自社社宅跡地 公園借景取り込むプラン秀逸 旭化成不レジ「荻窪大田黒公園」
「アトラス荻窪大田黒公園」エントランス 完成予想図
旭化成不動産レジデンスの同社グループの社宅跡地と、旭化成初代社長の研究所跡地で、双方が大きな公園に隣接する極めて希少性の高いマンション2物件を見学した。「アトラス荻窪大田黒公園」と「アトラス加賀」だ。どのような売れ行きを見せるか見ものだ。「荻窪大田黒公園」から紹介する。
物件は、JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線荻窪駅南口から徒歩8分、杉並区荻窪3丁目の第一種低層住居専用地域に位置する敷地面積約3,562㎡、地下1階地上3階建て全41戸(広告募集対象外8戸含む)。専有面積は64.31~112.69㎡、価格は未定だが、坪単価は460万円前後になる模様。完成予定は2020年2月下旬。設計・監理はアーキサイトメビウス。施工は森組。販売は3月上旬。
現地は旭化成の社宅跡地で、敷地北側の杉並区が管理する約8,972㎡の大田黒公園に隣接。
建物は公園に添うように東西軸が約100mもある細長い地下1階地上3階建て。ほぼ中央に内廊下を配し、住戸は雁行設計の南向きと公園に面した住戸がそれぞれ半分。立地・形状の特性を最大現に引き出すよう、白を基調としたデザインで、バルコニーは透明ガラス張り、スパンは最低でも7.9m、10m以上が24戸あり、最大は14mが3戸。
4つの中庭を設け、中庭上部をガラス張りの吹き抜けとし、内廊下・空中廊下の実現で、各住戸ごとの独立性を高めているのも特徴の一つ。
同社は「資料請求は11月末~12月末のわずか1カ月の間に550件に達しました」とリリースしたように、想定外の反響の多さだったようで、この日(18日)に見学したときもお客さんが見学中で、連日にぎわっているようだった。
大田黒公園(物件ホームページから)
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まず単価。記者は坪500万円を突破するのではないかと思っていた。昨年、三井不動産レジデンシャルが荻窪駅から徒歩7分のやはり第一種低層住居専用地域に位置し公園に隣接する「パークホームズ荻窪 ザ レジデンス」30戸を分譲して人気になった。坪単価は440万円だった。
旭化成の物件は、同駅からほとんど同じ距離圏だが、敷地に「大田黒公園」が隣接しているのは三井レジより優位にあると判断し、設備仕様レベルを挙げれば坪550万円くらいでも売れると読んだ。
ところが、三井レジの物件と比べそんなに高くならないことが分かった。まだ正式な価格は決まっていないようだが、平均すると坪450~460万円くらいに落ち着くのではないか。
グループ間の土地取引がどのように税法上で処理されるのか分からないが、用地費が安く、この単価でも十分利益が出ると判断し、設備仕様を極端にハイグレードにしすぎないことで、早期に完売しょうという戦略なのだろう。仮に入札方式だったら坪500万円では済まなかったのではないか。
プランは圧巻だ。モデルルームは公園に面した13mスパンの99㎡。リビング天井高は高さ規制もあるので2400ミリだが、バルコニー奥行きは最大で2.2m。ペニンシュラキッチンもいい。公園の借景はたまらないはずだ。
大田黒公園についてはホームページで調べていただきたい。知る人ぞ知る公園のようだ。記者も名前だけは知っていたが、どのような公園なのか全然知らなかった。利用時間は午前9時から午後5時まで。夜間はシャットアウトされる。
みんな1億超えだから即完売というわけにはいかないだろうが、公園隣接とその借景を取り込んだプランをどうアピールできるかだ。
旭化成の関係者がどれだけ購入するかも興味深い。幹部クラスでないと手が出ないし、購入したらしたでお互い懐具合や性行を探られかねないので敬遠する人もあるかもしれない。旭化成の社長などは目立ちすぎるので買わないだろう。
大田黒公園入口
入り口すぐのイチョウ(樹齢100年とか)
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アーキサイトメビウス・今井敦氏について。この日見た「荻窪大田黒公園」と「加賀」も三菱地所レジデンス「高輪フォート」もそうだった。
記者は年間100件くらいのマンションを見学している。数えたわけではないし、同社が設計・デザイン監修した物件を優先的に見ているわけではないが、ここ10年、年間数件~10件くらいは同社がデザイン監修している物件のはずだ。突出した数だ。
売主別でもっとも多いのはモリモトではないか。同社は年間5~6物件を供給しているが、最近はほとんど今井氏がデザイン監修を行っている。
ほかでは、旭化成不レジもそうだが、三井不動産レジデンシャル、東京建物、野村不動産、東急不動産などが目立つ。記者が絶賛した鹿島建設の「センチュリーフォレスト」もそうだった。
これでお気づきか。今井氏が関わった物件は間違いなくレベルが高いと言える。実施設計を行わないから可能なのだろうが、これほど多くの物件に関わっていたら寝る暇はあるのだろうかと考えてしまうほどだ。
今井氏のデザインは、これ見よがしの派手なものはなく、シャープでシンプルなそして何よりも端正なものが多いのが特徴だ。とにかく美しい。
建設現場
三菱地所レジ 高輪・三田で4物件580戸 常設モデル開設 第一弾「高輪」は坪640万円
「ザ・パークハウス高輪フォート」完成予想図
三菱地所レジデンスは1月18日、JR山手線新駅「高輪ゲートウェイ」の開設と周辺の再開発によって劇的に変わろうとしている高輪・三田エリアで4物件580戸の販売を予定していることから、営業・情報発信拠点として常設マンションギャラリーを設置すると発表し、第一弾「ザ・パークハウス高輪フォート」のモデルルーム見学会を行った。発表会に臨んだ脇英美社長は都心の資産性の高い開発に注力し、全体収益の約3割の比率にすると話した。
常設ギャラリーは都営浅草線泉岳寺駅から徒歩2~3分のビル内にあり、広さは約1,500㎡。100㎡超のモデルルームを3つ設けることが可能で、第一弾の「高輪フォート」43戸を皮切りに、4月には「(仮称)三田二丁目計画」111戸、「(仮称)三田五丁目計画」266戸、「(仮称)高輪一丁目計画」164戸の4物件合計580戸の合同モデルルームを公開していく。
脇社長は、「マンション市況は今年も堅調に推移すると考えるが、二極化の傾向は鮮明になってきた。多様化するニーズに応えるものづくりが肝要。昨年供給した『津田沼』は全759戸のうち9割が成約するなど完売間近。一方、都心では『渋谷南平台』は第1期で半分を供給し8割が完了、先日オープンした『本厚木』、来週にオープンする『千住タワー』なども手応えがある。利便性をベースに好立地、好環境など資産性の高い開発を積極的に行い、今後は収益の2~3割を再開発や建て替えで、3割は都心の開発に注力していく。年間では3,500~4,500戸くらいをコンスタントに供給していく」などと語った。
「高輪フォート」は、JR山手線・京浜急行本線品川駅高輪口から徒歩9分、港区高輪3丁目に位置する地下1階地上5階建て全43戸(事業協力者住戸3戸含む)。専有面積は68.82~141.06㎡、予定価格は12,000万円台~28,000万円台(最多価格帯18,000万円台)、坪単価は640万円。販売開始は2月中旬。施工は東亜建設工業。デザイン監修はアーキサイトメビウス。
現地は、東禅寺の緩やかな参道を上った突き当り。敷地は元ソニーの迎賓館。幅約6mの路地の奥に建物は建つ。
脇社長
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同社は先日の「本厚木」を皮切りに、この日の「高輪」と来週の「北千住」を合わせ立て続けに見学会を3度行う。昨年後半には「渋谷南平台」も行っており、同業大手と比べ突出した多さだ。
頻繁に見学会を行うのは、本社機能を移転し士気が上がっており、脇社長も販売好調なのに気分をよくしているからだろうと読んだ。挨拶でも話したように、「津田沼」が驚異的な売れ行きを見せ、最近供給した「渋谷南平台」100戸、「代々木上原」47戸、「和光市」158戸などが好調に推移し、先日見学会を行った「本厚木」163戸も人気を呼ぶ気配が濃厚。坪単価350万円と思われる「千住タワー」184戸も自信があるから見学会を行うのだろう。
「高輪フォート」は、せっかく隈研吾氏が設計した新駅の名称が決まり、エリアの人気を高めるため、さらには国際都市として内外にアピールするためにも設備仕様レベルを上げ、高値挑戦をしてほしかったので、「代々木上原」の単価647万円より安かったのには正直に言えばがっかりもした。
新駅の出入り口がどこに設けられるか分からないが、記者は北・中央・南のそれぞれ2カ所合計6カ所くらいに設置されるとみているのだが、そうすれば駅から6分くらいの表示になるのではないか。
坂は気にならないし、今井氏がパンフレットで「懐の深さと奥行きを演出する上では、私道である坂の存在が大きな役割を果たしました」と記述しているように、東禅寺と対面の公園、さらにはグランドプリンス高輪に続く緑は得難く、隠れ家のような雰囲気がするいいマンションになる。モデルルームの設備仕様は〝ザ・パークハウス〟の上位クラスだろう。
同社に「高値挑戦してほしかった」と質問したら、同社第二販売部長・岡橋志郎氏は「この価格で購入されたお客さまに資産価値を転換できたらうれしい」と答えた。
この前取材したコスモスイニシアの「高輪」もそうだったが、まだ街の将来像が描き切れておらず、ユーザーも判断しかねていることを読んだ値付けとみたい。高値挑戦し失敗でもしたら、それこそ「ゲートウェイ(Gateway)」ならぬスティーブ・マックイーンの主演映画「The Getaway=逃げる・逃亡」になる。ここで一挙に販売し、続く物件に勢いをつける戦略だろう。
モデルルーム
ダイニングにはエルメスの皿とロスチャイルドのシャンパンと明らかにフェイクと分かるマツの盆栽(「エルメスの皿は1500円? 」と女性スタッフに聞いたら笑われた)
東禅寺(左)と建設現場
隈研吾氏「高輪ゲートウェイ」&泉岳寺に近接 コスモスイニシア「高輪」は腹八分か(2019/1/7)
地元富裕層を中心に人気 坪単価260万円の三菱地所レジ「本厚木タワー」(2019/1/16)
三菱地所レジデンス 最高値更新の坪850万円 「ザ・パークハウス渋谷南平台」(2018/10/4)
駅4分の1低層 息をのむほど美しいサペリの建具 三菱地所レジ「代々木上原」(2018/12/14)
三菱地所レジ他「津田沼 ザ・タワー」 第1期は半数以上の340戸 絶妙の値付け(2018/3/23)
地元富裕層を中心に人気 坪単価260万円の三菱地所レジ「本厚木タワー」
「ザ・パークハウス 本厚木タワー」完成予想図
三菱地所レジデンスは1月16日、本厚木駅前の再開発制震タワーマンション「ザ・パークハウス 本厚木タワー」の報道陣向け見学会を行った。駅とぺディストリアンデッキで結ぶ163戸の規模で、坪単価は260万円。地元の富裕層を中心に人気とかで、第1期は80~100戸くらいの供給になりそうだ。
物件は、小田急小田原線本厚木駅(南口)から徒歩1分、厚木市旭町1丁目に位置する地下2階地上22階建て全163戸(事業協力者住戸4戸含む)。専有面積は55.20~113.49㎡、価格は未定だが、坪単価は260万円になる模様。完成予定は2020年12月下旬。売主は同社のほかフージャースコーポレーション。施工はフジタ・小島組建設共同企業体。事業コンサル・デザイン監修はアール・アイ・エー。販売開始は2月中旬。
現地は、2005年に再開発準備組合が設立され、2016年に事業認可、2018年に着工された約8,000㎡の本厚木駅南口地区第一種市街地再開発事業地内。事業では駅前に広場を整備し、駅前広場からマンションエントランスまでペディストリアンデッキ(共用開始2021年2月予定)で結ぶことになっている。
建物は制震構造を採用。3階までは駐車場、商業・業務施設などで、住戸は4階以上。内廊下方式で、標準階は1フロア8~9戸。最上階は6戸。角住戸比率46%、ワイドスパンが特徴。
基本性能・設備仕様は、逆梁、二重床・二重天井、食洗機、ディスポーザー、廊下幅芯心1m、リビング天井高2550~2600ミリ、クォーツストーン天板(最上階のみ)など。
昨年8月からの反響は1,000件超、12月からの事前案内会来場者は300件超。7割が地元厚木市内居住者で、40歳以上の医者、経営者、弁護士などの富裕層が目立つほか、市内の研究所などに勤務するアッパーミドルも見られるという。
販売担当者は、「本厚木駅圏でのマンション供給は5年ぶり。厚木市は奥深いものがある。駐車場には超高級車が並び、最上階の億超6戸は全て購入検討者で埋まっている。複数住戸を購入予定ひともいる。反響も多いことから第1期は80~100戸くらい供給したい」と話している。
眺望イメージ図
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坪単価の高さには正直驚いた。海老名駅前の小田急不動産「リーフィアタワー海老名アクロスコート」の坪260万円は頷けるのだが、本厚木はマイナーなイメージしかなく高いと感じた。
しかし、これは記者の認識不足だった。マンションについてはあまり取材したことがないのが原因だ。かつて6,000~7,000万円の分譲戸建てが飛ぶように売れていたのは知っていた。後背地にはたくさんお金持ちが住んでいることをうっかりしていた。
そして、何より記者を納得させてくれたのは同社担当者の説明だ。本厚木駅は交通の要衝で、1日約15万人の乗降客がある(わが多摩センターは京王と小田急、多摩モノレールを合わせると同じくらいかやや多いくらいだ)。大企業の工場、研究所や物流施設も多いという。
さらにまた、隣の海老名の居住者はどちらかといえば都心志向だが、相模川を越えた厚木市の人は職住近接を望む人が多いというのだ。海老名のようにマンション供給を待ち望んでいた人が多いということなのだろう。
そういえば、駅の反対側には坪200万円以下から220~230万円くらいの物件が数棟ある。その数は約700戸に上るようだ。
その一つ、坪単価200万円弱の総合地所の「ルネ本厚木」(222戸)も好調で、第1期として100戸が成約したと聞いた。要するにそれぞれ棲み分けができているということだろう。「ルネ本厚木」は今月末に見学会がある。出席してレポートしたい。
屋上デッキ イメージ図
満を持して登場 全3棟900戸の第一弾 小田急不の免震タワー「海老名」304戸(2017/12/6)
東建など6社JV「SHINTO CITY」第1期350戸 昨年の一挙販売戸数を上回る
東京建物(事業比率25%=幹事会社)・住友不動産(同25%)・野村不動産(同20%)・近鉄不動産(同10%)・住友商事(同)・東急不動産(同)は1月11日、・さいたま新都心駅から徒歩5分の「SHINTO CITY(シントシティ)」の第1期として350戸を1月12日から登録販売開始すると発表した。
第1期は、専有面積66.40~92.15㎡、販売価格4,299万~8,099万円(最多価格帯5,600万円台)。登録受付期間2019年1月12日(土) ~2019年1月20日(日)、抽選日2019年1月20日(日)。
350戸は昨年の首都圏マンションの第1期販売の最多を上回る。昨年10月6日以降のモデルルーム来場者は1,300組を超えている。
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このマンションについては別掲の記事を参照していただきたいが、第1期の戸数の多さにびっくりした。坪単価を低めに設定するのでそこそこの人気を呼ぶと予想していたが、まさかこれほどの戸数を一挙に販売するとは思わなかった。記事では「坪単価250万円だったら間違いなく売れるが、そんなに安くはならない」と書いたが、結局、坪250万円くらいに落ち着いたのか。
総戸数が多いだけに今後どうなるか分からないが、市場をけん引してほしい。
坪250万円に収まりそう 東建など6社JV「SHINTO CITY(シントシティ)」(2018/11/27)
旭化成不レジ 荻窪太田黒公園に隣接した一低層のマンション41戸 分譲へ
「アトラス荻窪大田黒公園」完成予想図
旭化成不動産レジデンスは1月10日、杉並区大田黒公園に隣接したマンション「アトラス荻窪大田黒公園」のモデルルームを1月12日にオープンすると発表した。第一種低層住居専用地域に立地する希少性の高い物件であることから、この1カ月で資料請求は550件に達しているという。
物件は、JR・東京メトロ丸ノ内線荻窪駅から徒歩8分、杉並区荻窪3丁目に位置する地下1階地上3階建て全41戸(広告募集対象外住戸8戸含む)。専有面積は64.31~112.69㎡、価格は未定。竣工予定は2020年2月下旬。設計・監理はアーキサイトメビウス。施工は森組。販売開始は2月中旬の予定。
現地は、敷地面積1,000坪超の旭化成の社宅跡地。約2,700坪の広大な敷地に樹齢100年を超える大イチョウ並木や、ケヤキ、桜などが茂り、数寄屋造りの茶室なども備えた太田黒公園に隣接。
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この物件については取材を申し込んでおり、実現したら改めてレポートしたい。三井不動産レジデンシャルの販売好調物件「パークホームズ荻窪 ザ レジデンス」30戸(坪単価440万円)が近接しており、三井の物件より高くなると予想している。設備仕様次第だが坪単価は500万円を超えるのではないか。600万円はないような気がするが…。カギは敷地北側に位置する借景をどれだけプランに反映できるかだ。
売れ行き好調 完成販売 駅に近く環境もよい三交不「プレイズ和光市本町」
「プレイズ和光市本町」完成予想図(街路樹はイチョウ)
三交不動産の「プレイズ和光市本町」を見学した。昨年末から完成販売した第1期15戸が完売し、残りは7戸。3月末の引き渡しまでには全戸完売する勢いにある。好調の要因は、駅から4分の閑静な立地と南面接道、プライバシーを重視した逆梁・腰窓・インナーバルコニーのプランにあるとみた。
物件は、東京メトロ有楽町線・副都心線、東武東上線和光市駅から徒歩4分、埼玉県和光市本町の第一種住居地域(建ぺい率70%、容積率200%)に位置する4階建て全22戸。専有面積は67.10~77.27㎡。坪単価は285万円。建物は平成30年11月12日に竣工。設計・監理はIAO竹田設計。施工は川口土木建築工業。販売代理はタカラレーベンリアルネット。
現地は、駅前の商業エリアから一歩入った低層や中層のマンションが建ち並ぶ住宅街の一角。
住戸は、全戸南向きで、間口は約7.1mが中心で、残りは6.7mと7.8m。主な基本性能・設備仕様はフィオレストーン天板、食洗機、良水工房、ソフトクローズ機能付きドアなど。南側の道路は静かだが、プライバシーに配慮してインナーバルコニー、逆梁・腰窓付きとしているのが特徴。
完成を待って昨年11月からモデルルームをオープンし、12月15日に第1期15戸を販売。すでに完売となっている。近く第2期を分譲する。
モデルルーム(リビングルーム)右が南側
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取材することを決めたのは、一昨日の不動産協会新年賀詞交換会でわが故郷・三重県の唯一にして最大のデベロッパー三交不動産の代表取締役社長・高林学氏やマンション事業本部東京支店部長・盛田哉氏などと歓談したとき、盛田氏が「和光の売れ行きがいい。昨年末から完成販売したが、もう終わっちゃう」と話したからだ。
和光市駅圏では現在、三菱地所レジデンスも駅から徒歩8分の「ザ・パークハウス和光」158戸を分譲開始しており、第1期1次・2次98戸を供給するなど好調に推移している。(機会があったらこちらも見学してレポートしたい)
三交不のマンションは駅に近い分だけ単価も高いが(地所レジは坪265万円の模様)、売れ行きは決して負けていない。
人気の要因は駅からの近さもあるが、全戸南向きで車の行き交いも少ない閑静な住宅街、腰窓付きのプランなどのその一因とみた。
同社は、近く東京メトロ日比谷線・千代田線、東武伊勢崎線北千住駅から徒歩13分の「プレイズ北千住」78戸を分譲する。同駅圏では、三菱地所レジも駅から3分の再開発マンション「千住ザ・タワー」184戸を分譲する。
坪単価は100万円以上開きがありそうだ。仮に20坪で計算すると、30年では年間約80万円、1日当たり約2,200円の差となる。この2,200円を双方の駅距離の差10分で割ると1分当たり220円(ドトールコーヒー1杯分)…こんな計算式は成り立たないか。記者はタバコ1本を吸うため取材の行き帰りに喫茶店に入る。
隈研吾氏「高輪ゲートウェイ」&泉岳寺に近接 コスモスイニシア「高輪」は腹八分か
「イニシア高輪プレシアスコート」完成予想図
今年のマンション記事第一弾は、名称が「高輪ゲートウェイ」と決まった2020年開業予定の新駅から徒歩4分のコスモスイニシア・豊田通商(事業比率はほぼ半々)の「イニシア高輪プレシアスコート」だ。坪単価は581万円。高いか安いかは検討者が判断することだが、記者は割安感があると判断した。
物件は、都営浅草線泉岳寺駅から徒歩5分(JR山手線高輪ゲートウェイ駅から徒歩4分)、港区高輪二丁目に位置する地下1階地上5階建て31戸。今月分譲予定の第1期1次(6戸)の専有面積は67.07~88.69㎡、価格は未定だが、坪単価は581万円になる模様。竣工予定は2019年12月下旬。施工は大豊建設。
現地は、中層マンションが建ち並ぶ住宅街の一角で、泉岳寺に近接。敷地はもと外国人向け高級賃貸マンション。住棟は南東向きで、内廊下方式。住戸によっては泉岳寺の境内が見降ろせるかもしれない。
住戸プランはファミリー向けがほとんどで、コーナーサッシを含めた多面採光、幅広廊下が特徴。主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ、フィオレストーン天板、食洗機、ディスポーザー、引き板フローリング、ヘリンボーン調建具・ドア、ミストサウナ、全居室床暖房など。
モデルルーム
ヘリンボーン調ドア
幅約1.3mの廊下(床はウォールナットの挽き板)
◇ ◆ ◇
もっとも興味がある坪単価について。記者は以前、山手線マンションの坪単価中期予想を行ったことがある。最高値は東京駅。仮に丸の内・大手町アドレスで分譲されたら坪3,000~4,000万円の値を付けても不思議でないと書いた。再開発が進む浜松町、高輪ゲートウェイ、品川、渋谷などは1,000万円を超えるかもしれないと予想した。
いまでも間違っていないと思う。高輪ゲートウェイについては詳しくは書かないが、間違いなく国際都市と呼ぶにふさわしい立派な街になる。駅舎を含めた開発規模は「東京ミッドタウン六本木」よりやや狭い約7.2haだが、隣接する泉岳寺駅前の再開発計画を含めると肩を並べる。
マンション、ホテルなどの詳細は現段階で分からないが、ワールドワイドの仕様になるのは確実だ。マンションは坪1,000万円を突破するのではないかと見ている。
エリアのポテンシャルを引き上げる材料はほかにもある。隈研吾氏が手掛けている駅舎だ。
これも「日本の伝統的な折り紙をモチーフとした大屋根を、障子をイメージして『膜』や『木』等の素材を活用し、『和』を感じて頂ける駅を創ります」(JR東日本のニュース・リリース)くらいしか現段階では分からないのだが、約6,500㎡の歩行者広場、交流・イベントスペースなども予定されており、「駅舎」の概念を変える超えるものになるはずだ。やはり隈氏が設計したフランスの玄関口サンドニ・プレイエル駅に匹敵するものになるのではないかと期待している。
そんな世界に恥ずかしくない街づくりが今後数年にわたって行われる(街びらきは2024年予定)。
その先駆けとして(このほか2~3物件あるが)、今回のマンションが分譲される。これまで書いたように、国際都市を標榜するのであれば、どんどん高値挑戦してほしい。坪581万円といえば、山手線30駅の中で値段の高い順のベスト5に入るかどうかだろう。
だが、しかし、同社が高値挑戦できない理由もわかる。近隣物件の動向や、中古マーケット、賃貸利回り、街の将来像が浸透していない現状などを斟酌した結果だろう。(記者ならあと1~2年寝かせて2020年ころに分譲するが)
〝腹八分目〟という諺もある。残りの2割は購入者のために取っておくのも一つの戦略だ。
住戸の商品企画はよくできている。グレードはさすがに富裕層向けとは言い難いが、約1340ミリの廊下幅、ウォールナットの挽き板フローリング、ヘリンボーン調建具・ドアなどが目を引く。
モデルルームには世界的に活躍している方のアーティフィシャル・フラワーがたくさん置かれていた(花器はカキの殻で造ったものとか)
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取材の帰り。現地近くの値段が高そうなマンションを眺めていたら、入居者らしい30~40代の女性に声をかけられた。「こんにちは。何か? 」「いえ、いいマンションですね」「わたし、9,000万円台で買いました」「えっ、どれくらいの広さですか」「80㎡台です」「…(坪単価に換算し)ここはどんどん値上がりしますよ。何しろ隈研吾さんですからね」「そうですか、楽しみですわ」(それにしても、聞きもしないのに自分から買ったマンションの価格をいうひとってすごい。読者の皆さんもそんなマンションを買ってほしい)
これはどうでもいいこと。新駅名は賛否両論があるようだ。8文字は少し長いような気がする。それより「ゲートウェイ(Gateway)」といわれると、記者などはスティーブ・マックイーンが主演した映画「The Getaway=逃げる・逃亡」を思い出す。略称「高輪GW」も具合が悪い。「高輪入り口」と「高輪逃亡口」とどっちとも取れる。
わが国のもっとも文字数の少ない駅名は、もちろんわが三重県の「津(TSU)」で、記者の小さいころのあだ名も同じ「つー(司のTSU)」だった。鶴の恩返しのように「つー」と呼ばれると悪い気がしなかった。
泉岳寺(左後方に同社のマンション工事のクレーンが見える)
2018年 記者が選んだ「首都圏 話題のマンション」
甲乙つけがたい「渋谷」「所沢」「東雲」「南平台」
2018年 記者が選んだ「ベスト3マンション」(2018/12/20)
記者が選んだ2018年「話題のマンション」を選んだ。今年は首都圏34物件に地方の物件7物件を追加した。首都圏の見学物件は86物件。見逃した物件もかなりあり、いささか恥ずかしいのだがやむを得ない。
まず、「ベスト3」に入れるかどうか迷った物件から。その筆頭は年末に分譲開始となった住友不動産・住友商事の「シティタワー所沢クラッシィ」。個人的には選定したかったのだが、西武ファンの記者の私情が入っていると批判されるのも嫌なのでベスト3には入れなかった。
しかし、バブル崩壊後では県都・浦和を上回る埼玉県下最高高値の坪単価350万円(第1期31戸は条件のいい価格が高い住戸が中心だったので360~370万円くらい)に設定したのがうれしかった。浦和で坪単価350万円を突破しそうな再開発マンションが予定されているので、トップの座は短命かもしれないが、西武ライオンズが10年ぶりに優勝したその年に最高値とは所沢市民も喜んでいるのではないか。選手をはじめライオンズ関係者が殺到しないか。少なくとも10戸は売れるはずだ。
もうずいぶん昔だが、石毛選手が都内の億ションを買ったのを知り、球団を通じて了解も得てスクープ記事を書いたことがある。離婚の前だった。その後どうなったか。吉永小百合さんが買ったマンションも知っているが、これは書かなかった。
野村不動産「プラウドシティ東雲キャナルマークス」もベスト3に入れようかどうかで迷った。オーバル状の建築物は商業ビルでは結構あり、マンションでも一昨年、三井不動産レジデンシャル「青山」がアール形状だったが、「東雲」は建物全体をオーバル状にし、その中に代々木第一体育館のアリーナ面積とほぼ同じ長辺約90m、面積約4,000㎡の中庭を設置した商品企画がいい。
記事にも書いたが、かつて見た「くまもとアートポリス」(KAP)の建築家・山本理顕氏が設計した熊本県営保田窪第一団地とよく似ている。中庭でコンサートなど開いたら感動的なイベントになるのではないか。
この物件のいいところはもう一つある。最近の子どもたちは公園で遊ばないのだという。我々の世代はすぐ「外で遊んで来い」などと怒られたものだが、今の親は外で遊ばせると怖いから塾などに通わせるのだそうだ。しかし「東雲」なら大丈夫。城郭都市のようだから。
もう一つの候補は三菱地所ほか「ザ・パークハウス 渋谷南平台」だ。再開発ラッシュでマンション相場も天井知らずの様相を呈してきた「渋谷」の南平台で、坪単価850万円という同社のバブル後の最高値を更新した。追い抜かれたのが「千鳥ヶ淵」というのは複雑な気持ちがするがやむを得ないか。
設備仕様レベルは最上級の〝ザ・パークハウス グラン〟そのものだ。そうしなかったのは、売主に大林新星和不動産、東急不動産が名を連ねているためだ。
この物件と三井不動産レジデンシャルの「渋谷」が高値を付けたことで注目されるのは、旭化成ホームズは「宮益坂」でいくらの値を付けるかだ。同社は「一般分譲するかどうかも未定」としている。縁故販売でこっそり売るつもりか。住むにはどうかと思うが、坪単価は1,000万円でどうか。
三菱地所レジデンスといえば、「ザ・パークハウス代々木上原」もいい物件だ。坪647万円は高いような気がしたが、記者はあのサペリの美しい建具・家具に圧倒された。似たものでは昔、住友商事があれは方南町だったか富士見台だったか、突板のカバザク(またはカリンか)を全面に貼ったモデルルームを思い出した。そんな思い切った提案をするマンションが少なくなったのは残念。
さて、皆さん。以上の3~4物件のうち「ベスト3」にふさわしい物件を選べと言われたらどれを選ぶか。甲乙つけがたく迷うだろう。だから「渋谷」も含めて「ベスト3」の一つは「該当なし」にした。
県都・浦和を抜く 埼玉県最高単価マンション 住友不・住商「所沢」(2018/12/22)
分譲では初か オーバル型の中庭がいい20数年前の〝アート〟蘇る 野村不「東雲」(2018/11/13)
三菱地所レジデンス 最高値更新の坪850万円 「ザ・パークハウス渋谷南平台」(2018/10/4)
駅4分の1低層 息をのむほど美しいサペリの建具 三菱地所レジ「代々木上原」(2018/12/14)
「千葉NT」「川越南台」「守谷」 価格の安さだけでない
都心の富裕層マンションもそうだが、何より嬉しいのは郊外マンションが売れることだ。「ベスト3」に入れたポラス「浦和美園」以外にも大健闘した郊外物件がある。大和地所レジデンス「ヴェレーナシティ千葉NT中央 ザ・フロント」、タカラレーベン「レーベン川越南台The Arena」、同「レーベン守谷THE SQUARE(イーストコート)」だ。
「千葉NT」は読者の皆さんもご存じだろうが、総じて売れ行きは芳しくない。どうして同社の物件がよく売れるのか。
同社は前期、引き渡し929戸を期末までに売り切った。しかも、郊外中心だから価値がある。完成在庫ゼロというのは関西のプレザンスコーポくらいだろう。
「千葉NT」は、坪単価が140万円と土地代がただでも建たないような安さでありながら設備仕様はまずまずで、駅近、8mワイドスパン、100㎡、玄関幅1.4m、メーターモジュール廊下幅、ディスポーザー、食洗機、床暖房、主寝室8畳大、1620浴室、平置無料駐車場100%確保、奥行き4mのオープンエアバルコニー付きプランも100戸以上-などの商品企画が優れているからだ。
「川越南台」の売れ行きにも驚いた。見学したのは三井不動産のロジスティクス見学のついでだった。30戸くらい売れているだろうかと思ったが、逆で残りが30戸だった。
「守谷」も同様だ。こちらは大規模商業施設「YORK TOWN MORIYA」に隣接しているのも好調な要因の一つだが、驚異的な売れ行きだ。
いまの消費者はお金がないから買えないのではない(もちろんそうした層もいるが)。住宅購入は多くある選択肢の一つで、住宅そのものもマンション、戸建て、中古、賃貸などと比較し、どれが合理的であるかを優先して選ぶ。
大和地所レジデンスもタカラレーベンもポラスもそんな売り方をしていない。誰だって〝2,980〟〝3,980〟などとどこかの安売りTVCMと同じように価格の安さだけを全面に出された二の足を踏むのではないか。
住友不動産「シティテラス八千代緑が丘」も売れ行き好調。
あっ、そうだ。この前、ある人が「ユニクロは2年寝かすのが常識」と話した。みなさんはこの意味をご存じか。マンションはそういうわけにはいかないが…。
駅近100㎡ 商業隣接 驚愕の坪140万円 大和地所レジ「千葉NT中央ザ・フロント」(2018/10/30)
〝タカラの奇跡〟 関係者も驚く売れ行き 残りわずか30戸 「レーベン川越南台」(2018/11/7)
郊外苦戦〟跳ね返す 売れ行き好調 タカラレーベン「守谷」554戸(2018/11/26)
郊外不振〟吹っ飛ばす 全1,006戸 販売順調 住友不「八千代緑が丘」(2018/6/23)
フランスのファッションと同じ マンションも「美」だ
デザインについて。話は横道にそれるが、年末、高崎経済大非常勤講師の権代美重子氏から「パリのファッション」と題する講義を受けた。聴講者は記者のような、というよりはまだ記者は若いほうで、後期高齢者のほうが多いくらいのOSI研究会のメンバー。
記者も含めてファッションには無縁の方が圧倒的多数派を形成していたと思うが、権代先生の話はとても参考になった。必至でメモも取ったので機会があったら記事にしたい。
何を学んだかといえば、もともとパリのファッションは宮廷ファッションが源流で、なぜブランドとして今も世界をリードしているかといえば、それは機能的価値・情緒的価値・自己表現価値という3つの価値を守り続けてきたということに他ならないと先生は仰った。
マンションも基本的には同様だと記者は思う。あの丹下健三は「機能的なものが美しいのではない。美しいもののみが機能的なのだ」という言葉を残した。
機能的に優れているのは当たり前だ。これが劣るものは論外。消費者に感動を与える美しさを備えていないといいマンションとはいえない。記者がしつこく〝フェイクをやめよ〟と書くのもそのためだ。
自己表現価値とは、そのマンションに住めばどのような新しい生活ができるかを具体的に示すことではないか。
さて、今年も美しいデザイン(いうまでもないが、単に意匠デザインが美しいという意味で用いているのではない)のマンションがたくさん供給された。「話題のマンション」として選んだ36物件のうち、外観やモデルルームがとくに美しかったのはモリモト「ディアナコート用賀」、伊藤忠都市開発他「クレヴィア文京関口」、大和ハウス工業「プレミスト赤坂翠嶺」「プレミスト山吹神楽坂」、先に紹介した三菱地所「代々木上原」、住友不動産「所沢」などだ。
モリモトの物件は8割方観ているが、当たり外れがない。見直したのは大和ハウスだ。「赤坂翠嶺」「山吹神楽坂」もしっかり造りこんでいる。
プラン・デザイン秀逸 地所レジ、住友に勝てるか モリモト「ディアナコート用賀」(2018/3/6)
デザイン秀逸 第1期1次43戸が即日完売 伊藤忠都市・東急不「文京関口」(2018/4/7)
〝赤坂の隠れ家〟 本物志向の大和ハウス「プレミスト赤坂翠嶺」(2018/10/19)
ワイドスパン、フラットバルコニーなど企画秀 大和ハウス「山吹神楽坂」(2018/12/10)
宣伝コピーやシアターにはっとし、ニヤリとし感動もした
いつも思うのだが、マンションを探している人はいったい何を基準に選ぶのか。今も昔も、それは交通便であり価格であり環境だ。いわゆる「3K」だ。検索サイトもエリア、価格、面積、間取り、駅距離を選択して選べるようになっている。
これはこれで結構だ。必要条件だ。デベロッパー各社もいかに検索サイトの条件にヒットするかに腐心しているようだ。
試しにあるサイトで探してみた。ところが「エリア」は区市単位になっていた。条件を「子育てファミリーに嬉しいマンション」で検索したら66件もヒットした。並び替え条件は価格、間取り、戸数くらいしかない。欲しいのは勤務先までの通勤時間や保育園・幼稚園、学校までの距離、買い物の便、住環境、治安、売主が信頼できるデベロッパーであるかとうかだと思うが、残念ながらこのサイトでは、それを探り当てるのは不可能ではないか。「ハイグレード」でも検索したら37件ヒットした。しかし、これも何をもってハイグレードなのか示してくれない。どうみてもそう思えない物件もあるし、〝住宅評論家〟がコミットしているのにも驚いた。
自分が希望する条件を全て打ち込んでそれこそワンストップで条件にマッチする物件を探してくれるサイトはないのか。いまの検索サイトは便利なようで不便だ。
記者などは自分の目しか信じないので、検索サイトで見学する物件を探すことは全くない。手垢にまみれた宣伝コピーも信じない。しかし、大成有楽不動産「オーベル住吉マスターテラス」、野村不動産「プラウド川口タワー」、新日鉄興和不動産他「リビオシティ・ルネ葛西(TOKYO ALOHA PROJECT)」、京阪電鉄不動産他「DISCOVER ★TERRACE★ ファインシティ武蔵野富士見」、近鉄不動産他「ローレルタワー ルネ浜松町」などの宣伝コピーやシアターにははっとし、あるいはにやりとさせられ感動もした。
「住吉」は何と〝東京駅から青山一丁目と同じ距離〟と謳った。「川口」は〝もう二者択一はやめよう〟(同社は駅東口の予定物件もあるが)迫った。「葛西」は〝TOKYO ALOHA〟が面白い。「武蔵野富士見」は〝DISCOVER〟と意表を突いた。「浜松町」は最寄り駅は日の出だが、質は極めて高い。シアターもよくできていた。
東京駅から青山1丁目と同じ距離 公園隣接 大成有楽「オーベル住吉マスターテラス」(2018/9/27)
〝二者択一は終わりにしよう〟 川口初の免震×長期優良 絶好調 野村不動産「川口」(2018/5/14)
アロハ! 商業・価格・平置き 3点セット奏功 1期162戸即完 新日鉄興和「葛西」(2018/4/10)
敵か味方か 京阪電鉄不 見たことない「コト」企画で勝負「武蔵野富士見」(2018/2/24)
近鉄不の矜持を見た 天井高2700ミリ 「港区」「タワー」「海」前面に「浜松町」(2018/4/23)
第一種低層住居専用地域立地・公園隣接
第一種低層住居専用地域の物件は、先に紹介した「代々木上原」がそうだが、大和地所レジデンス「ヴェレーナグラン浜田山」、三井不動産レジデンシャル「パークホームズ荻窪 ザ レジデンス」もいい物件だ。
「浜田山」は桜並木が美しい神田川遊歩道に面している。「荻窪」は〝パークホームズ〟シリーズでは久々の1低層に位置する物件で、隣は公園。
公園隣接といえば、三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス早稲田」は戸山公園が敷地南側。これもいい物件だ。
サクラ満開 神田川遊歩道に隣接 清張も徒歩2分 大和地所レジ「浜田山」(2018/3/27)
久々に1低層の〝パークホームズ〟 三井不レジ「荻窪」売れ行き好調(2018/12/9)
戸山公園に面する立地とデザインが素晴らしい 三菱地所レジの建て替え「早稲田」(2018/10/11)
「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」を批判したが…
〝駅近〟が人気になった要因と記事にしてきた記者にも責任の一端はあるが、あろうことか「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」という本が出版された。いかにも売らんがためのタイトルであるのを承知で記者はこれを痛烈に批判した。ある方から「却ってその本を買わせることになりかねない」と親切な忠告も頂いた。〝駅近〟が今年もまたよく売れた。
相鉄不動産他「グレーシアタワー三鷹」、モリモト「ピアース赤坂」、東京建物「Brillia 浦和仲町」、三菱地所レジデンス他「津田沼 ザ・タワー」などだ。
「三鷹」は、中央線沿線のマンションは軒並み坪400万円以上となる相場を形成した。「赤坂」は瞬く間に売れたが、確か単価は600万円以下で安くしすぎたのではないか。後続物件の値付けにも影響を与えた。「浦和仲町」は坪330万円でも売れた。「津田沼」は価格が安かった。千葉県下で坪300万円の大台に乗るのはいつか。
また怒り沸騰 「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の本は買うな!(下)(2018/2/1)
早期完売間違いなし 三鷹駅直結の相鉄不・三菱地所レジ「グレーシアタワー三鷹」(2017/12/21)
赤坂3分 多様なニーズ取り込むか モリモト「ピアース赤坂」(2017/12/9)
三菱地所レジ他「津田沼 ザ・タワー」 第1期は半数以上の340戸 絶妙の値付け(2018/3/23)
「Bloomoi(ブルーモア)」の提案前面 坪330万円弱で好調 東建「Brillia 浦和仲町」(2018/10/16)
大規模・再開発 「十日市場」「月島」「武蔵小杉」「日吉」
大規模・再開発は、東急電鉄・東急不動産・NTT都市開発の3社JVマンション「ドレッセ横浜十日市場」、三井不動産レジデンシャル他「MID TOWER GRAND(月島)」、三井不動産レジデンシャル・東急不動産「Kosugi 3rd Avenue(コスギ サード アヴェニュー ザ・レジデンス)」、野村不動産・関電不動産開発・パナソニックホームズ「プラウドシティ日吉」を選んだ。
「横浜十日市場」はレベルが高い。「MID TOWER GRAND」は早期完売を狙った値付けだが、困るのは周辺物件。言葉は悪いが頭を押さえつけられた状態。「コスギ サード アヴェニュー」は設備仕様レベルのダウンがない。三井デザインテックの黒須理枝氏が担当したモデルルームもよかった。黒須氏デザインはこのほか大和ハウス「赤坂翠嶺」でも見た。もう1物件見たような気がするが思い出せない。「日吉」では、野村の新提案「街の共用部」が設置される。
レベルが高い 長期優良住宅認定 東急電鉄他「十日市場」 順調なスタート(2018/4/9)
三井レジ 「月島」再開発タワー「MID TOWER GRAND」第1期189戸 坪単価434万円(2018/7/17)
第1期174戸が即日完売 三井レジ・東急不「コスギ サード アヴェニュー」(2018/12/4)
1,320戸の多機能型街づくり「日吉」始動 「街の共用部」設置 野村不動産ほか(2018/10/10)
「元赤坂」「鷺沼」「日吉」「西麻布」「虎ノ門」「四谷」など
その他、話題性・人気・商品企画などで以下の物件を選んだ。阪急阪神不動産「ジオ元赤坂」は元赤坂アドレスで35年ぶりのマンション。1フロア2戸。単価は安い。大成有楽不動産「鷺沼」は最高の立地で、「オレンジラボ」の提案もよかった。JR西日本プロパティーズ(略称:Jプロ、旧菱重プロパティーズ)の「ジェイグランディア日吉」は近隣のどこの物件にも負けないレベルの高さだった。
野村不動産「虎ノ門」は、全国区の人気とか。末長組「西麻布」は同社だからこそ実現したプラン。旭化成不動産レジデンス「アトラス四谷本塩町」は民間マンション第一号の建て替え。伊藤忠都市開発「クレヴィア池袋West」は「HITO-TUBO(ヒトツボ)」提案がいい。
元赤坂アドレスで35年振り 1フロア2戸 阪急阪神不「ジオ元赤坂」完成販売(2018/10/30)
ヒルトップの社宅跡地 「オレンジラボ」がいい 大成有楽不「鷺沼」(2018/5/8)
圧倒的人気呼ぶか Jプロ「日吉」 事前内覧会は満席 キャンセル待ち50組超(2018/8/7)
「虎ノ門」アドレス 人気も全国区 野村不動産「プラウド虎ノ門」(2018/8/22)
末長組の矜持を見た 傾斜地だからこそ生きる技術力 「ロイヤルシーズン西麻布」(2018/10/5)
民間マンション第一号建て替え 旭化成不レジ「アトラス四谷本塩町」完売(2018/11/13)
高単価エリアだからこそ生きる「HITO-TUBO(ヒトツボ)」 伊藤忠都市開発「池袋」(2018/12/5)
呼びかけに「NO」と言わない 地方も10回取材 大きな成果
今年から地方への取材を増やした。もうあとはないし、呼んでいただいたらきちんと応えるのが記者の役割だ。「NO」と言わないのが基本姿勢だ。10回近く取材した。
その成果はあった。地方が元気を取り戻しつつあることが分かったし、一方で東京都との「格差」もまだまだ大きいことも見えてきた。
三菱地所レジデンス他「hitoto 広島The Tower」では、主催者の挨拶に拍手を送った記者団に驚いたし、「マンションは愛だ」と挨拶した主催者にもまた感動を覚えた。記者のモットーは〝記事はラブレター〟だ。
やはり三菱地所レジデンス他「ザ・ パークハウス 神戸タワー」は坪266万円で市内最高峰であることを知った。歴史的建造物を残そうという姿勢にも感動した。
そして東急不動産「ブランズ芦屋 ザ・レジデンス」では、関西圏最高峰の坪610万円であることを取材できた。首都圏から取材にきていたメディアはなかったはずだ。
大京の「ライオンズ芦屋グランフォート」は、わが国初の「NearlyZEH-M(ニアリーゼッチマンション)」だったが、単価は東急の「芦屋」の3分の1だった。
野村不動産・大林新星和不動産「プラウドタワー北浜」は、昨年見た三井不動産レジデンシャルの「北浜」と同様、ものすごい売れ行きだった。
住友不動産「シティテラス千里桃山台」は坪270万円で、基本性能・設備仕様レベルの高さに驚いた。
大和ハウス工業「プレミスト梅田」は、「芦屋」にはかなわないが、大阪府ナンバーワンの単価になった。
このほか現地は見ていないが、積水ハウス他「上町台」、旭化成不動産レジデンス「草津」、大京「金沢」も人気を呼んだ。
余計なことかもしれないが、大阪市には第一種低層住居専用地域がひとつもないことを知った。守るべき良好な低層住宅地がないということか。都構想も結構だが、街づくりについて議論すべきではないか。
マンションは愛だ 中四国・九州 最高階数の地所レジ他「hitoto 広島The Tower」始動(2018/2/22)
驚嘆 〝世界初〟積水ハウス&大阪ガス 燃料電池・SHE搭載「上町台」半数以上成約(2018/2/27)
さすが三菱 神戸の歴史的建物保存・復元「神戸タワー」 過去最高峰の坪単価266万円(2018/3/15)
首都圏の億ションに負けない 関西最高峰の坪610万円 東急不「芦屋」(2018/7/23)
わが国初の大京NearlyZEHマンション 坪単価は東急「芦屋」の3分の1(2018/7/29)
首都圏に負けない〟レベル 販売好調 野村不・大林新星和不「プラウドタワー北浜」(2018/9/1)
坪単価270万円に納得 梅田に16分の近さ 住友不動産「シティテラス千里桃山台」(2018/10/9)
坪400万円の大台に乗るか 全戸角住戸 大和ハウス「プレミスト梅田」(2018/10/9)
駅前の一等地 大京「金沢」第1期1次70戸が即日完売 4割は地元以外(2018/11/2)
県都・浦和を抜く 埼玉県最高単価マンション 住友不・住商「所沢」
「シティタワー所沢クラッシィ」完成予想図
住友不動産と住友商事が分譲開始した「シティタワー所沢クラッシィ」を見学した。西武鉄道の車両工場跡地を含む再開発エリアに建つ制震29階建て全311戸のタワーマンション。坪単価は350万円くらいになる模様で、浦和を抜くバブル崩壊後の埼玉県最高単価マンションとなる。
物件は、西武池袋線・西武新宿線所沢駅から歩3分、所沢駅西口土地区画整理事業施行地区内の一角にある敷地面積約4,012㎡の29階建て全311戸(非分譲35戸とその他住戸15戸含む)。第1期(31戸)の専有面積は54.21~81.18㎡、価格は5,980万~1億2,980万円。坪単価は350万円くらいになる模様。設計はINA新建築研究所。施工は前田・西武建設共同企業体。竣工予定は2021年1月。
現地は、西武鉄道所沢車両工場跡地を含む約8.5万㎡(西武ドーム4.5個分)の土地区画整理事業によって再開発が進められているエリアの一角。敷地の南側と西側には西武ホールディングス・住友商事の商業施設が建設されることになっているが、建築確認を受けておらず、詳細は未定。高層建築にはならない模様だ。
建物は駅とぺディストリアンデッキで結ばれる予定で、マンション-西武所沢店・ワルツ所沢-所沢駅-グランエミオ所沢がつながる。建物の1・2階は商業施設で3階は共用部分、4階以上が住戸。
基本性能・設備仕様は、制震構造、リビング天井高2580ミリ、内廊下方式、ディスポーザー、食洗機、御影石キッチンカウンタートップ、ダイナミックパノラマウィンドウ、Low-Eガラスなど。
同社は「広告を全然打っていないが、すごい反響。『松が丘』など周辺に住む富裕層の買い換え、買い増しも期待できそう」と話している。
バルコニー
◇ ◆ ◇
以下は西鉄時代を含め西武ライオンズファン歴60年の記者の私情が入っていることをご了承願いたい。
何が嬉しいかといえば、西武ライオンズが10年ぶりにパリーグを制したこの年に、住友不動産が県都・浦和を抜く埼玉県最高値マンションに敢然と挑戦したことだ。これまで、埼玉県のマンション相場は常に京浜東北線・宇都宮線・高崎線がリードしてきており、坪単価記録は2015年分譲の三菱地所レジデンス・大栄不動産「ザ・パークハウス 浦和タワー」の330万円台だった。
西武線といえば、2007年分譲の西武不動産販売他「HIBARI TOWER (ひばりタワー)」も坪300万円の壁を破れなかった。所沢駅圏にはタワーマンションが7~8棟建っているが坪300万円に届かず、2015年竣工の野村不動産「プラウドタワー大泉学園」も坪300万円にわずか4万円届かなかった。今回、住友はそれを大幅に更新した。
だが、しかし、残念ながらこの記録はあと2年くらいで破られそうだ。浦和駅前では再開発マンションが計画されており、間違いなく坪単価は350万円を突破する。まあ、短命ではあるがそれまでは埼玉一のマンションであるのは変わりない。
西武球団にお願いだ。モデルルームを見たが、ピッチング・素振り練習は無理だ。1フロア(10~12戸)バルグ買いし、リフォームすれば365日24時間、心おきなく練習できるスペースを確保できる。お金は菊池雄星さんのメジャー移籍で入る移籍金で十分賄える。楽天に移籍した浅村選手の金銭補償額は1億2,600万円らしいから、これでも1戸買える。外国人獲得やトレードでも〝職住近接〟は有利に働く。
西武ライオンズの選手の皆さん、このマンションはお勧めだ。西武沿線ではこのマンションを上回る物件はまず供給されない。秋山さん、中村さんは2戸買えるし、年俸1億円台に達した山川さんも大楽勝。源田さん、多和田さんも大丈夫。住宅ローン控除の年収制限ぎりぎりの3,000万円の野田さん、平井さん、木村さんあたりも買うならここだ。
モデルルーム
エントランス
埼玉県の最高単価マンション 地所レジ・大栄不「浦和タワー」好調スタート(2015/12/14)
「Bloomoi(ブルーモア)」の提案前面 坪330万円弱で好調 東建「Brillia 浦和仲町」(2018/10/16)
「ひばりタワー」に反響3000件 単価は超割安?(2007/5/11)
2018年 記者が選んだ「ベスト3マンション」
2018年記者が選んだ首都圏ベスト3マンションは、坪単価750万円の高額でもよく売れ、ゲストサロンの設えが最高によかった東京建物・三菱地所レジデンス「Brillia 一番町」と、苦戦必至と見ていたにも関わらず信じられない売れ行きを見せているポラス「ルピアグランデ浦和美園」の2物件で、あと1物件は「該当なし」とした。今年1年間に見学・取材した首都圏マンションは86物件だった。
坪750万円でも好調 「Brillia」最高峰 東建・地所レジ「一番町」 サロンに乃村工藝(2018/4/18)
〝待つわ〟ピアキッチン4割に設置 レベル高いが一層の差別化を ポラス「浦和美園」(2018/6/2)
「Brillia 一番町」
◇ ◆ ◇
まず言い訳から。見学した物件は前年の105物件より減少した。残念至極。その理由は供給量が減ったからではなく、寄る年波には勝てないということだ。フットワークが落ちていることは否めない。
もう一つは、取材機会に恵まれなかったということだ。RBA野球が始まる6月下旬から11月にかけては、その取材と記事の執筆に追われるので、月曜日と木曜日は他の取材はほとんどできず、マンションや戸建てのモデルルーム・モデルハウスは火曜日から水曜日(物件によっては木曜日も)が休みだから、現地取材できるのは金曜日のみになる。
「ベスト3」マンションが2物件になったことについて。実は、年初から渋谷区庁舎の建て替え整備事業に伴う事業スキームによって建設されている三井不動産レジデンシャルの期間70年の定期借地権付き「パークコート渋谷ザ・タワー」を選定することを決めていた。しかし、見学していないので除外した。
無理に選ぼうと思えばその他の候補はいくつもあるが、甲乙つけがたく1物件に絞り切れず、2物件になったということだ。
◇ ◆ ◇
「Brillia 一番町」を選んだ理由は簡単。乃村工藝社を起用したゲストサロンの設えに感動したからだ。接遇空間は実にシンプルだが、シアタールームは水盤付きで、四季折々の自然などが映し出されるように工夫されていた。しかも、数組が同時に見ても隣り合う個室とは壁で仕切られており、プライバシーにも配慮されていた。そして、何より嬉しかったのは、あちらこちらに飾られている花は造花ではなく、プロが1週間に一度生けて飾るというおもてなし・ホスピタリティに感動したのだ。
考えてみれば、これは当然のことだ。数千万円の住宅購入を検討している人にお寺の仏花のような、あるいはまた100円ショップでも売っていそうなフェイクを飾る神経が理解できない。「管理が大変」「枯れる」などの理由は理由にならない。来場者1件当たりの集客コストはどれくらいか分からないが、掛けた分だけしっかりお返しをするのが礼儀だ。
どこの現場もアンケートなどと称し、慇懃無礼にも個人情報を聞き出し丸裸にするではないか。そしてまた、分譲価格にオンする(といっては失礼か)に決まっている訳の分からない商品券「来場キャンペーン」を配布する。その分価格を下げよと言いたい。
「一番町」以外にも本物の観葉植物を配していたモデルルームはほかにもあり、概ね好調な売れ行きを見せた。
「ルピアグランデ浦和美園」ピアキッチン
「ルピアグランデ浦和美園」の売れ行きには驚いた。6月から分譲を開始し、これまで供給した140戸のうち130戸が成約済みだという。
坪単価が156万円と安く、同社オリジナルの「ピアキッチン」付きを約4割に高め、食洗機、ディスポーザー、バックカウンター・吊戸棚、98センチの廊下幅、複層ガラスなどを標準装備にしているのが人気なのだろうが、信じられない。
記者は、このエリアの第一号マンションの東急不動産他「センターフィールド浦和美園」(197戸)から取材している。いい物件だったが、完売まで数年かかった。いま隣接地で分譲されているNTT都市開発も相当苦労しているようだ。
戸建てとの競合が避けられず、大型商業施設の「イオン」までは結構あり、何よりも駅前が貧弱だからだ。イオモールまでは徒歩3分だが、食事ができてタバコが吸える店までは記者の足で10分はかかる。埼玉スタジアムまで徒歩15分だ(西武ドームは駅前)。球場寂れる一方の郊外・田舎の街ならいざ知らず、これから人を呼び込もうとする街ではありえない。完全に都市計画に失敗したと記者は思う。
そうしたハンディを跳ね返しているポラスは称賛に値する。戸建ても絶好調だが、マンションも大健闘している。