車道駅直結の横浜北仲エリアの新たなランドマーク商業・文化施設「KITANAKA BRICKWHITE(北仲ブリック&ホワイト)」が625()にグランドオープンし、ランドマーク名称を「YOKOHAMA KITANAKA KNOT(横浜北仲ノット)」に決めたと発表した。

同施設は、横浜市の文化の発信拠点となる「KITANAKA BRICK(北仲ブリック)」と、分譲マンションや近隣居住者、ホテル宿泊者向けの物販・飲食・サービス店舗などからなる「KITANAKA WHITE(北仲ホワイト)」で構成される。

KNOT(ノット)」は「結び目」を意味し、みなとみらい21地区-山下・関内地区である新旧横浜の結節点に位置することから名づけられた。

エリア内には横浜市最大規模・最高層を誇る分譲マンション「ザ・タワー横浜北仲」(総戸数1,174)の入居も3月から始まり、サービス付き長期・短期滞在型宿泊施設「オークウッドスイーツ横浜」(総客室数175)が今秋開業する予定。

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