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モデルルーム イメージ図

 コスモスイニシアは9月30日、多様化するライフスタイルにフィットするパナソニックの「Life Style Fit(ライフ スタイル フィト)」と同社の「すごし方ファースト」な空間設計を掛け合わせた、コンパクトな面積でも広いリビングを叶えたスぺパ*志向のモデルルームを「木場サニータウン」の1室に設け、同日から販売を開始したと発表した。

 「木場サニータウン」は、JR京葉線潮見駅から徒歩9分・東京メトロ東西線木場駅から徒歩19分の1983年1月竣工の全467戸の大規模マンション。モデルルームは61.50㎡、価格は4,380万円(坪単価235万円)。洗面室はリネン棚を置けるよう配置を変更し、ランドリー収納を設置。キッチンのまわりを移動できる、壁に接していないレイアウトプラン(フロートプラン)によって床面を空けることで、ロボット掃除機でもお掃除しやすい空間を設けた。

 「Life Style Fit」は、パナソニックが提供する住まいの設備や建材に関するサービスで、ユーザーのライフスタイルに合わせた暮らしの提案や診断を行うもので、ユーザーが「どんな暮らしがしたいか」という質問に答えることで、自分らしい暮らしにフィットするスタイルやプランを見つけることができるもの。

※スぺパ=スペースパフォーマンス:空間対効果、空間の利用効率を良くする暮らし方・過ごし方のこと

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◇      ◆     ◇

 同社がプレス・リリースに添付した国土交通省の不動産価格指数と住宅金融支援機構のフラット35利用者調査のグラフも紹介する。これに基本性能や設備仕様レベルを価格に換算したら、その差はもっと大きい。「木場サニータウン」は見学したことがある。当時の坪単価は150万円くらいではなかったか。

 それにしても〝コスパ〟〝タイパ〟に〝スペパ〟とは…いまの若い人はそんなに合理的な生き方をしているのか。小生などは〝清く正しく美しく〟がもっとも美しい生き方だと思うが…だしぬけにクンデラの「存在の耐えられない軽さ」を思い出した。

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トータルフューチャーヘルスケア共同プレス発表会(帝国ホテルで)

「急変の早期発見」「軽症での早期発見」社会実装へ-YKK AP、大東建託、NTT ドコモ・ベンチャーズ、中部電力の事業パートナー4社は104日、プレス発表会を開催し、イーソリューションズ子会社のトータルフューチャーヘルスケア(TFH)への出資を通じ、生活空間で発生する転倒などの急変や、認知症などの疾患リスクの早期発見モデルの社会実装に取り組む業界横断のプラットフォームを発足すると発表した。プレス発表会にはメディア約65人、関係者約50人が参加した。

プラットフォームを立ち上げたのは、転倒は、つまずきによる転倒だけでなく、脳卒中や心筋梗塞などの疾患起因による意識障害や、認知症やフレイルなどの心身の変化の兆候としても現れ、多くが生活空間で発生しており、寝たきり状態になるケースも多いことから、疾患リスクを早期発見できれば、医療費・介護費などの社会コストの削減に寄与できる可能性があるとしている。

早期発見モデルは、世界最先端技術を有するVayyar Imaging Ltd.Vayyar)、Binah.ai LtdBinah)、PSTPST)ら技術パートナーと提携して、優先的な実施権を持つTFHが開発する。技術パートナーは提携協議を進めている3社も含め今後も提携企業を増やしていく計画。実証協力機関は慶應義塾大学医学部。

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佐々木氏

主催者を代表してイーソリューションズ代表取締役社長・佐々木経世氏は、家で起きる転倒事故(年間743万件、死亡者数19万人)が多い現状や、認知症(潜在患者数1,002万人)、糖尿病(同2,469万人)、高血圧(同4,140万人)の受診率はそれぞれ12%、14%、43%にとどまっている深刻な状況を紹介し、「心疾患、脳血管、高血圧、糖尿病など8大疾患を早期発見すれば、医療費、介護費などの社会コスト(104.6兆円)は最大で13兆円削減できると予測されている。このような心強いパートナーに恵まれ、日本の未来のために一緒に取り組めることにわくわくしている」とあいさつした。

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魚津氏

事業パートナーで、各企業との連携を促進する商社的な役割を担うYKK AP代表取締役社長・魚津彰氏は、同社の樹脂サッシ出荷量は12年間で5倍に拡大したことを紹介し、今回の事業では「2025年に実証実験のため社員寮を建設し、TFHなどと共同研究し、新たな商品開発につなげる」と語った。

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竹内氏

大東建託代表取締役社長執行役員CEO・竹内啓氏は、2024年度を初年度とする中期経営計画で「託すをつなぎ、未来をひらく。」をパーパスに掲げたことを紹介し、「当社らしい街づくりを実践する『DKミライサークル』では、会員130万人のアプリ『ruum』と連携させて、賃貸住宅居住者225万人、介護関連施設179施設での実証実験と共同研究を進め、課題解決を目指す」と話した。

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前田氏

1億人超の利用者がいるNTT ドコモ・ベンチャーズ代表取締役社長・前田義晃氏は「今回の業界横断の事業では通信環境整備を支援し、加えて、ドコモのヘルスケア基盤と『Well-being 推定AI』を活用し、早期発見プラットフォームと連携することで疾病リスクの早期発見に貢献していく。医療・ヘルスケア分野のデジタルによる改革は不可欠」と述べた。

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林氏

中部電力代表取締役社長・林欣吾氏は、電力スマートメーターで計測した電力使用量をAIに分析し、フレイルを検知する、自治体向けサービスを開始していることを紹介し、「当社の電力解析技術とTFHの技術を掛け合わせ、フレイル以外の疾患対策を共同で開発する」と語った。

