基本性能・設備仕様レベル高い 驚嘆のIoT設備 伊藤忠都市開発「大泉学園」
「クレヴィア大泉学園」
伊藤忠都市開発が3月に分譲する予定の「クレヴィア大泉学園」のモデルルームを見学した。常設の「ギャラリークレヴィア新宿」内に1月8日にオープンしたもので、1月16日現在、913件の反響を呼んでいる。坪単価は300~350万円の予定でかなりレンジ幅はあるが、基本性能・設備仕様レベルは高い。
物件は、西武池袋線大泉学園駅から徒歩7分、練馬区東大泉1丁目の第一種中高層住居専用地域に位置する5階建て全68戸。専有面積は45.56~102.12㎡、価格は未定だが、坪単価は300~350万円になる模様。竣工予定は2023年3月下旬。売主は同社のほか日鉄興和不動産。設計・監理は三輪設計。施工は谷津建設。販売代理は伊藤忠ハウジング。
現地は、敷地西側と東側の2方に接道。建物は西向きが中心の34戸のA棟、南向き20戸のB棟、東向き14戸の3棟構成。主な基本性能・設備仕様は二重床・二重天井、リビング天井高2400~2450ミリ、扁平梁、ディスポーザー、食洗機、フィオレストーンキッチン天板、グローエ水栓、ユーティリティシンク、床暖房、ミストサウナ、Low-Eガラス、サッシ高2150ミリなど。
1階共用部にワークスペースを備えたコミュニティラウンジや中庭を設けたほか、外出先から空調・家電などをスマートフォンで操作できるIoT設備を全戸に導入しているのが特徴。
コミュニティラウンジ
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まずは、オミクロンが猛威をふるっているにもかかわらず見学をセットしていただいた同社広報担当と、物件の説明をしていただいた同社都市住宅本部都市事業第一部(兼)リノベーションチーム・瀬谷匠氏、伊藤忠ハウジング販売営業第2部販売営業第6課長補佐・西水祐雄氏にお礼申し上げる。
この物件についてはプレス・リリースが発表されており、そのままコピペすることもできたのだが、それでは記者の役割は果たせない。言うまでもないことだが、企業が伝えたいことと記者が知りたいこと、読者に伝えたいことは微妙に異なるからだ。記者の仕事で大事なのは住宅購入希望者の視点からものを見る目だ。これまで何度も書いてきた。この視点がいまの業界紙記者に欠けている。マンションの質が落ちているのはメディアの責任でもある。
さて、見学して小生がとても新鮮に映ったのはIoT設備だ。スマホ一つで外出先からふろの湯を沸かしたりエアコンなどを作動させたりすることは三菱地所レジデンスの取材などで知っているが、室内の映像を確認するカメラがあることは知らなかった。同社はそれを購入者にプレゼントするそうだ。
驚いたのは、「ダメ、待て、お座り」などと呼び掛けることができることだ。ただ、これは夫婦間では具合が悪い。かみさんが留守のときこっそり酒を飲もうと冷蔵庫を開けたとたん、そんな叱声を浴びせかけられたらたまったものではない。奥さんだって夫のいない間に肌もあらわに化粧に夢中になっている姿など覗かれたくないはずだ。間違いなく不仲の原因になる。しかし、ペットや介護にはこれは使える。同社もそのようなシーンを想定している。
防犯カメラもセットすることができる。暴漢が闖入しようものなら警報ブザーがけたたましく鳴り、一発で痴漢を撃退できる銃や火災を予知する機器も開発されるのではないか。
西水氏の説明も堂に入っていた。キッチンパネルは樹脂とホーローが選べることのほかに、スパイスラックはコンロの左端とシンクとの間に2か所ついていることの便利さについて身振り手振りで説明した。びっくりしたので聞いてみたら、西水氏(45)は冷蔵庫の残り物などを使って料理するのが好きで、トンポーローが十八番とか。
上段で書いた設備機器は、坪300~350万円の物件では間違いなくトップレベルだろう。沿線には人気になっている三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス石神井公園テラス」86戸(坪単価360万円)などもあるが、互角に戦えるはずだ。
二人の説明を聞きながら、同社のものづくりのDNAは全然退行していないどころか、どんどん進化していることを確認できた。瀬谷氏も建築費が上昇しているからといって、必要な設備仕様を落とすようなことはしないと話した。西水氏も「タオル掛けがないマンションなど想像がつかない」と語った。同じ沿線で分譲して人気になった「中村橋」と「練馬」の記事も添付する。一緒に読んでいただきたい。
室内の様子を写すカメラ(左)とスマホに映し出される室内の様子
室内の温度なども自動でセットできる
2か所にあるスパイスラック(この便利さは調理をしないと分からない)
スマホ一つで住設機器・家電など操作・ 管理 三菱地所 スマートホームサービス開始(2021/11/4)
1階は花屋 坪270万円は安い 伊藤忠都市開発「クレヴィア練馬中村橋」(2015/1/25)
「Torch Tower」の賃貸マンションの家賃は124万円(坪5.8万円)でどうか 記者予想
「Torch Tower」完成予想図
三菱地所は1月13日、東京駅日本橋口前の日本最高層の「Torch Tower」の地上高さ約300mのフロアに約50戸(70㎡台~400㎡台)の賃貸マンションを導入すると発表した。
大手町・丸の内・有楽町エリアでは初めての賃貸レジデンスとなり、東京駅前かつ東京駅・大手町駅直結という高い利便性、日本最高層クラスの圧倒的 な眺望、高層部に導入するスーパーラグジュアリーホテルとのサービス連携、足元の約2.0haの屋外空間や複合機能集積により、TOKYO TORCHでしか味わえないエクスクルーシブな超都心住機能を提供するとしている。
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読者の皆さんもそうだろう。一番関心があるのは賃料がいったいいくらになるかだ。記者にもプレス・リリースが届いたが、ただコピペするだけでは意味がないとそのままにしていたが、思い切って賃料を予想することにした。記事化に当たっては、同社広報に「ヒントになる情報提供を」とお願いしたのだが、「賃料については全くの未定」としか返ってこなかった。
なので、以下の記事は同社とは全く関係なく、競馬予想と同じくらいの価値もない記事のつもりで読んでいただきたい。予想が外れたからといって責任を取れと言われても困るし、〝あのバカが〟と笑って済ませていただきたい(いま小生はドストエフスキーの「白痴」=「馬鹿」に挑戦している)。
なにしろ竣工予定は5年も先の2027年だし、大・丸・有エリアで初の賃貸だ。予想は至難を極める。ただ、これが分譲マンションだったら、そこそこ的中させる自信はある。それなりの実績もある。
「HARUMI FLAG」だ。7年前、都がオリンピック選手村となった用地を事業者に売却した時点で坪単価は250万円と大胆予想した。その後、「週刊文春」が2019年、「日本不動産研究所の『調査報告書』をもとに不動産鑑定士らの手を借りて分析した結果、当初分譲1㎡当たり単価は74万円(坪単価244万円)であった」と報じた。真偽のほどはともかく坪250万円と差額はわずか6万円だ。
三菱地所レジデンスが2013年に分譲したフラッグ・シップマンション「ザ・パークハウス グラン千鳥ヶ淵」の坪単価800万円もズバリ的中させているし、「六本木ヒルズ」の地権者住戸が分譲されれば坪1,000万円と予想したが、ほぼその通りになったはずだ。
マンションだけではない。東京ミッドタウンの用地(元防衛庁施設跡地)を2001年に三井不動産など6社が1,850億円で落札したが、記者はその半年前に「落札価格は1,800億円」と予測記事を書いた。
さて、では「Torch Tower」に分譲マンションを導入したらいくらになるか。地価公示で一番高いのは中央区銀座4丁目「鳩居堂」の坪1億7,688万円(2021年)だが、記者は利便性と居住性を兼ね備えた日本一のマンション適地は「東京駅」だと思っている。JRは容積を周辺ビルに売却したが、駅上にマンションを建てたら坪単価は最低で3,000万円、ひょっとしたら坪5,000万円でも売れるのではないかと考えている。駅前の「丸ビル」も同じ評価だ。(東京駅周辺の居住環境としての最大の難点は図書館がないこと。どこかの再開発ビルが誘致すべき)
「東京駅」より「Torch Tower」はやや割引だが、足元の約2.0haの屋外空間は価値がある。よって坪単価は価格時点で2,000万円と評価する。(もっと高いか)
賃貸の利回りを3.5%とすると、2,000万円×3.5%=70万円/坪が年間家賃。月額で坪5.8万円だ。70㎡換算で約124万円となる。最大400㎡だと月額家賃は約703万円。もちろん、社会経済状況次第では坪6万円もありうるし、「Torch」=トイチに合わせた110万円(70㎡)もありうると見た。
この賃料水準は〝日本一〟のはずで、かなりいい線ではないかと思う。申し込みが殺到するのではないか。周辺には名だたるラグジュアリーホテルがたくさんあり、サービスアパートメントもあるが、居住の自由度、たとえばペット飼育などホテルでは禁止されていることも可能なはずで、それらと十分勝負になる。
参考となる賃貸マンションは皆無ではない。三井不動産の全54室の「パークアクシスプレミア日本橋室町」だ。賃料は40万~160万円(54~140㎡)=2014年発表当時。天井高は最大3m、家具付きモデルやナラ材の突板を用いたナグリ仕上げの空間提案もあった。賃料単価は「ミッドタウン六本木」と同じくらいだった。
「パークアクシスプレミア日本橋室町」が入居する「室町古河三井ビル」
三井不動産 ビルも賃貸も億ション並み「和」盛り込んだ「日本橋再生」(2014/1/29)
富裕層の〝こころ躍る〟旭化成不レジ 「ATLAS」マンションギャラリー「渋谷」開設
「ATLAS GALLERY SHIBUYA」受付
旭化成不動産レジデンスは1月17日、渋谷マークシティ内に1月8日にオープンしたマンションブランド「ATLAS」の新コンセプトが体感できる「ATLAS GALLERY SHIBUYA」をメディアに公開した。モデルルームは2つで、坪単価500万円台を想定した「Superior」はともかく、坪単価800万円以上の高額物件に対応した「Premium」は同業他社も含めてトップレベルだ。
開設したのは、京王井の頭線渋谷駅改札上に位置する渋谷マークシティWEST棟11階で、広さは全体で約160坪。「Superior」「Premium」の2つのモデルルームのほか、アロマの香りが漂う「Corridor」、アーティスト・野口真理氏のガラスアートを配した「Foyer」、商談個室「Meeting Room」10室、事務所など。
新しい「ATLAS」を立ち上げるに当たっては、社内ヒアリングをおこない、「入居者に対する発信力」「課題は(JVの際)頭(=トップシェアという意味か)を取らないと名前が付かない」「現状のアトラスは上質感がない」などの声が上がったとした一方で、販売会社に対するヒアリングでは「マンション建て替えナンバーワンの実績がある」「地権者の声をよく聞き粘り強く事業を進めている」「将来のリフォームにも対応している」などと評価されたとしている。
新ブランドロゴは、これまでのゴシック体の「ATLAS」はフォルムの弱さや文字間のバラツキにより印象に残らないことなどから、明朝体のクラシカルな「ATLAS」に変更。ブランドメッセージは「こころ躍る、上質。」とした。
冒頭、同社取締役経営戦略部長・加藤宣広氏は、これまで取り組んできた等価交換132件、マンション建て替え42件、法定再開発27件の実績を紹介し、中でも建て替えは国土交通省が把握している295件のうち同社が最多で、都心物件を中心にSDGsの11番目の都市再生にも貢献してきたと語り、「他社の総合ギャラリーを見学したが、当社は敢えてリアルにこだわり、五感に訴えるギャラリーとした」と話した。
販売を開始した「アトラスタワー白金レジデンシャル」(96戸)は坪単価660万円、間もなく販売を開始する「アトラス青山レジデンシャル」(61戸)は坪単価650万円前後、「アトラス恵比寿景丘」(57戸)は坪単価680万円前後となる見込みであることも明らかにした。
コリドー
「Foyer」
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見学会は午後4時から。先週取材した見学会の報道陣は、大和ハウス工業「空中タッチインターホン」が約40名、三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス新浦安マリンヴィラ」が約20名だった。住友不動産の「総合マンションギャラリー新橋館」の広さは圧巻の710坪だった。「ATLAS GALLERY SHIBUYA」はどうかと胸をときめかせながら参加した。
会見途中で流されたCMは人間の肉声にもっとも近い音域を持つチェロのパッヘルベルのカノン変奏曲とかで、チェリストは崎元蘭奈さん。これはなかなかいいと思ったのだが、ギャラリーの広さは〝惨敗〟だ。加藤氏が紹介した「名前が付かない」「上質感がない」などのあからさまな自己批判を覆すことなどできるのかと不安も募った。
最初に見学したモデルルーム「Superior」は〝並〟で、失望感はさらに大きくなった。ところが「Premium」を見たとたん、不安・失望は雲散霧消、期待感が一挙に広がった。〝これはいい〟と。
モデルルームは、案内担当の一級建築士で同社営業本部再開発営業部企画グループグループ長・和田悠氏自ら関わったもので、記者は約8畳大の独立型キッチンにほれ込んだ。アイランド、対面、ペニンシュラ(同社もこれが多いが)も悪くはないが、独立型がもっともいいのは言うまでもない。来客があったときなど、てんてこ舞いの台所など見せたくない。誰が見ていようときっちり調理をこなせるのはプロしかいない。
さらに驚いたのは、全体の端正できりりとしたデザインだ。天井高は浴室も含めて全て2400ミリで統一。建具・家具類もその高さに合わせている。織り上げ天井は派手ではなく抑制気味で、多用しているアッパーライトの間接照明が実によく馴染んでいる。
天井高について補足するが、低く感じるのはリビング天井高と廊下・キッチン、トイレ、サッシなどの高さがまちまちで、柱・梁型もあるので全体としてバランスが悪いからだ。全体を同じにすればその低さはあまり感じられない。
設備仕様レベルも一級品だ。BOSCH、Miele、HANSGROHEのほか、ドアノブはCOLOMBOだ。(このほかも確認したかったのだが時間がなかった。他の方は分からないが、約30分に2つのモデルルーム見学は短すぎる)
和田氏に「社長さんは見学されたのか」と質問したら、ややあって「『こころ躍る』と話された」と返ってきた。
ハスウメーカー担当の記者の方にも〝毒〟をまた一発。マンション事業にはデベロッパーとハスウメーカーの垣根などないのに、皆さんはデベロッパーのマンションを全然取材しない。木を見て森を見ないのと一緒だ。今回の同社のモデルルームがいいのか悪いのか、判断などできないだろう
一つ肝心なことを書き忘れた。紹介された「白金」「青山」「恵比寿景丘」は現地を見ていないが、価格は安すぎないか。
ブランドキービジュアル
「Premium」リビング
「Premium」キッチン
坪300万円の壁厚く…駅2分のマリモ「千葉駅前」はいくらか 競合物件は早期完売狙う
「グラディス千葉駅前」
マリモが1月29日、千葉駅前の再開発マンション「グラディス千葉駅前」のモデルルームをオープンする。14日、準備中の販売事務所を訪ねた。千葉駅から徒歩3分圏では実に20年ぶりの新規物件であり、いったいいくらになるか興味津々だ。販売担当者は「競合物件もありますので、坪単価は300万円を切りたいのですが…」と語っている。
再開発事業者は、新千葉2・3地区市街地再開発組合(事業名称:新千葉2・3地区第一種市街地再開発事業)で施行面積は約0.3ha。9階建てN棟(ワンルームマンション)と、同社のマンションS棟で構成されており、施行期間は令和2年度~令和5年度。総事業費は約47億円。同社は参加組合員として事業に参画している。
S棟の「グラディス千葉駅前」は、JR千葉駅西口から徒歩2分、千葉市中央区新千葉二丁目に位置する15階建て87戸(販売戸数79戸)。専有面積58.59~113.85㎡、価格は未定。1階は商業施設、2階は駐輪場と千葉市の防災備蓄倉庫、住戸は3階以上で南西向き・西向き。完成予定は2023年1月末日。設計・監理・施工は奥村組。
マンションギャラリー所長で同社マンション事業部おもてなし課・中村巡洋氏は、「『グラディス』は当社の最上位のブランド。施工の奥村組さんは、わたしも担当した『昭和記念公園』と同じ。直床ですが、リビング天井高は2480~2600ミリ、食洗機、床暖房、ソフトクローズ引き戸、タンクレストイレ、浴室タオル掛けのほか、玄関には姿見を標準装備します。設備仕様レベルは競合物件に負けないはず」と語っている。
エントランス
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記者がもっとも注目しているのは価格・坪単価がいくらになるかだ。首都圏の県都では横浜は坪単価500万円を突破し、浦和、大宮も坪400万円を突破しているのに、千葉駅圏はこれまで坪300万円以上はなく、県下でも坪300万円を突破しているのは浦安市、市川市、船橋市の一部しかない。
千葉駅から徒歩2分なら坪300万円を突破しても不思議ではないが、中村氏は競合物件を意識してか詳細は語らなかった。競合物件とは、駅東側の千葉パルコ跡地の新日本建設・中央日本土地建物・あなぶきホームライフ・長谷工コーポレーション・東方地所の5社JV再開発「エクセレント ザ タワー」(397戸)だ。この物件の値付けがカギを握っている。
「エクセレント ザ タワー」はJR千葉駅から徒歩9分、千葉都市モノレール葭川公園駅から徒歩2分の31階建て全397戸。専有面積は32.44~101.54㎡。価格は未定。竣工予定は2023年12月中旬。施工は新日本建設、長谷工コーポレーション。
こちらは、千葉駅からはややあるが、三井ガーデンホテル、中央公園、43階建て「千葉セントラルタワー」(436戸)が近接。市の一等地でもある。しかし、関係者によると早期完売を狙っているようで、価格は坪300万円を割り、坪280万円くらいに抑えられそうだ。
記者の記憶は確かでないのだが、「千葉セントラルタワー」はオリックス不動産・ニチモが売主で、2006年に分譲開始された。最高に素晴らしいマンションだった。坪単価は200万円を割っていたにも関わらず、高額住戸が完売するまで数年かかった。「エクセレント ザ タワー」関係者もこの悪夢から抜け出せないのかもしれない。(記事参照)
となると、マリモも強気な価格設定は難しくなる…千葉の価格が低いのは、デベロッパー同士が〝価格優先〟の足の引っ張り合いをしているからと言ったら怒られるか。マンションの壁は薄くなり、天井も低くなる一方なのに、坪300万円の壁は厚い。
現地
平均74㎡、競合物件意識した商品企画 マリモ・小田急不の駅前再開発「厚木」(2021/11/3)
DINKSやLGBTs向けのリノベマンション開発・分譲 コスモスイニシア&IRIS
「センチュリー中野南台」イメージ図
コスモスイニシアは1月14日、DINKSやLGBTs世帯の“大人の二人世帯”向けのリノベーションマンションをLGBTs当事者が中心となって運営を行っている不動産仲介会社IRIS(アイリス)と共同で開発し、昨年末から販売を開始したと発表した。
物件は、東京メトロ丸の内線中野新橋駅から徒歩10分、中野区南台1丁目に位置する2001年5月竣工の14階建て「センチュリー中野南台」(全57戸)の2LDKで、専有面積64.55㎡、価格は6,380万円。
商品開発に当たってはIRISの意見を聞き企画に反映。洋室2部屋をそれぞれ独立した空間とし、1室は寝室として、もう1室をワークスペースとして使用することも、それぞれ寝室を分けて使用することも選択可能な間取りとし、洗面室は2ボウルの洗面台を採用、鏡も2種類設置。
キッチンは二人での調理もスムーズにできるL字型とし、玄関からも室内からもアクセスできる「ハーフ土間収納」はゴルフやアウトドア用品も収納できるようにしている。浴室は調光機能・間接照明・全自動浴室洗浄機能付き。
ZEH、ランドプラン、共用施設…単価では計れない価値あり 三菱地所レジ「新浦安」
「ザ・パークハウス新浦安マリンヴィラ」
三菱地所レジデンスは1月12日、2030年までにCO2排出量を50%削減すると発表したが、その先陣を切る同社初の「ZEH-M(ゼッチマンション)Ready」の認定を受けた「ザ・パークハウス新浦安マリンヴィラ」第Ⅰ工区(234戸)のメディア向け竣工見学会を行った。バス便で第一種低層住居専用地域の厳しい建築規制を受けながら、そのハンディを巧みに利用した商品企画が評価され、人気を呼んでいる。
物件は、JR新浦安駅からバス13分、バス停下車徒歩2分。浦安市高洲6丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)・第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積約47,199㎡で、建物は「テラスプラザ」(101戸)と「ベイプラザ」(133戸)からなる第Ⅰ工区(234戸)と「サニープラザ」(168戸)と「カームプラザ」(126戸)からなる第Ⅱ工区(294戸)の4階建て15棟構成の全528戸。このほか木造1階建ての「ヴィラハウス」、鉄骨造2階建ての「アネックスハウス」(パーティールーム・ゲストルーム・ジム施設棟)。第Ⅰ工区は2021年10月に竣工済みで、第Ⅱ工区の竣工予定は2022年8月上旬。売主は同社(事業比率90%)のほか近鉄不動産(同10%)。設計・施工は長谷工コーポレーション。
同社としては初の「ZEH-M Ready」認定を受けているのが特徴。建物は開口部のほか戸境壁と天井の断熱性能を向上させるため5面断熱構造とし、太陽光発電による太陽光エネルギーを湯に変えて蓄熱(蓄エネ)するシステムを構築。蓄電池なしで日中の太陽光発電電力を100%使い切ることで、一次エネルギー消費量の削減率50%を実現した。
同社は、断熱性能を向上させるため200万円/戸のコストを掛けたというが、50万円/戸の補助金が出るため、エアコン2台を標準装備することで入居者にも一部を還元した。
販売開始は2020年11月で、第Ⅰ工区の価格は5,148万~9,998万円、専有面積は86.09~126.67㎡。坪単価は225万円。これまで第1工区の全戸と第二工区の約130戸が成約済み。総問い合わせは約7,000件、総来場件数は約2,700件。
顧客の属性は、居住地は地元浦安市が4割強、東京都は4割弱、その約半分が湾岸エリア、年齢層は30代~40代で6割、職業は会社員が7割弱、会社役員が1割強。
購入者からは、平均約96㎡の住戸の広さ、海・川・公園が隣接している自然環境の良さ、低層4階建てのランドスケープ、「ZEH-M Ready」の環境配慮などが評価されたという。
手前は境川
ヴィラハウスデッキ
ウィズラウンジ
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現地の周辺には、UR都市機構のほか「パークシティ新浦安」「プラウド新浦安」「クオン新浦安」など民間の優れたマンションもあるが、今回のマンションはこれらと肩を並べるか、あるいはそれ以上の価値があるとみた。坪単価は信じられないくらい安いが、平均96㎡なのでグロス価格が張るにもかかわらず分譲開始から1年強で残り約160戸という数字にも、購入者から高い評価を受けていることが分かる。
何が素晴らしいかといえば、ランドスケープデザインだ。空地率は敷地面積約47,199㎡の半分以上の54%で、数千本の中高木を植栽し、リゾートマンションのような雰囲気を演出している。1低層の大規模マンションといえば、同社の「ザ・パークハウス 上鷺宮」をはじめいくつか思い浮かぶのだが、これほどの規模は首都圏に他にないのではないか。
用途地域について少し補足する。同社は2017年、千葉県企業局から用地を取得しているのだが、敷地の大部分は建ぺい率50%、容積率100%の第一種低層住居専用地域(1低層)だ。
周辺エリアはどうかというと、ほとんどは建ぺい率60%、容積率200%の住居系だ。同地も従前は建ぺい率60%、容積率200%の第一種住居専用地域だったが、市は平成20年2月、地区計画の見直しを行い1低層に変更した。
4階建てになっているのは、「建築物の高さの限度が10メートルと定められた第1種低層住居専用地域又は第2種低層住居専用地域内においては、その敷地内に政令で定める空地を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上である建築物であって、特定行政庁が低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めるものの高さの限度は、同項の規定にかかわらず、12メートルとする」という建築基準法第55条第2項の適用を受けているからだ。リビング天井高が2450ミリというのもそのためだ。
記者はこの建基法の高さ規制を緩和すべきだとずっと以前から主張してきた。10m、12m、15m、20m…とほとんど3mと5mの倍数の現行規制は合理的ではない。階高を3.2~3.3mとしてその倍率まで緩和し、容積の割り増しを行えば良好なマンションが建てられる。
人気の要因の一つになっている共用施設も目を見張るものがある。見学会ではブックカフェ、ウィズラウンジ、キッズルーム、サイクルスペース、パーティルーム、フィットネス、ゲストルーム、レンタルコーナーなどが紹介されたが、24時間利用可能の施設も多く、使用料は無料か低料金に設定されているのにびっくりした。単価では計れない価値があるマンションだ。
設備仕様レベルについて。用地取得費が安かったためもあるのだろうが、坪単価225万円でこれほど質の高いものができるのに嬉しくなった。リビング天井高2450ミリが低い(今は普通か)のは規制があるためで、床暖房が付いていないのには驚いたが、断熱性能を高めたことでどれほどの光熱費を削減できるか、その効果を知りたいものだ。
他では、ディスポーザー、食洗機、1620バス(一部除く)、ワークカウンター、メーターモジュール廊下(一部)など。浴室にはタオル掛けが2つ、シャワースライドバーのフックも2つついている。モデルルームの浴室には脱衣スペースもあった。
レンタルコ―ナー
浴室脱衣スペース
2030年までにCO2排出量50%削減 三菱地所レジ 建設と入居後双方で〝見える化〟(2022/1/12)
〝オールスターツ〟「QUWON(クオン)新浦安」始動 新浦安ブランド回復のシンボル(2017/8/9)
全701戸が平均120㎡ テーマは「家族の絆」「パークシティ東京ベイ新浦安」(2010/12/14)
大和ハウス他 非接触インターホンの実証実験/現場の「津田山」タオル掛けはなし
「空中タッチインターホン」実証実験
大和ハウス工業、パナソニック、アスカネットの3社は1月13日、空中で操作できるインターホン「空中タッチインターホン」の共同実証実験を1月15日から開始すると発表。実験対象となる大和ハウス工業の分譲マンション「プレミスト津田山」のマンションサロンエントランスをメディア向けに公開した。
実証実験では、アスカネットが開発した「ASKA3D」(空中ディスプレイ)とパナソニック製インターホンを連携させ、マンションモデルルーム見学者の声を聞きながら実用化に向けた取り組みを行う。期間は約6か月間。この種の実験を行うのは業界初という。
「空中タッチインターホン」は、空中ディスプレイに集合住宅のロビーインターホンの画面を表示し、空中タッチディスプレイから送られるボタンの入力情報を信号変換し、ロビーインターホンへ入力することで、住戸番号の入力を完全非接触で操作できる。直接接触しないため、指紋などで汚れることもなく、濡れた手や汚れた手でも操作が可能。
大和ハウスとしては、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、不特定多数の人が触れる箇所に直接接触することに抵抗や不安を感じる人が増加し、衛生意識が高まっていることに対応するもので、分譲マンションの専有部での抗ウイルスや抗菌剤を施した床材や建具などの採用や、共用部での非接触キーやハンズフリーエレベーターの導入など「非接触化」を進めている取り組みの一環。
3社は今後、分譲マンションだけでなく、店舗やオフィスビルなど大型施設での導入の可能性も検討し、実用化を目指していく。
実証実験デモ
見学会に駆け付けた黒山の報道陣(記者はコロナが怖くこの輪の中に加わらなかった)
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記者が驚いたのは、発表会場となった「プレミスト津田山」のマンションサロンに集まったメディアの多さただった。ざっと数えただけで40人はいた。前日の三菱地所レジデンスの新浦安のZEHマンション竣工見学会の倍だった。
取材対象、主旨が異なると言ってしまえばそれまでだが、3社のメディア動員力の凄さなのだろう。特に大和ハウスはリアル・オンラインの記者発表会をコロナ禍でも住宅・不動産業界の中でもっとも積極的に行ってきた。その成果だろう。率直に評価したい。
「空中タッチインターホン」の実証実験の結果がどう出るかは分からないが、マンション購入者にも理解されるはずだ。
実は記者は昨年2度、同じような機能を持つ非接触型のディスプレイを取材している。一つはLIXILが7月21日(水)~9月5日(日)行った多様なニーズに対応した誰もが使いやすいトイレをテーマにした「LIXIL PARK」で、もう一つは日本財団が主導し、大和ハウスが施工を担当している「THE TOKYO TOILET」プロジェクトの一つである渋谷区幡ヶ谷2丁目の「七号通り公園トイレ」だ。
大和ハウスが今回の実証実験を行うのは、「THE TOKYO TOILET」プロジェクトがヒントになっているのではないか。
さて「プレミスト津田山」。JR南武線津田山駅から徒歩3分の6階建て全106戸で、専有面積は49.20~98.50㎡、価格は未定だが、坪単価は275万円になる模様だ。
単価的には〝売れる〟価格だと思うが、用途地域は建築物の絶対高さ15mの規制があるためかリビング天井高は2400ミリで、浴室のドアにはタオル掛けがない(オプション)のが気になった。
タオル掛けでいえば、最近はタオル掛けを付けない大手デベロッパーの物件も目立つようになっている。いうまでもなくグロス価格を抑えるためだだが、三菱地所レジデンスはもう数年も前からタオル掛けは2本設置し、浴室にはシャワースライドバーにフックを2つ設置することを標準装備としている。
三菱地所レジデンスの立派なのはこういうところだ。どんなに市況が厳しかろうと、必要なものは必要だ。タオル掛けがなかったら、バスタオルはどこに置くのか、濡れたまま浴室の外に出なければならない不愉快さを考えてほしい。たかが数万円の出費を惜しむ結果、購入希望者が難色を示し、販売担当も苦労する。
記者の方々にも一言。皆さんは「空中タッチインターホン」に夢中になっていたようだが、肝心のマンションの商品企画には全く関心を示さなかった。木を見て森を見ずといったら失礼か。
タオル掛けが2本ついているある郊外マンションのモデルルーム(社名は明かせないが、この会社は郊外中心に年間1000戸以上を供給しているが、在庫はほとんどない。販売担当者は大手デベロッパーが付けないのを喜んでいた)
目を見張る 710坪のマンションギャラリー 住友不「汐留」開設/第一弾は「虎ノ門」
「総合マンションギャラリー新橋館」
住友不動産は1月15日、同社はもちろん同業他社の同様のマンションギャラリーとしても最大と思われる「総合マンションギャラリー新橋館」をオープンし、第一弾の「シティタワー虎ノ門」のモデルルームを公開する。開業の前日14日、同社はメディア向けに施設・モデルルームを公開した。
「新橋館」は、JR新橋駅から徒歩6分・ゆりかもめ汐留駅から徒歩1分の汐留住友ビルB2階と21階に設けたもので、広さは同社の総合マンションギャラリーとしては最大の710坪。21階にはエントランスウェイティング、ラウンジ、カフェカウンター、カフェエリア(20席予定)、コンセプトシアター(2か所)、ギャラリーコーナー、接客コーナー、個室、キッズルーム、眺望コーナー(シティタワー虎ノ門周辺)、展示コーナー(ミストサウナ体験、セキュリティなど)を備える。
同社は2011年、マンション販売に関する相談・体感・物件選択ができる「総合マンションギャラリー」を業界に先駆けて都内5か所に同時オープンし、現在、都内7か所、大阪2か所、名古屋1か所、仙台1か所の計11施設を展開している。これまでの来館者は約3万組、新橋館は港・中央・江東・品川区エリアを中心に物件情報約80物件を紹介するほか、現地案内を進めていく。
「シティタワー虎ノ門」は、東京メトロ日比谷線神谷町駅から徒歩2分、港区虎ノ門三丁目に位置する28階建て普通借地権付き144戸(非分譲住戸2戸、その他住戸14戸含む)。専有面積は60.06~75.13㎡、価格は未定。竣工予定は2024年6月中旬。設計・施工は西松建設。住戸部分は5階からで、1フロア6戸構成。販売開始は2月。
生花
カフェカウンター
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地下2階のエレベータに乗り、施設に着いたとたん、その圧倒的な広さに目がくらみ足がすくんだ。総合マンションギャラリーは同業他社も含めてかなり体験しているが、これほど広いギャラリーはおそらく他社にもないはずだ。同社に賃料相場を聞いたら「3万円台/坪」ということだった。年間賃料は710坪×3万円×12か月=2億5,560万円だ。
建具・家具、什器などは〝5つ星〟並みの伊藤忠都市開発「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」や汐留エリアにある「コンラッド東京」などのホテルを意識したのか、床には大きな生花が2つ活けられていた。
カフェカウンターには白と赤のワインとグラスが置かれていた。振舞ってくれるのかと思ったが、これは〝飾り〟(伊藤忠都市開発も同様)、で、顧客に提供することはないという。
「虎ノ門」の価格は未定だが、どれくらいになるか。立地は最高。1フロア6戸のうち半分の3戸は敷地南側に広がる東京タワーや芝公園の緑が眺望できそうだ。建物の設備仕様水準も水準以上だ。リビング天井高は2650ミリ、サッシは一般的な複層ガラスサッシの2倍の断熱性能を有するとされる真空ガラスサッシを採用している。
同業の記者の中には1,000万円と予想した人もいるが、記者は借地権でもあり1,000万円はありえないと思う。近隣の供給物件と比較して坪単価は800万円くらいが妥当と読んだがどうだろう。
「シティタワー虎ノ門」モデルルーム
これは凄い ホテルなら5つ星 伊藤忠都市 「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」(2020/9/10)
2030年までにCO2排出量50%削減 三菱地所レジ 建設と入居後双方で〝見える化〟
宮島社長
三菱地所レジデンスは1月12日、マンションの建設時から入居後50年にわたるサプライチェーンでのCO₂排出量を2030年までに2019年比で50%削減すと発表した。同日、並行して行われたメディア向け「ザ・パークハウス新浦安マリンヴィラ」第一工区竣工見学会で同社・宮島正治社長が宣言した。三菱地所グループは2030年までにCO2排出量を2017年度比で35%削減する目標を掲げているが、三菱地所レジデンスはそれを加速させる先導役となる。
業界で初めてSBTの認証を取得し、マンション建設時でのCO2排出量100t/戸と、入居後ランニングの排出量135t/戸を見える化し、建設時では省CO2現場造成杭の高炉セメントなどを採用し、入居後では「マンション家計簿」を改訂し、電力の非化石化、ZEH化、太陽光発電の搭載、EV対応を加速化させる。
具体的には、屋上に搭載する太陽光発電パネルで発電した電力を共用部分で使用し、マンションで使われるエネルギーの6割を占める電力を非化石化証明付電力とする。
さらに、断熱性の向上と高効率機器を採用することで2025年以降の全ての分譲・賃貸マンションをZEH-M Oriented以上とする。同社はZEH-M Oriented 以上とすることで、使用エネルギーを2割程度削減することが可能としている。
そのため、2010年から導入してきた高圧一括受電と太陽光パネルを組み合わせた創エネシステム「soleco(ソレッコ)」ではカバーしきれなかった賃貸マンションもカーボンオフセットする仕組みを構築することで、40戸未満の物件にも太陽光パネルを設置する。
その他のCO2排出量削減への取り組みとして、レジデンスギャラリーで使用する電力を再生可能エネルギー由来の電力に切り替え、CO2排出量をオフセットするほか、オンライン接客・バーチャルモデルルーム、ペーパーレス(電子契約)などの採用により人の移動、紙製造や印刷、郵送などに係わるCO2排出量を削減し、顧客に提供する飲料の一部をペットボトルから紙製容器の「カートカン」に変更、クリアファイルの一部をFSC認証の「紙ファイル」に変更する。
発表会に臨んだ宮島社長は「マンション市場はタワーマンションや再開発が注目されているが、コロナ禍で郊外の広い住宅も再認識されており、『環境配慮』がキーワードにもなっている。CO2削減は待ったなし。新たなチャレンジとして2030年までに50%削減を宣言し、建設時と入居後のCO2排出量の見える化を実践していく」と語った。
「ザ・パークハウス新浦安マリンヴィラ」に設置した太陽光パネル
三菱地所レジ 賃貸の空間創出第二弾 浴槽なしのシャワー室開発 「亀戸」に導入
「Roomot(ルーモット)」イメージ図
三菱地所レジデンスは1月11日、賃貸マンション「ザ・パークハビオ」の空間創出プロジェクト「Roomot(ルーモット)」の第二弾として浴槽をなくしたシャワーユニット「Roomot Shower」を開発、「ザ・パークハビオ亀戸」に導入すると発表した。
同社は昨年6月、洗面化粧台にキッチンを合体させた「Roomot MIXING」の第一弾「ザ・パークハビオ(品川区西五反田二丁目計画)」61戸に採用しており、今回はShower」」と「MIXING」と併せて採用することでより大きな空間を創出したという。導入例では、居室スペース7.0畳大から9.3畳大に拡大し、拡大したスペースはワークスペース(デスク、机、書類棚)やダブルベッドなどの大型家具を設置できる空間に変えた。
また、トイレなどの水回り設備をコの字型に配置し、囲まれた中央部分を「マルチスペース」として提案している。
同社は「MIXING」と「Shower」を採用することで、合わせて259.7㎏のCO2削減を可能にするなどSDGsにも貢献できるとしている。
「ザ・パークハビオ亀戸」は、JR亀戸駅から徒歩8分、江東区大島3丁目に位置する14階建て52戸。専用面積は25.24~35.47㎡。引き渡し予定は2023年9月30日。
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風呂が大嫌いな記者も大賛成だ。さすがに真冬には浴槽に湯を張り、そのまま30分くらい眠ってしまうこともあるが、ほかの季節ではシャワーだけで済ます。これで十分だ。最近は宿泊特化型のホテルでも浴槽なしは増えているし、伊藤忠都市開発は分譲マンションでもシャワー室のみの物件を供給している。昨年見学したコスモスイニシアのシェアレジデンス「nears(二アーズ)川崎」もシャワー室のみだった。
ただしかし、キッチンとシャワー室とトイレをコの字型に配し、その中央部分を「マルチスペース」にしたら、毎日クサヤのような匂いをかぎながらコーヒーを飲み、朝食を済ますことができるのか。公衆トイレアンケートではトイレ内で食事をする人もいるらしいが…。
いっそのことシャワー室とトイレを一緒にしたらどうだろう。用を足しながらシャワーを浴び、シャワーを浴びながら用を足せばすべてを水に流せるではないか。もう一つ提案。冷え性の人には足湯がいい。シャワー室は足湯も可能な仕様にしてはどうか。
「Roomot(ルーモット)」イメージ図