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「長谷工オリジナルBIMビューワー」による3次元CG画像

 長谷工コーポレーションは10月4日、「長谷工版BIM」のデータから直接3次元CG化する「長谷工オリジナルBIMビューワー」をパナソニックのエコソリューションズ社の協力を得て開発、VRを利用してマンションの販売ツールとしても積極的に活用していくと発表した。

 同社は 〝マンション特化〟と〝設計・施工比率の高さ〟という特徴を生かし「長谷工版BIM」の水平展開と関連技術の開発を進めており、今回の開発によってBIMで設計したマンションの住戸全タイプを〝迅速かつ安価、そして綺麗に〟3次元CG化することが可能になった。3次元CG化されたデータは、VR(ヴァーチャルリアリティ)体験機器を利用してマンションの販売ツールやホームページ等BtoC領域での援用が期待できるとしている。

 その第1号として総合地所「ルネ八王子トレーシア」へ採用する。今後は、同社が設計・施工する物件の事業主に対し、グループ会社の長谷工システムズを通じて積極的に導入提案をしていく。

 同社設計部門エンジニアリング事業部統括室長・堀井規男氏は「BIMを2014年に開発して以来67件のプロジェクトで採用してきた。バージョンアップも図ってきた。現在は全体の2割強の採用率だが、3年後には100%にする計画だ。設計・施工のリソースを使って販売や管理、大規模修繕にもつなげていきたい」と話した。

 「BIM」(Building Information Modeling)は、コンピューター上にパーツを組み上げて作成した3次元の建物のデジタルモデルに、仕上げや管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースのことで、同社は2020年3月期中にBIMによる実施設計100%の体制とし、2021年3月期からは板状型の全物件がBIM化される予定。同社の設計・施工比率は2017年3月期末で95.0%に達している。

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 これはこれで結構なことだが、記者は各階層からの眺望画像を見えるようにすることも実現してほしいと思う。現在、そのような対応を行っているのはごく限られた物件で、一定の階層からの眺望しか体験できないのがほとんどだ。

 ユーザー側にしてみれば、自分が購入しようと考える住戸の設備仕様・仕上げなどはモデルルームで確認することができ、VR機器を使った疑似体験も当たり前のようになってきた。

 しかし、青田売りがほとんどのマンションで、自分が購入したい住居からの眺望を体験するすべはない。その一方で、デベロッパーは1層ごとに価格を上下させ、物件にもよるが、最下層と最上階とでは数百万円、中には1層あたり100万円以上の差をつける物件もある。

 それだけ眺望に「価値」をつけているからだ。ならば、誰がそのコストを負担するかという問題もあるが、ユーザーにきちんと眺望を体験させることくらいやっていいはずだ。

 長谷工システムズ取締役常務執行役員・篠﨑松雄氏は「技術的には問題なくできる。中住戸と両端の住戸くらいは用意することはコスト的にも障壁とならない。うちがそれを最初にやりたい」と語った。長谷工に期待したい。日影図も含めて〝見える化〟に力を入れてほしい。

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VR体験機器を用いた実演(新橋駅前ビル1号館で)

〝やるなら今でしょ〟 長谷工コーポBIM(ビム)で3割コストダウン目標(2014/10/30)

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協定を結んだ左から矢野氏、服部市長、由利氏(八千代市役所で)

 千葉県八千代市、UR都市機構、PIAZZAの3者は9月29日、全国初の官民連携によるオンラインとオフラインをクロスさせたプラットホームを構築した「次世代のコミュニティ形成」に関する協定を結んだ。市はオンラインコミュニティ向けに行政サービスの情報を発信し、UR都市機構は市内の団地をコミュニティ活動の場としてオフラインで提供、PIAZZAはエリア単位でのSNS(オンライン)コミュニティ形成を行う。

 市は行政サービス情報を積極的に発信し、UR都市機構は市内の賃貸住宅団地をコミュニティ形成の場として積極的に提供していく。URは現在、市内に昭和40~50年代に入居が始まった「村上団地」(2,489戸)「米本団地」(3,020戸)「高津団地」(3,013戸)などの管理を行っているが、建物の老朽化、入居者の高齢化、エレベータがないことなどによる空き家の増加などの課題を抱えている。

 コミュニティアプリ「PIAZZA」は、勝どき、豊洲、流山などで展開している地域密着型プラットホームで、街のイベントや店舗・病院情報の共有、モノの譲り合いなどの情報を提供しており、子育てファミリー層を中心に人気になっている。

 取り組みの一環として、10月15日(日)には村上団地でストリートペイントを行う。

 また、市とUR都市機構は同日、UR賃貸住宅を活用して地域医療福祉拠点づくりやコミュニティ形成に連携・協力する協定を締結。両者は、団地内に介護用駐車場を整備するほか、団地集会所を活用した子育て支援事業などを実施していく。

 協定締結式で服部友則市長は、「市はベッドタウンとしてURとともに発展してきた。一方で、昭和40年代~50年代の団地は入居者の高齢化が進み、(間取りの陳腐化など)ニーズに合わなくなってきており活性化が急務。〝子育てなら八千代〟といわれるよう環境整備に力を入れる」と述べた。

 UR都市機構東日本賃貸住宅本部 東京東・千葉地域本部長・由利義宏氏は「ハード・ソフト両面でミクストコミュニティの形成を図り、新しいモデルとなるようにしたい」と語った。

 PIAZZA社長・矢野晃平氏は「オンラインとオフラインを駆使してシームレスの取り組みを行い、街を盛り上げたい」と話した。

〝無斬〟丸裸 八千代市「ゆりのき通り」の街路樹341本 847万円でバッサリ(2017/9/30)

 

 

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強剪定されたユリノキ(葉が落ちれば〝丸裸〟になる)

 八千代市役所で9月28日行われた市・UR都市機構・PIAZZAによる街づくりに関する協定締結を取材するため、京葉高速鉄道八千代中央駅から市役所に向かった。すぐ異様な光景に気が付いた。住居表示にも「ゆりのき台」が採用され、その名の通り「ゆりのき通り」の街路樹ユリノキが高さ10mくらいで強剪定されていた。

 市役所によると、昨年度にゆりのき通りの街路樹341本とその他の街路樹24本、合計365本を847万円の費用で剪定した。1本当たりに換算すると2.3万円だ。理由は落ち葉などに対する住民の苦情だという。

 ゆりのき通りに面する住宅に住む70歳代と思われる女性に話を聞いた。「ここに30年以上住んでいますが、ユリノキが植えられたのは20年くらい前かしら。もう落ち葉の掃除が大変で、やっと伐ってもらいました。腰が曲がらないから、ほら、(屈んで)こんなにして集めるしかないの。葉っぱは大きくて、地面にへばりつくから大変なのよ」と剪定を歓迎した。

 今年5月の市長選で初当選した服部友則市長は「わたしは素人だが、伐ってしまったものは伸びないのではないか」と述べるにとどめた。市の土木管理担当者は「ユリノキは丸裸になったが、剪定費は根拠がない数字ではない」と話している。

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 ユリノキの街路樹が伐採されることになっているのは先月、横浜市緑区青葉台のたまプラーザ駅でも経験した。

 双方に共通するのは、それぞれの市・区で人気・地価が高い住宅地で、〝伐るな〟という声はほとんどなく、樹齢が数十年、樹高は15~20mくらいあることだ。

 落葉は、葉に含まれる栄養を幹に取り込み、気たるべき爛漫の春に備える自己防衛であり自然の摂理だ。落ち葉舞う風景はまた風情がある。産廃や汚染土壌ではない。

 強剪定は舌きりばあさんと一緒。素敵な名前が付いた街とその街に住む人の品格をけがす自傷行為のようなものではないか。

 千代田区では明大通りのプラタナスの伐採をめぐり住民らが反対の運動を起こしているが、区は伐採を強行するようだ。

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都市計画の母が泣く たまプラーザの「ユリノキ通り」が消える!? 市が伐採計画(2017/8/22)

またまた「街路樹が泣いている」 千代田区 街路樹伐採で賛否両論(2016/9/8)

樹齢30年以上 戸建てより低く〝伐採〟された「白岡ニュータウン」のケヤキの街路樹(2016/4/27)

 

 

 

 

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「まちのこども園 代々木公園」(撮影:淺川敏氏)

