アパ 「THE CONOE〈三田 綱町〉」は分譲でなく賃貸マンションへ
アパが建設を進めているマンション「THE CONOE〈三田 綱町〉」は分譲ではなく、高級賃貸マンションにすることが分かった。
物件は、東京メトロ南北線・都営大江戸線麻布十番駅から徒歩7分、港区三田2丁目に位置する敷地面積約1,588㎡の9階建て全45戸。専用面積は74.09~217.29㎡。賃料は未定。駐車場は44台(機械式駐車場43台、ガレージ1台)。竣工予定は平成29年11月。設計監修は横堀建築設計事務所。設計・監理は四季建設設計事務所。施工は新日本建設。
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この物件は、同社が着工するという話を聞いたころから注目していた。綱町三井倶楽部の隣接地で、対面は旧社会保険庁。近くには三井不動産レジデンシャルが3年前、坪725万円で分譲し圧倒的な人気になった「パークマンション三田綱町」(92戸)がある。
アパのマンションは、何といっても綱町三井倶楽部の隣接地というのが魅力で、坪850万円くらいになると推測されていた。
ところが、その後、都心部の富裕層向け物件はどんどん高値を更新していった。現在分譲すると仮定したら、坪単価は1,000万円くらいになるのではないかと予想していた。
同社が分譲ではなく賃貸とした理由はわからない。資産として保有するということか。
ミサワホーム&青木茂建築工房 千代田区富士見のリファイニング建築見学会に250名

「(仮称)富士見2丁目ビル」解体現場(参加人数は最多300名でカットされた)

青木氏
ミサワホームと青木茂建築工房は11月9日、リファイニング建築手法を用いて築36年の専門学校を賃貸マンションに用途変更する「(仮称)富士見2丁目ビル」の解体現場見学会を行った。約250名が参加した。
リファイニング建築は、リフォームやリノベーションと異なり、囲障設備仕様を更新するだけでなく、建物自体の耐震性や耐用年数を大幅に向上させて長寿命化を図る手法。既存の建物の80%を再利用することで、費用を新築の60~70%までに抑えることを目指している。
今回の計画は、老朽化した専門学校の校舎とその土地をミサワホームが取得し、青木茂建築工房が設計・監理を行い、単身者や共働き世帯を対象にした賃貸マンションに用途変更するもの。
再生に当たっては、既存室内階段室を解体し、鉄骨階段とエレベータを新設、バルコニー、自転車駐輪場を増築し、職員室と教室の一部を減築し、エントランスポーチを計画。また、既存建物の外装タイルを撤去し、新規化粧材は塗壁と板金貼りとして軽量化を図る。
既存建物は、千代田区富士見2丁目に位置する4階建て延べ床面積約868㎡の専門学校。再生の事業主はミサワホーム。設計・監理は青木茂建築工房(建築)、木下洋介構造設計室(構造)、設備計画(設備)。施工は大末建設。竣工は2018年2月の予定。再生後は専用面積28.12~57.55㎡の賃貸住宅16戸となる。
両者は、リファイニング建築を通じて安全で質の高いストック資産の形成に取り組むことで2015年に業務提携。渋谷区の築50年を超える職員住宅を賃貸住宅に再生する「初台」の案件に続き2件目。
青木茂氏は「今回は学校から賃貸住宅への用途変更で、既存建物は大スパンでコンクリートの中性化もそれほど進んでおらず、比較的容易な案件」と語った。


三井不&青木茂建築工房 築52年の市場性ない共同住宅をリファイニングで再生(2017/10/16)
積水ハウス わが国初の全戸ZEH基準満たすマンション 名古屋市で分譲開始

「グランドメゾン覚王山菊坂町」完成予想図
積水ハウスは11月8日、わが国初の全戸ZEH基準を満たすマンション「グランドメゾン覚王山菊坂町」を11月11日から分譲すると発表した。
全住戸に平均4kWの太陽光発電システムと、燃料電池「エネファーム」を搭載し、省エネ性能を評価する「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」でZEH基準適合評価を住戸単位で取得する。
LED照明などの各種省エネ設備のほか、窓のアルミ・樹脂複合サッシにアルゴンガスを充填した複層ガラスを採用して、開口部の断熱性能を従来比2倍に高め、住戸単位の断熱性能を約1.4~1.5倍に向上させた。
物件は、名古屋市千種区菊坂町に位置する3階建て全12戸。専有面積は82.54~151.84㎡、価格7,000万円台~1億8,000万円台。完成は2019年2月下旬。現地は市内屈指の邸宅街「覚王山」のヒルトップ。
超割安 免震、日建、横入り玄関…質も高い スターツ「クオン流山おおたかの森」

「クオン流山おおたかの森」
今朝、コスモスイニシア「グランフォーラム練馬田柄」の記事では、「朝一番にいい仕事(取材)ができれば一日気分がいいものだ」と書いたが、逆も真なり。終わりよければすべてよし、一日の最後にいい仕事(取材)ができれば気持ちがハイになる。そんなマンションを紹介する。スターツの「クオン流山おおたかの森」だ。坪単価は〝超〟がつくほど割安で、複合施設・共用・専有部分も含めたトータルなプランが秀逸だ。
物件は、つくばエクスプレス・東武アーバンパークライン流山おおたかの森駅から徒歩2分、千葉県流山市流山都市計画事業新市街地地区一体型特定土地区画整理事業施行地区内に位置する14階建て全241戸(分譲:192戸、賃貸:49戸)。分譲の専有面積は65.29~90.62㎡、価格は未定だが坪単価は210万円くらいになる模様。入居予定は平成32年2月。設計は日建ハウジングシステム。施工はスターツCAM。事業主はスターツコーポレーション。売主・販売代理はスターツデベロップメント。販売代理は伊藤忠ハウジング。
プロジェクトは、流山市による流山おおたかの森駅前市有地活用事業のコンペに応募があった3グループの中から同社グループが選定されたもので、集合住宅棟、ホテル・商業棟、公共施設棟の3棟からなる開発面積約11,000㎡の複合開発。
同社グループの提案は、「本事業の目的である市の新拠点核にふさわしい交流空間を形成するとともに、多様な世代の利用者が主役となって施設を利用するための配慮が含まれた提案」「将来にわたっての果たす役割を理解した提案」(流山おおたかの森駅前市有地活用事業 審査結果及び講評)が高く評価され、提案価格審査項目以外の11項目(集合住宅は3グループとも同点)で他のグループを上回り、総合評価160点のうち127.2点を獲得した(他のグループは99.4点と96.0点)。
事業方式は「等価交換方式+定期借地権方式」で、ホテル・商業棟の敷地は50年間の定期借地により流山市からスターツコーポが賃借し、市は公共施設棟と等価となる集合住宅用地を交換することで公共施設を取得。集合住宅棟の賃貸住宅とホテル・商業棟はスターツプロシード投資法人が保有・運用を行う。
設計・施工は、集合住宅棟とホテル・商業棟をスターツCAMが、公共施設棟を大成建設がそれぞれ行う。
集合住宅は、ぺデストリアンデッキで駅と結ばれ、免震構造を採用。認可保育所も併設される。住戸プランは、アルコーブをたっぷり取り、横入り玄関(一部除く)、メーターモジュールの廊下・トイレなどが特徴。

建設現場
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集合住宅の評点はコンペの総合評点全160点のうち5点しか割り当てられていないのは不満だが、3グループとも3.8点で同じだった。選に漏れたグループも「販売実績とブランド力に優れており、確実な実現が期待できる」と高い評価を得ている。
同社のプランは前述したとおりだが、物件の案内をしてもらった伊藤忠ハウジングのプロジェクトマネージャー・高橋陽一氏の説明を聞きながら、気持ちがとてもハイになった。免震、日建の起用、横入り玄関、メーターモジュールの採用などプロジェクトにかける意気込み、企画意図がストレートに伝わってきたからだ。
そして何より、坪単価が210万円に抑えられ、第一次取得層でも背伸びしなければならないかもしれないが、手に届くのがうれしいではないか。記者は230万円くらいを予想していた。(同じ駅圏だけでなく、沿線の他の物件に与える影響は大きいが)
高橋氏も同じように考えていたようで、「わたしも坪230万円くらいだろうと考えていましたが、スターツさんの(地域密着の)企業姿勢が価格にもよく表れている。22年間マンションの販売に携わってきましたが、これほど説明のし甲斐があるマンションは初めて」と語った。
市はいま、「母になるなら、流山市。」という強烈なキャッチコピーのPRポスターを展開している。これに対抗できる首都圏の区市町村はほかにあるか。

模型(手前が公共施設。ホールの客席は503席)
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マンション記事と関係ないが、今年7月、伊藤忠ハウジングがこの物件の販売代理を担当すると聞かされたその日、RBA野球でスターツと伊藤忠ハウジングが対決した。序盤はスターツが3-0でリードしたが、4回に伊藤忠が一挙に7点を奪い逆転勝ち。敗れたほうが予選敗退という負けられない一戦だったため、スターツの予選敗退が決まった。
試合後、乱闘になるのではと恐れたが、スターツナインも紳士。何事も起きなかった。スターツも伊藤忠も頑張れ。
伊藤忠ハウジング 4回に一挙7点逆転勝ち スターツ序盤のリード守れず(2017/7/19)
パーク・コーポとコラボ 空間デザイン秀逸 コスモスイニシアの戸建て「練馬田柄」

「グランフォーラム練馬田柄」
誰でもそうだろう。朝一番にいい仕事(取材)ができれば一日気分がいいものだ。昨日がそうだった。コスモスイニシアの分譲戸建て「グランフォーラム練馬田柄」がそうだ。モデルハウスの出来が出色で、最高天井高3.6mの空間演出に圧倒された。
物件は、東京メトロ有楽町線地下鉄赤塚駅から徒歩6分、練馬区田柄二丁目の第1種低層住居専用地域(建ぺい率50%=角地緩和区画60%、容積率100%)に位置する全11区画。土地面積は100.16~120.93㎡、建物面積は95.08~119.18、予定価格は7,000万円台半ばから9,000万円台。建物は平成29年9月までに竣工済。施工は西武建設。構造・工法は木造(枠組壁)・2階建て。分譲開始は11月下旬。
現地は、生産緑地も点在する住宅地の一角。都立光が丘公園へは徒歩15分。建物は全て2階リビングで、最高約3.6mの高天井を確保し、5畳大以上のグレーチングバルコニーを採用しているのが特徴。

グレーチングバルコニー
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最高天井高3.6mのリビングは、昨年見学した同社の「グランフォーラム光が丘公園」でも採用されていたが、より進化している印象を受けた。空間演出が抜群だった。
写真を見ていただきたい。モデルハウスは5号棟で、2階LDKの広さは約20.7畳大。床から天井まで本棚が設えてあり、ところどころに本物の観葉植物が置かれている。天井にはファンが回っている。リビングの陽が入る南西角には約5.4畳大のグレーチングバルコニー、北側には約2.4畳大のDENが配置されている。
1階の玄関・ホールの演出も見事だ。これも写真を見ていただきたい。写真では広がりがよく表現できていないが、シンメトリーの窓が美しい。同社はマンションもふくめて〝魅せる玄関〟に最近力を入れており、十分スペースを確保するとともに天然素材を多用、デザインにもこだわりを見せている。
細かな配慮では、2階の洗面室には物干しポールを、階段部分には下部収納をそれぞれ設置している。

モデルハウス


リビング

玄関
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見事な空間演出を引き立てているのが「GREEN DECORATION SARVICE(グリーンデコレーションサービス)」だ。パーク・コーポレーションの空間デザインブランド「パーカーズ」とコラボし、モデルハウスにはすべて本物の緑を配している。
記者はこれまで何度も「モデルルームやモデルハウスに下品な造花(フェイク)を置くな」と書いてきたが、同社の商品企画担当者も同じ思いなのだろう。
少し考えれば誰だってわかるはずだ。一流ホテルやレストランのテーブルに造花が置かれているかと。居酒屋だってそんな愚を犯さない。記者は二度とそんな店を利用しない。
別掲に昨年記事にした「石神井公園」「光が丘公園」を添付するが、ほとんどが1億円以上の「石神井公園」は完売まで半年かからなかった。マンションもそうだが、最近の同社の分譲戸建てはどんどんよくなっている。

モデルハウス(ダイニングテーブル)
三井不動産 タイ・バンコクで5物件3,900戸の住宅販売開始 2物件に事業参画

三井不動産は11月6日、三井不動産レジデンシャルとの共同出資会社「MITSUI FUDOSAN (ASIA) PTE. LTD.」(所在地:シンガポール)と「MITSUI FUDOSAN ASIA(THAILAND)Co.,Ltd.」(所在地:タイ)を通じ、タイの有力な住宅デベロッパー「アナンダ社」とのパートナーシップにより新たに5物件(計約3,900戸)の分譲住宅の販売を2017年6月より開始するとともに、新たに2物件に事業参画したと発表した。
新たに販売開始、事業参画を決定した7物件はいずれも住宅地として評価の高いエリアに立地。販売を開始した物件の販売は好調に推移している。
これで同社グループのバンコクでの分譲住宅事業は合計20物件、約16,000戸となった。
サンケイビル・伊藤忠都市開発 秋葉原にビジネスホテル143室

「(仮称)秋葉原ホテルプロジェクト」
サンケイビルと伊藤忠都市開発は11月6日、共同で千代田区神田須田町二丁目の神田川に面したビジネスホテル「(仮称)秋葉原ホテルプロジェクト」の開発に着手したと発表した。
JR秋葉原駅から徒歩3分、東京メトロ日比谷線秋葉原駅から徒歩2分、都営新宿線岩本町駅から徒歩1分で、神田川に面しているのが特徴。
物件は、JR京浜東北線・山手線・総武線秋葉原駅から徒歩3分、千代田区神田須田町二丁目に位置する敷地面積425.02㎡、14階建て延べ床面積3,431㎡。客室数143室(ダブル130室、ツイン13室)。設計・施工は東レ建設。竣工予定は2019年2月末。
野村不 全203戸の分譲戸建て「プラウドシーズン横濱洋光台」に入居者用共用施設

「プラウドシーズン横濱洋光台」
野村不動産は11月2日、IHIと共同で開発を進めている分譲戸建て「プラウドシーズン横濱洋光台」(全203戸)に入居者向け共用施設「つながるHOUSE」をオープンしたと発表した。
「つながるHOUSE」は、マンションの共用設備を応用したもので、専任のスタッフが勤務(月・水・土/11:00~17:00)し、利用相談に応じるほか、コーヒーベンダーやFree Wi-Fi、スポーツ観戦などにも利用できる大型スクリーンを備える「コミュニティスペース」や「ライブラリー」「キッズルーム」を設置している。また、簡易トイレ、発電機、テントなどの防災備品を常備し、災害時の「防災拠点」にもする。
物件は、JR根岸線洋光台駅から徒歩17分(バス約5分)、横浜市港南区笹下4丁目に位置する敷地面積28,119㎡のIHIの社宅跡地の全203戸。建物面積は91.69~106.85㎡。構造・規模は木造2×4工法(2階建て)。施工は東急建設、西武建設。
第1期53区画の販売を2017年3月に開始し、同6月に完売となっている。11月上旬から第2期の販売を開始する予定。

「つながるHOUSE」

コミュニティスペース
三菱地所が「メセナ大賞」 アーバネットコーポとポラスが優秀賞 企業メセナ協議会

「メセナ アワード2017」記者発表会(ユニゾ八重洲ビル:フクラシア八重洲で)

左から中村氏、山本氏、江本氏
企業メセナ協議会(理事長:尾﨑元規氏)は11月2日、「メセナアワード2017」の受賞活動7件を発表。「メセナ大賞」に三菱地所の「Shall Weコンサート(出張コンサート)」、優秀賞にアーバネットコーポレーションの「アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペティション(AAC)」が「アートの玄関賞」、ポラスの「南越谷阿波踊り」が「街が踊る賞」に選ばれた。
「メセナアワード」は、企業による芸術・文化を通じた社会創造の観点で特に優れた活動を顕彰するもので、今回が27回目。選考対象は136件。住宅・不動産業界から一度に3社も受賞したのは初めて。三菱地所は3度目(過去2回は優秀賞)の受賞。
大賞の三菱地所は、障がいのある子どもたちの音楽鑑賞・体験機会を創出する活動として、都内特別支援学校を対象としたきめ細やかな取り組みが評価された。同社は2004年に活動を開始し、これまで76校、1万人以上の児童・生徒が参加している。
「AAC」は、彫刻分野で学生を対象にした前例のない活動であり、新たな才能を見出していることと、経営資源をいかした継続的な支援により、若手の育成に貢献していることが評価された。AACは今年で17回目、応募作品は117作品(94名)に上っている。
「南越谷阿波踊り」は、一企業による地元・公共への貢献として、長年をかけてふるさとづくりに寄与し、地域祭礼へと成長し、祭りを通じて世代間や地域間をつなぎ、地域社会に活気を与えていることが評価された。1985年に第1回を開催して以来2016年で32回目を迎え、8月の3日間で約70万人の観客が訪れる。日本三大阿波踊りの一つになっている。
受賞発表会で三菱地所環境・CSR推進部CSRユニット・中村可奈子氏は「文化・芸術・障がい者支援活動を継続して行っており、受賞は大変うれしい」と、アーバネットコーポレーション管理本部広報・IRグループ・山本文美氏は「継続は力なり。大変光栄」と、ポラス経営企画室室長・江本昌央氏は「始めたときは11連3万人だったのが、いまでは70万人が参加するようになった。今後も地域の文化、交流を発展させていく」とそれぞれ喜びを語った。

三菱地所「Shall Weコンサート(出張コンサート)」

アーパネットコーポAAC 2016年最優秀賞「GEMME」(古川千夏氏)

ポラス 第32回南越谷阿波踊り フィナーレ
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毎週の主催者から取材の案内状は届いていた。記者ももう30年くらい前集中的に取材したことがあるが、いまさら「メセナ」でもないだろうと見送りを考えた。ただ、案内メールには「本メールは建築・不動産・住宅関連メディア様を中心にお送りしております」との一文が添えられてあったので、ひょっとしたらデベロッパーやハウスメーカーが受賞するかもしれないと思い、また、事務所から会場までは歩いて10分もかからないので直線に申し込み、空振り覚悟で出かけた。
会場についてすぐ、ポラスの広報担当者とぱったり出会った。すぐ受賞が読めたのでうれしかったのだが、何と大賞に三菱地所が、優秀賞にポラス、アーバネットコーポが名を連ねているではないか。
受賞したのは、ほかに沖縄タイムズ、ジェイティービー(JTB)、東日本鉄道文化財団、富士ゼロックス(文化庁長官賞)などそうそうたるメンバーがそろっていた。
こんなうれしいことはない。三菱地所のメセナ・CSR活動は結構取材しており、ポラスの南越谷阿波踊りはこの10数年間ずっと鑑賞(半分は酔っぱらって寝ているが)し続けている。アーバネットのこの活動も、始めるとき服部信治社長から話を聞いており、いいアイデアだと思っていた。
今年も南越谷阿波踊りを満喫 ハウスメーカーの住宅広報連絡会(2017/8/22)
三菱地所 企業メセナ活動で文化庁長官賞受賞(2013/11/21)
三菱地所 障がい者のアート作品展10月30日から全国6会場で開催(2015/10/29)
「第11回キラキラっとアートコンクール」表彰式(2013/2/22)
価格に見合う価値あり 坪280万円 大京穴吹不のリノベ「グランディーノ駒込」

「グランディーノ駒込」
大京グループの大京穴吹不動産は11月2日、全国で4棟目、東京23区では初の1棟リノベーションマンション「グランディーノ駒込」の報道陣向けモデルルーム見学会を行い、11月18日から一般公開し分譲を開始すると発表した。
物件は、JR山手線巣鴨駅から徒歩5分、豊島区駒込4丁目に位置する1997年3月竣工の5階建て全23戸。専有面積は64.22~67.35㎡、分譲戸数(5戸)の価格は5,700万~6,180万円。坪単価は280~290万円の予定。既存建物の設計・監理はアサドコーポレーション。施工は秀建。
現地は、中高層マンションなどが建ち並ぶ閑静な住宅街の一角。建物はオーナーの日本車両製造が豊島区区民住宅として建設したもので、区が20年間借り上げ、20年を経過するとオーナーに返還されるという条件に添って、同社がオーナーから取得したもの。現在13戸が賃借中で、契約満了をもって順次リノベーションし分譲する。
リノベーションに当たっては、共用部のバリューアップ工事を施し、外観はナチュラルなものとし、エントランスにヤマボウシのシンボルツリーを植樹、エントランス・アプローチには自然石の割肌石、ボーダータイル、世帯カバー率120%の住戸専用宅配ボックス「ライオンズマイボックス」、イエローオニキスを採用した光壁などを採用。防犯カメラなどを新設し、エレベータ、玄関扉も更新している。
専有部は、二重床とし、キッチンは「L’sKICHEN」を採用したほか、食洗器、無垢材のドア・格子収納扉などを設置。リノベーション住宅推進協議会が定める「R3住宅」に適合する予定。
同社グループは、業界トップクラスのリノベーションマンション「Reno α(リノアルファ)」、リノベーション戸建て「Reno Terrace(リノテラス)」と合わせリノベーション住宅販売戸数を2021年度までに2,500戸超に拡大するとしている。
「グランディーノ」は、第一弾の「グランディーノ稲毛海岸」(2013年、23戸)をはじめ、「グランディーノ多摩ニュータウン永山」(2014年、30戸)、「グランディーノ西宮 悠学の邸」(2016年、70戸)をこれまで供給している。

モデルルーム
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現地は分譲マンションの取材で訪れたことがあり、坪単価は300万円は高いような気がしたが、その通りとなった。サッシの更新はされていないが、「L’sKICHEN」、無垢のドア・収納扉など設備仕様レベルは高いと思う。共用廊下は滑りにくいものを採用している。価格に見合う価値があるとみた。
マンションの1階の1室を大京リフォーム・デザインの常設ショールームとして一般に公開する試みもいい。床や建具などを無垢材とし、バーチ材のフローリングは一般的な長方形のものではなく、微妙に弧を描いており、大工さんがパズルをはめ込むように1枚1枚施工するものだそうだ。それぞれ12色に塗り分けることも可能という。廊下は自然石を用いたタイル、リビングドア、壁はえも言われぬ淡いブルーが採用されている。

住戸専用宅配ボックス「ライオンズマイボックス」
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一つだけ注文。モデルルーム、ショールームなどの出来はいいのだが、気になったのはあちらこちらに置かれていたフェイクの観葉植物だ。この問題についてはこれまでも書いてきたが、せっかく本物を使用しグレード感がするものを造っても、これでは画竜点睛を欠くし「百日の説法屁一つ」(下品でごめんなさい)のことわざもある。ブランド品を身につけながら、例えば100円ショップで買った指輪、時計(売っているかどうかはしらない)をはめていたら品性を問われる。
模造品にするのは経費を節約するためだろうが、記者は逆効果のほうが大きいと思う。
本物を採用したマンションを紹介する。三井不動産レジデンシャルの「パークシティ武蔵小杉ザ グランドウイングタワー」(506戸)のエレベータホールには壁面緑化サントリー「ミドリエ」が飾られていた。同社のすごいところはこういう心憎い演出をすることだ。三井ですらここまでやるのだから、他社が真似なければ差はつく一方だ。
貧乏人の記者だって一時期は玄関には毎週1回、花屋で買った生花を飾っていた。高価な花など必要ない。ヘクソカズラ(屁糞葛、ごめんなさいまたこんな下品な野草を出して)じゃ具合悪いがドクダミでもオオイヌノクグリ(またまたごめんなさい)でもいい。
模造品といえば、さっきユニゾン八重洲ビル3階で行われた「メセナアワード2017」の発表会場の壁面は美しい無垢材が張られていたのに、飾ってある観葉植物はフェイクだった。せっかくの木が泣いている。

ショールーム

