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既報の通り、東日本不動産流通機構(東日本レインズ)による令和66月の首都圏中古マンションの成約件数は4,299件(前年同月比31.9%増)、坪単価は275万円(同6.9%増)、成約価格は5,209万円(同5.1%増)、専有面積は62.50㎡(同1.7%減)、築年数は26.96年(前年同期は24.36年)となったのだが、もう少し詳しくデータを見ることにした。都心と郊外は雲泥の差であることが分かる。マクロデータのみに頼っていては、市場を見誤ることになりかねないということだ。

都県別成約状況では、東京都の成約件数は4,299件(前年同月比31.9%増)、坪単価は386万円(同13.2%増)、価格は6,791万円(同5.1%増)、専有面積は58.04㎡(同2.5%減)、築年数は25.87年(同2.60年増)。

神奈川県の成約件数は1,003件(同40.5%増)、坪単価は186万円(同5.2%減)、価格は3,751万円(同6.6%減)、専有面積は66.66㎡(同1.5%減)、築年数は27.62年(同3.08年増)。

埼玉県の成約件数は509件(同47.1%増)、坪単価は143万円(同2.8%増)、価格は2,906万円(同1.9%増)、専有面積は67.09㎡(同0.8%減)、築年数は27.49年(同0.91年増)。

千葉県の成約件数は427件(同12.1%増)、坪単価は121万円(同9.8%減)、価格は2,629万円(同9.3%減)、専有面積は71.89㎡(同0.5%増)、築年数は30.85年(同3.69年増)。

これらの数値を見比べると、東京都の成約件数は首都圏全体の54.9%を占め、坪単価は首都圏平均の1.4倍、価格は首都圏平均の1.3倍になっており、一方、他県の坪単価は横ばいか下落しており、価格は東京都の半値で推移していることが分かる。また、専有面積は各都県とも一貫して縮小しており、築年数は千葉県が30年超となっているのが目立つ。

記者がもっとも興味があるのは、いま自宅マンションを売却する人は買値を上回っているのか下回っているのかだ。世間では分譲と賃貸都ではどちらが得かが俎上に上る。記者は住宅を損得で考えるべきではなく、ライフスタイルによって自由に選択できる市場になることを願っている。

ここではこの問題に深入りすることをしないで、単純に考えることにする。築年数26.96年といえば、今から約27年前の1998年(平成10年)だ。デベロッパーはバブル崩壊の痛手から立ち直っていたころで(退場を余儀なくされたデベロッパーはたくさんあったが)、マンション市場は活況を呈していた。不動産経済研究所のデータによると、1998年の首都圏マンション供給量は約6.6万戸で、坪単価は193万円、平均価格は4,168万円、平均専有面積は71.01㎡だ。その後、2008年のリーマン・ショック後の一時期を除けば価格、単価は右肩上がりで推移している。2024年の平均価格は7,820万円、坪単価は388万円だ。

中古マンションはどうかというと、1998年の成約件数は22,356件、坪単価は115万円、価格は2,192万円、専有面積は62.87㎡、築年数は15.20年だ。現在の中古マンションの成約状況を当時と比べると、坪単価と成約価格は約2.4倍へと大幅に上昇している。当時、マンションを買った人は損切りしないで売却できているという計算が成り立つ。これが現在の活況を呈している中古マンション市場の大きな要因の一つだろう。

問題を指摘するとすれば、専有面積の圧縮だ。現在の新築マンションの平均専有面積は66.95㎡で、1998年比で4.06㎡(1.23坪)縮小している。中古マンションの専有面積は1998年の62.87㎡よりも狭い62.50㎡だ。〝便立地、好立地〟(資産性)のために住宅の基本的な質である居住面積を犠牲にしていることが分かる。

30年経過しても、住宅の質はそれほど向上していないとも受け取れるが、この〝便立地、好立地〟(資産性)が重視されるのは分からないわけではない。〝時は金なり〟だ。移動に伴う時間を金額に換算したらいくらになるか。これは人それぞれだろうが、仮に1時間2,000円としたら(オフィスワーカーの賃金を時間給にしたらもっと高いはずだが)、駅から徒歩10分なら往復で666円、月に約2万円、年間で約24万円だ。夫婦ならこの2倍。〝コスパ〟を重視する若い人にとっては無視できない額だ。