 ブルースタジオは9月29日、同社が設計監理を担当し、ナチュラルスマイルジャパンが運営する国家戦略特区制度を活用した「まちのこども園 代々木公園」が竣工したのに伴う竣工内覧会を行った。建築や保育関係の人など見学を待つ約500名が列をなし賑わった。

 物件は、都市公園法により開発規制が厳しい公園内に国家戦略特区制度を活用して建設された128名定員の「民設民営」保育所型認定こども園施設で、JR原宿駅徒歩4分、渋谷区代々木神園町に位置する敷地面積873.80㎡、延床面積871.23㎡の木造2階建て(在来工法、1時間準耐火構造)。竣工は2017年8月。施工は大和工務店。設計監理はブルースタジオ。

 柱などの構造材は米松だが、建具・家具・仕上げにヒノキ、カラマツ、ヒバなどの国産材を採用。壁には漆喰、1階土間には昔の三和土や大谷石の囲炉裏を設置。木製サッシを多用しているのも特徴。

 メディア向け内覧会で、ナチュラルスマイルジャパン代表取締役・松本理寿輝氏は「今回の施設は5カ所目。地域資源を生かし全体を学びの環境にする思いと、街づくりの拠点になるようコミュニケーションを活発化させ、若い世代とつながりネットワークを構築したいという思いから、渋谷区の公募に応募した」と、プロジェクトの経緯などについて語った。

 ブルースタジオ専務取締役・大島芳彦氏は、「松本さんとは12~13年のお付き合いだが、具体的な案件を担当するのは初めて。昨年5月、設計監修の依頼があった。スケジュールがタイトなので迷ったが、エース級2人のスタッフを投入して決断した。建築と社会、人間関係の接点をどう設けるか、それをやらないと社会的価値の向上につながらない。代々木は、私の祖父が千駄ヶ谷に住んでいた関係でしょっちゅう遊びに来たことがあり、私を育ててくれた街でもあり、建物は昔の大屋根があり土間がある「明治以前の原宿村の原風景を想起させる農家屋をイメージしモチーフにした。施工も木造建築の老舗。本物に触れていただきたい」と話した。

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松本氏(左)と大島氏

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(撮影:淺川敏氏)

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 木造の保育・教育施設では、三井ホームの林野庁補助事業の「学校法人富津学園 明澄幼稚園」を見学し感動したことがあるが、今回の施設もまた負けず劣らず素晴らしい-作家の筒井康隆氏が「創作の極意と掟」(講談社)で「いかなる小説であっても絶対に使ってはならぬ形容がひとつ。それは『筆舌に尽しがたい』という形容だ」と仰っている。記者もそんな陳腐な形容をしたくない。「素晴らしい」としか言いようがない。

 1階部分の床から2階吹き抜けの頂点までの高さは約10メートル、仕上げはほとんど本物の無垢材や大谷石、漆喰、サッシも木製だ。

 大和工務店専務取締役・初谷仁氏は「300×770×11メートルの棟木、224×500×12メートルの登り梁は究極のコスト&ビーム」と自賛した。

 内覧会に参加した保育所の建設を計画している経営者は、「スケールと開放感が素晴らしい。明治以前の農家をイメージし、自然とマッチさせたデザインもいい」と絶賛した。

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(撮影:淺川敏氏)

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三井ホーム林野庁の補助事業による2×4工法の幼稚園完成(2014/8/25)

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2階主寝室の「アウターリビング」

 9月11日付当欄でポラスグループ中央住宅の「マインドスクェア南大泉Ⅰ」の敷地延長住宅を紹介したが、今回は同じ分譲地内の2階「アウターリビング」付き住宅を紹介する。

 西武新宿線武蔵関駅より徒歩14分、練馬区南大泉1丁目に位置する全7棟現場で、「アウターリビング」付き住宅は敷地面積110.11㎡、建物面積103.13㎡、価格6,450万円。

 2×4工法より強度が高い2×6工法を採用し、同社の標準仕様である1階天井高2.7m、サッシ2.2m、天然木挽き板フローリング、同社オリジナルのウッドパネルを採用しているのが特徴。

 「アウターリビング」はもはや説明するまでもなく一般化している。読んで字のごとく外部空間をリビングに取り込んだプランだ。つまりリビングと一体利用できる空間のことだ。

