RBA OFFICIAL
 

IMG_0070.jpg
「体感すまいパーク朝霞」

ポラスグループの注文住宅を手掛けるポラテックとグローバルホームは92日、埼玉県朝霞市の川越街道沿いに「体感すまいパーク朝霞」をオープンする。モデルハウス4棟とセンターハウスから構成されており、モデルハウスの延床面積はリアルサイズの30坪台で、全てZEH対応。単独展示場「体感すまいパーク」としては2018年にオープンした「船橋」「柏」、2021年の「東浦和」、2022年の「越谷」に次いで5か所目。オープンを前にした91日、報道陣に公開した。

記者見学会に臨んだポラテック取締役・橋本裕一氏は、「4棟の総延べ床面積は1,372㎡、総工費は7億7,000万円。来場目標は向こう3か月で300組以上。年間受注目標は100棟。待望の東武東上線に開設することができた。朝霞はわたしの出生地でもあり、沿線4市はとてもいい市場を形成しており、目標を達成したい。体験宿泊も予定し、災害時の帰宅困難者の受け入れ、一時避難場所としても提供する予定。沿線に新たな事業所を設けることも検討している」と語った。

次の「体感すまいパーク」は2025年に「吉川南」に開設することも明らかにした。

IMG_0076.jpg
センターハウス

IMG_0033.jpg
橋本氏

4棟のモデルハウスは次の通り。価格はモデルハウス仕様。

暮らし方をデザインする ~4×4 令和最小限住宅 (造りすぎない家)~「PO HAUS 和美庵」3,500万円(105.98㎡、坪単価109万円) 日本家屋の田の字(4×4)のオーソドックスな間取りをベースに、内と外を緩やかにつなぐ約8帖の「外の間」を設え、LDKに接する通り土間、隠れ部屋を設置。仕上げ・家具には大谷石、塗り壁、格子戸、造作ベッドなどで和風住宅のよさを演出。玄関は引き戸。

Screenshot 2023-09-02 at 08-06-58 6c58f35226ba18e3b75336eb111c93b0f5b382e2.pdf.jpg

暮らし方をデザインする ~二つのヴォイドで繋がる都市型住宅~「PO HAUS ARZILL4,000万円(124.18㎡、坪単価107万円) 多家族ファミリー居住を想定した木造3階建て。3層吹き抜けと2層吹き抜けのヴォイドを設置し、スキップフロア、ライトコートを多用して家族、自然、周辺環境とのほどほどの距離感を実現した5層住宅。回遊式キッチン、造作風呂、白と黒のサッシ枠などデザインにもこだわり。

Screenshot 2023-09-02 at 08-06-40 6c58f35226ba18e3b75336eb111c93b0f5b382e2.pdf.jpg

家事と趣味を楽しむ家 ~屋上リビングの家づくり~「北辰工務店」3,000万円(116.54㎡、坪単価85万円) 共働きファミリーを想定。坪単価を抑え「家事ラク」動線を重視し、1階のキッチン、家事コーナー、洗面脱衣所、浴室、2階のランドリースペース、ウォークインクローゼットをつなげているのが特徴。リビング天井高は2950ミリ。屋上リビングも設置して狭小敷地でも空(そら)を実感できる。玄関は引き戸。

Screenshot 2023-09-02 at 08-07-17 6c58f35226ba18e3b75336eb111c93b0f5b382e2.pdf.jpg

ペットとの生活を楽しむ家 ~ヒトもペットもここちいいを詰め込んだオウチ~「HaScasa3,700万円(110.61㎡、坪単価111万円) 同社グループ初の断熱等級7を取得したツーバイシックス工法を採用。エアコン1台で室内温度をコントロール。室内中央に大きな吹抜け空間を設け、それを取り囲むように玄関、DK、バルコニー、渡り廊下を配置。LD白の家形フォルムとフラワーウォール、R曲面のタイル張り外観も特徴の一つ。

Screenshot 2023-09-02 at 08-07-32 6c58f35226ba18e3b75336eb111c93b0f5b382e2.pdf.jpg

        ◆     ◇

 4棟のモデルハウスは、ターゲット、家族構成、年代、趣向によって異なるので良し悪しの判断は難しいが、記者は「PO HAUS 和美庵」にほれ込んだ。「外の間」の中央に屋根を突き抜ける大きさのイロハモミジを植えているのがいい。大谷石や長さ約4mのキッチン・テーブルの提案も素敵だ。

 ペットと暮らすことを想定した「HaScasa」は、エアコン1台で全館空調並みが体感できる。最高に素晴らしい。記者はペットは嫌いではないが、好きでもないからよく分からないのだが、設計担当者は自宅で飼っている1歳半の犬を連れてきていた。キャンキャン鳴いたので、犬を飼ったらいいではないかと話したら、8歳の犬も飼っているという。

 3階建ての「PO HAUS ARZILL」と「北辰工務店」は多家族のファミリー層向けにぴったりだろう。狭小敷地にも対応できる。

IMG_0042.jpg
PO HAUS 和美庵」

IMG_0060.jpg
HaScasa」で

ポラス 越谷市と帰宅困難者一時滞在施設提供に関する協定/頑張れ ポラネコ(2022/10/17

家に帰りたくない〟宿泊体験した社員 ポラス「体感すまいパーク越谷」出足上々(2022/1/8

 

