大京アステージ 日赤と連携 「地域包括ケアシステム」の推進に貢献
「健康生活支援講習支援員養成講習」受講風景(日本赤十字社東京都支部で)
大京グループのマンション管理事業を手掛ける大京アステージは12月13日、日本赤十字社が実施している「健康生活支援講習支援員養成講習」を活用し、「地域包括ケアシステム」の推進へ向けて協力していくことで合意に達したことを受けて、報道陣に講習の一部を公開した。
同社社員が「健康生活支援講習」を受講、認定を受け、日赤と協力しながら、全国で42万戸を超える同社の管理受託物件を中心に自助・互助の輪を広げ、「地域包括ケアシステム」の推進に貢献する。また、習得した健康生活や介護に関する知識を生かしてマンション居住者の日常生活をサポートすることに加え、サービス品質の向上、新商品・新サービスの開発・提供を目指す。
日赤の「健康生活支援講習」には一般の人中心に毎年約4,000名が受講し、約3,500名が「健康生活支援講習支援員」として認定を受けている。マンション管理会社がこのような取り組みを行うのは初めて。
同社は当面、同社ライフサービス事業部のCA(カスタマーアドバイザー)推進室に所属する女性など34名が受講する。受講時間は12時間。講習終了後に試験を受け合格すると「健康生活支援講習支援員」の認証が交付される。支援員は日赤の指導員になる受験要件を付与される。
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同社ライフサービス事業部長・中村忍氏、同部次長・似田稔氏が講習を受けるに至った経緯、取り組み内容などを記者発表会で説明した。
同社が2015年、居住者宅を訪問し、住まいに関する〝お困りごと〟を解決する女性中心の「お客さま係」を設置したことはニュースリリースで知っていたが、担当者の数が32名に達しているのにはびっくりした。将来目標として「60名を目指す」とは聞いていたが、まさか2年でこれだけの人数に育てるとは。
そして、さらに驚いたのが日赤事業局副局長兼救援・福祉部長 山澤將人氏と事業局救援・福祉部参事 大西浩子氏がそれぞれ日赤の「人間のいのち・健康・尊厳を守る」使命(理念)を話したことだ。「いのち」も「健康」ももちろん重要だが、日赤が「尊厳を守る」ことを理念に掲げていることを知らなかった。敬服するほかない。
今回の両者の連携が、講習の目的・内容でもある〝自分のために、地域のために、家族のために〟力を発揮することを期待したい。それと、同社には性急な要求かもしれないが、適正なフィーを得られるビジネスに「お客さま係」を育ててほしい。30名ものスタッフが日々収集する情報は利益を産む源泉ではないか。
大輪が咲くはず 大京アステージ 「お客さま係」新設 将来60名体制(2015/3/17)
江古田の杜 コミュニティ施設に「Casita(カシータ)」のサニーテーブル
左から宮島氏、高橋氏、小山氏
都市再生機構、積水ハウス、医療法人財団健貢会 総合東京病院の3者で構成される江古田三丁目地区まちづくり協議会は12月12日、江古田の杜プロジェクト「リブインラボ(コミュニティ施設)」内施設の食堂・レストラン運営に東京・青山のレストラン「Casita(カシータ)」グループを運営するサニーテーブルの参画が決定いたことを受けてプレス向け説明会・試食会を行った。
説明会・試食会に出席したサニーテーブル代表取締役会長・高橋滋氏(65)は「いまのレストラン業を始めて16年になるが、その前の20年間は貿易の仕事をしていた。仕事で世界中を飛び回り、あらゆるエアサービス、ホテル・レストランサービスなどを受けていたが、1994年、うわさの『アマンプロ』を初めて利用したとき、総支配人がわたしの名前を呼んでエントランスで迎えてくれたのに衝撃を受けた。これがヒントになった。〝サービス〟を切り口にするレストラン業は成功するのではないかと。
『カシータ』も100%ではないが、お客さまの名前をお呼びして迎えることにした。お蔭さまで予約が取れないレストランになった。リブインラボは500円、1,000円のメニューかもしれないが、システムと情熱をかければ高いサービスを提供できる」と語った。
積水ハウス 開発事業部 東日本設計統括部長・宮島一仁氏は、子どもを核に多世代の交流によって生まれるコミュニティ、地域の緑・環境の活用、防災拠点、充実した医療施設との連携などにより、街づくりのコンセプトである「コドモイドコロ」について説明した。
積和不動産取締役・小山健氏は、これまでの同社の縦代交流施設事業について説明。「江古田の杜」プロジェクトは、これまでに例がない学生向け・就業者向け住宅を併設することで日本版都市型CCRC(Continuing Care Retirement Community)のモデルにしたいと話した。
リブインラボ全体の運営・管理事業者には積水ハウスグループの積和不動産が決定しており、子どもから高齢者まで多世代で育む持続可能なコミュニティづくりを進める。
「江古田の杜プロジェクト」は、「多世代により育まれる持続可能な地域をつくる」をコンセプトにUR都市機構、積水ハウス、総合東京病院が協働して進めている住宅、医療、保育施設などの複合プロジェクト。
国家公務員宿舎跡地(約4.4㏊)に、積水ハウスが分譲マンション「グランドメゾン江古田の杜」531戸、子育て世帯向け賃貸マンション263戸、サービス付き高齢者向け住宅121戸、学生向けマンション85戸、医療従事者向けマンション56戸、介護付き有料老人ホーム94室を建設するほか、総合東京病院の病院棟、コンビニエンスストア、認可保育所、学童クラブなどが併設される。
「リブインラボ(コミュニティ施設)」
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高橋氏が受けた驚愕のサービスを記者も10年前、開業当日の「ザ・リッツ・カールトン東京」で経験しているので紹介する。
「(宿泊の翌日)タバコを吸いたくなったので、ロビーで『タバコを吸う場所は外しかありませんか』と聞いたところ、『バーなら結構ですので、よろしかったらどうぞ』とスタッフが応えた。内心、真っ昼間から1杯2000円以上もするワインを飲まなきゃならないのかと思ったが、飲み物はオーダーしなくてもいいと言われた。こんなサービスをするホテル・旅館は日本中のどこを捜してもないだろうと思った」
(皆さん、ロビーからピアノ演奏の美しい音楽が流れてくるリッツのバーで一人タバコを吸う光景を思い浮かべていただきたい。お金持ちだったら絶対、ビールかワインかウイスキーを注文するはずだ。あのときロビーにいたスタッフは記者が貧乏人であるのを見抜けなかったのか、それともこの〝もてなし〟について誰かにしゃべるその効果を読んでいたのか…今でも謎だ)
試食会で供された食事(同社が運営する「青山食堂」とほぼ同じメニューだそうだ。ハンバーグとから揚げがメイン。記者はご飯の量を減らしてもらったが、それでもから揚げは1個残した。カロリーは1200キロカロリーくらいか)
三菱地所 「青山ベルコモンズ」建て替え着工 42室のホテルも併設
「(仮称)北青山二丁目計画」
三菱地所は12月11日、港区北青山二丁目の「青山ベルコモンズ」の建て替え計画「(仮称)北青山二丁目計画」の着工を行ったと発表した。竣工は2020年4月末の予定。
地域のシンボルであった「青山ベルコモンズ」の歴史性を踏まえ、多種多様な人々が交流する空間を創出することを目指し、地上20階、延床面積約23,000㎡のオフィス・ホテル・商業ゾーンからなる複合ビルへ建て替える。
外装デザインはガラスファサードによるデザインとし、低層部のデザインは緑豊かで開放的な空間を演出することで圧迫感を抑え、周囲の街並みや景観との調和を目指す。
ホテルゾーン(17~19階)はPlan・Do・Seeが運営する。客室は42室。客室サイズは約30~60㎡。
物件は、東京メトロ銀座線外苑前駅から徒歩3分、港区北青山二丁目に位置する敷地面積2,264.27㎡、地下2階地上20階建て延床面積22,910.61㎡。建築主は第6メック都市開発特定目的会社(三菱地所の100%出資子会社)。開発業務受託者は三菱地所。設計は三菱地所設計。施工は銭高組。
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建築家・黒川紀章の設計で知られる「青山ベルコモンズ」は、記者がマンションの取材を始めた昭和60年代の初め、当時のビルの所有者で次々ヒット作を供給していたアサヒ都市開発の担当者と美味しい酒を飲みかわし歓談したのを思い出す。
建て替えといえば、表参道駅前の「南青山第一マンションズ」の建て替えも来年あたりにはアウトラインが見えてくるはずだ。いったい坪単価はいくらになるか。1,000万円をはるかに突破するとみているが…。
大和地所レジ「ヴェレーナグラン大宮大門町 瑞景」全45戸 1カ月半で完売
大和地所レジデンスは12月11日、さいたま市大宮区のマンション「ヴェレーナグラン大宮大門町 瑞景」全45戸が販売開始から約1カ月半で早期完売したと発表した。
物件は、JR大宮駅から徒歩5分、さいたま市大宮区大門町三丁目に位置する13階建て。専有面積は・60㎡台~83㎡台、価格は4,400万円台~8,100万円台。入居予定は2019年5月下旬。施工は大木建設。
大宮駅から徒歩5分の立地に加え、再開発エリアに近接、ガラスコーナーサッシなど開放感を高めたプランなどが評価された要因。
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ご同慶の至りだ。10月に取材したとき、坪単価300万円の大台に乗ったらわからないが、280~290万円だったら間違いなく早期完売すると読んだ。実際はもっと安かったようだ。お客さんの考えと記者の読みにそれほど差がなかったことがなにより嬉しい。
そこで、同社も含め中堅デベロッパー(このような呼び方は失礼だと思うが、記者は便宜的に数社の大手以外をひとくくりでこう呼んでいる)に注文。マンションの分譲に関するメディア向けニュースリリースを発信するのはいいのだが、同時に記者見学会をもっと積極的に行っていただきたい。仮に大手と同じ商品企画でもブランド力では圧倒的に負ける。それを補うために、専門紙誌の記者にアピールするのは有効な手段だと思う。
しかし、積極的に記者見学会を行っている中堅デベロッパーは総合地所くらいで、皆無に近い。これでは〝駅近〟〝大規模〟〝再開発〟〝タワーマンション〟などで一網打尽に需要を取り込もうとする大手に勝てない。埋没する一方だろうし、現場の営業にそれだけ負担がかかる。ニッチに徹するのも生き残る方法だろうが…。
見学会を行っても記者は集まらず、徒労に終わることもある。それでも繰り返し、一つひとつ説明すればいずれは理解されるようになる。広報活動は大手の2~3倍努力しないと勝負にならない。
ローマは一日にしてならず。いま中堅でユーザーから圧倒的な支持を得ているモリモトは、バブル崩壊後の平成4~5年から〝デザイナーズマンション〟を前面に掲げ、大手に対抗してきた。
大和地所レジ 人気になった「大宮大門町」に隣接 坪300万円はないと見たが… (2017/10/12)
東急不動産 マルチテナント型商業ビル「(仮称)銀座七丁目計画」を着工
「(仮称)銀座七丁目計画」
東急不動産は12月11日、マルチテナント型商業ビル「(仮称)銀座七丁目計画」を着工し、リーシングを推進すると発表した。
同社の商業ビルとしては、銀座エリアでは2016年3月に開業した「東急プラザ 銀座」に続き2件目。過去、銀座街並みを形成していたレンガ街風景を再解釈し、レンガというモチーフをシャープに表現するデザインにする。
物件は、東京メトロ銀座線銀座駅から徒歩4分、JR山手線新橋駅から徒歩6分、中央区銀座七丁目に位置する敷地面積207.64㎡、地下1階地上10階建て延べ床面積1,488.17㎡。店舗数9店舗。基本設計・監修は東急設計コンサルタント、実施設計・施工は大本組。商環境デザインはサポーズデザインオフィス。開業予定は2019年春。
旭化成不動産レジ 町田の商業ビル建て替え 床の一部を自社で所有し賃貸運用
建て替え後のイメージ図
旭化成不動産レジデンスは12月11日、町田駅前の商業ビルとして運営されていた区分所有建物を等価交換方式で建て替え、再生後の区分所有建物の床の一部を自社で保有し賃貸運用すると発表した。
事業物件は、小田急線・JR横浜線町田駅から徒歩2分、東京都町田市原町6丁目に位置する敷地面積約799㎡、築36年の4階建て延べ床面積約2,960㎡。建て替え後は8階建て延べ床面積約5,200㎡となる。2017年10月27日に本体工事に着手しており、2019年7月のテナントオープンを予定している。
旭化成不動産レジ・不燃建築公社「アトラス品川中延」 第1期72戸の販売完了
「アトラス品川中延」完成予想図
旭化成不動産レジデンスと一般財団法人首都圏不燃建築公社は12月11日、品川区の「アトラス品川中延」の第1期73戸の販売が完了したと発表した。
物件は、東急池上線荏原中延駅から徒歩4分、品川区中延2丁目に位置する13階建て全195戸(非分譲72戸含む)。専有面積は33.45~87.05㎡、第1期の価格は4,568万~10,588万円。坪単価は352万円。設計・監理は日建ハウジングシステム、施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は2019年2月下旬。
12月10日までに分譲された第1期販売では、購入者から「都心部にありながら、非幹線道路沿いの住宅地に建つ閑静な大規模レジデンス」という点が高く評価され、品川区を中心に中広域からも多くの申込登録があったという。年明け1月にも第2期の販売を開始する予定。
物件の建設地は、関東大震災後の復興のために同潤会が建設した木造低層住宅地のうち戦争で焼け残った歴史ある地区で、東京都の「木密地域不燃化10年プロジェクト」の不燃化特区「東中延一・二丁目、中延二・三丁目地区」のコア事業として位置づけられている。
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見学するのを忘れていた。近く見学してレポートしたい。坪単価352万円と聞いたとき「えっ」とも思った。いつも同社のマンションの価格設定は低めだからだ。しかし、一昨年あたりで320~330万円で人気になっていたことを考えると〝相場並み〟か。設計が日建ハウジングシステムだから、割高感はない。
三井不動産 都内で10番目の三井ガーデンホテル「(仮称)銀座五丁目」着工
三井不動産は12月11日、東京都中央区銀座五丁目の「(仮称)銀座五丁目ホテル計画」を12月8日付で着工したと発表した。三井不動産が所有する土地にホテルを建築し、竣工後、三井不動産ホテルマネジメントが三井ガーデンホテルとして運営を行う。開業は2019年(平成31年)秋を予定している。
物件は、東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅から徒歩1分、東京メトロ日比谷線・銀座線銀座駅から徒歩4分、中央区銀座五丁目に位置する敷地面積1,079.85㎡、延床面積13,441.25㎡、15階建て客室数338室(予定)。設計は東急建設・久米設計。施工は東急建設。
三井ガーデンホテルズは現在、全国で20施設5,337室を運営しており、都内のホテルは2018年開業予定の「三井ガーデンホテル大手町」、「三井ガーデンホテル五反田」、「(仮称)三井ガーデンホテル日本橋プレミア」に続き10番目となる。
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ついこの前、「マンションvsホテル 『銀座』の〝適(敵)地〟争奪戦 序の口の段階か」という見出しの記事を書いたばかりだ。ちょっとやそっとでは驚かない。「赤坂」のモリモトのマンション見学の際も2つの建築中のホテル現場を見た。
これぞ本物の億ション 坪950万円はむしろ安い 東急不動産ほか「六本木」
「ブランズ六本木 ザ・レジデンス」完成予想図
東急不動産(事業比率40%)・オリックス不動産(同30%)・大京(同30%)の3社JVの免震マンション「ブランズ六本木 ザ・レジデンス」を見学した。都営大江戸線六本木駅から徒歩3分の高台立地で、敷地はほぼ整形の角地。坪単価950万円の最高レベルの億ションだ。会員優先などで4~5割が契約・申し込み済みなのも納得だ。
物件は、都営大江戸線六本木駅から徒歩3分、東京メトロ日比谷線六本木駅から徒歩4分、港区六本木四丁目に位置する地下2階地上8階建て全51戸。専有面積は55.01~313.53㎡、坪単価は950万円。竣工予定は2019年2月下旬。設計・監理・施工は清水建設。デザイン監修は建築家の三沢亮一氏。管理は大京アステージ。販売代理は東急リバブル。
現地は、オリックスが所有していた駐車場跡で、かつてはジョサイア・コンドル(1852~1920)が居宅にしていたところ。ほぼ東西(幅員約9.92m)と南北(幅員約4.88m)に走る区道が交差するヒルトップの角地。
建物は免震構造を採用。基壇部は重厚な石張りで、上層部はカーテンウォール。南側正面に対のシンボルツリーを植え、頭頂部はシンボリックな形状としているシンメトリーのデザインが特徴。東京都のマンション環境性能表示で星11個(満点は12個)を獲得している。
共用部分は枝垂れ桜を配したグリーンコート、ギャラリーコリドール、フォーマルラウンジ、ライブラリー、倶楽部ラウンジなど。駐車場は地下方式で全戸分確保。
住戸プランは、55㎡の住戸が2戸、80㎡の住戸が1戸あるほかは全て100㎡以上。LDK、キッチン、洗面室、主寝室に床暖房を採用。キッチンはIHとガスの選択制、リビングドアはユーカリの浮造り・鏡面仕上げ、小口部分に彫刻を施したキッチンカウンター、ナースコール付きのバス・トイレ、バックカウンター・吊戸棚、ハンズグローエ社の水栓、ミーレ社の電気製品、ジャクソンの浴槽など。
グリーンコート
エントランス
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最高の立地条件であるのは確認済みだったが、シアターでジョサイア・コンドルがいきなり登場したのには驚いた。先日はコンドルが設計した綱町三井倶楽部でターナーを発見したばかりだった。
担当者にコンドルが住んでいたことを聞き、億ションふさわしい由緒ある土地であることが分かったのだが、デザイン監修、共用部分のアート作品などを担当しているメンバーがまたすごい。
デザイン監修の三沢亮一氏の作品は結構見学しており、石彫家・和泉正敏氏の作品も経団連会館や三井不動産レジデンシャルのマンションでを見ているが、桜守・佐野藤右衛門、切子作家・黒川昭男氏、ガラス作家・岸本耕平氏もその方面ではよく知られた方のようだ。
プラン、設備仕様もまた間違いなく一級品だ。バス・トイレが各2カ所などはともかく、廊下幅が2mくらいあるのはさすがというべきか。これら立地・設備仕様を考えると坪単価950万円はむしろ安いくらいだ。315㎡のペントハウスは15億円だから坪単価は1,571万円。これなどは坪2,000万円でも3,000万円でも驚かない。
東急不動産は最近、ビルや再開発で何かと話題になっているが、都心の高額物件の供給も積極化させている。今年1月には「ブランズ ザ・ハウス一番町」を完成させたし、このほか「六本木飯倉片町」(33戸)「永田町」(21戸)「六番町」(39戸)の都心物件を分譲している。
記者はバブル期の「プレステージュ」をよく覚えている。当時の担当者が残っている間に、三井レジが独走気味の億ション市場に風を吹き込んでほしい。
モデルルーム 洗面室
つくばいアート
〝タワマンに負けない〟商品企画光る 明和地所「クリオ レジダンス八王子」
「クリオ レジダンス八王子ザ・マークス」完成予想図
明和地所が分譲中の「クリオ レジダンス八王子ザ・マークス」を見学した。JR・京王線八王子駅からともに徒歩3分と近いが、坪単価は265万円。決して安くはなく、同駅圏ではこのマンションも含めて7物件958戸がひしめく中、販売開始から3カ月弱で全150戸のうち半数近くが売れている。立地特性を生かした商品企画が光る。
物件は、JR中央線八王子駅・京王線京王八王子駅から徒歩3分、八王子市旭町に位置する15階建て全150戸。専有面積は32.23~82.03㎡、坪単価は265万円。竣工予定は平成31年3月下旬。総合監修はレーモンド設計事務所。設計は共同エンジニアリング。施工は多田建設。
現地は、JRと京王線八王子駅のほぼ中間の商業地域エリア。敷地は北西角地で、住戸プランは北向きと南向き。南向きは隣接する建物の影響を考慮して8階までは1フロア8戸のコンパクトタイプ、9階以上は1フロア4戸の8~9m台のワイドスパン住戸。北向きは1フロア5戸のファミリータイプが中心。バックカウンター・吊戸棚も標準装備している。
販売を担当する井野真利雄氏は「商品企画は当社の女性が担当した。ボイドスラブを採用して梁型が居室内に出るのを少なくし、収納率を10%確保するなど工夫している間取りに対するお客さんの評価が高い。タワーマンションに負けない差別化が図られている」と胸を張った。
その女性担当者は「間取りは32㎡(1LDK)から82㎡(3LDK)の18タイプを用意し、住み心地の良さを感じられるよう随所に使い勝手を考慮した多様な収納をベースとした『CLIO STYLE STORAGE』を導入…先進機能を採用した『IoT型マンション』として快適性を追求した」と同社が先に発表したニュースリリースでコメントしている。
リビング
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現在、八王子駅圏では、同社の物件のほか住友不動産「シティタワー八王子フレシア」204戸、東京建物「ブリリアタワー八王子」226戸、一建設「プレシス八王子レグリオ」154戸、山田建設「ミオカステーロ八王子II」83戸、タカラレーベン「レーベン八王子GRANDSAGE」55戸、総合地所「ルネ八王子トレーシア」86戸が分譲中で、トータルすると7物件で958戸に上る。坪単価は160~280万円まで幅広く競合は微妙だが、同社の坪265万円は決して安くはない。
それでもコンパクト、ファミリーともまんべんなく好調な売れ行きを見せているのは、JRと京王線のほぼ中間という立地マンションは20年ぶりという特性を生かした商品企画だ。
北向きは、採光・開口部をたっぷりとったワイドスパンが特徴で、南向きも眺望に恵まれた9階以上のプランが優れている。
細かな商品企画では、LIXILの調理中と後片付けをサポートする機能を備えた「Wサポートシンク」と熱やキズ、汚れに強いセラミックトップのカウンター、外出先からも住戸内からもスマートフォンで住戸の電気錠を制御できる美和ロックのホームセキュリティシステム「wiremo」(ワイレモ)をそれぞれ都内で初採用している。
「Wサポートシンク」
プラン例