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前田氏

来賓としてあいさつしたエグゼクティブアドバイザーの国際協力銀行取締役会長・前田匡史氏は、「日本の課題発見力は高いが、それを解決するビジネスモデルを構築する能力が低い。佐々木さんと出会ったのは18年前。佐々木さんは天才です。とにかく巻き込む力がある。業界の枠を超えて企業を結び付けていく拡張性に富んでいる。これが天才たるゆえんです。今回の事業は日本発の新しいビジネスとして世界に展開できる。益々の発展を確信しております。祈っているのではありません」と語った。

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新井氏

また、順天堂大学理事長補佐医学部脳神経外科学名誉教授・新井一氏は「予防医学には、病気を発症させない健康増進など一次予防、いち早く病気を発見する二次予防、退院後の社会復帰を促す三次予防があります。私が注目しているのは今回の事業は二次予防に革命をもたらすのではないかということです」と絶賛した。

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質疑応答に答える各氏

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プレス発表会の案内が届いたとき、素晴らしい取り組みだと思った。と同時に不思議に思ったことが一つある。主催者企業4社のうち東海・北陸が発祥か本社を構える企業はYKK AP、大東建託、中部電力の3社もあることだった。

この日、配布された資料には、イーソリューションズ社長の佐々木氏は富山県黒部市出身、YKK AP社長の魚津社長は富山県出身、大東建託の竹内社長は富山県砺波市出身、中部電力の林社長は三重県出身とあるではないか。出身は不明だが、エグゼクティブアドバイザーの富山大学学長の齋藤滋氏も登壇し、あいさつした。

まだある。建築家・隈研吾氏もエグゼクティブアドバイザーとしてビデオメッセージを寄せたが、記者団からの質問に、佐々木氏は「隈さんとは40年来の友人」と答えた。富山県には隈研吾氏の作品「Toyamaキラリ」と日本酒ブランド「IWA」の酒蔵がある。

これで知恵の輪が解けた。これは東海・北陸発(初)であり、さらに言えば富山発(初)のプロジェクトだ。佐々木姓は東北に多いが、由来は滋賀県だといわれている。三重県出身の記者の母親も佐々木姓だった。地方閥があるかどうかは知らないが、富山の薬売り商法は生きている。先用後利だ。きっと花が咲く。数兆円のマーケットになるような気がする。がんばれ富山!佐々木さん!

一つ追加。写真はすべて主催者のオフィシャル画像。写真家のクレジットは不要のようだが、最高に素晴らしい。他社も見習ってほしい。いつも送られてくる人物の写真は遠景の米粒ばかり。拡大に耐えられない。

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プレス発表会場(帝国ホテルで)

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左から横手氏、アレックス氏、鈴木氏(日比谷国際ビルで)

 三菱地所は10月1日、世界48都市、18,000室の家具付き賃貸住宅サービス事業を展開しているBlueground Holdings Ltd.(ブルーグラウンド)社のCEO兼共同創業者・Alex Chatzieleftheriou(アレックス ハジエレフテウ)氏らを招いて「Blueground Japan開業記念イベント」を開催した。

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鈴木氏

 イベントの冒頭、三菱地所住宅業務企画部長・鈴木智久氏は同社のフレキシブルリビング事業について説明。2019年にシンガポールのCo-Living(賃貸住宅)事業を展開しているスタートアップ・Hmlet社とJV事業を開始し、2023年11月には、三菱地所100%子会社のFL Japan Holdings(代表取締役:佐々木謙一氏)を設立。2024年10月現在、Hmlet Japan社は東京都心部で51拠点、1028室を運営している。

 一方、米国Blueground Holdings Ltd.とは、日本国内での独占的ライセンス契約を締結し、2023年11月に設立した三菱地所の100%子会社Blueground Japan(代表取締役:横手翼氏)が今春から日本市場でのサービスを始動させている。

 フレキシブル事業の特徴は、オンラインでの契約・契約期間の変更、申し込みから入居まで数日間、家具・家電・水道光熱費込みのオールインクルーシブル、24時間365日のトラブル対応、多言語によるサポートなど。

 ブランド戦略として、Hmletのターゲットは若年層/子一人暮らし/フリーランスなどで、価格帯は20~40万円/月、運営方式はコミュニティ重視、ソーシングは1棟単位の借り上げ・運営。Bluegroundのターゲットはエグゼクティブ/ファミリーで、価格帯は40~100万円/月、運営方式はプライベート重視、ソーシングは1戸当たりの借り上げ。

 将来展望として、この2ブランドの展開により2027年度は室数5,000室以上、売上高150億円以上、2030年は室数10,000室以上、売上高300億円以上を目指す。

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アレックス氏

 続いて登壇したアレックス氏は、創業する前の5年間は世界を飛び回り、ほとんどホテル暮らしで費用が高くストレスもたまることから創業を決断。設立当初は従業員10人、住戸数は100室だったのが、現在では従業員は1,000人以上、世界48都市で18,000室を運営している。2028年には100都市、1000,000室を目指すと語った。

 日本市場については、①ホテル滞在は費用が掛かりすぎる②家具付き賃貸物件が少ない③手続きが面倒で時間がかかる④テクノロジーが活用されていないなどの課題を挙げ、「東京はニューヨーク、ロンドンに次ぐ世界トップ3の都市。賃貸住宅はデザインが優れており、メンテナンスが行き届いている。(同社が基準としている)機能が備わっている。まだまだ伸びる。わくわくしている。完璧なパートナー(三菱地所)を獲得できた。事業が成功することを確信している」と語った。同社が独自開発した物件管理プラットホーム-オペレーション-ダイナミックプライシングのテクノロジーで差別化を図るとしている。

