RBA OFFICIAL
 

 飯田グループホールディングスは11月11日、2025年3月期第二四半期決算を発表。売上高6,871億円(前年同期比2.3%増)、営業利益379億円(同3.3%増)、経常利益341億円(同4.2%減)、純利益230億円(同4.4%減)となり、戸建分譲事業は回復傾向を見せた。

 セグメント別では、戸建分譲事業の売上高は5,857億円(同103.8%)、売上総利益率は14.0%(同0.3ポイント増)、販売棟数は18,804戸(同100.6%)、1棟単価は3,115万円(同103.2%)。9月末時点の未契約在庫数は22,382棟で、今期計画に対して若干下回る水準。

 マンション事業の売上高は311億円(同77.3%)、売上総利益は59億円(同63.5%)、売上総利益率は19.1%(同4.1ポイント減)。フォーム事業は、オプション工事を含めた売上高は152億円(同120.9%)と伸びた。

 セグメント別の戸建分譲事業の件数(宅地など含む)、売上高(前年同期比)は次の通り。

・一建設グループ      5,049件1,497億円(同7.0%増)
・飯田産業グループ     3,016件1,112億円(同6.5%増)
・東栄住宅グループ        2,307件   872億円(同7.2%増)
・タクトホームグループ   2,223件   747億円(同7.0%増)
・アーネストワングループ    4,656件1,184億円(同4.4%減)
・アイディーホームグループ   1,542件   439億円(同0.8%減)

 

 大和ハウス工業は11月13日、2025年3月期第2四半期決算のマスコミ向けスモールミーティングを開催し、同社代表取締役社長CEO・芳井敬一氏が約1時間にわたって前日11月12日に発表した決算内容について記者団の質問に答えた。

 2025年3月期第2四半期の売上高は2兆6,526億円(前年同期比4.2%増)、営業利益2,346億円(同22.8%増)、経常利益2,209億円(同17.5%増)、純利益1,563億円(同1.2%増)となり、コスモスイニシアと大和リゾートの連結範囲変更に伴う売上高592億円、営業利益23億円の減少要因があったものの、売上高は4期連続の増収、営業利益、純利益とも2期連続の増益となった。

◇        ◆     ◇

 スモールミーティングは、メディアの方が何を質問されたのか、芳井社長がどのように答えたのか、耳が遠くなった記者はほとんど聞き取れなかった。聞き取れたのは、芳井社長が「経営者にとって利益率をどう高めていくかが課題。とくに米国は粗利益率を重視している」と語り、新政権に対して「経営者目線より、住宅購入者目線が大事。新政権には、先の住宅エコポイントように途中で打ち切るのではなく、切れ目のない政策を要望する」と話したことのみだった。

 利益率については質問に答えたというより自ら口にしたことだ。確かに、同社の利益率が高くないのは昔からの課題で、今回の2025年3月期2Qの売上高2兆6,526億円に対して営業利益は2,346億円で、営業利益率は8.8%だ。同業の積水ハウスの2025年1月期2Qの売上高1兆8,591億円、営業利益1,571億円、営業利益率8.5%のいずれの数値も上回ってはいるが、大手デベロッパーの国内住宅事業の営業利益率と比較すると大きな差がある。

 例えば2025年3月期2Qの三井不動産は22.0%、三菱地所は2.4%(下期に引き渡しが集中するためと思われる)、住友不動産は30.2%、野村不動産HDは37.0%、東急不動産HDは21.1%、東京建物は25.2%(2023年12月期3Q)だ。粗利益率は住友不動産と三井不動産は非開示だが、30%を超えている模様で、東京建物は29.2%、野村不動産HDは26.7%、三菱地所は26.3%だ。

 これほどの差が出るのは、デベロッパーの国内住宅事業は経営資源を都心部に集中しており、原価高騰を価格に転嫁し、さらに最近の市場に合わせた価格の高値設定やコスト削減効果が顕著に表れていると見ることができるのに対し、大和ハウスは全国展開しているため(最近のマンション分譲は地方圏は少なくなっているが)、用地・建築費高を価格に転嫁しづらい環境が続いているためと思われる。

 しかし、記者は住宅事業の営業利益率は10%前後が適正ではないかとみている。BtoBの事業はともかく、一般消費者の実質賃金は上昇していないのだから(アッパーミドル・富裕層向けマンションなどはどんどん高値挑戦すべきだと思っているが)、利益率を落とし、その分を消費者に還元すべきだと考えている。〝利益を消費者に還元してどこが悪い〟と口にする経営者は出てこないかと期待しているのだが…。かつて三井不動産の役員(社長ではなかった)が「何事も腹八分目、残りの二分はお客様に還元するんだよ」と呵々大笑したのを思い出した。

