大和ハウス 天井高+スペックで№1目指す 天井高3mの防音室付きモデルハウス開設
「平沼xevoΣ展示場」
大和ハウス工業は9月23日、日本最多棟数を誇る住宅展示場「tvk ハウジングプラザ横浜」に天井高3.08mの同社オリジナル「防音シアタールーム」付きモデルハウス「平沼xevoΣ展示場」をオープンする。21日、メディア向けに披露された。
「防音シアタールーム」は、二重窓・二重ドアを採用した約13.4畳大の広さ。天井高3.08mは、基礎断熱工法を採用し、リビング・ホールの床面より36センチ低くして実現した。同社は昨年、新築とリフォームで約300棟の防音室を受注しており、業界トップのヤマハについで2位という。
見学会で商品企画について説明した同社住宅事業推進部商品開発部長・藤原 陽介氏は、「リビング天井高2.72mは4年前にオプションとして導入し、昨年に標準化したが、いまでは採用率は75%を超えている。今回は36㎝床面を下げることでシアタールームを3.08mにした。ドア高も2.72mとし、サッシ高も上下2つのサッシを組み合わせて大開口とした。防音室は、従来の〝狭くて暗く(価格が)高い〟イメージを払しょくする〝広くて明るく求めやすい〟を実現した」と話した。
また、同社横浜支社住宅事業部長・金田健也氏は、「今後はxevoΣなどの中高級の拡大と非住宅の拡販に力を入れて、戸建てでシェア№1を目指す。一棟単価は2年前と比べ約1,000万円高い約4.800万円に上昇した。天井高はモノサシの戦い。必ず他社が追いついてくる。スペック、コンサル営業に力を入れることがシェア№1を達成する唯一の方法」などと語った。
リビング
天井高の違いを示すシール
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ご存知のようにtvk ハウジングプラザ横浜は45社が出展する日本最大の住宅展示場だ。様式も和、洋、折衷、多国籍、無国籍何でもありで、形状もまるでルービックキューブ、レゴのようで、色彩といえば万国旗、満艦飾そのものだ。住宅展示場の集客力が落ちてきており、派手さで他社を出し抜こうという浅はかな狙いはエスカレートする一方だ。記者は訪れるたびに歌舞伎町の歓楽街(キャッチバーに捕まり多額ではないが少額でもないお金を払ったことがあり、それ以来足を向けない)や雄琴の温泉街(車中から眺めただけで行ったことはない)を思い出す。歩くのも恥ずかしくなるほどだ。だから住宅展示場は好きになれない。
取材を終え、このように考えながら歩いていたら、「牧田さん」と後ろから声を掛けられた。客引きではないかとビクッとして振り向くと、何と先日のRBA野球大会で決勝トーナメント進出を決めたS林業のYさんで、名字はまたかの遊郭街として知られたYと一緒。
馬鹿なことを考えていたからだろうが、グラウンドでのユニフォーム姿とは全く異なるYさんの美男子ぶりに記者は惚れ惚れした。毎年1,000名くらい参加するRBA選手とは比較にならないほど凛々しい。眉目秀麗とはこのYさんのような男のことを言う。プロ野球でいえば西武・金子クラスだ。Yさんのすごいのは、野球ができるということにとどまらない。本業でも同社の全国ベスト3に入る営業マンだと同僚から聞いている。(大和ハウスさんももっと野球に力を入れてほしい。ハウスメーカーではS林業にもSハウス、Aホームズ、Mホームなどに全然歯が立たない)
冗談はここまで。「平沼xevoΣ展示場」の外観はとてもいい。「えっ、このモデルハウスはS不動産の外観と〝そっくり〟じゃないの」これが記者の第一印象だった。ブラウン・セピア色の彫の深い軒先が特徴だ。
記者は木造ファンなのでここの展示場で一番好きなのはMホームの丸窓付きで、あとは機能性も加味してS不動産、Sハウス(2社とも)、S林業、I工務店などだ。地元密着で展開するN社も応援したい。それらと比べても今回のモデルハウスは引けを取らない。端正な姿が美しい。
そして最大の売りの一つであるリビング天井高2.720+80=2,800ミリだ。記者は結構これくらいの天井高を確保したマンション、戸建てを見学しており驚かないのだが、一般的な2,400~2,500ミリの住宅に住んでいる人は驚くに違いない。この〝㎥の価値〟をどれだけアピールできるかだが、これからは他社が追随するのは必至だ。
もう一つの売りの快適防音室「奏でる家」は、スグレモノであるのは間違いないが、記者自身あまり関心がないので正直よくわからない。
それより強調したいのは、2階バルコニーの吐き出し窓がフルフラットであることだ。これを標準化しているのは同社だけのはずで、これも他社が追随する動きにでると見ている。
