今年も南越谷阿波踊りを満喫 ハウスメーカーの住宅広報連絡会
〝やっとさー やっとさー〟宴会場で練習(住宅広報連絡会幹事・アキュラホーム堀越氏撮影)
ハウスメーカー16社の広報担当者らで組織する「住宅広報連絡会」は8月19日、「南越谷阿波踊り」鑑賞会を兼ねた記者懇親会を行った。
「南越谷阿波踊り」は、徳島県出身のポラスグループ創業者・中内俊三の呼びかけで始まった夏祭りで、今回が33回目。見物客は年を追うごとに増え、ここ最近は3日間で70万人を超える人気となっている。本場徳島県の「徳島市阿波おどり」と「東京高円寺阿波おどり」とともに日本三大阿波踊りの一つと言われている。
記者懇親会はここ10数年恒例となっており、この日は44名が参加。飛び入りで踊る「にわか連」に参加するため、ポラスグループの女性広報担当者の鉦を合図に〝やっとさー やっとさー〟と千鳥足で男踊りの練習をしたあと、舞台会場へ繰り出した。あいにくの豪雨のため「にわか連」は中止になったが、その分だけ酒の量がみんな増えた。
記者は参加しておりません(踊る阿保にも見る阿呆にもなれないのです)
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記者は、この南越谷阿波踊りと高円寺阿波おどりをここ10数年欠かさず鑑賞している。見終わった後、いつも千鳥足で帰るのは酒だけのせいではない。
とにかく女踊りが美しい。浴衣の裾よけ(けだし)は赤やピンクが多く、鉦や太鼓に合わせピョンピョンと跳ねるたびに白いふくらはぎが見え隠れする姿がなんとも妖艶だ。久米の仙人が神通力を失うのもよくわかる。深い編み笠からほのかにのぞくうなじや首筋も実に美しい。
諸説あるが、〝小股が切れ上がった女〟とは、このうなじが美しい女性のことを言う説を記者は支持する。普段和服は首筋を隠して着るのに対し、阿波踊りの浴衣は遊女のように首筋を大きく開けて着るのが江戸の人に受けたといわれている。
ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その4(フォトページ)(2017/4/29)
都市計画の母が泣く たまプラーザの「ユリノキ通り」が消える!? 市が伐採計画
「天冠」のように「伐採」の張り紙が巻かれたユリノキ
東急電鉄他が分譲中のマンション「ドレッセWIZEたまプラーザ」を見学した。その記事を書く前に、信じられない事態が進行していることを紹介する。「ユリノキ通り」「ユリノキ商店街」の名に記されているように素晴らしいユリノキが街路樹として植えられているのだが、そのユリノキが伐採されるというのだ。
売れ行きがすこぶる好調の「ドレッセWIZEたまプラーザ」のモデルルームを見学するため、たまプラーザ駅北口からまっすぐ伸びるユリノキ通りを歩いた。
ふと見ると、樹齢数十年と思われるユリノキの大木に「街路樹伐採のお知らせ」の張り紙が巻かれていた。1本や2本ではない。10本くらいはあった。樹勢が衰えているようには全然見えなかった。張り紙にはどうして伐採するかの理由は書かれていなかった。店先にユリノキが植わっている一軒の商店主は「張り紙が張られるまで知らなかった」と話した。
街路樹を管轄する横浜市青葉区の土木事務所によると、ユリノキ通りの街路樹は土地区画整理事業によって40~50年前に植えられたもので、伐採するのは、〝倒木の恐れがあるから伐採してほしい〟という地元商店街の要望があったからだという。ユリノキの倒木事例は全国的に多く、たまプラーザでも過去に事例があると補足した。
すべて伐採するには1千万円単位の費用が掛かるため、市ではとりあえず今年度は11本を伐採する計画だ。どの樹種に変更するかは未定。
街のポテンシャルを構成する要因には美しい街並み・緑があるのではないかという記者の質問に、市の担当者は「その通りで、地元の方たちには全部伐採してもいいのか、『ユリノキ通り』『ユリノキ商店街』でなくなっていいのかと聞いたが、『それでもいい』という返事だった」と話した。伐採する告知はしっかり行ったという。
また、「青葉区は市18区の中で飛びぬけて街路樹が多い。他区は4,000~5,000本なのに、青葉区は15,000本くらいある」そうだ。
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市の現在の街路樹設置基準には、交差点から10m以内には高木を植えない、間隔は10m以上、枝葉が張るものは15m以上などと定められている。
たまプラーザの「ユリノキ通り」は、明らかにこの基準に合致しない。歩測だが、間隔は7~9mくらいしかなく、大げさに言えば櫛比している。中層住宅街に植える樹木でないのも確かだ。
しかし、だからこそ美しい街並みを形成しており、坪単価が400万円近くても売れるのがたまプラーザではないのか。
記者は〝土地区画整理事業は都市計画の母〟と教わった。ユリノキ通り街路樹は植えられてから40~50年。ユリノキにしてみれば妙齢期だし、人間にとっても女性はもっとも美しくなる年齢だ。なのに〝疎ましい〟〝伐れ〟と言われる。
〝ミンミンミン〟-ユリノキの巨木で鳴くニイニイゼミは〝都市計画の母〟の泣き声に思えてきた。あの張り紙は死者につける天冠か。
たまプラーザ「ユリノキ通り」(左が建築中の「ドレッセWIZEたまプラーザ」)
またまた「街路樹が泣いている」 千代田区 街路樹伐採で賛否両論(2016/9/8)
積水ハウス、一条工務店、東急ホームズなど 第11回キッズデザイン賞298点発表
キッズデザイン協議会は8月21日、子どもの安全・安心と健やかな成長発達に役立つ優れた製品・空 間・サービス・研究活動などを顕彰する「キッズデザイン賞」の第11回受賞作品298点を発表した。総理大臣賞など優秀作品は9月25日に発表される。
応募総数は4,081点で、アプリ・IT・テクノロ ジー系の分野の応募が増加傾向にあり、教材・学習サービス部門の応募は昨年度の約3倍となった。
住宅・不動産業関係では、積水ハウス(6点)、LIXIL(4点)、一条工務店(3点)、東急ホームズ(3点)、ミサワホーム(2点)、三井ホーム、住友林業、コスモスイニシアなどが選ばれた。
〝思ったより安い〟設備仕様の高さ 来場者評価 野村不「プラウド銀座東レジデンス」
「プラウド銀座東レジデンス」完成予想図
野村不動産が9月上旬に分譲する「プラウド銀座東レジデンス」を見学した。最寄り駅の新富町駅まで徒歩2分、銀座アドレスまでも徒歩7分の立地と設備仕様の高さが来場者に評価され、「思ったより安い」という声を上げているそうだ。早期完売は必至と見た。
物件は、有楽町線新富町駅から徒歩2分、日比谷線築地駅から徒歩6分、中央区明石町に位置する12階建て全102戸(非分譲3戸含む)。専有面積は58.05~100.42㎡、予定価格は6,600万円台~21,900万円台(最多価格帯9,900万円台)、坪単価は420万円。施工は鴻池組。竣工予定は平成31年1月下旬。
現地は、銀座エリアから徒歩7分。敷地東側が開校107年を迎えた明石小学校(幼稚園併設)に、道路を挟んだ敷地西側が築地川公園にそれぞれ隣接。聖路加病院にも近接。
建物のデザイン担当はデザイン・ファーム合同会社。外観は、由緒ある街にふさわしく2層までの基壇部は御影石張り。西側道路に面した外観は縦と横のライン、マリオンが印象的なシンメトリー。
住戸のインテリアデザインはHBA。プランは平均74㎡の広めのプランが中心で、80㎡超も31戸。キッチン、洗面室、ニッチ、浴室のカウンターなどに御影石を多用しているのが特徴。キッチン袖壁と洗面カウンターバックも御影石が標準。ガラストップコンロはリンナイの上位モデルのデリシアを採用している。
同社の販売担当者は「地元に縁のない方の問い合わせ・来場が多いのが特徴。銀座に近く、駅から徒歩2分、聖路加病院にも近接しているのが評価されている。モデルルームを見られた方は『思っていた以上に設備仕様が高い』とおっしゃっている。第1期は60戸くらい供給する予定。100㎡超も人気。」と話している。
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この物件は、同社が今年1月に「プラウド銀座東」のマンション見学会を行った時点で必ず見ようと考えていた。「プラウド銀座東」より駅に近く、規模も大きく、明石小学校に隣接していたからだ。価格がどうなるかも大きな関心事だった。
常識的には坪450万円くらいではないかと思ったが、当時、野村不動産ホールディングス社長兼グループCEO・沓掛英二氏は「年度末にかけ販売を強化する」旨の発言をされたので、ひょっとしたら価格を抑え早期完売を狙うのではないかとも予想した。
その通りの値付けとなった。「思ったより安い」という来場者の声がそれを証明している。設備仕様レベルを落とさず売り切るという同社の姿勢がはっきり見て取れる物件だ。
同社は、今期に販売開始した「プラウド綱島SST」(94戸)第1期60戸、「プラウド上鷺宮」(58戸)第1期35戸、戸建ての「プラウドシーズン武蔵境ガーデン」(14戸)などを即日完売するなど好調なスタートを切った。〝即完のプラウド〟を再び強く印象付けようとする戦術と見た。
キッチン(左)とパウダールーム
文明開化の香りがする中央区明石町 野村不動産「プラウド銀座東」(2017/1/26)
加速するベトナム進出 フージャースHD ホーチミンの販売イベントで500戸成約
「The Manor Central Park(TMCP)」計画
フージャースホールディングスは8月16日、ベトナム・ホーチミンでの不動産投資事業第一弾プロジェクトの販売が好調にスタートしたと発表した。
同社は今年5月、ASEAN地域で多数の不動産投資実績のあるCreed Holdings Pte. Lte.(Singapore)の組成するベトナム及びカンボジアを投資対象とするSPCに出資して海外事業に進出。第一弾プロジェクト「La Casa(仮称)」は、5棟2,370戸からなるコンドミニアムで、「The Garden Bay(491戸)」と「River Panorama(491戸)」2棟の販売イベントを行ったところ、1,200人の来場があり、約500戸が成約したという。
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先日、三菱地所レジデンスが2014年にタイ・バンコクでの分譲マンション事業に参画して以来、開発案件が11件、累計10,000戸を突破し、これまで販売した10物件・約9,400戸のうち80%以上が成約済みと発表したばかりだ。
この数字にびっくりしたのだが、ベトナムでもすさまじい勢いのようだ。来場者1,200人のうち500人がマンションを購入するとは。
ベトナムでの不動産開発が加速しているのは、政情が安定しており、6%を超える経済成長率を維持し、さらに規制緩和によって不動産の開発・取得が容易になったことが背景にあるようだ。以下、主だった企業のベトナムでの開発事業を概観してみた。
もっとも意欲的なのが東急電鉄だ。ホーチミン市近郊のビンズン新都心の約71haに1,000億円を投資して、9,000戸の住宅や商業施設などを整備するという。
西鉄と阪急不動産は今年4月、ホーチミンで約26haの「MIZUKI PARK」の開発に着手し4,670戸のマンションのほか、100戸の戸建て、60戸のタウンハウスを建設すると発表した。
三菱地所レジデンスは、ホーチミン、ハノイの3カ所で合計2,854戸のマンションの開発を進めている。
大和ハウス工業、野村不動産、住友林業の3社は一昨年、ホーチミンで約2,100戸の「フーミーフン」開発を進めると発表。また、大和ハウスはホーチミン郊外で約270haの工業団地の開発を進めている。
三菱商事は昨年7月、ハノイ市郊外の100ha超の大規模複合開発事業「The Manor Central Park(TMCP)」に参画、低層棟約1,000戸、高層棟17棟・約7,700戸を建設すると発表。近鉄不動産は今年8月10日、このTMCPに関電不動産とともに事業参画すると発表した。
クリードは、現地デベロッパー2社とともにホーチミンで11haの開発を進めており、4,800戸のマンションのほか、2,500戸のSOHO・店舗を2020年までに整備する計画だ。
ダイビルはこれまで2棟のビルを取得。高島屋グループの東神開発は高島屋とともに延べ床面積約55,000㎡の「サイゴンセンター」を昨年稼働させた。
長谷工コーポレーションは今年2月、ベトナムへの進出の足掛かりとして110戸のサービスアパートメントを竣工させた。
スターツは2009年、不動産仲介・コンサルタントを主業務とする現地法人を設立している。
三菱地所レジデンス 業界初 マンション各住戸玄関前に宅配ボックス設置へ
三菱地所レジデンスは8月17日、フルタイムシステムと共同でマンションの「各住戸玄関前宅配ボックス」の共同開発に着手し、2018年1月に着工予定の分譲マンション(東京都文京区)へ導入する予定と発表した。この種の開発は業界初。
共用エントランスドアや宅配ボックスの開錠ができるICカードを利用し、宅配業者が玄関前まで荷物を配達する。これにより、住戸数に対する宅配ボックスの設置率が100%以上となる。
「各住戸玄関前宅配ボックス」は幅約50 cm×奥行約60cm×高さ約136 cm。飲料水の段ボールや精米、ゴルフバッグといった大型宅配物にも対応する。
好スタート 第1期は330戸 住友不「シティタワーズ東京ベイ」 プラン秀
「シティタワーズ東京ベイ」
住友不動産「シティタワーズ東京ベイ」が好調なスタートを切った。第1期1次販売戸数は330戸で、本日(8月17日)から契約を開始したが、同社は300戸くらい成約できると見ている。坪単価は320~330万円。アッパーミドルを中心に湾岸エリアからの買い替え意向が半数近くに上るのが特徴だという。
物件は、東京臨海高速鉄道りんかい線国際展示場駅から徒歩4分、ゆりかもめ有明駅から徒歩3分、江東区有明二丁目に定置する32・33・33階建て3棟全1,539戸。第1期1次(330戸)の専有面積は43.17~118.36㎡、価格は3,490万~15,490万円(最多価格帯7,000万円台)、坪単価は320~330万円。竣工予定は平成31年7月下旬。施工は前田建設工業。
現地は、開発面積約10.7haの国家戦略特区認定を受けた住宅・商業・ホテル・子育て支援施設などの大規模複合開発。2010年に都市再生機構と東京都から用地を取得した。
住宅棟は有明駅とぺディストリアンデッキで結ばれ、建物は免震工法を採用。道路を挟んだ南側は国営公園約6.7ha、都立公園約6.5ha、合計13.2haの東京臨海広域防災公園。周辺に高い建物がなく、眺望が将来にわたって担保されているのが特徴の一つ。
住戸プランは、70㎡台で約10mスパンを確保するなどすべての住戸がワイドスパンで、内廊下、天井高約2600ミリ、アウトフレーム、ダイナミックパノラマウインドウなどが特徴。
同社は、「極めて順調。今日から契約開始だが、300戸くらいは成約できそう。築10年超の湾岸マンションからの買い替え意向が半数近くに上っているのが特徴。当社の今年上半期(1~6月)のマンション来場者数も成約数も昨年同期比20%増」と、手ごたえを感じている。
モデルルーム
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競合関係はともかくとして、今年供給される湾岸マンション5物件の価格と売れ行きに注目していたが、すべて価格は抑制気味で、売れ行きも極めて好調に推移しそうだ。
5物件とは、京浜急行他「プライムパークス品川シーサイド」1,152戸(「ザ・タワー」817戸、「ザ・レジデンス」335戸)、積水ハウス「グランドメゾン品川シーサイドの杜」587戸、三井不動産レジデンシャル他「パークタワー晴海」1,076戸、野村不動産「プラウドシティ越中島」305戸と住友不動産のこの物件だ。トータルすると4,659戸にも達する。
当初から坪単価は300万円を突破するとみていたが、大幅に超えるようだと苦戦必至とみていた。ところが、アドレスが「中央区」の三井不動産レジデンシャル「晴海」が坪340~340万円に落ち着き、住友不動産の「東京ベイ」が320~330万円、京急&積水ハウスの「品川シーサイド」が308~320万円、野村不動産の「越中島」が300万円強と絶妙な値付けが奏功したのか、いずれも極めて好調なスタートを切った(野村不「越中島」は9月分譲)。
京急「品川シーサイド」の第1期は400戸に上り、積水ハウス「品川シーサイド」も第1期は207戸、三井不動産レジデンシャル「晴海」の第1期が369戸、そして住友不動産「東京ベイ」の第1期が330戸だ。
エントランスホール
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商業施設やホテルがどのようなものになるか未定だが、「東京ベイ」は、同社のフラッグシップにふさわしいレベルが高いマンションだと思う。
プランがいい。40~50㎡台も含めすべてワイドスパンで、全居室が窓側に面している。四方八方に高い建物がない特性をよく生かしている。天井高も高く、設備仕様も水準以上だ。ジオラマも大きさは20㎡くらいあり、1000分の1の建物も精緻にできている。
シアターは見なかったが、物件の特性をしっかり伝えているのがユーザーの評価につながっていると見た。
京急電鉄他「品川シーサイド」 第1期は約400戸 昨年の「二俣川」「東京王子」上回る(2017/3/13)
「5本の樹計画」と呉越同舟効果 「グランドメゾン品川シーサイドの杜」(2017/3/24)
三井レジ他「パークタワー晴海」 「有明」と競合必至 価格はいくらになるか(2017/4/26)
野村不「プラウドシティ越中島」は坪300万円強 激戦の湾岸で優位に立つか(2017/7/21)
竣工販売だからできる夫婦別室提案 大成有楽不動産「オーベル稲城南山」
「オーベル稲城南山」
大成有楽不動産が近く分譲を開始する「オーベル稲城南山」を見学した。約87万m²の土地区画整理事業による街づくりが進んでいる「スカイテラス南山」の一角に位置し、目の前は公園や雑木林。この緑の環境が評価され、中広域的に集客が進んでいるという。
物件は、京王相模原線稲城駅から徒歩8分、東京都稲城市の南山東部土地区画整理事業地内に位置する7階建て47戸。専有面積は67.90~95.57㎡、価格は3,400万円台~6,000万円台、最多価格帯は3,800万円台、坪単価は188万円。施工は南海辰村建設。建物は平成29年7月に竣工済み。
現地は、広大な土地区画整理事業による街づくりが進んでいる「スカイテラス南山」の集合住宅用地・沿道施設用地の一角にあり、保育園、大型スーパーに近接。道路を挟んだ南側は公園予定地で、その奥には戸建て用地や雑木林が広がる。敷地の北側は先に完売した野村不動産「プラウドシティ南山」(412戸)。
住戸プランは、南向き中心のファミリー向け。同社オリジナルの提案「オレンジラボ」が標準装備。
来場者のうち25%が稲城市居住者で、中広域から集客できているのが特徴。南側に公園予定地や戸建て、雑木林などが広がる緑の環境が評価されているという。
モデルルーム
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「プラウドシティ南山」が売れ残っているようなら販売は苦しいとみていたが、この4月で完売したそうだ。約2年で412戸が売れたことになる。
大成有楽不動産の物件は「プラウド」より坪単価で10万円くらい高いが、立地・環境を考慮した値付けだろう。竣工販売にしたのも環境のよさをアピールする狙いがあったからだろう。
シニア向けに夫婦別室の提案を行っているモデルルーム(83㎡)の提案が面白い。これも竣工販売だからこそできる提案だ。
50代前半の居住を想定したプランは、夫の部屋が約6.5畳大、その隣に約5畳大の妻の部屋、さらにその隣に5畳大の主に妻用のクローゼットを提案している。
分譲戸建てでは夫婦別室提案をかなり見学しているが、マンションではほとんど見たことがない。マンションでもニーズはあるはずで、受けるかもしれない。
タウンマネジメントや里山については、別掲の記事を参照していただきたい。
モデルルーム
市街化区域編入から44年 稲城・南山の区画整理で分譲開始(2014/9/25)
多摩ニュータウン学会 稲城市の南山東部区画整理・里山を学ぶ(2012/3/26)
地域の魅力をどうアピールするか 野村不動産「プラウドシティ南山」(2015/2/9)
〝不動産は買い時〟過去5年で最低の41.1% 野村アーバン調査
野村不動産アーバンネットは先に不動産情報サイト「ノムコム」(http://www.nomu.com/)の会員を対象とした「住宅購入に関する意識調査(第13 回)」の結果をまとめ、「不動産は買い時」との回答は41.1%と前回調査より3.5ポイント減少し、「不動産は売り時」と考える理由1位は「今なら好条件での売却が期待できるから」などと発表した。調査は、不動産の購入検討者であるノムコム会員に年2 回(1月・7月)実施しているもの。
不動産の買い時感については、「買い時だと思う」「どちらかと言えば買い時だと思う」の回答が41.1%(前回比3.5ポイント減)で、2013年7月の63.3%と比較して22.2ポイント減少。この5年間で最低となった。
一方、「買い時だと思わない」の回答が37.6%(同6.4ポイント増)で、この5年間でもっとも少なかった2013年7月の36.7%を0.9ポイント上回った。
今後の不動産の価格については、「下がると思う」の回答が34.4%(同7.1ポイント増)となり、「上がると思う」の回答は22.9%(同0.3ポイント減)となった。
売却意向のある人に不動産の売り時感について聞いたところ、「売り時だと思う」「どちらかと言えば売り時だと思う」を合わせ75.8%となった。その理由は「今なら好条件での売却が期待できるから」の回答が最も多く51.4%、次いで「不動産価格が上がったため」の回答が47.7%となった。
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「不動産は買い時」感が過去5年で最低となったのは今のユーザーのムードを反映してはいるが、記者はこの種の「売り時」「買い時」調査をあまり重視しない。住宅を投資の対象にしている人や住宅に困っていない富裕層などはともかく、圧倒的多数派を占める住宅困窮者にとって「売り時」「買い時」などと考える余裕はないと考えるからだ。
住生活基本計画における居住面積水準では子育て世帯の63.8%が最低居住水準以下・誘導居住面積以下となっており、その他、耐震性、住環境、最寄り駅からの距離、通勤時間などの不満を合わせれば、住宅困窮者は圧倒的多数派を形成する。
このような層はいつも「買い時」であり、ステップアップが可能ならいつも「売り時」であるはずだ。
「買い時」と感じていない人が増加しているというのは、それだけデベロッパーや不動産流通会社の提案力・需要喚起策が低下しているということだし、ユーザーの将来不安に対する解消策を示せない国の責任は大きい。
「分譲か賃貸か」の記事は“読まない書かない売らない”一般サラリーマンには「分譲か賃貸か」の選択肢などない(2012/2/29)
ポラス 学生コンペ 実物件化モデルハウスを公開 ミニ開発の難点を解消
「DomaHut(どまはっと)」
ポラスグループのポラスガーデンヒルズは8月10日、2014年の「第1回ポラス 学生・建築デザインコンペティション」に応募があった全458作品のなかから実物件化を目的として建築を進めてきたモデルハウス「DomaHut(どまはっと)」が完成したのに伴い、報道陣向けに見学会を行った。実物件化は一昨年の「三郷中央」に次ぎ2件目。
採用したのは、当時、九州大学大学院の松川真友子氏の「もう一つの連なる棟」。建物は松戸市牧の原に位置する敷地面積101.58㎡、木造軸組工法3階建て、延べ床面積125.25㎡。5,000万円台の前半で分譲する予定。当時の応募要件は、木造による1棟~最大10棟の「自立型の共生を表現した住宅」だった。
縦長の建物を3分割し、中央のブロックの屋根を90度回転させ、屋根の間から光と風を取り込み、半屋外と半屋内の土間空間を演出し、梁・柱・天井などに構造体を効果的に露出させているのが特徴。
事業化に関わった同社ガーデンヒルズ事業部設計部部長・安藤欣司氏は「家の真ん中に土間空間を設け、外とつなげるアイデアが面白かった。適地を選定するのとプランニングに2年間くらい要した。コストをもっと下げるのが課題」などと話した。
現在、北川原温建築設計事務所に勤務する一級建築士の松川氏は「実家が長崎で、隣近所の付き合いが大事だったのを思い出し、庭が持てない密集住宅地の問題を解決しようと考えた。プロの力によって事業に関われたことに感謝している」と語った。
土間空間
安藤氏(左)松川氏
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松川氏がどのような「密集住宅地」を想定したのかわからないが、記者は昭和50~60年代、いわゆるミニ開発をよく取材した。ひどいものは、長屋として確認申請し、実際は切り離して一戸建てとして分譲されたものもあった。猫の額ほどの庭もなかった。明らかに違法建築だった。
安藤氏が「コストは2階建てと比較すると1.7倍、3階建てだと3割増し。窓も嵌め殺しにせざるを得なかった」と語ったように、コスト高は否めないが、ミニ開発の問題点を解決しようという意欲がストレートに伝わるモデルハウスだと思う。
とくに1階のビルトインガレージ-土間-ダイニングの提案がいい。土間の広さは5坪くらいか。光と風を呼び込み、外と緩やかにつながるテーマがよく表現できている。3階までのボイド空間の天井高は約9メートルもある。
課題・難点もある。松川氏が当初描いた「密集住宅地のミニ住宅の閉じられた空間を外に開放する」狙いを徹底させるなら、土間空間は「勝手口」のような機能を持たせてよかったのではないかと思う。
もう一つ。3階部分の2つの居室のうち1室は窓が1カ所しかなく、風が抜けない。窓の外は屋根が迫っている。9メートルのボイド空間は捨てがたいが、外壁の屋根形状はそのままにし、内部は陸屋根にして屋上テラスとして利用できるようにすればよかったのではないか。
2階リビング
三層の土間ボイド空間
ポラス中央住宅 「坪庭」と「玄関」を一体化 学生コンペ作品を実物件化(2015/12/3)
ポラス 学生・建築デザインコンペに458作品が応募 5作品が入選(2014/8/6)