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横手氏

 Blueground Japanの取り組みについては横手氏が説明。外国人から見た言語の壁、貸主側の躊躇、アナログな手続きを解消した世界基準のサービスと日本の不動産ノウハウを掛け合わせて展開しており、現在運営している都心7物件(36室)の平均面積は53㎡、稼働率は56%、年内に100室に拡大すると話した。

 この後、Blueground Christos Misailidis氏、Alexandre Devoucoux du Buysson 氏、Hmlet Japan代表取締役兼Blueground Japan取締役・佐々木謙一氏によるトークセッション「フレキシブルリビング事業の現在」が行われた。

 各氏は、フレキシブル住宅市場は現在3~4%にとどまっているが、2030年には15%まで拡大すると話した。

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左から佐々木氏、アレクサンドル氏、横手氏、アレックス氏、クリストル氏、鈴木氏

家具付きマンション運営会社Blueground Japan社長は野球部の横手氏三菱地所(2024/10/1)

わが国賃貸市場の後進性衝く家具付き「Weave Place」浅草など都内7物目オープン(2023/3/4)

三菱地所オフィス家具引取・販売サービス「エコファニ」本格稼働(2022/3/15)

スマホ一つで住設機器・家電など操作・管理三菱地所スマートホームサービス開始(2021/11/4)

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「ザ・ライオンズ世田谷八幡山」

 大京とグループの穴吹工務店は10月3日、都心物件のマンションギャラリー「ザ・ライオンズギャラリー新宿」オープン記者発表会を開催し、同ギャラリーを10月5日にオープンし、第一弾として「ザ・ライオンズ世田谷八幡山」の案内を開始すると発表した。物件はわが国初の住棟「ZEH」、全住戸「ZEH」認定で、国土交通省の「サステナブル建築物船頭事業(省CO2先導型)に採択されている。

 物件は、京王線八幡山駅から徒歩3分、世田谷区八幡山3丁目の第一種低層住居専用地域(法定建ぺい率50%、容積率100%)に位置する3階建て全52戸。専有面積は43.00~84.31㎡、価格は未定だが、68㎡の3LDKで11,000万円台~(坪単価543万円~)。竣工予定は2025年9月。設計は共同エンジニアリング。施工は穴吹工務店。販売開始は2024年11月中旬。

 現地は社宅跡地。閑静な1低層の立地を生かし、建物の断熱性能や省エネ性能の向上、屋上の太陽光発電設備を設置することで、基準一次エネルギー消費量と比べ一次エネルギー消費量を一住戸あたり120%以上削減し、日本で初めて全棟「ZEH-M」と全住戸「ZEH」の両方の基準を満たす。

 建物はコの字型で、プランは南向き・東向き・西向き18タイプ。屋上には共用と住戸別の太陽光発電設備を設置。共用部には大型蓄電池、井戸(生活用水)を設置することで、災害時に「電気」「ガス」「水道」全てのライフラインが途絶しても、自宅で1週間以上生活を維持することができる大京独自の防災対策システム、「SONA-L SYSTEM(ソナエルシステム)」を採用。専有部にはそれぞれ蓄電池、「エネファーム」を導入する。

 モデル住戸の試算で年間に約167,000 円の光熱費削減を見込む。断熱性能では、冬でも室温18℃以上をキープする。

 主な基本性能・設備仕様は住棟「ZEH」全住戸「ZEH」認定、都の「マンション環境性能表示」制度満点の★15個とCASBEE「Sランク」のダブル取得、リビング天井高2500ミリ、Low₋E複層ガラス樹脂サッシ、食洗機など。パッシブデザインも採用する。

 これまでの反響件数は約2,000件。地元世田谷区居住者が約3割で、中高域から集客できており、年代は40~60代が中心。パワーカップルが主なターゲット。

 大京は2023年4月、同社の分譲マンションブランド「ライオンズマンション」を「THE LIONS」へリブランド。「人生には価値がある」をブランドステートメントに掲げ、モノの豊かさだけでなく、「人生を守り抜く強さ」「誇りを生むデザイン」「地域と地球との調和」「一歩先を行く感性」にフォーカスした「よい暮らし」を提供していく。

 ギャラリーでは、都内の販売物件に関する建物模型やコンセプトルームを設け、VR による内覧体験や商談スペースを設置しています。コンセプトルームは、洗練・上質・モダンデザイン・ラウンドデザイン(曲線)をテーマに「THE LIONS」の住まいを表現する。

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エントランスラウンジ

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 京王線沿線の1低層マンションでは現在、千歳烏山駅圏の旭化成不動産レジデンス「アトラスシティ千歳烏山グランスイート」が分譲中だが、競合するかどうかはわからない。八幡山は各駅停車だが駅から3分、千歳烏山は特急停車駅だが、こちらは駅から徒歩9分。

 「八幡山」は何といって1低層のZEHマンションというのがいい。パワーカップルをターゲットにしているため、専有面積は圧縮気味だが、その分、価格が抑えられている。坪単価は最低で600万円、強気設定なら700万円もあるかと思ったが、そこまではいかない模様だ。ZEHの良さが訴え切れれば早期完売が期待できる。

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「ザ・ライオンズギャラリー新宿」

 
 
 

「自分の人生は豊か」8割が回答 世帯年収1,200万円以上のパワーカップル 大京調査

京王線初か1低層の大規模環境性能表示満点の★15個旭化成不レジ他「千歳烏山」(2024/5/24)

代々木上原の一等地〝徳川山〟大京の最上位ブランド「リジェ」全12戸が人気(2024/1/12)

