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 「716軒、10万6215室のホテル計画を確認。前回比107軒増、1万4213室増。この半年間(2017年6月3日~12月1日)で開業したホテル201軒、計画がなくなった(調整含む)ホテル3軒、新たに計画が浮上したホテル193軒。

 10年前。2007年12月の同特集では『東京・銀座』でのホテル開発案件数は0件。それが4年前の2013年には、宿泊主体型ホテルを中心に6件、今回の調査では18件が確認できた」

 ホテル・レストラン業界唯一の専門誌「週刊ホテルレストラン」を発行しているオータパブリケイションズの最新のメールマガジンがこう発信した。

 響きあうものがあった。東京・銀座でのホテル案件が18件もあるとは驚いたが、さもありなん。「ホテルに勝てない。ことごとく高値で落札される」-このようなマンションデベロッパーの嘆きを裏付けている。

 この1年間、記者が取材した中央区内のマンションは10件くらいあるのだが、「銀座」を冠したマンションは3件ある。価格も3年くらい前と比較し3割くらい上昇、坪単価は500万円台に乗った。

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 メルマガを読んで、ホテル業界とマンション業界で「銀座」の土地をめぐって激しい奪い合いが演じられていることを改めて思い知らされた。

 マンションの敵はホテルであり、ホテルの敵はマンションのようだ。銀座界隈を歩くと、両者が奪い合いをしそうな〝適(敵)地〟にたくさん出会う。両者の戦いは序の口に過ぎない。〝買うから上がる〟〝上がるから買う〟-間違いなくいつか来た道をたどっている。

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〝ハイ、いいですね、今朝より伸びてます〟(高尾・わくわくビレッジで)

 大京グループは11月6日~7日、社員の健康維持・増進への取り組み「大京健康プログラム(Daikyo Health Program)2018」の一環として、BMI値30以上の社員を対象とした「BMI改善支援宿泊研修」を東京・高尾で開催。大阪や沖縄勤務の社員を含め15名が参加した。(両日、取材した。詳細は後日)

 同社グループは、社員の健康をはかる指標として肥満度の判定に国際的に使わる体格指数BMI(体重㌔÷身長m÷身長m)数値が適正化(25未満)になることを目指している。こうした取り組みが評価され、昨年、経済産業省と東京証券取引所が主催する「健康経営銘柄 2017」に選出された。

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RBA野球取材で1日2万歩も歩く記者はみるみるうちに引き離された(ウォーキング)

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〝ハイ、回って、回って〟

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高尾・わくわくビレッジ

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「リーフィアタワー海老名アクロスコート」完成予想図

 小田急のやる気を見た-小田急不動産は12月6日、小田急線海老名駅西口とJR相模線海老名駅間で開発が進められている約3.5㏊の駅間開発プロジェクト「ViNA GARDENS」第1弾タワーマンション「リーフィアタワー海老名アクロスコート」のモデルルームを来年1月6日にオープンすると発表した。同日、報道陣向けに記者見学会を行った。

 物件は、小田急小田原線・相模鉄道本線海老名駅から徒歩3分(JR相模線海老名駅から徒歩4分)、海老名市めぐみ町に位置する31階建て全304戸。専有面積は45.25~120.65㎡、価格は未定だが2LDKが4,000万円台~、3LDKが5,000万円台~、坪単価は250~260万円になる模様。竣工予定は2019年10月下旬。施工は三井住友建設。売主は同社のほか三菱地所レジデンス、小田急電鉄。第1期の販売開始は2018年1月中旬。

 現地は、オフィス・商業・住宅などの複合開発が予定されている「ViNA GARDENS」の第1弾の海老名市最高層免震タワーマンション。このほか詳細は未定だが、同規模のマンション2棟と、もう1棟の住宅系建物が予定されている。

 建物は、中央に吹き抜けを配した1フロア(標準階)10戸構成。角住戸比率38%超、多彩な50プラン、ワイドスパン(3LDKで約7.8mスパンも)、リフォームによる間取りの可変性に配慮したフラットスラブ工法(階高約3m、二重床のふところ厚240ミリ)などが特徴。天井高は2500ミリ。

