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 「HARUMI FLAG」の分譲価格(単価)に関する記事・書き込みがネット上でヒートアップしている。明後日(23日)にはメディア向け説明会が行われるので取材してレポートするが、その前に、記者自身の立ち位置をはっきりしておきたい。

記者は、東京都がデベロッパー11社に「HARUMI FLAG」の用地約13.4haを約130億円で売却した時点で「東京2020オリ・パラ選手村 敷地売却価格は地価公示の10分の1以下の〝怪〟」(2016/8/4Web記事を書き、その価格の安さ(容積率1種当たり坪8万円)から判断して分譲坪単価は250万円と予想した。

記事を書いた当時は、Web記事は日経新聞のWeb「住宅サーチ」に転載されていたこともあり、ものすごい反響がありアクセスが殺到した。

都民も〝異常な価格の安さ〟に驚いたようで、「譲渡価格は違法・不当であり、損害の回復等必要な措置を講じることを求める」住民監査請求(2017519日付)が提起され、監査委員は手続き、鑑定評価手法、譲渡価格の妥当性など全てにおいて適法・適正に行われたとして住民監査請求を退けた(2017719日付)。

鑑定評価手法については、事業地は選手村として一時使用され、開発期間が長期にわたる特殊要因を考慮した結果、通常の取引事例比較法ではなく、「開発法」による評価手法が用いられ、土地価格は予想される住宅の販売総額・賃貸収入額を契約時点の価格に割り戻し、その額から想定される支出(建築工事費、販売経費など)を差し引いて適正に算定されたとしている。

これを不服とした住民ら「晴海選手村土地投げ売りを正す会」は2017818日、小池百合子東京都知事を被告として、売却妥当額との差額1,200億円を支払うよう不動産会社11社に請求せよという民事訴訟を提起し、現在審理が行われている。

裁判がどうなるかはともかく、監査委員が全て適法・適正と判断を下した以上、これ以上この問題に深入りはしない。以下は監査委員の裁定を是としたうえで、いくつか問題を提起する。

まず分譲価格(単価)について。基本的にはいくらで売るかはデベロッパーの自由裁量であり、買うか買わないかは消費者が決めることだ。われわれ外野がとやかく言う問題でない。

しかし、今回の事業地は都民の財産だ。地価公示の10分の1以下という安値で売買されたのであるから、デベロッパーはそれに見合う適正価格で分譲し、土地値が安い分だけ購入者に還元すべきというのが記者の意見・主張だ。

いったい、1種8万円という値がどれほど安いか。アクセス、規模、開発期間などが「HARUMI FLAG」とよく似ている「幕張ベイパーク」の例を紹介する。

2015年、三井不動産レジデンシャルら民間7社が千葉県企業局から用地約17.5ha(計画戸数約4,500戸)を取得した額は280億円(152.6万円)だった。容積率は300%くらいのはずで、1種当たりだと17.5万円となる。「HARUMI FLAG」の2倍以上だ。

この「幕張」の現在の坪単価は210万円だ。もちろん単純比較はできないが、「HARUMI FLAG」を坪250万円と予想・主張するのは的外れでないと思う。

 この予想・主張を〝補強〟する材料もある。都とデベロッパーが交わした敷地譲渡契約には譲渡契約金額の変更に関する次のような条項がある。

「敷地譲渡契約締結後、東京都の事由により事業計画を変更する場合及び特定建築者が応募時に提案した資金計画に比べ著しく収益増となることが明らかとなった場合は、敷地譲渡金額について協議するものとします」

 いったい「著しく」とはどの程度なのかについて、都は「『著しく』がどの程度のことを指すか弁護士と相談する」としているが、極めて難しい問題だ。モノサシなどないからだ。

 記者は、そのモノサシとしてマンションの売上から原価(土地取得費、建築工事費)を差し引いた粗利益率を考えた。直近の11社のマンション粗利益率は29.8%201812月期)の東京建物が断トツで、他の三井不動産、住友不動産、三菱地所、野村不動産、東急不動産などは20%前後だ。

 つまり、東建の粗利益率30%を越えたら「著しく」と考え、その分岐点は坪250万円とはじいた。

ただ、デベロッパーはみんな欲張りで、30%程度の粗利益率では「著しく」とは考えないふしもあり、基本性能・設備仕様レベルが高くなるともっと高くなるか。これは自信がない。

 そしてまた、「良心に従い、誠実に鑑定評価等業務を行うとともに、不動産鑑定士の信用を傷つけるような行為をしてはならない」(不動産鑑定士法)不動産鑑定士によって「(公示地価の10分の1以下の)敷地譲渡予定価格は合理的な根拠に基づき算出され、かつ厳正に審査された、適正な価格である」(監査委員)とすれば、「著しく収益増」となる事態にはならないとも考えられる。

仮に「著しく収益増」となる事態が発生したら、それこそ不動産鑑定の鼎の軽重が問われることになる。

従って、「HARUMI FLAG」の坪単価は〝妥当〟とされる可能性が高い-というのが現時点での記者の考えだ。

監査委員は「本件事業の今後の実施に際しては、重要な決定に当たり、専門家の意見を十分に聞く等の内部牽制体制を強化することや、意思決定過程及び決定内容についてきめ細やかな対外説明を行うことなどにより、これまで以上に透明性の確保に努められたい」と意見を述べている。

 この意見を汲み、当事者からきちんとした説明がされることを願うのみだ。

聞きたいことは不明 オリ・パラ選手村の街の名称「HARUMI FLAG」来春分譲(2018/10/31

オリンピック選手村住民訴訟も佳境に 原告、被告双方 相手を「著しく」非難(2019/2/20

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「プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン」

 恵比寿駅圏の坪単価記録を大幅に更新した野村不動産「プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン」(88戸)を見学した。坪900万円弱で、住友不動産が先に竣工した「シティタワー恵比寿」(310戸)の坪750万円を大幅に塗り替えた。売れ行きも好調で、約7割が成約済みだ。

 物件は、JR恵比寿駅から徒歩5分、渋谷区恵比寿南三丁目の第一種住居地域に位置する敷地面積約4,035㎡、地下2階・地上11階建て全88戸。専有面積は60.00~200.20㎡、坪単価は900万円弱。竣工予定は2020年1月中旬。設計・監理は日建ハウジングシステム・鴻池組。施工は鴻池組。

 現地は、商業エリアを抜けた第一種住居地域に位置する南北に細長い四方道路の傾斜地で、比高差は約7メートル。敷地は元公務員宿舎。

 建物は、敷地面積が3,000㎡以上で緑化率を21%に高めたことで高さ規制30mを39mに緩和されており、通常なら13階まで建築可能だが、敢えて11階建てとしているのも特徴。建物の北側の一部はホテル・レストランになる。

 住戸プランは内廊下方式で、スケルトン・インフィルを採用。さらに水回りの位置のレイアウトを容易にする「ミライフル」システムを採用。住戸は南向きに加え南西向き。

 インテリアデザインはHBAを起用。主な設備仕様は、リビング天井高2620~3150ミリ、グローエ水栓、ヴィトラ社手洗いボウル、ジェシー社水栓金具、スカラベオ社の陶器手洗いボウルなど。

 1月から分譲を開始し、これまでに約7割が成約済みと好調。

 過去20年間、山手線内徒歩5分以内の物件は276件で、うち住居系は58件、恵比寿駅が最寄りは6件(うち野村は今回を含め3件)しかなく、しかも今回の敷地面積は約4,035㎡と広く、この希少性が富裕層の心を捉えた。

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ドレッシングルーム

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 190㎡のモデルルームの出来が出色だ。洗面・浴室はラグジュアリーホテルのスイートと同様で、来場者の評価も高いという。

 オーダーメイド仕様だが、バスルーム・ドレッシングルームの広さは約8.3畳大、リビングは約40畳大。壁は突板パネルか大理石。キッチンカウンタートップは水晶の比率が94%のサイルストーン。

 玄関扉はクリスタルをイメージした京都・傳來工房によるアルミ素材の扉をそれぞれ採用。玄関の施錠・開錠はTeblaリーダーのボタンを押すだけで可能だ。

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リビングルーム

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バスルーム

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住友林業は4月18日、タイ・バンコクの現地企業と共同開発したランドマークとなる高級分譲マンション「Hyde Heritage Thonglor」を4月から本格販売したと発表した。同国では初の開発プロジェクト。

同社の100%子会社Sumitomo Forestry Singapore Ltd.SFS社)と現地のProperty Perfect PCL社(PF社)、PF社傘下のGrande Asset Hotels & Property PCL社(GA社)の3社合弁の特定目的会社Grand Star社(GS社)が分譲するもので44階建て311戸。販売価格 3,800万円から(平均分譲価格約6,700万円)。GS社の出資比率はSFS49%GA40%PF11%

PF社、GA社はタイで戸建とマンションの分譲事業、ホテル事業を展開する大手不動産開発会社で、この2社とは第2弾のリバーサイド高級分譲マンションの共同開発も決定しており、タイ・バンコクで長期的なパートナー関係を継続し、質の高い住宅を提供するとしている。

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「プレミスト東京王子」完成予想図

大和ハウス工業・コスモスイニシアが分譲中の「プレミスト東京王子」を見学した。バス便ではあるが、南東のバルコニー側前面に幅約100mの隅田川・スーパー堤防などが広がり、坪単価も23区内では希少な200万円。この1カ月強で全222戸のうち70戸を成約するなど順調なスタートを切った。

物件は、JR京浜東北線・東京メトロ南北線王子駅からバス約8分、徒歩3分の北区豊島4丁目に位置する15階建て222戸。専有面積は68.5888.42㎡、6月上旬分譲予定の第2期(戸数未定)の予定価格は3,400万円台~5,900万円台(最多価格帯4,100万円台)、坪単価200万円。竣工予定は20202月中旬。施工は長谷工コーポレーション。

現地の用途地域は工業地域だが、住宅化が進んでいるエリア。用地はUR都市機構から同社など4社が取得したもので、敷地北側に今春開業した大規模商業施設との住商一体複合開発。

南東に面したバルコニーの前面には幅約100mのスーパー堤防-隅田川があり、その先は高速道路が走っている。敷地東側と西側にはそれぞれ広場も整備される。

主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高24502550ミリ、ディスポーザー、スロップシンクなど。スマートウェルネスサービスも提供する。

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 約100m先の高速道路をどう評価するかだが、販売担当の大和ハウス工業マンション事業部第二事業部営業第一課販売事務所長・松本諭吉氏は、「距離は問題でなく、音を気にされるお客さまがいらっしゃるのでしっかり説明している。複合開発でこの価格の安さは他にないはず」と話した。

 確かに坪単価はやすい。記者は近隣の物件が強気な価格設定をしていたので坪単価は220230万円くらいとはじいていたが、坪200万円というのは23区では城東エリアに一部あるくらいだろう。

 バス利用時間も含めてほとんど都心まで3040分圏というのは魅力だ。第一期で70戸を成約できたのも納得だ。

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建設現場

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1弾「幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス」(497戸)

三井不動産レジデンシャルは413日、千葉県・幕張新都心で開発中の首都圏最大級のプロジェクト「幕張ベイパーク」の街びらきイベントを行った。街びらきは第一弾マンションが完成し、商業施設がオープンしたのに伴うもの。というい、熊谷俊人・千葉市長ら多くの関係者や地域の人たちが順調なスタートを祝った。計画では開発面積約17.5haに約4,500戸の住宅のほか商・職・学・遊などの複合タウンを目指す。

冒頭のプレス説明会で、三井不動産レジデンシャル執行役員千葉支店長・各務徹氏は、「2017年に千葉県企業庁から当社など7社が用地を取得し、約4,500戸の住宅、居住人口1万人のミクストユースの街づくりを進めている。一棟目が完成し、2棟目の販売も順調なスタートを切った。向こう10年間、持続可能な魅力的な街づくりを進める」と挨拶。

同社千葉支店事業室長・井上茂氏は街づくりの概要について説明し、米国ポートランドの街づくり思想に学び、デザインガイドラインを定め、エリアマネジメントを導入し、街の活性化を論議する6回にわたるディスカッションを行ってきたことなどを報告した。

同社から寄贈された「ツリーデッキ寄贈セレモニー」に出席した千葉市長・熊谷俊人氏は、「今日はとても暖かくいい天気。未来を象徴するようで嬉しい。末永く次世代に残す街づくりを進めていく」と述べた。

「幕張ベイパーク」は、京葉線海浜幕張駅から徒歩13分、千葉市 美浜区若葉3丁目に位置する開発面積約17.5ha、予定総戸数約4,500戸の複合タウンの総称。平成27年、三井不動産レジデンシャルを幹事会社とする7社が千葉県企業局からに用地約17.5ha280億円(152.6万円)で取得した。

マンションのほか、商業施設「イオンス タイル幕張ベイパーク」やエリアマネジメント拠点「幕張ベイパーク クロスポート」、コミュニティ創造型コワーキングス ペース「TENT 幕張」、スポーツ・アウトドア、医療・健康施設、保育・教育施設などを10年間かけて整備する。

現在分譲中の第2弾「幕張ベイパーク スカイグランドタワー」は免震構造の48階建て全826戸。4月下旬販売予定の第13次(戸数未定)の価格は3,605万~9,590万円(最多価格帯4,600万円台)、専有面積は64.98112.16㎡。売主は同社のほか野村不動産、三菱地所レジデンス、伊藤忠都市開発、東方地所、富士見地所、袖ヶ浦興業。入居予定は20213月下旬。施工は熊谷組。デザイン監修は光井純氏。

201711月、第1弾「幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス」(497戸)が分譲開始された。残りは未供給を含め50戸と好調。

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各務氏(左)と吉田氏

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左が第一弾、右が第二弾の「幕張ベイパーク スカイグランドタワー」模型

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いまの千葉県のマンション市場環境は順風、追い風ではなく、逆風、向かい風だ。船を漕ぎ出せばたちまちダッチロール状態に陥る可能性が高い、視界不良の荒海という形容も成り立つかもしれない。

少なくとも数字は厳しい市況を映し出している。別表は、千葉県の分譲共同住宅の着工戸数の推移だ。平成18年は折からのブームで約21,100戸を記録したものの、その後は激減、平成30年は3,320戸まで落ち込み、18年比で84.3%減だ。

ここまで落ち込んだ最大の理由は、リーマン・ショックの影響で千葉県を地盤としてマンションデベロッパーが軒並み退場を余儀なくされたからだ。

そして、都心の一等地では坪単価1,000万円が相場になっている時代だ。代わって登場した大手デベロッパーも、高値追求ができる販売リスクが低い他エリアにシフトしているからだ。

千葉県でも市川駅や本八幡駅圏の〝駅近〟は坪300万円を超える物件が散見されるようになったが、300万円の壁は厚い。購買力の限界と建築費の上昇の板挟みに各デベロッパーは呻吟しているはずだ。火中の栗を拾いたくないというのが本音ではないか。

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 プレス説明会に各務氏が出席されることは分かっていた。各務氏には15年前、全701戸の平均面積が120㎡というわが国のマンションの歴史に名を刻む「新浦安」の取材で話を聞いており、その後、「武蔵小杉」の取材などでもお会いしている。隣の井上氏はどこかで逢っているはずだと必死で記憶を手繰り寄せた。すぐにRBA野球の同社の選手だったことを思い出した。10年ぶりくらいか。

 嬉しさがこみ上げてきたのだが、ここは心を鬼にして、前述した厳しい千葉の現状にどう立ち向かうのかストレートに聞いた。

 「各務さんも井上さんもよく存じ上げている。応援したいし、ネガティブな記事など書きたくないが、海浜幕張駅から遠く、京葉線は乗り換えに不便。しかも予定戸数1,000戸の『検見川浜』もある。双方合わせると『HARUMI』と同じくらいの規模。並行して走る総武線とも競合する。他都県はどんどん価格が上昇し『翔んで埼玉』も千葉よりはるかに高い。イメージが劣る千葉で正気の沙汰ではない。どう売るのか」と。

これに対し、各務氏は「貴重な質問ありがとうございます」と断り、「これまで『日本橋』『柏の葉』『豊洲』『ミッドタウン』などと同様、継続して賑わいを創造していく。ここも順調なスタートを切れた」と同社の「経年優化」の理念を語った。

それでも、その言葉を真に受けられなかった。相当苦戦を強いられているのではないかと。

ところが、201711月に分譲開始した第一弾「幕張ベイパーク クロスタワー&レ ジデンス」497戸は未分譲を含め残りは50戸と聞き、信じられない思いがした。これほど短期間に売れるとは夢にも思わなかった。坪単価は分譲前に「常識的な坪200万円を少し超えるくらいの値段を設定すると思う」と書いたが、その通り210万円だった。

坪単価は第一弾とほぼ同じの第2弾「幕張ベイパーク スカイグランドタワー」も今年2月から分譲を開始し、すでに226戸が販売済みだという。このペースで行けば10年間に約5,000販売することになる。

基本性能・設備仕様、住戸プランは間違いなく水準以上だ。モデルルームは非常によくできている。

売れ行きのいいのとモデルルームの出来をつぶさに見て、評価を改めた。「正気の沙汰ではない」などと、各務氏と井上氏に投げつけた〝罵声〟に近い批判的な質問はそっくり返上する。大変失礼しました。

さて、この日(413日)、千葉・幕張に吹いた風は何と形容すればいいか。パタパタ、ヒラヒラ、ゆらゆら、サラサラでもないし、順風満帆は平凡に過ぎる。微風でもない。飄々も適当でない。熱風は言い過ぎだろう。春風、そよ風、薫風はどうだろう。春風駘蕩がぴったりか。

巷では開発面積約13ha、総戸数5,632戸の「HARUMI FLAG」が喧しいが、この風は「HARUMI FLAG」を揺るがすかもしれない。記者の〝口撃〟を軽くいなした各務氏は馬耳東風か柳に風か。

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「ツリーデッキ寄贈セレモニー」(演奏協力は全国大会で何度も優勝している幕張総合高校シンフォニックオーケストラ部、樹木はサルスベリ)

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幕張海浜公園から望む

三井不レジ他 4,500戸「幕張ベイパーク」第一弾分譲へ 価格はさて? (2017/9/14

三井不動産レジデンシャル 「パークシティ武蔵小杉」3棟目が完成(2014/3/9

三井不動産RD 主力の井上選手が関西へ異動(2010/4/8

RBAタイムズ アーカイブ 2004年 514日号 全701戸が平均120㎡ テーマは「家族の絆」(2010/12/24

 

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「シティタワー恵比寿」

 住友不動産は4月12日、渋谷区恵比寿のタワーマン「シティタワー恵比寿」(全310戸)が竣工したのに伴う報道陣向け内覧会を行った。坪単価は750万円で、契約進捗率は60%。関係者は「当社の開発力を注いだ自信作。歴史に名を刻む物件。残り約100戸。1年半くらいかけてじっくり販売していく」と話した。

 物件は、JR山手線・埼京線恵比寿駅から徒歩7分、渋谷区恵比寿一丁目に位置する22階建て310戸(非分譲住戸3戸含む)。専有面積40.72~150.89㎡、坪単価750万円。竣工は2019年3月6日。設計・監理・施工は西松建設。

 恵比寿駅圏のタワーマンションとしては最寄りでは実に15年ぶりの供給で、総合設計制度を適用し、四方道路の敷地(約3,360㎡)の約1/2(約1,680㎡)の公開空地に100本を超える樹木を植えることで、高さ規制(50→75m)、容積率(400%⇒600%)の緩和を受けている。

 2017年6月の販売開始からこれまで問合せ件数は約9,500件、来場は2,700組。全体の6割強が契約済み。

 プレミアムタイプモデルルームは天井高最大約2,550mm、室内廊下、トイレ、洗面所の床には天然石を採用している。

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モデルルーム

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 記者は分譲開始から3カ月後の2017年9月に取材している。そのとき聞いた坪単価は700万円だった。業界関係者はみんな「高い」と思っていたようだが、記者はそれほど高いとも感じなかった。

 今回聞いた坪単価は750万円だ。これも納得。改めて記事をかくが、その後もマンション単価は立地にもよるがどんどん上昇し、駅の反対側で分譲中の野村不動産の物件は坪900万円近くでも好調に推移している。再開発が進む渋谷は坪1,000万円が相場となりつつある。代官山もいい場所なら坪1,000万円だろう。

 竣工時点で4割100戸も残っていたら他社なら〝値を下げようか〟と大慌てするところだろうが、粗利益率30.0%(平成30年3月期)を誇る同社だ。歯牙にもかけない。

 内覧会の冒頭で、同社名物広報担当者は「平成最後の寒波到来ですが、入居も始まりますので、お見せできるのは今日が最後のチャンス。マンション内覧会もおそらく平成最後」と余裕たっぷりに話した。

住友不動産 納得の坪700万円 総合設計適用「シティタワー恵比寿」(2017/9/7)

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 東急不動産は4月11日、NTT 都市開発、近鉄不動産と共同で開発中のマンション「ブランズシティ調布」(全305戸)に子育て世代をターゲットにした「子育て家族サポー トサービス」を導入すると発表した。子育ての困りごとを解消し、家族で豊かな時間を過ごせるようにするのが狙い。

 特定非営利活動法人sopa.jpが運営主体となり、管理組合から共用施設を借り、保育園や幼稚園、小学校が終わった後(平日15時~21時予定)、専属の保育士が共用施設で子どもを預かるほか、晩ご飯の提供(予約制)、遊びを通じて多彩なプログラムを用意するなど、入居者に限定した会員制サービスを行う。

 物件は、京王線調布駅から徒歩7分、調布市調布ヶ丘一丁目に位置する8 階建て全305戸。専有面積57.43~89.85㎡、竣工予定は2020年1月上旬。

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「ルピアコート新越谷」完成予想図

 ポラスグループの中央住宅が分譲中のマンション「ルピアコート新越谷」を見学した。駅から徒歩5分の全85戸で、エリア最高単価の坪210万円ながら残りは数えるほど。痒いところに手が届く主婦目線の企画が光っている。

 物件は、東武スカイツリーライン新越谷駅から徒歩5分、JR武蔵野線南越谷駅から徒歩6分、越谷市南越谷一丁目の第1種住居地域に位置する8階建て85戸。専有面積は62.81~72.24㎡、現在分譲中の2期(4戸)の価格は3,498万~5,188万円。坪単価は210万円。竣工予定は2019年8月下旬。施工は川口土木建築工業。販売代理は東京中央建物。

 今年2月から分譲を開始し、第1期52戸を即日完売するなど、残りは未分譲の6戸を含め12戸。極めて好調に推移している。

 現地は、道路を隔てて東武スカイツリーラインの高架線があるが、2000年以降に市内で分譲された76物件のうち新越谷・南越谷駅圏は4物件しかなく、住居系エリアの50戸以上に限定するとこの1物件しかない希少性が評価されたという。

 敷地は東西軸がやや長い長方形で、建物は南向き中心のL字型。専有面積圧縮型だが、63㎡の住戸でもスパンは6.5~8.1m、70㎡台は6.5~8.3m確保したワイドスパンが特徴。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400~2500ミリ、ピアキッチン(33戸)、幅2400ミリの大型食器棚、食洗機、出窓、片寄マイギャラリー、開閉式ルーバー付き窓付き浴室窓など。

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ピアキッチン

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標準装備の食器棚

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 坪単価は210万円くらいだろうと予想したが、どんぴしゃりだった。同社としてはかなりのチャレンジ価格だという。

 しかし、商品企画、設備仕様は同業他社の坪250~300万円くらいのマンションとそん色ないどころか、はるかに上回っていると言えるほどレベルが高い。

 例えば、他社はほとんどオプションにしている幅2400ミリのバックカウンター付き収納。実用新案を取得済みのピアキッチンと合わせればこれだけで200万円くらいするはずだ。

 このほか、出窓、吹き抜けを設けプライバシーに配慮した居室、引き戸は開閉とも全てソフトクローズ機能付き、ドアノブはプッシュプル、クレセントを1400ミリの高さに設置したサッシ、洗面・トイレのちょい置きスペース、開閉式ルーバー付き浴室窓、フチレス便器、バルコニー隔板下の立ち上がり、玄関脇の傘掛け、通風機能付き玄関ドア、タッチレス水栓…。一つひとつは他社も採用しているが、これほど至れり尽くせりの設備を装備しているマンションはまずないはずだ。

 同社のマンション供給エリアは埼玉や城東などに限定されているので他社には脅威にならないかもしれないが、バッティングしたらまず勝てない。逆に言えば、ここまでやらないと厳しい市況を乗り切れないということだ。〝右に倣え〟の商品企画・設備仕様の退化・退行を改めないと、みんな大手デベロッパーに飲み込まれる。

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通気機能付き玄関ドア(左)1400ミリの高さにしたクレセント

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ピアキッチンのカウンター

カテゴリ: 2019年度

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「エクセレントシティ本八幡駅前サザンライズ」

 新日本建設の売れ行き好調マンション「エクセレントシティ本八幡駅前サザンライズ」と「エクセレントシティ幕張本郷1丁目」を見学した。坪単価は前者が300万円強、後者が200万円であることからターゲット・設備仕様は異なるが、オートロック顔認証システム、食洗機、ミストサウナ、オート開閉タンクレストイレは共に標準装備されている。

 まず「本八幡」。物件は、JR総武線本八幡駅から徒歩2分、市川市南八幡4丁目に位置する19階建て全90戸。専有面積は38.21~71.11㎡、価格は3,458万円~7,498万円、坪単価は300万円強。竣工予定は 2020年1月下旬。設計・監理・施工は新日本建設。

 現地は、駅すぐの商業地立地。住戸は1フロア5戸で、専有面積は約38㎡、45㎡、58㎡、65㎡、71㎡の5タイプ。

 主な基本性能・設備仕様は、内廊下方式、オートロック顔認証システム、一括浄水システム「エクセレントウォーター」、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、オート開閉タンクレストイレなど。

 2月から販売を開始しており、これまでに約半分が成約済み。

 販売を担当するマンション販売部マンション販売第二部理事部長・田中正宣氏は、「認知度は低いですが、顔認証とエクセレントウォーターなどはどこにも負けない。千葉県で高値追求? 瞬間的に当社物件がそうなったこともあるが…坪300万円超えとなると、お客さんは多くない。当社はこの3年間くらい完成在庫はほとんどない」と話した。

 「幕張本郷」は、総武線・京成線幕張本郷駅から徒歩6分、千葉市花見川区幕張本郷1丁目に位置する7階建て全67戸。最終期(8戸)の専有面積は54.06~70.00㎡、価格は2,998万~4,528万円(最多価格帯3,800万円台)、坪単価は200万円。竣工予定は2019年9月上旬。設計・監理・施工は新日本建設。

 現地は、三方角地。敷地南側が京葉道路に面してはいるものの、防音壁の効果かそれほど音は感じない。東、西、北側は低層の住宅街。

 主な基本性能・設備仕様は、オートロック顔認証システム、食洗機、ミストサウナ、オート開閉タンクレストイレ、引き戸の多用など。

 昨年12月から販売を開始しており、残りは4戸。今週末に完売となる見込みとか。

 販売担当のマンション販売部マンション販売第五部部長・平原真也氏は、「当地では10棟目。戸数にすると600戸近く。残りの4戸も今週末に成約する見込み」と語った。

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「エクセレントシティ幕張本郷1丁目」

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 同社の自社マンションを見学するのは久々だった。コンタクトが取れないので、昨年6月、取締役副社長執行役員に就任した宮島青史氏にお願いして見学が実現した。

 宮島氏は昭和58年4月、野村不動産に入社。平成21年4月、取締役兼常務執行役員、同24年4月、代表取締役兼専務執行役員、同24年5月、野村不動産ホールディングス執行役員、同25年4月、野村不動産アーバンネット代表取締役社長、同28年4月、取締役会長を歴任。

 宮島氏は今後どのような動きをされるのか。時々、マンションの見学をお願いしよう。

 今回、2物件を見学して驚いたのは顔認証とミストサウナ、食洗機などを標準装備していることだった。顔認証は採用しているところもあるが、大手デベロッパーは現段階で採用していないはずだ。食洗機、ミストサウナもいい。

 双方とも専有面積圧縮型・コンパクトが多いが、これも地域の需要層をしっかり把握しているからだろう。

 もう一つ、なるほどと思ったことがある。首都圏ではもっともグロス志向が強い千葉県を地盤に、仕入れ-設計-施工-販売-管理の一貫体制を構築し、200棟9,100戸の数字からも分かるように1棟当たりにすると約46戸だ。販売リスクを抑えるためにはこれくらいの戸数が適しているのだろう。

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「エクセレントシティ本八幡駅前サザンライズ」モデルルーム

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「エクセレントウォーター」(左)と水道水の違い実験(左のコップの水は透明、右は塩素反応を示した水道水)。浄水器はメーターボックスに設置されるので住宅内でフィルター交換しなくてよい。「タカラの水」「良水工房」とおなじようなシステム

 

 

カテゴリ: 2019年度

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「サンウッド広尾」完成予想図

 サンウッドのマンション建て替え物件「サンウッド広尾」を見学した。駅から徒歩1分で、価格がリーズナブルであることから早期完売が見込まれる。

 物件は、東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩1分、渋谷区広尾5丁目に位置する14階建て55戸(事業協力者住戸27戸含む)。現在分譲中の住戸(5戸)の専有面積は37.40~65.56㎡、価格は7,005万~13,853万円。坪単価は700万円強。竣工予定は2020年5月中旬。設計・監理はIAO竹田設計。施工は松井建設。

 現地は、広尾駅から徒歩1分、敷地東側が外苑西通りに接道。東側と西側は開放感があり、眺望もいい。標準階は1フロア7戸、7階以上の上層階は1フロア3戸。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2600ミリ、ディスポーザー、食洗機、御影石のキッチン・洗面カウンタートップ、グローエ水栓など。

 都心部の駅近マンションがことごとく高値更新しており、坪700万円強は割安感がある。80㎡台のモデルルームは、オプションだがキッチンカウンターの提案がいい。早期完売が期待できそうだ。

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リビング

カテゴリ: 2019年度
 

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