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 三菱地所レジデンスは11月29日、東京ガスの供給エリアで分譲する戸建住宅シリーズ「ザ・パークハウス ステージ」全戸に家庭用燃料電池「エネファーム」を標準採用すると発表した。

 「エネファーム」は、都市ガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、発電した電気を家庭内で利用するほか、その際に出る熱も給湯に利用するなど送電ロスがなく、発電時に出る熱を無駄なく活用できる環境にやさしいシステム。

 東京都の物件には、停電時発電継続機能を内蔵した「エネファーム(レジリエンスモデル)」を原則標準採用する。これによって、停電時の発電継続期間が最長約8日間となる。

 同社は、戸建住宅シリーズ「ザ・パークハウス ステージ」を年間約300戸、将来的には年間400~500戸供給することを目標としている。

 東京ガスによると、2009年に販売を開始して以来、着実に伸ばしており平成29年11月現在、累計販売台数は9万台を達成した。

デベロッパーでは、三井不動産レジデンシャルは2014年に「エネファーム」の全戸導入を決定し、野村不動産もほぼ同じころに全戸に導入した大規模戸建てを分譲している。

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 結構なことではあるが、先行する三井不動産レジデンシャルや野村不動産に肩を並べるには今一つインパクトに欠ける。記者は三菱地所ホームの全館空調システム「エアロテック」を全戸標準装備して差別化を図るべきだと思う。

 

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各受賞代表者(左から大谷、中内、清野、吉田、上原、服部、吉江の各氏)青山・スパイラルホールで

 公益社団法人企業メセナ協議会は11月28日、芸術・文化の振興に貢献した企業・企業財団・団体などを顕彰する「メセナアワード2017」の贈呈式を行った。

 メセナ大賞を受賞した三菱地所「三菱地所のShall We コンサート(出張コンサート)」は同社・吉田淳一社長が、「アートの玄関賞」を受賞したアーバネットコーポレーション「アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペティション」は同社・服部信治社長が、「街が踊る賞」を受賞したポラス「南越谷阿波踊り」は同社・中内晃次郎代表がそれぞれ出席。受賞の喜びを語った。

 このほか、「しまんちゅ心と技賞」の沖縄タイムス社「沖縄タイムス伝統芸能選考会・選抜芸能祭」は同社・上原徹専務が、「地域光らせ賞」のジェイティービー「JTB 交流文化賞」は同社・大谷恭久常務が、「プラッと音楽賞」の東日本鉄道文化財団「駅コンサートの開催」は同財団・清野智理事長が、文化庁長官賞の富士ゼロックス「文化伝承活動」は同社・吉江則子CSR部部長がそれぞれ出席した。

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 受賞については、添付した記事を読んでいただきたい。デベロッパー、ハウスメーカー3社が一度に受賞するのは初めてのことで、こんな嬉しいことはない。

 CSR担当役員を務めていた三菱地所の吉田社長は、「街づくりを通じて社会に貢献するのが当社グループの使命。文化・芸術は国力を増す源泉。これからもグループ一丸となって文化・芸術を取り込み深めダイナミックに展開していく」と決意を語った。

 服部社長は、彫刻家を目指し大学を入学する学生のうち卒業して正業につけるのは100人に1人いるかどうかの厳しい現実に心を痛め、何とかしようと企画を考えたことを紹介。リーマンショックのときは賞金を半額にし、審査員にも手弁当で応援してもらったことに感謝の言葉を述べた。

 「南越谷阿波踊り」は今年で33回目。中内代表は「今後もより一層地域社会に貢献する」と宣言した。創業社長で阿波踊りの提唱者・故中内俊三氏から「会社が潰れても阿波踊りだけは残せ」と言われたことを語る場面では言葉を詰まらせた。

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三菱地所 吉田氏

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アーバネット 服部氏

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ポラス 中内氏

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 ホールの端っこで取材していたとき、逆の端っこの通路を歩く和服姿の女性に目を奪われた。近眼・老眼・乱視の記者はよく見えないのだが、その得も言われぬ美しい帯が〝わたしを見逃さないで〟と呼び掛けてきた。

