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「ザ・パークハウス川越タワー」

 三菱地所レジデンス(事業比率50%)と大栄不動産(同)は12月10日、東武東上線・JR川越駅から徒歩1分の川越市最高峰の免震タワーマンション「ザ・パークハウス川越タワー」のモデルルームを2022年1月8日にオープン、2月中旬から販売開始する発表。同日、メディア向けモデルルーム内覧会を行った。

 物件は、東武東上線・JR川越線川越駅から徒歩1分、川越市脇田本町の商業地域(建ぺい率90%、容積率600%)に位置する25階建て全173戸(募集対象外4戸含む)。専有面積は44.36~117.16㎡、価格は未定だが、坪単価は320万円になる模様。竣工予定は2023年10月下旬。施工はフジタ・川木建設共同企業体。販売開始は2022年2月中旬の予定。

 現地は、川越駅圏でごくわずかしかない容積率600%の商業地域の一角。敷地は埼玉りそな銀行と三菱UFJの店舗跡地。両者がそれぞれ用地を取得して共同で分譲することになったもの。敷地は四方道路に接道。

 建物は2階建て商業棟と25階建て住宅棟で構成。「川越駅西口グランドデザイン」に基づき地域との共生を目指し、地元の農業協同組合や企業との連携による地産地消、間伐材を使用した家具・小物の活用を行うほか、川越に本社を置く「ヤオコー」のネットスーパー、ペットボトルの回収、電気自動車の充電ポート導入などサステナブルな取り組みも行う。また、防災の取り組みとして、各住戸に防災倉庫を設置し、防災イベントを行っていく予定。

 住戸プランは70㎡台の3LDKを中心に40㎡台の2LDK、最上階は100㎡台のプレミアム住戸を用意。主な基本性能・設備仕様は、川越市初の免震、二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ(プレミアム住戸は2700ミリ)、食洗機、ディスポーザー、ミストサウナ、クオーツストーンキッチン天板など。クローゼットには一時掛けハンガーを設置している。共用施設はオーナーナラウンジ、スカイデッキ、クラブラウンジなど。

 9月に物件ホームページを開設してからこれまで1,200件の反響がある。内訳は地元が4割、周辺エリアが1割、県内が2割、東京が3割。富裕層からの問い合わせも多いという。価格は2LDKが6,000万円台、70㎡台の3LDKが7,000万円台中心、最上階は1億1,000万円台の予定。

 内覧会に臨んだ三菱地所レジデンス第一計画部長・浦崎康弘氏は、「駅1分の利便性と25階建てという市内最高層と免震、開放感、眺望は市のランドマークとなるはずで、地域との共生をテーマに持続可能な街づくりに貢献したい」と語った。

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オーナーズラウンジ

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間伐材を用いたモデルルームの畳数表示板

◇        ◆     ◇

 記者の個人的な最大の関心事は坪単価が300万円を超えるかどうかだった。川越駅は池袋駅からちょうど30分。わが京王線の新宿駅から30分といえば聖蹟桜ヶ丘駅で、いま東京建物などが分譲中の「Brillia Tower 聖蹟桜ヶ丘BLOOMING RESIDENCE」(520戸)がある。免震タワーというのは一緒で、記者は「聖蹟桜ヶ丘」を見学はしていないが、基本性能・設備仕様レベルは同等で、街のポテンシャルもそれほど変わらないはずだ。唯一、京王線が負けるとすれば都心(東京駅など)へのアクセスだろう。

 坪単価はどうか。記者は東京建物が計画を発表した段階で坪単価は300万円の大台に乗るのを期待していた。免震でZEH、多摩川がすぐそばならアッパーミドルの需要を総取りできると思った。ところがどうだ、坪単価が270万円と聞いて正直がっくりした。

 川越はどうか。三井不動産レジデンシャルが数年前に分譲したマンションの坪単価は285万円だった。かなり高いと感じた。今回、それを上回るのは確実だと思っていた。三菱地所レジデンスは「価格は未定」としているが、予定価格からして坪単価は320万円になるはずだ。「聖蹟桜ヶ丘」との差は坪50万円。20坪にして1,000万円だ。

 これは聖蹟桜ヶ丘と川越だけの話ではない。いかに他の沿線と比べ京王線のマンションが著しく割り負けしているか。東急線では代官山は坪900万円を突破し、自由が丘も600万円超、綱島だって400万円だ。小田急線の代々木上原は650万円、成城学園は500万円をはるかに超える。新百合ヶ丘も400万円以下はありえない。東上線だって住友不動産・大山は400万円に乗るかもしれない。伊勢崎線(千代田線か)の北千住は380万円だ。京王線のアッパーは調布の370万円だ(三井不動産レジデンシャルの初台の物件は500万円弱だか)。

 マンション相場のみの評価ではあるが、京王は東急や小田急にその差を広げられ、ついに東武東上線に逆転された。勝てるのは西武と京急、相鉄、京成くらいか。その京急も相鉄も虎視眈々、都心部への進出を考えている。

 京王も沿線自治体もブランディングを再検討したほうがいい。神奈川、埼玉、千葉から移り住みたくなるような街づくりをするべきだ。京王はサンウッドと資本提携したが、市場を劇的に変えるには力不足だ。

 横道にそれすぎた。「川越」に戻す。モデルルームの仕様レベルは間違いなく水準以上だ。地価水準の高い東京23区内ではまず不可能なレベルだと思う。都内からの反響が3割というのも納得だ。

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ザ・ホール

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MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」

三井ホーム「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」のメディア向け完成現場見学会の取材を終え、帰りかけたときだ。同業の女性記者が「これって鉄かコンクリか木造か分かりませんよね」との趣旨の質問をした。すぐさま、同社技術研究所研究開発グループマネージャー・小松弘昭氏は「現しにしないといけないというのは木造コンプレックスの裏返し。木の性能、コストなど科学的・合理的なことのほうが大事」と言い切ったではないか。

この会話を傍で聞いていた記者は、一瞬「コンプレックス」は「complex=複合」という意味なのかとも考えたが、両者のやり取りから「complex」は明らかに「劣等感」という意味で小松氏は用いたはずだ。

記者は森林・林業、木造の取材を始めた10年くらい前から、建築基準法の耐火・防火基準は、わが国の伝統的な木造建築の歴史・文化をぶち壊し、欧米の鉄やコンクリで埋め尽くそうという陰謀であり、元に戻すには耐火・防火基準の緩和と、意匠・デザインは現しにすべきとずっと主張してきた。美しい木肌・木目を石膏ボードなどケミカル製品で覆い隠すのは、女性に例えればせっかくの美顔・美肌に安物のどうらんを塗りたくるのと一緒ではないかと。

それを小松氏は「木造コンプレックス」と昂然と語った。頭をどやされたような気がした。しばし考えた。なるほど。「皆さんは現しがいいと仰るが、確かに風雨にさらされ時と共に朽ちていくのも風流かもしれませんが、木の本質を知っていただけるなら、外観をどのように覆っていただいてもかまいません」とみどりの女神(いつの間にみどり=山の神は女神になったのか)が囁いているのだろうか。それでも記者は現しがいいと考えるが。

 そういえば、「今度の美人会長も楽しみにしている」と発言した福島県相馬市の立谷秀清市長も、「顔のきれいな子は賢いことを言わないときれいに見えない」と語った静岡県の川勝平太知事も、女性の外形差別だと批判を浴び謝罪した。作家の西加奈子氏は「日本一賢い猫が、あなたの呪縛を解きほぐす 自分を『ぶす』だと思っている全女子におくります」という帯付きの「きりこについて」(角川文庫)という小説を発表した。

 木も同じことなのか。この日、三菱地所、住友林業などは「一般社団法人日本ウッドデザイン協会」を設立した。関係者らで、現しを求めるのは木造コンプレックスなのかどうか論じていただきたい。小松氏の指摘は一考に値する。顔や外観の呪縛から解き放たれたら世の中はひっくり返る。

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壁(左)と床の実物大模型

賃料は「調布並み」でも申し込み殺到 三井ホーム「稲城」の木造5階建て賃貸

美人を美人と褒めてどこが悪いのか/居直り記者が男女差別を考える(2021/11/15

 

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「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」

 三井ホームは12月8日、わが国最大級の木造5階建て(1階はRC造)賃貸マンション「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」のメディア向け完成現場見学会を行った。

 物件は、京王相模原線稲城駅から徒歩3分、稲城市百村の第2種住居地域(建ぺい率80%、容積率200%)に位置する敷地面積約1,499㎡、5階建て(1階:RC造、2~5階:木造)延べ床面積約3,738㎡の耐火ハイブリッド構造賃貸マンション51戸。間取りは2LDK(50.82~56.10㎡)48戸と3LDK(69.89~96.14㎡)3戸。募集対象の2LDK・3LDK47戸の賃料は122,000~150,000円。共益費は8,000円。設計・施工は三井ホーム。デザイン監修はアーキヴィジョン広谷スタジオ。着工は2020年11月。竣工は2021年11月。

 この物件についてはこれまで2度書いているので、そちらを参照していただきたい。今回の見学会では、同社担当者が〝安かろう悪かろうの木賃アパート〟〝木は燃える〟などのイメージ・課題が払しょくされたと胸を張り、何と賃料は「稲城」ではなく4割増しの「調布」の相場価格で募集したところ瞬く間に埋まったことを聞き、口から心臓が飛び出すほど驚いた。さらにまた、「現しにしないといけないというのは木造コンプレックスの裏返し」という言葉に頭をどやされたような気がした。リアル取材の大切さを改めて学んだ。

 まずは、同社施設事業本部事業推進室営業推進グループ長&事業推進グループ長・依田明史氏が見学会の冒頭で語った内容を紹介する。

 依田氏は、これまでこの種の賃貸マンションは「アパート」としてしか募集できなかったが、プレハブ協会と大手の募集サイト運営会社がマンションの定義を決め、首都圏不動産公正取引協議会の了解を得た結果、今年12月6日からは「マンション」として募集することが可能になったインパクトは大きく、「木造=安い」というイメージ・課題が払しょくできたと話した。

 次に、劣化対策等級3、断熱等性能等級4、一次エネルギー消費量等級5、ZEH-Mなどを取得し、エンジニアリングレポートで鉄筋と同等の性能があることが可能となり、建物売却時の価格に反映されると強調。

 そして、これまで行った現場見学会には不動産業、建設業、金融機関を中心に千数百人が参加し、11月12日から47戸を対象に入居者を募集したところ、9割強の申し込みがあり、賃料は「稲城」(6.5千円/坪)ではなく「調布」(8.4千円/坪)に設定したことについて、「かなり気をもんだが、びっくりするほどの反響を頂いた」と話した。

 さらにまた、入居募集の際にアンケートをとったら、「稲城だから」という回答(30%)の次に「木造に興味がある」と回答した人は20%に上ったことについて「これほど木造に理解を示される方が多いのに驚いた」と述べ、「木造の概念を払しょくできた」と締めくくった。「払しょく」は少なくとも3度は使ったはずだ。

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エントランスホール(木は本物で、三井不動産グループの北海道の社有林のトドマツ)

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510号室のリビング(床はシート張り)

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天然木のサイン

◇       ◆     ◇

 記者はこの賃料設定に驚いた。分譲マンションの相場は、「調布」は坪単価350~360万円で、「稲城」の事例はないが、仮に同地で分譲したら坪単価は260~270万円だろう。同社の賃料設定と符合する。

 驚いたのはほかにもある。見学会で公開された90㎡台の非賃貸住戸では、分譲マンション並みの性能を有することを実証する実験が行われていたが、同時にエアコン一つで全館空調を実現する実験が行われていたことだ。スペースは約半畳大で、いま市場に出回っている他社商品よりコストがかなり抑えることができる手応えがあるようで、三井不動産レジデンシャルの分譲マンションに採用することを視野に入れているとのことだった。

 さらにもう一つ。RC造と比較してコスト・工期を約1割削減したのもさることながら、これまでの現場見学会、入居募集活動で、RC造1階のエントランスで受け付けを担当したスタッフは足腰の痛みを訴えたのに対し、木造部分の2階以上で対応した担当者はそれほどでもなかったということを聞いた。木の快適性はここでも証明されたということか。

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全館空調の実験(エアコンは普通のものだそうだ)

外貌の呪縛を解き放つか 「現しを求めるのは木造コンプレックス」三井ホーム小松氏

「木」の中層マンション「MOCXION(モクシオン)」第一弾 三井ホーム「稲城」見学会(2021/7/7)

木造マンションの試金石目指す 三井ホーム5階建て延べ床3,700㎡の賃貸着工へ(2020/9/29)

 


 

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「イニシアテラス目黒学芸大学」コリドー

 コスモスイニシアが分譲中のタウンハウス「イニシアテラス目黒学芸大学」を見学した。駅から徒歩4分の第一種低層住居専用地域に位置するメゾネット型全15戸で、目黒通り沿いのインテリアショップ3店とコラボしたインテリアデザイン、限られた空間を有効利用したプランがいい。モデルルームには全て本物の観葉植物を配することで全体の美しさを引き立てている。土地の価値を最大限に引き出した好物件だ。

 物件は、東横線学芸大学駅から徒歩4分、目黒区鷹番二丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率70%、容積率150%)に位置する地下1階地上3階建て全15戸。専有面積は60.94~87.05㎡、坪単価は480万円。2021年7月に竣工済み。施工は新三平建設。

 11月13日から販売を開始し、これまでに供給した全11戸を成約。残りの4戸は年明けに分譲する予定。9月上旬から建物内モデルルームをオープン、約2か月で130件の来場者を集めている。

 現地は、駅前東口商店街から一歩入った1低層の住宅街。住戸プランは全戸南向きで、地階・1階の66㎡が8戸、2階・3階の80~87㎡が3戸、60~65㎡が4戸。広いプライベートアプローチ、DEN、SOHO利用、グレーチング床のバルコニー、ルーフバルコニー、アトリエスペース、吹抜け、グラステラスなど多彩なプランを用意している。

 モデルルームは、目黒通り沿いのインテリアショップ「karf」、「ACME Furniture」、「souks」の3社とコラボ。「karf」はアンティーク家具を多用した北欧タイプ、「ACME Furniture」はミリタリーグリーンを壁クロスに用いた個性的な空間演出、「souks」は木・ガラス・金属・レザー・大理石などの異素材を組み合わせた斬新なデザインとなっている。

 一級建築士で同社分譲事業部分譲一部プロジェクトマネージャー・岡端知子氏は「全戸南向きで、構造、設備、デザインなどが高い評価を頂いている。残り4戸は60㎡、65㎡のタイプで年明けに分譲する予定」と語っている。

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「karf」モデルルーム

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「souks」モデルルーム

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「ACME Furniture」モデルルーム

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2階・3階の住戸は全てルーフバルコニー付き

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コリドー植栽マス

◇       ◆     ◇

 同駅圏では、モリモトが昨年分譲した全戸100㎡以上の億ション「ディアナガーデン鷹番」の現地を見ている。坪単価は500万円を突破していた。今回の物件は、住居表示は同じ「鷹番」だか、モリモトの物件とは駅の反対側で、タウンハウスなので坪500万円はしないと予測した。その通りだった。普通の低層マンションだったら、この単価では分譲できないはずで、リスクも伴う。価格を抑制し、かつ一定のニーズがあるタウンハウスにしたのは大正解だろう。

 東西軸が長い敷地形状を生かし、全戸南向きを実現し、住戸南側には植栽帯(グラステラス)、北側には石とタイルを敷き詰め、植栽マス・壁面緑化を施した広いコリドーを演出しているのも目を引いた。

 そして何よりいいのは、地域のインテリアショップとコラボして、それぞれ個性的なデザインを提案していることだった。使用されている家具・什器、クロスなどはそれほど高価なものではないと見たが、随所に本物の観葉植物を配することで、居住空間の美しさを一層引き出している。

 同じような緑の演出は、同社の「イニシア中央湊」でも見学しており、そのときも岡端氏に説明を受けた。双方とも岡端氏が商品企画・デザインに深く関わっているはずだと思い、改めて名刺の肩書を確認したら「一級建築士」とあるではないか。深くかかわっているどころか、これは間違いなく岡端氏が主導しているプロジェクトだ。ただの一級建築士ではない。今回は、モデルルームのコーディネートも行っており、販売のプロでもある。

 デベロッパーの皆さん、インテリアデザイナー・コーディネーターの皆さん、記者はこれまで何度も〝フェイクを止めよ〟と書いてきた。おもてなしの欠片もない、100円ショップで売っているようなまがい物の観葉植物がどれほどモデルルームを貧相なものにしているかを考えた方がいい。コスモスイニシアを見習ったほうがいい。

 モデルルームで驚いたものは他にもある。階段下をオープンスペースにし、シェルフで“見せる収納”を実現したのは同社の「代々木上原」でも見たのだが、今回は何と地階・1階の8戸を洗濯機置き場にしているではないか。階段下の床を下げ、そこにトイレを設けていた戸建てを見学したことはあるが、洗濯機置き場というのは初めて見た。意表をつくアイデアだが、これはとても合理的な考えだ。約1畳大のデッドスペースを毎日使うスペースに転換させると同時に、その分だけ新たなスペースを生み出した。これまた凄い!

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モデルルームの観葉植物(そんなに高価でもないし、手入れなども簡単)

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階段下の洗濯機置き場(左)と収納

パーカーズとコラボの第三弾 コスモスイニシア「中央湊」の緑の質と量に感動(2019/6/3)

モリモト 全戸100㎡以上の億ション「ディアナガーデン鷹番」14戸分譲(2020/2/29)

「ザ・ロアハウス」⇒「テラス」第一弾 一低層のコスモスイニシア「代々木上原」(2021/2/12)

コスモスイニシア タウンハウス「吉祥寺」好調/「字か小さい!」「あんたがアホ」(2019/3/18)

敷地の難点を逆手に取る手法ヒット コスモスイニシア「ザ・ロアハウス杉並高井戸」(2014/4/18)

コスモスイニシア タウンハウス「代々木初台」見学会(2013/7/31)

 

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「プレミスト王子神谷」

 既報の大和ハウス工業・京浜急行電鉄・長谷工不動産「プレミスト王子神谷」が大きな人気を呼んでいる。124日~1211日まで登録申し込みが行われる第1期分譲戸数は135戸で、全227戸の6割近い。坪単価は300万円を突破し、310万円くらいになった模様だ。

 第1期の専有面積は66.9182.58㎡、価格は5,698万~8,998万円(最多価格帯6,300万円台)。登録受付期間は2021124()20211211()。抽選日は1211日(土)。

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記事を書いた1027日の段階では「人気必至」としたが、その段階では価格は決まっていなかったので「価格は未定」とした。しかし、大和ハウス工業京本店統括マンション事業部東京マンション事業部第二課販売事務所長・松本諭吉氏から、坪単価は300万円を突破し、第1期の供給戸数は100戸を超えたいと聞いていた。その通りになった。

 東京駅を起点とする湾岸も含めた城東・城北エリアのマンションは相対的な割安感があるためかどこも人気だ。記者は山あり谷ありの城西、多摩エリアもいいと思うが…。

中高層マンション群の最前列 駅近の公園隣接 大和ハウス「王子神谷」(2021/10/27
 

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「HARUMI FLAG」全景 

 三井不動産レジデンシャルを幹事会社とする「HARUMI FLAG」の住宅分譲街区の売主10社は12月2日、「SUN VILLAGE」第1期465戸と「SEA VILLAGE」第2期166戸の合計631戸の登録申し込みが5,546組に達し、最高倍率111倍、平均倍率8.7倍で即日完売したと発表した。

 今回分譲の「SUN VILLAGE(A棟・B棟・C棟・D棟・F棟)」第1期465戸(第一工区はタワー棟733戸除く全1,089戸)の専有面積は61.06㎡~116.58㎡、価格は4,990万~22,920万円(最多価格帯5,900万円台)、「SEA VILLAGE(A棟・B棟・C棟・D棟・E棟)」の第2期166戸(全体は686戸)の専有面積は85.37~123.01㎡、価格は7,980万~17,590万円(最多価格帯8,700万円台)。11月12日(金)~11月21日(日)まで申し込みを受け付けていた。

 2022年1月上旬から「SUN VILLAGE」第1期2次、「PARK VILLAGE」第2期のパビリオン見学会を開始し、3月中旬に販売する予定。

 「HARUMI FLAG」は、総開発面積133,906㎡、総計画戸数5,632戸(分譲住宅街区4,145戸、賃貸住宅街区1,487戸〈シニア住宅、シェアハウス含む〉)、店舗・保育施設(区画数未定)、商業施設などで構成。オフィシャルサイトを開設した2018年10月31日(水)から49,000件を超えるエントリーかあり、2019年4月27日(土)にオープンした「HARUMI FLAGパビリオン」の見学者数は12,000組を超えている。

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今回の「SUN VILLAGE」第1465戸と「SEA VILLAGE」第2期の坪単価について広報事務局に問い合わせた結果、坪単価300万円との回答が得られた。「勝どき」駅前の坪単価425万円の「パークタワー勝どきミッド/サウス」が人気になるのだから、「HARUMI FLAG」もこれくらいの人気になるのは想定できることではある。記者は今年2月、東京BRTプレ運行に試乗したが、新橋駅に30分圏というのは魅力だ。ルート変更もありそうなので、東京駅へ30分もありうるのではないか。

全戸供給までまだまだ先は長く、将来のマンション市況が読めない部分も多いが、現段階で事業者は東京都との合意に基づき、当初想定していた分譲単価(坪単価250万円=記者の推定)を上回る価格についてその半額を都に支払う可能性が高まった。この問題について小池都知事は2019726日、「最終的な住宅分譲販売収入が当初の想定を1%以上上回った場合、増収分の半額を特定建築者が東京都に追納することで合意した」と発表している。

 記者はこの〝利益折半〟はいかがとは思う。土地は都民のものだ。だが、もうこれ以上書かない。日本不動産研究所が「開発法」を採用し、「価格時点」つまり2016年時点で坪単価250万円とはじいたのに瑕疵はないとすれば、事業者がいくら儲けようと勝手ということだ。

東京オリンピック・パラリンピック選手村裁判12月23日に判決(2021/11/19)

選手村裁判が結審 「HARUMI FLAG」利益は消費者(購入者)に還元すべき(2021/9/9

東京BRT初体験 虎ノ門~晴海の終点まで28分 信号31か所、待ち時間6.6分(2021/3/1

 

 

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「デュオヒルズ東川口テラス」

 フージャースコーポレーションが分譲を開始した東川口駅圏の「デュオヒルズ東川口テラス」を見学した。同社にとって同駅圏での供給は4棟目。既分譲の入居者アンケートの声を商品企画に反映させているのが特徴で、販売担当は早期完売に自信を見せている。

 物件は、JR武蔵野線・埼玉高速鉄道東川口駅から徒歩8分、川口市東川口二丁目の第二種中高層住居専用地域に位置する7階建て全住戸79戸。11月27日から分譲開始した第1期(30戸)の専有面積は68.35~84.19㎡、価格は3,998万~5,498万円(最多価格帯4,400万円台)。坪単価は200万円強。竣工予定は2022年11月上旬。設計・監理・施工は埼玉建興。

 現地は、道路を挟んだ伝右川に沿って植えられている総延長約6キロの桜並木に隣接。建物は3棟構成で、標準階は南東向き7戸、南西向き3戸、北東向き3戸。3LDKは70㎡以上(一部除く)とし、80㎡台の4LDKを19戸用意。1階のラウンジにはサイクルガレージを設置。駐車台数は約79%確保している。

 主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2500ミリ、2段浴室タオル掛けなど。多目的に利用できるバルコニー側の3畳大の「Re・Room」(有償)の提案を行っている。

 販売担当の同社・入谷哲也氏(25)は、「11月27日から第1期の分譲を開始しますが、手ごたえは十分。既分譲の入居者の声を企画に反映しており、広めの住戸を増やし収納を確保したほか、リモートワークやペット遊びゾーンなどプラス1ルームの生活提案『Re・Room』も19戸用意しました。カーシェア、サイクルガレージ、ラウンドテラスなど共用部も充実させました。駐車台数を約79%確保しているのも、東川口駅圏では当社のみ」と語った。

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モデルルーム

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リビングに隣接した「Re・Room」

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 東川口駅前では、タカラレーベン「レーベン東川口GRANDEST」143戸の分譲が近く始まるが、フージャースコーポとの単価差は坪30万円以上ありそうなので、十分勝負になると見た。〝東川口の目黒川〟と称される桜並木に隣接するのはインパクトがある。

 若い独身と思われる入谷氏に浴室の2段タオル掛けがいかに必要かについてひとくさり蘊蓄を垂れ帰ろうとしたら、入谷氏はだしぬけに「9月1日に入籍しました」と打ち明けた。「えっ」入谷氏とは今年4月、「デュオヒルズつくばセンチュリー」でお会いしているが、そんな話は出なかった。

 彼女とは大学時代からの付き合いで、入社4年目にして結婚にゴールインしたという。しかも、マンションも購入したと宣うたではないか。「夫婦喧嘩? しませんよ。家事労働? 休日には掃除など手伝いしますが、夜が遅いので食事などは彼女にまかせっきり。感謝しています」

 入谷氏は、入社後は柏のマンションに半年、福岡に1年、四日市に1年勤務した後、今年6月に完売するまで「つくば」を担当。7、8月は帯広の再開発マンションだったという。「地方勤務が多かったので、彼女と会う機会も少なかったですが、しっかり連絡を取り合っていました」

 羨ましい! 25歳といえば、小生は永遠の愛を誓ったはずの彼女にごみのように捨てられ、競馬に夢中になり、まさに沈湎(ちんめん)の日々を送っていたころだ。住んでいた八百屋の2階のアパートは北向きの4畳くらいで、浴室はなし、洗面・トイレも外。部屋は隙間だらけで、野菜の腐った匂いが階下から立ち上ってくるのに閉口した。酒におぼれ、愛の欠片もない女性を連れ込んだ翌日には、大家から「また違った女性でしたね」などと嫌みを言われたものだ。

 廣岡社長&小川社長!入谷ご夫婦の愛が破綻しないよう、地方勤務はなるだけ少なくしてやっていただきたい。入谷さん、またどこかの現場でお会いしましょう。竣工は来年の11月だ。価格競争力もある。それまでに完売するのではないか。

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建設現場

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桜並木

「街のシンボルになる」来場者 公園との垣根なくしたフージャース「つくば」に感動(2021/4/28)

 


 

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「Brillia Tower 堂島」

 東京建物が分譲中の大阪市内初の「Four Seasons Hotel」とコラボした複合タワーマンション「Brillia Tower 堂島」を見学した。コンセプトの〝旅とアート〟が具現化されており、日建設計による外観デザインとピエト・ブーン氏による236㎡の「白」を基調としたモデルルームの美しさに仰天、魅了された。坪単価は大阪市のこれまでの最高値400万円をはるかに超える650万円ながら、第1期1次130戸は約540件の登録を集め4.2倍で即日完売した。価格は東京のほぼ半値で、基本性能・設備仕様レベルも劣る大阪のマンション市場を変える衝撃的な物件だ。

 物件は、JR大阪駅から徒歩9分、大阪市北区堂島二丁目の商業地域に位置する敷地面積約4,828㎡、49階建て全463戸(募集対象外住戸53戸含む。住宅フロア4~27階、38~49階、ホテルフロア28~37階)。11月15日に抽選分譲した上層階が対象の第1期1次130戸の価格は5,280万~108,000万円(最多価格帯11,000万円台)、専有面積は38.71~236.06㎡、坪単価650万円。竣工予定は2024年1月下旬。施工は竹中工務店。設計は日建設計。デザイン監修はSTUDIO PIET BOON。

 現地は、竹中工務店本社-電通大阪支社跡地。〝旅とアート〟をコンセプトに、国際水準の機能を備えた住宅とラグジュアリーホテルブランド「Four Seasons Hotel」と共同開発した超高層複合タワーで、設計を担当する日建設計のチーフデザインオフィサー・大谷弘明氏による「帆」をイメージさせる優美な外観デザインが特徴。また、大阪で初めて「宿泊施設の整備に着目した容積率緩和制度」の適用による特定街区の都市計画決定を受けており、法定容積率480%から1200%へ大幅に緩和されている。

 主な基本性能・設備仕様は、木製玄関ドア、二重床・二重天井、リビング天井高2.7~4.0m、ディスポーザー、食洗機、Low-Eガラス、ジーマティックキッチン、VOLA社・ドンブラハ社製水栓、JAXSON社製浴槽など。2階と43階にコンシェルジュを配置し、エントランス部分に警備員が常駐。最上階にはラウンジ・パーティルームをはじめとした共用施設を設置するほか、アート監修の南條史生氏のキュレーションにより7氏のアート50点超が共用部分に配置される。

 物件の統括所長・加覧憲一氏は、「反響は大阪が7割、東京と兵庫、その他がそれぞれ1割。立地条件をカバーするホテルと一体とした意匠・デザイン、商品企画が高い評価を得ています。第1期1次130戸の登録件数は約540件。12月上旬に予定している第1期2次50戸と合わせ即日完売する可能性が高い」と語っている。

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完成予想図(合成)

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ギャラリーラウンジ

◇       ◆     ◇

 最初に断っておく。記者は関西圏のマンションは数えるほどしか見学していない。トータルで20件あるかどうかだろう。大阪の市場もまったく分からない。以下は、あくまでの記者の独断と偏見に満ちた記事だ。

 見学したのは11月23日(火)の祝日だった。取材を許可して頂いた同社広報と、顧客対応に忙しいはずなのに快く対応していただいた統括部長の加覧氏にお礼申し上げる。加覧氏とはRBA野球大会を通じて以前からお付き合いしていただいており、久々にお会いできるのを楽しみにしていた。昨年4月から単身赴任されているようで、持病の痛風も治まりつつあると聞いた。何よりだ。

 販売事務所を訪れる前に現地を見た。用途地域は商業地域だが、大小のビル、マンション、店舗などが混在しており、準工ではないのかと思った。「堂島」は小説の舞台にもなっているのでよく知ってはいたが、街並みはイメージしていた「銀座」とは全く異なっていた。

 販売事務所は、それぞれ2層はありそうなシアター、模型コーナー(模型は35分の1)などはこれまで観た大阪の好調物件と同等ではないか。

 75㎡と127㎡のモデルルームはシンプルなデザインで、都内のこのクラスの物件と比較してそん色ないと思った(大阪市内ではトップクラスなのだろう)。

 驚いたのは、ピエト・ブーン氏が手掛けた236㎡のモデルルームだった。木製でナグリ仕上げの玄関扉は、単価を考えたらこれもありだと判断したが、扉を開けたとたん6畳大はありそうな白が基調のホワイエが目の前に飛び込んできた。昭和57年に見学した「広尾ガーデンヒルズ」のモデルルームがまざまざと蘇った。そこも玄関ホールは6畳大あった。

 次に66.8畳大のLDK、32.7畳大の主寝室、ドレッシングルーム、浴室、トイレなどを見て回ったのだが、今度は「これほど〝美しい〟マンション見たことない」という見出しを付けた平成19年の鹿島建設「加賀レジデンス」が思い出された。

 一分の隙もない端正なきりりとした美しさが際立った「加賀」とは異なる、曲線を多用した優美な白の美しさに言葉を失った。シアターに映し出された〝どうみても美しく、どう考えてもおもしろい〟というキャッチコピーに嘘はないと思った。このコピーライターもただものではないと。

 そこで考えた。この美しさを何に例えたらいいか。しんと静まった雪原に舞い降りた一羽のツルか、それとも空の青にも海の青にも染まず漂う大海原の白鳥か、あるいは立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花の女性か。女性でいえば、きらきら輝く光沢があるシルクもいいが、記者などは木綿の白襦袢に白足袋の女性に背筋がゾクッとする。そんな白だった。

 モデルルームに使用されている什器・食器類も、釉薬を掛けていない素焼(テラコッタ)が多かったのではないか(よく観察すべきだった)。そこにも抑制された白の美しさがあった。

 さらにまた考えた。70歳を超えボケも始まったのではないかと自覚する記者の39年前、14年前のマンションの記憶を蘇らせるピエト・ブーン氏は何者なのか、どのような感性の持ち主なのかと。

 白が基調の販売事務所、モデルルームはたくさん見てきた。白はどのような家具とも調和する。無難な色ではある。しかし、安物のケミカル製品だと雰囲気をぶち壊すこともある。光の乱反射、跳ね返りによって目がくらみ、疲れることもある危険性もはらむ。ピエト・ブーン氏の白はそれがない。すべてを受け入れる優しい白だった。

 東京建物のプレス・リリースには、同氏は「オランダ生まれのデザイナー。そのものづくりや天然素材への情熱、インスピレーションは育ってきた母国や家族環境の中で培った伝統に基づく創造と彼自身の挑戦的な精神によるものである」とあり、別のネットには「彼のデザインスタイルは、クラシックでエレガントです。天然材とくすんだ色の組み合わせ、本格的なスタイル」とあった。63歳のようだ。

 なるほど、ヒントは「天然材とくすんだ色の組み合わせ」だ。同氏を起用したのは日建設計か東京建物かFour Seasons Hotelか分からないが、これもコラボの大きな成果だろう。

 東京建物は、メジャーセブンの中で唯一大阪ではマンションの供給実績は少ないはずで、だからこそ〝負けないぞ〟という意地が働いたのか、あるいはまた、価格は東京の2分の1で、基本性能・設備仕様レベルも落ちる大阪の市場を知らなかったのが幸いしたのか。いずれにしろ、大阪のマンション市場に一石も二石も投じたのは間違いない。歴史を変える物件だ。これがメルクマールになるはずだ。

 「うめきた2期」が楽しみになってきた。〝安かろう悪かろう〟という市場から脱却していただきたい。「近畿」はもともとわが国の中心地だったのだから。天童よしみさんは〝負けたらあかん 負けたらあかんで東京に〟と熱唱しているではないか。

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ピエト・ブーン氏

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ナグリ仕上げの木製玄関扉

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236㎡のモデルルーム

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同上

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同上

負けへんぞ横浜北仲に ここは〝北浜〟の一等地 三井レジ他「北浜ミッドタワー」(2018/2/20)

〝首都圏に負けない〟レベル 販売好調 野村不・大林新星和不「プラウドタワー北浜」(2018/9/1)

首都圏の億ションに負けない 関西最高峰の坪610万円 東急不「芦屋」(2018/7/23)

さすが三菱 神戸の歴史的建物保存・復元「神戸タワー」 過去最高峰の坪単価266万円(2018/3/15)

三菱地所レジ 「京都鴨川御所東」 坪単価はいくらになるか(2015/10/8)

これほど〝美しい〟マンション見たことない 鹿島建設「加賀レジデンス」(2007/5/18)

集合住宅の最高傑作の一つ 鹿島建設「加賀レジデンス」が完成(2008/9/16)

 

カテゴリ: 2021年度

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「ドレッセタワー新綱島」

 東急新横浜線・新綱島駅直結の商・住・公の東急「ドレッセタワー新綱島」の第1期66戸が即日完売する見通しだ。「新駅直結」「再開発」が大きな支持を集めている。11月17日にモデルルームが報道陣に公開された。抽選分譲は11月19日(金)。

 物件は、2022年度下期開業予定の東急新横浜線新綱島駅に直結、東急東横線綱島駅から徒歩3分、新綱島駅前地区第一種市街地再開発事業地内に位置する地上29階地下1階建て全252戸(非分譲住戸73戸含む)。専有面積は44.88~113.45㎡、第1期(66戸)の価格は5,360万~1億8,290万円(最多価格帯6,500万円台・7,800万円台各4戸)。第1期の坪単価は400万円。竣工予定は2023年10月下旬。設計・監理は東急設計コンサルタント。施工は東急建設。販売代理は東急リバブル、東急ライフィア。

 第1期の登録申し込みは11月13日(土)からで、抽選日は11月19日。2021年4月のホームページ開設以来、物件エントリー数は4,500件超に達している。

 現地は、約4.4haのA~F地区のソーンに分けられている綱島東一丁目地区地区計画地内の施行面積約0.6haのB地区に立地。建物は制震構造で、マンションと7階建て商業棟で構成され、商業棟の4~5階には港北区の区民センターが併設される。

 住戸は3階以上で、27階までの標準階は1フロア9~10戸。28・29階は1フロア7戸。主な基本性能・設備仕様は、リビング天井高2480ミリ、二重床・二重天井、ディスポーザー、深型食洗機、フィオレストーンキッチン天板のほか、全自動おそうじ浴槽、Google Home、ウルトラファインバブル水栓などのほか、「イエナカ+α」によるマイスタジオを標準装備。共用施設はコモンラウンジ、ゲストルーム、スカイラウンジなど。

 同社沿線開発事業部住宅開発グループ分譲推進(2)担当課長補佐・田中翔太氏は、「購入要望の75%は横浜市内で、港北区が約5割。都内は20~25%。武蔵小杉や日吉など川崎市中原区の居住者の反響はいま一つ。競合物件はほとんどなく、『勝どき』や『HARUMI FLAG』を検討されている方は結構います。第1期の申し込み状況は、コンパクトに4倍の倍率が付いており、100㎡超のプレミアム住戸も2倍くらいで、抽選の時点でほぼ完売の見通し」と語っている。

 地区計画内のA・D・F地区の詳細は未定だが、区画整理事業方式により駅前広場、バス・タクシー乗り場なども整備される予定で、E地区は歴史的資産・緑地・農地として保存される。

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建設現場

◇       ◆     ◇

 坪単価を聞いたときはずいぶん高いと思ったが、横浜は500万円を突破し、武蔵小杉も400万円をはるかに超える勢いだ。他のエリアも信じられないほど価格・単価は上昇しているので〝こんなものか〟と納得した。若い読者の方は信じられないだろうが、かつてバブルのころ、「綱島」のマンション相場は坪単価500万円だった。それと比べれば(比べるのがおかしいが)安い。参考までに10年前の野村不動産「プラウド綱島」の記事も添付する。坪単価は200万円だった。

 76㎡の東南角のモデルルームはよくできていた。無償の窓付きの2.5畳大のマイスタジオの評価は高いようで、5.2畳大のキッチン、全自動おそうじ浴槽(有償で床掃除も可)など、全体の設備仕様レベルは他が低くなっている分相対的に高いと思う。このタイプは1期に用意した14戸に申し込みが入っているようだ。

 それにしても、鉄道会社のやることは凄い。新駅をつくってマンションなどと直結させるのだから。

野村不動産「プラウド綱島」 全99戸一挙販売へ(2011/3/3)

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「プレミスト和光丸山台」

 大和ハウス工業が分譲中の「プレミスト和光丸山台」を見学した。最近の東上線・有楽町線沿線の人気化・価格上昇を受け、坪単価は307万円と300万円を突破しているが、販売は順調に進んでいる。

 物件は、東京メトロ有楽町線・副都心線和光市駅から徒歩10分、和光市丸山台ニ丁目の第一種住居地域、第一種中高層住居専用地域に位置する5階建て全36戸。先着順で分譲中の住戸(10戸)の専有面積は55.22~72.33㎡、価格は5,070万~6,650万円(最多価格帯6,100万円台・6,300万円台)、坪単価は307万円。施工は新日本建設。竣工予定は令和4年2月。売主は同社のほか三信住建。

 同社東日本初の抗ウイルス・抗菌加工の建材を採用しているほか、在宅ワークスペースを確保し、同社初の「埼玉県子育て応援マンション」に認定されているのが特徴。販売開始は9月11日からで、11月12日現在、半数強が成約・申し込み済み。

 現地は、東側と北側に接道。東側の道路は幅員16mあり、北側は幅員6mを挟んで東武線の線路。敷地の西側は中学校に隣接。建物は全戸東南向き。27戸が65~66㎡の3LDK。他は72㎡が4戸、55㎡が5戸。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、ディスポーザー、食洗機、リビング天井高2450~2500ミリなど。トイレドアを壁面までセットバックさせている。

 販売担当の同社東京本店統括マンション事業部東京マンション事業部第三課・大原正義氏は、「和光市は、埼玉県下で浦和、大宮に次ぐ都心に近くてポテンシャルの高い街。しかも始発駅。駅北口には5年後くらいに34階建ての再開発タワーマンションが予定されているなど将来性も期待されている。65㎡中心だが、アウトポールを採用し収納に工夫を凝らしているので70㎡と遜色ない。RBA野球? 春日部共栄時代の甲子園組で東海大卒の新人が入社した。わたし? 4番は無理だが代打、DHならいける。トミー? 冨長さんは50歳を超えだが、投げられるよう調整している。来年、グラウンドで会いましょう」と語った。

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建築中の建物

◇      ◆     ◇

 大原氏(45)とは、RBA野球大会で20年来のお付き合いだ。若いときは主砲として活躍し、チームの高齢化で勝てなくなったときはプレーイングマネージャーとしてチームを引っ張ってきた。口達者で、決して弱音を吐かず、選手をけなすこともなかった。

 今回、大原氏がこの「和光」を担当しているということを聞いて取材を申し込んだ。注文住宅の戸建てを20年担当し、マンション担当になってから2年目とのことだった。

 饒舌は野球と一緒。坪単価307万円は決して安くないが、同じ沿線の「大山」は坪単価350万円で、3年前に坪単価265万円で分譲された近接物件はそれより高い値段で取引されていることなどを説明した。この物件についても「65㎡でも70㎡の機能がある」と自信たっぷりに話したのには口をあんぐりさせるほかなかった。

 「トミー」とは、和歌山の名門・箕島高校から立命大に進み、抑えのエースとして活躍した冨長氏だ。50歳を超えてまだ投げる気力があるのか。ストレートは100キロか。投げたらつるべ打ちにあうのではないか。それでも必死に投げる姿を見たい。

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大原氏

◇       ◆     ◇

 現地を見学するため舗道を歩いていたら、元素番号が付されたプレートが7~8メートル置きに埋設されていた。元素は100くらいあったはずで、学校で暗記させられたものだと思った。

 後で確認したら、これは理化学研究所和光研究所(理研)の森田浩介博士を中心とした研究グループが原子番号113番の新元素の合成に成功し、平成28年11月30日に国際純正応用科学連合(IUPAC)がこの新元素の名称を「ニホニウム」とすることを認定したことを受け、その偉業を記念するため、和光市駅から理研までの道を「ニホニウム通り」と命名。元素記号1番から118番までのプレートを路面に埋設し、駅南口に記念碑、外環上部にモニュメント、市道113号線に通り名表示板などを設置したとある。

 いい取り組みだ。市によると「ニホニウム通り」の総延長は約1,070m。一方で、街路樹には名前は付けられておらず、市のホームページには街路樹の本数、樹種などは記載されていない。緑被率は33.8%。これは埼玉県の各市と比較して高いほうではないか。

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和光市駅南口の原子番号1「水素」のプレート

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駅前の記念碑


 

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