2024年グッドデザイン賞 不動産各社が受賞 ブルースタジオ・はちくりはうす金賞
ブルースタジオ「はちくりはうす」
日本デザイン振興会は10月16日、応募があった5,773件から「2024年度グッドデザイン賞」1,579件を発表した。最高賞である「グッドデザイン大賞」の候補となる「グッドデザイン金賞」20件には、住宅・不動産業界からはブルースタジオ・竹村眞紀「障害者シェアハウス+シェア店舗『はちくりはうす』」が選ばれた。また、「グッドデザイン・ベスト100」には大和ハウス工業「神社・地域と共に歩む老人ホーム『黒鶴稲荷神社+アズハイム大田中央』」、東急不動産・石勝エクステリア・東急コミュニティー「生物多様性保全に寄与する長期景観管理計画」が選定された。「グッドデザイン大賞」1件は11月5日に決定・発表される予定。以下、主な住宅・不動産会社の受賞作。順不同
「黒鶴稲荷神社+アズハイム大田中央」
ブルースタジオ 「障害者シェアハウス+シェア店舗『はちくり』」「総合住宅展示場のセンターハウス」
東栄住宅 「木造住宅用制震ダンパー/東栄セーフティダンパー」「地盤改良工法/R-Evolve パイル」「宅地開発手法/簡単に地図から消せる道」
住友不動産 「プレミアム.J 立川」「南麻布レジデンス」
日鉄興和不動産 「グランリビオ浜田山」
大東建託 「ROOFLAG(ルーフラッグ)賃貸住宅未来展示場」
相鉄不動産 木造マンション「KNOCKSゆめが丘」
AQ Group 「木造平屋建て 構造実験棟」
三菱地所グループ 「ベネチ庵/アラビ庵」「MUFG PARK/LIBRARY」「田町タワー」「ザ・パークハウス グラン 神山町」「ザ・パークハウス 南麻布」 「ザ・パークハウス 京都河原町」
ミサワホーム 「be in harmony」
トヨタホーム 「トヨタホーム 国立ブリックコート」
旭化成ホームズ 「子育て共感賃貸住宅『ヘーベルメゾン BORIKI』」
MIRARTHホールディングス(ミラースHD) 「レーベン上田中央 GALLDEA」「『防災重要事項説明書』の発行・説明」
三井不動産レジデンシャル 「パークタワー勝どきミッド/サウス」「パークホームズ西池袋」「パークホームズ吉祥寺北 ザ ガーデン」「SOCO HAUS KORAKUEN」「パークアクシス新宿百人町」「すまいとくらしから循環型社会を実現『くらしのサス活 Circular Action』」
近鉄不動産 「ローレルコート上本町五丁目」
日本エスコン 「SEVENS VILLA 軽井沢」「TOPAZ 江坂」
野村不動産ホールディングス 「森を、つなぐ」東京プロジェクト」「プラウドシティ豊田多摩平の森」「プラウド阪急塚口駅前・ソコラ塚口クロス」「シビックプライドを醸成する取組『街の推し応援活動』」
大和ハウス工業 「神社・地域と共に歩む老人ホーム『黒鶴稲荷神社+アズハイム大田中央』」「公園一体広場+研究施設&ホテル『Research Gate -TONOMACHI-』」
コスモスイニシア 「イニシア芦屋レジデンス」「コスモグラシア蔵前テラス」「古材を活用した買取再販リノベーションマンション」
伊藤忠都市開発 「クレヴィア新御徒町」
阪急阪神不動産 「ジオ四天王寺一丁目」
リストデベロップメント・リビタ 「複合シェアオフィス「12 KANDA」
東京建物 「MEIJIPARK(都立明治公園)」「Brillia 京都鞍馬口」
ポラスグループ 「フレーベスト秋津 -OKUNIWA-」「アンテナモデル」「リーズン馬込沢 SuBaCoプロジェクト」「ベルフォート北本」「東京ストリームサイト」「国産無垢再生パネル」「未来輪区 ~共助と共生を育む街~」「『ステイパス』のある風景」「開発する全ての戸建て分譲地・入居者を対象としたコミュニティ支援プログラム」「育実(はぐくみ)の丘大宮」「南の台木造倉庫」「令和最小限住宅4×4『造りすぎない家』」「SPDスリム中間水切り」
東急不動産ホールディングス 「REEN AGENDA for BRANZ」「コンフォリア東新宿」「東急プラザ原宿『ハラカド』」「Forestgate Daikanyama」
大京 「リジェ南山」「コンパクトマンション向け可動テーブル一体型キッチン」
モリモト 「ディアナコート祐天寺レジデンス」「ピアース用賀テラス」
