街路樹虐待は許されるのか、殺していいのか 愛知県一宮市のイチョウは丸裸
葉っぱを付けることも許されない一宮駅前の街路樹(垂れ下がっているのはクリスマス用のイルミネーションのライト)
一宮・音羽通りのイチョウ(電柱より低くするためか)
以下の記事は、大京の「一宮グランフォート」「桑名八間通マスターフォート」と一緒に読んでいただきたい。「一宮」の記事では坪単価は「安いと思うが…」と書いたのには理由がある。記者はこれまでしつこいほど街路樹について書いてきた。一宮市の街路樹もまたひどい有様だった。
写真を見ていただきたい。樹種は分からないが、一つは駅前ロータリーに植わっていた樹木だ。葉っぱの形からしてナンキンハゼと思われるが、高さは4mくらいに強剪定され、葉っぱもまばら。紅葉することすら許されていない(管理者は鉄道会社か)。
もう一つは、音羽通りに植えられていたイチョウだ。樹幹の大きさから判断して樹齢は30年くらいか。高さは6mくらいにちょん切られ、ほとんど丸裸状態だ。葉っぱを付けることすら許されず、ひこばえもない。それでもよくぞ生き延びられているものだといとおしくなった。
その一方で、生殺し同然のひどい剪定を行う市に怒りが沸々と湧いた。イチョウが話すことができたなら〝いっそのこと一思いに殺してくれ〟と叫ぶのではないか。そうしたら、市民はどんな反応を示すか。小生は「街路樹の虐待はありか、殺していいのか」といいたい。「街路樹暴行罪」「わいせつ物陳列罪」の適用はないのか。
一宮市の緑被率や都市計画(用途地域)を調べた。緑被率は市域面積の35%を占めているのだが、2006年度(平成18年度)~2014年度(平成26年度)の経年変化を見ると、市街化区域では13%から5.1%と約8%減少。一宮駅や市役所が位置する本庁地区は4.8%ともっとも低い。市民一人当たりの都市公園面積は5.4㎡で、国が定める標準値(10.0㎡/人)や愛知県の平均値(7.7㎡/人)より下回っている。用途地域は商業系が10.8%、工専1.2%を含めた工業系が53.2%、第一種低層住居専用地域は1.4%だ。
長々と書いたが、読者の皆さんもお分かりのはずだ。マンション価格を引き上げられないのは、緑の量と質が劣り、街のポテンシャルが低いからだ。民力が低いといったら失礼か。
これほど緑被率が低く、工業系用途が多いのは首都圏でもそうないはずだ。例えば東京都江東区。同区の用途地域には第1・第2種低層住居専用地域は1か所もなく、商業系が10.0%、工業系が73.8%だが、1人当たり都市公園面積は6.6㎡で、緑被率は18.71%だ。
江東区のマンションは、都心に近いことから坪単価は400万円を突破しているところもある。一宮駅は名古屋駅から10分だ。名古屋が坪400万円なら、坪300万円もありかと思うが、住環境を考えるといつまでたっても名古屋に近づくことはできないのではないか。行政担当者には考えてほしい。名古屋から一宮間の景色もグレー一色で、緑は極端に少ない。
参考にはならないが、「BATON PARK-KAWABATA-RYOKUDO-」(BATON PARK)実施エリア(常緑のセンベルセコイアが見事)
3戸1エレベーター、突板フローリングがいい 大京「一宮グランフォート」(2022/10/28)
三重県初のZEH-M 立地、デザインがいい 大京「桑名八間通マスターフォート」(2022/10/28)
神田と大手町繋ぐ“外空間”の居方を検証 三菱地所「BATON PARK」社会実験(2022/10/20)
イチョウ伐採中止求める国家賠償・住民訴訟 千代田区で3件目/街路樹を原告にしたら(2022/8/8)
怒り心頭 イチョウは殺していいのか 船橋・二和向台の無残な街路樹(2021/11/12)
貧しい街路樹 低い緑被率 「緑」に対する市民の不満率44% 「八潮らしさ」を考える(2020/2/15)
大丸有エリア最大級の緑地空間6,000㎡「Otemachi One Garden」 三井物産・三井不
三井物産と三井不動産は10月25日、「Otemachi One」に大丸有エリア最大級の約6,000㎡の緑地空間「Otemachi One Garden」を12月16日(金)にオープンすると発表した。
「Otemachi One」は敷地面積約20,900㎡、31階建て三井物産ビルと40階建てOtemachi One タワーの2棟からなるオフィス・商業・多目的ホール・ホテルなど延べ床面積約358,700㎡の複合施設。
「Otemachi One Garden」は緑地空間6,000㎡。中・高木約300本、低木約6,600本を植樹し、約3,000㎡の芝生を中心としたイベントスペースや水辺空間も整備。対面に位置する皇居の広大な緑との連続性により、大手町における緑のネットワーク形成と豊かな緑地空間の創出に貢献する。
2020年2月に竣工した「Otemachi One」が備える最先端のオフィス、ホール、カンファレンス、ホテル、飲食店、ランニングステーションなどの機能に、今回「Otemachi One Garden」が新たに加わることで、都心で自然を感じながら「憩う」「潤う」「賑わう」「働く」「思索する」場を提供する。「Otemachi One Garden」のオーブンをもって両社による複合開発は完成する。
オープンを記念して12月16日(金)から25日(日)までオープニングイベント「Winter Bloom」を開催。世界的なフラワーアーティスト、ニコライ・バーグマン氏によるフラワーライブパフォーマンスや様々なイベントを行う。
緑地空間約6,000㎡の規模は、三菱地所が開発中の「TOKYO TORCH」の街区中央に位置する約7,000㎡の大規模広場「TOKYO TORCH Park」には及ばないが、「Otemachi One」に隣接する三菱地所「大手町ホトリア」の緑地面積約3,000㎡の2倍。
フラワーディスプレイ
イルミネーション
申し込み殺到するか 松屋福袋にハワイの7億円のコンドミニアム宿泊権20万円 リスト
「WAIEA(ワイエア)」アメニティデッキ
リストグループのリストインターナショナルリアルティ(LIR)は10月25日、7億円相当のハワイの高級コンドミニアム「WAIEA(ワイエア)」の宿泊体験を松屋の2023年福袋商品として1件提供すると発表した。
「WAIEA(ワイエア)」は36階建て全174戸。専有面積は約223㎡(3ベッドルーム、3バスルーム)、竣工は2016年。
福袋の応募期間は2023年1月2日(月)-3日(火)、応募場所は松屋銀座1階特設スペース。応募資格は松屋カード保有者、価格は税込202,300円。商品内容は「ワイエア」滞在権1週間(5泊7日)、松屋商品(キャリーケース、アロハシャツ、リュック、アイマスク、スーツケースタグ、圧縮袋、ネックピロー 各2点ずつ)。宿泊可能日は2023年3月1日(水)-12月31日(日)のうち7日間(別途、航空券代)。
LIRは、高級不動産仲介ブランド「サザビーズ インターナショナル リアルティ®」の日本国内での独占営業権を2010年に取得しており、ハワイでは2か所にオフィスを構え、大規模都市開発計画「ワードビレッジ」の日本におけるオフィシャルパートナーとしてコンドミニアムの売買を手掛けている。宿泊が可能な「ワイエア」は「ワードビレッジ」内で最初に販売されたコンドミニアムでオーシャンフロントに位置している。
プール
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海外のコンドミニアムは全く知らないが、対象住戸の坪単価をはじいたら1,026万円だ。都内にこの単価で総額7億円超のマンションはどれくらいあるだろうか。バブル期を含めた分譲時点で集計すれば300戸くらいありそうな気がするが、現在価格では100戸あるかどうかではないか。
そんな高級マンションに約20万円で5泊7日できるのだから、1泊当たり4万円だ。家族4人だと一人当たり1万円。これは安い。申し込みが殺到するのではないか。
だが、しかし、リスト北見社長、期待が大きいからこそあえて言わせていただく。オープンハウスは三冠王を獲得したヤクルト村上選手に「東京の家3億円」をプレゼントし、事業費5,000万円を投じて「つば九郎ハウ巣」を建設したではないか。ヤクルトが2年連続日本一になったら、オープンハウス荒井社長はまた何かやるはずだ。
北見社長と荒井社長は1965年生まれの同級生で、ともに野球好き。RBA野球大会では直接対決はどれだけあったか分からないが、通算成績はリストが80勝37敗、勝率.684、オープンハウスは41勝22敗、勝率.651だ。リストが上回っている。売上高の多寡など関係ない。オープンハウスの向こうを張って度肝を抜くプランを提案し、荒井社長の鼻を明かしていただきたい。宿泊権1件というのは少なすぎる。50件の申し込みがあるのではないか。
7億円といえば、小生は自慢じゃありませんが、三菱地所ホームの時価7億円はしそうな全館空調「エアロテック」モデルハウスに無料で1泊させてもらった。もう時効だから書くが、加藤社長からは高価なシャンパンのプレゼントもあった。浴室、トイレだけでなく押入れの中まで気温が一定で、あまりにも快適・豪華すぎて、7億円の価値を堪能することはできなかったが、記事へのアクセス数は5,000件を突破した。少しはPRに貢献したはずだ。
効果てきめん 三菱地所ホーム 全館空調「エアロテック」記者も宿泊体験(2017/10/30)
まさに紙わざ ヒントは「6」 坂茂氏が設計した芝浦工大のレストラン&カフェ
「銀座シシリア豊洲店」(芝浦工大提供)
「紙の建築」で知られる世界的建築家・坂茂氏が設計した芝浦工業大学豊洲キャンパス新棟のカフェ&レストラン&カフェを見学した。まさに「紙わざ」、壁から天井、家具、椅子に至るまで紙管がふんだんに用いられ、その美しさに見とれた。
レストランの「銀座シシリア豊洲店」は、再生紙の紙管(丸と四角)を主体材料として天井、間仕切り壁、家具などが作られており、坂氏がこれまで開発してきた紙の建築(紙管による建築の主体構造)の一環。カフェの「SIT Global Caffe empowered by Segafredo」は、このプロジェクトのために新しく開発した、白ブナ材をL字型断面に成型した合板が天井、間仕切り壁、家具などに採用されていた。
双方とも一般利用も可能で、レストランは平日・土曜日11:00~21:00(休業日は休祝日、夏季休業日、年末年始)、カフェは平日8:00~20:00、土日祝日9:00~20:00(休業日は夏季休業日、年末年始)。
「SIT Global Caffe empowered by Segafredo」
椅子とテーブル
「SIT Global Caffe empowered by Segafredo」
レストラン(左)とカフェ
◇ ◆ ◇
開業したのは先月9月21日。早く見たかったのだが、他の取材が結構入っており、この日(10月18日)になってしまった。最初に利用したのはカフェ。紙管は使用されていないが、新開発のL字型成形合板が壁や天井にルーバー状に張り巡らされていたのに目を見張った。飲食メニューも学生さんも利用することからかリーズナブルなものだと思った。
次に見学したレストランは、まさに「紙わざ」。坂先生の真骨頂である紙管が壁から天井、間仕切り、家具、椅子まで随所に使用されていた。紙が用いられていないのは床(実際は床にも紙のチップが用いられているとのことだった)くらいだった。
圧巻は、親子連れの小さな子どもが「ハチの巣みたい」と形容した天井だ。いわゆる「ハニカム構造」と呼ばれるもので、軽くて強度を損なわず、資材を有効に利用できる利点があり、そして何よりも環境に優しいというメリットがある。坂先生はこれを自宅や仮設住宅に採用して話題となった(小生は山形県鶴岡市の「SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE」を見たいのだが、お金がない)。
しばし観察した。正六角形の枠内に大きいものから小さいものまで4種類の紙管がはめ込まれ結合され、全体が波打つように天井に張り付けられていた。
紙管の数を数えた。大きい順に7個、19個、37個、61個だった。みんな素数だ。この数値は何を意味するか分からないのだが、より小さい紙管を収めるとどうなるか計算した。次は91個でその次は127個、そして169個⇒217個となった。つまり紙管は1⇒1+6×1=7⇒7+6×2=19⇒19+6×3=37⇒37+6×4=61⇒61+6×5=91⇒91+6×6=127⇒127+6×7=169+6×8=217…前の紙管の数に6の倍数を加えた数ずつ増える…だがしかし、91は1と7と91で割れるから素数ではない。ここで行きどまり。フィボナッチ数でも素数でもない、この数列は何だ。ハチの巣も雪の結晶も六角形であるのと同じ、美しいのは「6」がヒントだ。
もう一つ、これは銀座シシリアのマネージャーが話したことなのだが、波打つ紙管やアール状の間仕切り壁による反響音はことのほか大きく、オペラなどコンサートをやれば素晴らしい音が出るのではないかということだ。坂茂建築事務所に聞いたら、音響効果は特段計算していないとのことだった。
レストラン&カフェは東京メトロ豊洲駅から徒歩10分くらい。少し距離はあるが、大学までの歩道には美しいセンダンの街路樹も植わっている。散歩がてら利用されることを勧めたい。日本財団が整備し、坂先生が担当した渋谷区のシースルーのトイレ記事も添付する。
レストランエントランス
レストラン内
レストラン内
レストラン内
レストラン内 カウンター
日本財団「THE TOKYO TOILET」13か所目 後智仁氏のトイレは植栽にも注目
日本初の手をつかわないトイレ「Hi Toilet」誕生 佐藤カズー氏デザイン 日本財団PJ
坂茂氏も坂倉竹之助氏も素晴らしい 日本財団の民設民営 渋谷区公園トイレ
〝働きやすい・利用しやすい大丸有〟だが…企業担当者は自らのD&I取り組みを低評価
「大丸有エリア」の「心のバリアフリーが溢れる街づくりの実現」を目指す三菱地所、農林中央金庫、日本経済新聞社などで構成する「大丸有SDGs ACT5 実行委員会」は10月21日、大手町・丸の内・有楽町(大丸有)エリアの就業者、会社、事業所、店舗のある企業担当者(人事・D&I推進の担当者)を対象に行った2021年度D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進状況に関する調査結果をまとめ発表。
調査は、大丸有エリアで働くLGBTQ当事者1名、身体・精神・発達障害者3名、大丸有エリアに本社・営業所を置く企業のD&I推進担当者4名にヒアリングを行ったほか、大丸有エリアに勤務する10代~60代の400人、大丸有エリアに本社・店舗・営業所を置く企業152社の担当者を対象にアンケートなどで行ったもの。
「多様な価値観を受け入れていて、あらゆる属性の方が働きやすい・利用しやすい」環境かどうかを5段階で聞いたところ、「職場」では47.3%が、「街」では39.0%が「とてもそう思う」「少しそう思う」と評価した一方で、企業担当者に自社の「LGBTQ 当事者」と「障害者」への取り組みに対し聞いたところ、4点以上の評価を付けた「LGBTQ当事者」は10.7%、「身体障害者」は10.7%、「精神障害者」は12.2%、「発達・知的障害者」は9.2%に留まるなど課題もあるとしている。
この調査結果を受け、実行委員会は2022年11月11日(金)18:30~20:00、東京国際フォーラム ホールD1(東京都千代田区丸の内3-5-1)で「大丸有のD&Iをかんがえるカイギ(調査分析編)(意見交流編)」と題したイベントを開催。「知る」「共感」「巻き込む」をテーマに、企業で働く障害のある当事者や先進的企業による取り組み事例の紹介、意見交流会を行う。参加費は無料(第2部の交流会参加者は500円)。定員は100名程度。申し込み・詳細はhttps://2022act4-4.peatix.com
神田と大手町繋ぐ“外空間”の居方を検証 三菱地所「BATON PARK」社会実験
「BATON PARK-KAWABATA-RYOKUDO-」(BATON PARK)実施エリア
一般社団法人大手町歩専道マネジメントと三菱地所は10月20日、東京・大手町の歩行者専用道路「大手町川端緑道」の未来の空間活用を見据え、神田と大手町を繋ぐ場所として“外空間”の居方を検証するための社会実験「BATON PARK-KAWABATA-RYOKUDO-」(BATON PARK)を10月24日~30日の7日間、大手町仲通りで実施すると発表した。
実証実験を行うのは、三菱地所の「大手町ビル」北側の「大手町フィナンシャルシティグランキューブ」と「大手町フィナンシャルシティノースタワー」間の丸の内仲通りで、期間中は利用者の観察調査とアンケート調査を実施し、大手町フィナンシャルシティのテナントや神田エリアの地元店舗による出店も予定している。また、休日には、遊具を利用した子どもの遊び場を設け、ファミリーで楽しめる空間も提供する。実証実験には千代田区と都市再生機構が後援している。
実証実験が行われる道路の北側には、2014年に日本橋川沿いに整備された全長約780mの歩行者専用道路「大手町川端緑道」があり、さらにその北側の三菱地所が事業参画している2025年竣工予定の「(仮称)内神田一丁目計画」で予定されている人道橋架橋に繋がっている。
「BATON」には“川端緑道の将来へ繋ぐ、神田と大手町を繋ぐ、未来へのバトンの役割を担えるように”という想いが込められている。
イメージ図
実施場所
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結構な取り組みだ。三菱地所はいま、「就業者28万人×8時間から、多様な就業者100万人×最適な時間、交流し価値を生み出す」大丸有の街づくりを進めており、全長約1.2㎞の「丸の内仲通り」はその大動脈だ。道路は一方通行になっていることから車は少なく、2019年から行っている「Marunouchi Street Park」は、わが国でもっとも美しい「ウォーカブルタウン」ではないかと思う。
ただ、今回のリリースを読んでおやっと思ったことが一つあった。後援に千代田区とUR都市機構が名を連ねていることだ。両者は2017年に行われた「神田警察通り賑わい社会実験」を主導した。
双方は表となり裏となり、その後「神田警察通り沿道賑わいガイドライン」策定。2016年の第1期工事では街路樹のイチョウ並木を伐採する計画に住民らが反対したのを受け、区は「説明不足だった」と伐採せずに整備した。
ところが、今年5月、樋口高顕区長は「現在の一致点が見出せない状況が長く続けば、意見の対立を深め地域に亀裂を生じさせることにもなりかねないと認識」「(令和4年4月25日から神田警察通り道路整備Ⅱ期工事を再開したのは)行政として苦渋の決定」として神田警察通りの2期工事で街路樹のイチョウ32本を伐採することを決めた。これに対して、街路樹の伐採に反対する地域住民らは〝寝耳に水〟とし、裁判にまで発展している。
今回の両者は主役から脇役に回るのだろうが、神田警察通り2期工事の是非が問われているいま、どのような役割を演じるのか、興味津々。
千葉大名誉教授・藤井氏など専門家20氏の声 建築ジャーナル特集「木を伐るな2」(2022/8/13)
イチョウ伐採中止求める国家賠償・住民訴訟 千代田区で3件目/街路樹を原告にしたら(2022/8/8)
丸の内仲通り ウォーカブルな街づくり「Marunouchi Street Park 2022 Summer」(2022/8/3)
間伐材・端材を積極活用 三菱地所ホーム 新オフィス/七夕に愛と死と街路樹を考える(2022/7/7)
街路樹伐採やめて 住民の監査請求棄却 千代田区監査委員 区のアリバイ作り追認(2022/7/1)
またまた「街路樹が泣いている」 千代田区 街路樹伐採で賛否両論(2016/9/8)
三井不動産の海外旗艦物件「50ハドソンヤード」竣工 事業費6,000億円超
「50ハドソンヤード」
三井不動産は10月20日、米国子会社「Mitsui Fudosan America, Inc.(三井不動産アメリカ」を通じ、米国ニューヨーク市マンハッタン地区で事業参画しているオフィスビル「50ハドソンヤード」が竣工したと発表した。
物件は、マンハッタンにおける大規模複合開発「ハドソンヤード」を構成するオフィスビル群の一棟で、58階建て延べ床面積約269,000㎡。マンハッタンにおける単体オフィスビルとしても、日系企業によるオフィスビル開発事業としても過去最大級。総事業費は6,000億円超(1ドル=145円)、同社の事業シェアは9割。2018年竣工の「55ハドソンヤード」とあわせた総事業費は約8,000億円となり、同社海外事業の旗艦物件に位置づけられている。
リーシングも順調に進捗しており、すでに全体の8割以上の契約が完了。主な入居企業は「Meta(旧Facebook)」や世界最大の資産運用会社「BlackRock」など。
同社は「ビル開発事業として過去最大級」としか公表していないが、事業費規模は単体ビルとしては世界有数で、わが国国内でも森ビル「虎ノ門・麻布台プロジェクト」や三菱地所「TOKYO TORCH TOWER(トウキョウトーチ タワー)」と互角か上回ると思われる。(階高、延べ床面積はこれを上回るビルはたくさんありそう)
全景(今回の物件は左から2棟目)
未就学児対象「第4回ポラスグループおえかきコンクール」表彰式 応募は約2,500作
特別賞を受賞した12人の記念写真(ポラテック本社で)
特別優良賞を受賞したみなさんの記念写真
ポラスグループのポラスは10月16日、未就学児を対象にした「第4回ポラスグループおえかきコンクール」表彰式を行った。全国から応募があった2,521点の中から特別賞12点、特別優良賞20点など592点が表彰された。表彰式会場のポラテック本社「ウッドスクェア」には各審査委員、受賞した子ども・父母ら約90名が参加。模様はオンラインでも配信された。
表彰式でポラスグループ代表・中内晃次郎氏は「どれも色とりどりで素晴らしく、子どもならではの自由な発想で、まさに『夢の家・街』が生き生きと表現されていました。大人では考えつかないような作品ばかりで、元気いっぱいに描かれている様子が伝わり自然と笑顔になります」と挨拶した。
審査委員長・若色欣爾氏(越谷市住まい・まちづくり協議会会長)は「未就学児の皆さんにとって、絵を通して自分の夢を表現することは大変難しいと思いますが、毎回の審査をさせていただき、皆さんの発想と感性に感動と喜びを覚えます。素晴らしい企画ですので末永く継続されていくことを望みます」と講評した。
コンクールは、「住んでみたい夢の家・街」をテーマに、子どもたちに絵画でのびのびと表現してもらい、豊かな感性を育んでもらうのが目的で、同社の事業エリアである越谷市、さいたま市、草加市、松戸市、柏市、流山市などの後援を得て実施しているもの。後援各市の市長など12氏のコメントも披露された。
受賞作は越谷市中央市民会館、草加アコスホール、ポラスグループ中央住宅流山市内事業所、松戸市文化センター、さいたま市文化センターでも展示される。
中内氏
◇ ◆ ◇
未就学の段階で絵画も含め表彰されたことなど全く記憶がないが、絵を描くのが好きで、中学1年のときだったか、三重県やら全国の大会に展示された記憶があり、多少の審美眼を持ち合わせていると思う小生も、会場に展示された優良賞160点も含めて鑑賞した。中内氏をはじめ各市長、審査委員の方々が激賞したようにみんな素晴らしい作品ばかりだった。
甲乙などつけたくないが、もっとも絵画としての完成度が高いのは越谷美術協会賞を受賞した木塚彩音さん(6歳)の「くらげのおうち」だと思った。発想が素晴らしく色鉛筆、水彩絵の具、クレヨンを使った構図、色づかいが抜群だ。
もう一つ、未来の宇宙を描いた本川蒼平さん(6歳)の「わくせい 丸ごと 町 ハウス」の作品が「SDGs賞」を受賞したのに驚いた。
木塚さんと本川さんに感想を聞いた。二人とも絵画教室などに通っているわけではなく、ご両親も絵筆をとっていないようだった。木塚さんは小学2年生の姉の影響を受けており、本川さんは小学5年生の兄からSDGsのことを教えてもらっているそうだ。二人とも「とても楽しかった」と話した。
お父さん、お母さん、お子さんのこの豊かな表現力の芽を摘まないで頂きたい。こどもの芸術的表現力を削ぐのは親であり大人であり社会だ。
木塚さんと越谷美術協会事務局長・山﨑正氏
ポラス審査委員委員賞を受賞した内海琴淋さん(4歳)の「リボンとお花の家」と中央住宅グッドデザイン賞受賞ディレクター・野村壮一郎氏
本川さんと若色氏
取材の帰り立ち寄った南越谷ゴールデン街の飲食店(「地元では飲まない」という本川さんのお父さん、永田町や赤坂の飲み屋の半値で飲めますよ)
ポラス 越谷市と帰宅困難者一時滞在施設提供に関する協定/頑張れ ポラネコ
左からグローバルホーム取締役・真間正和氏、福田氏、橋本氏、ポラネコ
ポラスグループのポラテックとグローバルホームは10月16日、越谷市と「災害時における帰宅困難者一時滞在施設の提供に関する協定」を締結、同日、越谷市長・福田晃氏とポラテック取締役・橋本裕一氏が出席して「体感住まいパーク越谷」で協定調印式を行った。施設所有者のポラスは契約内容を了承する。
協定は、災害時に交通の途絶などにより帰宅困難者が発生した際に、越谷市の要請に基づき同社グループが管理する「体感すまいパーク越谷」で帰宅困難者を受け入れるもの。協定に基づく協力期間は、災害発生時から最大3日間で、トイレ、水道、冷暖房、食料、生活用品などを提供する。人数は1人につき床面積2㎡を目安に協議することになっており、想定人数は約90名。
調印式に出席した福田市長は、「災害が発生した場合、越谷市では約2.6万人の帰宅困難者が発生すると予測されている。今回の協定によって市と事業所が連携して共助できることを心強く思っている。市は市民の命と暮らし、防災をしっかり進めていく」と挨拶した。
橋本氏は、「当施設は有事には宿泊もできる。私事ながら(出身地の川越市で)消防分団長と水防団長を経験しており、その知見を生かし、スタッフの教育もしっかり行い受け入れ態勢を整えたい」と語った。
市は、同様の協定をこれまでホテル、学校、商業施設など7団体と交わしており、今回が8施設目。トータルで3,986名(一人当たり2㎡)を確保することになる。
この日は、東日本大震災と同等の揺れを体験できる地震体験車も用意され、防災イベントも行われた。両親と一緒に体験したお子さんは「心臓が止まりそうだった」と恐怖を語った。
橋本氏(左)と福田氏
「体感住まいパーク越谷」
地震体験車
◇ ◆ ◇
調印式には、オスかメスか年齢も未既婚(ネコは夫婦の契りを結ぶかどうか分からないが)かも不明だが、同社グループのマスコット「ポラネコ」も参加。ひときわ目を引いた。
小生は先日、東京ヤクルトスワローズの球団マスコット「つば九郎」のホーム2,000試合出場を祝し、オープンハウスが神宮外苑の一等地(借地)に総事業費5,000万円をかけて建設した「つば九郎ハウ巣」を見学取材した。顔は赤く腹はたるみ、見るからに生活習慣病に侵されている風情だったが、それでもいつものように筆談で質問に答えるなど愛嬌を振りまいていた。
マスコットといえば、わが西武ライオンズの「レオくん」は、西武が勝つと10回以上、距離にして20~30mをバク転してみせる。若き西武の象徴だ。
「ポラネコ」もどんなパフォーマンスを披露するのだろうかと、セレモニーそっちのけで一部始終動きを追った。「ポラネコ」は手足を左右に振り元気そうだったが、いざ、市長や橋本氏らと記念写真を撮るため祭壇に上がろうとした段階で、何と、足がもつれ段差わずか20cmの祭壇に上がれないではないか。介助人に支えられながらやっとあがる有様だった。まずいものでも食べて食あたりしたのか。
「つば九郎」や「レオくん」「くまモン」「ふなっしー」に共通するのは、彼、彼女らは単なる張りぼて、猛禽類ではなく、人間以上に人間らしい自立した存在感を示しており、それが消費者に共感を呼んでいることだ。「ポラネコ」にも頑張っていただきたいので、あえて書いた。頑張れ「ポラネコ」!
◇ ◆ ◇
次の取材先の同社「第4回 おえかきコンクール」表彰式会場に向かったら、いきなり、同社グループ野球部の主砲・清水悠紀氏から声をかけられた。名刺の肩書には「住宅品質保証 アフターメンテナンス二部 千葉ロングサポート課課長」「二級建築士」とあった。
コロナ禍でRBA野球大会は3年間中止を余儀なくされており、清水氏も「全然やっていない。選手同士との連絡もない。再開されるのであれば優勝できるよう頑張る」と話した。
清水氏
神宮外苑に総力を注いだ「つば九郎ハウ巣」公開 オープンハウス(2022/10/10)
〝家に帰りたくない〟宿泊体験した社員 ポラス「体感すまいパーク越谷」出足上々(2022/1/8)
飯田橋駅直結の26階建て複合再開発 組合設立 三菱地所など4社参画
「飯田橋駅東地区第一種市街地再開発事業」(提供:飯田橋駅東地区市街地再開発準備組合)
三菱地所、三菱地所レジデンス、大和ハウス工業、清水建設は10月12日、「飯田橋駅東地区第一種市街地再開発事業」の再開発組合の設立が認可されたと発表した。
事業は、飯田橋駅に直結する約0.7haの敷地に地下2階地上26階建て延べ床面積約46,500㎡の業務施設、住宅、商業施設を整備する複合開発。2006年12月に飯田橋三丁目7番地域の将来を考える会が発足し、2010年6月の再開発協議会設立。清水建設2011年に事業協力者として、三菱地所が2017年に準備組合に加入。今後は三菱地所、三菱地所レジデンス、大和ハウス工業、清水建設の4社が参加組合員としてプロジェクトを推進していく。2023年度の工事着手、2026年度の竣工を予定している。
近接地では、野村不動産が事業参画している約1.0haの「飯田橋駅中央地区市街地再開発事業」が進行中で、0.5haの「富士見町二丁目3番地区」、0.6haの「飯田橋3-9周辺地区」の再開発が準備中。
位置図(提供:三菱地所)と配置図(提供:再開発組合)