 ところが、中央住宅が「アウターリビング」と呼んでいるのは、2階の南側に配した主寝室(8.9畳大)に約30センチの小上がり部分の広さ2畳大強の空間を設置し、さらにその南側の4畳大のウッドデッキ付きのバルコニーと一体利用できるようにしているものだ。

 小上がり部分の天井や壁には同社オリジナルの無垢の「デザインウォール」を採用している。

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 これを見てなかなかやるなと思った。リビングと一体のアウターリビングはたくさん見学してきたが、2階の主寝室-小上がり-バルコニーと一体利用できる大空間を演出しているのは初めてだ。

 小上がり部分で昼寝をするのも読書をするのも、また趣味の作業場とするのもよい。バルコニーも広いので日向ぼっこをしたりタバコを吸ったりするのにもいい。

 問題は、「アウターリビング」などと手垢のついた文言でしか表現できていないことだ。様々な用途に利用できるこの空間を的確に表す言葉を考えるべきだろう。夫婦仲がよくなる〝和合の間〟では古臭いが、とにかくそのような意味を込めたネーミングを考案してほしい。些細なことだが、小上がり部分の天井に物干しポールをつけているのはいかがなものか。夫、又は妻の下着をぶら下げてどうする。せっかくの雰囲気が台無しになる。

 もう一つ。せっかくの大空間なのだから、ミニキッチンを設けてはどうか。隣のトイレから水をくむのはためらわれるはずだ。

 ついでにもう一つ。同社の戸建てだけではないが、2階のバルコニーに出るには掃き出し窓をまたがなければならない(大和ハウスのxevoΣフラット)。

 これは品確法や瑕疵担保保険の施工基準で床から12センチ立上りまで防水面を施すことが求められているからだが、これはバルコニーの床面をそれだけ下げれば解決するはず。

 そうすれば階下の天井高に影響を及ぼし、さらにコスト高につながるのを承知の上でフラットにすることを提案したい。ポラスグループはもともと1階リビング天井高2.7mを標準化しているではないか。2階のバルコニーがみんなフラットになったら、居住性がはるかに高まるはずだ。

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バルコニーにウッドデッキを敷きサッシとの段差を解消している

ポラス 敷地延長を逆手に取った斬新プラン「マインドスクェア南大泉Ⅰ」に採用(2017/9/11)

 大京グループは9月27日、健康経営の一環として喫煙を10月1日から終日全面禁止すると発表した。対象はグループの全400拠点の事業所で、対象者は1万人を突破するとみられる。全社員の健康維持・増進と受動喫煙の抑制が目的。

 喫煙全面禁止措置について、同社プレス・リリースでは「たばこに含まれる有害物質は、がん・脳卒中・心筋梗塞や呼吸器疾患などにかかるリスクを高めます。 また、受動喫煙による年間死亡者数は推定約1万5,000人(厚労省の報告書)とされ、健康被害は喫煙者同様に深刻な状況にあります。

 2020年にオリンピック・パラリンピックを控える日本は、世界保健機関(WHO)と国際オリンピック委員会(IOC)が共同で推進する『たばこのないオリンピック』に向け、受動喫煙防止対策の強化が求められています」とその背景について記している。

 同社は2014年から「予防」をテーマとした大京健康プログラム「Daikyo Health Program (DHP)」を導入しており、そのプログラムの一つとして「禁煙対策」に取り組んできた。

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 記者は喫煙者(1日15本くらい。昔は3箱)だ。1時間に1本くらい吸う。事務所で書いた原稿をコピーし、喫煙室に下りて行ってタバコを吸いながら校閲などを行う。喫煙は記事を書くリズムだし、歌唱・水泳でいえば息継ぎだ。何よりも文化、基本的人権の問題だ。

 なので、こうした規制(言い過ぎか、措置が適当か)には反対だ。とはいえ、喫煙・受動喫煙の発がんリスクは否定しない。厚労省が「受動喫煙は『迷惑』や『気配り、思いやり』の問題ではなく、『健康被害』『他者危害』の問題である」「(受動喫煙防止は)事業者の努力義務ではなく、義務とすべきである」というのも理解はする。

 しかし、発がんリスクは主に疫学的な研究から問題視されており、そもそも閾値など存在しない。百歩譲って、国がそこまでわれわれの健康を心配してくれるのなら、食品添加物、糖類・塩分の摂取に対する規制、メタボ対策などを強化すべきだろうし、劣悪な労働環境の改善に強権を発動すべきだ。

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「グレーシアタワーズ海老名」

 相鉄不動産(事業比率50%)・伊藤忠都市開発(同30%)・鹿島建設(同20%)3社JVマンション「グレーシアタワーズ海老名」を見学した。「ららぽーと海老名」に隣接する鹿島施工の免震25階建てツインタワー477戸。エリア全体で約2,000戸が供給される注目物件の一つだ。

 物件は、相鉄本線・小田急小田原線海老名駅から徒歩5分、海老名市扇町に位置する25階建てツインタワー全477戸(イースト棟239戸、ウエスト棟238戸)。専有面積は56.95~107.29㎡、価格は未定だが、坪単価は240万円くらいになる模様。竣工予定はイースト棟が平成31年5月下旬、ウエスト棟が32年1月下旬。販売代理は野村不動産アーバンネット、伊藤忠ハウジング、相鉄不動産販売。設計・施工は鹿島建設。販売開始は10月下旬。

 現地は「ららぽーと海老名」に隣接。このエリアでは、このマンションのほか、小田急不動産がメインのタワーマンション3棟約900戸を駅前で予定しており、サンケイビル他「海老名 ザ・レジデンス」(412戸)、三井不動産レジデンシャル「パークホームズ海老名フォレストプレミア」(84戸)などトータルで約2,000戸が分譲される激戦区。

 建物は鹿島の免震構造と柱・梁型の突出が少ないダブルチューブ構法が最大の特徴。天井高2600ミリ、サッシ高2170ミリ、シーザーストーンのキッチンカウンター、良水工房、ミストサウナ、食洗機などが標準装備。最上階はプレミアム仕様で、天井高は2750ミリ、オーダーメイド。

 8月に行われたプロジェクト発表会には約300組が参加しており、ユーザーの関心は高い。

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スカイラウンジ

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 坪単価は想定通りだった。今年6月、「海老名 ザ・レジデンス」の記事を書いたとき、相鉄のマンションは坪230~250万円くらいと予想した。ちょうどその中間に落ち着きそうだ。ということは、10月末にモデルルームがオープンする予定の小田急不動産のマンションは駅に近接している分価格は高くなり、坪単価は250万円くらいになるはずだ。

 駅からややあるサンケイビルや三井不動産レジデンシャルの物件は単価も異なるので競合はしないが、ユーザーにとって小田急か相鉄かの選択は悩ましい。双方を見比べて決断することになるはずだ。

 小田急のモデルルームがオープンしたら見学して、改めてこの海老名のマンションについて触れたい。

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イーストラウンジ

海老名でマンション5物件2,000戸 先陣切るサンケイビル・名鉄不 約半分が供給済み(2017/6/6)

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影絵メイン装飾設置イメージ(北面)

 近鉄不動産は10月5日(木)~11月19日(木)、「あべのハルカス美術館」の「大英博物館国際共同プロジェクト北斎–富士を超えてー」展との連動企画「天空の影絵~北斎の世界~」をあべのハルカス展望台「ハルカス300」で実施する。

 影絵作家河野里美氏が北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」をモチーフに制作した巨大影絵を設置するほか、同氏によるハロウィンの要素も組み込んだ「行燈」の設置、北斎の「赤富士」をイメージした「赤富士の淡路牛すき鍋」などの飲食を提供する。

 「すき鍋」セットは、飲み放題で料金は大人5,500円(消費税込、展望台入場料金含む)。予約はWeb予約(https://yoyaku.toreta.in/skygarden300/)。予約受付は10月1日から、30日後まで予約可能。利用時間は平日15:00~、土日祝は11:30~22:00分まで(2時間制)。

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「赤富士の淡路牛すき鍋」

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 さすが大阪のデベロッパー。北斎と食を結びつけるアイデアがすごい。いい企画だ。影絵は写真から判断して高さは3mくらいありそうだ。大英博物館に所蔵されている実際の「赤富士」も美術館で鑑賞できる。牛すき鍋も飲み放題で税込みで5,500円というから安い。

 実は、同社から4日に行う報道関係者向け事前体験取材(日本酒も飲めそう)の案内が届いている。食い意地が張る記者はいっぱいいそうだから殺到するかも。記者はそんな厚かましい取材はできない。

 いま東京国立博物館で「運慶展」が行われており、大変な人気だそうだ。運慶を拝み、飲み放題の食事ができるイベントを行ったら、申し込みが殺到しさばけなくなる事態になるはずだ。首都圏のデベロッパーはそんな企画をしないか。

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「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(同社プレスリリースから)

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「富嶽三十六景 凱風快晴」(赤富士)

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「赤坂インターシティAIR」

 新日鉄興和不動産は9月26日、事業協力者及び参加組合員として建設を進めていた複合大規模施設「赤坂インターシティAIR」(赤坂一丁目地区第一種市街地再開発事業、施行者:赤坂一丁目地区市街地再開発組合)が竣工したのに伴いプレス説明会・内覧会を行った。

 施設は、東京メトロ銀座線・南北線溜池山王駅直結(14番出口)、港区赤坂一丁目に位置する敷地面積16,088㎡、制振構造の地下3階地上38階建て延べ床面積178,328㎡。用途はオフィスのほか共同住宅、会議施設、店舗、託児施設など。設計・監理は日本設計。施工は大林組。グランドオープンは9月29日(金)。

 緑化率50%以上に当たる5,000㎡超の緑地を整備。建物を六本木通り沿いに寄せることで、敷地中央に大規模な緑地空間を生み出し、環状二号線に続く約850mの緑道を整備する「赤坂・虎ノ門緑道構想」に基づき、西側の拠点として約200mの街路樹空間を整備。虎ノ門に続く緑豊かな歩行者ネットワークを形成する。

 オフィスはほぼ満室で稼働。入居検討テナントの43%はアメリカを中心とする外資系で、業種ではIT・通信が41%を占め、金融・保険、化学・製薬などが続く。

 5階から12階に併設される住宅「赤坂AIRレジデンス」52戸は主に地権者用住居に充てられ、第三者に分譲することは禁止されている。

 説明会で同社代表取締役社長は「赤坂・虎ノ門エリアの新たなランドマークとして、世界から選ばれる国際都市東京の顔にする」と語った。2018年春には当ビルに本社を移転することも明かした。

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永井社長

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水景

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ベンチ

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2012年(左)と現在の空撮

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 取材のため施設に着いたのが午後12時30分過ぎ。プレス説明会・内覧会の開始時間1時にまだ少し時間があったので、地下1階の店舗をのぞくことにした。すぐ目に飛び込んできたのは、「鶏の西川 創業1949年」の看板が掛かった店だった。見事な組子が施されていたからだ。てっきりこけおどしのケミカル製品だと思ったが本物だった。創業1949年といえば記者と〝同級生〟だし、「宮川」は四万十川よりきれいなわが故郷三重に流れる川だ。

 これだけで感動したのだが、これは序章に過ぎなかった。説明会場の天井高4.8mのコンファレンスホール「the AIR」に入ったとき、大好きなヘンデル「水上の音楽」などをアレンジした「Handel Collection」がBGMに流れていた。この演出に舞い上がった。これが第2楽章か。

 そして第3楽章は、同社社長・永井幹人氏の挨拶だ。「事業規模は一挙に倍増した」と永井社長は5年前の新日鉄都市開発と興和不動産の経営統合から語り始め、その後の事業展開や今後の方針などを宮川のようによどみなく語った。

 この地が、霞が関-六本木-新橋のトライアングルの結節点であり、再開発計画が目白押しの国際性、多様性に富んだ港区の「大街区」(75ha)の北側玄関口に位置し、また同社ビル事業発祥の地「赤坂一丁目」であることから「思い入れの強い土地」であることを強調。非常時には200時間の電力供給が可能であるBCPをはじめ、国内トップクラスのエネルギー・環境への取り組み、1フロア800坪のオフィス、隣接する虎ノ門病院と連携した人間ドックとクリニックの併設、5,000㎡の緑空間の創出などについて説明し、「厳しい外資系の目にかなうものにした結果、極めて高い評価を得てほぼ満室稼働でスタートすることができた。今後も関係者と連携して赤坂を国際都市東京の顔にしていく」と力を込めた。