安田不動産 「デュシタニ京都・植柳コミュニティセンター」「「plaNECT 薬王寺」「HAMACHO FUTURE LAB」
「ブランズ自由が丘」
大東建託 賃貸住宅のCLT使用量 2028年までに8倍に ZEHにも対応
CLTを採用した賃貸住宅共用部イメージ図
大東建託は10月15日、環境性能が高く住宅の脱炭素化を促進するCLT工法を採用するとともに、ZEH仕様にするため太陽光パネルを搭載した新商品「CLT DK-ZEH」を2024年10月から販売開始し、同社のCLT使用量を2028年までに現在の8倍とする目標を策定したと発表した。
配布資料によると、記者説明会に臨んだ日本CLT協会業務推進部・小玉陽史氏は、なぜCLTが話題になるかについて、国内森林資源は積極活用する時代に突入しており、2050年カーボンニュートラルに向けて世界各国が走り出していることなどを指摘。「(同工法の採用を考えている顧客が)特に知りたいこと」として、コスト的には54㎡のヴィラ型宿泊施設を例にとり、木造軸組工法+CLT屋根の坪単価は134万円であるのに対し、木造在来工法は136万円、S造は158万円であることを紹介。このほか、環境性能が優れ、国の支援策、助成制度があることなどを上げた模様だ。
また、同社技術開発部次長・岡本修司氏は、同社のCLTの取り組みとして、2019年9月、国内初のCLT賃貸住宅商品「Forterb(フォルタープ)」を開発、その後、2020年には日本最大級のCLT大屋根の未来展示場「ROOFLAG」をオーブンし、2023年にはLCCM認定を取得したCLT工法による戸建て賃貸住宅の建設、2024年には「ForterbⅢ」の販売を開始したことなどを話したと思われる。
CLT材(スギ)
◇ ◆ ◇
どうして上段で「配布資料によると」「模様だ」「思われる」などと書いたか。理由を説明しよう。実は、記者が説明会場となっていた経団連会館に着いたのは10時30分。開始まで30分あるので、カフェで煙草を吸って5分前に会場に向かったところ、途中で同業の記者の方から「今終わったよ」と告げられた。開始は11時ではなく、10時だったのを確認しなかった記者がばかだった。
お詫びをするため会場に着いたら、広報担当の方が同社技術開発部CLT開発課課長・末廣英章氏を紹介してくれた。木造ファンの記者が一番聞きたかったのは、CLTと親和性があるはずの2×4のほかに、在来工法や鉄、コンクリなどとの混構造によるハイブリッド建築物についてだった。
なぜかといえば、AQ Groupは今春、純木造8階建て新社屋を完成させたが、建設に当たっては特殊金物などを使わず、プレカット工場で製材・加工され、普及している一般流通材をモジュール化、グリット化させて完成させたからで、坪単価も145万円で収めたからだ。
この点について、末廣氏は「当社の賃貸住宅の8割は2×4なのでCLTとの親和性は高い。在来工法とは床など水平方向での組み合わせは可能だが、柱、壁などは難しい。しかし、岡山県では水回りを在来工法にしてCLTを採用した事例がある。当社も開発を進めたい」と語った。ぜひとも在来工法とCLT工法の連携を進めていただきたい。
ハイブリッドについて。記者は、建築物に限らず森羅万象、すべての事象を測る物差しは〝美しいかそうでないか〟〝本物か偽物か〟-ただそれだけだ。絶対的な美など存在しないし、本物か偽物かも見方にもよるので怪しいものだが、誰が何と言ったって、「木」は美しい。同社の「ROOFLAG」もそうだし、直近では隈研吾氏の作品「日本アロマ環境協会(AEAJ)3階グリーンテラス」も、日建設計が設計・監理を担当した「木材会館」も最高に素晴らしい。
CLT協会もすべての「木」にかかわる関係者にお願いしたいのは、木の環境性能やコストだけでなく、「木」が人にもたらす視覚・嗅覚・触覚などの効果を可視化・数値化していただきたいということだ。AIを活用すれば瞬時にはじき出せるのではないか。そうなれば、毎度毎度、他の工法と比べてコストが高いとか低いとかなどの論議は吹っ飛ぶはずだ。