リブランディングのヒントあり「大京ライフスタイルスタジオ」(2023/12/3)

隣接のサカタのタネのメタセコイア圧巻大京のZEH-M「仲町台」販売好調(2020/2/21)

蛍が湧き立つ川に隣接基本性能・仕様レベル高い大京のZEHマンション「長津田」(2020/2/18)

わが国初の大京NearlyZEHマンション坪単価は東急「芦屋」の3分の1(2018/7/29)


 

 

 大京とグループ会社の穴吹工務店は10月3日、世帯年収1,200 万円以上のパワーカップル男女500人を対象に住まいに関する調査結果をまとめ発表。パワーカップルの8割が「自分の人生は豊かなほう」と考えており、人生を豊かにするためには「家族と一緒に過ごす時間」を大切にし、住まいを選ぶ条件では「省エネ性」「資産価値」「防災性」など環境性能や将来性を重視する傾向も明らかになった。

 調査は、①1都3県の世帯年収が1,200万円以上の共働きの20~60代のマンション購入意欲がある男女500人②1都3県のパワーカップル以外の20~60代のマンション購入意向がある男女500人を対象に行ったもの。

 結果によると、いまの人生は豊かと思うかの問いには、パワーカップルの約8割が「豊かだと思う」と回答した。人生を豊かにするために大切にしていることを聞いたところ、パワーカップルの55%の人が「家族と一緒に過ごす時間」を挙げた。パワーカップル以外(44%)より11.2ポイント高かった。

 住まいの役割について聞いたところ、パワーカップルは「安らぎやくつろぎを感じるためのもの」(65%)「家族と一緒の時間を過ごすためのもの」(58%)と回答。パワーカップル以外よりポイントが高かった。

 暮らしの中で大切にしたい言葉では、パワーカップルは「健康」(60%)「安心・安全」(52%)「自由」(47%)の順となり、パワーカップル以外とほぼ同じ結果となった。両者を差分順に見ると、パワーカップルは「品格」39%(パワーカップル以外は29%)、「上質」37%(同27%)、「成長」36%(同27%)となった。

 理想の自己イメージを聞いたところ、パワーカップルは「信頼できる、頼りがいがある」(47%)「健康的、健やか」(45%)「知的、賢い、優秀」(42%)が上位に、パワーカップル以外は「優しい、思いやりがある」(45%)「健康的、健やか」(45%)「信頼できる、頼りがいがある」(42%)が上位となった。

 家族と一緒の時間を過ごすために今後重視することについての問いについては、パワーカップルは「省エネ設計」(24ポイント)「将来的な資産性」(36ポイント)「防災性」(24ポイント)「耐震性」(43ポイント)「断熱性」(32ポイント)が上位になった。

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 記者はパワーカップルでもないし年代も異なるので何とも言えないが、自分の人生を前向きにとらえているのは結構なことだ。世帯年収が1,200万円あれば「人生は豊か」と考えるのは理解できる…「一人口は食えぬが二人口は食える」のことわざ通りだ。住まいに「省エネ」「防災」゜断熱性」を求めるのは正解だと思う。

 アンケートに倣って理想の自己イメージに回答しようと思ったが、パワーカップル、パワーカップル以外の回答に自分が当てはまるものはほとんどないのに愕然とした。信頼できる、頼りがいがある人間では断じてないし、健康的でも健やかでもない。品格、知的、賢い、優秀、清潔、落ち着きとは真逆であるという自覚はある。

 
 
 

 

 

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「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」

 三井不動産と日鉄興和不動産は10月2日、「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」の竣工記者説明会・内覧会を実施し、日鉄興和不動産執行役員企業不動産開発本部副本部長・加藤由純氏、三井不動産執行役員ロジスティックス本部長・篠塚寛之氏が施設の特徴などを説明し、板橋区区長・坂本健氏が防災拠点の取り組みなどを紹介した。説明会にはメディア約75名が参加し、関係者を含めると百数十人が参加した。内覧会では、都内初の物流施設併設型ドローン実証実験の場「板橋ドローンフィールド」の実演デモンストレーションなどが行われた。

 施設は、日本製鉄の工場跡地を2021年に日鉄興和不が2021年に取得し、三井不と共同で開発を進めてきたもの。23区内の希少な工業専用地域に位置し、敷地面積約91,000㎡、延床面積約250,000㎡の都内最大の物流施設。敷地内に東京都初の物流施設併設型ドローン実証実験の場「板橋ドローンフィールド」を開設し、ドローン業界全体の産業発展に寄与することを目指すほか、官民連携により板橋区の防災拠点とし、隣接する公園と敷地南側に流れる新河岸川沿いの歩行空間を創出するなど地域に開かれた施設となっているのが特徴。ほぼ満室稼働する。

 BCP対策・セキュリティ対策としては、免震装置、72時間対応の非常用発電機、備蓄倉庫、入退館管理、24時間常駐の防災センターなどオフィスビル同等のレベルとし、梁下有効天井高5.5m(オフィス天井高は3m)、床の積載荷重1.5t/㎡を確保。国際基準(45ftコンテナ車両)の大型車両にも対応可能なトラックバースなど最新鋭の設備を備えている。

 共用部施設としては、2か所のラウンジ、ドライバー休憩室に加え、有人コンビニ、ジェンダーレストイレ、礼拝室、WEB会議用ブースなどの快適な空間・ワークプレイスを提供する。

 建物デザインを手掛けたのはオーストラリアのデザイン事務所JACKSON TEECE。「White Waves」を外装デザインコンセプトに、空、さざ波など自然の有機的な流れを抽象化させ、地域と調和する洗練されたファサードデザインとなっている。

 環境面の取り組みでは、屋上全面に約19,000㎡、約4MWの太陽光パネルを設置し、余剰電力は区内の73の区立小中学校へ供給することで、区立小中学校のRE100化に貢献。年間の一次エネルギー消費を実質的にゼロとする最高ランクの「ZEB 認証」とDBJ Green Building認証最高位となる「5スター」を取得している。

 地域貢献では、様々なイベント開催が可能な広場を確保し、約25,000㎡の緑地エリアを整備して生物多様性に配慮し、周辺地域の在来種を基本とした計573本の樹木・約50種類の植栽を施している。

 また、緊急着陸用のヘリポートとしても活用可能な高台広場と、隣接する板橋区立舟渡水辺公園を一体的に整備したほか、地域住民約1,000人を収容可能な緊急一時退避場所を整備。敷地内には、「板橋区災害時配送ステーション」を設置し、災害時に必要な飲料水や非常食等を保管するとともに、区内の避難所に支援物資を配送する。

 日鉄興和不動産の加藤氏は、用地取得の経緯、区の地域課題への対応などについて説明し、安心・安全の取り組みを行い「地域に開かれ、人々の豊かな暮らしを実現する」と語った。

 三井不動産の篠塚氏は、施設の位置づけを「街づくり型物流施設の集大成」とし、業界トップレベルのスペックを備え、また地域社会との共生を通じて「地域の価値向上に貢献したい」と語った。

 施設は、都営三田線西台駅から徒歩10分、板橋区舟渡4丁目の工業専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積約91,255㎡、6階建て免震構造の延床面積約256,157㎡。設計は日鉄エンジニアリング。施工は日鉄エンジニアリング・佐藤工業。監修はフクダ・アンド・パートナーズ。デザインは外装:JACKSON TEECE、内装:ボノボ。着工2023年2月、竣工は2024年9月。

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外観

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わくわく広場

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あおぞら広場

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6階ビューラウンジ

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ドローンによる配送イメージ

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左から加藤氏、塚原氏、坂本氏

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 記者説明会で加藤氏は「地域に開かれ他施設」と、篠塚氏は「街づくり型物流施設の集大成」とそれぞれ語った。

 その通りだと思う。施設の南側を流れる新河岸川に掛る舟渡大橋の歩者専用路から撮影した写真を見ていただきたい。美しいデザインが確認できるはずだ。敷地は隣接する舟渡水辺公園との垣根はなく、あおぞら広場、芝生広場、わくわく広場などは地域住民に公開される。従前は一般に供共用されていなかった新河岸川沿いの歩行空間も整備されるという。素晴らしい施設だと思う 

 しかし一方で、「地域に開かれた」「街づくり」「地域の価値向上」が強調されればされるほど、物流業界全体は地域から分断され、嫌悪施設として地域から嫌われているのではないかとい疑問が湧いてきた。

 配布された資料には「工業専用地域(工専地域)での大規模開発」と記されており、篠塚氏は「希少価値が高い」とも語った。昨年行われた記者説明会では、敷地が工専地域であることは知らされていなかった(きちんと確認すべきだった)。

 そこで調べてみた。篠塚氏の語った通りだ。東京都の市街化区域の用途地域指定面積111,553.7haのうち工専地域は1,323.0ha(全用途の11.5%)で、区部に限ると工専地域は1,018.5ha(同1.7%)しかない。工専地域の指定があるのは江戸川区の555.6ha(同15.2%)、大田区の361.0ha(同6.5%)、板橋区の87.8ha(同2.9%)、足立区の14.0ha(同0.3%)のみだ(かつて江東区も指定されていた)。

 物流施設も消費地に近いほど価値が高いということだろうが、〝ほぼなんでもあり〟の準工と異なり、工専地域は住工混在を認めず、住宅、小規模の物品販売店や飲食店を除く商業施設、ホテル・旅館、学校、図書館などは許可されない(保育施設は許可される)。

 区と東京都が工専地域のままにしたのは、都の「用途地域等に関する指定方針及び指定基準」(平成16年)の「基本的に物流機能を担うべき区域として、原則として工業地域又は工業専用地域を指定する」に倣ったのだろうが、「街に開かれた施設」にするのであれば、マンションや宿泊施設、その他の用途を可能にする準工業地域に変更する選択肢はなかったのだろうかという疑問だ。

 それと、これは些細なことかもしれないが、社銘板に掲出を断った会社もあるということだが、これはなぜか。世間に知られると困ることでもあるのか。地域に開かれた施設と符合しないではないかという疑問を抱いた。

 地域・自然との共生では、敷地内に植えられている樹木はみんな幼木で、施設内の緑もフェイクばかりだったことも気になった。酷暑に耐えられなかったのか、枯れている樹木もたくさんあった。外構に成木が植えられ、施設内も本物の観葉植物がふんだんに配されていた三井不動産のシニア向けマンション「西麻布」「幕張」「藤沢」と比較するのは酷だが、「街づくり型物流施設の集大成」を謡うのであれば、緑の質を上げてほしかった。

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「板橋ドローンフィールド」の実演デモンストレーション

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倉庫内

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植栽

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6階ビューラウンジから公園方面望む

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舟渡水辺公園

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舟渡大橋の歩者専用路から望む

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 なぜ、このようなことを書くかといえば、2018年5月、当時の三井不動産常務執行役員ロジスティクス本部長・三木孝行氏(現、顧問)が「もはや物流施設は嫌悪施設ではない」と語ったのに記者は惚れこみ、その後ずっとこの言葉が頭の中にこびりついているからだ。事実、「船橋」も「羽田」も素晴らしい施設だ。

 そんなこんなを考えながら取材を終え、駅に向かう途中だった。ビルの敷地内の樹木がことごとく強剪定され、エントランスに植えられている立派なクスノキなど数本が丸裸にされている光景に出会った。〝樹木葬〟とはこのことをいう。葉っぱはほとんどなし、死に瀕している状態だった。社名を確認した。ESG経営に力を入れているわが国を代表する大企業の物流子会社営業所だった。

 公道からとはいえ写真撮影の許可を得ていないし、記事に掲載したら訴えられる可能性もありそうなので写真の公表は避けるが、この会社の幹部や社員は無残な樹木を見てなんの痛痒も感じないのだろうか。街路樹を枯死させた中古車販売会社とどこが違うのか。物流=嫌悪=樹木虐待を結びつけたくはないのだが…昭島の81haという桁違いの巨大物流開発は大丈夫か。

〝唯一無二都内最大〟三井不・日鉄興和不「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」着工(2023/1/27)

81.5haの物流「GLP昭島プロジェクト」敷地内に4.5haの樹林地 開発に疑問の声(2024/9/21

 

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「ザ・パークハビオ 麻布十番」リビングルーム

 三菱地所は10月1日、同社100%の子会社Blueground Japan(本社:千代田区大手町、代表取締役:横手翼氏)が運営を開始した家具付き賃貸マンション「ザ・パークハビオ 麻布十番」のメディア向け内覧会を行った。

 マンションは、2021年10月に完成した、東京メトロ・都営大江戸線麻布十番駅から徒歩7分、港区六本木6丁目に位置する全106戸。うち6室をBlueground Japanが運営している。ホテルのように身体一つで入居が可能なのが特徴で、ベッド、ソファー、食器類、洗濯、洗面・トイレ備品のほか「柿の種」「コアラのマーチ」のおまけつき。契約は1か月から。家賃は季節変動型で、67㎡で60万円/月(坪単価3万円)が目安。

 Blueground Japanは2023年12月設立。世界の約48都市で約18,000室の家具付きアパートCo-Living(賃貸住宅)を展開しているBlueground Holdings Ltd.(ブルーグラウンド)社と日本国内における独占的なライセンス契約により、Blueground事業施設の運営を行う。

 三菱地所は2019年からシンガポール拠点のCo-Living運営事業会社Hmlet Pte. Ltd.(ハムレット:現Habyt Pte.Ltd)社と合弁会社・Hmlet Japanを設立し、2023年11月に設立済みの子会社FL Japan Holdingsの傘下であるHmlet JapanとBlueground Japanを運営会社として設立。今後はHmletとBluegroundの2ブランドで展開し、2030年までに10,000室以上の運営を目指す。

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「ザ・パークハビオ 麻布十番」

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 外資系会社が運営する家具付き賃貸マンションを見学するのは2度目で、「麻布十番」を見学するのも2度目だった。

 素晴らしいマンションのラウンジにBluegroundのロゴが入ったかっこいい2人の男性が現れた。名刺交換したら、逆に横手氏から「地所の野球部」と声を掛けられた。

 一瞬、誰かと考えたが、すぐ思い出した。RBAのホームページから「横手」で検索していただきたい。「横手投げ」も含めてだが43件ヒットする。横手氏は三菱地所が昨年、28年ぶりに優勝した時の主力選手の一人だ。

 チームを優勝に導いたエース社は現在、米国・ボストン勤務だし、かつての主力選手の一人・明嵐二朗市氏は、今年4月1日付け人事異動で、三菱地所レジデンス常務執行役員経営企画部、人事部、経理部担当兼経営企画部長に就任した。

 今年の同社野球チームは、兄弟チームの三菱地所リアルエステートサービスに敗れて予選敗退したが、OBも現役も頑張っている。メタボが多い三井不動産の野球部OBとは異なるようだ。

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横手氏

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 「麻布十番」の基本性能・設備仕様レベルは、キッチンカウンターに御影石を採用するなど間違いなく水準以上だ。備品などを確認したらマクスゼン、YAMAZEN、ニトリ、TOTOなどの日本のメーカーの製品ばかりだった。関係者によると、備品などはわが国で調達できるものを備えるそうで、これらのメーカーはたまたまそうなっただけで、他の物件では異なるケースもあるという。

 ターゲットは訪日外国人だろうから、ドアの高さが185cmくらいしかないのが気になった。「礼金」は徴収しないのだろう。

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ダイニングエリア

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ラウンジ

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国土交通省は930日、令和68月の住宅着工動向をまとめ発表。総戸数は66,819戸で前年同月比5.1%減、4か月連続の減少となった。利用関係別では持家は19,597戸(前年同月比6.6%減、33か月連続の減少)、貸家は28,939戸(同1.4%減、先月の増加から再びの減少)、分譲住宅は17,240戸(同12.0%減、4か月連続の減少)。分譲住宅の内訳はマンションは7,501戸(同5.0%減、先月の増加から再びの減少)、一戸建住宅は9,578戸(同17.4%減、22か月連続の減少)となっている。

首都圏分譲住宅は7,535戸で、前年同月比20.9%減少。マンションは3,330戸(前年同月比20.8%減)、で都県別は埼玉県310戸(同20.3%減)、千葉県 301戸(同49.8%増(、東京都1,574戸(同34.3%減)、神奈川県1,145戸(同6.0%減)。

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 興味深いのはプレハブ住宅とツーバイフォー住宅の動向だ。令和618月では、プレハブ63,206戸(前年同期比10.7%減)で、ツーバイフォーは62,845戸(同 8.6%増)となっており、その差はわずか361戸。