では、居住面積を金額に換算したらいくらになるか。首都圏賃貸住宅の相場を坪1万円とすると、年間で12万円だ。夫婦で共有すれば1人当たり6万円となる。

この数値から、時間か居住性かを問われれば、やはり時間を重視する人が多数を占めるだろう。〝便立地、好立地〟が住宅市場で優位にあることの説明がつく(絶対ではないので、郊外の価格が安くて居住性に優れた住宅が一定の支持を受けているのもよくわかる)。

成約状況をさらに詳しく見ると、面白いことが分かる。20254月から6月の成約件数12,090件の1,000万円ごとの価格帯別分布でもっとも多いのは6,0007,000万円の1,904件(全体の15.7%)だが、10,000万円以上は1,189件(8.8%)で昨年同期の715件(7.6%)から大幅に増加している。10,000万円以上を都県別にみると、東京都が1,104件(前年同期は663件)を占め、他の3県合計は85件だ(前年同期は52件)。ちなみに、他県の1,000万円ごとの最多価格帯はいずれも1,0002,000万円で、神奈川県500件(17.8%)、埼玉県325件(23.1%)、千葉県289件(23.4%)、3県合計で1,114件だ。東京都の億ション成約件数のほうが多い。

この数値からは、東京都の高額住戸が市場を左右していることが浮き彫りになり、中でも都心3区(千代田区・中央区・港区)の数値が突出している。東京都全体の6月の成約状況は先に見たが、都心3区の成約件数は都全体の7.1%の306件(前年同月比29.1%増)で、坪単価は766万円(同26.8%増)、価格は13,502万円(同33.7%増)、専有面積は58.16㎡(同5.5%増)、築年数は20.45年(前年同期は20.05年)となっている。

坪単価、価格とも大幅に上昇しているが、興味深いのは築年数だ。他の地域では城東地区24.08年、城南地区28.22年、城西地区27.11年、城北地区26.89年、多摩地区27.97年となっており、かなりの差がある。

なぜそうなのかは詳細な分析が必要だが、先に見たように築年数が浅いほど中古市場での評価が高く、ここ数年の新築価格の暴騰の恩恵を高額マンション居住者が受けていることをうかがわせる。一部では投機的需要も発生しており、中古価格が新築価格を上回る逆転現象もみられる。

月並みな言葉だが、首都圏中古マンション市場も二極化が広がっているということか。

6月の中古マンション・戸建て 成約件数は大幅増加 東日本レインズ(2025/7/10

 

 

 

 パナソニック ホームズは7月10日、同社の建物設計の優秀事例を表彰する社内表彰制度「2024年度 アーキテクト・オブ・ザ・イヤー」の最優秀事例6例など全18例を選出、表彰したと発表した。

 同表彰制度は、同社の設計従事者の提案力の向上と優秀事例における特長・工夫の水平展開を目的に2016年度から実施しているもの。1次・2次の書類審査を経て、最終審査はコンペ形式により、設計者自らが審査員にプレゼンテーションを行い、総合的な設計提案力を評価する。

 選考は全6コース<「設計デザインコース(130㎡未満/130㎡以上)」「空間デザインコース」「事業用物件コース(3階以下/4階以上)」「リフォームコース」>で、応募作品の中からそれぞれ最優秀賞、新人賞などが選ばれる。

 今回の対象事例は2023年10月~2024年9月に完工した事例で、応募数は235事例。書類審査を通過した18例が審査対象。審査員は同社の主要役員、建築家の連健夫氏など。

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 この種の社内表彰制度は各社が行っており、雑誌社が絡んでいるので他のメディアはリリースをコピペして記事化するのはためらわれ、「か・ち・も・な・い」と判断されるのだろうが、小生などは取材の声が掛れば飛んでいく…会場は多分大阪だろうから無理だが…。

 受賞作品はみんな面白い。例えば、設計デザインコース(130㎡未満)の最優秀賞に選ばれたパナソニック ホームズ多摩の山西宏和氏の作品。テーマは「間口狭小地に建つ開放リビングのある家」で、接道幅4.7m・約26坪の限られた敷地で、「家族が集まり、ゆっくり過ごせる明るい

 リビング」を実現。2階リビングは最高3.3mの天井高を確保し、勾配天井を活かした木質感あふれる空間が、明るく開放的な雰囲気を演出したもの。

 この他、「~暗さへの挑戦~『真のホテルライク』とは」「はじまりの家」「2つのファサード(外観)を持つ完全分離型併用住宅~」「人と街を支える地域健康拠点」「忙しい日々にゆとりを生み出すこだわりの住まい」などのテーマがいい。

  建設物価調査会は710日、20256月の「建設物価 建築費指数」(東京2015100基準)を公表。工事原価は集合住宅(RC造)、事務所(S造)、工場(S造)、住宅(W造)とも前月比で上昇した。

集合住宅(RC造)の工事原価は138.8(暫定)で前月比1.1%増、前年同月比5.3%増、純工事費は140.1(暫定)で前月比1.2%増、前年同月比5.6%増となった。

事務所(S造)の工事原価は137.8(暫定)で前月比0.5%増、前年同月比3.9%増、純工事費は138.7(暫定)で前月比0.6%増、前年同月比4.0%増となった。

工場(S造)の工事原価は136.5(暫定)で前月比0.6%増、前年同月比3.0%増、純工事費は137.3(暫定)で前月比0.6%増、前年同月比3.1%増となった。

住宅(W造)の工事原価は142.7(暫定)で前月比0.8%増、前年同月比3.6%増、純工事費は144.3(暫定)で前月比0.8%増、前年同月比3.6%増となった。

工事原価は、直接工事費と共通仮設費を合計した純工事費に加えて現場管理費や一般管理費なども含めた額。

 

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は7月10日、令和6年6月の首都圏流通市場動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は4,299件(前年同月比31.9%増)で8か月連続の増加、坪単価は275万円(同6.9%増)で20年5月から62か月連続で上昇、成約価格は5,209万円(同5.1%増)で8か月連続で上昇、専有面積は62.50㎡(同1.7%減)で7か月連続の縮小となった。

 中古戸建ての成約件数は1,943件(同49.2%増)で8か月連続の増加、成約価格は3,937万円(同1.9%減)で2か月ぶりに下落、土地面積は144.36㎡(同1.7%減)で3か月ぶりに縮小、建物面積は103.59㎡(同0.7%減)で2か月ぶりに縮小した。

 

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「Anantara Karuizawa Retreat (アナンタラ軽井沢リトリート)」開発調印式(東京アメリカンクラブで)

 リストグループのリストデベロップメントとロイヤルホールディングスグループのロイヤルマイナーホテルズは7月10日、日本初進出となるラグジュアリーホテルブランド「Anantara(アナンタラ)」を冠した「Anantara Karuizawa Retreat (アナンタラ軽井沢リトリート)」に関するマネジメント契約を締結し、浅間山を望む長野県軽井沢町の約4万㎡の高級リゾートを開発すると発表した。

 施設は、北陸新幹線軽井沢駅から車で約15分、長野県北佐久郡軽井沢町に位置する開発面積約41,933㎡。客室数は:スイート23室(60~120㎡予定)、ヴィラ18棟28室(70~270㎡予定)。開業予定は2030年。館内にはオールデイダイニング、スペシャリティレストラン、バーを含む3つの飲食施設を備える予定。一部のヴィラは、ブランデッドレジデンスとして分譲することも検討している。

 この日の調印式に臨んだMinor International Public Company Limited(マイナー・インターナショナル)創業者兼会長・William Ellwood Heinecke(ウィリアム・エルウッド・ハイネッケ)氏は、「当社は世界60か国、650ホテルを運営している。今回、リスト社とロイヤルホールディング社とパートナーシップを組めたことは本当にうれしく光栄に思う。Anantaraの日本進出は素晴らしいこと」と、また、リスト代表取締役社長・北見尚之氏は、「2010年にサザビーズ インターナショナル リアルティの国内独占営業権を取得してから国内のほか、5か国で事業展開しているが、今回は新たな挑戦。最高級のホテルにする」とそれぞれ挨拶した。

 ロイヤルマイナーホテルズ代表取締役社長・本山浩平氏は、「2025年3月に設立したロイヤルマイナーホテルズとしてホテルマネジメント契約の第一号となるAnantara Karuizawa Retreatでパートナーシップを結べることを大変誇りに思う。同社は、ラグジュアリー施設の創造における卓越した専門性があり、独自のデザインと上質な滞在を追求するAnantaraブランドの理念と調和している」と、リストデベロップメント代表取締役社長・木内寛之氏は、「当社はこれまで、高品質な住まいと街づくりを通して、お客様に豊かなライフスタイルを提供することを目指してきた。近年では、ホテルコンドミニアムやラグジュアリー邸宅にも積極的に取り組んでいる。そのような中で、アジアを代表するホテルチェーンである同社と、当社のビジョンが合致し、今回のホテルマネジメント契約締結に至った」と、それぞれコメントした。

 マイナー・ホテルズは、AsPAC最大級のホスピタリティ及びレジャー企業であるMinor InternationalPCL(マイナー・インターナショナル)の中核企業。57か国で560 棟以上のホテル、リゾート、レジデンスを運営している。2027年度末までに280軒以上のホテルを新たに加えることを目標に掲げており、世界規模の成長を加速させる。

 Anantara(アナンタラ)の発祥はタイで、アジア全域、中東、インド洋、アフリカ、ヨーロッパなど25か国、59軒のホテルを展開している。

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 わが国の分譲戸建てとしては過去最高額と思われる25億円の「元麻布」(一棟現場)をリストグループのリストデベロップメント分譲したことが分かった。同社代表取締役社長・木内寛之氏が明らかにしたもので、土地面積70坪、建物面積150坪、3階建てRC造。竣工は来年。これまでの分譲戸建ての最高額は、諸戸の家「代々木上原の邸宅」の10億円といわれている。

 同社は、ラグジュアリー不動産開発に今後力を入れるとしており、今回の分譲戸建てはその第一号。

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 この額に記者は全然驚かない。エルメスの高級ハンドバッグ「バーキン」の初代モデルがサザビーズのオークションで過去最高額となる858万ユーロ(約14億7000万円)で落札されたというではないか。分譲マンションでは、2016年分譲の三井不動産レジデンシャル「パークマンション檜町公園」で1戸55億円の住戸が分譲されたのを記事にしているし(同社はノーコメント)、森ビル「麻布台ヒルズレジデンス」では200億円の住戸が分譲されたと巷間いわれている。

 分譲戸建てもこれくらいの価格で分譲されるのが当たり前になると思っている。「元麻布」がある東京都港区の令和5年度の課税標準額が1億円超の納税者は、納税義務者の0.9%に当たる1,392人(前年度比11.4%増)となっている。25億円は年間所得分に過ぎない人はたくさんいるはずだ。  

価格10億円超分譲戸建ての歴史を変えた諸戸の家「代々木上原」完売(2025/3/6)

米国の別荘1億$(133億円)三井リアル「REALTY-news」/わが国はどうなるか(2022/8/19)

三井不レジ「檜町公園」わが国の最高価格マンション1戸55億円成約済みか(2016/7/15)

アッパーミドル・富裕層さらに増加 5人に1人が課税標準額1,000万円超東京都港区(2024/9/18)

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「令和7年度 改正マンション関連法に関する説明会」(ビジョンセンター東京八重洲で)

 国土交通省と法務省民事局は7月8日、「令和7年度 改正マンション関連法に関する説明会」を開催した。午前の部と午後の部あわせて約480人が参加し、関心の高さをうかがわせた。

 関連法は一部を除き令和8年4月1日付で施行が予定されていることから、国交省は全国での説明会、専門家による検討会、パブコメの実施などを経てマンション標準管理規約は今年9月下旬を、管理業者管理者方式に関する委託契約書は今年11月1日をめどにそれぞれ公表することにしている。以下、配布資料をもとに要点を紹介する。

マンションの管理・再生の円滑化のための法改正

 資料は法改正の背景・必要性について、現在のマンションストック総数は約704万戸(2023年末)で、令和2年の国勢調査による1世帯当たり平均人員2.2人をかけると約1,500万人になり、国民の1割超が居住していることになり、現在137万戸の築40年以上のマンションストック数は20年後には464万戸に増加し、令和5年度のマンション総合調査によると、世帯主が70歳以上の住戸の割合は築40年以上のマンションでは55%に達しているなど「2つの老い」が進行していることを指摘。

 また、長期修繕計画を定めて修繕積立金を積み立てているマンションのうち「現在の修繕積立額の残高が、長期修繕計画の予定積立残高に対して不足していない」マンションは約40%に留まっている現状があるとしている。

 一方、マンションの建て替え実績は2023年度末で累計297件(約24,000戸)で、建て替えに伴う余剰容積率が縮小傾向にあり、2020年代では保留床は40%を割っており、区分所有者の平均負担額は2012~2016年の約1,106万円から2017~2021年は約1,941万円へ激増している。

 こうした背景・課題の解決を図るため、改正法では①適正な管理を促す仕組みの充実、集会出席者の多数決議決による管理の円滑化②建物・敷地の一括売却、一棟リノベーション、建物の取り壊しなどを多数決で可能とする再生の円滑化③地方自治体の取り組みの強化-による三本柱で取り組むとこととしている。

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区分所有法・被災区分所有法の改正内容

区分所有法・被災区分所有法の改正内容では、集会の議決の円滑化のため、現行では普通決議は区分所有者の多数決(欠席者もカウントする)が必要なのを、出席者の多数決でいいことに変更され、所在等不明の区分所有者はすべての議決の母数から除外する制度が設けられたのが大きなポイント。

また、区分所有者が専有・共用部分を管理せず、他の区分所有者の権利を侵害するのを防ぐため裁判所が管理人を選定して管理させる財産管理制度や、区分所有者が国内に住所を有しない場合は、国内管理人を選任できる制度が創設される。

さらに、共用部分の変更決議の多数決要件(3/4)を、権利侵害の恐れがある場合は2/3に引き下げられる。

建て替え決議の要件緩和では、現行多数決要件(4/5)を、一定の要件を満たせば3/4に引き下げることが可能になり、建物・敷地の一部売却、建物の取り壊し、一棟リノベーション工事なども建て替えと同等の多数決議決を可能とする制度が創設される。

一括建て替え決議の要件緩和では、現行は各棟ごとの2/3以上、団地全体の4/5以上の賛成が必要なのを、改正後はいずれかの棟で反対者が1/3を超えない場合は団地全体で3/4に引き下げ、一部建て替えも現行の団地全体の3/4から団地全体の2/3に引き下げる。団地内の建物・敷地の一括売却要件も、現行では区分所有者全員の同意が必要だったのを多数決議決で可能にする制度を創設する。

マンション管理法・再生法等の改正内容

 マンション管理法・再生法等の改正内容では、令和2年改正時に創設された管理計画認定制度は現在2,379件の実績があるが、制度の拡充を図るため、現行では既存マンションが対象になっているのを新築時に分譲事業者(デベロッパー)が管理計画を作成し、管理組合に引き継ぐ仕組みを導入し、認定に係る表示制度を創設する。

 管理組合役員の担い手不足の課題解消のため期待されている管理業者管理者方式の改正では、管理業者と管理者の利益相反を防止するため、管理者受託契約に係る重要事項を区分所有者に説明し、書面を交付すること、自社または関連会社との取引を行う場合は、取引の前に区分所有者に説明することを義務化する。

 区分所有法の改正により創設された新たな再生手法(一棟リノベ、建物・敷地の一括売却、建物の取り壊しなど)について、新たな決議に対応した事業手法(組合設立、権利変換計画、分配金取得計画など)を整備するため、マンション再生法の合意要件を緩和、引き下げを行う。また、マンション再生に関するガイドラインやマニュアルを整備し、独立行政法人住宅金融支援機構法(JHF法)の改正により、マンション再生の取り組みを金融面でサポートする。

 隣接地の所有権や借地権、底地権を建て替え・再建後のマンションの区分所有権に権利変換できるようにし、特定行政庁の許可による容積率特例制度に高さ規制要件を緩和する特例を追加する。

 地方公共団体の取り組みの充実を図るため、地方公共団体がマンションの管理に関して助言・指導・韓国でできるよう権限を強化するため、地方公共団体の内部情報の収集や、財産管理制度の申し立てなどが行えるようにする。また、NPO法人など民間団体をマンション管理適正化法人として登録する制度を創設する。

 

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「Tonowa Garden(トノワ ガーデン) 目白台」

 三菱地所レジデンスと東京大学は7月7日、国立大学法人東京大学の土地有効活用事業の第一号となる東京大学目白台キャンパス内のヘルスケア複合施設「Tonowa Garden(トノワ ガーデン) 目白台」が竣工したのに伴う「まちびらき&完成内覧会」を開催した。

 同事業は2020年5月、東京大学目白台キャンパスの土地有効活用に係る事業協力者募集に対し、三菱地所レジデンスが事業主、三菱地所が総合企画として選ばれたもの。2023年8月に着工し、2025年1月に竣工した。施設は期間65年の定期借地権付きで、名称は「〇〇との輪」と「Garden」を組み合わせたもの。

 研究施設として、「暮らしの保健室」「みんなのケアをする力をサポート」「看護・ケア専門職のサポート」の3つの取り組みを推進する、東大看護系教員、大学院生、学部生で構成される「東大GNRCオープンラボ」(東京大学大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター)が入居している。

 「医療・ヘルスケア施設」としては、「東大看護ステーション目白台」(一般社団法人東大看護学実装普及研究所)があり、従来の介護保険・医療保険制度による訪問看護のほか、保険外看護サービスとして世帯単位での月額制看護サービス[GNRCつながるケア]も行っている。

 この他、小児から高齢者まで全年齢層を診療の対象とするクリニック「ふくろうクリニック目白台」(医療法人社団創福会)、調剤薬局「目白台薬局」(メディシステム)、サービス付き高齢者向け住宅「クイーンヒル目白台」(コミュニティネット)、介護付き有料老人ホーム「アリア護国寺」(ベネッセスタイルケア)、リハビリ特化型デイサービス「元氣ジム目白台」(ルネサンス)、学童保育施設「ベネッセ学童クラブ護国寺」(ベネッセスタイルケア)、コミュニティラウンジ「目白台の間」(PIAZZA)が入居。防災備蓄倉庫も備えている。

 まちびらきイベントに出席した三菱地所レジデンス執行役員投資アセット企画開発部長・渡辺昌之氏は、「隣接地には国際的な交流拠点『目白台インターナショナルビレッジ』があり、多様な機能が融合した施設が完成した。施設名称には地域との輪、東大と隣人との輪、入居者との輪など様々な方々の輪が形成されて広がっていくという願いを込めた。三菱地所グループが長年取り組んできた防災の知見も取り入れ、防災コミュニティの形成にも取り組んでいく。地域の癒しの場であり、出会いの場、研究と学びの場でありたいと願っている」とあいさつした。

 東京大学理事・菅野暁氏は、「この土地は、東大附属病院分院として明治41年の開院から平成13年の閉院まで104年の長きにわたり教育、研究の発展にかかわってきた歴史を持つ。閉院後の令和元年度に『目白台インターナショナルビレッジ』が竣工した。今回の施設は、平成16年の国立大学法の改正によって大学が所有する土地の第三者への貸付けが可能になった制度を活用するもので、大学の財務基盤強化の一環として初めて取り組むもの。医療、福祉、教育、研究すべての分野を網羅する素晴らしい施設になった」と語った。

 東京大学グローバルナーシングリサーチセンター長・山本則子氏は、「わが国は高齢者が増える一方で、人口が急速に減少してきており、従来型の専門職と家族によるケア体制は限界に近い。私たちが提案しているのは、専門職だけでもなく家族だけでもなく、街の誰もがケアの担い手になろうということ。各種のプログラムには期待をはるかに超える応募があり、ニーズが大きいことを実感している。街ぐるみで支え合い、ともに幸せを追求できる社会の実現を目指したい。この新しい街づくりの試みが広く発展し、日本全国や世界のモデルになるよう微力ながら貢献したい」と話した。

 物件は、東京メトロ有楽町線護国寺駅から徒歩6分、文京区目白台3丁目に位置する敷地面積約5,290㎡、5階建て延床面積約9,608㎡。設計は設計工房イー・ディー。施工は東亜建設工業。竣工は2025年1月。

 国立大学の土地活用事業は、国立大学法人法が平成16年(2004年)施行され、同28年(2015年)5月の改正により、文部科学大臣の認可を受ければ、国立大学法人は当面使用が予定されていない土地などを第三者に貸し付けることが可能になった。

 同大学の土地有効活用事業としては、東京大学西千葉キャンパス跡地利用事業(約75,299㎡)の事業者として野村不動産を代表とする三井不動産、三菱地所、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、大和ハウス工業が選ばれている。

 この他、NTT都市開発が代表企業の東京工業大学田町キャンパス土地活用事業(約23,222㎡)、阪急阪神不動産によるお茶の水女子大学大山学生寮跡地(約8,046㎡)のマンション「ジオ板橋大山」、住友商事を代表企業とする九州大学箱崎キャンパス跡地地区(約28.500㎡)、野村不動産の東京医科歯科大学越中島地区土地活用事業(約17.967㎡)などかある。

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左から渡辺氏、菅野氏、山本氏

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3氏によるまちびらきテープカット

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外観(北西側)

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介護付き有料老人ホーム「アリア護国寺」ラウンジ(全53室のうち8割が入居済み)

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サービス付き高齢者向け住宅「クイーンヒル目白台」ラウンジ(全80室のうち11室が契約済み)

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「東大GNRCオープンラボ」

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コミュニティラウンジ「目白台の間」(この日は七夕で、勝どきから参加した30代の女性は短冊に「毎日 楽しく過ごせますように」と、学校が休校という8歳の女の子のお子さんは「家ぞくが しあわせに くらせますように」と認めていた)

お茶の水女子大学国際学生宿舎跡地定借「大山」好調首都圏事業強化へ阪急阪神不(2024/3/21)


 

 

 ポラスグループの「決算説明資料」について。同社コミュニケーション部がまとめているもので、今年の資料はA4判全47ページ。全事業の業績・トピックス、戸建て市場、契約・受注動向などが紹介されている。同業他社の決算説明資料と比較しても見劣らないどころか、とても親切でわかりやすい。

 中でも興味深いのは、分譲戸建て住宅に関するデータだ。ポラス商圏の着工動向、人口動態などをほぼ完ぺきに網羅し、同社のシェア、価格動向などを報告している。

 ポラス商圏とは、本拠の埼玉県越谷市を中心とする草加市、八潮市、三郷市、吉川市、春日部市の「越谷エリア」、さいたま市を中心とする上尾市、富士見市、志木市、三芳町、朝霞市、和光市、戸田市、蕨市、川口市、新座市と東京都の北区、板橋区、練馬区の「さいたまエリア」、千葉県松戸市を中心とする鎌ヶ谷市、船橋市、市川市、我孫子市、流山市、柏市、野田市と東京都足立区、葛飾区、江戸川区の「松戸エリア」のことを指す。

 同社グループは、50年前の創業時から「地域密着型経営」を掲げ、万が一問題が発生した場合でも車で1時間程度で駆け付けられる範囲に限定して事業を展開している〝稀有〟な会社だ。商圏拡大はあるかもしれないが、おそらく今後もこの方針に変更はないはずだ。

 説明資料によるとポラス商圏の2024年度の持家と分譲住宅の着工戸数は30,598戸(前年度比1,873戸減)、世帯数は約531万世帯(約7.6万世帯増)、総人口は約1,033万人(同約2万人増)、一次取得人口(25~44歳)は約263万人(同3,083人増)だ。このうち分譲戸建て市場は、着工戸数は18,904戸(同10.1%減)、同社の売上戸数は2,545戸(同9.0%増)、シェアは13.5%(同2.4ポイント増)となっている。同社はこの分譲戸建てと注文住宅のシェア4.3%は過去最高水準としている。

 この13.5%は高い水準ではあるが、マンション同様。それほど大きな意味をなさないと思う。戸数で競う時代はとっくに過ぎた。商品企画が勝敗を分ける。そもそもどこもがっぷり四つに組んで消耗戦などしていない。例えば飯田グループ。同社の2025年3月期の分譲戸建て計上戸数は38,627戸で全国シェア約30%(首都圏は約31%)を誇るが、戸当り単価は3,130万円だ。同社は首都圏の分譲戸建ての平均価格は公表していないが、記者は4,000万円くらいではないかと推測している。

 では、ポラスはどうか。同社の2025年3月期の戸当たり単価は4,958万円(契約ベース)だ。飯田グループに次ぐ分譲戸建て大手のオープンハウスも戸当り単価はポラスとほとんど同じだが、商品はまるで異なる。

 もっとすごい会社がある。三井不動産だ。同社の2025年3月期の分譲戸建ての売上高は3,598百万円、計上戸数は417戸、戸当り単価は8,629万円だ。同社は首都圏の都心・準都心部に供給を絞っているからだが、単価は飯田グループのほぼ倍だ。これだけでも、同じ俎上に載せることの無意味さが分かるはずだ。

 話を元に戻す。ポラスの資料を読むと、このところ価格が大幅に上昇していることが分かる。平均価格は4,958万円なのは先に紹介したが、5年前の2020年3月期の4,073万円から21.7%上昇している。また、平均土地面積、平均建物面積は2020年3月期の119㎡、97㎡から2025年3月期は121㎡、98㎡になっている。価格帯も2020年3月期は3,000万円未満が183戸、6,000万円以上が78戸だったのが2025年3月期は3,000万円未満は37戸に激減し、6,000万円以上は411戸へ激増している。同社はこの理由を「維持防衛エリアのさいたま・越谷を抑えて、強化育成・積極展開すべき埼玉西部や南部を増強」したためとしている。

 このことと関連するかどうかは分からないが、同社は最近、高額価格帯へ果敢に挑戦しているように思う。「アバナイズ市川菅野」(5戸)「Sumi-Ka+GYOTOKU(すみかプラス行徳)」(18戸)「アイムス東久留米 ピー・ティー・サイト」(6戸)などだ。これらは全て価格は6,000万円以上だ。

 決算説明資料は遅行指標ではあるが、同社が何を考えているか、少しは先が読めてくる。

ポラスグループ 2025年3月期決算プレカット振るわず減収減益分譲は増収増益(2025/6/30)増益

UA値0.46 ポラス初「東京ゼロエミ住宅」最上位認証(旧基準)の「東久留米」(2024/12/26)

コアなニーズ引き出した商品企画ヒットポラス「すみかプラス行徳」(2024/12/7)

建ぺい率40%、容積率80%の風致地区の規制逆手にポラス「アバナイズ市川菅野」(2023/12/15)


 

 

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「青山リノベーションスタジオ」

 インテリックスグループのインテリックス空間設計の個人向けショールーム「青山リノベーションスタジオ」を7月3日見学した。14年も前から断熱窓(二重サッシ)の提案を行っているのに驚愕した。

 リニューアルでは、「生活課題の解決」と「多様化する高品質ニーズへの対応」をコンセプトに、最新設備を展示するだけではなく「どんな暮らしが実現できるのか」を提案できるショールームとなっている。

 スタジオでは、断熱窓(Low-E樹脂サッシ)の施工例や、飛騨高山の家具を採用し、床は突板仕上げのヘリンボーン、電動カーテンとブラインド、キッチン動線、限られた収納スペースを有効に活用する提案などが体験できるようになっている。

 同社リノベーションデザイン部部長・阿部貴氏は、「コロナ以降、資材の高騰、職人工賃の上昇が続いており、フルリノベの単価は2~3割はアップしている。今後も工事単価は上昇すると思われ、なるべく早めに決断されるのをお勧めしたい」とアドバイスしている。

 同社は1998年2月設立。年間販売1000件を超えるインテリックスの「リノヴェックスマンション」の設計・施工のほか、同業他社のリノベ請負、個人向けリノベ施工を三本柱として事業展開しており、同スタジオは個人向けショールームで2015年に開設している。

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「青山リノベーションスタジオ」リビング

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洗面

◇        ◆     ◇

 同社のリノベマンションを初めて見学したのは20数年前だ。物件そのものは〝好立地〟のいいマンションだったが、共用部分のサッシは手付かずだったのを思い出す。その後、同社が中心となって自主規制団体・リノベーション協議会(理事長:インテリックス会長・山本卓也氏、設立時はリノベーション住宅推進協議会で山本氏は同社社長)が平成21年5月20日に設立された。現在の会員数は736者にも及ぶ。〝リノベ〟は〝リフォーム〟に取って変わった。

 しかし、記者はこのリノベにいい印象を持っていない。玉石混交の世界だ。ほんの200~300万円の工事を施しただけで、数百万円から1,000万円くらい価格にオンして暴利をむさぼる業者が続出した。

 この日、「青山リノベーションスタジオ」を見学して、同業他社も一般の方も同社の「品質にこだわるまじめな『施工力』」(同社パンフレット「RENOVATION STYLE BOOK」)に学ぶべきだと思った。

 その典型例が省エネ提案だ。写真のように、PLASTとトステム2社の二重樹脂サッシ(内窓)の提案を行っている。窓下は断熱壁にしている。これは、2011年3月11日、つまり東日本大震災が起きたその日から行っているそうだ。なぜその日だったかは、同社広報担当のTさんは「山本(当時社長の卓也氏)が提案することを決めた、その翌日に震災が起きたのでよく覚えています」と話した。

 今から14年前だ。今でこそLow-Eガラスは当たり前になっているが、当時、二重サッシを採用するのは防音対策としてで、断熱性能を高めるものなどなかった。

 マンション標準管理規約で、窓ガラスなどの防犯、防音、断熱性能の向上について管理組合がその責任と負担において実施すべき(実施できない場合は区分所有者の責任と負担)と定めたのはそれから5年後のことだ。それより前に、同社が既存マンションの断熱化に取り組んでいたのを聞いてびっくりした。今でもリノベマンションの窓の断熱工事を行っているのは少数ではないか。

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断熱窓(二重サッシ)の提案(左がPLAST、右がリクシル)

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へリーンボーンの床

元町仲通りの中心地販売好調インテリックス「リシャール横濱元町」(2016/2/8)

 

 

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