コンクリファンにも元気づけの一言。今から14年昔だ。長谷工コーポレーションの日本初の長期優良住宅認定マンション「ブランシエラ浦和」のネイキッドルーム(技術展示)記者発表会が行われたのだが、「打放しコンクリートに記者の目は吸い寄せられた。思わず触ってみた。ツルツルだった。ひび割れもムラも気泡痕も砂利のザラザラ感など全くなかった。特殊な型枠を用い、この日のために表面を研磨したのだろうと思った。
この疑問を同社技術推進部門長期住宅企画推進室チーフスタッフ・小林仁司氏にストレートにぶつけた。そうではなかった。広報IR担当執行役員の岡田裕氏は『当社の技術担当スタッフが〝ほおずりをしたいぐらい〟と語ったぐらいで、私も驚いている。鏡のように蛍光灯の光が反射しているでしょう』と語った」と記事にした。コンクリも負けるな。
久慈東高と菊池農業高のプレゼンに感動全国5,499校が参加「みらい甲子園」林野庁(2024/10/10)
坂本氏の遺志継ぎ隈氏代表のmore treesと日本一人口が少ない野迫川村森づくり協定(2024/10/6)
「木は熟した」街並みを木造化するビルダー組織化へAQ Group新社屋は坪145万円(2024/4/22)
セーフティネット登録住宅90万戸の96%は1社に集中氷解した疑念と深まった謎(2024/3/28)
「頬擦りしたくなる」打放しコンクリート 長谷工の「ブランシエラ浦和」ネイキッドルーム(2010/3/15)
「価格に見合う価値あり」 長谷工の「ブランシエラ浦和」(2010/1/15)
東京建物 三井ホームの木造技術を採用した賃貸「(仮称)洗足池プロジェクト」着工
「(仮称)洗足池プロジェクト」
東京建物と三井ホームは10月10日、主要構造部や共用部に木材を使用した5階建て賃貸マンション「(仮称)洗足池プロジェクト」を着工したと発表した。プロジェクトは、令和6年度優良木造建築物等整備推進事業に採択されている。
主要構造部や共用部内装に木材利用、建築時のCO2排出量を削減するとともに、天然素材の風合いを感じられる住まいを提供するほか、太陽光パネルの設置など省エネ・創エネの取り組みにより環境負荷低減。ZEH-M Oriented取得。三井ホームの木造技術ブランド「MOCX(モクス)」を採用している。
物件は、大田区東雪谷一丁目の敷地面積約1,117㎡、木造枠組壁工法、一部RC造・5階建て延床面積約 2,075㎡の42戸。事業主は東京建物、設計・監理・施工は三井ホーム。竣工予定は2026年3月。
AQ Group 木造耐力壁の強さを競うカベワングランプリ 3年連続トーナメント優勝
「AQチーム匠」(前列左から3人目が稲山氏、その左がAQ Group宮沢社長)
AQ Groupは10月10日、木造耐力壁の強さを競う第7回「カベワングランプリ」でAQ Groupが主体のチーム「AQチーム匠」が3年連続トーナメント優勝を達成したと発表した。
カベワングランプリは、20年の歴史を持つ「木造耐力壁ジャパンカップ」を前身とするイベントで、今回の第7回を含めると通算27度目となる。大会発起人は東大名誉教授・稲山正弘氏。AQ Groupは20年以上前からスポンサーとしても参加しており、大会を支えてきた。
AQチーム匠は、稲山氏とタッグを組み、複数回のトーナメント優勝や総合優勝を獲得しており、昨年は大会史上最大耐力となる71.2kNを記録している。同社の準木造8階建て本社ビルの技術もカベワンGRが発祥。
今回の大会では、本社ビルにも採用されている「相欠きのジャンヌダイク」で参戦。決勝戦では東京大学木質材料学研究室・網中木材と対決。50kNを超えたあたりでAQチーム匠の耐力壁に亀裂が入ったが、そこから粘りを発揮し53.5kNの段階で相手チームの耐力壁が破損し、大接戦の末の勝利となった。
優勝した「相欠きのジャンヌダイク」壁
マンション管理適正評価制度 9月末登録は5,798件 目標の年度末1万件達成は微妙
マンション管理業協会は10月11日、2024年度第2四半期終了時点(9月末)のマンション管理適正評価制度の登録状況をまとめ発表。登録件数は5,798件で、2024年4月末の4,311件から約1,500件の増加。
★別内訳は、★5つが1,639件(28.3%)、★4つか2,449件(42.2%)、★3つが1,362件(23.5%)、★2つが346件(6.0%)、★1つが2件(0.0%)。
同協会は2024年度末までに登録件数を1万件に増やす目標を掲げている。昨年6月に行われた総会後の懇親会で、副理事長・小佐野台氏(日本ハウズイング代表取締役社長CEO)は「マンション適正管理評価件数を1万戸にするには、会員354社の管理件数の1割で達成できます。ちょうど1割、たった1割で達成できます」と呼び掛けた。残り半年で1万件に到達するには月700件の登録が必要で、このペースだと達成できるかどうかは微妙になってきた。
売上高、営業利益、営業利益率とも拡大・向上 大和ハウス 事業施設(物流)事業
更科氏
大和ハウス工業は10月10日、2024年度事業施設(物流)事業計画説明会を開催し、同社執行役員建築事業本部長・更科雅俊氏が事業施設市場を取り巻く環境、同社の事業展開、今後の重点取り組みテーマなどについて説明した。記者団の質問にも丁寧に答えた。
同社が配布した資料によると、2024年度の民間非住宅建設投資額は17兆8,500億円(前年度比4.4%増)の見込みで、うち民間非住宅建築投資額は10兆6,300億円(同4.0%増)となっている。製造業の国内回帰・国産回帰への動きと半導体関連企業の積極的な設備投資や、人流拡大を受けて、都心再開発事業やホテル業界など設備投資の回復が見込まれるためとしている。一方で、資材価格、原油価格、労務コストの上昇はしばらくの間続くと予想している。
同社の事業施設事業の売上高は2023年度実績が12,944億円(うち海外870億円)、2024年度計画が13,400億円(うち海外881億円)、2026年度計画が13,000億円(うち海外900億円)、営業利益は2023年度が1,232億円(うち海外23億円)、2024年度計画が1,415億円(うち海外32億円)、2026年度計画が1,600億円(うち海外90億円)、営業利益率は2023年度実績が9.5%、2024年度計画が10.6%、2026年度計画が12.3%となっている。
重点取り組みテーマとして、更科氏は「物流2024年問題」への対応として映像とAIを活用した荷待ち・荷役時間を可視化するシステムの実証実験、3温度帯(常温・冷蔵・冷凍)に対応可能な物流施設の展開などを挙げ、具体的取り組みとして、従業員の働きやすさや自然環境にも配慮したタカギの新本社工場、「ZEB」と「水素活用」でCO2フリー水素供給システムを目指したジャパンガスの工場、大和ハウスグループの総合力を活かした半導体関連企業へのBIZ Livness提案、商業施設とオフィスによる複合テナントビル「Dタワー富山」などを紹介した。
海外事業では、米国テキサス州で敷地面積約37.1ha、延床面積約12.5haの平屋建て施設を2025年8月に完成させる予定と話した。
また、地域活性化の事業として、福島県双葉郡双葉町で敷地面積約23,000㎡、S造(一部木造)5階建て延床面積約7,000㎡のカンファレンスホテル客室100室、カンファレンスルーム4室を備えた施設を2026年1月に完成させるほか、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)では電気事業連合会:「電力館 可能性のタマゴたち」、NPO法人ゼリ・ジャパン:「BLUE OCEAN DOME(ブルーオーシャンドーム)」、シグネクチャーパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」の3つの施設を建設する。
◇ ◆ ◇
物流施設の取材・見学会でいつも思うのは「嫌悪施設」のことだ。記者はこれまでマンションや分譲戸建てを中心に取材してきたので、嫌悪施設の有無には注意を払ってきた。売れ行きを左右するからだ。工業系用途の物件が致命的な打撃を受けたのもたくさん取材している。物流施設も嫌悪施設の一つだとずっと思っていた。
ところが、2018年5月、当時の三井不動産常務執行役員ロジスティクス本部長・三木孝行氏(現、顧問)は大勢の記者団の前で「もはや物流施設は嫌悪施設ではない」と語った。その後、この言葉は頭の中にこびりついている。事業規模が10兆円を超え(うち物流の比率はわからないが)、エッセンシャルな事業である物流施設は嫌悪施設なのかどうかということだ。
しかし、その後、事業者は事業拡大、BCP対策、街づくりなどについては力説するのに、嫌悪施設について言及することはなく、記者団からの質問もほとんどない。
そこで、環境対策について更科氏に聞いた。更科氏は、「敷地内の緑化率については都市緑地法などによって規定されており、自治体の規制は20%とか25%など地域によりまちまちだが、当社としても独自の環境対策には力を入れている」と語った。今度、物流施設を「嫌悪施設」と定めている不動産流通促進センターに取材してみよう。
都内最大級の物流施設 23区希少の工専立地三井不・日鉄興和不「東京板橋」竣工(2024/10/3)
タカラ「レーベンサロン秋葉原」開設/〝タカラのニンフ〟セレモニー盛り上げる
3面シアター室で挨拶する〝タカラのニンフ〟こと我妻美香氏
MIRARTHホールディングスグループのタカラレーベンは10月11日、総合マンションギャラリー「レーベンサロン秋葉原 エクスペリエンス」を10月12日にオープンすると発表した。
同社は、これまで銀座、札幌、仙台、京都で常設サロンを展開してきたが、今回は、モデルルームに加え、VR技術を駆使して造られたLEDビジョンを導入するなど、時代の変化に合わせたマンションサロンとしてオープンするもの。
施設は、JR秋葉原駅から徒歩1分の秋葉原センタープレイスビル6階。同社初となるVR(仮想現実)内覧システムを採用し、都内最大級の楯8m×横6m×高さ2.5mの3面LEDビジョンを設置。実物サイズで間取りや眺望などを体感することができるほか、約72㎡のファミリー向けと約31㎡のコンパクトタイプのモデルルーム、ラウンジ、共用部・専有部の実物展示スペース、サンプルルーム、カフェコーナー、ミーティングブースなどが設置されている。サロンのオープンに合わせ「レーベン江戸川中央CENTER PLACE」の案内を開始する。
開業を前日に控えた10月11日のメディア向け見学会で、同社マンション事業本部 事業部長・我妻美香氏は「アクセスの良い秋葉原で複数の物件をご案内することに加え、当社が展開するマンションを体感いただけるモデルルーム、そして、実寸大でマンションの暮らしをイメージいただける3面シアターを導入するなど、お客様のご負担を減らし、検討しやすい販売拠点を目指しました。販売拠点を集約することで、コスト削減にもつながり、価格面でもお客様のご負担を軽減できると考えております。これからマンションを考える方や、住まいに関してこれから考えたいという方にもぜひ、お越しいただければと考えております」と挨拶した。
エントランス
3面シアター
ラウンジ
◇ ◆ ◇
今から6年前、銀座7丁目に開設した同社の常設サロン「SALON DE NEBEL」と同じように、今回も業界の〝レディ・ガガ〟が登場するのではないかとわくわくして参加したのだが、肩透かしを食らった。だが、しかし、施設のメインである3面シアター室に入った途端、今春オープンした同社のリゾート施設「那須 無垢の音」の景観が眼前に広がった。
これまで、この種の総合マンションギャラリーはたくさん見学しているが、これほど見事な景観を見たのは初めてだった(VRで美しい女性の水着姿が目の前に現れたときは思わず手を出そうとした経験はあるが)。
ほどなくして、空から舞い降りたのか、あるいは地下から湧き上がったのか、ほっそりとした女性が現れた。レディ・ガガとは対照的に黒一色。記者は一言も聞き逃すまいと必死にメモを取った。やや長いとは思ったが、施設の特徴を余すところなく語った。セレモニーを盛り上げた。
取材後、名刺交換をした。「我妻美香」とあるではないか。ン? レディ・ガガこと髙荒美香氏と同じではないか。指にネイルが施されていたのも同じだった。これは、レディ・ガガに負けない称号をつけないと失礼だと思い、〝タカラのニンフ〟と名付けた。ありふれた〝タカラの妖精〟〝眠りから醒めた森の美女〟よりはるかにいいと思うが、皆さんはどうか。
肝心なことを書き忘れた。72㎡のモデルルームは、十数年前のレディ・ガガが監修したものより角が取れており、とてもよくできている。「タカラの水」はいいですよ。みんな美しくなる。
3面シアター室
我妻氏
モデルルーム
わが国初 VRとMR組み合わせたモデルルーム 三井不レジ「池袋サロン」(2024/5/21))
「水庭」と「ヴィラ」見事な人と自然の共生演出タカラレーベン「那須無垢の音」(2024/3/28)