 ここまでの取材でもう満腹だったのだが、第4楽章は何と2時から4時までの内覧フルコース。4階のプレゼンルームからスタートし、3階の「ロウリーズ・ザ・プライムリブ&フランクバー」、2階・1階の緑地、10か所以上のレストラン・カフェ・ビアパブなどを回った。一つひとつ紹介すると日が暮れるので省略する。

 取材を終え事務所に帰ったのが5時。この日は午前10時から三井不動産の「ホテル ザ セレスティン銀座」の取材があり、7時間も動き放しだった。この間、三井のホテルで「GINZA CASITA」の山田志樹社長から直々にアイスコーヒーを頂き、「赤坂インターシティ」では160年の歴史があるローマの「ボンドルフィボンカフェ」で250円のエスプレッソを飲ませてもらい、「THE ARTISAN TABLE・DEAN&DELUCA」ではほんのひと切れのシイタケのコンフィを試食させていただき、「COURTESY」でアイスティのもてなしを受けた以外なにも口にしなかった。万歩計は1万歩を超えていた。(RBA野球の取材のときは食事抜きで2万歩歩くが)一挙に疲れと空腹感が襲ってきた。

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「ロウリーズ・ザ・プライムリブ&フランクバー」

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「COURTESY」

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「鶏の宮川」(写真は三代目社長・星英次氏)

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 最近では皇居に隣接する三菱地所「大手町パークビル」、日比谷公園が目の前の東急不動産「日比谷パークフロント」にも驚いたが、「赤坂インターシティAIR」はいろいろな切り口で〝料理〟(記事化)できる、それこそ十人十色に映るわくわくする複合施設だ。記憶にとどめるためにも強い印象を受けたことを改めて書く。

 第一は圧倒的な緑の量と質だ。量的には「新梅田シティ」の約8,000㎡の「里山」にかなわないが、約3,500㎡の「大手町の森」(オーテモリ)、約3,000㎡の「大手町パークビル」と「大手門タワー・JX ビル」のコミュニティ広場より広い。

 その質がまたすごい。約200mの街路樹空間を創り出し、水景も配置。樹木は極力自然に近い形で植樹している。これを虎ノ門方面に続く850mの緑のネットワークとして構築するという。

 第二は、オフィスもさることながら店舗の内装・デザインが桁外れの本物志向(味はしらない)であることだ。「鶏の西川」の軒先に組子が用いられていることは先に書いたが、同じ地階にある「もつ鍋やまや」もまた内装材はすべて本物のスギ材だったし、内覧で回った10以上のレストランのカウンターなどはほとんどすべて大理石。壁などにも無垢材が多用されていた。

 「ロウリーズ・ザ・プライムリブ&フランクバー」は天井高が5m。ホテルの宴会場かレストランに似ているが、少人数掛けのテーブルのほか20人くらいが座れる大テーブルがどんと据えられていたのには度肝を抜かされた。アートや個室の設え、照明計画もまた印象的だ。日本人が利用するにはかなり勇気がいりそうで、お金もそうだが気が小さい記者などは足がすくむ。

 第三は、BCPやエネルギー・環境の取り組みだ。非常時200時間の電源確保など聞いたことがない。環境性能評価「CASBEE」、東京都エネルギー性能評価制度、DBJ GREEN Building認証などはすべて最高ランクを取得し、約35%の省エネ効果、CO2約35%削減を実現している。

 永井社長が「赤坂を国際都市東京の顔にしていく」と語ったが、このビルが今後の街づくりのベンチマークになるのではないか。20・21階には同社が入居するが、眼下に首相官邸、国会議事堂、米国大使館が眺望できる。社長室はそれらを眺められる位置には設置しないとも聞いたが、社員の生産性はどれだけアップするのか、これにも期待したい。

 住宅は将来にわたって分譲されることはなさそうだが、記者は借りに分譲されれば坪単価は1,500~2,000万円とはじいた。

 かつて記者は、デベロッパーを超えるのはデベロッパーではなく、異業種だろうと思ったことがある。日鉄ライフが新日鉄の社宅跡地で優れたマンションを分譲したときだった。恐るべし新日鉄興和不動産。

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同社が本社を移す21階(窓の左が虎ノ門ヒルズ、右のクレーンはホテルオークラの建て替え、その右は坪単価500万円で分譲された鹿島の最高峰マンション)

皇居に隣接 三菱地所 最高級Sクラスの「大手町パークビルディング」竣工(2017/2/14)

日比谷公園の緑取り込む 東急不「日比谷パークフロント」竣工 同社の勢いまざまざ(2017/5/26)

 

 

 

 

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「ホテル ザ セレスティン銀座」

 三井不動産と三井不動産ホテルマネジメントは9月26日、滞在そのものが旅の目的となる「デスティネーション型ホテル」を目指す新ホテルブランドの「ホテル ザ セレスティン銀座」を10月5日にオープンすると発表。同日、メディア向けの見学会を行った。

 「ザ セレスティンホテルズ」は、アッパーミドルとラグジュアリーの中間層がメインターゲットで、ブランドコンセプトは①「ローカル エクスペリエンス(Local Experience)-その地域を象徴する文化・歴史性が深いロケーション②「プライベート スタイル(Private Style)-「第2の我が家」のように寛げるプライベート空間の創出③「パーソナライズド ホスピタリティ(Personalized Hospitality)-日本ならではのさりげないおもてなし-の3つ。9月7日に開業した「ホテル ザ セレスティン京都祇園」に続く第2号。

 施設は、JR新橋駅から徒歩3分、中央区銀座8丁目に位置する14階建て全104室。客室はスーペリアダブル(23.5㎡、65室)~セレスティンデラックス(47.5㎡、2室)。設計は日建設計。インテリア設計はHirsch Bedner Associates。敷地は元銀座日航ホテル。

 建物は免震構造で、館内は1階ロビーおよび客室階12層、14階レストランの計14フロアで構成。14階には青山・麻布十番のダイニングレストランCasitaによる「GINZA CASITA」が出店する。

 インテリアは、ロビーに配置された凹凸のあるガラスのアートウォールを中心に、シンプルなデザインの中にも光と影を演出し、上質で落ち着いた空間に仕上げている。天井高はロビーは6.5m、客室は約3.1m(窓側)を確保している。(地区計画で当地の建築物の高さ規制は57m=1層3mとして19階まで)

 アメニティは、ブルガリの最高級シリーズ「オ・パフメ」と資生堂の「ルモンドール」を用意。外国人宿泊者向けに銀座三越と連携したサービスも提供する。

 見学会に臨んだ三井不動産ホテル・リゾート本部ホテル事業部長・鴉田隆司氏は「外国人客数は今後も増加が見込まれるが、多様化しているニーズに応えるために今回、新たに『ザ セレスティンホテルズ』をラインアップに加えた。今後も案件は目白押しで、現在、23施設5,811室を2020年までに1万室にする」と話した。

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スーペリアツイン

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バスルーム

◇       ◆     ◇

 記者は「ホテル ザ セレスティン京都祇園」の記者発表・見学会を取材して次のように書いた。

 「一つだけ気になったのは客室の浴室とトイレだ。コンセプトの一つが〝第2のわが家〟で、スパがあるからいいのかもしれないが浴室は14×16サイズで、トイレは普通のマンションと変わらない。同社の〝パークホームズ〟のほうが豪華だと思った」

 この疑問をストレートに今回の見学会席上でぶつけた。鴉田氏は「おっしゃる通りでして、『京都』は高さ規制(15m)もあり、一番苦労した部分」と話した。

 その後、ホテル見学会が行われた。浴室、トイレも含めしっかりチェックした。「京都」の記事の取り消しはしないが、今回の「銀座」は〝パークホームズ〟レベルをクリアしており、〝パークマンション〟には程遠いが、〝パークタワー〟仕様に近いと判断した。同社の狙いもまさにそこにあるのだろうが、一般的なマンションに住んでいる多くの人はなるほど〝第2のわが家〟だと納得するはずだ。

 ルームチャージはスーペリアツインで2~3万円台だから、これもまたリーズナブルだと思う。ブルガリや資生堂のアメニティの価値は猫に小判、牛乳石鹸とどう違うのかまったくわからないが、水栓はグローエ、随所に御影石が使用されていた。女性客をかなり意識したアメニティだろう。

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ブルガリ「オ・パフメ」

三井不 「ホテル ザ セレスティン京都祇園」開業 〝日本一の朝食〟メニュー(2017/8/29)

三井不動産 宿泊型上級の新ブランドホテル「ザ セレスティンホテルズ」開発・開業(2017/2/3)

 

 

 

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