◇        ◆     ◇

 同社は11月12日、2024年8月7日に公表した2025年3月期の業績予想を上方修正し、期末配当を増配すると発表した。売上高は5兆3,700億円(前回予想5兆3,500億円)、営業利益4,400億円(同4,300億円)、経常利益4,100億円(同3,900億円)、純利益2,670億円(同2,600億円)。期末配当予想は77円(同75円)で、年間配当予想は147円(同145円)。

 

TOMORE品川中延外観1.jpg
「TOMORE品川中延」

 野村不動産は11月12日、社内起業第一案件「TOMORE(トモア)」に関するメディア向け事業説明会を開催し、新たに参入する「コリビング賃貸レジデンス(Co-Living Residence)」の第一弾として「TOMORE品川中延」(全135戸)を来年2月に竣工すると発表した。年間5棟の開発を目指す。

 「コリビング賃貸レジデンス」は、シェア型賃貸住宅とコワーキングスペースを一体的に開発するもので、「TOMORE(トモア)」は同社の社内起業第一号案件として2019年、同社住宅事業本部賃貸・シニア事業部賃貸住宅事業二課長・黒田翔太氏(36)ら3人が立ち上げた。2021年に実証実験の場として東京・日本橋に「TOMORE zero」を開設し、約3年にわたってノウハウを蓄積してきた。

 開発に至った背景には、アフターコロナの在宅勤務やリモートワークの浸透に加え、起業や独立、副業などワークスタイルの急速な多様化、さらにインフレによる家賃などの生活費の高騰があり、「コリビング賃貸」は欧米を中心に増加しており、世界全体の市場規模は2022年の2.0兆円から2028年には9.6兆円に成長すると予測されているという。

 一方、わが国の「シェア型賃貸住宅」の供給量は徐々に増加傾向にあるが、小規模で建物の仕様や設備が古くて経年劣化・旧式化が著しく、シャワー・トイレ・洗面台などは共用で、交流体験などは入居者自身に委ねられており、共用部分の快適性は損なわれているなど、場所も予算も商品も不足しているとしている。

 このような課題を解決するため、同社は都内に0.5%しか存在しない大型(100 戸超)のシェア型賃貸住宅にフォーカスし、多様なアセットタイプの不動産開発力と約3年間のコワーキング運営実証で培ったコミュニティ運営力により、これまでにない職住一体の「TOMORE(トモア)」を開発した。

 主なターゲットは「ライフ」と「ワーク」双方の充実を望む20~30代の社会人で、概ね総戸数100戸超を目安とし、シャワー・トイレ・洗面台などの水回りを備えた居室空間と、共用のリビングスペース、コワーキングスペースを併設。シェアランドリー、シェアライブラリーのほか、同社グループの宅配型収納サービス「ワンダースタイル」、スポーツクラブ「メガロス」、多拠点型シェアオフィス「H1T」などの割安サービスなども行う。年間5棟の開発が当面の目標。

 一般的な1K・ワンルーム賃貸(25㎡を想定)より居住面積は狭くなるが、スケールメリットを生かし賃料は同額かそれ以下に抑え、仲介手数料、敷金、礼金はゼロとする。専属運営スタッフとなる「コミュニティオーガナイザー」が日中滞在し、入居者同士の交流や活動機会を支援するのも大きな特徴。入居者の友人などが宿泊することも制限を設けない。起業に当たって居室や共用部分を事務所として登記するかどうかはニーズを把握しながら検討していく。

 事業説明会で黒田氏は「社内起業を立ち上げてから5年。様々な扉をこじ開けて第一号物件を供給するに至った。わくわくドキドキしている。物件ホームページを立ち上げてから反響は約1,700件に達している。日本の市場を開拓し、駆け抜けていきたい。人生を明るく、楽しく、豊かにしたい」と語った。

 また、「TOMORE zero」でコミュニティ運営に携わってきたコミュニティオーガナイザーの嶋田匠氏(31)は、「呼称はマネジメント、マネージャーもあるが、居住者の交流を促し応援していく役割からして、この呼称がぴったり」と話した。