一つ注文を付けるとすれば、天井の高さをわかりやすく体験できる工夫だ。2,800ミリのリビング天井高、1,800ミリの階段下書斎スペース、約4,000ミリのラウンジなどはそれぞれ独立型になっているが、これらを連続させて一体型にすれば、より高い天井高が体験できる。最近見学したポラスの分譲戸建ては2,700ミリのリビングと2,400ミリのキッチン・ダイニングとをスキップフロアにして、リビングの高さを一層際立たせていた。
藤原氏にこのことを伝えたら、「関西では連続性を持たせたものをつくっている」とのことだった。
自然素材を多用しているのも特徴の一つ。ホールには大谷石、リビングには石英、床はナラ、タモ材。このほかヘリンボーン、ナグリ仕上げもある。軒先は約3m。坪単価は135万円だそうだが、天井高、仕様レベルから判断して安いと記者は思った。
三層の空間(左)と「防音シアタールーム」
2階居室(居室とバルコニーがフラットであることがよくわかる)
「緑環境と広い空が最高」入居者 東急不 「世田谷中町プロジェクト」 完成祝うまつり
「世田谷中町プロジェクト」
東急不動産は9月18日、分譲マンションとシニア住宅の都内屈指の大規模複合開発「世田谷中町プロジェクト」のマンション「ブランズシティ世田谷中町」第2工区が竣工し、全ての街区が完成したのに伴う「世田谷中町まつり」を開催した。
様々な縁日のほか洗足音楽大学学生による金管5重奏コンサートや地元学童クラブのソーラン節、東急ハンズの手作りワークショップ、ヨガ教室、マンション見学ツアーなど多彩な催しに、マンションやシニア・ケア住宅の入居者を始め近隣住民など数百人が参加し賑わった。
まつりに参加した70代の奥さんとマンションに住む80代の男性は、「6年前にグッドデザイン賞を受賞したM社の等々力のマンションを買った。中庭もあって住居そのものは天井高が高く快適だったのだが、集会室など共用部分が狭かった。ここ(世田谷中町)は車で通って、これはいいと一発で購入を決めた。私は緑の環境、家内は空の広さに満足している。駅から遠い? 車もバスもある。毎日が日曜だから不便さは全く感じない。終の棲家にしたい。娘夫婦は桜新町の中古だが120㎡のマンションを買った」と、環境のよさにほれ込んでいた。
また、主催者がセットしたマンション入居者インタビューでは、85歳の男性Kさんは、「購入を決断した理由は2つ」とし、「一つは、これまで住んでいたたまプラーザの家は坂が多く、家内(82歳)の通院、リハビリにも何かと不便だった。ここは、姪から『いい物件がある』と紹介された。ケアに移り住めるシステムが気に入って購入した。もう一つは、私は世田谷生まれの世田谷暮らし。岡本の社宅に住んだこともある。皆さんは知らないだろうが、世田谷区の鳥はオナガで、昔はたくさんいたんだよ」と、地縁があるのも大きな購入動機と話した。
もう一人、奥さんと2歳の娘さんの3人家族のSさん(35)は、「結婚して子どもが生まれ、賃貸より分譲がいいと判断し、また、私は高津駅に勤務しているので通勤、通学の便、沿線イメージを考慮して田園都市線を選択した。道路沿いは嫌だったので、緑が豊富なここが気に入った。バス便はハンディにならなかった。一つ気掛かりなのは、定期借地権付きなので娘に資産を残せないこと。終の棲家にするかどうかは…」と語った。
「ここにはオナガがたくさんいたんだよ」Kさん 「娘に資産を残したいが…」Sさん
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「世田谷中町プロジェクト」は、第一種低層住居専用地域に位置する約1万坪のNTT社宅跡地で開発が進められているもので、分譲マンション「ブランズシティ世田谷中町」252戸(うち第一工区131戸は分譲中)と、シニア住宅「グランクレール世田谷中町」251戸(シニアレジデンス176戸、ケアレジデンス75戸)、地域住民も利用できる「コミュニティプラザ」、認可保育園などからなる複合開発。第一種低層住居専用地域の複合開発としては都内屈指。
東京都の「一般住宅を併設したサービス付き高齢者向け住宅整備事業」第一号選定プロジェクトでもあり、地域包括ケアの拠点として子育て期から高齢期までの多世代が気持ちよく暮らすことができる「世代循環型」の街づくりを目指す。
シニアレジデンスからケアレジデンスへの住み替えが可能。マンションからケアレジデンスへの住み替えに際してはマンションの買い取り保証サービスも実施する。