 発表会に臨んだ小田急電鉄生活創造事業本部開発推進部課長代理・浜田健太郎氏は、「複々線が完了し、来春のダイヤ改正で海老名駅は新宿まで約9分時間が短縮され(現在は快急で44分)、相鉄線もJRに乗り入れるポテンシャルの高いエリア。今回のマンションはそのランドマークとなるもので、他の2棟のマンションのほかホテル、フィットネス、住宅系施設なども含め2025年度に様々な主体と連携しながら街全体を完成させる」と話した。

 売主で販売も担当する小田急不動産住宅事業本部住宅販売部販売計画グループ・池上朋輝氏は、「水回りのリフォーム自由度を高め、プランも50タイプ揃えた。『住んだまま買取保証』も採用する。問い合わせは2,000件を突破しており、想定外の多さ」と販売に自信を見せた。

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アクアテラス

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オーナーズ・ライブラリー

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 ここ数年の電鉄会社(系)の住宅事業は目を見張るものがあるが、同社はマイペースを守ってきた。鳴りを潜めていたといってもいいほどだ。

 その小田急が満を持して世に問うマンションがこの物件だ。残りの2棟はどのようなものになるか未定だが、ほぼ同規模とみられるので3棟全体では900戸くらいになるはずだ。今回の物件の販売動向を見ながらプランを練ることになりそうだ。

 商品企画は、他の電鉄会社(系)とほぼ同じで想定内だったが、3LDKで約7.6mスパンはインパクトがある。

 近接する相鉄不動産「グレーシアタワーズ海老名」とは単価差で10数万円というのも納得だ。先行販売した相鉄不としては小田急が高値追究するのは大歓迎だろうし、小田急も安くして相鉄の顧客を奪うのは本意ではないはずだし、駅に近いというメンツがある。

 それにしても、10年前までは調整区域だった同エリアが「ららぽーと海老名」の開業をきっかけに一変し、小田急が特急を停車させるなんて夢にも思わなかった。1日当たりの乗降人員は平成22年の約13.2万人から28年は約14.8万人へ12.9%も増加している。

 配布された資料に「2017年度の神奈川県民が選んだ住みたい街の第7位に。ランキング内のエリアを神奈川県のみに絞ると県内では第4位に」とあるのにびっくりした。「横浜」「武蔵小杉」「藤沢」に次ぎ、「たまプラーザ」「鎌倉」より上位とは…。

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大激戦区 鹿島の免震構造の相鉄不他「グレーシアタワーズ海老名」 坪単価は240万円(2017/9/28)

 国土交通省は12月5日、所有者不明土地問題に関する制度の方向性などを論議する国土審議会土地政策分科会特別部会(部会長:山野目章夫・早稲田大学大学院法務研究科教授)を開き、中間とりまとめ(案)を示した。

 中間とりまとめ(案)は、バブル崩壊後の地価の下落や地縁・血縁関係の希薄化が進行し、資産としての土地に関する国民の意識も希薄化し、今後急速に進む人口減少、超高齢社会を迎えるわが国にとって、所有者不明土地問題は喫緊の政策課題と指摘。

 その対策として、現行法では難しい固定資産課税台帳、地籍調査票、インフラ業者保有情報を行政機関が利用しやすくするよう土地収用手続きの合理化・円滑化を行い、都道府県知事が裁定できるようにする制度が必要としている。

 具体的には、所有者不明土地の適切な管理のために財産管理人の選任申立権を地方公共団体の長に付与(民法の特例)するほか、登記官は長期相続登記未了土地の解消のための措置(不動産登記法の特例)を設けることなどを提言している。

 さらに、今後の検討課題として土地所有の在り方、土地所有者の責務、土地の放棄やその受け皿について幅広く検討するよう求めている。

 特別部会に提出された資料によると、平成28年度の地籍調査では不動産登記簿上で所有者の所在が確認できない土地の割合は約20%(所有者不明土地問題研究会の調査ではその面積は九州の368万㏊を上回る約410万㏊)にのぼっており、サンプル調査による探索の結果、最終的に所在が不明な土地は0.41%(最狭義の所有者不明土地)としている。

 探索には多大な時間・費用・労力を費やすことが強いられており、公共事業や民間事業を実施しようにも「直ちに使えない」状況になっているという。

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 緊急避難的、対症療法としての所有者不明土地問題は何らかの方策が示されるのだろうが、特別部会も指摘しているように「一般の財と異なる性格を持つ」土地の「所有者がどのような責務を負うべきかについて検討を行う必要がある」と思う。

