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「HIYORI Aqua Tower(ヒヨリ アクア タワー)」

 サンフロンティア不動産は8月19日、連結子会社の現地法人Sun Frontier Danang Co., Ltd.(サンフロンティアダナン)を通じ、ベトナム ダナン市の25階建て分譲マンションプロジェクト「HIYORI Aqua Tower(ヒヨリ アクア タワー)」202戸の建設工事に着手したと発表した。販売開始時に即日完売した「HIYORI Garden Tower」(2019年12月竣工/総戸数306 戸)に次ぐ2棟目で、同社グループが企画、許認可取得段階から主導しているプロジェクトであるのが特徴。

 物件は、ダナン市の中心部まで車で約13分、ミーケビーチまで徒歩5分のアーバンリゾートエリアに位置する敷地面積1,850 ㎡、25階建て延床面積約24,393㎡の全202 戸(1LDK:38.4㎡~3LDK:163.2㎡)。付帯施設は幼稚園、プール、フィットネスジム、ヨガスペース、コミュニティルームなど。所有形態は、建物所有権及び土地使用権。2026年9月末竣工予定。

◇        ◆     ◇

 ベトナムのことはさっぱりわからないが、JETRO日本貿易振興機構(ジェトロ)の2024年5月15日付「地域・分析レポート」によると「ベトナムの貿易額の対GDP比は186%に達する(世界銀行、2022年)。ASEANの中ではシンガポールに次ぐ高い数字で、人口1億人以上の国としては、世界で他に類を見ない高い水準」で、外務省のテータでは、在留邦人数は18,949人(2023年10月現在)、日本からの投資額(2023年、越計画投資省)は65.7億ドル(認可額)。

 デベロッパーの進出では、この前書いた三菱地所、野村不動産のほか、阪神阪急不動産が10年くらい前から物流事業(5施設)と住宅事業(6プロジェクト)を手掛けており、予定を含む住宅供給戸数は約14,000戸に達している。

 このほか、近鉄不動産が現地デベロッパーと三菱商事とのJV「The Manor Central Park」(全1,114戸)、NTT都市開発が東急とのJV「MIDORI PARK The GLORY」(約1,000戸)を手掛けており、タカラレーベンがフジタとのJV「THE MINATO RESIDENCE」(924戸)を販売している。

野村不動産ベトナム・ハノイ市で初の事業参画三菱地所らとマンション2,150戸(2024/8/14)

三菱地所ベトナム・ハノイで2物件約6,000戸(1,776億円超)の住宅事業に参画(2024/814)

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は8月19日、首都圏の2024年7月度不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は3,193件(前年同月比1.3%減)、成約坪単価は260.6万円(同9.8%増)、成約価格は5,049万円(同10.7%増)、専有面積は63.94㎡(同0.8%増)となった。成約件数は14か月ぶりに減少し、成約単価は51か月連続、成約価格は50か月連続してそれぞれ上昇した。

 中古戸建の成約件数は1,246件(同7.9%増)、成約価格は3,900万円(同1.4%増)、土地面積は140.34㎡(同0.5%減)、建物面積は103.72㎡(同0.2%増)。成約件数は6月に続いて前年同月を上回り、成約価格は6か月連続して前年同月を上回った。

首都圏中古マンション坪単価 10年間でほぼ倍増 東日本レインズ調査(2024/8/8)


 

 

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「シティテラス登戸」

 住友不動産が販売中の「シティテラス登戸」のモデルルームを見学した。快速急行が停車する小田急線とJR南武線の2路線が利用でき、新宿へは20分という利便性、多摩川へは徒歩3分の自然環境、67㎡で坪単価345万円の価格の〝安さ〟が評価されているという。

 物件は、小田急電鉄小田原線・JR南武線登戸駅から徒歩11分、川崎市多摩区登戸癸耕地の工業地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する7階建て全180戸(その他広告対象外の10戸あり)。8月5日から申し込み登録を開始した第1期(23戸)の専有面積は67.29㎡(全住戸の約9割)、価格は6,500万円~7,700万円(最多価格帯6,700万円台・6,900万円台・7,200万円台)、坪単価は345万円。竣工予定は2025年6月中旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。