 「TOMORE品川中延」は、都営浅草線中延駅から徒歩1分、品川区豊町6丁目に位置する敷地面積約577㎡、11階建て延床面積約2,424㎡の全135室。専用面積12.00~15.01㎡。竣工予定は2025年2月。設計はフォルム建築計画研究所、施工は野村建設工業、デザイン監修はUDS。

TOMORE品川中延_リビングスペース4.jpg
「コリビングスペース」

TOMORE品川中延_コワーキング4.jpg
「コワーキングスペース」

IMG_2973.jpg IMG_2984.jpg
黒田氏(左)と嶋田氏

◇      ◆     ◇

 黒田氏がプレゼンを始めてからほんの数秒間だった。「5年間」「壁」「こじ開けた」「ワクワクドキドキ」などのフレーズを聞いて、天照大御神が天の岩戸をこじ開けたような気分になり、〝ガラパゴス化〟している賃貸市場に風穴を開けるのではないかと期待で胸が膨らんだ。

 約20分間のプレゼンが終わるころには期待は確信に変わった。これまで賃貸マンション、コワーキング施設、寮・社宅、学生寮などを結構取材してきたが、今回の「コリビング賃貸」(建基法では寄宿舎)は似ているようで全然似ていない。「品川中延」の敷地規模(約577㎡)で「コリビングスペース」が約100㎡、「コワーキングスペース」が約90㎡もあるなど信じられない。

 この日配布されたプレス・リリースには、黒田氏は36歳で、2010年に同社に入社してから「国内外の不動産ファンド商品の立ち上げ・運用業務に約10年従事」とあり、「自分の意思で、会社を動かし、社会を変えたい」というのが起業のきっかけになったと記されていた。

 これまで40年以上にわたり同社の〝プラウド〟などを取材してきたが、黒田氏は住宅事業担当とタイプが異なる。先月行われた三菱地所の「フレキシブル賃貸事業」と同じように社内外に新しい風を巻き起こすのではないか。

TOMORE品川中延_居室.jpg
居室

TOMORE品川中延_居室プラン.jpg
間取り(13㎡)

フレキシブル住宅市場現在3~4%⇒2030年には15%へ三菱地所イベント(2024/10/4)

ミレニアル&Z世代の心つかむか三井不レジ単身女性向けリノベ賃貸「KORAKUEN」(2024/3/8)

3項道路を知った賃料は1.8万円/坪サブスクの時代へコスモスイニシア「内神田」(2022/10/3)

感動的な天井高2730ミリの「MIデッキ」職住一体型SOHO 三菱地所レジ「大手町」(2022/6/15)

充実した共用部浴室にはタオル掛け新たな賃貸マンション提案三井不レジ「錦糸町」

レンタブル比67%わが国初の社会人・学生・賃貸の複合長谷工「コムレジ赤羽」(2022/3/2)

ブルースタジオ築85年のシェアハウス 国交省「寄宿舎」に該当せず(2014/5/23)

イヌイ倉庫 「企業寮をシェアする」新発想の「月島荘」が竣工(2013/9/29)
 

 

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は11月11日、首都圏の2024年10月の不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は3,092件(前年同月比5.9%減)、坪単価は248.0万円(同0.8%増)、価格は4,739万円(同0.5%減)、専有面積は63.05㎡(同1.3%減)となった。

 成約件数は4か月連続で前年同月を下回り、成約単価は前年比ほぼ横ばいながら20年5月から54か月連続で前年同月を上回ったが、上昇率は6か月連続して前年同月比10%を下回った。

 中古戸建ての成約件数は1,174件(同3.8%減)、価格は3,776万円(同4.3%減)、土地面積は138.04㎡(同0.7%減)、建物面積は103.11㎡(同1.3%減)となった。

 成約件数は5か月ぶりに前年同月を下回り、成約価格は9か月ぶりに前年同月を下回った。

 

01_外観完成イメージ_P1.jpg
「パークホームズ入谷」

 三井不動産レジデンシャルは11月11日、東京都台東区の「三島神社」の建て替えマンション「パークホームズ入谷」のホームページを同日に開設したと発表した。

物件は、東京メトロ日比谷線入谷駅から徒歩6分、台東区下谷三丁目に位置する14階建て全37戸(一般販売対象住戸34戸)。専有面積は51.51~72.37㎡、期間72年の定期借地権付き。竣工予定は2026年7月下旬。

 「三島神社」の社殿の歴史や記憶を継承するため、エントランスホールは神社の鳥居を想起させるような連続した木調の空間とし、アロマを設置することで落ち着ける空間を演出するほか、エレベーターホールには地窓を設置し、帰宅時に坪庭を眺めながらエレベーターに乗り込むことができるようにする。また、瓦は外構の見切り材として、灯籠は置き型照明として、床柱はオートロック操作盤設置台とする。

 同社の神社一体開発マンションとしては2010年竣工の「パークコート神楽坂」(赤城神社再生プロジェクト)、2014年竣工の「パークタワー西新宿エムズポート」(成子天神社再整備プロジェクト)についで3物件目。

02_外観完成イメージ_P2.jpg
完成予想図

04_従前の三島神社.jpg
従前の三島神社

05_エントランスホール完成イメージ.jpg
エントランスホール

◇        ◆     ◇

 現地を見ていないのでうかつなことは言えないが、赤城神社の「神楽坂」も成子天神社の「西新宿」も見学取材している。最高に素晴らしかった。坪単価にして50万円の価値はあると思う。坪単価は400万円台の前半になるのではないか。

三井不レジ 神社との一体整備 第2弾「パークタワー西新宿エムズポート」(2012/9/20)

「神楽坂『赤城の杜』プロジェクト」完成 三井不レジデンシャル(2010/8/20)

 

イメージ図.jpg
イメージ図

大和ハウスグループの大和ライフネクストは1111日、物流業界のラストワンマイル問題の解決とマンション居住者の利便性向上を目指す新たな取り組み「マンション内配送サービス」の実証実験を同日から都内のマンションで実施すると発表した。 “再配達ゼロ”を目指すもので、対象は都内中央区の約200戸のマンションで、実証実験には日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便が参画する。実験は来年1月末まで。

配達の流れは、マンション管理員が宅配会社(日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便)の荷物を全住戸分一括で受け取る②荷物はマンション内に設置する専用倉庫に納品される③管理員が、宅配会社に代わって各住戸に荷物を配達する。居住者が不在のため玄関先で渡せなかった荷物は、マンションごとの管理ルール内で宅配ボックス・置き配を積極的に活用する④それでも配達できなかった荷物は、管理事務室および専用倉庫で一時的に保管する。

        ◆     ◇

 結構な取り組みだが、課題もある。マンションデベロッパー各社は、玄関前宅配ボックスを設置するなどラストワンマイル問題の解決に取れ組んでいるが、問題は冷蔵・冷凍・代引き・郵便物(書留含む)・貴重品便などの荷物は除外されることだ。大型冷凍・冷蔵庫を設ければ解決するのだろうが、コストはいくらかかるのか。

 

 住友不動産は11月8日、同社完全子会社の「住友不動産販売株式会社」の商号を2025年4月1日から「住友不動産ステップ株式会社」に商号変更すると発表した。来年度は会社設立50周年を迎え、「すみふの仲介ステップ」で親しまれる「ステップ」ブランドを社名に冠することとした。

 変更の理由として、住友不動産販売は、1975年に住友不動産の分譲マンションや宅地の販売を担う会社として設立され、社名はそれに由来するものだったが、現在では、住友不動産の分譲マンション事業の営業は住友不動産自身が担い、不動産仲介専業の会社に進化したため、会社の名が体を表さなくなっていたとし、住友不動産販売は目下、①投げ込みチラシや登記情報に基づいたダイレクトメール中心のアナログ広告からデジタル広告へ全面的に移行し②透明性の高い「ステップオークション」による客付けシステム導入、さらに③DXによる徹底した業務の見える化を図り、顧客の利益を損なう「囲い込み」が起こり得ない、疑われようがない体制構築を推進しており、また④人事給与制度の改革⑤店舗網の再編を含め、聖域なき構造改革に取り組んでいくためとしている。

 

浮間舟渡.png
「ジオ板橋浮間舟渡」

阪急阪神不動産(事業比率40%)、西日本鉄道(同40%)、総合地所(同20%)が12月上旬に分譲する「ジオ板橋浮間舟渡」を見学した。同じ工業地域立地で早期完売した隣駅・北赤羽の「ヴェレーナグラン北赤羽」(318戸)同様、需要を喚起できるか。

物件は、JR埼京線浮間舟渡駅から徒歩56分、板橋区舟渡1丁目の工業地域(建ぺい率47.45%、容積率199.70%)に位置する敷地面積約21,627㎡、7階建て全598戸。第11次(戸数未定)の専有面積は56.1683.85㎡、価格は未定。竣工予定は20261月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。

これまでのエントリー数は1,800件、モデルルーム来場者は1か月半で400件。

現地は工場跡地で、敷地南西側に新河岸川が流れ、川向うにはこんもりとした森が広がっている。建物は新河岸川に面したBC棟を中心に9棟構成。ZEH-M Oriented採用予定で緑地率は18%。

主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2500ミリ、サッシ高2200ミリ(一部除く)、ディスポーザー、食洗機、浴室タオル掛け2か所など。平均専有面積は69㎡、戸別宅配ボックス付きなど。このほか、アースラウンジ(We Proudly Serve Starbucks®コーヒープログラムを首都圏分譲マンションとして初めて導入)※1 

、ゲストルーム2室、スタディコーナー、児童福祉施設、木造共用棟、プレイコーナーなど。

 阪急阪神不動産プロジェクト担当・梨木氏は「価格は未定ですが、坪単価は360万円を目指す。70㎡前後が中心ですので、グロスは8,000万円超となりますが、今後、『赤羽』エリアは坪500万円超の計画が見込まれている。本物件は、大規模ならではの充実した共用施設や浮間公園に近い住環境をアピールしたい」と話している。

IMG_2498.jpg IMG_2501.jpg
模型

IMG_2505.jpg
モデルルーム(多目的ルーム)

IMG_2512.jpg
モデルルーム(マルチスペース)

IMG_2519.jpg
モデルルーム

        ◆     ◇

 モデルルームは72㎡のプランで、玄関を入って右側の洋室(5帖大)を多目的に利用できる部屋とし、バルコニー側の洋室(6.9帖大)の一部(1.9帖大)をマルチスペースとしているのがいい。オプションだが、長谷工の「アイセルコ」が利用できるので、住宅ローンに取り込めば月額数百円程度の負担で採用できる。また、展示している観葉植物もほとんどが本物で拘りを感じる。浴室タオル掛けも2か所と配慮されている。

 予定単価は高いような気もするが(「北赤羽」は坪320万円)、電車で5分の「赤羽」や東上線の「大山」は坪500万円をはるかに突破している。11万㎡の「浮間公園」へ徒歩6~8分、様々なスポーツ施設が揃う「新河岸東公園」へ徒歩56分、さらには荒川の河川敷も徒歩圏だ。物件に「TOKYO EARTH PROJECT」となづけているように、これらの生活環境をアピールできるかが成否のカギを握るのではないか。

 今後、同社は首都圏マンション事業を強化し、供給ベスト10入りを目指すという。西鉄もそうだが、電鉄(系)デベロッパーが首都圏でしっかりした地歩を築けるかどうか、今回の物件は試金石となるはずだ。

IMG_2531.jpg
舟渡公園

首都圏攻勢強める阪急不動産 四谷ツインプロジェクトはレベル高い(2017/2/16

☆小澤克人photo_data①.jpg
小澤氏

東京建物は117日、新社長に代表取締役専務執行役員・小澤克人氏が、代表取締役社長執行役員・野村均氏は代表取締役会長へ、代表取締役専務執行役員・和泉晃氏は代表取締役副社長執行役員に202511日付でそれぞれ就任すると発表した。

小澤氏は196421日生まれ。19873月、慶応義塾大学法学部卒。同年4月、同社入社。20073月、RM事業部長、20153月、執行役員企画部長、20171月、常務執行役員、20211月、取締役専務執行役員などを経て、20233月、代表取締役 専務執行役員 ビル事業本部長兼クオリティライフ事業担当兼投資事業推進部(共同担当)、関西支店、九州支店、名古屋支店担当(現在に至る)。

        ◆     ◇

 ひょっとしたらと予測はした。その通り。三菱地所レジデンス・宮島正治社長氏は1964526日生まれ、三井不動産レジデンシャル・嘉村徹社長は196410月7日生まれ、野村不動産・松尾大作社長は19641018日生まれ。小澤氏も同い年で、宮島氏とは同窓だ。このほか、住友不動産・仁島浩順社長は196136日生まれ、大和ハウス工業同社上席執行役員マンション事業本部長・富樫紀夫氏は19631120日生まれ。大京・深谷敏成社長は196596日生まれ。デベロッパー社長はみんな同世代だ。不動産バブルは入社してすぐはじけたので、どん底から這い上がってきた方ばかりだ。

お手てつないで 野道を行けば みんな可愛い 小鳥になつて 歌をうたへば 靴が鳴る 晴れたみ空に 靴が鳴る

 

外観パース.jpg
「リーズン新鎌ヶ谷 きときと未来プロジェクト」 

ポラスグループ中央住宅は117日、居住者と生産者をつなぐプロジェクトの第二弾「リーズン新鎌ヶ谷 きときと未来プロジェクト」(全14戸)のメディア向け見学会を行った。建物全体完成の2月を待たず、供給した13戸が2か月で完売。歩留まり率は36%に達している。卓越した商品企画が検討者の心をとらえた結果だ。

「きときと未来プロジェクト」がスタートしたのは202211月。富山県は47都道府県の中で野菜生産量が最下位であることに頭を悩ませていた富山青果市場の職員・大石和さんが現状を何とかしたいとホームページで呼び掛けたのを、同社戸建分譲設計本部設計一部営業企画設計課主任・小瀧愛美さんが知ったのがきっかけ。

 小瀧さんは、SNSやりモートとリアルな体験を組み合わせれば、富山県産の食(農)を通じて「フードロス」「地球温暖化」「SDGs」などの社会課題に自分事として向き合えるのではないかと考えた。以来、5回富山県に赴き、昨年分譲の第一弾「結美の丘 浦和 きときとプロジェクト」(全17戸)の分譲にこぎつけた。

 今回の物件は、東武アーバンパークライン・新京成電鉄・北総鉄道・京成成田スカイアクセス線新鎌ヶ谷駅から徒歩1718分(京成電鉄初富駅から徒歩910分)、千葉県鎌ヶ谷市南初富2丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全14区画。従前は畑。土地面積は120133㎡、建物面積は95.22105.58㎡、価格は3,490万~4,890万円。施工はポラテック。建物全体竣工は20252月末。

 今年816日から分譲を開始し、1020日までに分譲した13戸(1戸は未分譲)がすべて完売。反響数は82件で、モデルハウス(3棟)来場者は39組。来場者は地元中心に、地縁のある都内居住者もあるという。

 第二弾は、富山県(富山野菜/富山生産者)に加え、埼玉県(KIRINOKA/厚川産業)、大阪府(SUGIMOKA/モリアン)、長野県(信州志賀石/メイク)、の4府県の企業・団体とコラボレーションし、居住者と生産者が直接交流できるワークショップなどを行っていく。

 見学会で小瀧さんは「第一弾の『浦和』の居住者の方々からは〝生産者の苦労がよくわかった〟などと高い評価を頂いています。今回も反響は思いのほか多かった。来年のゴールデンウィークあたりに第1回のワークショップを開きたい」と語った。

モデルハウス内観02.jpg
モデルハウス

モデルハウス内観01.jpg
モデルハウス

キリノカ.jpg
キリノカ

志賀石.jpg
志賀石

IMG_2786.jpg
小瀧さん

        ◆     ◇

 第一弾も現地見学しているので記事を参照していただきたい。今回注目したのは、歩留まりの高さだ。39組に対して14戸(1戸は戦略上未契約だが)が2か月で完売したというから、歩留まり率は36%だ。

 なぜ、これほどの高い数字を残せるのか。第一はコンセプトが検討者の心に響いたからだが、物件のレベルは極めて高い。この価格帯でよくぞ商品化できたものだ。  一つひとつ紹介する余裕はないが、①1階リビング天井高2700ミリ②小上がり畳コーナー③Low-E樹脂サッシ④食洗機⑤挽板フローリング⑥引き戸・開き戸ともソフトクローズ機能付き⑦ハイブリッド給湯器⑧隣り合う住戸をゆるやかに「ツナク゜テラス」「ポタジェ」「雨水タンク」などで、「KIRINOKA」「SUGIMOKA」「信州志賀石」の演出もいい。

 「浦和」も「新鎌ヶ谷」も残りは1戸というが、これは、来場者の声を集め今後の「きときと未来プロジェクト」に生かす戦略だと思う。

IMG_2793.jpg
現地

IMG_2795.jpg
隣り合う住戸(フェンスなどはなし)

IMG_2802.jpg
近くの農家さんに「おいしそうなミカンですね」と声を掛けたら「好きなだけ持ってけ。下のほうがいいぞ」と言われたので3個もぎ取って持ち帰った。スーパーで売っているものと違い、香りが強く野性味にあふれている(近くの民家の敷地にはミカンや柿がたくさん植えられている)

抜群においしいミニトマト ポラス「浦和」街びらき+富山マルシェワークショップ(2024/7/6

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン