東急不動産 インドネシア初〝オールジャパン〟のマンション上棟
建築中の「BRANZ SIMATUPANG」
東急不動産は11月30日、現地子会社・東急不動産インドネシアを通じて開発を進めているジャカルタの分譲マンション「BRANZ SIMATUPANG」(381戸)が上棟したと発表した。
建設を大林組が、ランドスケープを石勝エクステリアが、管理・運営を東急不動産インドネシア社がそれぞれ担当するなど商品企画-施工-管理まで全て日系企業が関与するインドネシア初のプロジェクト。
2015年10月から販売を開始しており、南棟は完売。北棟も着実に販売が進んでいるという。販売価格は完成に向けて徐々に上昇していくのが一般的で、当物件も販売開始時より約10%上昇している。引き渡しは2018年12月。
東急不動産他 豊洲の50階建てマンション1,230戸など 都市計画決定
「(仮称)豊洲地区1-1街区開発計画」
東急不動産、NIPPO、大成有楽不動産は11月30日、江東区豊洲五丁目大規模プロジェクト「(仮称)豊洲地区1-1街区開発計画」が都市計画決定されたと発表した。
事業地は、東京メトロ有楽町線豊洲駅から徒歩4分、江東区豊洲五丁目1号に位置する敷地面積約24,300㎡。住宅棟は地上50階建て約1,230戸。このほか生活利便施設棟、保育所棟が併設される。竣工は2021年度。
水辺へのアクセス機能とにぎわいを創出する広場機能を備えたプロムナードの整備をはじめ、水域や公園と連続する多様なオープンスペースを創出する。住宅棟の一部住戸に東京ガスのマンション向け家庭用燃料電池「エネファーム」を導入する予定。
マンションの坪単価は400万円をはるかに突破するとみられている。
耐力壁ジャパンカップ 最後の第20回大会で最強壁をつくったポラス・大浦和香子氏
大浦氏
阪神大震災後の平成10年、木造住宅の構造耐力向上、伝統工法の継承を目的としてスタートした「木造耐力壁ジャパンカップ」が今年の第20回大会をもって終了した。この最後の大会でもっとも強度の高い耐力壁としてトーナメント優勝した壁「SHINMEI」を作ったのはポラス暮し科学研究所の生産プロデュースグループ主任・大浦和香子氏だ。
「昔からやってみたい壁の構想はあったのですが、ルールが変更になり、450ミリ×450ミリ以上の開口部を設置しなければならなくなり、大慌てで設計し、修正を加え3カ月で完成させました」
壁は、伊勢神宮に代表される神明造の破風が伸びて千木となる形をイメージして作ったそうだ。材料は、土台がベイマツ集成材、柱・桁・貫がヒノキ、楔がカシ。
「強いか弱いか、予測はしましたが、戦ってみないとわからない部分も多くて…勝因は斜材を土台・梁の部分まで通したのが効果的だったと思っています。またチームの皆が図面通りに精度よく加工・施工してくれて、耐震性で高得点したのがとてもうれしい」と振り返った。
決勝戦で戦ったのは、矢はず張りのデザインが美しい、昨年度決勝戦で敗れた〝宿敵〟の「メケメケ」だった。参加者の多くは昨年度覇者の「メケメケ」の勝利を予想していたようで、それを覆しての勝利だったのがポラス関係者を喜ばせた。
それでも大浦氏は「デザインで点数が伸びなかった。総合優勝できなかったのはそのせいかもしれない」と悔しさをにじませた。
上司で同研究所生産プロデュースG主席研究員・上廣太氏は「この壁は、“固い”? それとも“堅い”? そうではなく〝手堅い〟」と大浦氏の作品を評した。
大浦氏は2003年、木質構造研究室院を経て同社入社。以来、同研究所勤務。耐力壁ジャパンカップにはずっとスタッフの一員として参加してきた。昨年、トーナメントで優勝を逸し、今回、設計を担当することになった。
大会はトーナメント戦を勝ち抜いたもっとも強度の高い耐力壁に贈られるトーナメント優勝と、強さ(耐震評点)に加えて環境負荷費、デザイン評点、材料費、加工費、施工費など総合的に優れた耐力壁に贈られる総合優勝(ジャパンカップ)の2つのタイトルがある。毎年、大学、専門学校、住宅関連企業、設計事務所などが参加している。今年は静岡県富士宮市の日本建築専門学校で開催され、13体の耐力壁が出場した。同社チームは今回を含め8度トーナメント優勝している。
上廣氏(左)と大浦氏
◇ ◆ ◇
インタビューは、大浦氏のほか、上廣氏、同社広報担当者を交え約1時間、侃々諤々の論議を行った。
冒頭のインタビュー記事はそのごく一部だ。同社チームは職業訓練校も含めて第4回大会から出場しており、今回で8度目のトーナメント優勝であり、〝女性〟の大浦氏が設計を主導した初めての耐力壁であることに〝価値〟があるのは確かだ。
戦った相手は東京都市大学、東京大学、東京工業大学、東京理科大学、滋賀職業能力開発短大など上司も苦汁を飲まされてきた男性のその道のプロばかり。若い女性の大浦氏がそれらを打ち負かしたのだから、マスコミ受けするトピックスでもある。
しかし、どうして20年も継続して行ってきた大会が終了となるのか、この間の成果、課題は何だったのか、今後はどうなるのか最大の取材テーマだった。男性vs女性などの視点から取材する意図は全くなかった。
取材の成果は十分あった。例えばデザインとは何か。これは永遠のテーマだ。小生は、「美しいものこそが機能的だ。機能的なもののみが美しい」と語った丹下健三を支持するのだが、その伝でいえば、今回優勝した「SHINMEI」がもっともデザイン的に優れているということになるのだが、そうならなかった。もっともデザイン的に優れていると評価された壁は「紬~final~」の81点で、「SHINMEI」は68点だった。
記者個人は、見た目が一番美しいと思う「rhombus」は0点(予選敗退したため)だし、黒い鋼板を採用したポラスハウジング「わでぃん」は他を圧していると思ったが60点(これも決勝トーナメント初戦で敗退したから低得点は納得)だった。
この点について上廣氏は「どうしても主観が入る」と語り、大浦氏も「デザインは狙っていませんでしたが、大差をつけられた。これが敗因かも」と振り返った。
機能的=美しいと評価されなかった。耐力壁ジャパンカップもこの永遠のテーマに正解を出すことができなかったということだ。(記者は〝馬子にも衣裳〟を信じない。大事なのは美醜を分ける眼力だ)
このほか、レギュレーションが毎年のように変わる問題、ケヤキ、クス、クリ、サクラ、カシ、コクタンなどの高級材が利用できない理由、CLTは輸送に問題があること(現場施工ができない)、金物は悪か(記者はハイブリッドがいちばんいいと思うが)、安全性は担保されているか、解体を採点項目に加える是非、大会会場の利便性などについてもたくさん聞いたが、今回はこのあたりにとどめる。
大会事務局は20年間を振り返って記念誌を発行する予定のようで、しっかり検証していただきたい。来年から装いを新たにスタートする大会は、「安全性が確保され、だれでも参加できるシンプルな規定にして、便利なところでやっていただきたい」と上廣氏の言葉と同じだ。
アキュラホーム 第20回木造耐力壁ジャパンカップで総合優勝 大会はいったん幕(2017/9/25)
オーナーの思い×ポラスのこだわり 駅近と同額でもほぼ満室稼働 戸田の賃貸住宅
「CHOCOLAT(ショコラ)」
オーナー・峯岸氏
ポラスグループの賃貸住宅を手掛けるポラスグランテックは11月30日、埼玉県戸田市に完成させた南欧風デザインで街並みを形成した賃貸住宅「CHOCOLAT(ショコラ)」の報道陣向け見学会を行った。北戸田駅から徒歩16分の立地で、個性的な〝魂を込めた〟企画がヒットし、家賃は駅徒歩5分圏とほぼ同じ額ながら全4棟21室のうち入居を前に19室が契約済みだ。
物件は、JR埼京線北戸田駅から徒歩16分、埼玉県戸田市笹目1丁目に位置する敷地面積1,629㎡(511坪)の全4棟。A棟は1LDK8世帯、延べ床457.89㎡、B棟は2LDKメゾネット2世帯・1R4世帯、 延べ床323.62㎡、C棟は2LDK2世帯、2LDKメゾネット1世帯、延べ床253.60㎡。D棟は2LDK4世帯、延べ床258.36㎡。投資額は約3億円。
中庭を囲むように建物を配置。それぞれ城門(A棟)、ステンドグラス(B棟)、赤、木製ドア(C棟)、個性的な窓枠(D棟)などを設けているのが特徴。
一般的な設計なら25~30世帯が建てられるが、差別化を図るためあえて21世帯に抑制。短期的な利回りよりも入居者が「長く住みたい」「家族が増えたら敷地内の広い間取りの部屋に移りたい」と考えてもらえるよう長期安定経営に主眼を置いている。
中庭には石畳調のスタンプコンクリートを採用、街路灯も設置、夜はライティングで表情を変える演出を行う。駐車場は敷地外に確保して景観を守っている。
同社部長・篠田則夫氏は「戸田市は人気が高いが、ライバルも多いので差別化を図る意味で他社と一線を画し、サブリース・利回り優先ではない、街並み形成、コミュニティ醸成などに力を注ぐなど魂を込めた。〝一生賃貸〟という最近の若者のニーズも吸収した。地主向け内覧会には2日間で50名が参加したように評価を得た」と話した。
オーナーの峯岸昭幸氏(55)は、「映画の舞台にもなった『世界一美しい村』ともいわれる仏フラヴィニー村に感銘を受け、その世界観に最も近かったポラスの分譲住宅の街並みを取り込めないかと同社を選定した。9割以上思っていたことが実現できた」とコメントした。峯岸氏は2年前にIT企業を退職してストレージ・ソリューション社を設立。現在、賃貸住宅27棟(計画中含む)118室(同)を所有・管理している。
関係者などによると、入居者募集は7月末から開始し、これまでに19室が契約済み。坪単価は駅5分圏内の相場とほぼ同じくらいの約6.1~7.5千円。実質利回りは8%確保できているという。
夜景
中庭
◇ ◆ ◇
賃貸住宅のことはよくわからないのだが、なぜ駅から16分もあるのに、駅近の相場と同じ賃料でほぼ満室稼働できるのか信じられない。オーナーの熱い思いと、ポラスグループの地主にこびない企業姿勢がぴったり合致したのが成功した要因のすべてだろう。以下、感じたままを記す。記者の心の動きが分かっていただけるはずだ。
ゲート
◇ ◆ ◇
戸田駅に着いたとき、昼過ぎなのに空は暗く冷たい雨が降っていた。嫌な予感がした。同社が手配したタクシーに乗ったのはいいが、現地まで10分近くかかるではないか。いくら経済設計の利回り優先の賃貸でも、これでは歩けない(あとで聞いたが、北戸田駅から徒歩16分)。最初は入居者が決まるかもしれないが、空いたが最後。ずっと空き家になるのは必至だ。誰が入居するのか。安かろう悪かろうの賃貸など見たくない。気安く見学の誘いを受けなければよかったと悔いた。
現地の建物を見たときは、嫌な予感はいくらか薄れた。間口が23m以上あるシンメトリーの建物はなかなか見栄えのするものだった(これがA棟)。中央にゲート(城門)が設えてあった。外観の素材はともかく邸宅ともいえるデザインが美しかった。
そのゲートを潜ったとたん、景色が変わった。広いパティオ(中庭)が広がっていた。一世を風靡したセボン(大伸フード)を思い出した。南欧風のRC造の分譲タウンハウスに購入希望者が列をなしたあの光景がよみがえった。
それでも期待が膨らむことはなかった。〝利回り優先とは一線を画した〟〝街並みを造った〟〝コミュニティを育む〟〝魂を込めた〟〝これしかないと即決した入居者もいた〟〝通る人がみんな眺める〟〝ポラスの街並みが気に入った〟-など関係者、オーナーが熱っぽく語っても半信半疑で聞いていた。地主の道楽で建てたのではないかと。
配布された資料の図面を見て、疑念がまた湧いてきた。プランはよくできているとは思ったが、図面ではB~D棟は接道しているようには見えなかった。つまり〝違法建築〟ではないかと。
しかし、その疑念は設計監理を担当した同社係長・岸野真奈美氏の説明で氷解した。敷地は3方に接道しており、幅2mの避難通路も確保されていた。これには驚いた。普通ならレンタブル比率を高めるため分棟などしないで戸数を増やすはずだ。
それ以降は驚きの連続だった。一番びっくりしたのは本物の木製玄関ドアが採用されていたことだ(他は普通のスチールドア)。法令にも対応しているとのことだった。
手すりなどにはオーダーの鋳物が使用され、立派なステンドグラスも2カ所に設置されていた。壁の張替のコストを考え、クロスは上部と下部を分けるボーダーを設けている-なるほど、これがメリハリか。愚鈍な記者にも知恵の輪が解けた。〝魂を込める〟ことがどれほど大事かまた学んだ。
居室
駅から15分 克服できる商品企画 大和地所レジ「ヴェレーナ浦和ザ・ハウス」
「ヴェレーナ浦和 ザ・ハウス」完成予想図
大和地所レジデンスが12月下旬に分譲する「ヴェレーナ浦和 ザ・ハウス」を見学した。浦和駅から徒歩15分とややあるが、周囲は低層住宅街で希少な中層マンション、戸建て感覚のオープンエアリビング付き1階住戸、6,6mのワイドスパン、屋上ペントハウスプランなどの特性をアピールできるかどうかが成否のカギを握る。
物件は、JR京浜東北線、湘南新宿ライン、上野東京ライン浦和駅から徒歩15分、さいたま市南区太田窪二丁目に位置する6階建て全52戸。専有面積は65.26~80.20㎡、価格は未定。竣工予定は平成31年2月下旬。施工は森組。設計はオンズデコ一級建築士事務所。
現地は、第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置。元企業の研究所跡地。周辺も同じ用途地域だが、ほとんど戸建て用に土地は細分化されており、高い建物が建つ可能性は低い。
建物は美しいシンメトリーのデザインが特徴。住戸プランは一部を除き6.6mのワイドスパン、角住戸にコーナーガラスを採用し、1階オープンエアリビング付き、屋上ペントハウスプランなどとし、御影石のキッチンカウンター、食洗機などが標準装備。廊下はメーターモジュールを採用している。
◇ ◆ ◇
駅から徒歩15分(バス2分徒歩3分)と学区の小学校・中学校の距離がマイナス要素と思われるが、これをどう覆すか。
第一は価格だ。同社は未定としているが、記者は坪単価220万円なら十分勝負できると思う。70㎡で1階住戸は5,000万円、その他は4,700万円くらいだ。最上階の13~16mスパンペントハウスタイプとルーフバルコニー付きで6,500万円でも売れるとみた。それだけの商品企画力がある。
第二は、この優れた商品企画をどうアピールするか。1階住戸と最上階住戸はよさが分かるから問題はない。他の住戸をどうするかだ。設備仕様・仕上げは他の郊外型と比べても勝てるはずだ。駅と反対側の徒歩15分なら坪単価は280万円だろうし、低層の良好な住宅街なら300万円はする。これをきちんと説明できるか。
メーターモジュールを採用した郊外のマンションはまず埼玉県にはないし、6.6mスパンもない。
ついでだが、記者も見学し記事にも書いた「ヴェレーナグラン大宮大門町 瑞景」は残り1ケタもないようだ。記者が予想した坪単価280万円よりずいぶん低いようだ。
住友不「シティテラス杉並方南町」竣工 「外観美しい」完成後に来場が倍化
「シティテラス杉並方南町」サウス棟
住友不動産は12月1日、東京メトロ丸ノ内線方南町駅から徒歩1分の国家公務員宿舎跡地に完成した大規模マンション「シティテラス杉並方南町」の報道陣向け竣工内覧会を行った。2016年7月の第1期~3期まで半数以上の約160戸が契約済みで、建物が竣工してからは「外観がきれい」というお客さんの購入が目立ち、来場ペースがそれ以前より倍増しているという。関係者は完売まで1年はかからないとみている。累計問い合わせ件数は約4,000件、来場者は約1,400件。竣工を待って現地棟内にモデルルームを新設した。
物件は、地上6 階建て・11階建て2棟全298戸。専有面積は54.68~85.07㎡。坪単価は370万円。竣工は2017年11月30日。設計・施工は三井住友建設。
購入者のうち30~40歳代が全体の約6割。大手町、霞が関勤務のアッパーサラリーマン層がメイン。現居住地は区内が約3割。隣接区を含めると約6割。
都心の駅近大規模で、資産性・利便性を求める幅広い層から支持を集めている。現在、方南町駅ホームの延伸工事が進められており、2019年度に完成すれば中野坂上止まりなのが都心方面まで直通運転される。
ノース棟
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一昨年4月に取材したとき、「外観デザインが美しい。コンクリート打ち放し風の外壁は一部有孔コンクリが採用されており、風情がある。坪単価は未定だが、ほぼ予想したとおりだ。坪400万円はないとみた」と書いた。
関係者も、「竣工してからコンクリート打ち放しのきれいなのを見て購入を決断される方が多い」というのもうなずける。外階段のルーバーとのコントラストも美しい。
坪単価もこれから割安感がでてくるはずだ。
外階段ルーバー
駅1分、外観デザインがいい 住友不動産「シティテラス杉並方南町」(2016/4/22)
〝丸の内愛してる〟 過去最多870名が参加 第9回「東京エキマチ キラピカ作戦」
第9回「東京エキマチ キラピカ作戦」
東京ステーション運営協議会、NPO大丸有エリアマネジメント協会、八重洲・日本橋・京橋地域の3者は11月30日、東京駅周辺を掃除する第9回「東京エキマチ キラピカ作戦」を実施した。約70万㎡のエリアの就業者や在住者など71の企業・団体が集まり、ゴミや落ち葉などの清掃を行った。参加者は過去最多の約870名に上った。
「キラピカ作戦」は、きれいで快適な駅でお客さまを迎えようという趣旨で2002年に始められた自主的な清掃活動。毎年、夏休み前と年末の年2回、行われている。
◇ ◆ ◇
午前8時15分、東京駅丸の内側の駅前広場に全員が集合。関係者からの挨拶、注意事項などを確認し、東京駅、大丸有、八重洲・日本橋・京橋地域の3つのエリア・班に分かれて8時30分から作業開始。9時30分まで約1時間、清掃活動を行った。
参加者の一人、日本郵便に勤務する30歳代の女性は「参加は今回で2度目。強制ではありません。作業は苦になりません。丸の内を愛していますから」と、数人の仲間と舗道のイチョウの葉っぱを拾っていた。
また、東京駅八重洲口でゴミを拾っていた大丸に勤める30~40歳代の男性は「東京駅を誇りに思っている」「吸い殻は2本のみ。めっちゃきれいな街」と、感嘆の声を上げた。
清掃のプロ、JR東日本テクノハートの社員は「通勤時間と重なったので、安全面に配慮して作業しました。まったく問題なかった」と話した。
左から〝丸の内愛してる〟日本郵便の社員と〝東京駅が誇り〟の大丸の社員
◇ ◆ ◇
〝丸の内を愛している〟-このコメントだけで取材した意味があった。大丸有エリアは掃除の必要など全くないほどきれいだった。日常的に清掃・管理が行き届いているからだろうし、在勤者のマナーもいいからだろう。100尺ラインの建物も美しい。マンションが建ったら坪3,000万円どころか5,000万円の評価も当然だ。
時間の都合で八重洲エリアは見て回れなかった。雑居ビルも多く、汚い看板が目立つので大丸有というわけにはいかないだろうが、これから再開発が本格化する。大丸有とままた違った美しい街並みが形成されるのに期待したい。
〝目標は1,000人です。皆さん頑張りましょう〟
三菱地所レジデンス 戸建て分譲 全戸に「エネファーム」採用
三菱地所レジデンスは11月29日、東京ガスの供給エリアで分譲する戸建住宅シリーズ「ザ・パークハウス ステージ」全戸に家庭用燃料電池「エネファーム」を標準採用すると発表した。
「エネファーム」は、都市ガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、発電した電気を家庭内で利用するほか、その際に出る熱も給湯に利用するなど送電ロスがなく、発電時に出る熱を無駄なく活用できる環境にやさしいシステム。
東京都の物件には、停電時発電継続機能を内蔵した「エネファーム(レジリエンスモデル)」を原則標準採用する。これによって、停電時の発電継続期間が最長約8日間となる。
同社は、戸建住宅シリーズ「ザ・パークハウス ステージ」を年間約300戸、将来的には年間400~500戸供給することを目標としている。
東京ガスによると、2009年に販売を開始して以来、着実に伸ばしており平成29年11月現在、累計販売台数は9万台を達成した。
デベロッパーでは、三井不動産レジデンシャルは2014年に「エネファーム」の全戸導入を決定し、野村不動産もほぼ同じころに全戸に導入した大規模戸建てを分譲している。
◇ ◆ ◇
結構なことではあるが、先行する三井不動産レジデンシャルや野村不動産に肩を並べるには今一つインパクトに欠ける。記者は三菱地所ホームの全館空調システム「エアロテック」を全戸標準装備して差別化を図るべきだと思う。
三菱地所、アーバネット、ポラス 各社社長が出席 メセナアワード2017贈呈式
各受賞代表者(左から大谷、中内、清野、吉田、上原、服部、吉江の各氏)青山・スパイラルホールで
公益社団法人企業メセナ協議会は11月28日、芸術・文化の振興に貢献した企業・企業財団・団体などを顕彰する「メセナアワード2017」の贈呈式を行った。
メセナ大賞を受賞した三菱地所「三菱地所のShall We コンサート(出張コンサート)」は同社・吉田淳一社長が、「アートの玄関賞」を受賞したアーバネットコーポレーション「アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペティション」は同社・服部信治社長が、「街が踊る賞」を受賞したポラス「南越谷阿波踊り」は同社・中内晃次郎代表がそれぞれ出席。受賞の喜びを語った。
このほか、「しまんちゅ心と技賞」の沖縄タイムス社「沖縄タイムス伝統芸能選考会・選抜芸能祭」は同社・上原徹専務が、「地域光らせ賞」のジェイティービー「JTB 交流文化賞」は同社・大谷恭久常務が、「プラッと音楽賞」の東日本鉄道文化財団「駅コンサートの開催」は同財団・清野智理事長が、文化庁長官賞の富士ゼロックス「文化伝承活動」は同社・吉江則子CSR部部長がそれぞれ出席した。
◇ ◆ ◇
受賞については、添付した記事を読んでいただきたい。デベロッパー、ハウスメーカー3社が一度に受賞するのは初めてのことで、こんな嬉しいことはない。
CSR担当役員を務めていた三菱地所の吉田社長は、「街づくりを通じて社会に貢献するのが当社グループの使命。文化・芸術は国力を増す源泉。これからもグループ一丸となって文化・芸術を取り込み深めダイナミックに展開していく」と決意を語った。
服部社長は、彫刻家を目指し大学を入学する学生のうち卒業して正業につけるのは100人に1人いるかどうかの厳しい現実に心を痛め、何とかしようと企画を考えたことを紹介。リーマンショックのときは賞金を半額にし、審査員にも手弁当で応援してもらったことに感謝の言葉を述べた。
「南越谷阿波踊り」は今年で33回目。中内代表は「今後もより一層地域社会に貢献する」と宣言した。創業社長で阿波踊りの提唱者・故中内俊三氏から「会社が潰れても阿波踊りだけは残せ」と言われたことを語る場面では言葉を詰まらせた。
三菱地所 吉田氏
アーバネット 服部氏
ポラス 中内氏
◇ ◆ ◇
ホールの端っこで取材していたとき、逆の端っこの通路を歩く和服姿の女性に目を奪われた。近眼・老眼・乱視の記者はよく見えないのだが、その得も言われぬ美しい帯が〝わたしを見逃さないで〟と呼び掛けてきた。
大変失礼だとは思ったが、贈呈式が終わってから、その女性に声を掛けた。もらった名刺には「大日本印刷ICC本部ミュージアムラボ推進室室長 飯田直子」とあるではないか。〝まさか印刷ではないでしょうね〟と出掛かった言葉を飲み込み、「西陣織ですよね」と訊ねたらその通りだった。叔母さんからもらった帯で、値段は本人もわからないそうだ。
写真を撮り記事にさせていただくよう拝み倒し、了解を得たので紹介する。飯田氏はメセナ協議会の顕彰部会部会長を務めている。大変失礼しました。住宅・不動産業界のメセナ活動をよろしくお願いいたします。
飯田氏
「街が踊る賞」を受賞した南越谷阿波踊りを披露する同社の連(レセプションで)
大和ハウス ハイクラス向け第2弾 プレミアムグランウッド東京23区版 始動
「プレミアムグランウッド世田谷・等々力の家」
大和ハウス工業は11月28日、最高級の木造フルオーダーの家づくりプロジェクト「PREMIUM GranWood(プレミアムグランウッド)」東京プロジェクトを12月1日(金)より東京23区で本格始動すると発表。一般公開するケーススタディハウス「プレミアムグランウッド世田谷・等々力の家」の報道陣向け見学会も行った。
同プロジェクトは、今年4月、兵庫県芦屋市の「プレミアムグランウッド 神戸・芦屋の家」をケーススタディハウスとして始動したのに次ぐ第二弾。「今だけ、ここだけ、あなただけ」をメインテーマに相談から設計-建築-アフターサービスまでサポートする「プレミアムデザインユニット」も新設した。
日本家屋特有の「侘び・寂び」の空間を演出するため、左官職人の土壁や樹齢200年の吉野杉の5%しか採取できない柾目材を使用した天井、中庭と居室を一体としたプラン、最高級システムキッチン、最高レベルの耐震・高気密・断熱仕様が特徴。年間の受注目標は10棟。
芳井敬一社長は、「4年前、東京本店長に就任してから取り組んできた、当社が足りないハイクラス向けに特化したプロジェクト。匠・技術・素材の〝3つの逸品〟として完成させた。非常に力が入っている」と話した。
「等々力の家」は、東急大井町線等々力駅から徒歩10数分、世田谷区野毛1丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する敷地面積232.66㎡(70.37坪)、延床面積153.54㎡(46.44坪)。木造2階建て(グランウッド構法)。価格は土地・建物・外構・家具含め2億7,500万円(消費税込)。モデルハウスとして利用したのち、来年9月をめどに分譲する。
芳井社長
◇ ◆ ◇
元神戸製鋼のラガーマン芳井社長も忸怩たる思いだったようだ。同社の木造の販売戸数は年間470~480棟。この棟数について、芳井社長は「東京23区はSR社(住友林業と推測される)の一人勝ち。当社のシェアは10位にも入れない」と現状をストレートに語った。
配布された資料によると、平成27年度の木造販売トップの住友林業は400棟に迫り、第2位のM社(三井ホーム)が300棟近く、3位のMS社(ミサワホーム)が約200棟で、S社(積水ハウスのシャーウッド)が約170棟、同社は90棟くらいだ。各メーカーの重点エリアである世田谷、杉並区では住林・三井ホーム3分の1程度の売り上げしかない。
発表会と現場見学会には、住宅事業全般担当の大友浩嗣常務執行役員、住宅系商品開発担当の有吉善則常務執行役員、プロジェクト責任者の北村淳プロデューサーなども出席。満を持しての投入で「(他社に)少しは脅威を与えられる」(芳井社長)自信作だ。
ダイニング(左)と吉野杉の天井
Miele社の大型食洗機
◇ ◆ ◇
記者は、坪単価1,000万円以上、グロスで10億円を超えるマンションのモデルルームを数えきれないほど見学してきた。戸建ても先月、三菱地所ホームの時価にして7~8億円はしそうな三菱地所ホームのモデルハウス「ORDER GRAN AKASAKA」に宿泊体験した。昨年末見学した同社グループのコスモスイニシア「グランフォーラム石神井公園」(8棟)が出色の出来だったのは記憶に新しい。
なので、今回報道陣に公開された「等々力の家」には全然驚かなかった。配布されたリリースから土地代は坪250万円くらい、建物は坪200万円くらいではないかとはじいた。
現地も確認し、関係者の話などから総合すると、土地は傾斜地であることからもっと安く、建物は坪200万円くらいだろう。ほぼ予想した通りだし、すぐ近くに等々力渓谷が流れる立地から判断して妥当な値段だろうと思う。
物件からは、どこかで聞いたことがある言葉だが、〝今だけ、ここだけ、あなただけ〟の熱意がひしひしと伝わってきた。
もっとも驚いたのが、樹齢200年の吉野杉を格子状に張り巡らせたダイニングキッチンの天井だ。柾目を使ったこともあるのだろうが、節がまったくない(田舎育ちの貧乏人の記者はスギは節があるからこそ美しいと思うが)。素人が見たら木目調パネル(ケミカル)だと思うはずだ。床は御影石。しかも暖房が入っているように温かい。
〝キッチンの横綱〟(大鵬か白鵬か)と呼ばれるイタリアValcucine(バルクッチーネ)社の最高級品のグラスファイバー材のトップカウンター、バイブレーション処理したステンレスの扉、浮造りの収納引手も見事。美しい。
Miele社の大型食洗機がまたすごい(記者が知らないだけか)。トン、トンと2回叩くと扉が開く仕掛けになっている。1度ではだめだそうだ(記者は「開けゴマ」と声をかけたがもちろん声には反応しない)。
中庭-居室-リビングを一体ととらえ、侘び寂びの空間を演出する「庭屋一如」も陽の移ろいなどをきちんと計算して設計したという。
その他、冬温かく夏涼しい「快適涼暖システム」、業界最高クラスのU値0.198W/㎡・Kの「オールバリア断熱プレミアム仕様」、耐震等級3相当の一般在来と比較した場合の構造の変形を2分の1程度に抑えられる耐力壁「グランデバイス」を採用している。これも強調材料のはずだ。
玄関
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年間目標棟数はずいぶん控えめな数字だ。スタッフにプレッシャーをかけない配慮か。先の三菱地所ホーム「ORDER GRAN AKASAKA」は開設2か月で6棟の成約だ。「グランフォーラム石神井公園」はほとんど1億円以上だったにも関わらず4カ月くらいで完売した。
来年の今頃、芳井社長がどのようにコメントするか楽しみだ。
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プロジェクトとは関係ないが、ラガーマンだったからわかっていただけるはずだ。芳井社長にお願いしたいことがある。
RBA野球に参加しているチームの再生だ。今年の野球大会のベスト4は積水ハウス神奈川、旭化成ホームズ、住友林業、ミサワホーム東京ですべてハウスメーカーだ。このほか一条工務店もパナホームも決勝トーナメントに勝ち進んだ。大和ハウスは2勝3敗で予選敗退した。
これまでチームの最高記録は平成15年の第15回大会のベスト4入りで、その後は長期低迷が続いている。通算成績は28勝44敗、通算勝率.389。何ごとも負けていいはずはない。チームを応援し、檄を飛ばしていただきたい。
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