RBA OFFICIAL
 

クリオ.jpg
「クリオ レジダンス八王子ザ・マークス」完成予想図

 明和地所が分譲中の「クリオ レジダンス八王子ザ・マークス」を見学した。JR・京王線八王子駅からともに徒歩3分と近いが、坪単価は265万円。決して安くはなく、同駅圏ではこのマンションも含めて7物件958戸がひしめく中、販売開始から3カ月弱で全150戸のうち半数近くが売れている。立地特性を生かした商品企画が光る。

 物件は、JR中央線八王子駅・京王線京王八王子駅から徒歩3分、八王子市旭町に位置する15階建て全150戸。専有面積は32.23~82.03㎡、坪単価は265万円。竣工予定は平成31年3月下旬。総合監修はレーモンド設計事務所。設計は共同エンジニアリング。施工は多田建設。

 現地は、JRと京王線八王子駅のほぼ中間の商業地域エリア。敷地は北西角地で、住戸プランは北向きと南向き。南向きは隣接する建物の影響を考慮して8階までは1フロア8戸のコンパクトタイプ、9階以上は1フロア4戸の8~9m台のワイドスパン住戸。北向きは1フロア5戸のファミリータイプが中心。バックカウンター・吊戸棚も標準装備している。

 販売を担当する井野真利雄氏は「商品企画は当社の女性が担当した。ボイドスラブを採用して梁型が居室内に出るのを少なくし、収納率を10%確保するなど工夫している間取りに対するお客さんの評価が高い。タワーマンションに負けない差別化が図られている」と胸を張った。

 その女性担当者は「間取りは32㎡(1LDK)から82㎡(3LDK)の18タイプを用意し、住み心地の良さを感じられるよう随所に使い勝手を考慮した多様な収納をベースとした『CLIO STYLE STORAGE』を導入…先進機能を採用した『IoT型マンション』として快適性を追求した」と同社が先に発表したニュースリリースでコメントしている。

2.jpg
リビング

◇       ◆     ◇

 現在、八王子駅圏では、同社の物件のほか住友不動産「シティタワー八王子フレシア」204戸、東京建物「ブリリアタワー八王子」226戸、一建設「プレシス八王子レグリオ」154戸、山田建設「ミオカステーロ八王子II」83戸、タカラレーベン「レーベン八王子GRANDSAGE」55戸、総合地所「ルネ八王子トレーシア」86戸が分譲中で、トータルすると7物件で958戸に上る。坪単価は160~280万円まで幅広く競合は微妙だが、同社の坪265万円は決して安くはない。

 それでもコンパクト、ファミリーともまんべんなく好調な売れ行きを見せているのは、JRと京王線のほぼ中間という立地マンションは20年ぶりという特性を生かした商品企画だ。

 北向きは、採光・開口部をたっぷりとったワイドスパンが特徴で、南向きも眺望に恵まれた9階以上のプランが優れている。

 細かな商品企画では、LIXILの調理中と後片付けをサポートする機能を備えた「Wサポートシンク」と熱やキズ、汚れに強いセラミックトップのカウンター、外出先からも住戸内からもスマートフォンで住戸の電気錠を制御できる美和ロックのホームセキュリティシステム「wiremo」(ワイレモ)をそれぞれ都内で初採用している。

kitchen_img01.jpg
「Wサポートシンク」

n1type.jpg
プラン例


 

des_i06.jpg
「ピアース赤坂」完成予想図

 モリモトが年明けに分譲する「ピアース赤坂」を見学した。赤坂駅から徒歩3分の住居系エリアに立地するコンパクトタイプが中心の全119戸。多様なニーズを取り込むか。

 物件は、東京メトロ千代田線赤坂駅から徒歩3分、港区赤坂6丁目の第2種住居地域に位置する14階建て全119戸。専有面積は25.28~64.19㎡、価格は未定だが、40㎡台で5,900万円台~、55㎡台で8,800万円台~というから坪単価はかなり抑えられる模様だ。竣工予定は平成31年3月中旬。設計・監理は不二建設株式会社一級建築士事務所。施工は不二建設。デザイン監修はアーキサイトメビウス。インテリアデザインは鈴木ふじゑ氏。