 大変失礼だとは思ったが、贈呈式が終わってから、その女性に声を掛けた。もらった名刺には「大日本印刷ICC本部ミュージアムラボ推進室室長 飯田直子」とあるではないか。〝まさか印刷ではないでしょうね〟と出掛かった言葉を飲み込み、「西陣織ですよね」と訊ねたらその通りだった。叔母さんからもらった帯で、値段は本人もわからないそうだ。

 写真を撮り記事にさせていただくよう拝み倒し、了解を得たので紹介する。飯田氏はメセナ協議会の顕彰部会部会長を務めている。大変失礼しました。住宅・不動産業界のメセナ活動をよろしくお願いいたします。

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飯田氏

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「街が踊る賞」を受賞した南越谷阿波踊りを披露する同社の連(レセプションで)

三菱地所が「メセナ大賞」 アーバネットコーポとポラスが優秀賞 企業メセナ協議会(2017/11/2)

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「プレミアムグランウッド世田谷・等々力の家」

 大和ハウス工業は11月28日、最高級の木造フルオーダーの家づくりプロジェクト「PREMIUM GranWood(プレミアムグランウッド)」東京プロジェクトを12月1日(金)より東京23区で本格始動すると発表。一般公開するケーススタディハウス「プレミアムグランウッド世田谷・等々力の家」の報道陣向け見学会も行った。

 同プロジェクトは、今年4月、兵庫県芦屋市の「プレミアムグランウッド 神戸・芦屋の家」をケーススタディハウスとして始動したのに次ぐ第二弾。「今だけ、ここだけ、あなただけ」をメインテーマに相談から設計-建築-アフターサービスまでサポートする「プレミアムデザインユニット」も新設した。

 日本家屋特有の「侘び・寂び」の空間を演出するため、左官職人の土壁や樹齢200年の吉野杉の5%しか採取できない柾目材を使用した天井、中庭と居室を一体としたプラン、最高級システムキッチン、最高レベルの耐震・高気密・断熱仕様が特徴。年間の受注目標は10棟。

 芳井敬一社長は、「4年前、東京本店長に就任してから取り組んできた、当社が足りないハイクラス向けに特化したプロジェクト。匠・技術・素材の〝3つの逸品〟として完成させた。非常に力が入っている」と話した。

 「等々力の家」は、東急大井町線等々力駅から徒歩10数分、世田谷区野毛1丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する敷地面積232.66㎡(70.37坪)、延床面積153.54㎡(46.44坪)。木造2階建て(グランウッド構法)。価格は土地・建物・外構・家具含め2億7,500万円(消費税込)。モデルハウスとして利用したのち、来年9月をめどに分譲する。

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芳井社長

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 元神戸製鋼のラガーマン芳井社長も忸怩たる思いだったようだ。同社の木造の販売戸数は年間470~480棟。この棟数について、芳井社長は「東京23区はSR社(住友林業と推測される)の一人勝ち。当社のシェアは10位にも入れない」と現状をストレートに語った。

 配布された資料によると、平成27年度の木造販売トップの住友林業は400棟に迫り、第2位のM社(三井ホーム)が300棟近く、3位のMS社(ミサワホーム)が約200棟で、S社(積水ハウスのシャーウッド)が約170棟、同社は90棟くらいだ。各メーカーの重点エリアである世田谷、杉並区では住林・三井ホーム3分の1程度の売り上げしかない。

 発表会と現場見学会には、住宅事業全般担当の大友浩嗣常務執行役員、住宅系商品開発担当の有吉善則常務執行役員、プロジェクト責任者の北村淳プロデューサーなども出席。満を持しての投入で「(他社に)少しは脅威を与えられる」(芳井社長)自信作だ。

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ダイニング(左)と吉野杉の天井

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Miele社の大型食洗機

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 記者は、坪単価1,000万円以上、グロスで10億円を超えるマンションのモデルルームを数えきれないほど見学してきた。戸建ても先月、三菱地所ホームの時価にして7~8億円はしそうな三菱地所ホームのモデルハウス「ORDER GRAN AKASAKA」に宿泊体験した。昨年末見学した同社グループのコスモスイニシア「グランフォーラム石神井公園」(8棟)が出色の出来だったのは記憶に新しい。

 なので、今回報道陣に公開された「等々力の家」には全然驚かなかった。配布されたリリースから土地代は坪250万円くらい、建物は坪200万円くらいではないかとはじいた。