「目指すは企業価値の向上」タカラレーベン・髙荒美香氏女性活躍の視点から注目(2021/11/4)
タカラレーベンコンパクトに参入業界の革命児高荒美香氏がコーディネート(2018/1/13)
9月の成約件数 中古マンション3か月連減 中古戸建て8か月連続増 東日本レインズ
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は10月10日、首都圏の2024年9月度の不動産流通市場動向をまとめ発表した。
中古マンションの成約件数は3ね047件(前年同月比4.5%減)、坪単価は250.3万円(同4.7%増)、価格は4,861万円(同5.3%増)、専有面積は64.09㎡(同0.5%増)で、成約件数は3か月連続で前年同月を下回った。成約価は20年5月から53か月連続で前年同月を上回った。
中古戸建ての成約件数は1,281件(同16.6%増)、価格は4,061万円(同3.5%増)、土地面積は139.66㎡(同0.1%増)、建物面積は103.71㎡(同0.6%減)で、成約件数は4か月連続で前年同月を上回った。成約価格は8か月連続で前年同月を上回った。
久慈東高と菊池農業高のプレゼンに感動 全国5,499校が参加「みらい甲子園」林野庁
「森林×ACT(アクト)チャレンジ2024」の表彰式(木材会館で)
林野庁は10月9日、「森林×ACT(アクト)チャレンジ2024」の表彰式を新木場・木材会館で行い、合わせて森林づくり全国推進会議が主催する第3回森林づくり全国推進会議とシンポジウムを開催した。
「森林×ACT(アクト)チャレンジ」は、森林整備への支援などを通じてカーボンニュートラルの実現や生物多様性保全に貢献する企業・団体の取り組みを募集し、顕彰するもので、グランプリ(農林水産大臣賞)には、地元の行政や森林組合と連携して、地域住も民を対象とした植樹や自然観察会などの活動を行っている特定非営利活動法人ちば森づくりの会が選ばれた。
グランプリを受賞した同会理事長・林隆通氏は、「とても光栄。私たち都市住民の活動が、全国で3,300ともいわれる同じような活動をされている団体にも喜んでいただくことになる」などと喜びを語った。優秀賞(林野庁長官賞)は次の通り。
[森林づくり部門]
・大林組
・鹿島建設
・サンデン
・サントリーホールディングス
・四国苗販売
・生活協同組合コープしが
・ツムラ
・野村不動産ホールディングス
[J-クレジット部門](共同応募)
・滋賀銀行/金勝生産森林組合
・ダンロップフェニックストーナメント大会事務局/宮崎県/ExRoad
・ヤベホーム/対馬市(長崎県)
不動産業界で優秀賞を受賞した野村不動産ホールディングス執行役員・田中克弥氏は「2年前に奥多摩町で『森を、つなぐ』プロジェクトを始動し、昨年に施業開始した。植林活動だけではなく、森林の生態系サービスを重視し、今後は社員参加型の取り組みへと発展させていく」と語った。
受賞企業・団体には背丈ほどある木製盾が贈呈された。グランプリは石川県産材の無垢のスギノキ、優秀賞は能登半島のヒバ材で作られたものだった。
左から農林水産副大臣・武村展英氏、林氏、中村氏
林野庁長官・青山豊久氏(左)と田中氏
木材会館
「SDGs QUESTみらい甲子園」2024年は40都道府県5,499校が対象
左から菊池農業高校の渡辺悠慎さん(17)、村上遥さん(16)、久慈東高校の大道慶三さん(17)、川向駿さん(16)
取材の主な目的は2つあった。一つは、美しい「木材会館」をもう一度見ることで、もう一つは、「SDGs QUESTみらい甲子園」で優秀賞として表彰された岩手県立久慈東高校と熊本県立菊池農業高校の生徒さんがどのようなアイデアを発表するのかについてだった。
「木材会館」はやはり美しいことが確認できた。両校のそれぞれ2人の生徒さんのプレゼンテーションは最高に素晴らしく、うれしくなって舞い上がってしまった。予想以上の成果が得られた。
何が素晴らしいか。自分の住む街の課題は、高校生なら調べれば分かるだろうが、その課題にどのようにして向き合い解決するかを見つけ出すのは容易ではなく、実践し検証するところまでこぎつけるのは至難の業のはずだが、両高の生徒さんが見事にやってのけたことだ。