 現地は、ビルやマンション、料亭などが建ち並ぶ表通りから一歩入ったエリア。鹿島建設KIビルの近くで、「プラウド赤坂」、「パークハビオ赤坂」が近接。赤坂氷川神社、東京ミッドタウン・檜町公園、赤坂サカスも近い。

 建物は南向きと北向きの内廊下方式。住戸プランは、9階までは25~40㎡台、10階以上は50~60㎡台のコンパクトタイプ。ディスポーザー、食洗機、マラッツィ社製床タイル、コロンボ社製ドアハンドルなどが1Kタイプも含め標準装備。

 マンションギャラリーの登坂憲詞チーフは「いい土地を仕入れてくれた。週末の予約来場は満室で反響も上々。早期に完売したい」と話した。

 パンフレットによると、「港区×駅徒歩5分×住居系用途地域×100戸以上」というマンションは過去20年でわずか7物件しかなく、さらに「100戸以上×赤坂駅最寄り」で絞り込むとゼロという。

des_i02.jpg

◇       ◆     ◇

 見学するまでは、狭小敷地のコンパクトで、坪単価も600万円台だろうと予想していたが、現地をみて大幅に上方修正した。敷地は不整形だが約1,200㎡あり、3カ所で接道している。平均で坪700万円、10階以上の上層階は坪単価800万円でも売れると読んだがどうだろう。

 モデルルームでは、マラッツィ社製の60センチ角の床タイルがいい。細かな凹凸が施されており、大理石のような感触がある。

IMG_6948.jpg
現地(北側から)

外観パース【サンウッド青山】.jpg
「サンウッド青山」完成予想図

 サンウッドが近く一般分譲を開始する「サンウッド青山」を見学した。青山通りと外苑東通りから一歩入ったところで、創業20周年の集大成にふさわしい1フロア1~2戸の玄人受けする億ションだ。

 物件は、東京メトロ半蔵門線・銀座線、都営大江戸線青山一丁目駅から徒歩3分、港区赤坂8丁目に位置する9階建て全12戸。専有面積は77.10〜154.45㎡、価格は未定だが坪単価は約800万円になる模様。竣工予定は2018年12月下旬。設計・監理はIAO竹田設計。施工は南海辰村建設。

 現地は、青山1丁目駅から徒歩3分の表通りから1歩入ったところ。敷地はほぼ整形で、建物外観は6階までが花崗岩の石張り、7階以上がガラスカーテンウォール。住戸は2~6階が1フロア2戸、7~8階は1フロア1戸、約10mのワイドスパンのメゾネットタイプで、2ウェイエレベーターを採用して、5~6㎡台のプライベートホールを設けているのが特徴。

 インテリアデザインは、「ザ・リッツ・カールトンホテルマカオ」「ヒルトンホテル北京」「フォーシーズンズ京都」などを手掛けたHBA東京オフィス代表取締役・若狭明宏氏。ライティングデザインは、ルイ・ヴィトンや香港のアルマーニブティックや、「香港国際金融センター(IFC)」などホテルやカジノの照明デザインを担当したティノ・クワン氏。

 同社・佐々木義実社長は「これまで20年余、『赤坂タワーレジデンス』をはじめ『赤坂氷川』『松濤』『代官山猿楽町』など都心部を中心に事業展開してきた。お客さまのニーズに応えるため、構造計算をやり直してまで隣り合う住戸や上下階を一つにしたりすることも行ってきた。今回の『青山』はその集大成」と語っている。