 プレハブは令和4年以降、ほぼ毎月10%前後で減少しており、一方のツーバイフォーは減少する月もあるが増加傾向にある。このまま推移すれば、暦年ではツーバイフォーがプレハブを上回る可能性が高まった。昭和49年(1974年)にツーバイフォーオープン化されてから50年の歴史で初めてプレハブを抜くことになる。

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「FRONTIER PITCH TOKYO for Startups 2024」(赤坂ガーデンシティで)

 サンフロンティア不動産は9月27日、ピッチイベント「FRONTIER PITCH TOKYO for Startups 2024」を開催。予選を勝ち抜いた8社の中から、ろか技術による陸上養殖システムを開発したFRDジャパンが優勝し、賞品としてセットアップオフィスの半年間無償利用権(1,040万円相当)を獲得した。

 イベントは、〝東京を世界一スタートアップしやすい都市へ〟を目的に、複数のベンチャーキャピタルやスタートアップ支援企業と連携して立ち上げたプロジェクト「START-UP FRONTIER TOKYO」の一環として開催したもの。昨年に続き今回が2回目。

 審査は、ビジョン(熱意)/ビジネスモデル(市場性)/独創性・新規性/推進力を審査基準に11名からなる審査員によって行われた。ピッチ制限時間は5分。

 優勝したのは、さいたま市に本拠を置く2013年設立のFRDジャパン(https://frd-j.com/)。同社が開発した閉鎖循環式陸上養殖システムは、バクテリアを活用した独自のろ過技術により、最低限の換水率で水を循環させながら養殖を行うことを可能にしたもので、①地球に優しい②海水冷却コストが不要③「いつでもどこでも」養殖できるのが特徴。Phase1として年間生産量30トン規模の実証実験プラントを運用している。賞品として港区・新築フルセットアップオフィス「+SHIFT TAMACHI」の最上階フロア(24席/48.15坪)半年間無償貸与(1,040万円相当)を獲得した。

 代表取締役CEO・十河哲朗氏は「人生で3度目のピッチ。2年前の前回は、20時間ぐらい考えて漫才をやったら、圧倒的な人気を博したが、何ももらえなかった。この2年間の悔しい思いが晴れた。とてもうれしい」とコメントした。

 準優勝は、2020年設立の北里大学相模原キャンパス内に本社を置くフィジオロガス・テクノロジーズ(https://physiologas.co.jp/)。1回4時間、週3回の血液透析を受けている約34万人の患者とその家族の負担を軽減する在宅血液透析の普及を目指す装置を開発している。賞品として渋谷駅5分・新感覚セットアップオフィス「SOLIX SHIBUYA」の4名部屋の3か月間無償権(99万円相当)が贈呈された。

 3位は、2023年創業の名古屋市本社のJOYCLE(代表取締役社長CEO・小柳裕太郎氏、https://joycle.net/)。ごみを運ばず、燃やさず、資源化しながら再生可能エネルギーを創出し、可搬型の分散型インフラサービスを開発・提供している。CO2排出権を販売し、新たな収益源にもできる。賞品として「SOLIX SHIBUYA」の6名部屋/曜日オフィス)3か月無償権(63万円相当)が贈呈された。

 主催者を代表してサンフロンティア不動産代表取締役社長・齋藤清一氏は「社会課題、グローバル化を志向したピッチが多く、素晴らしいものばかり。わくわくした。日本は変わると。当社も、スタートアップオフィス事業を通じて社会に貢献していく」とあいさつした。

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齋藤氏(左)と十河氏

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十河氏

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齋藤氏(左)と宮脇氏

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齋藤氏

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 20年くらい前か。ある会社が主催したピッチ(プレゼンテーション)イベントを取材したときは、制限時間を無視してしゃべり続け、警告音が一度どころか2度以上も鳴らされたところが続出した。これは完全にアウトだと思った。わが国の後進性を見せつけられた思いがした。今では、毎日のようにどこかでピッチイベントは行われているのだろう。

 今回はどうか。審査員のANRIベンチャーキャピタリスト・金井絵里花氏が「わくわくするものばかりで、皆さんピッチ慣れされている」と講評されたように、制限時間を1分近くオーバーしたのは1社、30秒以上余したのが1社で、他はすべて制限時間20秒以内に収めた。

 各氏の講評では、StartPass代表取締役CEO・小原聖誉氏が「わが国の現在のスタートアップの縮図」と語ったが、この言葉には様々な課題が山積していることを示唆していると受け止めた。また、Z Venture Capital代表取締役CEO・黄仁埃氏が「日本のピッチは変わってきた。いろんなところを破壊する、革新する意義深いものばかりだった」と語ったのがとても印象に残った。

 素人の記者がもっとも高い評価点をつけたのはフィジオロガス・テクノロジーズだった。深刻で難しい人工透析についてとても分かりやすい説明を同社代表取締役・宮脇一嘉氏は行ったと思う。実用化は2029年とのことだが、透析医療を劇的に変えるはずだ。その他の病気も自宅で治療できる時代になるのだろう。

 優勝したFRDジャパンも素晴らしいとは思ったが、記者は養殖魚には偏見を持っており、サーモンはそれほど好きではないし、養殖アユなどは天然物と味は全然異なる。まあ、しかし、近い将来には天然の魚が食べられなくなるといわれているので、陸上養殖は爆発的に増えるのではないか。

 あとの各社は、審査員の方々も「審査が難しかった」と異口同音に話されたように、甲乙つけがたいものばかりだと思った。イベント後の懇親会では融資の話もまとまったのではないか。

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会場(開幕を宣言したのは サンフロンティア不動産上席執行役員・小田修平氏)

〝わが国のイーロン・マスク育てよう〟B2B特化型エクイティ型プログラム三菱地所(2024/5/16)