様々な社会課題に対する取り組みを行うのも大きな特徴の一つで、シニア向けワンストップ型生活サービス「ホームクレール」では、介護予防プログラムや入居者自身が講師として活躍できるカルチャースクールなどのメニューを提供する。また、英国スターリング大学、順天堂大学、東京都市大学などの「学」との連携も行う。
分譲マンションの第1工区131戸は90戸が分譲済み。第2工区はこれから分譲される。シニアレジデンスは176戸のうち100戸超が契約済み。
洗足音楽大学学生による金管5重奏コンサート(左)と地元学童クラブのソーラン節
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以前にも書いたが、この分譲マンションの購入者の約4割が高齢者だ。果たして、ケアレジデンスへ移り住むことができるというだけの理由なのか、ほかにも高齢者を引き付ける何かがあるのか興味深い。
また、Sさんの「定借は子どもに資産として残せない」という言葉にドキリとさせられた。定借も含めてマンションは資産になるのかどうかも考える必要がありそうだ。
この問題については稿を改める。
直線距離100m、臨棟間隔25mの舗道空間
東急不「世田谷中町」シニア向け 契約は過去最高ペース 分譲の4割が60歳以上(2017/6/29)
東急不動産 「世代循環型」の街づくり「世田谷中町プロジ ェクト」一部完成(2017/4/28)
東急不動産の記念碑的マンション 定借「ブランズシティ世田谷中町」は坪308万円(2016/9/3)
ポラス 浦和美園で大規模戸建て87棟分譲 マンション340戸含め1000戸 複合開発強化
「ボゥ ヴィラージュ浦和美園イストワール87」
ポラスグループの中央住宅は9月16日、さいたま市「みそのウイングシティ」内の大規模戸建て開発「ボゥ ヴィラージュ浦和美園イストワール87」の分譲を開始した。分譲に先立つ15日、報道陣向け見学会を行った。
物件は、埼玉高速鉄道浦和美園駅から徒歩14分、さいたま市岩槻区美園東1丁目に位置する全87棟。土地面積は150.08~160.09㎡、建物面積は97.10~116.28㎡、第1期(19棟)の価格は4,000万円台前半から5,000万円半ば。構造は木造2階建(2×4工法、在来工法)。
同社マインドスクェア事業部と戸建分譲事業部が共同で企画・開発した案件で、同エリアでは12年前の第一弾の「ボゥ ヴィラージュ美園」(172棟)以来2度目。
フランス語で〝美しい村〟を意味する従来の〝ボゥ ヴィラージュ〟に〝歴史〟〝物語〟の意味がある〝イストワール〟を加え、〝人生を深く味わう〟を新たなコンセプトに、同社オリジナルの3種類の瓦屋根を用いたほか、珪藻土、銘木床、自然素材の壁を採用してそれぞれのライフスタイルにあった家を選択できるようにしているのが特徴。
見学会で挨拶した同社取締役事業部長・金児正治氏は「12年前の172戸の第一弾は徹夜組が40組も出るほどの人気で早期完売した。涙を流された方もいた。心を込めれば買っていただけるということがよく理解できた。以来、当社グループは当地で約500戸の戸建てを供給してきた。今後は来年2月譲のマンション340戸を含め1,000戸超の供給を予定している。戸建てとマンションなどとの複合開発を当地など6カ所で進めており一層力を注ぐ」などと語った。
同社取締役・石井克利氏は、「12年前の第一弾以来の社内JV。5月からこれまで161件の資料請求があり、月にして平均40件。第1期19戸についてはすでに9棟の要望がある。想定通り反響」などと話した。
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浦和美園駅に降り立つのは10回目以上だ。何度も指摘してきたのだが、日本一ファンが多いというサッカーチーム・浦和レッズのホームスタジアムがあるというのに街づくりは遅々として進んでいない印象を受ける。金児氏が「12年前と比べ隔世の感がある」と述べたが、記者は逆だ。
やはり同時進行の形で開発が進められてきた千葉県の柏の葉キャンパスと比較してしまう。柏の葉の当初のマンション単価は160万円くらいだった。浦和美園は140万円台だったと記憶している。現在は、柏の葉のマンションは坪200万円を突破する。戸建ては6,000万円か。浦和美園のマンションは坪170万円でも苦戦している。
この差を当事者は考えないといけない。一言でいえば官主導と官民学連携の差だ。
見学会が行われた15日、会場の美園コミュニティセンターにある図書館で埼玉新聞を読んだ。スポーツ欄トップは西武・菊池雄星が14勝をあげた記事で、県のアマゴルフ大会の模様に全面を割くなどいい新聞だ。
さいたま市の2018年度の予算についての記事もあり、過去最大の459億円の予算不足が生じるとか。その理由の一つに都市整備に関わる建設事業費280億円が増加するためとあった。
いつもそうだが、浦和美園駅に降りて、コーヒーを飲むにもタバコを吸うのにも徒歩13分のイオンモールに行かないといけない。飲み屋などもほとんど駅前にない。スタジアムまで徒歩26分だ。サッカーファンはよく暴動を起こさないものだ。誰のための街かと考えてしまう。
そんな中で、ポラスグループはこの12年間で約500棟を供給してきたという。当地での戸建て着工シェアが知りたいところだが、圧倒的な数字だろうということは容易に想像できる。
「フレンチハウス」(左)と「こもれ美の家」
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今回の企画設計を担当したのは、先に取材した同社の分譲戸建て新ブランド〝Machie(マチエ)〟を作った古垣雄一氏。「美園エリアは建築条件付きの住宅が多く、植栽が少ない。当物件は緑を意識的に多くすることで美園エリアの街並みを牽引していきたい」と語った。
物件はよくできている。4棟のモデルハウスのうち、「フレンチハウス」は、6色から選べるキッチンカウンタータイルと、ミルキー仕上げのキリ材を用いたデザイン壁が美しい。このプランの説明を、第1期の外構設計を担当し、全体としては販売戦略・パンフレットなどの販促も担当している同社戸建分譲設計本部設計一部 営業企画設計課 企画設計課主任・角張泰広氏が行った。(角張さん、せっかく自然素材を多用し、レベルの高い住宅をつくったのに、あの安っぽい造花はないと思います。画竜点睛を欠くとはこのことを言うのではないですか)
「アトリエの家」は、リビングサイドの小上がり50~60センチの「スキップアトリエ(DEN)」の提案がいい。DENの部分の天井高は2.1~2.2m確保されており、リビング床の天井高を2.7m確保しているからこそできる芸当だ。
「こもれ美の家」は、リビング東の高窓から光を取り込み、国産材のスギを壁全面に張って自然の風合いを演出しているのが特徴。1階水回りの部分を利用して、2階の1室の天井高を2.7mにしているのも面白い。参考までに。スギの学名はCryptomeria japonicaで、〝隠れた日本の財産〟という意味だ。英語のCedarを使ってほしくない。
「リゾートハウス」は、アーチ状と擬石の壁を配した天井高3mのキッチン・ダイニングと、3面の窓とつながったウッドデッキを配してリゾート感覚を演出しているのが特徴。小上がりの和室は床下収納付き。
この日の駅前の道路(左)と8月25日の道路(記者がひどいと書いたから刈ったわけでもなさそうだ)
驚嘆のプランと売れ行き ポラスの戸建て新ブランド〝Machie(マチエ)〟(2017/8/25)
アパ・元谷代表 「中国人宿泊客シェアは減少したが、書籍問題は全く影響なし」
元谷外志雄代表(左)と元谷芙美子・アパホテル社長
アパは9月15日、アパ赤坂見附本社ビル1階に「アパ情報館 INFORMATION CENTER」を開設した。セレモニーに出席した元谷外志雄・アパグループ代表は「現在開発中の物件も含め全国最大の433ホテル72,205室に拡大し、2016年11月期決算で売上高1,105億円、経常利益338億円まで成長した。2020年までに10万室をめざす。オリンピック後はオーバーホテル状況が予想されるが、当社は逆にチャンスととらえ、アジアを含め買収、パートナーホテルなどネットワーク拡大を進める」と話した。
また、先の書籍問題について、「中国人宿泊客のシェアは問題になって以降、それまでの5.2%から現在1.9%に減少したが、〝アパ頑張れ〟の応援もいただいたし、知名度が世界的になった。全くマイナスにならなかった。今月の稼働率は93%、都心は100%」などと語った。
過熱する用地争奪戦については「12年前と比べ用地は3~4倍、建築費は倍になった」とも話した。
「アパ情報館」は、アパグループの情報を発信するとともに、ホテル投資を検討している顧客向けにフランチャイズシステムへの加盟、新築・リニューアル、用地の取得などの相談拠点にする。
テープカットする左から衆議院議員 消費者問題特別委員長・原田義昭氏、元谷代表、元谷芙美子氏、ライフコーポレーション 代表取締役会長兼CEO・清水信次氏
「アパ情報館 INFORMATION CENTER」
大和ハウス工業 新社長に芳井敬一専務 大野社長は健康上の理由で退任
芳井敬一氏
大和ハウス工業は9月15日、代表取締役社長・大野直竹氏が10月31日付で退任し、新しい代表取締役社長に取締役専務執行役員・営業本部長 ・東京本店長・海外事業管掌・東京ブロック長の芳井敬一氏が就任すると発表した。大野氏の退任は健康上の理由で、特別顧問に就任する。
芳井氏は大阪府出身。昭和33年5 月27日生まれ(59歳)。昭和56年3月、 中央大学卒。平成2年6月、同社入社。同22年4月、執行役員、同25年3月、 東京支社長 営業推進副担当 海外事業管掌、同25年4月、取締役常務執行役員 東京本店長(現)、同28年4月、取締役専務執行役員(現) 営業本部長(現) 海外事業管掌(現) 東京ブロック長(現) 北関東ブロック長所就任。
三井不レジ他 4,500戸「幕張ベイパーク」第一弾分譲へ 価格はさて?
「幕張ベイパーク」完成予想図
三井不動産は9月14日、「幕張ベイパーク」の分譲第一弾となる「幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス」のモデルルーム見学会を行った。全体で開発面積が約17万㎡超で、2029年度までに約1万人、住宅4,500戸の首都圏最大級の街づくりを整備する計画の成否を占うプロジェクトだ。
物件は、JR京葉線海浜幕張駅から徒歩15分、千葉市美浜区若葉三丁目に位置する地上37階建て448戸のタワー棟と49棟のレジデンス棟の全497戸。専有面積は59.77~106.77㎡(平均81㎡)、価格は未定。設計・施工は熊谷組。デザイン監修は光井純&アソシエーツ建築設計事務所。竣工予定は2018年12月中旬。売主は同社と野村不動産、三菱地所レジデンス、伊藤忠都市開発、東方地所(千葉銀行系)、富士見地所(京葉銀行系)、袖ケ浦興業(千葉興銀系)の7社。販売開始は11月下旬。現在の問い合わせ件数は3,000件超。
敷地内にはサ高住、保育所、コミュニティコワーキングスペース、コンビニなどが併設される。街全体のコンセプト「ミクストユース(複合利用)」の象徴となる物件として位置づけられている。
タワー棟は免震工法を採用。ワイドスパンが中心。モデルルームは75㎡と106㎡。天井高はタワー棟が2600ミリ、レジデンス棟が2450ミリ。
販売センターの階段
販売センター
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今後分譲されるプロジェクトの販売事務所になる販売センターは非常によくできている。2層で延べ床面積は約2,700㎡もある。階段は上りと下りで3.5メートル幅。白を基調のデザインが美しい。シアターには最初に「この街には、自由がある」「この街には、未来がある」などと印象的なフレーズが流れた。座席は固定だが、画像が動くので浮遊感を感じる(三井不動産レジデンシャル「パークタワー晴海」や大和ハウス「プレミスト湘南辻堂」は座席が動く)。
スカイビューラウンジ
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さて、価格について。同社は「価格は未定」としか話していない。なので以下は記者の独断と偏見による意見だと受け止めていただきたい。
モデルルームを見学した際、記者は単刀直入に坪単価を聞いた。「坪200万円でどうですか」とかまをかけた。スタッフからは「今のところ坪200万円超を考えています」との返答。ここに別の記者が現れ、「75㎡で5,000万円台後半だとか」と話した。えっ、とっさに記者は計算した。75㎡で5,000万円台の後半ということは坪単価250万円くらいになる。これはありえない、聞き間違えか言い間違えか。
いくら人気の海浜幕張で「自由がある」「未来がある」街づくりが今後行われるとしても、徒歩15分だ。〝75㎡で4,000万円台の後半〟ならわかる。坪220万円くらいだ(この前、大和ハウスが記者見学会を行った辻堂駅から9分の「プレミスト湘南辻堂」も坪単価は220万円台に収まるはずだ)。
しかし、価格が高いか安いかは、消費者が決めることだ。そこで、オープンしたばかりのコミュニティアウトドアパーク「PARK MAGIC」を利用していた地元の人らしき女性4人組にインタビューした。事情を話し、「皆さん20代、30代でよろしいですね」と声を掛けた(女性にインタビューするときは見た目より10歳若く言うのが鉄則)。
記者は〝挑発〟した。「首都圏のマンション価格は東京が一番高く、神奈川、埼玉、千葉の順。浦和とか大宮は条件がいいところは坪300万円を突破していますが、千葉県はそんなところはありません。千葉県は埼玉県よりイメージが低い。それは県と政治家の責任(あなたたちの責任でもと口に出そうなのをこらえた)。皆さん、ここの20坪で価格が4,500万円はどうですか」と尋ねた。一様に「高い」「ここ(若葉地区)はいいイメージがない」と答えた。一方で「埼玉県より千葉県のほうがイメージが低いというのは理解できない。あなた(記者)、埼玉の人」とあからさまに嫌悪感も示した。
これ以上書かないが、この街と比較する材料はある。JRの線路を挟んだ対面には「幕張ベイタウン」がある。その第一弾「パティオス」は千葉県が主導し、大手デベロッパー、ゼネコン、商社などによる6つの企業連合が共演して圧倒的な人気を呼んだ。あれから約20年。賃貸、定借も含めて9,000戸を20年かけて整備してきた。
それと比べて「幕張ベイパーク」は規模は半分だが、時代が異なる。都市間競争は益々激化する。取材を終え、駅まで汗みずくになりながら坪250万円はあるか、それば絶対ないなどと自問自答した。
駅に着き、タバコが吸いたくて喫茶店に入った。よく利用するSカフェだった。いつもは216円なのに270円だった。Sカフェ本社に聞いたら「東京などの駅に近いところではSサイズ216円が多いが、郊外のショッピングセンターなどではSサイズがある店は少ない」とのことだった。つまり、競争がないところではメーカーは価格を自由に設定できると理解した。幕張もそうなのか。いや、三井は絶対そんな高値では売らない、常識的な坪200万円を少し超えるくらいの値段を設定すると思う。
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「PARK MAGIC」に入るとき、「赤羽西を担当しました…」と同社千葉支店事業部主事・長戸早紀子氏に声を掛けられ、一挙にあの素晴らしいプランがよみがえった。長戸氏は今回、街の活性化の仕事をされているようで、ならば坪単価は多少上方修正すべきかとも思った。同社千葉支店はこれまで業界をリードするマンションを供給してきた実績がある。〝高い〟という記者の判断を覆してほしい。
「PARK MAGIC」
三井不レジ、キッチンを動かせる画期的商品「Imagie(イマジエ)」開発 「パークホームズ赤羽西」に採用(2015/9/8)
三井不動産 物流革命の先導役になるか 船橋ロジスティクスパークにICT LABO開設
「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)船橋Ⅰ」
三井不動産は9月12日、三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)船橋Ⅰに「MFLP ICT LABO」を開設し、ICT関連機器16種類を展示し、機器の導入コンサルも実施すると発表した。人材確保が喫緊の課題となっている物流業界で、業界に先駆けて様々な省力化・自動化へのニーズに対応していく。同日、報道陣向けに内覧会を行った。
LABOには、岡村製作所が販売している「オートストア」などICT関連機器16種類を展示。同社施設の入居企業や入居検討企業に広く紹介するとともに、LABO内で実際に機器を稼働させ、その効果が体験できるようにしている。
また、各メーカーと連携して購入サポート、貸出スキームを提供するほか、様々な課題解決へ向けたコンサルティングサービスも行っていく。
内覧会で挨拶した同社ロジスティクス本部ロジスティクス事業部長・寺島道人氏は、「数年前から物流革命が起きると考え、プロジェクトチームを立ち上げ取り組んできた。2030年には人工知能により完全自動化の工程表も示されている。当社は〝ともにつなぐ、ともに生み出す〟をコンセプトに課題解決へ向け先駆的な役割を果たしていく」と語った。
岡村製作所「オートストア」
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同社は先に記者会見し、ロジスティクス事業は2012年の事業開始から稼働中の13棟を含め開発・運営施設数は28棟・総延床面積は約240万㎡、累計総投資額は約4,000億円に達する見込みと発表した。今後も年間4棟、400億円くらいを継続して投資していくとしている。
今回のLABOは事業拡大の一環だと思う。ICTには疎い記者でも実際に16種(すべてではないが)の機器が稼働しているのを見て、間違いなく物流革命は起きると確信した。
もっとも驚いたのは、デンソーウェーブの「ピッキング」機器だった。同社ロジスティクス本部 業務推進室 業務推進グループ統括・溝口賢治氏が実演したのだが、一瞬で50枚くらい重ねられていTシャツのバーコードを読み取った。距離が離れていても大丈夫だというから驚きだ。
そんなことができるなら、女性の裸身まで見えるメガネが開発されたらいくらになるか、政治家には24時間365日行動を捕捉できるタグを身体に埋め込むことを条件づければだれも立候補する人がいなくなるだろうかなどと想像するだけで楽しくなった。
デンソーウェーブ「ピッキング」
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同社が7月に行った記者会見にもたくさんの記者が駆け付け、大和ハウスが先に行ったセミナーにも定員いっぱいの約300名が参加した。物流革命はすで始まっているのだろうし、モノはもちろんヒト、コトの動きを一挙に変える時代がそこまでやってきていることを実感した。
〝もう我々の出番ない〟 三井不動産〝かつて〟の主力、溝口も福田もICTに脱帽((2017//12)
三井不動産 ロジスティクス事業拡大28棟、延床240万㎡、投資額4,000億円に(2017/7/20)
大和ハウス工業 企業向け物流セミナーに300名が参加(2017/8/3)
三菱地所レジ・旭化成不レジ 港区・三田のマンション建て替えで容積率緩和認可
「(仮称)メゾン三田建替計画」
三菱地所レジデンスと旭化成不動産レジデンスは9月11日、両社が事業協力者として参画している「(仮称)メゾン三田建替計画」事業が「マンションの建替え等の円滑化に関する法律(マンション建替法)に基づく「容積率許可」を東京都より取得し、港区からマンション建替組合の設立が認可されたと発表した。マンション建替法第105条に基づく容積率の緩和特例制度を適用したマンショ ン建替え事業としては国内第一号。
同制度は、除却の必要性に係る認定(耐震性不足の認定)を受けたマンションの建て替えで一定の敷地面積を有し、市街地環境の整備・改善に資するものについて特定行政庁が許可した場合に容積率が緩和される制度。
「メゾン三田」は1968年10月竣工の11階建て全67戸。歩道がない道路に対して敷地内の接道箇所すべてに歩道状空地を設け、歩車分離とすることで地域の安全性・快適性を高めるとともに、周辺環境と連続した緑豊かな公開空地を設けるなど街並みの形成に貢献することで、マンション建替法容積率許可を取得。これにより、建物の容積率を400%から463.5%へ約63%割り増すことが可能となった。
両社は2012年12月に事業協力者に選定され、2016年7月に建て替え決議が成立した。2017年12月頃に解体工事に着手、2020年に竣工予定。建て替え後は地下2階地上23階建て、総戸数115戸のマンションになる。
東急不動産HDグループ 間伐材を利用した楽器の作成・演奏会イベント
ワークショップ(イメージ)
東急不動産と東急不動産SCマネジメントは10月7日から、運営管理する関東・関西10施設で「エコマキ×mori no oto『エコ オト』~エコ音を鳴らそう、作ろう。~」を順次開催する。
森林整備で派生する間伐への理解促進と、間伐材を利用する活動を身近に感じてもらうことを目的としており、自分の声が楽器になる間伐材を利用した不思議な楽器〝ウッド カズー〟を作るワークショップを開催し、完成後に演奏会も実施する。
東急不動産ホールディングスグループは「緑をつなぐ」プロジェクトとして継続的な森林整備サポートを推進している。
楽器展示(イメージ)
業界初の体力測定装置に狂喜 大和ハウス「プレミスト湘南辻堂」 同社は販売に自信
「プレミスト湘南辻堂」完成予想図
大和ハウス工業は9月16日、JR東海道線辻堂駅圏の大規模マンション「プレミスト湘南辻堂」のモデルルームをオープンすると発表。オープンに先立つ11日、モデルルームやウェアラブルデバイスなどを用いたIoT技術やAI(人工知能)と、同社グループのスポーツクラブNASが監修する運動メニュー提案が体験できるコーナーを報道陣向けに公開した。
物件は、JR東海道本線辻堂駅から徒歩9分、藤沢市羽鳥一丁目に位置する敷地面積約35,000㎡の全914戸の規模。敷地は今回分譲開始するA敷地(約18,000㎡)とB敷地(約16,000㎡)に分かれているが一団地認定を取得。管理組合は一つで、共用施設なども全体で共有する。
A敷地は14階建て全404戸で、専有面積は72.22~93.18㎡、価格は未定だが全体の80%を占める74.88㎡で5,000万円前後(単純計算で坪単価は222万円)。竣工予定は2018年12月。設計・施工は長谷工コーポレーション。B敷地の建物は13階建て全510戸で、A敷地の建物が竣工してからそれほど期間を置かずに着工する予定。事業主は同社のほか神奈川中央交通、長谷工コーポレーション。
内覧会に臨んだ同社東京本店マンション事業部第一営業部事業部長・松岡康成氏は「利便性の高いエリアで、コンセプトは〝モノよりコト〟。子どもからシニアまで利用できる16の共用施設を配置し、業界初のAIやIoT技術を盛り込んだ業界初のプロモーションを行う」と話した。
販売事務所長・二改隆広氏は、「これまでの来場予約は想定通りの600組。A街区は竣工までに(販売の)めどをつけ、B街区も早期完売につなげたい」と語った。
ゲストルーム
松岡氏
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このマンションについては今年1月、同社が記者発表している。コンセプト、その他については当時の記事を参照していただきたい。
まず紹介したいのか毎日の体力・認知機能を測定・記録し、個別アドバイスが受けられる「Fit with AI Trainer」システムについて。
ブースは10人くらいが座れるスペースだった。システムを開発したソニーモバイルコミュニケーションズの担当者がデモンストレーションとして、記者を含めた男性3人と女性2人の太ももにセンサーを装着し、反応速度、筋力、下肢協調性を測定した。
テストされた5人のうち記者が突出して年齢が高く、ほかの記者は30~40代か。体力が著しく低下しているのを自覚している記者は他に負けじと年甲斐もなく必死で足などをバタバタと動かした。
その場ですぐ結果がプリントされた。最低数値を覚悟していた記者はデータに驚愕し、歓喜した。なんと総合80点で、髪が薄い(男性ホルモンが優っている)男性の96点に次ぎ2位だったのだ。他は77点、73点、49点。96点記者以外は年寄りに花を持たせようと忖度し手抜きしたのはありありだが、データを改ざんしていないことを確かめた。記者の後輩女性記者は「まさか負けるとは」と悔しがって見せた。
総合点が2位に甘んじたのは下肢協調性(下半身の衰えを計るものではなく、どちらかといえばリズム感)に問題があったためだ。これは5人中最低だった。(言い訳だが、年齢差を加味したら記者がトップではないか。協調性のなさは小さいころからで、みんなが右を向けば小生は左を向いていた。体力と全然関係ない。むしろ名誉なことだ)
記者生活40年で、これほどマンション販売事務所ではしゃいだのは初めてだった。桐生さんのたかが0.02秒で大騒ぎするのがよくわかった。これはインパクトがある。水準以下の数値が出た人はそっぽを向く可能性もあるが、予想外のいい結果が出た来場者はみんな購入に動くのではないかと思ったほどだ。
「Fit with AI Trainer」測定数値(80点が記者)
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「Fit with AI Trainer」が強烈だった割には、客席が360度回転するシアターは物足りなかった。初めて経験する人にとっては驚きだろうが、われわれ記者は三井不動産レジデンシャル「パークタワー晴海」を経験している。三半規管を揺り動かされた。
それと比べると今回は穏やかで、客席が360度回転しているというより、映像が動いているだけのように思えた。いっそやるなら、昆布だしか塩サバかの匂いを含ませた湘南の潮風を吹き付けるとか、波を浴びせるのは逆効果だろうからせめてミストを降り注ぐくらいの演出があってよかった。
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松岡氏が語った「コンセプトは〝モノよりコト〟」について。同感、至当だと思う。これほど成熟した市場になると、富裕層向けはいざ知らず郊外型では基本性能・設備仕様で差別化を図るのは難しい。いかに消費者の感性に訴え、需要を創造するかが勝負だ。これはマンションだけでなく、あらゆる商品について言える最近のトレンドだ。
同じように感性に訴えるマンションとして記者が注目しているのが、三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス オイコス赤羽志茂」だ。キャッチフレーズは〝早く家に帰ろう。〟だ。ここもマンションのモノ(住戸)そのものではなく、コト(様々な仕掛け)で勝負しようというのがありありだ。
アリーナ
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三井レジ他「パークタワー晴海」 「有明」と競合必至 価格はいくらになるか(2017/4/26)