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「セキュレア西大宮V」のモデルハウス

 大和ハウス工業が11月21日に行った「戸建住宅事業 計画説明会の第二部の現地見学会となったのは、今年5月に発売した木造戸建住宅新商品「xevo BeWood(ジーヴォ ビーウッド)」初の実棟「セキュレア西大宮V」のモデルハウスだった。基本性能・設備仕様レベルは間違いなくトップレベルだが、様々な課題も見つかった。

 物件は、JR川越線西大宮駅から徒歩16分~17分、さいたま市西区西大宮二丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全23戸。現在分譲中の住戸(7戸)の敷地面積は142.19~146.10㎡、建物面積は98.71~104.98㎡、価格は5,980万~6,580万円。建物は令和5年7月完成済。構造は軽量鉄骨2階建て。

 モデルハウスはZEH仕様、最大天井高2.9m、床はオーク材の突板仕上げ、天井はオウシュウカラマツの現し、幅4間(7280mm)の大開口、サッシ高2400mm、坪庭付き、外壁は塗り壁仕上げなどが特徴。

 現地は、土地区画整理事業により整備された面積約115.5ha、計画戸数4,010戸の住宅地の一角。2017年からデベロッパー、ハウスメーカーなどにより戸建て分譲が開始された。地区計画により土地の最低面積は135㎡以上と定められている。

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リビング

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リビング

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分譲中の住棟

◇        ◆     ◇

 この住宅地は過去2度、ポラスグループの分譲戸建ての取材で訪れている。駅前には何もなく閉口したが、居住者の多くは西大宮バイパスを利用するようで、生活利便施設には不自由しないようだ。

 第一部で永瀬氏が語った、現在は同社の分譲戸建て比率は7%しかない木造を「分譲は全て(7,000戸)木造にしたい」を記者は半信半疑で聞いていた。分譲戸建て市場はマンションと異なり、全国規模にわたって大手中小が入り乱れて激しい競争が展開されており、それに伍するには2倍、3倍のエネルギーを注ぎ込む必要があると考えたからだ。

 毎年の分譲戸建ての全国着工戸数は14万戸くらいか。そのうち、記者が〝御三家〟と呼ぶ飯田グループ、オープンハウス、ケイアイスター不動産の市場占有率は4割近い。圧倒的な価格の安さが〝売り〟で、価格は3,000~4,000万円台が中心だ。

 一方で、三井不動産レジデンシャル、野村不動産などの大手デベロッパーはこれら御三家とは一線を画し、大都市圏にエリアを絞り込でいる。数年前にはそれぞれ年間800~900戸に達したが、その後は400~500戸に減らしている。用地取得が難しいからだろう。

 面白いのがポラスグループだ。自社プレカット工場を持ち、埼玉県の越谷を本拠にその周辺エリアに特化し、年間3,000戸近くをコンスタントに販売している。エリアの市場占有率は突出している。いわゆるパワービルダーより価格は500~1,000万円くらい高いが、各グループ会社が商品企画で競い合うことでユーザーの支持を得ている。

 ハウスメーカーのことはよく分からないのだが、同業の積水ハウスは数年前までは木造「シャーウッド」の伸び率は鉄骨系をはるかに上回っており、記者はその伸び率からして鉄骨系を超える時代が来るのではないかと予想したが、最近は平行線のままだ。その理由は分からない。最近、同社は地域パートナー企業と連携する「SI(エス・アイ)事業」を開始した。

 大和ハウスはどうか。全国の分譲戸建てをランキングで示せばベスト10に入るかどうかだろう。そんな同社が4年後に7,000戸に増やし、しかも「木造」比率を飛躍的に伸ばすという。

 ブランド力は他を圧する同社だから、本気を出せば年間7,000棟は難しくないかもしれない。「セキュレア西大宮Ⅴ」のモデルハウスの基本性能・設備仕様は間違いなく御三家などを蹴散らす。そもそも比較すること自体が失礼だ。

 しかし、課題もいくつか見つかった。同社に頑張ってほしいから敢えて指摘する。

 まず、外構・緑被率。外構は寂しい。緑被率を現場担当者に聞いたら20%もないということだった。これは同社に限ったことではないが、もっと真剣に緑被率をあげることに関心を払うべきだ。国も一定程度の緑被率を確保した住宅にインセンティブを与えるべきだ。積水ハウスの「5本の樹」計画は全国区になりつつある。

 緑と関連することだが、同社は11月21日から俳優・松坂桃李さんを起用した分譲住宅「Ready Made Housing.」の新TVCM「いいとこどり」篇を公開した。説明会でも紹介された。いきなり樹海が展開された。記者は松坂さんの名前を初めて聞いたが、とてもいいと思った。あの同社のCM「物流×AI」を思い出した。

 次に、細かいことだが、浴室には壁にタオル掛けがついていたが、ドアには一つもなかった。ZEH仕様だから冬場は寒くはないだろうが、ドアにも付けるべきだ。ユーザーはこのような些細なことに感動を覚える。ポラスは天井高2.7mだけでなく、細やかな配慮がユーザーの心をとらえている。

 尺モジュールの階段も気になった。積水ハウスはずっと前からメーターモジュールを標準にしている。マンションではトイレの把手を壁面まで後退させるユニバーサルデザインを採用している。

 話を元に戻す。「西大宮V」の分譲住宅は全23区画のうち13棟で、今年6月から販売を開始しており、6棟が成約済みだ。残っている7棟のうち5棟は敷地南側に「保存林」が広がる6,000万円以上の住棟だった。

 その理由を瞬時に理解した。庭先の保存林までは数メートル。柵で遮られていた。樹高は住棟より高い。つまり、真昼はともかく、日照がほしい冬場の昼は日が当たらないのがネックだし、価格も市場価格より数百万円は高い。

 しかし、また考えた。敷地真南に新CMと同じような樹海が広がる-これほど恵まれた分譲戸建てなど首都圏はおろか、全国のどこを探してもないのではないか。保存林の所有者と交渉して入会権とか地役権を設定して、自由に往来できるようにしたらどうか。たくさんの動植物が生息しているはずだ。夏場の気温は間違いなく2、3度は低い。毎日森林浴ができる価値は数百万円どころでない。1,000万円の価値がある。竣工して4か月も残っているのは、この「緑環境」のよさを訴え切れていないからではないか。

 これは余談。各住戸の敷地内には赤い実をたくさんつけていた樹木が植えられていた。毒がある樹木を植えるわけがないと思い、一つ食べてみた。ぶつぶつがあり美味しくはないが、懐かしいグミかヤヤモモの味がした。担当者に何の木か聞いたが、誰一人答えてくれなかった。図鑑で調べた。初夏に可憐な花が咲くヤマボウシのはずだ。お客さんにはきちんと説明できているのだろうか。

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敷地南側の保存林

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北側道路から写す

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ヤマボウシ

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浴室

大和ハウス分譲戸建強化 4年後に4.5倍増の7000戸「木造」へも舵切り(2023/11/23)

「物流」に「AI」 ドライバーに「愛」 大和ハウス&日立物流 コンテスト説明会(2022/12/1)

大和ハウスの新TVCM 「物流×AI」が最高に面白い(2018/1/5)

敷延の難点解消&4棟で100㎡(30坪)のシェアスペース ポラス「ONE LINK」(2018/8/8)

ポラス 全40現場332区画の大規模戸建て「西大宮」第1弾15戸を即日完売(2017/11/17)

カテゴリ: 2023年度

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「ときの環 草加松原」

 ポラスグループ中央住宅は11月20日、草加市で初となる景観協定を締結した、全棟ZEH認定の分譲住宅「ときの環 草加松原」(全25棟)のメディア向け見学会を行った。8月から分譲を開始しており、ほとんどが未完成であるにもかかわらず残りは6棟。地元だけでなく都内からの反響を3割弱集めるなど企画がヒットした。

 物件は、東武スカイツリーライン獨協大学前駅から徒歩19分、草加市花栗3丁目の第1種中高層住居専用地域・準住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する全25棟。土地面積は120.20~207.73㎡、建物面積は91.50~103.50㎡、価格は3,980万~5,580万円。構造は木造軸組工法で平屋が7棟、2階建てが18棟。全体竣工予定は2024年6月。

 現地の従前は南北に細長い三角形に近い不整形の駐車場。開発道路を確保するのが難しいうえ、市有地の幅員2mの遊歩道(暗渠)が敷地を分断し、敷地西側には送電線も走っているなど低層住宅地としては多くの課題を抱えていた。

 そこで、同社は草加市では初となる「景観協定のある街づくり」協定を締結。1低層並みの住宅地とすることで合意した。同協定は12年前から取り組んでいるもので、今回で8物件目となる。

 具体的な取り組みとして、遊歩道に面する住戸は建物をそれぞれ50cmセットバックさせてグリーンベルトを設け、敷地北側に接道する開発道路は南側道路に繋げない事情があるため、車の回転を容易にするスペースを設けた幅員6m道路を整備。平屋は送電線の下に設け、舗装は透水性のインターロッキング。

 このほか、開発道路に面した部分の緑化、みんなで育てる協定樹木、協定緑地などを設け、ワークショップやイベントなどを開催し、良好なコミュニティづくりをサポートする。

 住戸プランでは、同社の分譲戸建てでは初となる全棟「ZEH」認定を取得、同社グループのポラス暮し科学研究所オリジナル蓄熱床暖システム「ぽかリッチ」を導入して冬場のリビングの快適性を確保する。

 見学会で同社戸建分譲第一事業部事業部長・深山弘一氏は「用地の情報がもたらされたのは2021年6月。用地担当が〝いい住宅地になる〟と確信したので、取得を決断した。最終的に市と協定を締結するまで3年以上かかったが、苦難をクリアした」と語った。

 続いて登壇した同社戸建設計本部設計二課部長・鈴木征道氏は「松原団地再生の最終区画となるコンペに当社は落選した。その悔しさをぶつける意味でもチャレンジしたプロジェクト」と開発の経緯・意図を明らかにした。

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モデルハウス(左が2階建て、右が平屋)

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提供公園(左)と協定緑地

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遊歩道(樹木など1本もない)この左右にそれぞれ50cmのグリーンベルトが整備される

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外構植栽

◇        ◆     ◇

 現地を見て、各氏の説明を聞いて、よくぞ売ったものだと脱帽した。価格は市場性にマッチしたものだと思う。獨協大学前駅西側エリアは、旧住宅公団の松原団地の再開発が進んでおり、街並みは一変した。分譲マンションの坪単価は200万円(20坪で4,000万円)を突破しているはずで、今回の分譲戸建ては駅からはややあるが4,000万円台半ばから5,000万円なら売れると予想した。5,000万円を超える住戸は敷地が広い平屋(残り6棟のうち4棟が平屋)だったので納得した。平屋好きはどこにでもいる。

 しかし、①駅から遠い②不整形の用地③第1種中高層・準住居の用途地域③送電線④幅員2mしかない遊歩道⑤通り抜けができない開発道路⑥隣地の雑草が生い茂った駐車場-普通の戸建てデベロッパーは用地取得に二の足を踏むはずだ。用地担当の目利き力が深山氏を決断させたのだろうし、1低層並みの住宅地にするという地区計画に準ずる提案に、市も首を縦に振ったのではないか。

 設備仕様では、「ぽかリッチ」は無限の可能性を秘めていると思った。床暖房を5~6時間起動させ、オフにしても1日は持つという。値段も安い。通常の床暖房施設に20万円(約4.5万円/坪)プラスするだけで済むという。ポラス暮し科学研究所 住環境G係長・福代昇一氏は「素材は保冷剤なので、原理的にはあらゆる用途に対応できる。当面は『全館空調』に勝つのが目標」と面白い話をした。

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左から福代氏、戸建分譲第一事業部営業課課長・竹入正治氏、深山氏、戸建分譲事業本部設計二部営業企画設計課係長・蕪木孝典氏、鈴木氏

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「ぽかリッチ」

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カテゴリ: 2023年度

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HIRAMEKI提供

 記者が見学し、素晴しい商品企画だと思ったタカラレーベン「レーベンプラッツ大泉学園」と総合地所「ルネテラス船橋」の分譲戸建ての植栽計画を担当した株式会社HIRAMEKI・重松剛氏から以下のようなメールが届いた。

◇        ◆     ◇

 当社(HIRAMEKI)の業務は、外構や植栽計画の「設計業務」を行っています。

 一般的に戸建分譲住宅の外構は、設計と施工を同時に行うような大手造園会社もしくはエクステリア会社に依頼することが多く、そのメリットとしては設計と施工をスムーズに行い、予算管理をしやすくするということです。

 しかし、設計と施工(工事費)をインクルーズしているがゆえにデメリットもあります。建築計画にそぐわない資材を使用したり、植栽も環境に合わないものを採用したりするなど、一見すると予算内に収まり、非常に良い業務効率と言えますが分譲住宅の連続する風景や集合体の良さが感じられないようなものとなりがちです。

 ローコスト住宅においても、使い勝手や駐車場の出入り、タイヤ痕の残りにくさ、最小限かつ最大限の魅力を作る植栽計画によって、分譲住宅の商品価値を高めることもできると思います。

 設計業務と施工業務を分離することで、コスト管理は多少面倒な部分が生まれますが、事業主の商品価値・魅力を最大限に発揮することが出来ると思っています。<株式会社HIRAMEKI><簡易外構植栽図作成サービスについて>

◇      ◆     ◇

 「設計・施工分離」か「設計・施工一体(デザインビルド)」かは、古くて新しい問題だ。従来は「設計・施工分離」が基本だった公共事業でも「デザインビルド」を採用する事例が増えている。

 現状はどうか、少し考えてみた。記者は取材するとき、設計、施工、デザイン監修は必ずチェックする。物件特性に顕著に表れるからだ。分譲マンションの場合は、「設計・施工分離」方式が採用される物件は大規模など特殊なものに限定されており、デザインビルド方式のほうが圧倒的に多い。比率にしたら8割くらいを占めるのではないか。

 このほか、最近増えているのはデザイン監修の形で全体を統括するものだ。例えば、「HARUMI FLAG」では光井純氏がマスターアーキテクトとして街全体のデザインを統括している。今後はこの種のデザイン監修が増えるのは間違いない。

 分譲戸建ての場合はどうか。まれに外構や植栽計画を著名な造園会社が担当することを明示している物件はあるが、物件概要を読んでも、「設計・施工分離」か「デザインビルド」なのか分からないものがほとんどだ。

 地球温暖化防止、街のポテンシャルアップに緑環境が大きな役割を果たしていることは言うまでもないことだが、残念ながら、現状は退行しているといわざるを得ない。

 大手ハウスメーカが参加しているプレハブ建築協会の建売住宅も例外ではない。同協会は環境行動計画「エコアクション」で、敷地の緑化面積率を40%以上確保した建売住宅の供給比率を50%以上とする目標を掲げていたが、2019年実績は14.5%にしか過ぎなかったことからか、この数値データの公表をやめてしまった。

 これはやむを得ない部分もある。住宅着工統計によると、首都圏の分譲戸建ての敷地面積は東京都は100㎡を割っており、神奈川県は111㎡、埼玉県は118㎡、千葉県でも133㎡に過ぎない。仮に建ぺい率60%の地域だとして、30坪(約100㎡)の敷地に制限いっぱいの18坪の住宅を建て、残りの12坪すべてを緑化するのは不可能だ。駐車スペースは最低4.5坪必要とされている。残り7.5坪を緑化しても緑化面積比率は25%にしかならない。

 プレ協の会員会社ですらそうなのだから、全国で供給されている分譲戸建ては推して知るべし。緑化面積比率を40%以上確保するには建ぺい率が40%のエリアか、屋上・壁面緑化を採用するほかない。1低層の比率が50%を超える世田谷区ですら緑被率は23.6%(23区平均は17.6%)だ。

 なぜ、都市の緑化は進まないのか。現行の都市緑化法、都市計画法にも問題があるといわざるを得ない。

 都市緑地法第34条は「良好な都市環境の形成に必要な緑地が不足し、建築物の敷地内において緑化を推進する必要がある区域については、都市計画に、緑化地域を定めることができる」と規定しているが、同法第4条により「緑の基本計画」を定めているのは、対象となる都市計画区域を有す全国1,374市町村のうち695市町村(50.6%)にしかすぎない。首都圏では東京都が89.5%、神奈川県が93.8%、埼玉県が73.8%、千葉県が64.6%だ。相対的に埼玉や千葉の緑環境が劣っているのはこのためだ。「緑化地域を定めることができる」とあるように、強行規定ではなく任意規定であることに一因がある。

 また、都市計画法施行令第25条第6号では、開発区域の面積が0.3ha以上5ha未満の開発行為では開発区域の3%以上の公園、緑地又は広場を設けることを義務付けているのみだ(条例で対象面積を300㎡に引き下げることが可)。自治体は、用途地域別に1区画当たり最低面積を条例で定めるところが増えているが、緑化地域制度を導入している自治体は名古屋市、横浜市、世田谷区、豊田市しかない。

 重松氏から送付された資料を添付する。分譲戸建ての植栽計画に一石を投じるものだと思う。重松氏が外構・植栽計画を担当した冒頭の「大泉学園」「船橋」と、その真逆の事例として「越谷」と「南栗橋」の記事を添付する。

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HIRAMEKIホームページから

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HIRAMEKIホームページから

敷地100坪 建物30坪の平屋 ミラースHDの戸建て「南栗橋」企画ヒット(2023/11/13

敷地延長の難点を解消したプラン光る 総合地所「ルネテラス船橋」(2016/10/1)

越谷レイクタウンで見た雑草すら生えない建売住宅の一群(2014/4/29)

タカラレーベン フェンス排除した驚嘆の戸建て「大泉学園」(2013/6/7)
 

 

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yoridokoro(拠りどころ)上尾」

ポラスグループ中央住宅は1027日、地域共生型分譲戸建て「yoridokoro(拠りどころ)上尾」のメディア向け見学会を行い、モデルハウス内覧会を1028日(土)に開始し、第1期を1110日に開始すると発表した。35区画の分譲地が2つ繋がる全70戸の、同社グループが上尾市内で分譲する最大規模の住宅地。地域と関わる専門家8名とコラボしたプロジェクトだ。

物件は、JR高崎線桶川駅から徒歩17分、埼玉県上尾市大字上字熊野の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80)に位置する全70戸。土地面積は120.10185.39㎡、建物面積は90.0495.25㎡、第1期(1213戸の予定)の予定価格は3,000万台前半~5,000万円前半。全体竣工は2024年8月の予定。

コンセプトは「地域共生」。上尾市やその周辺地域で活躍する農業経営、盆栽家、ネコの保護団体、キャンドル製造、タタミ製造、キッズ食育トレーナー、知育・脳育アドバイザー、女性の起業サポーターの8名の専門家とコラボし、入居後もワークショップを開き、個別相談にも対応していくのが特徴。

見学会の冒頭、同社戸建分譲さいたま事業部大宮営業所事業所長・関一匡氏は、「当事業所は浦和・大宮以北を中心に2007年から事業展開している。70戸という規模は当社として過去最大級。地域密着をコンセプトに、様々な専門家の方とコラボした。社内からも期待されているプロジェクト」と語った。

続いて登壇した同社戸建分譲設計本部設計一部営業企画設計課課長・古垣雄一氏は「2年前、伊奈町でマルシェを行っていた農家さんに声を掛けたことがきっかけとなり、今回の提案にたどり着いた」と話し、同課主任・菅原雄太氏は「地域密着に深く踏み込んでプランに落とし込んだ。専門家の好意で成り立ったプロジェクト。入居者の方には新たな豊かな暮らしを発見していただきたい」と話した。

大宮事業所主任・佐々木真央氏は、「この3か月間で問い合わせは58組。モデルハウス来場予約は26件。地元居住者が中心だが、東京・神奈川、千葉も2割に達するなど、子育てファミリーの注目度が高い」と説明した。

伊奈町でマルシェを行っていたのは、ベジタブルボーイズカンパニー代表・大橋一幸氏(38)で、大橋氏は「豊かな暮らしと『食』『農』はつながるものがある。住宅購入者の方と関わると、明日も頑張れというエネルギーをもらえる。様々な提案を行い、小さなつながりを造っていきたい」と話した。

屋号「鉢乃木屋」の盆栽家・齊藤真之氏は「大学の専攻は建築で、ゼネコンに8年務め、30歳になる直前に目覚め、一念発起して盆栽に没入し、今年5月に独立。妻と一緒に店を立ち上げた。アーティストなど様々な分野の方とコラボしていきたい」と語った。

モデルハウスは2棟で、1棟の2階建てには齊藤氏の作品がたくさん展示されており、もう1棟の平屋はキャットウォークが提案されているのが特徴。主な基本性能・設備仕様は、同社の標準である天井高2700ミリ、樹脂サッシ、ソフトクローズの引き戸・開き戸、挽板の床、現しの柱・梁、桐のデザイン壁などのほか、ビルトインコンロ「デリシア」、ハイブリッド給湯器「エコワン」など。

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モデルハウス(2階建て)

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モデルハウス(平屋)

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左から関氏、古垣氏、大橋氏、齊藤氏、菅原氏、佐々木氏

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齊藤氏(左)と大橋氏(大橋さん、貴殿が醜男と言っているのではない。念のため)

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 専門家とコラボするマンション・分譲戸建ては珍しくないが、地域に特化したこれほど大掛かりな戸建てプロジェクトは少ないはずだ。

 大橋氏と二言三言話しただけで旧知の仲のような気がした。記者も田舎の農家育ちだからだ。経営する農地は17町歩(1町は約1ha、多くは借地)で、従業員14名、パートを含めて35名の規模というから凄い。その苦労はよく分かる。農業で生計が立てられる世の中になってほしい。

 齊藤氏は、盆栽家として独立したばかりというのに、粋な和服姿がすっかり板につき、その道を究めた大家に見えた。憎たらしいほどいい男ではないか。

 記者はこれまで、マンションや分譲戸建て、その他の施設のフェイクグリーンをやめよと100本くらいの記事を書いてきた。齊藤氏はそれを実現してくれる傑物と見た。記者の目に狂いはない。

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齊藤氏の作品(左からセイヨウガマツカ、セッカヒノキ、ヤツブサイチョウ)

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齊藤氏

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 「地域共生」について。同社グループが今年6月に分譲開始した「防災」「環境」「自助」「共助」「コミュニティ」「環境」をテーマにした「ディスカバリープロジェクト東武動物公園 コネクト・コミュニティ」でも感じたが、難しいテーマによくぞ挑戦したと思う。佐々木氏は「どこでもできる」と語ったが、これまでどこも行わなかった。

 上尾市の令和3年度の分譲住宅着工戸数は482戸だ。今回の物件はその約15%だ。常識的に考えれば、完売まで2年、3年くらいかかっても不思議でないが、同社は早期完売を目指しているのだろう。

 価格は、見学する前に4,000万円台の前半だろうと読んだが、ほぼ予想通りだ。同業の記者の方は平屋が5,000万円を突破することに驚いていたが、驚くに値しない。建ぺい率、容積率からして土地を広くしないと平屋は建たないからだ。5,000万円を超えるのはその1戸のみだろう。平屋好きはどこにでもいる。

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yoridokoro(拠りどころ)上尾」モデルハウス(右が平屋)

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現場近くのたわわに実った柿の木(何本もあった)

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桶川駅西口のケヤキの街路樹(予算の関係か右のみ強剪定。街路樹はシンメトリーだから美しいのに、行政はこのようなことを平然と行う。業者はそれに従う。市民は異議を唱えない。つまり、いつまでたっても美しくないということ)

可視化難しい「防災」「コミュニティ」「環境」に挑戦 ポラス「東武動物公園」(2023/6/16

ポタジェ(家庭菜園)活用したワークショップ ポラス「北浦和みのりプロジェクト」(2023/4/23

まるで植物園 五感で体験できる 野村不動産 マンション総合ギャラリー「新宿」(2023/2/21

ボタニカルが最高 4つの商品・開発を発表 三菱地所ホーム(2018/5/30

いい加減にしてほしい モデルルームのケミカル製品・造花の氾濫(2017/5/23

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東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は1010日、20239月度の主不動産流通市場動向をまとめ発表した。

中古マンションの成約件数は前年同月比6.7%増の3,191件で、4か月連続して前年同月を上回った。㎡(坪)単価は同4.8%増の72.44万円(239万円)で、205月から41か月連続上昇、価格は同4.5%増の4,618万円で、206月から40か月連続上昇した。専有面積は同0.3%減の63.75㎡となった。

地域別では、成約件数は千葉県以外の地域が前年比で増加し、東京都区部は2 ケタ増となり4か月連続で前年同月を上回った。成約㎡単価は埼玉県と神奈川県他以外の地域が前年比で上昇が続き、東京都区部は41か月連続、千葉県は38 か月連続で前年同月を上回った。埼玉県は205月以来40か月ぶり、神奈川県他は2011月以来34か月ぶりに前年同月を下回った。

中古戸建は、成約件数は同2.2%減の1,099件で、221月から21か月連続で前年同月を下回った。価格は同2.2%増の3,924万円、土地面積は同3.2%減の139.52㎡、建物面積は同0.9%減の104.39㎡となった。

地域別では、成約件数は東京都区部と多摩以外の地域が前年比で減少し、千葉県は2ケタ減となり3か月連続、神奈川県他も3か月連続で前年同月を下回った。成約価格は横浜・川崎市と多摩、千葉県が前年比で上昇し、多摩は6か月連続で前年同月を上回った。

カテゴリ: 2023年度

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グローイングスクエア富士見ヶ丘グランディスト

 細田工務店は10月10日、同社の戸建分譲「グローイング・シリーズ」の最上級ブランド「GRANDIST」(グランディスト)を積極的に展開すると発表。すでに杉並区、世田谷区、中野区で6つのプロジェクトが始動しており、順次販売を開始する。

 主な特徴・仕様は、①駅徒歩3分~13分以内の立地、100㎡以上平均敷地面積②長期優良住宅×「高耐震+制振」性能(耐震等級・東京ゼロエミ住宅(敷地条件により対応出来ない分譲地あり)③ZEHレベルの高い断熱性能(断熱等性能等級5、一次エネルギー消費量等級6)④IoTに対応⑤ワンランク上の設備機器⑥防犯設備機器⑦防災設備の採用-など。

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 先日、野村不動産の「高額建売戸建」シリーズの「プラウドシーズン成城五丁目」を見学・取材したばかりだ。記者はまちがいなく売れるとみている。細田工務店にも取材を申し込み、レポートしたい。

野村不「高額建売戸建」第2弾「プラウドシーズン成城五丁目」も即日完売(2023/10/7)

 


 

 

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「プラウドシーズン成城五丁目」

野村不動産は106日、1戸当たり価格が2億円超の「高額建売戸建」の第2弾「プラウドシーズン成城五丁目」(6戸)が即日完売したと発表。同日、完成した建物2棟を報道陣に公開した。

「プラウドシーズン成城五丁目」は、小田急線成城学園前駅から徒歩8分、世田谷区成城五丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する全6戸。敷地面積は150.0445.39)160.00㎡(48.40坪)、建物面積は120.0036.30)134.14㎡(40.58坪)、価格は2億円台前半~3億円台半ば。構造規模は木造(2×4) 23階建て。設計・施工は三菱地所ホーム。入居開始は202311月末以降。

昨年1月末に分譲し圧倒的な人気で即日完売した第1弾「プラウドシーズン成城コート」(6戸)に続く「高額建売戸建」の第2弾。7月に登録申し込みを受け付けた結果、最高3倍で即日完売。来場者は80組。

街と調和し、成城エリアの景観を継承する街並みデザインとして生垣・石垣・石壁、御影石貼り私道、電柱地下化、アイアンスクリーン、約2.7mの大型サッシなどを採用。

主な基本性能・設備仕様は、敷地面積最大160㎡、建物面積120㎡以上、全館空調「エアロテック」、リビング天井高3m(2戸は4m)、2.7mハイサッシ、オーダーメイドキッチンINTENZA、タイルキッチン・カウンター天板、Miele製大型食洗機、ハンズグローエ水栓、DURAVIT2ボウル洗面、SPAGE浴室、オーク材挽き板フローリング、石張りアクセント壁、フェイクレザードア、メラミン鏡面仕上げ収納扉など。

見学会で同社住宅事業本部戸建事業部推進一課課長・吉井浩介氏は「一般的な分譲戸建てではありえない、注文住宅のリーズにも対応したオーダーメイドのプレミアム住宅にしたのが高い評価を得た」と語り、同部営業一課長・石田寛和氏は「『エアロテック』も評価ポイントの一つ」と話した。

同社はこの日6日、今後、同価格帯の分譲戸建を含め高額物件中心の販売拠点「プラウドシーズンギャラリー駒沢」を20241月に開設すると発表。東京23区内城南・城西エリアや神奈川県横浜エリアを中心に2025年までに10プロジェクトを順次販売するという。

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勾配天井高最大4mのリビングダイニング

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2ボウルの洗面

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TOTOの最高級戸建て用トイレ

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半屋内空間の「アイアンスクリーン」

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エントランス

        ◆     ◇

分譲マンションは坪1,000万円超でも飛ぶように売れている時代だ。価格が23億円台というのは全然驚かなかった。むしろ「成城学園の一等地」でこの価格は安い。「成城5丁目」の今年の地価公示は坪2,175万円だ。容積率は80%だから、1種当たり価格は272万円、今回の物件の土地代は12,342万円以上となる。建築原価は分からないが、総額で2億円台の前半というのは極めてリーズナブルな値段だと思う。

 前回の「プラウドシーズン成城コート」と今回を比較して、なぜなのかはよく分からないのだが、外構・外観・内装デザインは進化しているように感じた。

 リビングの勾配天井高4mはコスモスイニシアの戸建てでも見学しているが、ため息が出た。見る角度によって表情が変わるアイアン(調)スクリーンは、隈研吾氏もよく用いる手法で、同社の〝プラウド〟マンションにも時々採用される。

 吉井氏と名刺交換したとき、吉井氏から「プラウドシーズンひばりが丘」の話題が出た。記事を添付する。もう10年以上経過するが、この物件を超える分譲戸建てはそうないはずだ。

 「エアロテック」について。これは実際に体験しないとその快適性は理解できない。居室はもちろん、廊下も洗面も浴室もトイレも押し入れ・収納も温度をコントロールできる。野村不動産は同様の機能を持つマンション用「床快full」を開発し、高額物件を中心に採用しているが、戸建て用はまだ開発できていないようだ。三井不動産もマンション用の開発を進めているが、商品化には至っていない。

 取材の帰り、今回の物件の近くにある吉田五十八が設計した敷地面積1,861㎡、昭和42年竣工の素晴らしい木造平屋「旧猪股邸住宅」を見学した。そのあと、同業の記者の方と飲み屋を探したら、駅南口にかつて喫茶店だった店(のはず)が〝せんぺろ〟の飲み屋に変わっていた。

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幅員5mの御影石貼り私道

最高2.7億円の住戸に申し込み5件 〝プラウドシーズン〟の歴史に刻む 野村不「成城」(2022/2/8

一頭地を抜く コスモスイニシアの都市型戸建て「田園調布 桜坂」「成城」(2018/4/20

都内に比肩するものなし 野村不「プラウドシーズンひばりが丘」

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首都圏分譲戸建てグラフ.png

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都県別表.png

 別表は、住宅着工統計の1年間の首都圏都県別分譲戸建て着工戸数推移を見たものだ。月によってバラツキはあるが、コンスタントに毎月5,000戸前後が着工されており、都県別でみると、埼玉県は月ごとの変動が小さく、傾向としては埼玉県と千葉県で着工が増えている。年間では埼玉県が神奈川県を上回る可能性がありそうだ。

都県別の敷地面積、延べ床面積は、東京、神奈川、埼玉、千葉の戸数の多い順に面積、延べ床面積もほぼ小さくなっている。ただし、全てのデータを足して割るとこのような結果になる。あまり参考にはならない。

 

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東京聖徳学園聖徳大学孝和寮跡地

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 ポラスグループの中央グリーン開発は9月23日(土)、流山市の東京聖徳学園聖徳大学孝和寮跡地で「棟下式(むねおろししき)」を行った。「棟下式」は同社が作った造語で、建物を取り壊す際に、その建物に感謝の意を伝え、地域住民と一緒に楽しくお見送りするイベントで、2017年4月に初めて行ってから、今回は41例目。2019年にはグッドデザイン賞を受賞している。この日、スタッフを含め約100人が参加した。

 現地は、東武野田線江戸川台駅から徒歩12分、流山市こうのす台1082番地の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する敷地面積約2,974㎡。

 敷地内には、昭和48年11月完成(築50年)の5階建て建物が建っている。最初は髙島屋女子社員寮として、その後、東京聖徳学園 聖徳大学孝和寮(44室=女子寮)として10年前まで利用されていた。同社は10月に建物を取り壊し、敷地面積約135~140㎡の分譲戸建て19棟を建設する。

 棟下式では、神主による祝詞などセレモニーが行われ、同社千葉支店取締役支店長・小林亮一氏が「10月9日から解体作業に入り、来年の5~6月には工事は完了し、そのあと1年間後に建物が完成する予定です。地域の皆さんにはご迷惑をおかけしますが、安全を第一に取り組んでいきます」と挨拶した。

 セレモニーのあと、建物の3階部分から広場に集まった地域住民らに餅135個が撒かれ、敷地内に植わっている桜の生木で作った色鉛筆も子どもたちに配られた。

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餅撒き

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小林氏

◇        ◆     ◇

 同社の棟下式を取材するのは、第一弾の埼玉県越谷市の「越谷市南荻島プロジェクト」以来2度目だった。

 記事を添付したが、越谷市の棟下式は敷地規模も大きく、他のイベントもあったため約700名が参加した。とても楽しい取材ができた。

 今回は人数が少なく、〝当時の寮生と会えないものか〟と思案していたら、記者と同年配と思われる女性2人が隣り合わせで話しあっていた。声を掛けた。

 何と、そのうちの一人が寮長をしていた父の娘さんというではないか。近くに住む遠藤京子さん(70)だ。遠藤さんは次のように語った。

 「昭和48年11月、高島屋の柏店がオープンすると同時に女子寮が完成しました。わたしの家は取り壊わしていたので(建て替えか)、女子寮に泊めてもらったら、寮長・寮母を募集しているとのことでしたので、父が申し込み、その後約7年間勤めました。部屋は6畳大と小さな廊下しかありませんでしたが、立派な大浴場がありました。(記者の質問「男性を連れ込む? 」に)近くに男子寮があり、敷地内で一緒にバーベキュー大会などイベントもたくさんやりました。とても楽しかったですよ。(敷地内の)そこの2本の桜は、わたしの父がこんなに小さい苗木(50センチくらい)を植えたんです。廃寮になってから幽霊屋敷のようになっていたので心配していたのですが、これで一安心です」」

 -地域とつながるというのはこういうことを指すのだと思った。敷地内にはサクラなど立派に育った樹木もたくさん植えられている。全て残すのは無理としても、挿し木・接ぎ木にして街のシンボルツリーなどにしたら住民はもっと喜ぶのではないか。

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父が寮長をしていた遠藤さんも餅を1個ゲッとした

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 取材していて、一つ不思議に思ったことがある。現地も周辺エリアもみんな用途地域は第一種低層住居専用地域だ。都市計画法による高さ規制は12m以下のはずだが、当地の建物は5階建て(1層3mとして15m)だった。

 なぜ、そうなのか。多分、建築基準法第48条ただし書による認可だと思う。東京都でも事例はいくつかある。

 分譲戸建ての価格は5,000万円前後になると思う。

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業界初「棟下式」「お宝発見ツアー」大賑わい700名超 ポラス 開発予定地でイベント(2017/4/16)

 

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 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は9月11日、首都圏の2023年8月度の不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は2,367件(前年同月比0.9%増)、坪単価は244.5万円(同10.1%上昇)、成約価格は4,704万円(同9.9%上昇)、専有面積は63.50㎡(同0.2%減)、築後年数は24.19年(前年同月は23.87年)となり、成約件数は3か月連続で前年同月を上回り、坪単価は20年5月から40か月連続の上昇、成約価格は20年6月から39か月連続で前年同月を上回った。

 中古戸建住宅の成約件数は873件(同4.6%減)、成約価格は3,725万円(同1.4%減)、土地面積は138.36㎡(同9.1%減)、建物面積は102.68㎡(同2.4%減)、築後年数は22.62年(前年同月は22.62年)。成約件数は22年1月から20か月連続で前年同月を下回った。

◇        ◆     ◇

 新築マンションと連動しているからだろう、中古マンションの価格(単価)上昇が続いている。成約価格は過去10年間で約85%上昇し、成約件数もほぼ毎月2,500件以上となっている。一方で、中古戸建住宅は、この10年間で約23%しか上昇しておらず、成約件数もマンションの半数以下だ。

 いったいこの差は何か。マンションは、戸建てと比べ相対的に耐用年数が長く、交通便など利便性が高く、投資的価値も高いからだろうが、これほど大きな差が開くと、もっと中古戸建て市場が盛り上がっていいような気がするがどうだろう。

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