 すでに12戸のうち5戸が会員・インナー販売で成約済み。

 同社は、この物件のほか超都心物件の販売準備を進めている。公表できる段階になったらまた取材して記事にしたい。

ラウンジ【サンウッド青山】.jpg
ラウンジ

designer02_mv.jpg
ティノ・クワン氏の作品

上層階パース【サンウッド青山】.jpg
上層階

◇       ◆     ◇

 まず外観。端正な凛としたシンメトリーが美しい。右と左の住戸面積は異なるが、スリットの位置などは左右対称になっている。

 専有部の設備仕様レベルがまた高い。廊下・洗面室などを除き、LDK、居室の床全面(オプション仕様だが)がヘリンボーン仕上げになっていたのに圧倒された。

 ヘリンボーンはホテル・レストランのほか、マンションや戸建てでも用いられるが、住宅では広さはせいぜい6畳大くらい。30畳以上のヘリンボーン床を見たのは初めてだった。重厚感は並みのそれとは似て非なるものだ。

 床仕上げでは、バンブーを多用した三井不動産レジデンシャル「パークマンション千鳥ケ淵」「パークタワー上野池之端」、近鉄不動産「グランド ミッド タワーズ 大宮」のリビングがナラ材の亀甲仕上げになっていたのに驚いたことがあるが、今回はそれ以上の衝撃を受けた。

 使用されている素材を聞いてまたびっくり。「マダガスカル・ローズウッド、パリサンダー」と呼ばれるものだった。ネットで調べたら、「戦後、欧州や中国で家具や楽器用として需要が高まった木材。茶色味がやや強くローズウッドの名前が冠する中では最も硬く重い品種…違法伐採が頻繁に行われているため、現在ワシントン条約の附属書IIに登録され厳密な仕入先を管理されている」(ウィキペディア)希少高級材らしい。

 白が基調のデザイン・意匠、カラーリングも抜群。水回りのシーザーストーンが美しく、洗面・トイレのドアはアウトセットの引き分けタイプ。

 デザインを担当しているのは、2006年に会社設立して以来、数多くのホテル、商業施設などを手掛けるDesign Eightの藤井信介氏。

 全体的に億ションにありがちな奇を衒ったこれ見よがしのものはなく、玄人受けするものだと思った。販売を担当する同社・田中怜氏は「本物志向のお客さまに高い評価をいただいている」と話した。

モデルルーム【サンウッド青山】.jpg
モデルルーム(リビングダイニング)

IMG_6959.jpg
最高級ヘリンボーンの床

 

20171205_mimaru_1-thumb-300xauto-1674.jpg
「MIMARU東京 上野NORTH」客室イメージ図

 コスモスイニシアは12月5日、外国人旅行者の宿泊ニーズに対応する新しいアパートメントホテルの名称を「APARTMENT HOTEL MIMARU」に決定し、第一弾の「MIMARU東京 上野NORTH」を2018年2月8日(木)オープンすると発表した。

 「APARTMENT HOTEL MIMARU」は、キッチンやリビング・ダイニングスペースを備えた4名以上の宿泊にも対応するもので、1人当たりの宿泊料金を抑えることで、グループによる中長期宿泊ニーズに応える。運営は10月に設立した子会社コスモスホテルマネジメントが行う。今後、2020年までに1,500室の開業を目指している。

 「上野」は、JR山手線上野駅から徒歩8分、台東区上野7丁目に位置する敷地面積407.66㎡の8階建て全40室。客室面積は34.14~52.61㎡。

20171205_mimaru_6-thumb-600xauto-1686.jpg
「MIMARU東京 赤坂」(左)と「MIMARU東京 水天宮前」完成予想図

 積水ハウスは12月7日、大阪商工会議所が主催する「第2回大阪サクヤヒメ表彰」で、同社経営企画部ダイバーシティ推進室部長・小谷美樹氏が地域の女性の活躍を称える「大阪サクヤヒメ大賞」を受賞したと発表した。

 同社は昨年の「第1回大阪サクヤヒメ表彰」でも経営企画部ダイバーシティ推進課室長・伊藤みどり氏が「大阪サクヤヒメ大賞」を受賞しており、2年連続の受賞。

建設現場の週休2日制導入 待ったなし 「じゅうたく小町」参加者に聞く(2017/5/31)

 

 

 

 「716軒、10万6215室のホテル計画を確認。前回比107軒増、1万4213室増。この半年間(2017年6月3日~12月1日)で開業したホテル201軒、計画がなくなった(調整含む)ホテル3軒、新たに計画が浮上したホテル193軒。

 10年前。2007年12月の同特集では『東京・銀座』でのホテル開発案件数は0件。それが4年前の2013年には、宿泊主体型ホテルを中心に6件、今回の調査では18件が確認できた」

 ホテル・レストラン業界唯一の専門誌「週刊ホテルレストラン」を発行しているオータパブリケイションズの最新のメールマガジンがこう発信した。

 響きあうものがあった。東京・銀座でのホテル案件が18件もあるとは驚いたが、さもありなん。「ホテルに勝てない。ことごとく高値で落札される」-このようなマンションデベロッパーの嘆きを裏付けている。

 この1年間、記者が取材した中央区内のマンションは10件くらいあるのだが、「銀座」を冠したマンションは3件ある。価格も3年くらい前と比較し3割くらい上昇、坪単価は500万円台に乗った。

◇       ◆     ◇

 メルマガを読んで、ホテル業界とマンション業界で「銀座」の土地をめぐって激しい奪い合いが演じられていることを改めて思い知らされた。

 マンションの敵はホテルであり、ホテルの敵はマンションのようだ。銀座界隈を歩くと、両者が奪い合いをしそうな〝適(敵)地〟にたくさん出会う。両者の戦いは序の口に過ぎない。〝買うから上がる〟〝上がるから買う〟-間違いなくいつか来た道をたどっている。

 IMG_6881.jpg
〝ハイ、いいですね、今朝より伸びてます〟(高尾・わくわくビレッジで)

 大京グループは11月6日~7日、社員の健康維持・増進への取り組み「大京健康プログラム(Daikyo Health Program)2018」の一環として、BMI値30以上の社員を対象とした「BMI改善支援宿泊研修」を東京・高尾で開催。大阪や沖縄勤務の社員を含め15名が参加した。(両日、取材した。詳細は後日)

 同社グループは、社員の健康をはかる指標として肥満度の判定に国際的に使わる体格指数BMI(体重㌔÷身長m÷身長m)数値が適正化(25未満)になることを目指している。こうした取り組みが評価され、昨年、経済産業省と東京証券取引所が主催する「健康経営銘柄 2017」に選出された。

IMG_6880.jpg
RBA野球取材で1日2万歩も歩く記者はみるみるうちに引き離された(ウォーキング)

IMG_6888.jpg
〝ハイ、回って、回って〟

IMG_6873.jpg
高尾・わくわくビレッジ

03_bg.jpg
「リーフィアタワー海老名アクロスコート」完成予想図

 小田急のやる気を見た-小田急不動産は12月6日、小田急線海老名駅西口とJR相模線海老名駅間で開発が進められている約3.5㏊の駅間開発プロジェクト「ViNA GARDENS」第1弾タワーマンション「リーフィアタワー海老名アクロスコート」のモデルルームを来年1月6日にオープンすると発表した。同日、報道陣向けに記者見学会を行った。

 物件は、小田急小田原線・相模鉄道本線海老名駅から徒歩3分(JR相模線海老名駅から徒歩4分)、海老名市めぐみ町に位置する31階建て全304戸。専有面積は45.25~120.65㎡、価格は未定だが2LDKが4,000万円台~、3LDKが5,000万円台~、坪単価は250~260万円になる模様。竣工予定は2019年10月下旬。施工は三井住友建設。売主は同社のほか三菱地所レジデンス、小田急電鉄。第1期の販売開始は2018年1月中旬。

 現地は、オフィス・商業・住宅などの複合開発が予定されている「ViNA GARDENS」の第1弾の海老名市最高層免震タワーマンション。このほか詳細は未定だが、同規模のマンション2棟と、もう1棟の住宅系建物が予定されている。

 建物は、中央に吹き抜けを配した1フロア(標準階)10戸構成。角住戸比率38%超、多彩な50プラン、ワイドスパン(3LDKで約7.8mスパンも)、リフォームによる間取りの可変性に配慮したフラットスラブ工法(階高約3m、二重床のふところ厚240ミリ)などが特徴。天井高は2500ミリ。

 発表会に臨んだ小田急電鉄生活創造事業本部開発推進部課長代理・浜田健太郎氏は、「複々線が完了し、来春のダイヤ改正で海老名駅は新宿まで約9分時間が短縮され(現在は快急で44分)、相鉄線もJRに乗り入れるポテンシャルの高いエリア。今回のマンションはそのランドマークとなるもので、他の2棟のマンションのほかホテル、フィットネス、住宅系施設なども含め2025年度に様々な主体と連携しながら街全体を完成させる」と話した。

 売主で販売も担当する小田急不動産住宅事業本部住宅販売部販売計画グループ・池上朋輝氏は、「水回りのリフォーム自由度を高め、プランも50タイプ揃えた。『住んだまま買取保証』も採用する。問い合わせは2,000件を突破しており、想定外の多さ」と販売に自信を見せた。

img_cg_aqua.jpg
アクアテラス

05_img02.jpg
オーナーズ・ライブラリー

◇       ◆     ◇

 ここ数年の電鉄会社(系)の住宅事業は目を見張るものがあるが、同社はマイペースを守ってきた。鳴りを潜めていたといってもいいほどだ。

 その小田急が満を持して世に問うマンションがこの物件だ。残りの2棟はどのようなものになるか未定だが、ほぼ同規模とみられるので3棟全体では900戸くらいになるはずだ。今回の物件の販売動向を見ながらプランを練ることになりそうだ。

 商品企画は、他の電鉄会社(系)とほぼ同じで想定内だったが、3LDKで約7.6mスパンはインパクトがある。

 近接する相鉄不動産「グレーシアタワーズ海老名」とは単価差で10数万円というのも納得だ。先行販売した相鉄不としては小田急が高値追究するのは大歓迎だろうし、小田急も安くして相鉄の顧客を奪うのは本意ではないはずだし、駅に近いというメンツがある。

 それにしても、10年前までは調整区域だった同エリアが「ららぽーと海老名」の開業をきっかけに一変し、小田急が特急を停車させるなんて夢にも思わなかった。1日当たりの乗降人員は平成22年の約13.2万人から28年は約14.8万人へ12.9%も増加している。

 配布された資料に「2017年度の神奈川県民が選んだ住みたい街の第7位に。ランキング内のエリアを神奈川県のみに絞ると県内では第4位に」とあるのにびっくりした。「横浜」「武蔵小杉」「藤沢」に次ぎ、「たまプラーザ」「鎌倉」より上位とは…。

main_img_pc.jpg

大激戦区 鹿島の免震構造の相鉄不他「グレーシアタワーズ海老名」 坪単価は240万円(2017/9/28)

 国土交通省は12月5日、所有者不明土地問題に関する制度の方向性などを論議する国土審議会土地政策分科会特別部会(部会長:山野目章夫・早稲田大学大学院法務研究科教授)を開き、中間とりまとめ(案)を示した。

 中間とりまとめ(案)は、バブル崩壊後の地価の下落や地縁・血縁関係の希薄化が進行し、資産としての土地に関する国民の意識も希薄化し、今後急速に進む人口減少、超高齢社会を迎えるわが国にとって、所有者不明土地問題は喫緊の政策課題と指摘。

 その対策として、現行法では難しい固定資産課税台帳、地籍調査票、インフラ業者保有情報を行政機関が利用しやすくするよう土地収用手続きの合理化・円滑化を行い、都道府県知事が裁定できるようにする制度が必要としている。

 具体的には、所有者不明土地の適切な管理のために財産管理人の選任申立権を地方公共団体の長に付与(民法の特例)するほか、登記官は長期相続登記未了土地の解消のための措置(不動産登記法の特例)を設けることなどを提言している。

 さらに、今後の検討課題として土地所有の在り方、土地所有者の責務、土地の放棄やその受け皿について幅広く検討するよう求めている。

 特別部会に提出された資料によると、平成28年度の地籍調査では不動産登記簿上で所有者の所在が確認できない土地の割合は約20%(所有者不明土地問題研究会の調査ではその面積は九州の368万㏊を上回る約410万㏊)にのぼっており、サンプル調査による探索の結果、最終的に所在が不明な土地は0.41%(最狭義の所有者不明土地)としている。

 探索には多大な時間・費用・労力を費やすことが強いられており、公共事業や民間事業を実施しようにも「直ちに使えない」状況になっているという。

◇       ◆     ◇

 緊急避難的、対症療法としての所有者不明土地問題は何らかの方策が示されるのだろうが、特別部会も指摘しているように「一般の財と異なる性格を持つ」土地の「所有者がどのような責務を負うべきかについて検討を行う必要がある」と思う。

 「一般の財と異なる性格」とは、諸外国と比較しても強いわが国の絶対的排他的私有権のことだろう。しかし、特別部会も「土地を持つことが負担となる場合も存在する」と述べているように、絶対的排他的私有権が手かせ足かせになっており、「負動産」(朝日新聞の造語か)が一般名詞として通用する時代になっている。

 このギャップをどう埋めるのか。権利と義務(責務)は等価のはずだ。だとすれば、所有権の放棄、寄付によって受け皿になる主体に負担がそのまま転嫁されたらどうなるのか…記者にはわからない。

IMG_6849.jpg
「プラウドシーズン横濱洋光台」 「つながるHOUSE」

 当欄11月4日付で紹介した野村不動産の分譲戸建て「プラウドシーズン横濱洋光台」を見学した。全203戸の大規模事業だからこそ可能になった入居者向け共用施設「つながるHOUSE」はコミュニティ醸成へ大きな可能性を秘めている施設だ。

 「つながるHOUSE」は、専任のスタッフが勤務(月・水・土/11:00~17:00)し、いろいろな利用相談に応じるほか、子どもの見守りなどを行う。コーヒーベンダーやFree Wi-Fi、スポーツ観戦などにも利用できる大型スクリーンを備える「コミュニティスペース」や、児童書や雑誌など200冊以上の本を保有する「ライブラリー」を設置。簡易トイレ、発電機、テントなどの防災備品を常備し、災害時の「防災拠点」としても機能する。

 戸建ての分譲開始は今年3月。第1期として53戸を供給し、6月の時点で完売となった。引き続き31戸を供給しているが順調に進捗しているという。価格は5,000万円台の前半が中心。購入者の約6割が横浜市居住者で、地元のほか広域からも集客できている。3年間くらいで全戸完売する目標だ。

IMG_6859.jpg
モデルハウス

◇       ◆     ◇

 大規模マンションでは戸数にして数戸分かそれ以上のラウンジ・コミュニティ施設・ゲストルームなどを備えるのは当たり前だが、分譲戸建てでこのような施設を設けるのは珍しい。一昨年、ポラスが千葉県野田市の大規模分譲戸建て「パレットコート七光台」でカフェを開設したのを見学したことがあるが、それ以来だ。

 隣はバス停留所で、雨が降っているときなどは雨宿りができるベンチも設置されている。

 戸建ての街並みは、同社の他の戸建てと同様の南欧風の外観。モデルハウスは約2.4畳大の収納スペースと約1.5畳大のカウンターを備えたファミリーコーナーの提案がいい。双方合わせ4畳大近い。いろいろな用途に使えそうだ。

IMG_6856.jpg
ファミリーコーナー

野村不 全203戸の分譲戸建て「プラウドシーズン横濱洋光台」に入居者用共用施設(2017/11/4)

ポラス 〝奇跡の街〟野田市七光台に地域コミュニティ支援のカフェ オープン(2016/11/19)

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン