阪急阪神不 積水ハウス・シドニー郊外のマンション事業に参画 約2,000戸開発
阪急阪神不動産は9月24日、積水ハウスが開発を進めているオーストラリア・シドニー近郊のマンション分譲事業「メルローズパーク」の南側街区ステージ1~7に参画し、共同で事業に取り組むと発表した。
「メルローズパーク」は、積水ハウスオーストラリアが2014年から開発を進めている約30haの大規模開発で、これまで1,075戸のマンションを分譲しており、今後約4,700戸の開発を計画している。阪急阪神不はそのうち約2,000戸の開発に参画する。
阪急阪神不にとって、オーストラリアでは初めての住宅分譲事業で、海外の同事業としてはベトナム・タイ・フィリピン・インドネシア・マレーシアに続く6か国目。今回の事業を含めて59プロジェクト約67,140戸の規模となる。
タカラレーベン 今後供給する全マンションをZEH対応に
MIRARTHホールディングスは9月24日、同社グループのタカラレーベンが今後分譲するマンブランド「LEBEN(レーベン)」、都市型コンパクトマンション「NEBEL(ネベル)」シリーズすべてに太陽光パネルを標準設置し、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)対応にすると発表した。
同社はこれまで「レーベン大分駅南LUXES」、「レーベン富山神通本町ONE TOWER」、「レーベン長野中御所THE PEERLESS」などでZEH対応マンションを供給している。
小田急不「リーフィア狛江 蒼翠の街」 キッズデザイン協議会会長賞受賞
「リーフィア狛江〈蒼翠の街〉」
キッズデザイン協議会「第18回キッズデザイン賞 子どもを産み育てやすいデザイン部門」の奨励賞「キッズデザイン協議会会長賞」を受賞した小田急不動産の分譲戸建て「リーフィア狛江〈蒼翠の街〉」を見学した。全8戸をZEH仕様(ZEH5戸、Nearly ZEH3戸)とし、開発地の中央にクルドサックを設け、各住戸が向き合うよう安全性にも配慮した企画が評価された。表彰式は9月25日に行われる。
物件は、小田急線「狛江駅から徒歩9分、狛江市中和泉三丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)位置する全8戸。全区画に地役権(4.36~8.50㎡)が設定されており、分譲中の住戸(1戸)の土地面積は106.36㎡(約32.17坪)、建物面積は84.96㎡(約25.70坪)、価格は7,950万円。構造は2×4工法2階建て、建物は2023年8月下旬に完成済み。施工は三井ホームエンジニアリング。
◇ ◆ ◇
同社は、受賞が決まった時点でプレス・リリースを発表したが、コピペ記事を書きたくなく、自分の目で確認したかったので同社にお願いして、見学が実現した。物件を見て、各住戸に地役権を設定してクルドサックを設ける開発手法は珍しくないが、開発道路とクルドサックを居住者の交流の場にしようという企画意図がストレートに伝わってきた。残り1戸の価格は安いと思う。敷地面積は30坪強だが、クルドサックを含めれば50坪にも見える。
23区で市域面積がもっとも小さい狛江市は、以前住んでいた調布市に隣接し、好きな作家・宮尾登美子さんが住んでいたところなので、とても好きな街の一つだ。今回の受賞物件がある駅北口は、すぐ緑が豊富な住宅地が広がるのもいい。
あらゆる賞もそうだが、キッズデザイン協議会にはお願いが一つある。記者はこれまで同賞の受賞表彰式をリアルで取材してきたが、約2時間、黙って式の模様を眺めるのは苦痛だ(今年はオンライン参加にした)。
コピペ記事も書きたくないので、受賞したハウスメーカーやデベロッパーにお願いして取材したことはあるが、建築物などの受賞作はほとんど完成済みで、供用開始されているものばかりだ。結構気も使う。
発表から表彰式の間に、メディアや一般の人も参加できる審査員も参加した見学会を開催したら、同賞の意義や認知度が高まるのではないか。
現地
現地
残り1戸すこぶる好調小田急不動産の戸建て「世田谷喜多見」全10棟(2020/11/9)
建ぺい40%、容積80%の邸宅跡地に21区画売れ行き好調の小田急不「狛江」(2020/2/11)
積水ハウス「男性育休白書2024」 取得率は過去最高27% 「とるだけ育休」課題も
積水ハウスは、「育休を考える日」として記念日制定している9月19日、男性の育休取得実態を探る「男性育休白書2024」を発表した。
レポートによると、育休を取得した男性は27.3%となり、2019年(9.6%)から2.8倍増え、取得率は過去最高を記録。育休取得日数は平均29.9日となり、2019年(2.4日)から12.6倍も長くなり、育休を取得した男性の取得期間は「1か月以上」(49.7%)が約半数を占めた。
2人目以降の育休取得については、「2人目以降で初めて育休を取得」した人が36.8%と多くなっており、「以前と比べて育休を取る人が増えたから」(女性36歳)、「会社の理解が良くなったから」(男性39歳)など、社会全体が育休を取りやすい環境へ変化していることをうかがわせている。
育休取得後復職した男性は「子どもがいる人への配慮」「お互い様という気持ち・行動」「時間管理の意識」などプラスの変化あり、育休取得期間が長いほど職場環境が改善されたという報告がある。
夫の育休取得に「満足」した女性は、「不満足」な女性と比べ職場への復職率が高く、復職のタイミングも早く、夫の育休取得日数が長いほど、妻の「仕事への意欲が増加」「キャリアアップに前向き」「仕事の幅を広げたくなった」など働く意欲も高まっているとしている。
一方で、取得した育休が「とるだけ育休」と思う男性は34.8%、女性は42.0%に上っており、家事・育児への影響は限定的としている。
結果について、積水ハウス執行役員ダイバーシティ推進部長・山田実和氏は、「当社では2018年から男性育休の取得を促進し、日本でも男性の育休取得が当たり前になる社会を目指し、賛同企業の皆様と共に取り組みを進めて参りました。今回、育休取得率も育休取得日数も過去最高になり、社会の変化を感じています。一方で『とるだけ育休』という課題も浮き彫りになっています」とコメントしている。
山田氏
積水ハウス「男性育休白書」 男性の家事・育児力トップ沖縄県/ランク乱高下はなぜ
積水ハウスが9月19日に発表した「男性育休白書」の都道府県別「男性の家事・育児力全国ランキング2024」によると、1位は「沖縄県」(220点/前年7位)、2位は同スコアで「秋田県」(193点/前年46位)と「鹿児島県」(193点/前年28位)となった。調査は2019年から実施されているもので、今回が6回目。-
調査は、①妻から見た夫が行っている家事・育児の実践数などを4段階で評価②男性の「育休取得経験」③妻から見た夫の「家事・育児時間」を基準④男性の「家事・育児参加による幸福感」の4指数を数値化し47都道府県別にランキングし、1位に47点〜47位に1点を付与して算出したもの。
調査対象は、全国47都道府県別に、配偶者および小学生以下の子どもと同居する20〜50代の男女200人の合計9,400人を人口動態に基づきウエイトバック集計したほか、従業員10人以上の企業の経営者・役員、部長クラスの男女400人、有職かつ一般社員クラスの20代~50代の男女800人。
1位になった沖縄県の玉城デニー知事は「現在、沖縄県では『第6次沖縄県男女共同参画計画〜DEIGOプラン〜』において62の具体的施策に取り組んでおり、県における直近の男性の育休取得率は40.3%であり、目標値である30 %を大きく上回ることができました。これもひとえにワーク・ライフ・バランスに取り組んでいる企業や団体等の皆様の多大な御尽力によるものであり、関係者の皆様には深く感謝申し上げます」とコメントを寄せている。
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記者はいつもこのランキングを楽しみにしている。〝男尊女卑〟の文化が色濃く残っていそうな熊本県や佐賀県、鹿児島県など九州の各県が上位にランクされ、下位に甘んじていた〝秋田美人〟の秋田県、〝かかあ天下〟の群馬県が急浮上するなど予想外の波乱に満ちた結果が出るからだ。
ただ、どうしても理解できないことが一つある。絶対評価ではなく、相対評価で1ランクにつき1点を加点する調査方法だからそうなるのはわかるが、株価のように毎年ランクが乱高下していることだ。47都道府県のこの3年間のランキングをグラフで示したので参照していただきたい。
今年トップになった沖縄県は、2019年2位、2020年9位、2021年1位、2022年2位、2023年7位であるようにいつも上位にランクされているが、他の都府県は変動が大きい。例えば、3年前は3位だった香川県は今年45位に、同じように大分県は4位から44位へ、鳥取県は3位から35位、栃木県は6位から42位へ大きく後退している。逆に、3年前は40位だった群馬県は今年6位へ、36位だった福岡県は8位へ、41位だった奈良県は22位へ上昇。前年46位の秋田県は2位に急浮上している。変わらないのは、下位に低迷している長野県、愛知県、静岡県、奈良県、山口県などだ。
同社には、どうしてこのように乱高下するのか、その理由・原因を探ってほしい。「男性育休白書」が浸透し、自治体や企業の取り組みが強化されている結果ならいいのだが、サンプル数が少なく、回答者になんらかのバイアスがかかっており、ウエイトバック集計に影響を与えている可能性もあるような気がする。
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ランキングと関係があるかどうかはわからないが、婚姻率と離婚率について紹介する。
2022年の婚姻率(人口千対)の全国平均は4.1件で、データがある1935年の8.0件からほぼ一貫して減少している。もっとも高いのは東京都の5.6件で、大阪府の4.7件、愛知県の4.6件と続く。もっとも低いのは秋田県の2.6件で、青森県と山形県がそれぞれ3.1件。沖縄県は4.5件で全国水準を上回っている。
参議院常任委員会調査室・特別調査室によると、「婚姻件数は、男性比率が高い都道府県や男性の賃金が高い都道府県では増加するとともに、女性の賃金が高い都道府県では減少する傾向があるのではないか」としており、その理由として「男性にとっては、賃金とは豊かな家庭生活を支える原資となるものでもあり、男性の賃金が上昇して男性の経済力が高まることは、結婚・婚姻に向けての男性の決意・決断を後押しすることにつながる」「女性の賃金については、賃金が上昇して女性の経済力が高まると、(考え方は人それぞれであるが)自らにプロポーズする男性への期待水準や要求水準なども同様に高まるということも考えられるのではないだろうか」としているが、それだけだろうか。
記者の経験からいっても、秋田県の女性はみんな美しい。婚姻率が低いのは醜男(※)と結婚したくないと考える女性が多いからではないか。わが故郷・三重県も同様で、美しい女性が多く、婚姻率は3.8件と全国平均を下回っている。
大都市圏の婚姻率が高いのは、一人では生きられない分断社会が背景にあり、絶対的な人数が多いことや多様な生き方ができるからではないだろうか。
一方で、2022年の離婚率(人口千対)は、全国平均が1.47件で、2015年の1.18件をピークに漸減している。もっとも高いのが沖縄県の2.13件で、大阪府の1.70件、宮崎県と福岡県の1.68件と続き、もっとも低いのは富山県の1.08件で、新潟県1.13件、石川県1.14件、福井県1.15件と続く。(北陸が低いのは住宅環境と関係はあるのかないのか)
記者は離婚=悪などと単純な発想はすべきでないと思う。愛と憎しみは表裏一体、紙一重だ。いつ暗転するかわからない。何物にも縛られることなく、より自由な高次の愛を求めて取っ替え引っ替えするのは人間らしい生き方ではないか。同社の業績が劇的にアップしているのは、経営理念に「人間愛」を掲げているのと無関係ではないはずだ。残念ながら、沖縄県の離婚率が高いのは「愛」ではない、経済的社会的背景が大きいような気がする。
※小生と同じ軽薄短小、醜男の皆さんに、チャールズ・ブコウスキー「町でいちばんの美女」(新潮文庫)をお勧めしたい。町でいちばん美しい女性と、町でいちばん醜男の男性の切ない物語だが、読むと勇気が湧いてくる。移住するなら秋田だ。三重もいいよ。
男性の家事・育児力 1位は高知県ワーストは茨城県積水ハウス「男性育休白書」(2023/9/19)
男性の家事・育児力 1位高知 2位沖縄 3位鳥取ワーストは山口積水「男性育休白書(2022/9/14)
三重と福岡同じ育児時間で幸福度は47位と1位積水ハウス「男性育休白書」(2021/10/1)
大和ハウス「昭島プロジェクト」第二弾 第一弾より多少高い「多少」はいくらか
「プレミスト昭島 モリパークグラン」
大和ハウス工業は9月20日、3棟・総戸数850戸超のマンション「昭島プロジェクト」のうち、第一弾として昨年9月に販売開始し、今年5月に完売した全481戸の「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」竣工内覧会と、第二弾の全277戸の「プレミスト昭島 モリパークグラン」モデルルーム内覧会を行った。
先に紹介した第一弾に続き、第二弾の「プレミスト昭島 モリパークグラン」について。第一弾より駅に2分近い分だけ価格は「多少」高くなりそうだが、設備仕様レベルはほとんど同じで、ターゲットも同じ。第一弾のエントリー数は引き継がれるはずで、こちらも早期完売すると見た。
物件は、JR青梅線昭島駅から徒歩3分、昭島市田中町の近隣商業地域に位置する14階建て全277戸。専有面積は57.67~90.04㎡、価格は未定。販売開始は2024年11が上旬。竣工予定は2026年3月。売主は同社(事業比率70%)のほか京王電鉄(20%)、住友商事(10%)。施工は長谷工コーポレーション。
建物は、第一弾と同じコの字型で、東向き住棟の1階住戸6戸は専用庭から出入りが可能で、大型犬の飼育も可能にする。主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented認定、ディスポーザー、食洗機、ルーバー面格子、浴室タオル掛け2か所など。
同社東京本店マンション事業部販売事務所長・松澤祐輔氏は「来年11月までに完売するのが目標」と語った。
松澤氏
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物件概要を見て気が付いたことが2つ。1つは、第一弾でも売主になっていた住友商事の事業比率が10%に減り(第一弾は30%)、減った20%分だけ京王電鉄が名を連ねていたことだ。同社は理由を示さなかったが、おそらく京王線沿線で両社が手を組むからだと思う。(住友商事とは福岡の九州大キャンパス跡地で大規模開発を行う)。
もう一つは、工期が第一弾の1年7か月から第2弾は1年11か月と4か月延びていることだ。第一弾は規模が大きく、1層分低いので単純比較はできないが、2024年問題が絡んでいるのは間違いなさそうだ。
モデルルームを見学して、驚いたことが一つ。専有面積が70㎡のベーシックタイプのトイレのドア把手が壁面までセットバックされていたことだ。誰もそんなことに目を向けないが、記者はとても大事なことだと思う。把手は小さな子どもの頭の高さにある。凶器にもなりうる。セットバックを標準仕様にしているのは積水ハウス、コスモスイニシア、フージャースコーポレーションくらいだ。ポラスはほとんどプッシュプルドアにしている。大和ハウスもそうするのかどうかは不明だが、ぜひそうして欲しいし、できないのなら把手の先は丸くするくらいの配慮をすべきだと思う。そのようなきめ細かな提案がユーザーに浸透し、ブランド力を高めることになる。
価格について松澤氏は「未定」としか語らなかったが、先の記事にも書いたように、第一弾の坪252万円から「多少」高い坪280~290万円と見たが、どうだろう(東本氏は「多少」とはグロスで500万円と話したが…)。
トイレドア把手
大和ハウス昭島プロジェクト第一弾歩留まり率27%東本氏の読みズバリ的中(2024/9/21)的中
81.5haの物流「GLP昭島プロジェクト」敷地内に4.5haの樹林地開発に疑問の声も(2024/9/21)
竣工予定の8月を待たず8か月で全481戸完売大和ハウス「プレミスト昭島」(2024/5/28)
わずか2か月で全戸数481戸の6割強の第1期295戸を成約大和ハウス「昭島」(2023/11/19)
〝東京の軽井沢〟レベル高い「来年6月までに完売」あるか大和ハウス「昭島」(2023/5/26)
大和ハウス「昭島プロジェクト」第一弾 歩留まり率27% 東本氏の読みズバリ的中
「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」東向き棟(街路樹のイチョウは樹齢100年超か)
大和ハウス工業は9月20日、3棟・総戸数850戸超のマンション「昭島プロジェクト」のうち、第一弾として昨年9月に販売開始し、今年5月に完売した全481戸の「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」竣工内覧会と、第二弾の全277戸の「プレミスト昭島 モリパークグラン」モデルルーム内覧会を行った。
まず、「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」から。この物件については過去3回記事にしているので、そちらを参照していただきたい。新宿まで約1時間の郊外型の481戸を約10か月で完売したのは快挙だ。反響数は3,867件、モデルルーム来場者は1,762件。坪単価は252万円(第1期は250万円だったはず)。同社の「プレミスト船橋塚田」(571戸)と双璧だ。
契約者の属性は、年代では20代が13%、30代が40%、40代が17%、50代が12%、60代以上が14%となっており、幅広い年代から支持を受けている。居住地は昭島市内が35%と、都内広域から集客・成約できているのが特徴。
取材の目的はただ一つ。昨年の5月に行われたプロジェクト発表会・モデルルーム見学会で、同社東京本店統括マンション事業部東京マンション事業部販売事務所長・東本剛氏が「来年の6月までに完売したい」と語ったことについて、本当に売る自信があったのかを聞くことと、先に行われた「記者レクチャー会<2024年基準地価>」で同社マンション事業本部事業統括部部長・角田卓也氏が「第2弾は駅に近いので第一弾より多少高くなる」と語った「多少」とはいくらかを引き出すことだった。
前者について東本氏は、「私は東京勤務になって10年だが、『昭島』の名前だけは知っていたが、どんな街かは全然知らなかった。地元の方以外もそうだった。しかし、来場していただければ、街の魅力・物件特性を伝えられる自信はあった。課題は、その魅力をどうして広告で表現し伝えるかで、物件ホームページでは『モリパーク』を前面に打ち出した。社内からは『アミューズメント施設の広告ではないか』という反対意見もあったが、押し切った。その結果、エントリー数、来場者数は予想通りに伸びた。サウナは『作ってくれと渾身の力を込めた私の提案』」と語った。
来場者に対する歩留まり率は27.3%に達していることから、東本氏の読みが的中したことを物語っている。さらに、昨年5月にも記事にした東葉高速鉄道村上駅前の〝ちびまる子ちゃん〟マンションは訴求力はあるかを聞きたかったのだが、答えづらいだろうと思い、質問しなかった。
後者について東本氏は、「角田が語った『多少』はよくわからないが、私はグロスで500万円(20坪で坪25万円)なら受け入れられると思う」と話した。
この点について、〝第2弾は坪300万円は無理でしょうが、坪280~290万円くらいになるのでは〟と質したかったのだが、やはり思いとどまった。記者の予想は的中するはずだ。
内覧会では、植栽計画が見事だったのと、1階部分の大半をワーキングラウンジ・キッズルーム、ゲストルームなどの共用施設と、サイクルポート(276台)、トランクルーム(56区画)に充てているのに目を引かれた。
西側から写す
東側のイチョウ並木
1階ラウンジ
東本氏
81.5haの物流「GLP昭島プロジェクト」敷地内に4.5haの樹林地 開発に疑問の声も(2024/9/21)
竣工予定の8月を待たず8か月で全481戸完売 大和ハウス「プレミスト昭島」(2024/5/28)
わずか2か月で全戸数481戸の6割強の第1期295戸を成約 大和ハウス「昭島」(2023/11/19)
日本エスコン 新ブランド第一号「DIAMAS 葉山」17戸完売 反響1,800件 坪820万円
「DIAMAS 葉山」
日本エスコンは9月20日、同社の新たなマンションブランド「DIAMAS(ディアマス)」の第一号「DIAMAS 葉山」17戸が完売したと発表した。一般公開は2戸のみで、坪単価は820万円。3月からの反響数は約1,800件に達した。
「DIAMAS」は、「Le JADE」「Grand Le JADE」に次ぐもので、ダイヤモンドの語源であり「永遠」を意味し、特別な景観・歴史・風格を持つ、格別なロケーションに立地し、日常から解放されたここでしか経験できない時間と空間を提供するというのがコンセプト。
森戸海岸に隣接する希少なロケーション、天然の石と木、海と空を映すガラス素材で仕上げたデザイン、全戸100㎡超の室内に梁や柱が出ない設計、大開口窓を設置することでパノラマビューを実現した開放的な住空間が評価されたとしている。
物件は、京浜急行逗子線逗子・葉山駅から徒歩34分、神奈川県三浦郡葉山町堀内字葉山に位置する3階建て全17戸(一般分譲は2戸)。専有面積は100.72~232.24㎡。2戸の坪単価は820万円。入居予定は2025年7月下旬。
◇ ◆ ◇
森戸海岸に面したマンションはこれまで数件見学している。記者も海好きだが、最高に素晴らしい。反響数は1,800件に達したのも理解できる。面積を100㎡超としたのも人気の要因の一つだと思う。
81.5haの物流「GLP昭島プロジェクト」敷地内に4.5haの樹林地 開発に疑問の声も
「武藤順九彫刻園」(ホテルロビーから)
大和ハウス工業は9月20日、3棟・総戸数850戸超のマンション「昭島プロジェクト」のうち、第一弾として昨年9月に販売開始し、今年5月に完売した全481戸の「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」竣工内覧会と、第二弾の全277戸の「プレミスト昭島 モリパークグラン」モデルルーム内覧会を行った。
その記事より先に、第三弾のマンション建設地になっているマンションパビリオンと道路を挟んで隣接するホテル「フォレスト・イン 昭和館」について紹介する。
同ホテルはバブル期の1988年創業。駅から徒歩7分、昭島市代官山一丁目に位置する全98室の客室のほかレストラン、結婚式場、宴会場、バーベキュー施設なども併設されている。
マンションの取材を終え、一服しようとホテルに入った。利用客に「素晴らしいホテルですよね」と声を掛けたら、「来年1月に閉店になるんです」と聞かされた。その通りだった。ホテルを運営する「アーバンリゾーツ昭和の森」は今年4月1日、同ホテルを2025年1月31日をもって営業を終了するとホームページで公表している。
〝最初で最後、見納めになる。しっかり見ておかないと〟と考え、せんべろの3倍高いビールを飲んだあと、1時間以上かけてホテルと敷地内にある「武藤順九彫刻園」を見て回った。
何も言うことはない。「彫刻園」は2018年に開設。開設時の趣意書には「保全すべき樹林地に、木漏れ日に溶け込むように作品を配置し、自然とともに芸術に触れあうことができる空間を創造する…行政、企業、作者が協力して世界に発信する日本で初めてのプロジェクト」とある。園内には樹齢100超と思われる巨木がたくさん植わっており、素晴らしいの一語だ。自然林そのものだ。写真をたくさん撮ったので見ていただきたい。
なぜ、このような素晴らしいホテルが閉店となるのか。以下に経緯を紹介する。
ことの発端は2022年2月。シンガポールに本拠を置く日本法人「日本GLP」は、東京都昭島市の「昭和の森ゴルフコース」と「フォレスト・イン 昭和館」の約65haの土地を昭和飛行機工業から取得し、大規模多機能型物流施設「GLP ALFALINK 昭島」として2024年4月に開発着工、2026年頃より順次竣工し、2028~29年に全体竣工する予定と発表した。ゴルフ場とホテルは〝何んでもあり〟の準工業地域(建ぺい率60%、容積率200%)だったため、物流施設建設が可能となっていた。
市は今年の3月、事業者から提出された「GLP昭島プロジェクト」 環境影響評価書案に対して小池都知事宛てに意見書を提出。都市計画マスタープランなどを勘案し、引き続き市と協議し、協力するよう求めた。また、環境影響評価書案には不整合などか散見されるとし、是正を求めている。
そして5月、市は「玉川上水南側地区地区計画」(素案)を発表。物流施設用地を含む約81.5haについて業務地区A(37.1ha)、業務地区B(39.9ha)、緑地保全地区(4.5ha)に指定し、「彫刻園」を含む樹林地を保全するとともに新たに約3.5haの公園を整備するとしている。
昭和飛行機について。同社は1937年、現在の「モリパーク」に創業。終戦まで主力戦闘機などを製造した。終戦後は米軍に接収されたが、1955年に特殊車両の製造を開始、1961年東証二部に上場。1980年に「モリパーク」を開業した。2014年3月、三井造船が実施した株式公開買付けの結果、同社の連結子会社となり、2020年1月、三井E&Sホールディングス(2018年に三井造船より改称)は、ベインキャピタルが投資助言を行うBCPEプラネットケイマンに昭和飛行機の保有株式の全てを売却。昭和飛行機はBCPEプラネットケイマンの完全子会社となり、上場廃止となった。同年10月、分社化され、不動産賃貸・ホテル・レジャー事業を行う昭和飛行機都市開発が設立された。
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都市計画マスタープランなどから判断して、「武藤順九彫刻園」など約4.5haの樹林地は保全されるようだが、市の都市計画素案に対する市民らの382件の意見には、生物多様性や生態系への配慮を明記すべき(20 件)、自然環境、生態系や水を守ってほしい(17 件)、代官山の樹林地だけではなく、旧ゴルフ場や周辺の樹木も含めて保全すべき(16件)、緑の分断、生態系への影響や渋滞、事故の発生が懸念されるので、道路の新設に反対(40件)、事業の撤退または規模縮小、交通量の削減を望む(80件)など、開発に疑問を呈する声が多く寄せられている。
事業者は、「玉川上水の周辺から代官山の樹林地にかけては、緑も多く残っており、生物多様性に配慮した環境を保全するとともに、市民の散策の場としての活用を促進する」としている。
竣工予定の8月を待たず8か月で全481戸完売大和ハウス「プレミスト昭島」(2024/5/28)
わずか2か月で全戸数481戸の6割強の第1期295戸を成約大和ハウス「昭島」(2023/11/19)
〝東京の軽井沢〟レベル高い「来年6月までに完売」あるか大和ハウス「昭島」(2023/5/26)
「物流施設」=「嫌悪施設」=「倉庫」なのか三井不ロジスティクス記者説明会(2024/7/12)
ケイアイスター不動産 M&A加速 2016年から7社グループ化 売上げ増に寄与
ケイアイスター不動産は9月19日、同社グループの注文住宅事業のM&Aを強化すると発表した。2024年3月期で同社グループは、8,202棟を販売し、売上高は前年比17%増収の2,830億円といずれも過去最高を達成したが、その要因の一つにM&Aの寄与度が大きいことから、今後も積極的にM&Aを加速していくとしている。
同社は、2016年4月のよかタウン(福岡県福岡市)を皮切りに、2017年4月に旭ハウジング(神奈川県横浜市)、2019年1月に建新(神奈川県横須賀市)、2021年1月にケイアイプレスト(埼玉県蓮田市)、2023年4月にエルハウジング(京都府京都市)、2024年4月に新山形ホームテック(山形県新庄市)、2024年7月にTAKASUGI(熊本県熊本市)の7社をグループ化している。