三井グループ25社売上88兆円「三井みらいチャレンジャーズオーディション」発表(2024/3/20)

「彩」「祭」「才」と「愛」をつなぐ三菱地所「SAAI(サイ)」新東京ビルに移転(2023/11/17)

スタートアップと大企業を結ぶイベントに2,100名「住友不動産ベンチャーサミット」(2023/10/25)

優勝は「Solafune」サンフロ「FRONTIER PITCH TOKYO for Startups 2023」(2023/9/22)

 

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「Be ACTO武蔵浦和」開業セレモニー

 野村不動産は9月27日、JR武蔵浦和駅直結のJR東日本開発とのJVマンション「プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ」(277戸、2024年4月竣工)内に設けたエリアマネジメント組織「Be ACTO武蔵浦和」の活動拠点「マチノバ」の開業セレモニー見学ツアーを実施した。同社執行役員・上羽健介氏や地権者、関係者など多数が参加し、開業を祝った。

 「Be ACTO」は、2018年に発表したサステナブルな街づくりを推進する「BE UNITED構想」を実践するための一般社団法人で、「ACTO」」には誰でも気軽に扉が開かれた場所「開く(あ)とびら」と、様々な活動のきっかけ「アクション」となる思いが込められている。拠点は「日吉」「亀戸」「目黒」に続き4か所目。

 「マチノバ」は、住宅棟に同社が保有する約300㎡の会員制ラウンジ、レンタルキッチン、レンタルスペース、カフェ併設のシェア本棚のほか、店舗棟のヤオコー武蔵浦和店の100坪超のイベント広場にもなる5階屋上テラスなどから構成。会員になるのは無料で、施設の利用料をその都度払いするスポット会員、月1,100円でラウンジが使い放題のサブスク会員が選択できる。

 開業セレモニーでエリアマネジメント担当の同社執行役員・上羽健介氏は「開発に当たって地権者のヤオコーさん、共同事業者のJR東日本さんなどと協議し、このようなランドマークとなる素晴らしい住宅・施設が完成しました。当社は、街が完成してからも地域住民のシビックプライドを醸成することを大切にしておりまして、バードとしての街づくりに加えまして、そこに住まう方々、団体、学校、企業さまなど街に愛着を育んで何世代も住みたくなるようなソフト面でのサステナブルな街づくりを目指していきます。その思いを形にしたのがこの『マチノバ』です。非常時には防災拠点としても活用していただきたい」とあいさつした。

 このほかセレモニーには、地元出身のウクレレシンガー・宮武弘さんのライブ演奏やヤオコー、JR東日本、その他関係者多数が出席し、開業を祝った。

 見学ツアーでは同社事業創発本部エリアマネジメント部推進課課長・石原菜穂子氏がガイド役を務め、「15年前に初めて行った愛着度調査で、住み続けたいと考える人ほど良好なコミュニティを形成していることが分かり、その後、2014年に全体竣工した大規模開発『ふなばし森のシティ』(約1,500戸)がきっかけとなり、エリアマネジメントの取り組みが始まりました。今回で『Be ACTO』は4か所目ですが、ドライブがかかってきました」と話した。

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「プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ」エントランス

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屋上テラス

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「マチノバ」の一部

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上羽氏

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 「Be ACTO」は、「日吉」「亀戸」「目黒」のマンションを取材したとき聞いてはいたが、活動拠点を取材するのは初めてだった。とても勉強になった。

 エリアマネジメントのことはよくわからないのだが、住宅供給戸数やターゲット層を変えることで、人口構成をコントロールしている山万「ユーカリが丘」は成功事例の筆頭だろうし、2002年に設立された「リガーレ(大丸有エリアマネジメント協会)」のような巨大な組織もあれば、小規模な任意団体もたくさんあるのだろうが、同社のような取り組みはそうないはずだ。規模の大小を問わず、地域の活力、環境の維持・向上、コミュニティ醸成に大きな力を発揮しているのは言うまでもない。

 取材して嬉しかったのは、一般社団法人ACTOの「日吉」「亀戸」「武蔵浦和」の代表理事を務める元同社広報担当の井上直樹氏にお会いできたことだ。井上氏とはもう30年以上も昔からのお付き合いだ。酒もよく飲んだ。とくに「プラウド」が誕生して以降は大変お世話になった。書く記事に困ったときはいつも井上さんにお願いした。年間20件くらい見学したのではないか。当たり外れがないのが「プラウド」だった…いまもそうか。

 大事なことを書き忘れた。見学ツアーでは、同社と埼玉大学が共同開発した「推しの木図鑑」が紹介され、浦和市立大里小学校4年生が推しの木授業で制作した約140点のうちわ作品も「さいたま市南区役所」で展示されていた。

 「推しの木図鑑」は素晴らしい取り組みだ。全国の国語や社会科の授業に採用されたら世の中は変わる。記事も添付したので読んでいただきたい。それにしても、同じ日に行われた三菱地所レジデンスの隈研吾氏が出席した記者発表会にはメディアは60人も参加したのに、「マチノバ」は記者を含めてたった4人。これは何だ。

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「推しの木」うちわ展示(さいたま市南区役所で)

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読みだすと止まらないあらゆる関係者にお勧め野村不&埼大「推しの木図鑑」(2023/6/24)

緑被率43%(分譲棟)ランドスケープが最高 JR東日本・野村不「MEGURO MARC」(2023/12/9)

街のポテンシャル劇的に変えた野村不の商業施設「KAMEIDO CLOCK」4月28日開業(2022/4/26)

1,320戸の多機能型街づくり「日吉」始動「街の共用部」設置野村不動産ほか(2018/10/10)

 

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