カテゴリ: 2023年度

Screenshot 2023-08-28 at 16-05-06 メール - 第三企画㈱ 牧田司 - Outlook.png

 積水ハウスは8月28日、同社オリジナルの耐震技術をオープン化し、賛同を得たパートナー企業と連携する業界初の共同建築事業「SI(エス・アイ)事業」を9月1日から開始すると発表した。木造住宅の耐震性を向上させるのが主な目的で、受注目標は2025年度までに年間300棟。

 過去の地震被害では、基礎と耐力壁や土台の接合部が弱点となりやすいとされている一方で、同社は独自の技術「基礎ダイレクトジョイント構法」を採用し、耐震性の高い住宅を提供してきた。

 SI事業では、同社が「スケルトン」=「S」部分の基礎、躯体、接合部を請け負い、同社グループの積水ハウス建設が施工を担当。「インフィル」=「I」部分の外装や内装はパートナー企業が担う。双方の利点を生かした地域密着型の顧客対応を可能にするという。

 パートナー企業は、2021年の住宅着工総数705棟で兵庫県ビルダー着工棟数1位の関西住宅販売、2022年の住宅着工総数815棟で茨城県ビルダー着工棟数8年連続1位のノーブルホーム、積水ハウス指定工事店として50年・本体工事1万棟を超える日立市の積豊建設。

Screenshot 2023-08-28 at 16-06-38 メール - 第三企画㈱ 牧田司 - Outlook.png

 

 

カテゴリ: 2023年度

bg-jutakuseino7-01.jpg
飯田グループホールディングス ホームページから

 「飯田グループホールディングスTCFDレポート2023」(発行日:2023年7月11日)を読んで驚くとともに、考え込んでしまった。同レポートには「2023年3月時点の基準において、当社グループで供給する約80%の住宅は、ZEH(ゼッチ)水準である『断熱等性能等級5』かつ『一次エネルギー消費量等級6』を取得しています。この性能の住宅は一般的な住宅と比べて約20%の削減効果があります」とあるではないか。

 同社はこれまで、住宅性能評価の表示項目10分野33項目(必須4分野10項目)のうち「戸建住宅の4分野で最高等級取得」を最大の〝売り〟にしてきた。4分野とは①構造の安定②劣化の軽減③維持管理・更新への配慮④空気環境だ。

 これらで最高等級を取得しているのは結構なことではあるが、同制度の評価機関で構成される住宅性能評価・表示協会の令和3年度のデータによると、同業他社もほとんど建設住宅性能等級の4分野で最高等級を取得している。同社だけが突出しているわけではない。

 また、同レポートには「2025年の『ZEH水準比率100%』等の検討を始めております」とあるが、これは文脈からすると、住宅性能評価で「断熱等性能等級5」かつ「一次エネルギー消費量等級6」取得率を100%に引き上げるということのようで、ZEHの必須要件である再生可能エネルギーを含めてネットゼロにすることではないと読める。

 ここで、同社が「国が認定した第三者機関が、客観的で公平な品質評価をおこなっているため安心」「住宅性能評価は分譲戸建の36%しか取得しておらず、取得物件のうち当社のシェアは74%」とホームページに記す住宅性能表示制度について振り返ってみる。

 同制度は、平成12年(2000年)4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づくものだ。同法第一条(目的)には「住宅の品質確保の促進、住宅購入者等の利益の保護及び住宅に係る紛争の迅速かつ適正な解決を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与すること」とあり、住宅性能表示制度は(イ)住宅の性能(構造耐力、省エネルギー性、遮音性等)に関する表示の適正化を図るための共通ルール(表示の方法、評価の方法の基準)を設け、消費者による住宅の性能の相互比較を可能にする(ロ)住宅の性能に関する評価を客観的に行う第三者機関を整備し、評価結果の信頼性を確保する(ハ)住宅性能評価書に表示された住宅の性能は、表示された性能を実現する」(住宅性能評価・表示協会ホームページ)ものだ。

 施行当時、建基法に違反しない分譲戸建てはむしろ少数派で、消費者の信頼は根底から揺らいでいた。三井不動産レジデンシャルなどは自社物件に絶対的な自信があったためか、分譲戸建て「ファインコート」の住宅性能評価書の取得を行わなかった(今でもそうか)。

 そして、施行の5年後には姉歯事件が起き、9年後には現在の飯田グループの構成会社である一建設の1,365戸、アーネストワンの465戸の戸建てで壁量不足・耐震強度不足が発覚して問題になった。当時、飯田グループの創業者で一建設社長だった故・飯田一男氏に取材したことがあるが、いつも強気の姿勢を崩さなかった飯田氏もさすがこれにはこたえたか、居直りに近い姿勢を見せ、破産も覚悟していたのを思い出す。その後、グループ6社が統合しホールディングス体制に移行したのは2013年だ。

 同社グループが住宅性能評価書の取得に積極化したのはそれからだと記憶している。同社グループか住宅性能評価制度の普及に大きな役割を果たしているのは理解できる。

 だが、しかし、記者は住宅性能評価制度以上に重要なのは、建物のエネルギー性能を星の数で評価するBELS(ベルス)、住宅の居住面積や建物の維持・管理、可変性、まちなみ、周辺環境への配慮も要件となっている長期優良住宅、CASBEEだと思っている。住宅性能評価制度を含めこれらの認証制度を一元的に管理・運用する機関を設けるべきだ。

 同社にも一言。同社は年間分譲戸建て着工戸数の3割近くを占める4万戸を供給する自他ともに認めるわが国の分譲戸建てトップランナーだ。最近の同社グループの分譲戸建てを見ていないので何とも言えないが、敷地規模は30坪、建物は28~30坪、土地代込みの平均価格は約3,000万円で、敷地はほとんどコンクリートで固められ、樹木などは1本も植えられていないのではないか。

 国土交通省と環境共創イニシアチブ(SII)のデータによると、令和3年の建売住宅のZEHビルダー/プランナー登録はわずか39件しかなく、注文住宅と建売住宅を合わせても710件(全体で5,044件)で、建売住宅ZEH化率はハウスメーカーは50.7%に達しているのに、全体では2.6%に過ぎない。

 このような現状であるからこそ、同社の目指すべきなのは「ZEH水準100%」ではなく、「ZEH化50%」に舵を切ることではないか。太陽光発電や緑被率向上などでコストがアップし、売上・利益率がダウンしても、それを数倍も上回る社会的評価を得られるはずだ。

 

カテゴリ: 2023年度

IMG_9617 (2).jpg
「HUE(ヒュー)」

 積水ハウスの新デザイン提案システム「life knit design」を体現したモデルハウス「HUE(ヒュー)」を見学取材した。同社が6月20日に発表したプレス・リリースの「life knit design」の〝生活を紡ぐ(life knit)〟ネーミングはとてもいいと思ったが、どのような提案であるかわからず、見学をお願いし、実現した。約1時間、間取り、建具・家具、仕上げ、カラーリングなどを見て回り、疑問は氷解した。月並みな言葉だが〝シンプル・イズ・ベスト〟だ。

 モデルハウスは、テキスタイルデザインを中心に衣服、家具や器、店舗や宿など多岐にわたる空間ディレクション活動を行っているデザイナー・皆川明氏が代表を務める「minäperhonen(ミナ ペルホネン)」とコラボし、「駒沢シャーウッド展示場HUE」に建設したものだ。建物は木造軸組工法2階建て延床面積190.25㎡(1F:103.25㎡2F:87.00㎡)。

 コラボが実現した経緯について、積水ハウスR&D本部デザイン設計部デザイン企画グループ グループリーダー足立奈穂氏は、「当社の100年住宅は、安心・安全のハードの部分では実現しているが、世代を超えて幸せに住んでいただける空間を提案できないかと、当社と同じように『せめて100年続くブランド』を掲げる皆川さんと意気投合して実現しました」と語った。

 「駒沢住宅展示場」と言えば、名だたるハウスメーカーが妍を競う、豪華絢爛の建物ばかり。2020年には三菱地所ホームの「ROBRA(ロブラ)」、2021年には大和ハウス工業「Wood Residence MARE-希-(マレ)」の富裕層向けモデルハウスを見学している。今回も、同様の建物だろうと考えていた。念頭には同社の「新大久保」のモデルハウスがあった。

 ところが、見当は大外れ。マホガニー、チーク、紫檀、黒檀などの高級材は使用されておらず、仕上げ材はごく一般的な住宅に採用されているものだった。モデルハウスにありがちな、個性的といえば個性的だが、押しつけがましい、これ見よがしの家具・調度品もなく、実にシンプル。何の衒いもないものだった。何だか肩透かしを食ったような気分にもなった。

 とはいえ、シンプルだからこそ〝皆川ワールド〟を垣間見たような気持がした。わが国の伝統的な染めの技法である草木染めがその一つだ。ソファ、クッション、床、カーテンなどいたるところに施されていた。クッションはプリントではなく、織りによるもの。ソファは使い込むと裏地が浮き上がるよう仕上げられていた。

 カーペットには、大小の枯葉のような文様が描かれていた。中庭や高窓から差し込む木漏れ日とともに、自然が織りなす不思議な空間を演出しようという狙いのようだ。(わが家のカーペットのコーヒーやらジュースやらその他もろもろの人生の汚点のようなシミかと思ったが)

 同じような仕掛けは、1階南側のスリット窓にも施されていた。ロールスクリーンカーテンの文様が壁や床に写り込んでいた。クッションに用いられている丸い文様は洗面室やトイレの壁などにも採用されていた。

 そこはかとない安らぎを覚えたのは1階のLDKだった。コの字形に配置したLiving(9.8帖)-Cozy Corner-Kitchen(8.3帖)は中庭の光と風、緑を取り込めるようにしていた。クチーナのシステムキッチンを採用したKitchenは独立型で、南側と北側に窓付き。その隣のDining(12.2帖)は最大2700~最小2500ミリの勾配天井を採用。天井は無垢のピーラー材(ベイマツの良材)。

 全てが没個性的かといえばそうではない。皆川氏の個性がよく表現されているのが、中二階の「トレジャールーム」と名付けられている9.8帖の空間だ。天井高は約4000ミリ、壁の四囲は木製リブパネルで張りめぐらされており、天井は「パンチカード天井」。これは、ミナペルホネンがカーペットを製作する際に、織機にパンチする位置を指示するシートを加工したもので、素材は紙だ。

 もう一つ、素晴らしいと思ったのは、遊び心もふんだんに盛り込まれている2階の提案だった。8m×6mの無柱空間を家具・収納のみでFamily hall(6.7帖+4.9帖)、kid's room (4.9帖)、Master bedroom(12.9帖)家族構成やライフスタイル・サイクルによって間取りを自由に選べ、変更できるものだ。ここに「life knit design」の真髄が注ぎ込まれていると思った。使用されている家具・収納の木もシンプルなもので、どのような置物や絵画などにもすんなりと馴染むはずだ。

image_interior_01_20230324_1_pc.jpg
キッチン(同社ホームページから)

IMG_9590.jpg
1階リビング

IMG_9591.jpg IMG_9613.jpg
1階リビング(左)と中二階の「トレジャールーム」(カーペットはシミではありません)

IMG_9599.jpg
Dining(手前)とKitchen

IMG_9600.jpg
洗面

IMG_9601 (2).jpg
トレジャールーム

IMG_9602 (2).jpg
トレジャールーム

IMG_9608.jpg
Family hallとkid's room

IMG_9609.jpg
Family hall

 ◇      ◆     ◇

 同社のプレス・リリースには「美しい空間やインテリアは、空間自体が整ったシンプルな構成と素材で成り立っていることを突きとめました」とあり、従来のインテリア提案の課題として「テイストが増えるたびに部材や素材が増えるが、膨大な選択肢がありながらもテイストが違う部材ラインナップのため、組み合わせ方が難しい」とある。

 今回の見学を通じて、「建築美」とは何かを改めて考えさせられた。〝シンプル・イズ・ベスト〟-いつの時代も変わらないということか。記者もそう生きたい。

顧客の“感性”を住まいに映し出す新デザイン「life knit design」始動 積水ハウス(2023/6/20)

「希」に見る設計依頼1か月で来場100組超 大和ハウス 富裕層向け「MARE」(2021/6/2)

業界最高級 駒沢モデルは87坪・3億円 大和ハウス 富裕層向け「MARE-希-」発売(2021/4/28)

三菱地所ホーム 木造の常識を覆す新構法「FMT」 富裕層・非住宅用途に照準(2020/9/4)

地所ホーム、積水ハウスと富裕層向け三重奏・三つ巴 三井ホームの新大久保モデル(2019/6/27)

 

カテゴリ: 2023年度

OKAK6676.jpg
左から大成建設ハウジング 立川洋之社長、隈研吾氏、大成建設 相川善郎社長

 大成建設ハウジングは7月25日、建築家・隈研吾氏とのコラボレーションによる新たな壁式鉄筋コンクリート住宅シリーズ「モクコンの家」を今年3月に発売開始したのに伴う隈氏、大成建設相川善郎社長、大成建設ハウジング立川洋之社長の3者による国立競技場でのトップ対談の模様を公開した。以下に一部を紹介する。

◇        ◆     ◇

 インタビュアー 「モクコンの家」が生まれたきっかけを教えてください。

 相川社長 大成建設ハウジングが手掛けるコンクリート住宅「パルコン」は、強さに絶対的な自信があります。その強さに、隈先生が表現する豊かなデザインと心地よさや時代に合ったスタイルを融合させるアイデアを思いつきました。「新時代の住宅モデル」の提供につながると考え、隈先生にコラボレーションをお願いしたのが経緯です。

 立川社長 「パルコン」には50年以上の長い歴史があり、「大成建設グループの技術を結集させた住宅」です。地震や台風などの多くの災害に対して、住まわれているご家族や財産をしっかりと守ってきた実績があります。

 隈氏 「コンクリートと木」は性質がまったく異なりますが、強さと柔らかさの融合を象徴する意味では、素晴らしいプロジェクトになると直感的に思いました。「モクコン」は「木」を意味する「モク」と「コンクリート」の「コン」から名づけました。

photo04.jpg
隈氏

 インタビュアー インタビューの場所である国立競技場も、隈先生がデザインに携わり、大成建設グループが施工を担当しました。東京オリンピック・パラリンピックをはじめとした多くの感動が、この場所に来ると蘇ってきます。

 隈氏 私の建築物の特徴の1つとして、「大和張り」があります。この国立競技場の貴賓室の天井にもあしらわれているのですが、木を互い違いに組む構造のことです。大和地方を発祥とする伝統的な日本のディテールであり、陰影を生むことで空間に立体感をもたらします。

 立川社長 「モクコンの家」では、2つのモデルプランをデザインしていただきました。1つは、2階建て住宅「ノキテラス」。もう1つが3階建て住宅「ハコテラス」です。

 インタビュアー 隈先生が重視された空間として、「ミュージアム」があります。博物館を意味するミュージアムを、家の中に設けた意味を教えてください。

 隈氏 単なるリビングルームとは異なり、もう少し社会に開かれた、可能性のある場所――。それが「ミュージアム」という空間です。人々がその場所に訪れ、ホームパーティーをすることもあれば、会議をすることもあるでしょう。自分のサロンとして使ってもいいですし、多種多様な社会との接点になりうると期待しています。

 自分の好む文化を誇れる展示スペースとしても活用できます。大事なコレクション、あるいは素敵な本。そういう大切にしている趣味や文化をこのミュージアムから発信する――いわばエキシビションができる場所なのです。

 インタビュアー 住宅におけるサスティナブルについてのお考えも聞かせてください。

 隈氏 安心して長く暮らすためには、空間にゆとりがあってフレキシビリティが高いことが重要になります。「モクコンの家」はそれを可能にします。

 狭義におけるサスティナビリティは、どんな材料を使っているかが注目されるでしょう。例えば、地球温暖化が叫ばれる中で、サスティナブルな材料として重宝される木をたくさん使用していますので、SDGsを考えるうえでも誇れる家ではないでしょうか。

 相川社長 大成建設グループでは、グループビジョンとして「人々が豊かで文化的に暮らせるレジリエントな社会づくりに貢献する」ことを目指しています。しかし、長く住まうためには「レジリエント」だけでは十分ではありません。

 木という日本人の文化を住宅に取り入れることで、「レジリエント」と「サスティナビリティ」の融合が実現すると考えています。

photo06.jpg
相川氏

 立川社長 近年は「サスティナブル」「レジリエント」「カーボンニュートラル」など、さまざまな言葉が注目されています。さらに、コロナ禍を契機にライフスタイルが変わりました。社会の求めるものに対して、強いコンクリート住宅をベースにいろいろな変化が楽しめるフレキシブルな住宅を提供していかなければならないと考えています。

photo05.jpg
立川氏

◇      ◆     ◇

 大成建設は今年、創業150周年を迎えた。それかあらぬか、グループ会社の大成有楽不動産の野球部が元気で、今年のRBA野球大会に同社として初めて決勝トーナメント進出を決めた。現有戦力では上位を倒すのは容易でないと記者は考えているのだが、〝奥の手〟はないのか。

Screenshot 2023-07-25 at 12-44-25 PowerPoint プレゼンテーション - 20230725建築家 隈研吾氏と大成建設グループによるトップ対談_モクコンの家誕生秘話やサスティナブルな住まいについて([...].jpg
「モクコンの家」内観

「自分の創造性を発見する場所」 隈研吾氏&大成建設ハウジング「モクコンの家」(2023/3/17)

大成有楽・伝法谷が快投1失点完投 〝ザル〟この日は返上 東建・河越は背信投球(2023/7/2)

カテゴリ: 2023年度

20230721_001.jpg 20230721_002.jpg
「剛木造 超断熱の家 プレミアム」(左)「剛木造 超空間の平屋」

 AQ Groupは7月22日~8月17日まで、「45周年・夏の大感謝祭フェア」を開催し、新商品の断熱等級7をクリアした「剛木造 超断熱の家 プレミアム」とLDK30帖、天井高2.8mの「剛木造 超空間の平屋」を合計200棟限定で先行販売する。

 断熱等級7(地域区分6地域、UA値≦0.26)の「剛木造 超断熱の家 プレミアム」は、オリジナル耐力壁「8トン壁」などを使用することで実現したもので、価格は「AQ地震建替保証」付きで、3LDKの間取りを1,610万円(税抜)~。

 「超空間の平屋」は、同社オリジナル「剛木造」のS&I設計(スケルトンインフィル設計)によりLDK30帖の無柱・壁の大空間を天井高2.8mで実現。価格は、「AQ地震建替保証」付きで、3LDKの間取りで1,590万円~(税抜)。

 フェア期間中は、最大1,000万円の最新設備などが当たる抽選会を開催する。抽選日は8月19日(土)、当選本数は45本。

 

カテゴリ: 2023年度

 ケイアイスター不動産は7月7日、規格型平屋注文住宅「IKI(イキ)」に新たな太陽光発電プラン「IKIのいきいきソーラー」を搭載したプランを同日から開始したと発表した。

 グループ会社IKIがシャープのグループ会社シャープエネルギーソリューションの設備を導入することで、平屋のメリットを生かし、電気代の高騰、自然災害リスクに対応するもの。

 プランは、太陽光パネルのみを利用する初期費用・メンテナンス費用が0円、サービス料金(月額)ガス併用住宅:3,960円(税込)/オール電化住宅:4,950円(税込)のベーシックプラン「COCORO POWER ソーラープラン」(契約期間13年、期間終了後は太陽光発電システムを顧客に無償で譲渡)のほか、太陽光パネルと蓄電池がセットになったサブスクプラン「COCORO POWER ソーラー蓄電池プラン」、設備を購入し太陽光パネルのオーナーとして自家発電をスタートできるオーナープランを用意。

 電気代はこの2年間で5割近く上昇しており、2023年6月からさらに値上げされている。政府の激変緩和措置が終了する秋以降は電気代が家計を圧迫するのは必至とみられている。平屋は広い屋根が確保でき、大容量の太陽光パネルの搭載が可能なメリットがある。

 

カテゴリ: 2023年度

IMG_7961.jpg
Make Full

 住協ホールディングスは71日、「住みこなせる家/住みこなせる町」をテーマに、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授・大月敏雄氏、東北工業大学講師・東京大学客員研究員でDOG一級建築士事務所代表取締役・齋藤隆太郎氏とコラボレーションして開発した実験住宅「Make Full」のメディア向け完成お披露目会を開催した。

 「Make Full」は、家族構成、年齢、働き方に応じて柔軟に対応できる変幻実在の家を実現したもので、〝make full use of(つかいこなす)〟の意が込められている。子育てを終えて居室が空いた場合などには自宅兼事務所、家庭文庫、レンタルスタジオ、音楽教室、アトリエ、ネイルサロン、レンタルスペース、自宅兼美容室、ホームシアターへの転用も可能だという。(1低層ではあるが50㎡以下であればこれらの用途利用も可能)

 お披露目会で同社取締役・宇野健一氏は「大月先生とは10年前かご縁があり、コロナ禍などの環境変化にも対応でき、住みこなし、使いこなせる住宅をテーマに昨年1月から共同研究を行ってきた。その成果として今回の建物を完成させた」と述べた。

 大月氏は「20年前から戸建て団地の研究を行ってきた。子育て世代が10年後、20年後、30年後も長期にわたって住みこなせ、街とつながっていける新しい戸建てが開発できないかと住協さんと共同研究してきた」と話した。

 設計など実務を担当した齋藤氏は「建築家の独り歩きではなく、デザインなど意匠も含めて住協さんのルールに基づいて設計した。大月先生、住協さんとは階段のカラーリングや屋上、断熱性、シャッターは必要か不必要化など細部まで徹底して論議した」と語った。

 物件は、西武池袋線「大泉学園」駅からバス11分バス停徒歩4分、都営大江戸線「光が丘」駅からバス10分バス停徒歩4分、練馬区大泉町1丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全4戸。分譲対象は3戸(残り1戸は同社がモデルハウスとして当分利用する予定)で、土地面積は110.48111.42㎡、建物面積は88.0589.43㎡、価格は6,380万~6,580万円。建物は完成済み。

 全4棟のうちB号棟(土地面積110.48㎡、建物面積92.2㎡)がモデルハウスに充てられており、1階がLDK、トイレ、洗面、浴室など、2階が主寝室(7帖)、居室(5.25帖)、トイレ、スタディルーム、収納など。このほか主な特徴は屋内エレベーター(他の住戸は内階段方式)外階段2階にキッチンなど水回りを設置できる下地処理-など。

IMG_7966.jpg
左から齋藤氏、大月氏、宇野氏

IMG_7992.jpg
大月氏(左)と齋藤氏

IMG_7978.jpg
〝構造梁で懸垂ができるのではないか〟と話したら齋藤氏はやってのけた(2階の主寝室、天蓋もいいかも)

          

 同社の分譲戸建てを見学するのは「グランシア三芳」(364区画)以来約20年ぶりだ。現地に着いたとき、その外観を見て面食らった。分譲戸建てだろうということはすぐわかったが、4棟ともエントランスに外階段がついていた。そして、4棟とも2階建てでああるのに搭屋のようなものが突き出ていた。二世帯住宅か賃貸併用住宅かと思った。

 実際は上段に紹介したとおりだ。コンセプトが見事に具現化されている。建具・家具はドアノブを含めて白で統一、床のフローリングは挽板、外階段は金属音が響かないように下地にモルタルを使用し、色落ちしない仕上げにしているとか、搭屋は〝行燈〟をイメージして窓の形状を変えるなど細部にわたってこだわりがみられる。設備仕様面では、窓には敢えてシャッターを設けないなどコストの抑制も図っている。難点といえば、建ぺい率が50%であるからか、建物面積がやや狭く、窮屈な感じがすることだ。

 この種の戸建て住宅は他にあるか考えた。小田急バスとブルースタジオの賃貸コラボ施設「hocco(ホッコ)」を思い出した。

 さて、ここで同社と大月先生に提案だ。100年後も住み続けられる、住みこなせる「実験住宅」がコンセプトなのだから、これはもう大月先生が有償か無償かはともかく、13年はB号棟に住み、賃借人は社会人だろうが学生だろうが、何の制約も設けず応能家賃制にして賃借人と同居していただきたい。「セーフティネット住宅」の要件を満たすかどうかは分からないが、賃料を安くする代わりに執事、あるいは弟子(齋藤氏は教え子)、書生、家政婦として酷使し、たまには酒席を設け「住みこなし」について蘊蓄を垂れるというのはどうか。希望者が殺到するのではないか。そして、その顛末を論文として発表していただきたい。〝一石三鳥〟ではないか。

 大月先生は73日に行われる国土交通省などの「住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会」(第1回)の座長を務める。「Make Full」については触れないと思うが

IMG_8003.jpg IMG_8010.jpg
現地の西側は神社に隣接

爛漫の春満喫 「hocco(ホッコ)」イベントに1000名超 小田急バス×ブルースタジオ(2022/4/2

出来すぎだ!焼杉! 見どころ多い小田急バス×ブルースタジオ「hocco(ホッコ)」(2021/10/7

カテゴリ: 2023年度

 住友不動産、東京大学大学院新領域創成科学研究科(清家剛教授)、武蔵野大学工学部サステナビリティ学科(磯部孝行講師)の3者は6月15日、省資源・省CO2工事を施した住宅改修は、戸建ての新築建て替えよりもライフサイクル脱炭素を早く達成可能であるとする研究成果を発表した。

 研究は、2050年カーボンニュートラル達成、家庭部門における脱炭素実現のためには、新築より省エネ性能が劣る物件が大半を占める既存住宅の改修に伴う環境評価手法の確立が欠かせないとし、部分リフォームからまるごとリフォーム(全面改修)まで幅広い施工実績を有する同社の協力のもと、2021年12月から両大学が開始していた。

 2022年6月に発表した第1フェーズの研究成果では、戸建住宅の施工時資源投入量・廃棄物排出量に係るCO2排出量を、「建て替え」と「改修」で比較した場合、改修の排出量は47%削減されることを実証している。

 今回の発表した第2・3フェーズでは、断熱等級4、ZEH相当の設備性能太陽光パネル約7.5kWを積載した全面改修は、約35年でライフサイクル脱炭素を達成することが可能で、新築建て替えより約10年早いことを証明した。

◇        ◆     ◇

 古屋を壊すには解体コストは馬鹿にならず、建て替えより全面改修のほうがライフサイクル脱炭素を早く達成するというのはなんとなく理解できるが、今回はそれを科学的に実証したのが凄いではないか。

 記者はいま、それなりにZEH化が進んでいる持家の着工戸数が対前年同月比で17カ月も連続して減少し、一方でZEH比率は数%しかない、価格が圧倒的に安い分譲戸建てが市場を席巻しているのに複雑な気持ちを抱いている。一言でいえば、住宅購入検討者は良質住宅を選ぶ余裕がないのが現実だ。

 もう一つ、3者に聞きたいことがある。省エネ性を高め、ZEH化を図った全面改修のほうが脱炭素の面から有効であるのはよく分かった。ただ、敷地が狭く、猫の額ほどの庭(緑)もない狭小住宅などは改修しても居住環境は全然よくならないではないか。敷地の緑化・緑(庭木)の人体への影響も含む価値の可視化や、性能が劣る住宅が建設されることによる経済的損失も研究していただきたい。

「新築そっくりさん」建替えよりCO2排出量47%削減 東大×武蔵野大×住友不(2022/6/16)

 

 

カテゴリ: 2023年度

IMG_6971.jpg
「ディスカバリープロジェクト東武動物公園 コネクト・コミュニティ」

 ポラスグループのポラスタウン開発は6月14日、「防災」「環境」「自助」「共助」「コミュニティ」「環境」をテーマにした分譲戸建て「ディスカバリープロジェクト東武動物公園 コネクト・コミュニティ」の記者見学会を行った。個別住宅のほか外構など区画割り、共用部に様々な工夫を凝らした〝意欲作〟だ。

 物件は、東武スカイツリーライン・東武日光線東武動物公園駅から徒歩10分、埼玉郡宮代町百間1丁目の第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する全37戸。現在分譲中の1期(7戸)の土地面積は120.01~128.77㎡、建物面積は96.98~106.77㎡、価格は3,230万~4,180万円。建物は木造2階建て(在来工法)。設計はポラスタウン開発、施工はポラテック。2023年2月に完成済み。3月10日から分譲を開始し、これまで3棟を成約済み。

 街づくりでは、東京・横浜を中心に防災に関する様々な事業を展開しているNPO法人日本防災環境と、ガーデンエクステリアなどの外構事業を手掛るユニソンの意見を企画段階から取り入れているのが特徴。

 身の回りにあるモノを、日常時だけではなく非日常時にも役立てる「フェーズフリー」の考え方に基づき、災害時には公園が防災拠点になるようかまどベンチ、ソーラー付きLED街路灯、東屋、井戸、AED、収納ベンチを設置。

 住居内には在宅避難を想定した防災グッズの分散収納、保安灯、家具やテレビを固定するための下地、雨水タンク、感電ブレーカー、ポータブル電源、ポタジェ、ウッドデッキなどを施している。

 また、ソフト面では、「共助」「コミュニティ」の醸成を促すよう区画割りに工夫を凝らし、管理組合も組織化し様々なイベントなどを行っていく。

 住宅のプランは、「ファミリー」「ペット」「Dinks & Active Senior」の3つを提案している。

 見学会に臨んだ同社埼玉中央事業所部長・板倉秀樹氏は「当社は年間300戸弱を販売しているポラスグループ。『環境』『防災』『コミュニティ』をテーマにした当社初の物件。専門家と試行錯誤しながら作り上げた自信作でもある。使命として今後も展開していく」と話した。

 このほか、企画・設計担当の同社埼玉中央事業所設計課係長・内田里絵氏は「管理組合を設け、防災時に共助、自助が機能するよう企画した」、日本防災環境事務局長・加藤愛梨氏は「住宅は初の取り組みだが、この地の歴史、環境アセスなどあらゆる観点から調査し、安心・安全の仕様に仕上げた」、ユニソン広報企画部部長代理・鷲津智也氏は「外構に様々な仕掛け、イベントをすることで、顔が見える、万が一の助け合いができる環境づくりを進めたい」とそれぞれ語った。

IMG_6981.jpg
左から市川氏、内田氏、板倉氏、鷲津氏、加藤氏

IMG_6983.jpg
モデルハウス(ペット)

◇        ◆     ◇

 宮代町の分譲戸建ては、バブル前に大規模分譲地を取材したことがあるが、東武動物公園駅に降り立ったのは初めてだった。同社によると、いわゆるパワービルダーの分譲戸建ては2,000万円台で分譲されているということだった。マンションなら土地代がただでも坪単価は170万円以上、20坪で3,400万円の地域で、そんなに安い戸建てが分譲されているのに複雑な気持ちがした。

 同社の物件は3,000万~4,000万円台だから、相場からして高いのだろうが、基本性能・設備仕様レベルは、これまで見学・取材した同社グループの戸建てと比較してそん色ない。

 1階のリビング天井高は2700ミリ、挽き板フローリング、床暖房、食洗機、転倒防止の下地処理、ポタジェ、雨水タンク…4,000円もする消火器も1基プレゼントするというではないか。そればかりではない。階段のステップは15段、開き戸・引き戸は全てソフトクローズ機能付き。隣に古利根川が流れる現地の浸水ハザードマップは0.5mで、過去30年間被害は出ていないようだが、敷地のかさ上げを行っている。

 共有地「モミの木公園」にはかまどベンチ、井戸ポンプ。ソーラーライト2基、収納ベンチ、AED、リードフック、クリスマスツリー用のモミノキも設けている。

 不思議に思ったのは売れ行きだった。青田売りでもよく売れている同社グループの物件なのに、3月から分譲を開始して3戸成約はいかにも少ない。販売担当の同社埼玉中央事業所営業課主任・市川絢悟氏は「当社商圏のぎりぎりの立地で、当社の認知度は低い。根気強く販売していきたい」と語り、他の関係者も「防災」は販売促進になかなかつながらないと話した。

 小生もそう思う。「環境」「防災」「コミュニティ」はとても大事なことではあるが、これらを全面に打ち出しアピールしても消費者の心をつかむのは容易でないことをこれまでの取材でいやというほど経験してきた。言葉は悪いが〝のど元過ぎれば熱さ忘れる〟(〝羮に懲りて膾を吹く〟も困ったものだが、これが悲しい人間の性)。「環境」「防災」「コミュニティ」-これらを価格に換算したらいくらになるか。はじき出せる人は一人もいない。小生はこれらを付加価値として商品に反映させて消費者に納得させられるのは価格のせいぜい1%だと思う。

 市川氏が語ったように粘り強く売るほかない。(小生が販売担当だったら、エリアの戸建てを徹底して調べて、天井高2.7m、挽き板フローリング、ソフトクローズ開き戸、Low-Eガラス…などを標準装備している物件は他にないことを証明し、隣に流れる古利根川の環境も含めてアピールするし、かまどベンチは日常的に芋煮会などに利用できるようにし、焚火もOKにする)

 物の序で。記者は現地まで約2時間、往復で4時間。東京-名古屋と一緒だ。見学会では、いつものように必死でメモを取った。何を見るか、誰が何を話すかを記録し、記事にするのが記者のイロハだからだ。

 ところが、報道陣は10名ちょっと。中にはメモなど取らず聞くだけの人、眠っている人(目をつぶっているだけだろうが)もいた。今回に限らずいつもの風景だ。メモを取らない記者は記者じゃない。単なるリライターだ。

 記者はむしろこの方たちに「あなたたちは何者だ」と質問したかったが、沈黙に徹した。物言えば唇寒し利根の川風…(ヨシキリの、声が冷たく身を責める、これが浮世か、見てはいけない…三波春夫「大利根無情」)。

 この日(14日)のもう一つの収穫は、外構担当の同社埼玉中央事業所設計課・清水博子氏からドクダミには〝八重咲き〟もあると教わったことだ。

 そして本日(16日)、「コスパ」「タイパ」「せんべろ」「設楽りさ子」を学んだ。西武は6連敗。62試合にして10度目の完封負け。交流戦最下位確定か。「公助」も「共助」も期待できず、「自助」努力で浮上するしかない。

IMG_6964.jpg
ソーラー充電器

IMG_6972.jpg
モデルハウス(ファミリー)

IMG_6976.jpg
モデルハウス(Dinks & Active Senior)

IMG_6982.jpg
モデルハウス(ペット)

IMG_6984.jpg
そばを流れる古利根川(左側が物件)

カテゴリ: 2023年度
3 / 46
 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン