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 旭化成不動産レジデンスは9月7日~10日、「四谷コーポラス」の建て替えに伴う建築研究を目的とした一般見学会を実施する。

 希望者は旭化成ホームズ広報室(メール)このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。へ。

 参考までに同社提供の写真を添付します。

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旭化成不レジ 民間初の分譲「四谷コーポラス」建て替え説明会・見学会に80名(2017/9/5)

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「シティタワー駒沢大学ステーションコート」完成予想図

 住友不動産が販売を開始した「シティタワー駒沢大学ステーションコート」を見学した。駒沢大学駅から徒歩1分の全156戸で、田園都市線の徒歩1分のマンション供給は実に18振り、北道路で敷地南側は中低層住宅街であることなどから各層から幅広い支持を集め人気となっている。

 物件は、東急田園都市線駒沢大学駅から徒歩1分、世田谷区上馬三丁目に位置する20階建てタワー棟と15階建てレジデンス棟の2棟構成の全156戸。9月末分譲予定の専有面積は54.15~73.36㎡、坪単価は450万円前後。設計・施工は大豊建設。竣工予定は平成30年11月下旬。

 8月から第1期52戸を販売、ほぼ全戸成約の見込み。これまでの問い合わせは約2,500件、来場は約600組。

 第1期は最上階や角住戸など条件のいい住戸が中心だったため、坪単価は460万円だが、今後は坪400万円前半の住戸も供給されるため、全体では坪450万円前後になる模様。

 現地は、敷地北側は首都高速3号渋谷線が走っているが、南側は第1種住居とその先は第一種低層住居専用地域。敷地は日産の店舗・社宅などの跡地。

 建物は道路に面したタワー棟と、住居系に位置するレジデンス棟の2棟構成。タワー棟は内廊下、レジデンス棟は外廊下方式。

 同社は、駅1分の利便性、北道路で南側は住居系エリア、駒沢オリンピック公園へ徒歩7分などが評価され、DINKS、ファミリー、シニア層など幅広い層の支持を得ているという。「この立地なら」という戸建て居住者からの住み替え・買い増し層も目立つという。

◇       ◆     ◇

 まず価格。どんぴしゃりの坪450万円だった。〝高い〟と見る向きも多いかもしれないが、たまプラーザの駅近が坪400万円近くても売れる田園都市線の駅1分で、敷地南側は高い建物が建たない立地は魅力だ。富裕層の住み替え・買い増しが多いのもうなずける。

 競合している「ブリリア代々木公園クラッシィ」は坪520万円だし、これから供給される「パークシティ武蔵小山ザ・タワー」は坪500万円近くになるはずだ。

 設備仕様レベルも水準以上だ。音対策としては遮音性能T-3~T-2相当のサッシュ、防音フード(一部)を採用し、防犯対策としては一部住戸に防犯合わせガラスを採用。天井高は2500~2550ミリ、御影石のキッチンカウンターなど。

 間違いなく来年11月の竣工を待たずに売れると読んだ。

 この「駒沢大学」のほか、恵比寿駅から徒歩7分の総合設計制度の適用を受けた「シティタワー恵比寿」(310戸)のモデルルームも見学した。坪700万円の高額だが、こちらも人気になっている。稿を改める。

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モデルルーム

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「四谷コーポラス」現地

 旭化成不動産レジデンスは9月5日、わが国初の民間分譲マンションといわれている「四谷コーポラス」の建て替え事業説明会と現地見学会を行った。従前建物は築61年で、5階建て全28戸。建て替え後は地下1階地上6階建て全51戸(販売戸数27戸)となる。分譲開始は来春、竣工は2019年夏の予定。

 説明会に臨んだ同社・池谷義明社長は「当社としては29件目の建て替え案件だが、このマンションが竣工した昭和31年8月は私の誕生日と一緒、同級生。縁を感じる。黎明期のマンションの建て替えを担当することは光栄」などと語った。同社は6社の事業者選定コンペで選ばれた。

 建設当時の売主・日本信販の元社員で、四谷コーポラス建替え事業顧問を務めるトウザイコーポレーション・川上龍雄会長は「居住者の横のつながりが強かったのが合意形成できた要因」と話した。

 また、同社の建て替え事業の研究をしているっている関東学院大学・前橋工科大学非常勤講師の志岐祐一氏は「容積率などの緩和を受けられない案件をよくまとめた。川上さんのコンサル力が大きい。さらに、マスコミや一般の方々にきちんと経緯などを伝えることも評価したい」と述べた。

 建物は一般にも公開される。

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池谷氏(左)と島田氏

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西側の外廊下

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西側の庭

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建物東側

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 四谷コーポラス管理組合理事・建替え推進委員会の島田勝八郎氏(71)が、説明会場にたくさん駆け付けていた記者の多さに驚いたのか、「私が小学5年生のとき引っ越してきた。こんなに注目されているマンションであることを初めて知った」と語った。

 記者の数はたしかに普段より多かった。80名くらいいたのではないか。その数に小生も驚いたが、これは〝民間分譲マンション第一号〟の力と旭化成ホームズの〝動員力〟の相乗効果だろう。

 実は、記者はこのマンションについて35年前、昭和57年(1982年)6月24日付「週刊住宅」に全8段の記事を書いている。取材には1週間くらいかけ、7~8人に取材した。古いマンションの耐震性はもちろん間取りの陳腐化、給排水管の劣化が当時としても問題になっており、分譲マンションの将来を占う意味でこの〝民間分譲マンション第一号〟を取り上げたのが取材の狙いだった。管理がしっかりしており、コミュニティが機能していたのもよく覚えている。

 〝 〟書きにしたのは、果たしてこのマンションが本当に第一号かどうか確信できなかったからであり、いまでも自信がない。旭化成ホームズも断定できないようで、プレスリリースには「第一号といわれている」となっている。

 しかし、草分けマンションであるのは間違いないし、建て替えて再生されるのはとてもうれしい。敷地形状などから判断して建て替えは難しいだろうと当時も考えた。

 さて、建て替えられたらいくらになるかだ。同社開発営業本部第二営業部・花房奈々氏は「価格は未定。周辺相場くらいで売りたい」と明言を避けた。

 しかし、この〝周辺相場〟が曲者だ。周辺に競合する物件は皆無だからだ。強いてあげれば、ここ1~2年、四谷駅圏で分譲されたマンションは坪600~650万円。〝民間分譲マンション第一号の建て替え〟という全国から注目されるはずの価値・訴求力も加味し、さらに周囲の環境(再開発エリアに近接しているが)、敷地形状などを考慮してアッパーで坪570万円、ボトムで坪520万円と予想する。あまり自信はない。いまの建物から建て替えマンションに意匠などとして残せるものはまずない。ずっと記憶に残るようなデザインを期待したい。

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メディア関係者でいっぱいに埋まった説明会場(新宿歴史博物館)

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 現況の建物も見た。当時としては最先端の斬新なプラン、デザインであったことは容易に想像がつくが、よくもここまで住んでこられたものだと感嘆した。   

 生ごみ水切りや米びつがあったのにはびっくりした。東側窓に取り付けられていた木製の格子デザインの網戸もなかなかよかったし、薄っぺらな鋼材ではあったが、玄関周りのブルーのデザインもおしゃれだった。

 それにしても、居住者のみなさんはお金持ちだったはずで、とっくに売り払うかどこかに引っ越されていると思ったが、2世、3世の方も結構いらっしゃるとか。再取得率が9割に達するという、これまた稀有なマンションだ。現居住者の半数以上が60代以上。法人所有は4名。

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キッチン(給湯器は後付けだろうが、奥に生ごみの水切りがある)

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東側の居室(板の間があり、外には木製の格子付き網戸)

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和室

旭化成不動産レジ わが国初の民間マンション「四谷コーポラス」建て替えへ(2017/5/30)

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昭和57年(1982年)6月24日付「週刊住宅」

 

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「東京ミッドタウン日比谷」

 三井不動産は9月4日、千代田区有楽町一丁目で開発を進めている複合開発「(仮称)新日比谷プロジェクト」の名称を「東京ミッドタウン日比谷」に決定したと発表した。

 「東京ミッドタウン日比谷」は、地上35階地下4階建て、延床面積約189,000㎡のオフィス・商業などから構成される大規模複合開発。日比谷公園を眼下に望むオフィスフロアは9・10階のロビー階から11~34階に位置。6階にはベンチャー企業や大企業、多種多様な人材が集結したコミュニティ拠点「(仮称)日比谷ビジネス連携拠点」を設置するほか、シネマコンプレックス「TOHOシネマズ日比谷」など全60店舗(店舗面積約18,000㎡)が地下1階から地上7階に出店する。開業は2018年3月29日。

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「(仮称)50 ハドソンヤード」

 三井不動産は9月1日、米国子会社「Mitsui Fudosan America, Inc.(三井不動産アメリカ)」を通じて、ニューヨークマンハッタンにおいて過去最大の複合開発「(仮称)50 ハドソンヤード」の開発事業に参画すると発表した。

 建物は地上58階地下3階建て、延床面積約260,000㎡で、単体オフィスビルとしてマンハッタン最大級の規模。総事業費は4,000 億円超(1ドル=112 円)。同社の事業シェアは9割。竣工は2022年の予定。同社がハドソンヤード内で開発中の「(仮称)55ハドソンヤード」に続くグローバルポートフォリオにおける旗艦物件。

  「ハドソンヤード」は、合計約11haの開発敷地をもつ大規模再開発プロジェクト。5棟のオフィスビル、高級百貨店ニーマンマーカスがマンハッタンに初出店する商業施設、約2,000戸の高層分譲および賃貸住宅、200室以上の高級ホテル、文化施設、学校などによるミクストユース型の開発。

 再開発は、全米有数のデベロッパー「Related Companies(リレイテッド)」およびカナ最大の機関投資家の一つである不動産投資会社・デベロッパー「Oxford Properties Group(オックスフォード」が開発を主導している。

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「ハドソンヤード」

 リンナイが首都圏在住の約1,900名を対象に行った「キッチンスペースに関する意識調査」結果をまとめ発表。現在のキッチンに満足している人は半数に満たないことが分かった。

 現在のキッチンスタイルは、「独立型」が38.9%でもっとも多く、「オープン型」30.5%、「カウンター型」26.5%、「アイランド型」1.6%の順。

 現在のキッチンの満足度は、「そう思う」12.8%、「ややそう思う」32.7%と満足している人は半数に満たないことがわかった。

 キッチンを他人に見せることができるかどうかについては、「そう思う」13.7%、「ややそう思う」26.3%となり、他人に見せることができる人は4割しかいないことがわかった。

 住宅を購入・リフォームする際にキッチンにこだわりたいかどうかについては、「そう思う」44.7%、「ややそう思う」35.9%で約8割に達した。

 その際、重視するのは「使い勝手(便利な機能)」87.4%、「お手入れ・掃除のしやすさ」73.5%、「収納性」70.9%など。デザインについては、「シンプル」71.1%、「清潔感がある」66.8%となった。

 理想のキッチンスタイルは「カウンター型」35.0%「アイランド型」25.7%と対面キッチンが多数を占めた。

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 調査対象者の属性がいま一つよくわからないが、わが家のキッチンに満足している人は過半に達せず、理想のキッチンスタイルにほど遠いことが分かった。

 分譲マンションについていえば当然の結果だ。調査では不満の理由について聞いていないが、「他の家庭のキッチンを見たとき目についてしまう箇所」でもっとも多いのが「間取り・広さ」47%であることからも、広さに問題があることが推測される。現在、ファミリーマンションのキッチンの広さはせいぜい3.5畳大だ。記者の〝主夫〟の経験からいってもこれは狭い。4.5畳大はほしい。プロの料理家に聞いたことがあるが、理想は6畳大だった。

 理想のキッチンはカウンター型、アイランド型が多数を占めたが、個人的には独立型がいちばんいいと思う。料理に集中したら、子どもや家族と会話しながらなどというのはまず無理。火加減、味付けがおろそかになる。手を切る可能性もある。オープン型、カウンター型、アイランド型は水や油が飛び散り、掃除が大変だと思うし、あちこちに調理器、具材、ごみなどが散らかっているのをどう始末するのか。

 さらに言えば、ガスとIHの両方が使えるハイブリッド型がいいと思うが、どこも積極的に提案しない(リンナイが最初に提案したのではなかったか)。家庭料理の定番であるチャーハン、野菜炒めなどは絶対ガスがいい。

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「イニシア志木」完成予想図

 コスモスイニシアが9月上旬に分譲する「イニシア志木」を見学した。同社がプレスリリースした、「Soup Stock Tokyo」を展開するスマイルズとのコラボも面白いが、意欲的なプランに記者は注目した。

 物件は、東武東上線志木駅から徒歩3分、志木市幸町1丁目に位置する7階建て全43戸。専有面積は70.40~80.80㎡、予定坪単価は244万円。竣工予定は平成30年1月中旬。施工は新三平建設。

 現地は二方道路の角地。住戸プランは、全戸70㎡超で、南東(43戸中34戸)向きと南西(43戸中9戸)向き。スマイルズとコラボレーションし、「おいしい志木の家」を提案しているのが特徴。

 プロジェクトマネージャーの同社分譲事業部分譲一部二課・藤井奈津美さんは、「利便性がよく、価格も〝妥当〟とお客さまの評価が高い。和光市は価格が高く、朝霞は駅近がないし急行が止まらない、朝霞台は商業施設が乏しいという意見が多い」と販売に自信を見せていた。第1期は3~4割供給する見込み。

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 「おいしい志木の家」について。スマイルズが展開している「Soup Stock Tokyo」はよく利用する(女性が多いというより、カロリーを抑えるため)。全てではないが、店舗デザインに本物の木を採用しており、コスモスイニシアのマンションとは親和性もある。

 モデルルームに水道・電気・ガスを実装して、実際の生活シーンを体感・体験出来るワークショップを開催するというのが面白い。

 しかし、それより記者が注目したのは、ショートスパン・専有圧縮の流れに一石を投じるプランだ。面積自体は70㎡台前半の3LDKが中心で、平凡な田の字型プランに見えるが、ほとんどの住戸のスパンは6400ミリ。平凡なプランから20~40ミリ広げることでいかに心地よい空間をつくれるかを示している。

 もっともその効果が表れているのは玄関・廊下スペースだ。奥行きは4000ミリくらいしかないが、幅は1400ミリある。広々とした空間を生み出し、しかも配管を隣接住戸との壁際に寄せることで天井高も2400ミリ確保している。一言でいえば〝魅せる玄関〟の提案だ(これに近いプランは「イニシア笹塚」でも見られた)。

 ランドスケープデザインもいい。敷地はもともと邸宅があったところのようで、道路に面したところには植栽を施し、コブシをシンボルツリーとして植える計画だ。外観は白とレンガ調のタイル。

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70㎡台のプラン

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 販売事務所でいきなり広報担当のAさんから「おめでとうございます」と声をかけられた。お互い西武ファンであることにすぐ気が付いた。前回の「イニシア松陰神社前」は西武が59年振りに球団連勝記録を塗り替えた直後で、今回は楽天を引きずり降ろし、2位に躍進した翌日だった。Aさんは勝利の女神か。

 同社のマンションは年間5~6物件見学している。〝当たりはずれ〟がない。記者にとって貴重なデベロッパーの一社だ。パンフレットにも出ている藤井さんは将来の同社を背負って立つはずだ。

地主の意向を反映 古民家の緑を残す 月内完売したコスモスイニシア「松陰神社前」(2017/8/8)

 東急リバブルは8月30日、マンション空き家の売却を検討する売主向けサービス「アクティブ売却パッケージ」を9月8日から開始すると発表した。

 築年数の経過などにより設備の交換を必要とし、ホームステージングによる家具などの演出だけでは買主の印象をよくすることが難しい空き家のマンションに対して、売主が初期費用の持ち出しをせずに同社サービス「あんしんリフォームセレクト」のフルパッケージを活用して売却できるサービス。リフォーム後の室内に家具やカーテンなどで装飾する「ルームデコレーション」のサービスも一体となるため、物件の魅力を最大限に高めた販売活動ができる。

 一定期間内にリフォームした物件が売れない場合は、同社の「売却保証」により「査定価格+リフォーム費用」の100%を保証し、売主がリフォーム費用の投資リスクを抱えないようにする。

 適用要件は、①駅徒歩10分以内②昭和58年1月築以降(新耐震基準)③専有面積50㎡以上④査定価格2,500万円以上6,000万円未満。

 

 

 「週刊住宅」が復刊した。送られてきた8ページ建ての8月29日号に一通り目を通した。1面で不動産流通マーケット、最終面で民泊の記事が大きく扱わられ、週刊住宅の元編集長でハウジングライターの藤原利彦氏と住宅ジャーナリスト・櫻井幸彦氏のコラムが復活した。全体として記事内容は従来の同紙とそれほど変わらない印象を受けた。記事下広告は東急不動産、ポラス、積水ハウスの3社。

 業界紙のあり方については、東急不動産HD・金指潔会長の「このままでは生き残れない業界紙」の発言をきっかけに10回くらい書いてきたので省略するが、逆風荒波に抗して再出発した同紙にエールを送りたい。

 とはいえ、同紙が直面する課題について触れざるを得ない。

 今週の住宅新報は全14ページ。週刊住宅は8ページ。購読料はどうか。新報は年間換算で税込み16,458円、週刊住宅は19,980円。比較を容易にするたる1ページに換算すると新報は1,175円、週刊住宅は2,497円。さらに年間50回発行として1日1ページ当たり単価は新報が23.5円、週刊住宅が49.9円。

 双方ともあまりにも単価が安いのに驚く。広告収入が多ければいいのだが、双方ともいわゆる〝自社広告〟のほうが多い。金指氏が「生き残れない」と話したのもこの数字が裏付けている。野垂れ死にするのは必定だ。

 紙面の量・金額では倍以上の開きがある。週刊住宅は1ページ23.5円の新聞と同じものを作って生きていけるはずがない。新報に絶対に勝てないことがわかる。

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 どうすればいいか、そのヒントを8月29日付の住宅新報が示している。

 同紙元編集長・本多信博氏の署名記事「庶事万感」の中で、リノベーション住宅推進協議会の内山博文氏が「一つは業界の常識を疑うこと。業界の習慣に捉われると柔軟なコンサルができなくなる。もう一つは、未来に思いを馳せて、未来はこうあるべきだから、法律はこう変えていくべきではないかという〝逆算発想〟ができること。今はこういう規制があるから、このようにしかできませんということでは、世の中を変えていく力にはならない」と語っている。

 内山氏は、リノべるホームページでも次のように語っている。

 「今までの既成概念を一旦崩して考えることができるかどうか。自分の専門領域や価値観を崩せない人だとなかなか難しいかもしれませんが、いまの世の中と照らし合わせて自分がいま何をやるべきか、何ができるかを考えることのできる設計者・デザイナーなら、決して難しくないと思います」

◇      ◆     ◇

 〝常識を疑え〟-これはジャーナリズムの基本でもある。意図したものではないだろうが、今週号の新報も内山氏を介して週刊住宅にエールを送っている。新報と同じ土俵で戦わない-ここに生きる道があると見ている。

 小生からもヒントを一つ。記者は小さいころからあまのじゃくで、人が右を向けば左を向いていた。席は一番後ろに座り、先生の話より友だちの反応を観察するほうだった。いたずらばかりするので、廊下に立たされ、教壇の真ん前に座らされたこともあった。

 この性格はいまもあまり変わらない。他人が書いた恋文(プレスリリース)を引き写して恋人(読者)に渡すほうが誤報より罪が重い。〝記事はラブレター〟と、好きな人が読んでくれればいいという居直りともいえる心境に達するまで10年かかった。自分の物差しでしか人は物事を測れない。その見る目を養うのもまたものを見ること以外ない。

 頑張れ週刊住宅!新報と同じ土俵で戦うな!

「週刊住宅」が復刊 元社員らが「株式会社週刊住宅タイムズ」設立、発行へ(2017/8/10)

「このままでは生き残れない業界紙」 東急不動産HD・金指潔会長が苦言(2017/3/9)

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「ホテル ザ セレスティン京都祇園」

 三井不動産は8月29日、滞在そのものが旅の目的となる「デスティネーション型ホテル」を目指す新ホテルブランド「ザ セレスティンホテルズ」の第一号店「ホテル ザ セレスティン京都祇園」を9月7日(木)に開業すると発表した。開業に先駆け同日、プレス説明会&見学会を行った。

 「ホテル ザ セレスティン京都祇園」は、京都東山エリア・八坂通に面し、京都五山の一つ建仁寺に近接。祇園・清水寺・八坂神社・鴨川なども徒歩圏。敷地はNTT西日本ビル跡地で、NTT西日本アセット・プランニングが建物を建築。三井不動産が賃借し、三井不動産ホテルマネジメントが運営する。

 建物は地下1階地上5階建て、延べ床面積7,956㎡。客室は約30~35㎡のスーペリアツイン(120室)中心に約26~66㎡まで157室。

 「東山悠遠(ひがしやまゆうえん)の邸」が開発コンセプトで、地下1階のロビー階にはスパ(大浴場)、レストランが、エントランス階にはゲスト専用ラウンジおよび「BAR 近江栄(おうみえ)」を設置。レストランは京都の老舗天ぷら店「八坂圓堂(やさかえんどう)」の新店が出店する。

 客室は日本の伝統様式や京の歴史・風景を現代に置き換えてデザインし、靴を脱いで寛ぐスタイルを採用。「東山」「八坂」を冠したデラックスタイプのコンセプトルームも用意する。チェックインは、着物姿のスタッフが出迎え、ロビーのソファに座ったままチェックインできる「シッティングチェックイン」を取り入れている。

 プレス説明会に臨んだ三井不動産ホテル・リゾート本部ホテル事業部 事業グループ長・小田祐氏は、「訪日外国人は今後も増加が見込まれ、ニーズも多様化している。『ザ セレスティン』は、当社が誘致したリッツ・カールトン(東京ミッドタウンやフォーシーズンズ(OH-1計画)のラグジュアリーと宿泊特化型・アッパーミドルの中間ハイグレード層がターゲット。焦らず運営していく」と話した。

 また、圓堂代表取締役・遠藤弘一氏は「一年半かけ〝日本一の朝食〟を作り上げた。夕食はビバリーヒルズ店の人気メニューになっている天ぷら料理や京懐石も用意する」と語った。

 今回のホテルの開業により、同社の京都エリアは、既存のアッパーミドルクラスの宿泊主体型ホテルである「三井ガーデンホテル京都新町 別邸」、「三井ガーデンホテル京都三条」、「三井ガーデンホテル京都四条」の3ホテルとともに4ホテル733室を運営することとなる。

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エントランス

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左からプレス説明会に出席した三井不動産ホテルマネジメント社長・足立充氏、遠藤氏、同ホテル総支配人・柴田律幸氏、小田氏

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 もっとも驚いたのは遠藤氏が話した〝日本一の朝食〟メニューだ。2017年9月7日~2018年3月31日までの期間限定だが、〝日本一の朝食〟付きのスーペリアツインが13,715円(一人)で泊まれる。これはインパクトがある。

 外国人のニーズはわからないが、主要なターゲットであるアクティブシニアや女性ペアには間違いなく受けると見た。スパは同時に10名くらいが入れるのではないか。外観デザイン、2層吹き抜けのロビー空間、客室のアメニティ、寝具などもいい。

 一つだけ気になったのは客室の浴室とトイレだ。コンセプトの一つが〝第2のわが家〟で、スパがあるからいいのかもしれないが浴室は14×16サイズで、トイレは普通のマンションと変わらない。同社の〝パークホームズ〟のほうが豪華だと思った。

 しかし、そんなあら捜しを吹き飛ばす同社と遠藤氏の意気込みがよく伝わってきた説明会・内覧会だった。〝日本一のホスピタリティ〟を目指してほしい。是非ともここに泊まって日本一の朝食を食べようと思う。圓堂には澤田ふじ子「高瀬川女船歌」(1~9)にたくさん出てくる「泥鰌の蒲焼」メニューはないのだろうか。

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客室 デラックスツイン

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吹き抜けロビー

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スパ

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建仁寺

三井不動産 宿泊型上級の新ブランドホテル「ザ セレスティンホテルズ」開発・開業(2017/2/3)

 

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