 「一般の財と異なる性格」とは、諸外国と比較しても強いわが国の絶対的排他的私有権のことだろう。しかし、特別部会も「土地を持つことが負担となる場合も存在する」と述べているように、絶対的排他的私有権が手かせ足かせになっており、「負動産」(朝日新聞の造語か)が一般名詞として通用する時代になっている。

 このギャップをどう埋めるのか。権利と義務(責務)は等価のはずだ。だとすれば、所有権の放棄、寄付によって受け皿になる主体に負担がそのまま転嫁されたらどうなるのか…記者にはわからない。

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「プラウドシーズン横濱洋光台」 「つながるHOUSE」

 当欄11月4日付で紹介した野村不動産の分譲戸建て「プラウドシーズン横濱洋光台」を見学した。全203戸の大規模事業だからこそ可能になった入居者向け共用施設「つながるHOUSE」はコミュニティ醸成へ大きな可能性を秘めている施設だ。

 「つながるHOUSE」は、専任のスタッフが勤務(月・水・土/11:00~17:00)し、いろいろな利用相談に応じるほか、子どもの見守りなどを行う。コーヒーベンダーやFree Wi-Fi、スポーツ観戦などにも利用できる大型スクリーンを備える「コミュニティスペース」や、児童書や雑誌など200冊以上の本を保有する「ライブラリー」を設置。簡易トイレ、発電機、テントなどの防災備品を常備し、災害時の「防災拠点」としても機能する。

 戸建ての分譲開始は今年3月。第1期として53戸を供給し、6月の時点で完売となった。引き続き31戸を供給しているが順調に進捗しているという。価格は5,000万円台の前半が中心。購入者の約6割が横浜市居住者で、地元のほか広域からも集客できている。3年間くらいで全戸完売する目標だ。

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モデルハウス

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 大規模マンションでは戸数にして数戸分かそれ以上のラウンジ・コミュニティ施設・ゲストルームなどを備えるのは当たり前だが、分譲戸建てでこのような施設を設けるのは珍しい。一昨年、ポラスが千葉県野田市の大規模分譲戸建て「パレットコート七光台」でカフェを開設したのを見学したことがあるが、それ以来だ。

 隣はバス停留所で、雨が降っているときなどは雨宿りができるベンチも設置されている。

 戸建ての街並みは、同社の他の戸建てと同様の南欧風の外観。モデルハウスは約2.4畳大の収納スペースと約1.5畳大のカウンターを備えたファミリーコーナーの提案がいい。双方合わせ4畳大近い。いろいろな用途に使えそうだ。

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ファミリーコーナー

野村不 全203戸の分譲戸建て「プラウドシーズン横濱洋光台」に入居者用共用施設(2017/11/4)

ポラス 〝奇跡の街〟野田市七光台に地域コミュニティ支援のカフェ オープン(2016/11/19)

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三井デザインテック懇親会(椿姫「乾杯の歌」演奏場面)

 三井デザインテックは11月30日、プレスセミナー・懇親会を綱町三井倶楽部で行った。

 第一部のセミナーでは、同社ワークスタイル戦略室マネージャー・大川貴史氏が「働き方改革」につながるオフィス事業について講演した。第二部の懇親会では、ベルディの代表作「椿姫」の「乾杯の歌」とプッチーニの名作「ラ・ボエーム」が演奏され、粋な演出に参加者から「ブラヴォー」の歓声が上がった。

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 同社常務取締役スペースデザイン事業本部長デザインマネジメント部長・飯田和男氏が「クライアントのニーズは複雑多岐にわたっている。足りないものは何か、残すべきものは何か-この当たり前のことにわれわれはきちん提案していく」と懇親会で締めの挨拶をしたとき、会場がシーンと静まり返ったのがとても印象に残った(三井倶楽部の雰囲気もそうさせた一因だろう)。

 同社のデザイン・意匠は、マンションやホテルなどでたくさんお目にかかっており感服させられるだが、最近はソリューション事業に力を入れているようだ。この日、大川氏が講演した東京大学大学院・稲水伸行准教授との共同プロジェクト「クリエイティビティに関する調査研究」もその一つだし、先に発表した職業能力開発総合大学校・橋本幸博教授との「オフィス空間における植物配置の好ましさに関する共同研究」も非常に参考になった。

 懇親会ではインテリアデザイナー・小野京子氏としばし歓談した。「小野」と聞けば記者はすぐ同じデザイナーの小野由記子氏を思い出すのだが、小野京子氏の〝作品〟もたくさん見ている。最近では「武蔵小山」がそうだ。「パークコート山下公園」も見学取材する予定だ。

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 同社によると、「椿姫」と「ラ・ボエーム」の演奏は、ソプラノ・髙橋絵理氏、テノール・所谷直生氏、ピアノ・松岡なぎさ氏、演出・大澤恒夫氏。企画・制作はオペラの普及活動を行っているNPO法人オペラ普及団体ミャゴラトーリ。

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 会場の三井倶楽部に着いたときは2部の懇親会が始まる直前だった。えっ、2部? 何のことはない。セミナーの開始時間を1時間間違えたのだ。恥ずかしいやら情けないやら。もう帰ろうと思ったが、関係者に勧められてほんの数分講義を聴いた。

 セミナーが終わり、せっかくだからワインを頂こうと宴会場に向かうとき、高校の同窓の後輩女性記者と出くわした。彼女が「帰る」というので、「馬鹿だね。ここの施設をきちんと見なければだめだ」と引き留め、まずロダンの彫刻を見せた。大した反応を見せないので、すぐ近くにあるルネサンス時代の裸婦像(記事参照)を紹介した。これも反応なし(刺激が強すぎたか)。

 なので「もっといいのがある」と、中庭を見せようとホールに向かったとき、正面に50号くらいのターナー(1775~1851)と思しき絵画が掛かっていた。「ほら、ひょっとしたらあれはターナーかも」と、近づいて銘板を確認した。確かに「ターナー」とあった。えっ? すぐ値段をはじき出そうと頭を回転させたが、見当もつかなかった。 

 懇親会の後で渋谷忠彦社長に聞いたら、ターナーの絵はもう1点あるそうだ。この日見た絵より小さい作品が50億円台で落札された事例があるようなので、2点で100億円はどうだろう。

 三井倶楽部にはいったいいくらの所蔵品があるのか。隣のアパのマンションは賃貸になった。

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昨年の懇親会 

三井レジ・JX日鉱「武蔵小杉」 第1期は409戸 単価は330万円(2015/6/24)

三井レジ他「パークコート渋谷大山町」 低層住宅街の大規模 単価は470万円(2014/12/3)

デザインが企業・経営者、住宅を変える 三井デザインテックが第2回セミナー(2016/10/20)

コンドルが設計した「綱町三井倶楽部」を観た 三井デザインテックがセミナー(2015/10/22)

「麻布霞町」を超えるか 三井不レジ「パークマンション三田綱町ザ フォレスト」(2014/7/4)

 マンション管理業協会は12月1日、第3回「マンションいい話コンテ スト 2017(一般編)」の受賞作品を発表した。全国から応募があった426通の中からグランプリ(賞金30万円)は横山千尋さんの「マンション文庫『ポプラ文庫』ただいま8年目」が受賞した。

 このほか準グランプリ1点(同5万円)、特別賞3点(同3万円)、佳作9点(クオカード3千円分)が選ばれた。

 グランプリ作品は、「ごく限られたコミュニティでの活動であったものが、『読書』や『本』を媒介に、口コミを通じてマンション居住者ばかりではなく、近隣住民の方々も交えた地域コミュニティ形成の場へと発展し、マンション内外に広く認知された好事例」というのが審査員の講評。

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 グランプリ賞に輝いた作品のストーリーがすごい。前回は10人くらいしか集まらなかった子ども向けの童話読み聞かせ「ポプラ文庫」に、東日本大震災の6日後に100人超が集まるというシーンがある。フィクションでもあり得ない話だが、事実は小説より奇なり。いかにわれわれは危うい社会に生きているかを思い知らされる。

 会社員は仕事があり気がまぎれるが、家庭の主婦は話し相手がいないマンションという箱の中に閉じ込められ、現実とは思えない悲惨な被災地の状況をテレビでのべつ幕なし垂れ流されればパニック状態に陥るのだろうか。

 学校もまた社会と隔絶された世界だ。しかも教師の女性比率は6~7割に達する。恐慌状態を来すことがありうるのかもしれない。

 作家の金原ひとみさんは2015年に発表した「持たざる者」(すばる)で、3.11によって人生が狂った4人の主人公の孤独と喪失を描いた。ご本人も放射能汚染を恐れ東京から父親の実家である岡山に移住して次女を出産した。

 「ポプラ文庫」は恐ろしい世界を活写したのかもしれない。

 震災後〝絆〟が流行語になったが、今の世の中は社会も企業も家庭も絆を断ち切る方向に突き進んでいないか。そうした動きに抵抗する「ポプラ文庫」の活躍に期待したい。

 過去2回の「マンションいい話コンテスト」は報道陣を集めて盛大に授賞式が行われたが、今回はないのだろうか(管理会社編の受賞はイベントが行われると聞いているが)。

 気になったことが一つ。第1回の応募作品は1,015通、第2回目は806通だった。今回は426通だからほぼ半減した。賞金が過去2回は50万円だったのが今回は30万円に減額されたのが響いたのか。 

第2回「マンションいい話コンテスト2016」グランプリに梶原氏 マンション管理協(2016/12/10)

マンション管理協 「マンションいい話コンテスト2015」受賞作発表(2015/12/10)

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建築中の「BRANZ SIMATUPANG」

 東急不動産は11月30日、現地子会社・東急不動産インドネシアを通じて開発を進めているジャカルタの分譲マンション「BRANZ SIMATUPANG」(381戸)が上棟したと発表した。

 建設を大林組が、ランドスケープを石勝エクステリアが、管理・運営を東急不動産インドネシア社がそれぞれ担当するなど商品企画-施工-管理まで全て日系企業が関与するインドネシア初のプロジェクト。

 2015年10月から販売を開始しており、南棟は完売。北棟も着実に販売が進んでいるという。販売価格は完成に向けて徐々に上昇していくのが一般的で、当物件も販売開始時より約10%上昇している。引き渡しは2018年12月。

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「(仮称)豊洲地区1-1街区開発計画」

 東急不動産、NIPPO、大成有楽不動産は11月30日、江東区豊洲五丁目大規模プロジェクト「(仮称)豊洲地区1-1街区開発計画」が都市計画決定されたと発表した。

 事業地は、東京メトロ有楽町線豊洲駅から徒歩4分、江東区豊洲五丁目1号に位置する敷地面積約24,300㎡。住宅棟は地上50階建て約1,230戸。このほか生活利便施設棟、保育所棟が併設される。竣工は2021年度。

 水辺へのアクセス機能とにぎわいを創出する広場機能を備えたプロムナードの整備をはじめ、水域や公園と連続する多様なオープンスペースを創出する。住宅棟の一部住戸に東京ガスのマンション向け家庭用燃料電池「エネファーム」を導入する予定。

 マンションの坪単価は400万円をはるかに突破するとみられている。

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大浦氏

 阪神大震災後の平成10年、木造住宅の構造耐力向上、伝統工法の継承を目的としてスタートした「木造耐力壁ジャパンカップ」が今年の第20回大会をもって終了した。この最後の大会でもっとも強度の高い耐力壁としてトーナメント優勝した壁「SHINMEI」を作ったのはポラス暮し科学研究所の生産プロデュースグループ主任・大浦和香子氏だ。

 「昔からやってみたい壁の構想はあったのですが、ルールが変更になり、450ミリ×450ミリ以上の開口部を設置しなければならなくなり、大慌てで設計し、修正を加え3カ月で完成させました」

 壁は、伊勢神宮に代表される神明造の破風が伸びて千木となる形をイメージして作ったそうだ。材料は、土台がベイマツ集成材、柱・桁・貫がヒノキ、楔がカシ。

 「強いか弱いか、予測はしましたが、戦ってみないとわからない部分も多くて…勝因は斜材を土台・梁の部分まで通したのが効果的だったと思っています。またチームの皆が図面通りに精度よく加工・施工してくれて、耐震性で高得点したのがとてもうれしい」と振り返った。

 決勝戦で戦ったのは、矢はず張りのデザインが美しい、昨年度決勝戦で敗れた〝宿敵〟の「メケメケ」だった。参加者の多くは昨年度覇者の「メケメケ」の勝利を予想していたようで、それを覆しての勝利だったのがポラス関係者を喜ばせた。

 それでも大浦氏は「デザインで点数が伸びなかった。総合優勝できなかったのはそのせいかもしれない」と悔しさをにじませた。

 上司で同研究所生産プロデュースG主席研究員・上廣太氏は「この壁は、“固い”? それとも“堅い”? そうではなく〝手堅い〟」と大浦氏の作品を評した。

 大浦氏は2003年、木質構造研究室院を経て同社入社。以来、同研究所勤務。耐力壁ジャパンカップにはずっとスタッフの一員として参加してきた。昨年、トーナメントで優勝を逸し、今回、設計を担当することになった。

 大会はトーナメント戦を勝ち抜いたもっとも強度の高い耐力壁に贈られるトーナメント優勝と、強さ(耐震評点)に加えて環境負荷費、デザイン評点、材料費、加工費、施工費など総合的に優れた耐力壁に贈られる総合優勝(ジャパンカップ)の2つのタイトルがある。毎年、大学、専門学校、住宅関連企業、設計事務所などが参加している。今年は静岡県富士宮市の日本建築専門学校で開催され、13体の耐力壁が出場した。同社チームは今回を含め8度トーナメント優勝している。

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上廣氏(左)と大浦氏

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◇       ◆     ◇

 インタビューは、大浦氏のほか、上廣氏、同社広報担当者を交え約1時間、侃々諤々の論議を行った。

 冒頭のインタビュー記事はそのごく一部だ。同社チームは職業訓練校も含めて第4回大会から出場しており、今回で8度目のトーナメント優勝であり、〝女性〟の大浦氏が設計を主導した初めての耐力壁であることに〝価値〟があるのは確かだ。

 戦った相手は東京都市大学、東京大学、東京工業大学、東京理科大学、滋賀職業能力開発短大など上司も苦汁を飲まされてきた男性のその道のプロばかり。若い女性の大浦氏がそれらを打ち負かしたのだから、マスコミ受けするトピックスでもある。

 しかし、どうして20年も継続して行ってきた大会が終了となるのか、この間の成果、課題は何だったのか、今後はどうなるのか最大の取材テーマだった。男性vs女性などの視点から取材する意図は全くなかった。

 取材の成果は十分あった。例えばデザインとは何か。これは永遠のテーマだ。小生は、「美しいものこそが機能的だ。機能的なもののみが美しい」と語った丹下健三を支持するのだが、その伝でいえば、今回優勝した「SHINMEI」がもっともデザイン的に優れているということになるのだが、そうならなかった。もっともデザイン的に優れていると評価された壁は「紬~final~」の81点で、「SHINMEI」は68点だった。

 記者個人は、見た目が一番美しいと思う「rhombus」は0点(予選敗退したため)だし、黒い鋼板を採用したポラスハウジング「わでぃん」は他を圧していると思ったが60点(これも決勝トーナメント初戦で敗退したから低得点は納得)だった。

 この点について上廣氏は「どうしても主観が入る」と語り、大浦氏も「デザインは狙っていませんでしたが、大差をつけられた。これが敗因かも」と振り返った。

 機能的=美しいと評価されなかった。耐力壁ジャパンカップもこの永遠のテーマに正解を出すことができなかったということだ。(記者は〝馬子にも衣裳〟を信じない。大事なのは美醜を分ける眼力だ)

 このほか、レギュレーションが毎年のように変わる問題、ケヤキ、クス、クリ、サクラ、カシ、コクタンなどの高級材が利用できない理由、CLTは輸送に問題があること(現場施工ができない)、金物は悪か(記者はハイブリッドがいちばんいいと思うが)、安全性は担保されているか、解体を採点項目に加える是非、大会会場の利便性などについてもたくさん聞いたが、今回はこのあたりにとどめる。

 大会事務局は20年間を振り返って記念誌を発行する予定のようで、しっかり検証していただきたい。来年から装いを新たにスタートする大会は、「安全性が確保され、だれでも参加できるシンプルな規定にして、便利なところでやっていただきたい」と上廣氏の言葉と同じだ。

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アキュラホーム 第20回木造耐力壁ジャパンカップで総合優勝 大会はいったん幕(2017/9/25)

 

 

 

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