 現地の用途地域は工業地域で、建築物の絶対高さ20m規制が敷かれており、敷地東側には小田急バス登戸営業所が隣接している。

 主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented・低炭素建築物認定、リビング天井高2400ミリ、直床、ディスポーザー、食洗機、御影石キッチンカウンター、ミストサウナ、Low-E複層ガラス、リビング・洋室床暖房、浴室タオル掛け、ソフトクローズ機能付き引き戸、可動式横ルーバー面格子サッシなど。

 昨年9月から物件ホームページを開設し、これまでのエントリー数は850件、2月末からのモデルルーム来場者は150件。来場者の大半は第一次取得層の地元居住者で、地縁のない顧客からは都心や横浜への利便性が評価されているという。

 販売担当の同社住宅分譲事業本部営業部主任・石井裕介氏は「静かで日当たりがいいのが評価されています。共働き世帯(〝二馬力〟ともいうそうだ)は、例えばご主人は南武線沿線、奥さんは都心方面に勤務する会社員で、双方の中間点に位置しているというもの評価されています」と話した。

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モデルルーム

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 プレス・リリースは8月5日に同社から発表されているのだが、リリースをコピペしなくてよかった。モデルルームを見学すると、リリースでは見えないものが見えてくる。

 まず、価格と仕様レベル。都内居住者は、荒川を超えて川口市、綾瀬川を越えて八潮市、毛長川を越えて草加市、江戸川を超えて市川市や松戸市、流山市アドレスになるのと同様、多摩川を超え川崎市になるのに抵抗感を覚えるかもしれないが、踏ん切りがつけられればその対価は大きいということだ。1駅手前の小田急線快速停車駅の下北沢駅圏なら坪単価は間違いなく600万円をはるかに突破するはずだ。(登戸駅から1駅先の小田急線向ヶ丘遊園駅近のタワーマンションの坪単価は423万円だそうだ)

 冒頭に〝安さ〟と〝 〟書きしたのは、われわれ業界関係者が〝安い〟と判断した通り購入検討者もまた〝安い〟と感じるのかどうかわからないからだ。だが、しかし、6mスパンの67㎡をどう評価するかはさておき、価格(単価)が〝安い〟からと言って、前段で書いた通り、基本性能・設備仕様レベルは決して低くはない。

 価格が安いといえば、同社の「シティテラス多摩川」900戸(非分譲住戸244戸含む)は坪単価250万円だ。「登戸」はこちらとは競合していないそうだが、「みどり」の視点からすれば「多摩川」が断然いいと思うのだが…。

 「2馬力」なる言葉も初めて聞いた。「共働き」と同義語のようだ。「タワマン」もそうだが、なんだか下品。記者は使う気になれない。

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物件位置イメージパース

長期優良、ZEHに★3つの「みどり」住友不・長谷工の建て替え「多摩川」900戸(2024/3/30)

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「The Senique Hanoi」外観(提供:CapitaLand Development)

 野村不動産は8月14日、ベトナム・ハノイエリア東部に位置するCapitaLand Developmentと三菱地所との共同開発事業「The Senique Hanoi」に参画することを決定したと発表した。総売上高約6億シンガポールドル超(約666億円超)、地上37階建て3棟構成で総戸数は約2,150戸。同社のハノイ市アドレスでの事業展開は今回が初めて。(三菱地所の記事参照)

 物件名称の一部である「Senique」はベトナムの国花である蓮の花を意味するベトナム語の“Sen”と、“Unique”を掛けた造語。

三菱地所ベトナム・ハノイで2物件約6,000戸(1,776億円超)の住宅事業に参画

 

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「Lumi Hanoi(ルミ ハノイ)」外観(提供:CapitaLand Development)

 三菱地所は8月14日、ベトナム・ハノイ市で2物件合計16億シンガポールドル超(1,776億円超)、約6,000戸の大規模分譲マンション開発事業に参画したと発表した。同社は2010年にベトナムに事業参画してから分譲事業では6物件3,573戸を販売しているが、今回の2物件のプロジェクトはその2倍近くになる。竣工は2026年以降。

 事業参画するのは、シンガポールのデベロッパーCapitaLand Development社とFar EastOrganization社との共同による「Lumi Hanoi(ルミ ハノイ)」と、CapitaLand Development社と野村不動産との共同による「The Senique Hanoi(ザ セニーク ハノイ)」の2物件。

 前者は、ハノイ市の新市街エリアまで車・オートバイで約10分、ミッドタウンまで約20分のハノイ市西部に位置する敷地面積5.6ha、総戸数約3,950戸。総売上高約10億シンガポールドル超(約1,110億円超)。戸数は同社の海外住宅案件として過去最大。建物は29~35階建ての9棟構成で、主要間取りである1BR~4BR(専有面積:42㎡~410㎡)に加え一部メゾネットやペントハウス住戸などを販売する。異なる外資系の設計事務所がコンセプトデザインを手掛ける。竣工予定は2026年。

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「Lumi Hanoi(ルミ ハノイ)」プール(提供:CapitaLand Development)

 後者は、人工ラグーン(海水遊泳施設)や湖、自然豊かな公園、テーマパーク、インターナショナルスクール、大学、ショッピングモール、病院など多種多様な施設が揃うハノイ市東部に位置する敷地面積2.1ha、総戸数約2,150戸。総売上高約6億シンガポールドル超(約666億円超)。建物は地上37階建て3棟構成で、主要間取りである1BR~4BR(専有面積:42㎡~430㎡)に加え一部メゾネットやペントハウス住戸も開発予定。竣工予定は2027年。

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「The Senique Hanoi(ザ セニーク ハノイ)」外観(提供:CapitaLand Development)

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「The Senique Hanoi(ザ セニーク ハノイ)」車寄せ(提供:CapitaLand Development)

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PASSTO」(左)と意思表示カード

野村不動産ホールディングスは813日、回収・選別・再流通のサーキュラーバリューチェーンを構築するECOMMIT(本社:鹿児島県薩摩川内市)と「資源循環の取り組みにおける業務連携に関する協定書」を締結し、同社グループが運営する商業施設、ホテルなどで不要になった衣類や雑貨を回収し、循環型経済(サーキュラーエコノミー)・CO2削減に資する取り組みを開始したと発表した。

導入したのは、同社グループが運営・管理する「Recipe SHIMOKITA(レシピ シモキタ)」「SoCoLA(ソコラ)若葉台」「Bono(ボーノ)相模大野」などの商業施設5か所、「庭のホテル 東京」「NOHGA HOTEL UENO TOKYO」などのホテル4か所と、分譲マンション4物件の合計13か所。

商業施設とマンションには、回収ボックス「PASSTO」を設置、ホテルでは客室内に再生衣料繊維から作った意思表示カードを設置し、宿泊客が滞在中に不要となった衣類を意思表示カードとともに回収する。回収するのは衣類(トップス/ボトムス/ジャケット/コート等)、雑貨・ホビー用品(バッグ/キャップ・ベルト/ミニカー・鉄道玩具/ぬいぐるみ・フィギュア等)。

        ◆     ◇

 この種の取り組みはよくわからないのだが、サーキュラー・エコノミーが注目されているのはよく理解できる。

わが国でも衣類は仕立て直して何世代にも受け継がれていた。祖母や母が「洗い張り」していたのを覚えているし、建築材も再利用されていた。馬糞、牛糞、鶏糞はもちろん人糞だって貴重な肥料になった。「肥溜め」にはまったこともある。古紙回収業、鉄屑屋などもあった。少なくとも1950年代までは家庭の燃料は薪炭で賄われていた。ほとんど再生可能エネルギーの時代だった。人間だって、仲が悪い夫婦を仲人が仲裁役になって再生・修復していた。

いまでも古本屋、古着屋、骨とう品屋などは流行っているのではないか。ブックオフグループホールディングスの決算を調べたら、20235月期の売上高は101,843百万円で、経常利益は3,040百万円だ。中古住宅の売買もサーキュラー・エコノミーの一つだ。「RBA」も「Reform by action」と読める。

 分譲マンションは、個別管理会社と管理組合だけでなく、周辺のマンションや町内会などと連携し、地域全体に広がることを期待したい。

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平山氏

 記者が「中央線の不死鳥」と呼ぶ日新ハウジング社長・平山喜朗氏(76)に5年ぶりにお会いし、現在の中古マンション流通市場や健康の秘訣などを聞いた。「膵癌」の疑いがあるとかで心配したのだが、「膵癌」ならぬ「酔眼」は記者であって、4~5年前から買取再販にサッシ交換を取り込み、50歳で始めた趣味のゴルフではハーフで40を切るなど信じられな話を聞いた。「不死鳥の慧眼」を目の当たりにした。( )内は記者。

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本社店舗

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店舗の花壇

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 -レインズデータでは、中古マンション市場は長いトレンドで見ると成約件数が増加し、単価・価格の上昇が続いています。いまの市場をどうみていますか

 一言でいえば、特殊な市場です。当社の事業エリア、中でも中野地区は特に再開発の影響を受けて、中古市場もタワーマンションを中心に高額物件ほど上昇幅が大きく、値上がり益を睨んだごく限られた富裕層の需要は旺盛です。

 一方で、一般ユーザー向けの中古市場は、新築マンションや金利、株価動向などの影響を受けやすい不安定な状況にあり、警戒する必要があります。一筋縄ではいきません。中でも、旧耐震など古いマンションに対する抵抗感は根強いものがあります。

 この特殊市場を見誤ると危険です。長年事業をやっていると、このような経済の二重構造が見えてくるんです。

 -買取再販が活況を呈していますが、いかがでしょうか

 買取再販市場も甘くありません。他社物件もよく見ています。社員任せにはしていません。ものを見ると気づきがあり、商品企画のヒントにもつながるんです。どういうものが売れるのか、売れないのはなぜか、現場を見ればよく分かります。

 当社は売主となる以上は〝そこまでやるか〟というくらい商品力を向上させています。例えばサッシの交換です。4~5年前から積極的に行っています。補助金も出ますから。管理組合がOKしない物件は買わない場合もあります。この取り組みは結構お客さまにも評価されています。サッシ交換までやっている同業は少ないはずです。

 もう一つは、単にリフォームするだけでなく、買い取った物件の造作家具などを収納できる倉庫を2か所確保し、それらの造作家具を再利用するなどして最大限演出しています。これがお客さまの満足度を高めるのです。

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 -店舗前にたくさんの風船が飾られていましたが

 販売現場にも風船を飾るんです。毎月、色を変えています。8月はブルーです。(「黒」はないですよね。縁起が悪い。売れるものも売れない)そう、黒はありません。(この前、平山さんと同窓の吉永小百合さんの記者発表会を取材したんですが、吉永さんはとても美しいターコイズブルーのドレスでした)そう、それはいい。それにしよう。(年間スケジュール表には1月は赤、2月は白、3月はピンク、4月は緑、5月はブルー〈水色〉、6月は青、7月は黄、8月はブルー〈水色〉、9月はラベンダー、10月は黄、11月はオレンジ、12月はマットピンクとあった)

 -店舗前の花壇に花が植えられていましたが

 私はね、見かけによらず花が好きでして、夏は百日草、冬は矢車草を店舗の前の花壇に植えています。これが近所の方に人気でして、毎年30人くらいですかね、苗をプレゼントしているんです。

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 -5年前に取材させていただいたときもとてもお元気でしたが、社長は私より一つ年上の76歳。後期(光輝)高齢者になっても元気な秘訣は何でしょう

 健康第一です。朝5時半に起きて、6時半からの店舗前のモップ掛けは継続してやってますよ。(えっ、まだやっているんですか)30分すれば汗だくになりますから。モップ掛けは下半身を鍛えるんです。週2回、ジムに通って筋トレもやってます。スクワットは200~300回です。(絶句)

 このモップ掛けと筋トレの成果はゴルフに現れています。この前、74人が参加したゴルフ月例会で準優勝しましてね。ハンディが21から19に上がって、CクラスからBクラスに昇格したんです。

 一昨日も、ゴルフやってきたばかりです。仲間と。(この炎天下にですか)私は炎天下が好きなんです。鹿児島薩摩川内市出身ですからね。炎天下には慣れています。それで、前半のハーフで39が出たんです。3オーバーです。40切ったのは初めてでした。後半は45でしたが…。(えっ、それは凄い。私は50歳でゴルフを止めましたが、ハーフで70は叩いていましたから。第一打を打ったら、低空飛行して前方にある突起物に当たり、そのまま戻ってきて、ティーの後ろから第2打を打ったこともあるくらいです)

 ゴールドティと筋トレの成果でしょうね。70代の半ばで80台で回れるのは100人に一人くらいだと思いますよ。今度の8月18日の月例会にかけているんです。優勝を狙っています。

 -膵癌の疑いがあるという話がありますが…

 今年に入って体調を崩しましてね、行きつけのクリニックに行ったら「膵臓にしこりがある」と言われましてね、一週間検査入院したんです。退院してからも薬は飲みましたが、食欲不振と倦怠感が激しく、会社も休みました。それで、治療を止めたんです。そうしたら体力が戻りだし、食欲も出てきたんです。(人間には自然治癒力がありますよね。がんの治療薬は健全な細胞も殺しますからね)そうです。(酒とたばこはどうです)酒は最初の胃がんのとき止めました。タバコは57歳でやめました。

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◇        ◆     ◇

 同社が4~5年も前からサッシ交換を積極的に行っていると聞いてびっくりした。「不死鳥の慧眼」を見た。記者は、新築マンションはもちろんだが、リノベマンションを見学した際、真っ先に確認するのはサッシの断熱性能だ。リノベマンションはここに手を付けないといけないと考えているからだ。ところが、築古の物件でも従前の単板ガラスをそのまま採用しているのがほとんどだ。理由を聞くと「サッシは共用部分」という答えが返ってくる。共用部分の改変は管理組合の承諾が必要だからだ。

 国は昨年、既存住宅の省エネ性向上とCO2排出量の削減を促進させるため、「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業(先進的窓リノベ2024事業)」を創設。断熱窓を採用した場合、一戸あたり5万円から最大200万円まで補助される。

 買取再販に力を入れている会社でサッシ交換を行っているところはどれくらいあるのか。

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波瀾万丈の「平成」掉尾飾る〝中央線の不死鳥〟日新ハウジング・平山喜朗社長(2019/4/30)

逆風にめげず今年も新卒13名採用 日新ハウジング(2008/1/7)

首都圏中古マンション坪単価 10年間でほぼ倍増 東日本レインズ調査(2024/8/8)

 

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別表1

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は8月8日、2024年度の首都圏の不動産流通市場動向をまとめ発表した。

 中古マンション成約件数は36,595件(前年度比3.4%増)、成約坪単価は243.1万円(同7.5%増)、成約価格は4,700万円(同8.2%増)、専有面積は63.80㎡(同0.7%増)、築年数は23.83年(同0.23年増)となった。坪単価は2013年度から10年連続して上昇しており、築年数は1992年の11.19年から約10年増加している。

 中古戸建ての成約件数は18,109件(同3.5%増)、成約価格は3,928万円(同1.1%増)、土地面積は137.61㎡(同1.3%減)、建物面積は102.51㎡(同0.2%減)、築年数は21.74年(同0.22年増)となった。築年数は1992年の12.65年からほぼ一貫して増加している。

 別表1は、中古マンションの成約件数と成約価格の推移を見たものだ。件数は1992年の20,580件から2024年度は77.8%の増加。ただ、2019年の37,912件からここ5年間は頭打ちとなっている。坪単価は2012年の126.7万円を底に12年連続上昇、ほぼ倍増している。

 別表2は、中古マンションの坪単価と専有面積の関係を見たものだ。坪単価が上昇すると専有面積は減少しており、相関関係があることがわかる。

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別表2

 別表3は、中古マンションの駅からの交通別成約件数の推移を見たものだ。居住性能より通勤・通学・通院などの利便性や資産性を重視する消費者の物件選好の変化、デベロッパーの〝駅近〟戦略が奏功しているのか、駅から徒歩10分以内が60%台の後半で推移している。2023年度の成約件数24,741件のうち68.9%を占め、坪単価は284.2万円、成約価格は5,315万円、専有面積は61.86㎡となっている。

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別表3

 別表4は、中古戸建ての駅からの交通別成約件数の推移を見たものだ。マンションとは対照的に、駅から徒歩10分以内は30%を割っており、徒歩10分以内の成約物件の価格は全体の成約価格より約1,000万円高く、土地面積は117.31㎡で、全体の134.70㎡より、約17㎡(5.3坪)狭くなっている。

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別表4

 別表5は、中古のマンションと戸建てを合計した中古住宅の成約件数の推移を見たものだ。着工戸数はマンションと戸建てはほとんど変わらないか、むしろ戸建てのほうが多いのに、中古市場ではマンションが圧倒的多数派を占める。2023年度では、全体の成約件数53,447件のうちマンションは35,907件(67.18%)で、戸建ては17,540件(32.82%)だ。

これほどの差が出るのは、分譲マンションはそもそも二世帯同居を想定していないことと、戸建て居住の子世代が世帯分離によりマンションを購入し、親世代は引き続き戸建てに住み続けるからだと考えられる。一方で、ファミリー向け賃貸の質は低いままで、住宅総数は6,502万戸(2023年10月1日現在)で、うち空き家は900万戸に達している-このいびつな構造をどう理解すればいいのか。

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別表5

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「MEC PANTRY」イメージ

 三菱地所は8月6日、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)の飲食店を対象に、食材やエネルギーなど増大する飲食店の運営コスト低減を目的に共同調達プラットフォーム「MEC PANTRY」の試験運用を開始し、第一弾プロジェクトとして三菱HCキャピタルと協働し、同日から米の共同調達「丸の内精米店」のサービス提供を開始したと発表した。大手デベロッパーが飲食店を対象に自ら精米事業を展開するのは初めて。

 同プラットフォームは、同社の「新事業提案制度」により生まれたもので、商業部門社員が、エリアに出店している400を超える三菱地所の飲食テナントの増大する食材調達コストに着目し、企画・立案した。三菱HCキャピタルは、ファイナンス面での支援に加え、三菱地所とともに将来的な丸の内エリアの物流管理プラットフォームおよび物流網構築におけるデータ利活用や配送ロボットの活用に向けた検討も行う。

 第一弾は、精米したての新鮮な白米を提供することで、顧客満足度・食材価値の最大化、食材調達コスト抑制による経営効率化への貢献を企図。国際ビルの一角に「丸の内精米店」を新設し、日本各地の農家から直接仕入れた米を受注ごとにオンデマンドで精米し、メッセンジャーサービスや配送マッチングサービス、大手配送業者と連携し、エリア内の各店舗へ配送する。また、生産者や自治体・飲食店舗のプロモーションを販売とセットで展開する。

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「丸の内精米店」イメージ

 

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「ヴェレーナガーデン浜田山」

 大和地所レジデンスは8月6日、分譲中の戸建て「ヴェレーナガーデン浜田山」をメディアに公開した。約4.3haの「柏の宮公園」と神田川に近接する第一種低層住居専用地域に位置する全8戸で、長期優良住宅認定を取得、価格は1億4,000万円台~1億7,000万円台。

 物件は、京王井の頭線浜田山駅から徒歩10分(1~7号棟)~11分(8号棟)、杉並区浜田山二丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する在来工法2階建て全8戸。敷地面積は127.65~137.80㎡、建物面積は94.51~102.10㎡、第1期6戸の価格は14,990万~17,490万円。竣工は2024年6月~7月。施工は東栄住宅。

 これまでのエントリー数は370件、7月2日からオープンしたモデルハウス来場者は45組。第1期6戸を8月4日に分譲し、2戸に申し込みが入った。来場者の約3割が杉並区居住者で、年代は30~40代のパワーカップルが中心。

 全戸とも長期優良住宅認定を取得しており、太陽光発電システムを搭載し、TESハイブリッド暖給により一次消費エネルギー削減率は22%で、ZEH水準をクリア、ウルトラファインバブル熱源機を採用している。1階の天井高は2600ミリ。

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リビング

◇        ◆     ◇

 物件の特徴の一つは、建ぺい率40%、容積率80%1低層で、約4.3haの「柏の宮公園」に近接し、8号棟は神田川に隣接しているなど緑豊かな閑静な住宅街に位置していることだ。駅からの徒歩時間約10分の大半は公園と、「パークシティ浜田山」に沿ったケヤキの街路樹が見事な通りを利用できる。「三井の森公園」にも近い。参考までに、「パークシティ浜田山」について触れた、光井純氏のインタビュー記事を添付する。

 このアプローチの良さを加味したら、価格は2億円超もあるかと思ったが、安全策を選択したようだ。

 施工が東栄住宅というのにも注目したい。東栄住宅は飯田グループの中ではもっとも早くから長期優良住宅取得に取り組んできた。大和地所レジデンスが11月に分譲する「ヴェレーナガーデン横浜鴨居」(33区画)の施工も東栄住宅だ。

 飯田グループでは、一建設はこれから引き渡す自社分譲戸建ての8~9割を長期優良住宅認定とし、飯田産業は大和ハウス工業の分譲戸建ての設計・施工を埼玉の物件で担当する。飯田グループの動きから目が離せない。

「HARUMI FLAG」で美しい花を咲かせたい光井純氏建築美を語る(2023/1/30)

 

 

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