「SDGs QUESTみらい甲子園」は、高校生が持続可能な地球の未来を考え行動するために、SDGsを探求し、社会課題解決に向けたアイデアを募集し、表彰する産官民協働の取り組みで、2019年の第1回では61校214チーム、814人か参加した。2023年度は319校1,753チーム、7,255人へ、2024年の対象高校は40都道府県5,499校に達している。
久慈東高校の「environment」チームは、〝日本一の白樺美林〟を誇る久慈市の白樺林が管理者の高齢化や後継者不足などから倒木などによる景観が悪化しているのに着目し、市や地元企業、農林業者などを巻き込み、白樺モルックを製作・開発し、白樺の樹皮などで抽出したエキスを漬物に混ぜる商品を開発中という。
菊池農業高校のある菊池市は熊本県北東端に位置し、暴れ川と呼ばれる筑後川とともに度々水害を引き起こしてきた菊池川が流れていることで知られる。「菊池農業高校SDGsプロジェクト班」は、荒廃した竹林の再生・活用に取り組み、竹チップで家庭用の生ごみ量を半減させる段ボールコンポストを開発し、バイオ竹炭の製造にチャレンジしているという。
両校の生徒さんのプレゼンが始まると、関係者など百数十人が集まっていた会場は水を打ったように静まり返り、終わったときは大きな拍手が巻き起こった。
呑み助の記者は発表を聞きながら、白樺の樽をつくって日本酒にしたらどうかをずっと考えていた。日本酒だけでなく味噌も醤油もウイスキーもワインもみんな木の香りがまじりあっておいしくなる(樹木の香りを混入したクラフトビールなどは商品化されている)。タケノコは酒のつまみに最高で、竹炭の効用は言うまでもない。竹そのものも建築材としてもっと利用されていい。
先ほども書いたように、グランプリを獲得した両校以外に2024年は40都道府県5,499校が参加するというではないか。みんな優れたアイデアばかりだと思う。
この前取材したmore treesと、日本一人口の少ない奈良県野迫川村(のせがわむら)との「森林保全および地域活性化に関する連携協定」では、more treesの代表・隈研吾氏は「一番小さな村で活動することが、森林・林業にかかわる方に希望と勇気を与えるきっかけになることを願っている」とメッセージを寄せた。「みらい甲子園」もまた全国の森林・林業関係者に希望と勇気を与えるに違いない。
両校の生徒さんだけでなく、すべての「みらい甲子園」にチャレンジする高校生の皆さん、さらにはスタートアップを目指す人に一つお願いがある。話法を学んでほしいということだ。ぜひ、丸谷才一(1925~2012年)の「挨拶はたいへん」(朝日文庫)を読んでいただきたい(ほかの文庫本でも挨拶について触れているが、どれだったか思い出せない)。
作家としての評価はともかく、丸谷才一ほどの博学者はいないと思う。挨拶もまたピカ一だ。記者は四十数年の記者生活の中で、数千人の方が話すのを聞いた。しかし、感動を覚えたスピーチをした人は数えるくらいしかない。その方たちに共通するのは、原稿などを読む人はいないということだ。聴衆・参加者に向かって自分の言葉で話した。
受賞盾
グランプリ賞の受賞盾
TNFD提言に基づく自然に対する依存・インパクト分析結果公表野村不HD(2024/10/7)
坂本氏の遺志継ぎ隈氏代表のmore treesと日本一人口が少ない野迫川村森づくり協定(2024/10/6)
「森を、つなぐ」東京プロジェクト始動野村不HD 奥多摩町と協定(2022/11/28)
木造とコンクリートの見事な調和を図った「木材会館」(2012/10/2)
SNSアカウント持つ人79% 「新聞をよく読む人」59% SMPPレポート
スマートニュースメディア研究所からメールが届いた。「第3回スマートニュース・メディア価値観全国調査(SMPP調査レポート③)」で、わが国の「ニュース回避」傾向のある人は8%で、ニュース回避傾向がある人が最も多かったのは「20代以下・男性」(16%)、「30代・女性」(15%)、「20代以下・女性」(15%)だった。逆にニュース回避傾向が最も少なかったのは「60代・男性」(79%)、「70代以上・女性」(77%)、「60代・女性」(76%)というものだ。
NHKのニュースを「よく見る」と回答した人の割合は、ニュース回避傾向がある人で28%、全体で46%だった。民放のニュースを「よく見る」と回答した人の割合は、ニュース回避傾向がある人で36%、全体で59%だった。一方、新聞を「よく読む」と答えた人は、ニュース回避傾向がある人で41%、全体で59%となった。
また、「マスメディアを信頼する」(とても信頼している、まあ信頼している)と答えた人の割合は、ニュース回避傾向がない人では74%だった一方、ニュース回避傾向がある人では41%にとどまった。マスメディアを「まったく信頼していない」とする人の割合は、回避傾向がある人では19%、回避傾向がない人では3%と大きく差が開いた。
調査対象は8歳-79歳の有権者で、郵送による回収数1,901(回収率42.6%)とオンライン(Web調査)による回収数2,000(同100%)。
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「SMPP調査レポート②」によると、SNSはFacebook、Twitter(現在はX)、LINE、Instagram、YouTube、TikTokなどがあり、今や世界で「知らない人はいない」サービスへと成長しており、日本における「ソーシャルメディア」利用者数は2022年時点で1億200万人とされている(令和5年度版・総務省情報通信白書=ソーシャルメディアはSNSのほかに口コミサイト、掲示板サービスなども含むより広い概念を指す)。
全世代の79%がSNSアカウントを1つは所持しており、45%がアカウントを複数所持、25%が「本名」「匿名」アカウントを両方持って使い分けをしているという。70代以上の全ての年代で、「SNSのアカウントを持っている」(79%)が「SNSのアカウントは1つも持っていない」(19%)を大幅に上回っている。
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上記レポートで「新聞をよく読む人」が全体で59%、回避傾向がある人の「マスメディアをまったく信頼していない」割合が19%に達しているのをどう理解すれはいいか、SNSを利用したことがない19%のうちの一人である記者はよくわからないのだが、新聞も含めマスメディアをまったく信頼していない人の割合がこれほど高いことについては、記者も含めて考えないといけない。
いつも思うのだが、記者発表会・見学会では、メモを取らない人が多すぎるし(メモを取らなくても頭に入る人は100人に1人くらいいるかもしれない。小生は耳が遠くなり、書きとれないのでメモを取らない人と結果として同じだが)、取材機会があるのにコピペ記事しか報じない大新聞、実物を見てもリリースしか書かない、自分が何を見ているのかわからない(その人の目を見るとよくわかる)…そんなメディアが多すぎる。〝講釈師見てきたようなうそを言う〟と五十歩百歩だ。
そしてまた、生成AIが普及したためか、最近は主催者もあらかじめ用意された文章を読むだけで、スクリーンに誰も読めないような小さな文字・図表を映し出し、目を伏せっぱなしの人が多すぎる。
参考になるかどうか。カルヴィーノの「アメリカ講義-新たな千年紀のための六つのメモ-」(岩波文庫、2011年第一刷、訳者:米川良夫・和田忠彦)から一部を以下に紹介する。
「私には言葉というものがつねに曖昧で、出まかせに、ぞんざいに用いられているというよう思われ、そのために免(ゆる)すことのできないほどの不愉快さを感じているのです…何よりも不愉快なのは自分がしゃべっているときに感じているものなのですから…」(110ページ)
「ときとして私には、何かしら疫病のようなものが人類をもっともよく特徴づけている能力、すなわち言葉を用いる能力を駄目にしているのではないかと思われることがあります。言葉の伝染病といったものでして、その徴候は識別的な機能や端的さの喪失、あるいはまた表現をおしなべてもっとも一般的な、没個性的で、抽象的な決まり文句に均一化させてしまい、その意味を希薄にして、語と語が新しい状況に出会うときに発する火花をいっさい消し去ってしまおうとする一種の無意識的・機械的な振る舞いとして表れています…私にとって大事なことは回復の可能性なのです。文学が(そして恐らくは文学だけが)、言葉の病気の蔓延を阻止できる抗体を生み出すことが可能なのです」(111~112ページ)