 現地も確認し、関係者の話などから総合すると、土地は傾斜地であることからもっと安く、建物は坪200万円くらいだろう。ほぼ予想した通りだし、すぐ近くに等々力渓谷が流れる立地から判断して妥当な値段だろうと思う。

 物件からは、どこかで聞いたことがある言葉だが、〝今だけ、ここだけ、あなただけ〟の熱意がひしひしと伝わってきた。

 もっとも驚いたのが、樹齢200年の吉野杉を格子状に張り巡らせたダイニングキッチンの天井だ。柾目を使ったこともあるのだろうが、節がまったくない(田舎育ちの貧乏人の記者はスギは節があるからこそ美しいと思うが)。素人が見たら木目調パネル(ケミカル)だと思うはずだ。床は御影石。しかも暖房が入っているように温かい。

 〝キッチンの横綱〟(大鵬か白鵬か)と呼ばれるイタリアValcucine(バルクッチーネ)社の最高級品のグラスファイバー材のトップカウンター、バイブレーション処理したステンレスの扉、浮造りの収納引手も見事。美しい。

 Miele社の大型食洗機がまたすごい(記者が知らないだけか)。トン、トンと2回叩くと扉が開く仕掛けになっている。1度ではだめだそうだ(記者は「開けゴマ」と声をかけたがもちろん声には反応しない)。

 中庭-居室-リビングを一体ととらえ、侘び寂びの空間を演出する「庭屋一如」も陽の移ろいなどをきちんと計算して設計したという。

 その他、冬温かく夏涼しい「快適涼暖システム」、業界最高クラスのU値0.198W/㎡・Kの「オールバリア断熱プレミアム仕様」、耐震等級3相当の一般在来と比較した場合の構造の変形を2分の1程度に抑えられる耐力壁「グランデバイス」を採用している。これも強調材料のはずだ。

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玄関

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 年間目標棟数はずいぶん控えめな数字だ。スタッフにプレッシャーをかけない配慮か。先の三菱地所ホーム「ORDER GRAN AKASAKA」は開設2か月で6棟の成約だ。「グランフォーラム石神井公園」はほとんど1億円以上だったにも関わらず4カ月くらいで完売した。

 来年の今頃、芳井社長がどのようにコメントするか楽しみだ。

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 プロジェクトとは関係ないが、ラガーマンだったからわかっていただけるはずだ。芳井社長にお願いしたいことがある。

 RBA野球に参加しているチームの再生だ。今年の野球大会のベスト4は積水ハウス神奈川、旭化成ホームズ、住友林業、ミサワホーム東京ですべてハウスメーカーだ。このほか一条工務店もパナホームも決勝トーナメントに勝ち進んだ。大和ハウスは2勝3敗で予選敗退した。

 これまでチームの最高記録は平成15年の第15回大会のベスト4入りで、その後は長期低迷が続いている。通算成績は28勝44敗、通算勝率.389。何ごとも負けていいはずはない。チームを応援し、檄を飛ばしていただきたい。

価格に見合う価値あり コスモスイニシア「グランフォーラム石神井公園」(2016/12/3)

効果てきめん 三菱地所ホーム 全館空調「エアロテック」記者も宿泊体験(2017/10/30)

 

 

 

 

 三井不動産レジデンシャルは11月28日、地盤支持層に未達のマンション基礎杭があることが発覚し、施工データの転用・加筆などが行われていたことから全棟建て替えが行われている横浜市の傾斜マンション問題について、施工会社の三井住友建設、杭施工を行った日立ハイテクノロジーズ、旭化成建材に対し、不法行為責任、瑕疵担保責任などに基づき総額約459億円の損害賠償を請求する訴訟を提起したと発表した。

 同社は、建て替えなどにかかる費用を負担することをマンション管理組合と合意に達しており、管理組合は平成28年9月19日、全棟建て替えを決定。すでに解体工事に着手している。

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「パークシティ中央湊 ザ タワー」

 三井不動産レジデンシャルは11月27日、中央区湊2丁目の36階建て大規模再開発マンション「パークシティ中央湊 ザ タワー」(416戸)が竣工したのに伴うプレス見学会を行った。

 物件は、東京メトロ日比谷線・JR京葉線八丁堀駅から徒歩6分。建物の外観・外構デザインは光井純氏が監修。見学会では天井高約7.6m、広さ約200㎡の
「エグゼクティブラウンジ」や湾岸エリアを見渡せる「スカイガーデン」などの共用部分が公開された。

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この物件に関しては一昨年の2月見学取材しているのでその記事を参照していただきたい。坪単価440万円には驚いたが、将来価値を考慮すると妥当かとも感じた。

 竣工後の共用施設は、これまでの同社の大規模マンション同様納得させるものがある。写真を紹介する。

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スカイガーデン

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東京駅方面(左)と湾岸方面の眺望

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リバービューラウンジ

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スタディカフェ(左)とライブラリー

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天井高7m超のラウンジ

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ガーデン

隅田川沿いの商・住一体開発 プラン秀逸 三井レジ「パークシティ中央湊」(2016/2/12)

 

 

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「パークホームズ北千住アドーア」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルの「パークホームズ北千住アドーア」(全89戸)第1期78戸が即日完売した。最近人気が高まっている北千住の駅から夜も明るいアーケード街を通って5分、イトーヨーカドーが入居し、すぐ近くには区内で有名な千住本町小学校があり、施工は大成建設。坪単価はリーマンショック前の瞬間を除き足立区最高値の絶妙の330万円。同社-施工-購入者に加え、足立区のポテンシャルを引き上げた意味で〝4方良し〟のマンションだ。資料請求は全89戸にしては驚異的な2,500件に達している。

 物件は、東京メトロ日比谷線・JR常磐線・東武スカイツリーライン・つくばエクスプレス北千住駅から徒歩5分、足立区千住3丁目に位置する13階建て全89戸。専有面積は47.15~87.04㎡、第1期3次(戸数未定)の予定価格は4,900万円台~6,300万円台(47.15~65.51㎡)。坪単価は330万円。竣工予定は平成31年3月下旬。設計・監理・施工は大成建設。

 現地は、駅西口を降りほぼまっすぐに伸びているアーケード街の中の南西角地。すぐ裏には区内のモデル校の千住本町小学校。JR北千住駅から5分以内のマンション供給としては13年振りで、日光街道に面していないのも特徴の一つ。

 住戸プランは、70㎡台以上が26戸で、40~60㎡のコンパクトタイプが比較的多いのが特徴。食洗機、キッチン・洗面台の御影石カウンタートップ、バックカウンター・吊戸棚(一部を除く)が標準仕様。天井高は2600ミリ。

 モデルルームは76㎡台で、約7.6mスパン。玄関・ホールがゆったりしており、リビングと一体利用できる小上がりの和室を設置。

 物件担当の同社都市開発二部事業室・太刀川慶所長は「当社だけでなく、7,000万円を超える住戸の供給事例がほとんどなかったので不安もあったが、イトーヨーカー堂1号店の跡地で、夜も明るいアーケード街、施工が大成さんという安心感が高く評価された」と、圧倒的人気の要因などを話した。

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 太刀川氏は「社内で〝安すぎたのでは〟という声が出るほど」と冗談交じりに〝異常〟人気ぶりを表現したが、記者は〝腹八分〟の坪330万円が丁度いいと評価した。都心部はどんどん高値追究して結構。しかし、準都心部・郊外部は一般の人が購入できる価格に抑えてほしいと願っている。

 この物件に関しては、あるいは坪350万円くらいかとも予想したが、先日、取材を申し込んだら「78戸が完売した。もう残りは10戸」と広報担当から聞いた時点で、単価はそれより安いと確信した。

 この値段で同社も施工の大成も十分利益が出るはずだし、お客さんも〝いい物件を購入した〟と思っているはずだ。その意味で3方良しの物件だ。

 さらに言えば、足立区のマンション価格はずっと23区内で底這い状態が続いてきた。安いのも結構だが、他とのバランスもある。坪330万円は決して安くはないが、東京電機大もできるなど街のイメージは一変している。

 デベロッパーは街のポテンシャルを引き上げるのも役割の一つだ。その意味で、このマンションは〝4方良し〟の物件だ。このマンションが好調であることを何より三菱地所レジデンスが喜んでいる。来年分譲の駅から3分の再開発マンションは坪350万円と読んだ。

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1・2階イトーヨーカドーが入居する

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ネナド・グリシッチ大使(右)と逢沢一郎氏(セルビア大使館で)

 バルカン半島の中心、ヨーロッパとアジアを結ぶ交通の要衝地に位置するセルビアの固有品種のブドウ「Prokupac(プロクパッツ)」から作られたワインの試飲会が11月20日(月)、品川区のセルビア大使館で行われた。ワインは日本に輸入されることが決まっており、試飲会に出席したネナド・グリシッチ大使は「ワイン輸入のために多くの歳月がかかったが、ようやく実現に至り、とてもうれしい。日本の皆さんにぜひ飲んでいただきたい」と挨拶した。

 試飲会には日本・セルビア友好議員連盟会長を務める国会議員の逢沢一郎氏も応援に駆け付け、参加者は供されたセルビアの家庭料理やケーキなどとともにおいしいワインに舌鼓を打った。

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「Prokupac(プロクパッツ)」から作られたワイン

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 記者は、弊社・久米信廣から「酒が飲めるあなたが行きなさい」と声がかかり参加した。

 セルビア語はもちろん英語も話せない記者は、ネットで調べた「こんにちは」という意味の「ズドラーヴォ(Zdravo! キリル文字でЗдраво!)」を連発した。日本人の誰もが怪訝な顔をし、セルビアの人たちは笑いながら訳のわからないことを話したので通じたのか通じなかったのかさっぱりわからない。

 ワインは絶品だった。赤ワインは(安物だからか)甘ったるいイメージしかなく飲まないのだが、このワインは渋みもあり、どれだけでも飲めた。ボトル1本近く飲んだのではないか。「美味しい」はセルビア語で「ウクスノ」だそうで、これは使える。

 お開きのころにはすっかり酩酊し、大使に「ズドラーヴォ」「ジヴェリ(乾杯)」と挨拶したら「お気をつけてお帰りください」と日本語で返された!?

 久米は、1990年代から続いた民族対立と経済の疲弊により、多くの子どもたちが厳しい状況に置かれていることに心を痛め、CSR活動の一環として子どもたちに学用品を贈呈したり、アーティストに対する支援活動を行ったりして来ている。ネナド・グリシッチ大使とは〝お友だち〟のような良好な関係を築いている。

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会場(セルビア大使館)

※セルビアの国民的作家・ダニロ・キシュ(1935~1985)の「若き日の悲しみ」(東京創元社)の読後感想文を添付します。これも素晴らしい小説です。

悲しい歴史を巧みなレトリックで描く キシュ「若き日の哀しみ」(2015/4/11)

 

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アキュラホームつくば支店オフィス棟「住まいと暮らしサロン」

 アキュラホームは11月21日、特別な金物を使用せず一般大工が施工した建築物ではわが国初の同社つくば支店オフィス棟「住まいと暮らしサロン」を竣工したと発表した。同社の中大規模木造建築物は2棟目。

 建物は、サスペンション梁と呼ばれる屋根が特徴。東西方向に吊屋根状の曲線をなし、60mm×120mmのヒノキ4m材を交互にずらしながらビス止めすることにより、張力と曲げ剛性をバランスよく発揮。1階の多目的ホールは7m×10m、2階事務所スペースは9m×14mの無柱空間を実現。目的に応じてさまざまなレイアウトが可能。特別な金具を一切使用せずに、一般大工による施工で実現した建築物は日本初となる。

 所在地は茨城県つくば市研究学園4丁目2-5、敷地面積は246.53坪(815.00㎡)、延床面積は86.65坪(286.47㎡)。構造は木造2階建て。設計・監理は飯田貴之氏(飯田貴之建築設計事務所代表、意匠担当)、藤田克則氏(Live Haus建築設計所代表、意匠構造担当)、蓮池健氏(KMC代表、構造設計担当)。総合監修は稲山正弘氏(東京大学大学院木質材料学研究室教授)。

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「千住一丁目地区第一種市街地再開発事業」

 千住一丁目地区市街地再開発組合、三菱地所レジデンス、三菱倉庫、杉本興業の4者は11月20日、東京都足立区の「千住一丁目地区第一種市街地再開発事業」を今月着工したと発表した。分譲マンションは184戸の予定で、来年夏にモデルルームをオープンする。

 計画地は老朽化した建物が密集する街区となっており、約300㎡オープンスペースの整備を始め、周辺の街路整備・拡幅など防災性の向上と、老朽化した商業・業務施設の更新、都市型住宅の整備を図ることを目的としている。施行区域は約5,000㎡。

 物件は、JR 常磐線、東京メトロ千代田線・日比谷線、東武伊勢崎線、 つくばエクスプレス北千住駅から徒歩3分、足立区千住一丁目に位置する30階建て延べ床面積約24,000㎡。住宅は4~30階の全184戸。専有面積は約25~約110㎡。竣工予定は2020年12月。設計は梓設計、施工はフジタ。

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「グレイプスウィズ四谷」

 東京建物の子会社、誠愛苑は11月21日、東建グループ初の都内の介護付有料老人ホーム「グレイプスウィズ四谷」を11月23日開業すると発表した。

 物件は、東京メトロ丸ノ内線四谷三丁目駅から徒歩5分、新宿区大京町に位置する5階建て全48室(定員52名)。専用面積は18.17~30.73㎡。利用権方式。前払方式を利用した場合、入居一時金は900万~2,100万円、月額費用(家賃・管理費・食費)は209,520円~384,520円。月払いを選択した場合の月額費用は約54万~57万円。共用部は食堂、ファミリーリビング、バーカウンター、ラウンジ、相談室兼応接室、健康管理室、喫煙室、2階ダイニング、機能訓練室、ビューティサロン、個人浴室など。建物所有者は東京建物、運営事業者は誠愛苑。施工は大末建設。

 各フロアにラウンジ浴室を完備。廊下幅は1800ミリ。各居室に車椅子対応のトイレ、洗面、収納、介護用電動ベッドなどを備えているのが特徴。

 東京建物グループは、東京建物シニアライフサポートがサービス付き高齢者向け住宅「グレイプス」を首都圏に15か所1,271戸、2014年に東建グループ入りした誠愛苑が有料老人ホームをさいたま市内に3か所167室をそれぞれ運営している。

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バーカウンター

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ピアノ演奏

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二人入居を想定したモデルルーム(30㎡)

◇       ◆     ◇

 有料老人ホームは結構取材したが、介護付き有料老人ホームの取材は初めてだった。わからないことは書かないほうがいいのだが、前払いプランを選択したときの一時金の額に驚いた。坪単価は300万円をはるかに突破する。入居後3カ月で30%が、5年で全額が償却される契約だから、月額費用を加えると年間最大で実質的に1,000万円くらいかかる計算になる。

 しかし、ホスピスの場合、月額100万円くらい掛かる施設もあると聞くから、妥当な額なのかもしれない。

 ある同業記者が「都心だろうが郊外だろうが要介護度の高い人には関係ないのでは」と質問した。なるほどと思ったが、関係者によると本人以外にも親族の意向でこのような都心部の高級介護施設を利用するニーズもあるのだそうだ。

 感心したのがバーラウンジだ。昔懐かしい〝だるま〟〝ジョニ赤〟などが棚に並んでいた。ショット売りではなく、近くにある酒屋から入居者(親族)が購入してボトルをキープして飲めるようにするのだという。その代わり、介助費用として1時間1,500円を負担するシステムになっている(ある同年代の記者はホステス料金と呼んだ)。胸やお尻に触ったらどうなるのだろう。介助費用に含まれるのか。

 凄いと思ったのが、介護の資格も持つプロがグランドピアノの生演奏をすることだ。週に1回、音楽療法として入居者の誕生祝いなどに好きな音楽を演奏するのだそうだ。効果があるという。

◇       ◆     ◇

 いま、この記事を書いていて、さらに驚いたことがある。何とある業界紙が「優良老人ホーム」という見出しを付けているではないか。記者は「有料老人ホーム」「特別養護老人ホーム」の呼称はやめろと以前から主張してきた。「無料」の老人ホームなどあるわけがないし、「特別養護」もまた何が「特別」なのか意味不明。歳を取ればみんな身体、精神に異常を来す。「特別視」するのは差別だ。

 しかし、さすがに「優良老人…」は書きすぎだ。暗に「不良」が多いことを意図的に匂わしているのかもしれないが、ブラックジョークがきつすぎる。(その記事を書いたはずの記者は同年代。ついに小生と同じボケが始まったか)。今年の流言飛語大賞にノミネートされるのは間違いない。

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二人とも取材記者(「撮っていいよ」と了解済み)

 

 

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