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 国土交通省は2月28日、2023年1月の新設住宅着工戸数をまとめ発表。総戸数は前年同月比6.6%増の63,604戸となり、4か月ぶりの増加となった。利用関係別では、持家は16,627戸(前年同月比8.3%減、14か月連続の減少)、貸家は 24,041戸(同4.2%増、23か月連続の増加)、分譲住宅は22,698戸(同25.0%増、2か月連続の増加)。分譲住宅の内訳はマンション11,990戸(同69.6%増、2か月連続の増加)、一戸建住宅10,576戸(同3.9%減、3か月連続の減少)。マンションの分譲住宅に占める割合が戸建てを上回ったのは令和4年4月の50.3%以来9か月ぶり。首都圏と関西圏のマンションが大幅に増加したため。

 首都圏マンションは6,642戸(同124.6%増)で、6カ月連続の増加。6,000戸を超えたのは令和2年9月の7,721戸以来2年4か月ぶり。都県別では東京都4,093戸(同211.3%増)、神奈川県1,384戸(同41.1%増、埼玉県736戸(同308.9%増)、千葉県429(同10.8%減)。

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 持家の減少が止まらない理由がよく分からない。令和4年累計の戸数は16年ぶりに分譲住宅に抜かれた。このままだと令和4年度累計でも分譲に抜かれる可能性が大きい。消費マインドが冷え込んでおり、建築費もじりじり上昇を続けているが、それならば分譲住宅も影響を受けるはずだ。

 持家志向に変化が生じたとは思えないのだが、いまの20~30代の世代は分譲と賃貸、新築と中古にこだわらない層が増えているのは間違いなさそうで、あるいは賃貸居住者の住み替え志向はマンションや分譲戸建て、さらには賃貸へと向かっているからかもしれない。

 首都圏マンションの着工戸数が増加しているのはよく分かる。ここ数年、適地の不足、建築費の高騰などから漸減傾向にあったが、コロナ禍でも売れ行きは堅調だったことからデベロッパーが仕入れを強化し、攻勢に転じたと思われる。ただ、価格は一部のアッパーミドル、富裕層向けを除けば、購入検討者の取得限界にあり、市場がさらに好転するかどうかは不透明だ。今後の金利動向、消費者マインドに注視する必要がありそうだ。

 マンション市況の過去のターニングポイントは年明け、年度明け、夏休み明けに集中しており、今年1月の同社の調査によると、供給量は前年同月比37.1%減の710戸で、初月契約率は54.6%と低調だったのは気になる材料だ。

 もう一つ注視しなければならないのは、着工戸数は必ずしも実需向けでなく投資向けもかなりあるということだ。不動産経済研究所の2022年の首都圏マンション供給戸数は29,569戸だが、着工戸数は52,379戸だ。供給と着工で戸数は異なるのは当然だが、かりに不動研の戸数を捕捉率とすれば56.5%にしか過ぎない。

 残りはどうなったかだが、1つは、不動研の調査は専有面積が30㎡未満は調査対象外であるということだ。同社の投資用マンション市場動向調査では供給量は年間6,000~7,000戸台となっていることからもよく分かる。もう一つは、最近増加している再開発マンションなどの地権者住戸、さらにまた一般分譲せず縁故販売で市場には出回らない物件もあること、分譲せずリートなどへ一括で売却するケースも少なくないことがその理由として考えられる。

 記者は、最近の着工増は専有面積が30㎡未満の投資用分譲マンションの着工増が主な要因だと考えているのだが、どうだろう。ファミリー向けと比べて価格(単価)は信じられないくらい高いが、それでも売れているということは投資利回りが高いということだろうか。

 この投資用マンション市場の今後を考えるうえで興味深いリリースがオリックス銀行から2月27日に発表された。

 アーバネットコーポレーションがZEH-M Oriented仕様の投資用マンションの設計・開発を、メイクスが個人投資家への販売を担い、同行はアーバネットコーポ向けの開発資金および個人投資家向けの物件購入資金に対して、貸付金利を優遇した融資(総額4億1,700万円、金利優遇0.1%)を行った「メイクス氷川台アジールコート」37戸が2022年12月19日から販売開始し、全住戸が竣工までに完売したというものだ。

 メディア向け内覧会も同日行われたようで、不動産流通研究所のWEB「R.E.port」が28日に報じている。坪単価は400万円を割っている模様だ。記者は見ていないが、価格は安いと思う。

 

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日テレの計画地にある「番町の森」から(右は、確かに空の青には染まず屹立する「日テレスタジオ」)

 前回の続き。建築物の高さ規制より、足元の公開空地・緑地の確保のほうが大事という持論を展開しようと考えていたのだが、取りやめることにした。持論は正しいと思ってはいるが、大澤氏の主張は完璧で、番町エリアは「中層・中高層の住居系の複合市街地」と定めた都市マスタープランと、建築物の高さ規制を60m以下とすることで美しいスカイラインを形成し、歴史と文化を感じさせる街を未来につなげようと住民自らが決めた地区計画は尊重すべきという結論に達したからだ。エリア内のマンションをたくさん取材してきて、お金持ちだけの街になっていいのかという疑問はあるが、地域住民の考えを最優先すべきだと考える。

 なので、以下は記者の持論というよりは、論点を整理し、都市マスタープラン(都市マス)や地区計画、住民合意、区の公平性、日テレの企業市民としての倫理性などについて書くことにする。

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 日テレの提案は、都市計画提案制度(都市計画法第21条の2)の提案要件(土地所有者等の三分の二以上の同意と区域面積0.5ha以上)を満たしていることから区は提案を受理した。そして、区は「計画提案が行われたときは、遅滞なく、計画提案を踏まえた都市計画の決定又は変更をする必要があるかどうかを判断し」(同法第21条の3の前段)「当該都市計画の決定又は変更をする必要があると認めるときは、その案を作成しなければならない」(同後段)法の定めによって、地区計画の変更を決断したということだ。

 問題はこの後段にある。大澤氏が指摘した「都市計画マスタープラン(都市マス)は2021年5月に改定されましたが、『中層・中高層の住居系の複合市街地』の文言は維持されました。つまり、番町では『超高層』を容認しない姿勢が改めて確認された」-この肝心要の部分について区はスルーしており、令和4年12月8日に行われた千代田区都市計画審議会議でも都市マスとの整合性や、地区計画についてほとんど論議されていない。「我々が去年の3月まで皆で苦労してつくった都市計画マスタープランの精神に合致しているのかどうか、私はもう一度審議会の皆様に問いたいと思っています」という委員の発言があるのみだ。都計審とは激論などを交わす場ではないということなのか。

 あろうことか、「90mという提案が出たのは、かなり事業性の部分は抑えて、地域貢献や公共性に考え方を振ってきたのではないかと思います」と言い放った委員もある。

 日テレ担当者の発言も気になった。計画では敷地面積約12,500㎡(建ぺい率50%、容積率700%)、建築面積約6,400㎡、容積対象面積約87,500㎡となっていることについて、「1,000坪近い土地を区の公共の場所に供する。かつ、その運営も含めて日本テレビが未来永劫これを引き受けていくというのが今回の提案にございますので、単純にビルの収益が幾ら、それからそれに対する容積をどれぐらいアップということで計算したものではないことだけは、まずご理解を頂きたいと。再三、今日冒頭からお話ししましたように、一つの指針として、社内として、我々は700%の容積であれば、今後何とかその運営を含めて事業としても成り立つ」と語っている。

 先の公聴会でも公述人は、この日テレの姿勢は「言語道断」「傲慢さに呆れました」と述べたが、記者もそう思う。議事録を読んで、これでは札束で頬を張るのと一緒ではないかと。なんともやるせない気持ちになった。アンチ巨人だからいうのではない。念のため。

 日テレも企業市民として平成20年に策定された地区計画に同意したのではないのか。それから15年が経過するが、エリア一帯が劇的に変化したとは思えない。地区計画は開発を促進したり、あるいは抑制したりする諸刃の剣の側面を持つ。私権を制限することもある。しかし、その基本は住民合意、つまりみんなで民主的に決めるのが建前だ。区も地域の人たちも建物の高さを60m以下に揃えることで美しいスカイラインが描け、住環境が担保されていると考えている。それを覆すにはそれなりの説明が必要だ。

 開発にあたって駅とのバリアフリー化を図るとか、公共広場を整備する、エリアマネジメントを導入することなどは当たり前だ。どこのデベロッパーも行っている。憲法ともいうべき都市マスで将来的に中高層の街並みを形成しようと決めた矢先に、再開発等促進区に指定する必要性はどこにあるのか、記者はさっぱりわからない。区の公平性、日テレの企業倫理が問われている。

 日テレにはさらに言いたい。平成29年8月、「日本テレビ通りまちづくり方針(案)」をとりまとめ区に提出した「日テレ通りまちづくり委員会」なる組織についてだ。日テレの別動隊ではないのか。構成員は二番町町会、四番町町会、五番町町会、六番町町会、麹町三丁目町会、麹町四丁目町会、日本テレビ通り振興会とあるが、曖昧模糊、杳として知れない存在だ。この組織はその後発足した「日本テレビ通り沿道まちづくり協議会」の主要メンバーとして主導権を握り、150mプランを提示して二項対立を演出した。

 まだある。「日本テレビ番町スタジオ」だ。建物は2021年度のCFT構造賞と第23回日本免震構造協会賞作品賞を受賞した。高さ60m、窓などほとんどない、牧水の「白鳥」でもない、白亜の塔などとも呼べない、治外法権のただの箱、例えていえば福島原発の建屋そのものだ。どこが美しいのか。建物の前には警備員らしき人が、ねずみ一匹たりとも通さないぞという視線で小生を監視する。足がすくんだ。隣接する女子学院と真逆だ。「異形の建物」と書いたが失礼か。

 都計審での発言を少し紹介する。

 ・私、このままでは一気に多数決で日テレ案のイエスかノーかということだけに終わってしまうという気がしてならないのです。一体この日テレ案の今言っている5mの階高で700%(容積率)で90m(高さ)というこの三つの数字が、それとの対案で出ているもの(「番町の町並みを守る会」は階高4.6m、容積率633%、高さ60m対案を示している)の比較において、どのようにその合理性を妥協できるのかという議論がなぜなされないのかと私は不思議でなりません
 ・(地権者への)説明会をやった意見書を頂いて、賛成が47、反対が49だったということですけれども、地権者の総数がそもそも何人いらっしゃるのか、それを教えてもらいたいと思います。それと、もう一つが、区分所有で僅かな不動産しか持っていない人と、二番町にかなりの面積の不動産を持っている人とを同じ土俵で評価するのは少しおかしいと思いますので、この賛成の方と反対の方のそれぞれの面積。合計したもの、それが何㎡ずつか。それと、その比率を教えていただきたいと思います
 ・(これに対して)麹町地域まちづくり担当課長 地権者の数で、今回、登記簿ベースで二番町の全ての地権者様に説明会のご案内をしております。で、数といたしましては1,112名となっております。続きまして、意見書でございますが、数につきましては、先ほどご説明したとおりでございます。参考に、面積についても、合算を出してはいます。賛成が1万2,509㎡、反対のご意見が1,844㎡と、見取りとしてはそういった形になってございます
 ・(この答えに対して)先の委員 地権者が1,112名…今、計算しますと、賛成の方の面積が1万2,509㎡、反対が1,844㎡だとすると、賛成の方の面積の比率は87%、つまり、85%以上の人が賛成と考えてよろしいでしょうか
  ・(これに対して)担当課長 区といたしましては、この結果をもって、そういった形でという判断はしておりません(当然だ。賛成する人と反対する人のそれぞれ面積比率でもって賛否は測れない。みんな平等だ)
 ・未来永劫これからこのまちでお互いに、推進もちょっと待ってという方たちも住んでいくわけでありますから、そこのところの一番肝腎なところは、まちを二分にしない。遺恨を残さない(禍根を残さないの誤り。遺恨試合に発展しないことを祈るのみ)。これが、僕は一番大事だと思うのです
  ・二番町の地権者が1,112名だと区役所の方がおっしゃっていましたけれども、私はそれを前から知っていました。実際には二番町の地権者は大体1,000人ぐらいです。残り110名というのが多分抵当権者、銀行とかを含めてだと思うのです。それで、1,000名の地権者の中で、不動産を所有していて住んでいる人、これが何人いるかですが、僅か180軒です。だから、残り約800軒は不在地主です。持っている人は不在地主、住んでいる人は賃借人です。ですから、先生方が住民の意見とかとよく言われますけれども、賃借人は地権者ではないのです。今回のことで反対している人は二番町でもいます。どういう人が反対しているかというと、高い建物の上のほうに住んでいる人、これは反対しています。低層階に住んでいる人は、もう、千代田区の場合、日照権とかがありませんので、天空率なのです。要するに空が見えればいいと。そういう条件の中で住んでいる人が大多数なわけです。そういう人は、高い建物が出来ても、自分たちの窓から見えないから賛成なのです。駅から直結のエレベーターやエスカレータができて、便利になる。スーパーマーケットができて、便利になる。広場ができて、子どもを遊ばせることができるということで賛成します。そういう状況です。ですから、公聴会をやっても意味がないと思います。同じことの繰り返しです。反対する人は高層階に住んでいる人たちです。また、その人たちを応援する人もいます。信じられない話ですが

 (暴論だと思うので長々と紹介した。二番町の地権者1,112人の権利関係をこの委員の方はどうしで事前に把握していたか。とてつもない時間と費用がかかるはずだ。まあ、この問題はさておくとして、許せないのは、賃借人は〝日照はどうでもいい、空が見えればいい〟と蔑み、「公聴会をやっても意味がない」と語ったことであり、そのような不規則発言に対し異議を唱え、取り消しを求める人がいない都計審とは何かということだ。政治家や首長だったら即首が飛ぶはずだ。しかし、都計審では発言者の名前は公表されない。SNSのフェイクニュースとどこが違うのか)

 区は今回、区としては都市計画法第16条第1項に基づく初めての公聴会を開催した。公述申し込みは73件あり、賛成、反対それぞれ5名、合計10名が公述人として意見を述べた。WEB傍聴は163名だった。このほか賛成、反対それぞれ50名、合計100名の意見と区の見解が示されているように、とても盛況だったようだ。 

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 計画されている日テレのビルそのものは最高レベルになりそうだ。現時点でわが国最高峰の60階建て三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス西新宿タワー60」は高さ200m(単純計算で1フロア約3.3m)だ。もっとも高い階高のマンションは三井不動産レジデンシャルの27階建て「パークコート六本木ヒルトップ」だと記者は思っているのだが、1フロアの平均階高は3.5mくらいのはずだ。

 都心のオフィスでは、皇居に面した三菱地所「大手町パークビル」は29階建て150m(1フロア約5.2m)、三井不動産「Otemachi One タワー」は40階建て200m(同約5.0m)、森ビル「虎ノ門ヒルズ森タワー」は52階建て247m(同約4.8m)、千代田区内では東急不動産・鹿島建設「九段会館テラス」は17階建て75m(同約4.4m)。2027年度竣工予定の三菱地所「TOKYO TORCH」は63階建て390m(同6.2m)だ。

 「九段会館」は見学したとき、天井高は高くないと思ったが、これは歴史的建造物の建て替えで、外観、その他のデザインは最高に素晴らしかった。是非はともかく、日テレの再開発タワービルの階高は約5mとされているので、これらのビルと引けを取らないレベルとなりそうだ。

 この計画が都市計画決定されれば、高さ規制緩和に道を開くことになる。とするならば、せめて都市マスの文言を「中層・中高超高層…」か「中層・中高層など」に改めるべきだ。区は上位計画である「神田警察通り沿道賑わいガイドライン」に盛り込まれていた「豊かに育った既存の街路樹を活用する(白山通りのプラタナス・共立女子前のイチョウなど)」の文言から「など」を軽微な変更事項として課長権限で削除し、神田警察通りの街路樹伐採を容易にした前例もある。「超」「など」を潜り込ませ異議を唱えられたら「軽微な変更事項」として居直ったほうがまだ分かりやすい。

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 二番町地区地区計画(面積:12.1ha)の目標である「中層・中高層の市街地を形成」することと関連するので、総合設計制度について触れてみたい。

 東京都のデータによると、総合設計制度の適用を受けた建築物はこれまで771件あり、もっとも多いのが港区の185件、以下、千代田区の107件、中央区の97件、品川区の51件、渋谷区の45件、江東区の33件、豊島区の24件、台東区の21件。区域面積を考えれば千代田区は極めて総合設計建築物が多いことが分かる。23区で少ないのは葛飾区の7件、足立区、中野区、荒川区の各6件、杉並区の5件など。

 これだけで街の良否は測れないが、都市マスと地区計画によって住環境が担保されていることも、番町エリアのマンションの価格が高い要因の一つであるのは間違いない。番町エリアのマンションの坪単価は1,000万円を超えつつある。記者の目視した限りでは、日テレの計画地周辺には高さが60m以上の建物は見当たらず、大澤氏も番町エリアには高さが60m以上の建物はないとどこかで書いておられた。

 ※千代田区番町のマンションに興味をお持ちの方はWEB「牧田記者のこだわり記事」https://www.rbayakyu.jp/rbay-menu-kodawari「千代田区 番町」で検索していただくと2013年以降22件の記事がヒットするはずです。

「地区計画変更には大きな疑義」東洋大・大澤准教授 日テレ本社跡地再開発(2023/2/23)

隈研吾氏デザイン〝番町に負けない〟東急不 フラッグシップ「千代田富士見」(2023/1/11)

旧九段会館を保存・復原 最新鋭のオフィスとの融合 東急不・鹿島「九段会館テラス」(2022/9/9)

 



 

 

 

 

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左から中村氏、齋藤氏、増山氏

 サンフロンティア不動産は2月24日、同社グループのSFビルサポートの新しいオフィス・店舗賃貸保証サービス「TRI-WINS(トライ ウインズ)」を同日立ち上げ、サービスを開始したと発表した。

 コロナ禍による東京都の人口流出、企業倒産の増加、オフィス空室率の上昇、賃料の下落傾向に対応すると同時に「新しい資本主義の成長戦略」を見据えた戦略として、ビル経営者・入居者・社会課題に対応する〝三方良し〟の「Win-Win-Win(TRIPLE WINS)」の実現を目指すもの。

 ビル経営者が抱える収益悪化、滞納トラブルのリスク、ビル価値の下落の不安を解消し、入居者へは初期費用の負担軽減、入居審査の壁の低減を図り、同時に社会課題の解決へ貢献する。トラブルが絶えない代理店方式を採用せず、これまで5万件を超える信用調査を行ってきたノウハウを武器にする。

 記者発表会に臨んだサンフロンティア不動産代表取締役社長・齋藤清一氏は、近年の東京都の人口動態、企業倒産、オフィス賃料・空室率などの動向を紹介しながら、同社が強みとする既存オフィスの「バリューアップ」を武器に、環境保護、人材育成、地域創生に取り組み、持続可能で豊かな社会の実現を目指すと語った。

 また、SFビルサポート代表取締役社長・中村泉氏は「昨年、政府はイノベーションの鍵となるスタートアップ創出元年を宣言しました。新ブランド『TRI-WINS』を活用していただくことで、ビル経営者様には稼働率アップなど安定的なビル経営を、入居者様には有効な資金活用を実現し、合わせて社会課題解決に取り組む」とコメントした。

 当面、取り扱う対象物件は首都圏で、保証内容は賃料・共益費・その他固定費の滞納分で、保証委託料は賃料換算で2年間分。

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 中小企業庁の2022年版「中小企業白書・小規模企業白書」によると、2021年は新型コロナウイルスの流行や原油・原材料価格の高騰、部材調達難、人材不足といった問題が中小企業を直撃し、引き続き厳しい環境下にあるとしている。

 2021年の倒産件数は資金繰り支援策などの効果もあり、6,030件と57年ぶりの低水準となった。しかし、休廃業・解散件数は、前年の49,698件から46,724件へ減少したものの、民間調査が開始された2000年以降で過去3番目の高水準となっている。中小企業向け持続化給付金は終了し、金融機関の貸出残高が増加し、各業種において借入金の返済余力が低下しているとしている。

 同社が得意とする中小型の既存オフィスビルを高付加価値化させるバリューアップ事業も決して楽観視できる環境下ではないはずだ。リリースにもあるように、同社の個人事業主と新規設立3年未満の入居者の合計は全体の約30%を占めるという。一方で、スタートアップ企業の3年生存率(倒産率)は50%という厳しいデータもある。

 どうして、このような厳しい環境下で新ブランドを立ち上げたのか。代位弁済・債権回収リスクを敢えて冒してまで競争が激しいと言われるオフィス・店舗の賃貸保証サービス業に参入するのか。いま一つ分からない。

 だが、しかし〝ピンチはチャンス〟。だからこその参入なのだろう。SFビルサポート保証事業課次長・増山暁泰氏は「信用調査は2005年から5万件の実績があり、草分け的な存在」と語り、中村社長も「17年間の累計の取り扱い件数は8,000件、うち保証件数は4,000件弱。毎年1、2割ずつ積みあがっている。十分グループの事業に貢献できる」と自信を見せた。

 さらにまた、スタートアップへの年間投資額を現在の約8,000億円から2027年度に10兆円規模に引き上げる目標を掲げた政府の「スタートアップ育成5か年計画」も視野に入れているのだろう。

 齋藤社長は創業の理念である「利他」も強調した。「三方良し」&「利他」-考えてみればあらゆるビジネスに通じることだ。これなくして企業は存続できない時代であるのは確かだ。深謀遠慮の計算があっての決断だろうと理解した。

 中村社長は、わが故郷・三重県の英虞湾の突端志摩町出身だと聞いた。「近江泥棒、伊勢乞食」、つまり三方良しを編み出した近江(滋賀県)とその対極の商法で対決した伊勢商人(三重県)については明言を避けたが、ともに共通する「利他」の精神は小さいころから身についているのだろうと思った。

 

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日テレ通りと番町学園通りの交差点から二番町D地区地区計画地を望む 

 もっとも民主的な制度であるはずの地区計画の信頼性が揺らいでいる。東京都千代田区が日本テレビの提案を受け、都市計画で定めた日本テレビ本社跡地を含む二番町地区地区計画を変更し、日テレ跡地の建物の高さ制限を現行の60mから90mとする都市計画案に対する公聴会で、公述人の意見が真っ二つに分かれるなど、先行きが全く読めない展開を見せている。

 二番町地区地区計画は平成20年(2008年)、区域面積約12.1haを対象に都市計画決定された。全体として住宅、商業・業務施設が共存した複合市街地の形成を図るとし、地区特性に応じA地区(約2.4ha)、B地区(約7.3ha)、C地区(約2.4ha)の建築物の用途規制、壁面後退、高さ制限、緑化率などを定めている。

 区は、令和4年10月12日に日本テレビから二番町D地区地区計画の提案を受け、都市計画法第十五条―第二十八条の規定に基づき都市計画案を策定した。

 計画案では、従来のB地区の0.8haとC地区の0.7haを切り離し、D地区(約1.5ha)とし、さらにD地区をD-1地区(1.0ha)とD-2地区(約0.5ha)に分け、建築物の高さ制限をD-1地区は90m、D-2地区は60mとしている。除外したD地区以外の変更はないとしている。

 そして区は2023年1月26日、区としては初めての都市計画法第16条第1項に基づく公聴会を実施。公聴会では、区の案にもろ手を挙げて賛成する公述人が相次いだ。以下、主な意見を紹介する。
 ・60m以下のどこにでもあるような普通のオフィスビルよりも30m高くなりますけど、日本テレビさんの協力のもと、地下鉄のバリアフリー化や…エリアマネジメント、歩道の拡幅、バリアフリーの確保、これは非常に…重要な要素を含んでいると思います。これらを担保・実現するのであれば、建設物の高さ制限は全く問題ないと考えます
 ・(日本)テレビさんが作った「番町の庭」や「番町の森」が、子育てする地元住民にとっても大変ありがたい場所だと思います。保育園の子供たちや地元の小学生が毎日のように元気に走り回る姿はビルの立ち並ぶ都心ではなかなか見られない光景ですし、良いまちになったなと思います
 ・(日本)テレビさんを儲けさせるために高い建物をたてさせると批判される方もいらっしゃいますが、テレビさんはいままでも私たちと一緒に考えてくれていました。これからもずっと管理してくれるわけですので、本当は千代田区さんからも補助金を出してあげてもいいと思います
 ・私は、本当に100mでも120mでも150mでも、結果的にそれが地域に貢献できるんであれば、別に高さなんて気にすることはなかったと思います。でも、何が何でも60mという、その地区計画に則る形でやられて、お話がずっと頓挫していたことを考えると本当に残念です

 一方、反対意見を述べた公述人は、建築物の高さをA地区は30m(総合設計の適用を受けた建築物は40m)、B地区は50m(同60m)、C地区は60mと定めた現行の地区計画を改め、日テレの計画地を切り離し、その計画地のD -1地区の建築物の高さを90mにしていることに強い拒否の姿勢を見せた。以下、主な意見。
 ・日本テレビさんが高さ90mの具体的なプランを初めて公開されたのは昨年の7月ですから、まだ7か月ほどしかたっていません。既存のルールを変更するという大きな決断をするには、まだコンセンサスが形成されていないように思われます
 ・確かにまちづくり協議会は12回開催されておりますが、この90m案が示されたのは、昨年9月26日の、最終の第12回会議で提案されたものです。このときの審議が最初で最後であって、その具体的中身については一切議論がなされないまま、二番町の日テレ敷地の不整形の土地に地区計画を変更しようとしているわけです
 ・昨年2月4日に、3,328名の署名が、千代田区長に提出されました。これは地区計画の現行高さ制限60mを遵守して欲しいという番町住民・通勤者・通学者による、署名でございます。この公聴会の後にいきなり都市計画法17条の手続きに移るのではなく…日テレと住民が忌憚のない話し合いをして、そのギャップを縮めていただくことを提案します
 ・突然、二番町12.1haのうち日テレが1社で支配する1.5haだけを切り出し、周囲を睥睨する地域唯一の超高層ビル建設を認めるという乱暴な地区計画変更案が区から出され、驚愕しています

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日テレが整備した暫定利用の「番町の庭」(左)と「番町の森」

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番町文人通り(右は総合設計制度によって整備された歩道空間と高さ60mの「日テレ番町スタジオ」。記者は異形の建物としか思えない)

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 先日、2時間かけて件の番町エリアを歩いた。公述人が仰った地区計画の対象外エリアにある90mのオリコ本社ビルと都市センターホテル、60mの日本工営ビルを除けば、地区計画エリア内の建築物でもっとも高い建物は15階建てくらいで(1層を3~4mとすると60m)、日テレの「番町スタジオ」もまた約60mだ(それより高い既存不適格はないはずだ)。

 記者は、建築物の絶対高さ規制より足元の公開空地・緑地を確保するほうが大事だと考えているのだが、私見を述べる前に、都市計画に詳しい専門家の声を聞こうと東洋大学理工学部建築学科准教授・大澤昭彦氏にお願いした。小生は14年前、当時東京工業大学大学院社会理工学研究科・財団法人土地総合研究所研究員だった大澤氏に「100尺規制」「建築物の高さ規制」について話を聞いており、いっぺんにファンになった。見識の深さもさることながら、その男前に惚れ込んだ。

 今回も大澤氏は快く応じてくれた。大澤氏は「研究者として公平な立場でいるべきと考えていますし、その立場から見ても、二番町地区地区計画の変更については多くの問題をはらんでいます」と次のように問題点を指摘した。

1.都市計画マスタープランとの整合
 ・1998年に策定された都市計画マスタープランで当該地区を含む「番町地域」は、「中層・中高層の住居系の複合市街地」と位置付けられました。
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/machizukuri/toshi/kekaku/masterplan/bancho.html
 ・ これを受けて、番町地域の大半のエリアで地区計画が策定され、最大でも60mに制限されています。
 ・ 建築基準法ではかつて60m超の建築物を「超高層建築物」と定義していましたので、番町地域では「超高層」は認められないことを意味します。
 ・ 都市計画マスタープランは2021年5月に改定されましたが、「中層・中高層の住居系の複合市街地」の文言は維持されました。つまり、番町では「超高層」を容認しない姿勢が改めて確認されたわけです。
https://www.city.chiyoda.lg.jp/documents/17862/toshimasu-4_2.pdf
 ・ それにもかかわらず、マスタープランと整合しない地区計画の改定が行われようとしていることに違和感があります。
 ・ 再開発等促進区を定める地区計画の策定にあたって、マスタープランと整合しない内容になることはあり得ます。ただし、それはマスタープランが古く、地域の実態や社会経済環境の変化に対応できていないケースに限られます。番町の場合は、マスタープランは改定されたばかりであって、状況は全く異なります。
2.地区計画の目標・建築物等の整備の方針との整合
 ・2008年に策定された二番町地区地区計画では、都市計画マスタープランの内容を受けて、中層・中高層の街並みの形成が謳われています。
https://www.city.chiyoda.lg.jp/documents/4355/32nibanchou.pdf
 ・ さらに「建築物等の整備の方針」の中には、次のように明記されました。「建築物の高さの制限に加えて建築基準法第59条の2第1項の適用に際しても、建築物の高さの最高限度を適用することにより、建築物の高さが整った良好な街並みの形成を目指す。」
 ・ すなわち、総合設計制度等の規制緩和手法を用いても60m超を認めない姿勢を明示したわけです。この意図はとりもなおさず、番町の「中層・中高層の街並み」を守るためです。
 ・ 今回の見直しは、こうした二番町地区地区計画の考え方に反するものです。
 ・ 根本的な方針転換を図るのであれば、その合理的な根拠を示すととともに、合意形成を図るべきと思われますが、そのどちらも十分なものといえません。
3.地区計画改定の根拠の問題
 ・ 千代田区は、規制緩和の根拠として、地域の課題であった地下鉄のバリアフリーや公園の不足をあげています。規制緩和の見返りに日テレが地下鉄駅へのエレベーターや広場を整備することになっているため、これを以って緩和が認められると判断したようです。
 ・ ここで問題になるのが、バリアフリーや広場の整備の代わりに、超高層ビルが建つことで住環境が変化する可能性についての説明がなされていない点です。
 ・ つまり、規制緩和のメリットの説明だけで、負の影響について明確に示されないために、住民が適切な判断ができない(不安が解消されない)状態にあります。
 ・ また、そもそも住民が広場を求めているのかについての疑問もあります。現在、敷地内に番町の森という仮設の広場が設けられており、賑わいをみせています。ただ、南側に超高層ビルが建てば日陰になり、夏場以外、快適な広場になるとは思えません。ビル風の問題も発生することが懸念されます。
4.合意形成の問題
 ・ 地区計画改定の前に「日本テレビ通り沿道まちづくり協議会」で開催されていましたが、ここでの議論が煮詰まらない状態で、地区計画改定の手続きに移行しました。
 ・ 都市計画法第16条第2項に基づいて地権者等の意見書の提出で、賛否が拮抗したことを見ても、合意形成が不十分であると思います。
【まとめ】
  ①都市計画マスタープラン(しかも改定されたばかり)に反する計画を区自らが認めることがそもそも問題。
  ②規制緩和手法を用いても60mを超えられないと規定している現行地区計画の考え方の抜本的な方向転換となるため、その合理的な根拠の明示と合意形成が必要だが、そのどちらも欠けている。強引に再開発を進めれば、都市計画に対する信頼が大きく損なわれることになる。何のための都市計画なのか? 誰のための都市計画なのか? と住民は疑問に思っても不思議ではない。
 ③今回の変更を認めれば、他の地区でも同様の規制緩和が進む(日テレは認めたのに、なぜうちでは認められないのかといった意見が出てくる)。結果的に、マスタープランで掲げる「中層・中高層の住居系の複合市街地」が、なし崩し的に損なわれるのではないか。

◇      ◆     ◇

 みなさん、いかがか。記者はぐうの音も出ない。一つだけ疑問を呈せば「超高層建築物」とは何ぞやという問題だ。

 記者は、2023年1月30日付記事「齊藤&浅見先生、誰に読ませたいのか?! 『タワーマンションは大丈夫か?!』」で次のように書いた。

 「建基法第20条は『高さが60mを超える建築物 当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること』と定めているが、これがタワーマンションであるとか超高層建築物であるとかは規定していない。

 記者は昭和60年代の初め、『超高層マンション』の記事を書いた。東京都やUR都市機構、三井不動産などの『大川端リバーシティ21』の開発が開始され、従来の物差しでは計れないマンションが続々供給される気配を感じたからだ。定義を調べるために日本建築センターに取材したのだが、定義はなく18階以上だとか20階以上だとか聞いた覚えがある」

 つまり、大澤氏も「かつて60m超の建築物を『超高層建築物』と定義していました」と「かつて」を付しているように、「超高層」の定義ははっきりしないということだ。

 とはいえ、60mを一挙に90mに緩和する根拠はやはり希薄と言わざるを得ない。国土交通省の地区計画を策定するための「ルールづくりの進め方とポイント」でも「行政発意で始まった検討の場合でも、会議の進行は組織のリーダー等に委ねたり、住民主導の取り組みの重要性を繰り返し説明する等して、少しずつ住民主導による検討がなされるよう誘導していくことが重要である」「住民等が主体的にルールを策定するためには、意見対立が生じた場合にも、住民等で議論して自ら解決方法を見出すようにすることが望ましい」としている。

齊藤&浅見先生、誰に読ませたいのか?! 「タワーマンションは大丈夫か?!」(2023/1/30)

絶対高さ制限の背景にある100尺規制とは(2008/6/10)

全国に広がる建築物の「絶対高さ規制」「住民は知るべき 行政は伝えるべき」大澤昭彦研究員(2008/6/3)

あれから17年 国立マンション訴訟終結 支援者の「会」が上原氏への寄付募る(2017/1/8)

 

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「神宮外苑地区第一種市街地再開発事業」イメージパース

 三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事は2月17日、「神宮外苑地区第一種市街地再開発事業」の施行認可の公告が出されたと発表した。

 計画では、①神宮外苑地区のシンボルである4列のいちょう並木を始めとしたみどりの保存・継承と新たな樹林地の創造により、地区を南北に貫く「みどりの散策路」を整備②既存の老朽化したスポーツ施設を段階的に建て替え、次の100年に繋がる国際的な文化とスポーツの拠点として整備③広場や緑地などのオープンスペースを整備することにより地区内の歩行者の回遊性向上やイベントによるにぎわいを醸成する④青山通りやスタジアム通り沿道の複合・高度化を図り、複合市街地を整備⑤将来的なタウンマネジメントの役割を担う準備組織を設置し、市民参加型イベントなどの活動を計画-などが特徴。

 今後は、2023年3月下旬にラグビー場棟の建設予定エリアである明治神宮第二球場の解体工事に着手し、2036年予定の全体完成に向けてエリアごとに順次整備を行っていく。

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◇        ◆     ◇

 神宮外苑の再開発にあたっては、当初、大量の樹木が伐採されることなどから反対の声もおおく寄せられていた。記者は約30年間、神宮絵画館前の軟式野球場で行われてきたRBA野球大会を取材してきたので、思い出がいっぱい詰まっている。

 グラウンドは6面もあり、強打者などは隣り合うマウンドまで飛ばすのでしばし試合は中断された。故・水島新司さんが監督を務めていたチームとRBAの選抜チームが対決した試合も取材した。プロ野球団ヤクルトも練習場として使用しており、小生は平気で声を掛けた。選手会がストライキを行った2004年には、当時ヤクルトの選手だった稲葉篤紀氏にその是非を聞いたこともある。

 グラウンド名にはヒマラヤ、大銀杏、コブシ、ケヤキなどの名が付けられているように樹齢100年くらいの巨木が何十本も植えられていた。再開発によってテニスコート場、広場などに代わるが、敷地内の巨木はほとんど伐採されるようだ。

 計画では、計画地のオープンスペースは現行約21%から再開発後は44%へ、緑の割合は25%から30%へ、樹木は1,904本から1,998本に増えるとしている。その内訳は保存樹木889本、伐採樹木741本、移植樹木256本、移植検討樹木19本、新植樹木837本となっている。

 当初計画では伐採樹木は1,000本とされていたので、減ったのは結構だと思うが、問題はその質だ。いま、千代田区の神田警察通りの街路樹である樹齢約60年のイチョウが約30本伐採され、かわりにサクラが植えられるようになっているが、樹木には失礼だが、イチョウとサクラはまるで格が違う。

 再開発後の神宮外苑の緑と樹木の質はどうなるのかの論議が必要ではないか。

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2018年10月の台風21号で倒木したヒマラヤスギ

歴史ある樹木・緑環境はどうなるのか 神宮外苑のまちづくり始動 三井不動産ら(2022/5/21)

 


 

 

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「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業」

 野村不動産とケン・コーポレーションは2月15日、参加組合員として事業参画している「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業」が同日に権利変換計画について認可を受けたと発表した。2023年度に工事着工し、2028年度に竣工する予定。

 事業の施行地区は、東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅から約300m、「六本木ヒルズ」に隣接する約1.6ha。計画では、地上54階地下4階建て制震構造延べ床面積約約97,010㎡の超高層棟に住宅約500戸のほか事務所、商業機能を導入するほか外資系ラグジュアリーホテルブランドを誘致する。また、地区内の3つの寺社を再整備し、約11~15mの寺社3棟延べ床面積約2,740㎡を建設する。2019年4月に都市計画決定、2020年9月に再開発組合が設立認可されていた。

 基本設計は梓設計、実施設計は梓設計・大成建設、特定業務代行者は大成建設。

◇      ◆     ◇

 先日記者発表があった東急不動産「Shibuya Sakura Stage」内に建設されるマンションは坪1,500~2,000万円と書いた。こちらは「六本木ヒルズ」に隣接だ。「Shibuya Sakura Stage」より高くなるのは間違いない。

 プレス・リリースには、外資系ラグジュアリーホテルとしか記載されていないが、同じ建物内にホテルを併設するのは最近の流れでもある。

 近いものでは、「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」が入居する相鉄不動産・東急「THE YOKOHAMA FRONT」のほか、「Four Seasons Hotel」が併設される東京建物「Brillia Tower 堂島」、「ヴィラフォンテーヌ」が入る住友不動産「梅田ガーデンレジデンス」があり、その走りでもある東急不動産他「ブランズ横濱馬車道レジデンシャル」を思い出す。

 このほか、「The Apartment Bay YOKOHAMA」が入居する積水ハウス「ウェスティンホテル横浜」、ホテルなどとの複合開発では野村不動産「プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン」、住友不動産「有明ガーデン」、三井不動産レジデンシャル他「横浜北仲ノット」、スターツ「クオン流山おおたかの森」、大和ハウス工業他「ONE 札幌ステーションタワー」、「ホテルコンドミニアム」と「ホテルレジデンス」が併設される東急不動産・サンケイビル「BLISSTIA(ブリスティア)箱根仙石原」などがある。 

相鉄不・東急 横浜駅直結タワマン 第1期129戸完売 坪717万円(2022/1/26)

〝どう見ても美しい〟大阪の市場を変える 東京建物「堂島」は坪単価650万円(2021/11/25)

野村不動産の最高峰マンション 「プラウド六本木」最高のモデルルームの出来(2018/7/19)

野村不・ケンコーポ 六本木ヒルズに隣接の1.6ha再開発 住宅は500戸(2020/9/10)

恵比寿駅圏の最高峰 坪900万に迫る 野村不「恵比寿ヒルサイドガーデン」が人気(2019/4/19)

「商住共存」の適用を受けた東急不動産他「ブランズ横濱馬車道レジデンシャル」(2013/8/27)

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「Shibuya Sakura Stage」

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ロゴ

 東急不動産は2月9日、渋谷の新たなランドマークとなる「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業」のメディア向け説明会を行い、施設名を「Shibuya Sakura Stage」に決定し、2023年11月30日に竣工、順次開業を進め、2024年夏にまちびらきイベントを実施すると発表した。約90名のメディアが参加した。

 再開発は、100年に一度と言われる渋谷の再開発での渋谷駅中心地区の都市基盤整備を完成させるプロジェクト。計画地は、国道246号やJR線により東西方向、南北方向ともに分断されており、渋谷の街の特徴である谷地形の谷底から坂上に跨ぐ地形の高低差が大きい地区で、その難点を解消する駅の新改札口とつなぐ歩行者デッキや周辺地区と連携した縦軸動線「アーバン・コア」を整備し、後背地への接続を実現する。

 施設名称には、多様な人々が自らのものがたりを発見・発信する舞台でありたいという想いが込められており、ロゴにはモダンでポップ、躍動感のあるピンクのカラーを採用。

 施設のうち、SHIBUYAタワー、セントラルビル、SAKURAタワーの3棟に設けられるオフィスの基準階面積は約2,780㎡(約840坪)。大規模な企業からスタートアップ企業まで、様々な規模の企業の入居が可能。商業施設は約15,200㎡。最先端のトレンドやカルチャーを創出・情報発信を担う。

 渋谷駅中心地区で唯一整備される住宅は、「ブランズ渋谷桜丘」155戸、専有面積は約12,800㎡(1戸平均82㎡)。屋上部分には太陽光パネルを設置するなど「環境先進マンション」を目指す。

 このほか、外国人ビジネスパーソンに対応した約9,000㎡、全126室のサービスアパートメント「ハイアット ハウス 東京 渋谷」や子育て支援施設、国際医療施設、起業支援施設を併設する。

 説明会で同社代表取締役社長・岡田正志氏は、「当社の創業の地である渋谷では100年に一度と言われる大規模再開発が進行中で、当プロジェクトは1998年10月に旧再開発準備組合が設立されてから約25年。約120名の地権者との会合はこれまでほぼ毎週開催され、計640回という膨大な時間を割いて思いを紡ぎ、当社のノウハウ、リソース注ぎ込み、地元の悲願であった街の分断を解消し、渋谷の特徴でもある谷地形を克服する大規模な基盤整備などを行ってきた。この再開発事業は他に類を見ない取り組みであると自負している。

 渋谷の街の魅力は、後背地に住宅地を抱え、オフィスエリアと商業エリアが交じり合い、働く、住む、遊ぶ、憩いといったライフスタイルの全てが揃っており、それらがシームレスにつながっていることにある。今回の再開発では、これまで渋谷駅周辺にはなかった緑豊かな憩いの広場、賑わい広場も備えている。渋谷で培われた多様なカルチャーを承継し発展させ、より多様な人々を集め多様な文化を生み出すことを目指している」と語った。オフィスのリーシングについては約6割が契約済みで、竣工まで満床稼働すると自信を見せた。

 同社執行役員都市事業ユニット渋谷開発本部長・黒川泰宏氏は、分譲マンション「ブランズ渋谷桜丘」について、「環境先進マンションとして、見たことがない暮らしを実現する」と語った。全155戸のうち50戸弱が同社の持ち分で、他は地権者住戸に充てられることを明らかにした。

 施設は、施行面積約2.6ha。「SHIBUYAサイド(A街区)」「SAKURAサイド(B街区)」「日本基督教団 中渋谷教会(C街区)」から構成。事務所、店舗などの「SHIBUYAサイド」は39階建てと17階建て延床面積約184,700㎡、住宅、事務所、サービスアパートメントなどの「「SAKURAサイド」は30階建て延床面積約69,100㎡。「日本基督教団 中渋谷教会」は4階建て延床面積約820㎡。デザインアーキテクトは古谷誠章+NASCA+日建設計。基本設計・実施設計は日建設計のほか、ナスカ一級建築士事務所(SAKURAテラス)、日建ハウジングシステム(住宅部分)など。変更実施設計は鹿島・戸田建設共同企業体。

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左から黒川氏、岡田氏、同社取締役常務執行役員都市事業ユニット長・榎戸明子氏

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◇                   ◆     ◇

 会見には100名近いメディアが駆けつけた。プロジェクトの目玉の一つである分譲マンションについて、だれかが質問するかと思ったが、だれも質問しなかった。小生も、答えは返ってこないのを承知で手を挙げたが、指名はされなかった。なので、以下は記者の勝手な予想。

 まず、渋谷のイメージ。女性の記者の方が「渋谷は若い人の街のイメージ」と質問した。これに対し、岡田社長らは「多様性の街」と答えた。記者もそう思う。100年に一度の再開発で渋谷は一変した。東京駅とはもちろん、新宿や池袋、品川などとは違う。品格にはやや欠けるような気がしないではないが、街の活性化に欠かせない〝若者〟〝よそ者〟〝バカ者〟がみんな揃っている。何だか訳が分からない混沌とした風情が漂う。何かをやってのけるのではないかという大きな不安の分だけ期待も持たせてくれるのが渋谷だ。

 だから、〝イメージ〟などといったあいまいな既成概念で渋谷は語れない。後背地には青山、原宿、神宮前、代官山、恵比寿がある。

 そんな立地条件を生かせば、坪単価は1,000万円どころか1,500万円でも売れるはずだ。富士山が眺望できる条件のいい住戸なら坪2,000万円でも安いと記者は思う。10坪で2億円、20坪で4億円、30坪で6億円。独り占めできる最上階は数十億円。楽勝ではないか。設計は日本設計と日建ハウジングシステム、施工は鹿島と戸田建設。役者は揃った。

 渋谷駅圏の主なマンションについて記事を添付する。

住宅(内部イメージ).jpg
住宅 イメージ図

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サービスアパートメント イメージ図

一般分譲されない可能性高まる 旭化成不レジ「(仮称)宮益坂ビルディング建替計画」(2020/6/15)

三菱地所レジデンス 最高値更新の坪850万円「ザ・パークハウス渋谷南平台」(2018/10/4)

感動的ですらある鹿島建設「センチュリーフォレスト」(2012/1/25)

坪単価「400万円台の半ば」新日鉄都市開発「テラス渋谷美竹」(2012/1/13)

 

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 荒井勝喜首相秘書官が3日夜のオフレコ会見で、LGBTQなど性的少数者に対する差別的発言を行ったことが問題となり、その翌日、更迭されたことが報じられた。「見るのも嫌だ。隣に住んでいるのも嫌だ」「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」などの発言は断じて許せない。更迭は当然だと思うが、同時にわれわれが考えないといといけないのは、そのような重大発言が飛び出すオフレコ記者会見が常態化しており、書くか書かないかは一部のメディアの判断に委ねられていることだ。これは危うい。

 最初にこの問題を取り上げたのは、全国紙では毎日新聞のようだ。同紙は荒井氏の発言があった2月3日22:57にWEBで第一報を報じた。同紙によると、オフレコ会見に同席していたのは約10名の記者で、「現場にいた毎日新聞政治部の記者は、一連の発言を首相官邸キャップを通じて東京本社政治部に報告した。本社編集編成局で協議した結果、荒井氏の発言は同性婚制度の賛否にとどまらず、性的少数者を傷つける差別的な内容であり、岸田政権の中枢で政策立案に関わる首相秘書官がこうした人権意識を持っていることは重大な問題だと判断」(023/2/4 20:48)、オフレコを解除する旨を荒井氏に伝えたうえ記事化。4日付朝刊記事は遠慮がちの3段見出しだった。

 そのほかの全国紙では、朝日新聞は、荒井氏がオンレコ会見で発言を撤回・謝罪したのを受け日付が変わった4日0時50分付WEBで記事化し、4日付朝刊で報じている。同紙記者はオフレコ会見には同席していなかったともしている。読売新聞は4日付夕刊トップ記事で、日経新聞は4日付夕刊で、産経新聞は5日付朝刊でそれぞれ報じた。

 問題は、オフレコ会見にいなかった朝日新聞はともかく、毎日新聞が報じなかったら、同席していた約10名の記者はどうしたかということだ。同席していたメディアの釈明も知りたかった。私見を言わせていただければ、公人にオフレコなどありえない。それを許せば権力とメディアの癒着を生む。

 かく言う小生もオフレコ取材は数えきれないほど経験している。その圧倒的多数は政治問題ではなく下半身、女性問題だった(男性問題はなかった)。情報源の秘匿は記者の生命線だし、小生だって脛に傷持つ。深入りはせず、口外したことはない。

 

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新たに伐採された伸び盛りのイチョウ(切り口はまさに芳紀十八、あっ、これは雄株か)

 東京都千代田区は2月6日未明、「神田警察署通りⅡ期道路整備区域」にある街路樹であるイチョウ4本を伐採した。伐採に反対する「神田警察度通りの街路樹を守る会」(以下、「守る会」)は、「裁判で伐採の是非が問われているさ中のできごとで、昨年7月3日に区と取り交わした工事を再開する際は事前に連絡するという約束を反故にするもので、許せない」と怒りをあらわにした。

 「守る会」によると、樋口高顕区長は抗議文を受け取らず「粛々と工事を進めていく」と語ったという。また、環境まちづくり部道路公園課長・谷田部継司氏、広報担当者、総務課長らの話を総合すると、この案件の実質的な責任者である坂田融朗副区長はこの日(6日)、午後1時45分からの副区長会に出席したのち2、3の会議に出席するとかで、区に戻らずそのまま退庁したという。

 区が「工事をするときは必ず事前に連絡をします」と確約したことについては、環境まちづくり部長・印出井一美氏は「それは(昨年)7月当時の約束で、今は執行停止が出ていないから何ら法的に問題はない」と話したという。

 「守る会」の区長などに宛てた抗議文は次の通り。

 「2月6日未明 何の知らせもなく再び伐採の暴挙に怒りを通り越しています。 先般7月に工事をする時は事前に会に連絡する旨を約束していたにもかかわらず、ましてや裁判の最中であるにもかかわらず、このような事をするとは、人道上、信義に劣る事であり、断じて許せません。

 私共区民をふみにじっているとしか思えません。区長、区議会、千代田区役所に厳重に抗議するものであります」

 この問題については、区域内にある32本のうち樹齢60年超のほとんどが健全木のイチョウ30本を枯損木として伐採することが決まっている。樋口高顕区長は「現在の一致点が見出せない状況が長く続けば、意見の対立を深め地域に亀裂を生じさせることにもなりかねないと認識」「行政として苦渋の決定」として2022年4月25日、イチョウ2本を伐採した。残りの若木2本は移植するとしている。

 現在、伐採に反対する住民が「精神的苦痛を受けた」として22万円の損害賠償を求めた訴訟と、伐採決定は区の区議会への虚偽答弁によって議決された決議は無効、違法であるとした住民訴訟が係争中。

◇      ◆     ◇

 この街路樹問題については、最初に持ち上がった2016年から取材をしており、これまで40本以上の記事を書いてきた。住民の味方でも区の敵でもない街路樹の味方の小生は、〝伐採ありき〟の既定路線に沿って事業を強行してきた区側に非があると思う。住民間の分断を生んだのはひとえに区の説明不足にある。令和4年3月17日に行われた区議会企画総務委員会でも嶋崎秀彦委員長は「そうだね。それは、協議会の合意が必要だよね…そこのところの知恵出しというか、やり方というか…多少瑕疵があったのかもしれない…」と答えている。

 「守る会」が話したことが事実であれば、「工事再開の際には事前に連絡する」約束を守らなかったことにについて「あれは7月のこと」としれっと言ってのける印出井氏はひどいの一語だ。夫婦間だって一方的に約束を破ったらひと悶着起きる。公人が吐く言葉ではない。

 一番罪が深いのは樋口区長だ。「粛々と工事を進める」と語ったそうだが、「守る会」によると、6日には道路課の職員25名はほとんど出勤していなかったというではないか。

 この件で、区側に事実かどうか確認した。「工事現場に派遣した人数は答えられない。振替休日を取った人数も答えられないが、適切に処理した」との回答があった。

 なので、約5,000本の街路樹のたかが4本のイチョウを伐採するために全職員を出勤させ、当日に代休を取らせたかどうかは不明だ。とはいえ、夜陰に紛れて抜き打ち的に伐採工事を行うのは「粛々」ではないことは明らかだ。

 「守る会」の皆さんへ。今回の工事再開に対抗するため、皆さんはまたまたイチョウ抱き着き作戦を取るようだが、それは人間でいえは思春期の雄株がほとんどのイチョウの本意ではないはずだ。女性の方に抱きつかれ、しがみつかれるのは体が火照るが、皆さんの中には年齢が80歳近い方もいるという。健康が心配だ。夜は酒か養命酒でも飲んで明日の英気を養ってほしい。

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昨年5月に伐採されたイチョウ。今回は2度目の死刑判決(それでもしっかり生きていた)

これは事実か「枯損木記載は都の慣例に倣ったもの」千代田区の主張 住民訴訟(2023/1/17)

「苦汁」を飲まされたイチョウ 「苦渋の決定」には瑕疵 続「街路樹が泣いている」(2022/5/14)

なぜだ 千代田区の街路樹伐採強行 またまたさらにまた「街路樹が泣いている」(2022/5/10)

 

 

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再開発エリア(左側が「新国立劇場」)

野村不動産、住友商事、東京建物、首都圏不燃建築公社の4社は22日、参加組合員として事業参画している「西新宿三丁目西地区第一種市街地再開発事業」の市街地再開発組合を21日に設立したと発表した。

プロジェクトは、JR新宿駅と京王新線初台駅の間に位置する事業面積約4.6ha。「新国立劇場」に近接。総戸数約3,200戸の大規模集合住宅を整備するほか、駅方面の歩行者デッキ、4,500㎡の広場などを整備する。2031年の竣工を目指す。

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