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左から保護実践、教育普及、子ども・学生部門大賞受賞(同協会ブレス・リリース)

 公益財団法人日本自然保護協会が3月13日行った「日本自然保護大賞2021」授賞記念シンポジウムをオンライン配信で視聴した。大賞を受賞された皆さんの活動はみんな素晴らしい!保護実践部門、教育普及部門、子ども・学生部門の3部門構成という構成もいい。

 同大賞は2014年、日本の自然保護と生物多様性の保全に大きく貢献した取り組みを表彰するため創設され、生物・生態系の研究、自然保護の実践、環境教育の推進などの優れた活動を表彰している。

 7回目の今回は、129件の応募があり、審査の結果、保護実践部門は、熊本県・天草における47年間にわたる長期的かつ総合的な自然環境保全活動を行っている吉崎和美氏が、教育普及部門は、滋賀県に拠点を持つ企業8社の連携によるによる生物多様性びわ湖ネットワーク活動「トンボ100大作戦~滋賀のトンボを救え!」が、子ども・学生部門は、兵庫県相生市の小学生兄弟によるカニの観察活動がそれぞれ大賞を受賞した。このほか、特別賞として3件が受賞した。

◇       ◆     ◇

 大賞を受賞された皆さんの活動はみんな素晴らしい。吉崎さんは、調査研究・実践年数からして70歳近いのではないか。天草の生物多様性を守るため干拓事業をやめさせた実績があるそうだ。プレゼンの最後に「これ以上の環境の衰退を止めないといけない。人間の食べ物は全て自然から得ている。人工でコントロールはできない」と締めくくったのには胸が打たれた。視聴者の「先生のスーツ姿を初めて見た」というメッセージから普段の活動ぶりがよく理解できた。

 生物多様性びわ湖ネットワーク活動は、旭化成ホームズのプレス・リリースで知ったのだが、皆さんは普段はしっかり仕事もされているはずで、企業連携だけでも難しいのに地域や専門家などを巻き込んでいるのが素晴らしい。頭が下がる。この種のSDGsの取り組みは企業価値を測る物差しになるはずだ。それにしてもわが国のトンボの種類200種のうち滋賀県に100種が生息(活動で78種を確認済みとか)するとは驚きだ。

 審査員のイルカさんも絶賛したが、相生市の小学生兄弟のプレゼンが最高に面白かった。独自の6年間の調査・観察で22科75種のカニを確認したという。「どの本にも載っていない、カニの息遣いを伝えたい」という執念・姿勢に脱帽だ。カニはすっぱいものが嫌いで、チョコレートや甘口カレーのルーをよく食べるとか、カニの毛はドライヤーで乾かそうとしてもなかなか乾かないとか、ウンコは匂わないなどの驚きの報告もあった。

 二人はカニカマが大好きだが、カニは食べないと話したのには笑ってしまった。酒のつまみに最高のカニみそを知らないのは分からないでもないが、小生の小さいころは、モズクガニが面白いように獲れたし、やはりカニみそがとてもおいしかったのを思い出す。ご兄弟!そんなにカニを愛するのなら、しっかり食べてやるのもカニのためだとおじさんは思うがどうだろう。

 来年の大賞表彰式が楽しみだ。

滋賀に拠点持つ旭化成など8社で構成する団体 「日本自然保護大賞2021」受賞(2021/3/2)
 

カテゴリ: 2020年度

 昨夜の週刊住宅に関する記事は怒りに任せて書いた。Webにアップしたとき、ちょっとやりすぎと思わないではなかったが、一夜明けても怒りは収まらない。むしろ逆だ。今後のことを考えるともう一度整理して書くべきという結論に達した。いくつか問題点を指摘する。

 一つは、このような記事をよしとする同紙の編集部・経営の問題だ。記事を事前にチェックすれば、プロの読者を満足させる内容でないことはすぐわかるはずだ。週刊紙だから取材の目的を明確にし、どこにどのように取材すればいいか、書く担当者が素人であっても指示できた時間的なゆとりはあったはずだ。

 同紙は、前社長の急死をきっかけに破綻し、その後、再刊を望む支援者の出資で復活したことはみんな知っている。その支援者に報いるためにも、旧に倍する努力でもってオピニオンペーパーの役割を果たすべきではないか。残念ながら、貴紙にはその姿勢が欠けているように思えてならない。

 もう一つ、素人記者は無知であることを恥じるどころか居直って、あろうことか現時点で最高レベルの野村不動産「プラウドタワー亀戸クロス」を俎上に上げ、そのレベルの高さには一切口をつぐんでいることが許せない。

 小生は、野村不動産が昨年2月、代表取締役社長・宮嶋誠一氏(4月1日付で副会長に就任予定)と取締役兼専務執行役員・松尾大作氏(同じく社長に就任予定)も出席して記者発表会を行ったときも、昨年末も同物件が最高レベルであることを書いた。

 その商品企画レベルは、省エネ性と居住性能を飛躍的に高める全館空調(床快full)、間取りの可変性を実現した「Mi-liful(ミライフル)」、断熱性能の高い樹脂サッシとLow-Eガラス、電気室への浸水を防ぐ止水扉など他社の追随を許さない。大げさに言えばマンションの歴史を塗り替えた記念碑的なマンションだ。

 そんなマンションなのに、週刊住宅の記事によれば、地元業者は他の物件と十把一絡げにして「そこそこの売れ行き」とみているようだ。亀戸のポテンシャルを引き上げるためにも、この誤解を解くべきだ。「亀戸」で坪単価350万円は確かに高いと思う。第一次取得層の取得限界を超えている。それがゆえに「そこそこ」であったとしても、もう一度しっかりと物件特性を伝えるべきだ。

 そこでお願いだ。この記者をモデルルームに呼んで、レクチャーしていただきたい。本人は「定点観測を続けたい」と言っているではないか。ここでしっかり「最高レベル」マンションとはどのようなものなのか認知させることは、今後続々供給される御社の城東エリアの再開発マンションにもつながるだろうし、デベロッパーは記者を育てる役割を担っているはずだ。

 記者の方にも再度言いたい。昨日はかなり辛辣なことを書いた。二度と立ち直れなくなったらどうしようかという心配もないわけではないが、これしきのことでへこたれるようではそもそも記者になる資格がない。人は過ちを犯すものだ。今回の蹉跌を糧に一流の業界紙記者を目指してほしい。

 そのためには、昨日も書いたが評論家などの言葉を信じないことだ。小生は業界紙の記者になってからすぐ、この業界には〝評論家〟と呼べる人は、故・佐藤美紀雄氏(2005年9月17日死去)しかいないことを知った。佐藤氏の死後も佐藤氏を超える〝評論家〟は一人も出現していない。〝御用評論家〟ばかりだ。

 そんな人たちに頼らず、ジャーナリストとして自立の道を歩んでいただきたい。

いい加減にしろ 野村不「亀戸」を知らず、地元の賃貸業者に取材する週刊住宅記者(2021/3/12)

カテゴリ: 2020年度

 わが業界紙のひどい記事については再三再四その都度指摘してきたが、「週刊住宅」3月8日号の「都内城東マンション市況/好調の波、来ている/地元業者「錦糸町は活況」、亀戸で大型タワー建設工事進む」の長ったらしい見出しの記事には悲しいやら情けないやら腹が立つやら…。そうでなくてもコロナ禍でストレスは爆発寸前なのに、いい加減にしろといいたい。編集部のチェック機能はどうなっているのだ。

◇       ◆     ◇

 この週刊住宅記者は、「本紙で連載を持つ櫻井幸雄氏が21年2月15日、ダイヤモンド不動産研究所(ダイヤモンド社)で東京・城東エリアにおける新築マンション市況に関する記事寄せている」(そのまま。意味不明)と書き起こし、「櫻井氏の記事を読んで亀戸に興味を覚えた。私事で恐縮だが、江東区で生まれて育った。そのため亀戸は小さいころから馴染みがある。そこで亀戸に足を運び、地元の不動産業者を訪ねてみた。亀戸は新築マンションで賑わっているのか、実際に取材して話を聞いてみようと思ったのだ」と取材の目的を明かしたうえで、本文でいきなり「JR亀戸駅のそばで大規模なマンションが建築中であった。マンション名は『プラウドタワー亀戸クロス』、価格は未定」と書いている。

 冗談にも程がある。貴殿、あるいは貴女はそれでも業界紙の記者か。「プラウドタワー亀戸クロス」を知らないのは記者として失格。もぐり同然だ。野村不動産に聞けば、これまでの販売状況などについて教えてもらえるはずだ。これを怠って、どうして何も知らないはずの街の不動産業者(失礼)にアポなしで飛び込み取材を敢行するのか。相手だって迷惑だ。コロナに罹ったらどうするのだ。

 案の定、その業者には「うーん、どうだろうな。新築マンションが売れているという話も聞くけど、ウチは賃貸中心だから、よくわからないな」と言われ、その後も2軒回って大した成果は得られなかったようだ。

 当たり前だ。素人同然の記者が、同じ不動産業者とはいえ業態がまるで異なる業者に取材して成果が得られるはずがないではないか。

 それでも懲りないこの記者の方は「亀戸を根城に定点観測を続けてみたい」と結ぶ。やめたほうがいい。マンションの「マ」の字を知らなくて、地元業者を百回だろうと千回だろうと回ってもプロの読者に読んでもらえるような記事ネタは一つもつかめないだろう。そんな記事ばかり書いていたら、根城どころか、生計を維持するための「塒」(ねぐら)すら確保することはできないだろう。(どこかにどっぷり住みついていたらご同慶の至りだ)

 それより、どこでもいい(とはいえプラウドは欠かせないが)。デベロッパーに頼んで週に2~3件くらい現場を回れば、1年後にはマンション専門記者に育つかもしれない。記者の仕事を甘く見てはいけない。

 もう一つアドバイス。評論家だろうが何とか不動産研究所だろうが、人のしゃべることや書いたものは疑ってかかるべきだ。自らが現場に赴いてしっかり確認することが記者の基本だ。この基本を忘れると、それこそ「か・ち・も・な・い」=「価値もない」記事を垂れ流すことになる。

 参考までに小生の「プラウドタワー亀戸クロス」に関する記事を添付する。異論反論があるなら指摘していただきたい。

 全て読んだわけではないが、同紙の他の記事では、中身が何もない住宅リフォーム市場記事もひどく、3.11に関する記事も各社のあれやこれやの取り組みやオンラインによるインタビュー記事でお茶を濁している。

 3.11に関する記事は、住宅新報も1面で三井不動産の「わたす日本橋」の取り組みを紹介している。補足取材も行ったようで「週刊住宅」よりはましだが、これもまたプレス・リリースが基本だ。記事の中には「三井不動産の社員が足で稼いだ食材や物品を販売」「現地へ出向くことに大きな意義がある」とあるではないか。

 コロナ禍で現場取材は難しいのだろうが、心を揺り動かすような現地からのレポート記事は書けないのか。〝記事は足で書く〟-小生は耳にタコができるほど聞かされた言葉だ。

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昨日道端で摘んだ草花。黄色の花の名前が1時間調べたのに分からない。誰か教えて(紫の花はムラサキナバナ)

南三陸町産の杉材のえも言われぬ香りに感動 三井不動産「わたす日本橋」(2021/3/11)

価格上昇・専有圧縮 質の低下…マンション市場データは消費者目線欠落していないか(2021/3/3)

候補はなかったわけではない 記者が選ぶ「ベスト3」「話題のマンション」(2020/12/25)

凄い!全館空調、二重&樹脂サッシ採用 野村不「亀戸」934戸 単価300万円台半ば(2020/2/19)

カテゴリ: 2020年度

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「わたす日本橋」内観(日本橋三井タワー2階)

 東日本大震災から10年のこの日3月11日、三井不動産が先日プレオープンした東北の情報発信・交流拠点「わたす日本橋」を見学した。「日本橋三井タワー」の2階にある約246㎡の店内は、宮城県南三陸町産の杉材が壁や天井、椅子、テーブル、カウンター、収納扉、ドア、その他建具・家具に至るまで張り巡らされており、杉独特の得も言われぬ香りが鼻孔を満たし、心にしみわたった。素晴らしい施設が新たに誕生した。

 「わたす日本橋」は、東日本大震災後に社員が個人で取り組んでいた南三陸町でのボランティア活動を契機とし、2015年から同社の事業と位置づけて活動しているもので、「日本橋から、未来へ、わたそう。世界中へ、笑顔を、わたそう。」をキャッチフレーズに、国内外で活動を続けてきた。これまで約10万人の来場者を集めている。

 開設から6年目を迎えた今年、施設を日本橋三井タワーに移転・グレードアップし、地元の食材・お菓子などの販売のほか、東北の生産者から仕入れた食材を用いた「わたすダイニング&パル」、東北に関する本を読める「わたすライブラリー」、最大12名で利用できる「わたすプライベートルーム」、多彩なイベントも可能な「わたすLOOP」を備えている。

 店舗の内装工事では、天井・壁・建具・カウンター・化粧梁・パネルなど店舗の92%の木材にFSC認証材を使用し、デベロッパーとしては初めて2020年に「FSCプロジェクト認証」を取得している。

 移転新装オープンに際して、南三陸町長・佐藤仁氏は「『わたす日本橋』では南三陸産の食材を提供していただいたり、町内の中学校と交流していただいたりと、これまでお付き合いが続いていることに感謝しています。私にとって『わたす日本橋』は、南三陸町で出会った方々と東京で再会できる、大切な拠点でもあります。南三陸杉の香りに包まれた心やすらぐ空間で、おいしい料理を食べながら、人が出会い、つながる。新店舗でもそのような素敵な時間を過ごすことを、楽しみにしています」とコメントを寄せている。

 また、三井不動産代表取締役副社長執行役員・北原義一氏は、「東日本大震災から10 年を迎えて南三陸町の人達との出会い。皆例外なくいい顔、いい笑顔。あんなに過酷な体験したのに、どうして? 応援に行ったつもりの私たちが、逆に元気や勇気をもらった。他人の悲しみや苦しみを自分のこととして受け止め、一緒に泣き笑い、解決したときには喜びを分かち合う。極限の状況の中、人として皆で手を携えて、前を向いて生き抜いていくことの圧倒的な迫力を目の当たりにした。南三陸の人たちから心と体で教わった『優しさ』『思いやり』『絆』『助け合い』『慈愛』『自己犠牲』そういったたくさんの人の気持ちが、一杯に詰まった宝石箱として「わたす日本橋」をこれからも大切に育んでいきたい。そして、Covid-19、大震災、台風等々激甚自然災害が襲いかかってきても、毅然として立ち向かえる大人であり続けたい。未来を背負って立つ子供達の笑顔のために」とコメントしている。

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「わたす日本橋」外観(隣は千疋屋本店)

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「わたすダイニング&パル」

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東北載淑材 イメージ

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わたすライブラリー

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建具・家具・壁・天井も杉材

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カウンター

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 同社の木材を用いた建築物では2019年にオープンした「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」に感動したが、今回の「わたす日本橋」はまた違った感動を覚えた。同社の本丸の一等地のど真ん中に移転したことに意味がある。

 床は国産産材ではなくオーク材だと思うが、その他は南三陸材をふんだんに用いている。しかも節などほとんどない立派なものだ(節はまた美しいのだが)。これほど本物の杉材を用いた店舗はそうないはずだ。

 残念ながら、コロナの影響で飲食は不可で、大好きな蠣や酒、ワインなども楽しめなかったが、コロナが収束したら必ず利用することを決めた。コース料理でも4,000円と安い。

 スタッフには東北出身の人が何人か勤めており、そのうちの一人のサービスマネージャー・長野優大氏に話を聞いた。長野氏は次のように語った。

 「わたしが二十歳の時。専門学校の卒業式を終え、実家の青森市に帰省中で、久々に会った友人と会食をしていると、強い揺れを感じ、すぐ停電しました。ただ事ではないと思い、宮城などにも友人がいたので、安否確認をしました。仙台空港にいた友人はすぐに避難して無事でした。停電は翌日の夕方まで続きました。今年で10周年を迎え、新たに震災のことは認知されると思いますが、まだ家に帰れない人がたくさんいる(約4.1万人)。このような東北の情報を発信する拠点があることを知り、私も力になりたいと就職しました」

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長野氏 

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 うれしかったのは他にもある。プレス・リリースの最後に同社のSDGsへの貢献について紹介しているのだが、今回の取り組みは

目標2 飢餓をゼロに
目標4 質の高い教育をみんなに
目標10 人や国の不平等をなくそう
目標11 住み続けられるまちづくりを
目標14 海の豊かさを守ろう
目標15 陸の豊かさも守ろう
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

と具体的に項目を示していることだった。特に「人や国の不平等をなくそう」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさを守ろう」というのがいい。

 各社のプレス・リリースをすべてチェックしているわけではないが、このように項目を明示しているのは少ないはずだ。取り組みの一つひとつをこのように目的意識的に発信しないと受け手には伝わらない。

3.11から10年 人口減少幅 拡大と縮小が拮抗 太平洋岸39市町村の人口動態(2021/3/7)

コロナ禍貧困、飢餓、健康福祉、不平等解消などSDGs達成の妨げにPR総研調査(2021/2/27)

さすが三井不動産わが国初の本物の木造〝杉乃木〟ホテル「神宮外苑」に誕生(2019/11/13)

西新宿の弊社事務所も大揺れ 女性がバニックに(2011/3/11)

カテゴリ: 2020年度

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「カーボンニュートラルLNGバイヤーズアライアンス」設立記者発表会(ホテルニューオータニで)

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 東京ガスを筆頭にアサヒグループホールディングス、いすゞ自動車、オリンパス、堺化学工業、ダスキン、玉川学園、東芝、東邦チタニウム、ニュー・オータニ、丸の内熱供給、三井住友信託銀行、三菱地所、ヤクルト本社、ルミネの15 社は3月9日、「カーボンニュートラルLNG(以下、CNL)バイヤーズアライアンス(以下、アライアンス)」を設立した。

 アライアンスは、持続可能な社会の実現に向け、CNLを調達・供給する東京ガスと購入する各社が一丸となり、CNLの普及拡大とその利用価値向上の実現を目的として設立されたもの。気候変動対策やSDGsへの貢献、ESG企業経営に直結する重要なソリューションの一つとする。

 アライアンス参画各社は、2050年の「カーボンニュートラル社会の実現」に貢献することを目指し、CNL を世の中に広く認知させるとともに、投資機関による評価向上や国内各種制度における位置づけの確立に向けて取り組みを推進していく。

 CNLは、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスをCO2クレジットで相殺(カーボン・オフセット)し、燃焼させても地球規模ではCO2が発生しないとみなすLNG。東京ガスが2019年に輸入を開始し、カーボンニュートラル都市ガスとして日本で初めて供給を開始した。対象となるCO2クレジットは、信頼性の高い検証機関が世界各地の環境保全プロジェクトにおけるCO2削減効果をCO2クレジットとして認証したもの。

◇       ◆     ◇

 この日(9日)の記者発表会場となったホテルニューオータニの広い宴会場正面には、欠席したアサヒグループ、オリンパス、ヤクルトの3社を除くそれぞれの業界を代表する会社の代表全員が、社章バッジではなくSDGsバッジを襟に付けて並んだ。わが住宅・不動産業界では三菱地所執行役員コマーシャル不動産戦略企画部長兼都市計画企画部長・井上俊幸氏とグループ会社の丸の内熱供給取締役社長・土屋正裕氏が出席していた。

 冒頭に、経産省資源エネルギー庁長官・保坂信氏と環境省総合環境政策統括官・和田篤也氏からのビデオメッセージが紹介され、それから東ガスソリューション共創部長・清水精太氏から概要説明があり、各社のあいさつもあった。

 年を取るごとに横着になっている記者は、事前にしっかり勉強しなかったために、清水氏が「今後CNLの輪を100社、1000社に、世界に広げたい。東京ガスのGはGoodのD」と語ったのは印象に残ったが、意義や問題点、今後の展開などをよく把握できなかったというのが率直な感想だ。

 もちろん、記者だってSDGsのバッジを持っているし、脱炭素社会実現の取り組みは待ったなしなのはよくわかる。菅総理が昨年10月26日の所信表明で、「わが国は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします」と表明した。アメリカ・バイデン大統領は今年1月、「パリ協定」に復帰署名を行い、中国・習近平主席も2060年のカーボンニュートラルを表明した。これから一挙にこの取り組みは加速する。

 しかし、一方ではよくわからない問題も多いような気がする。カーボン・オフセットは果たして問題の解決につながるかという問題だ。様々な問題が指摘されている。例えば、ある地域での森林減少を抑制しても、他の地域で森林破壊が増大すれば、カーボンニュートラルにならないとか、国境を越えて金で売買されるクレジットは結果として発展途上国の様々な問題解決につながらないどころか矛盾、格差を拡大し固定する…などだ。

 さらにまた、わが国は電源の自給率は11.8%(2018年度)にしかすぎず、化石燃料への依存度は85.5%にも達する。3.11以前は電源の11.2%を占めていた原子力発電は今後どうなるのか、30年先には水素、太陽光、地熱、風力などの再エネとLNG、原子力、石炭がバランスよく利用されるのか、バイオエタノールや南海トラフに大量に眠っているといわれるメタンハイドレードの開発・利用は可能になるのか、森林はきちんと管理できているのか…。

 最後に資源エネルギー庁によるわが国の2018年度の電源構成比率データを紹介する。( )内は2010年度。

・石炭 25.1%(22.7%)
・石油 37.6%(40.3%)
・LNG 22.9%(18.2%)
・原子力2.8%(11.2%)
・水力   3.5%( 3.3%)
・再エネ8.2%( 4.4%)

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ホテルの近くで咲いていたムササキナバナ

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「メットライフドームエリアの改修計画」竣工式セレモニー 後藤オーナー(右)と辻監督

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後藤オーナー(左)と辻監督

 西武ライオンズは3月8日、投資額約180億円、工期3年3カ月をかけてリニューアル工事を進めてきた「メットライフドームエリアの改修計画」のすべての施設が完了したのに伴い、竣工式を行った。当日はオーナーの後藤高志氏(西武ホールディングス社長)のほか、代表取締役社長・居郷肇氏、辻発彦監督、施工主の鹿島建設・押味至社長などが出席し、メディア関係者に施設を公開した。公式戦開幕日の3月26日(金)には一部の施設を除きオープンする。

 改修計画は、「ボールパーク化」と「チームと育成の強化」の2つを軸に、2017年12月から工事が開始されており、自然豊かな周辺環境と半ドームという特性を活かすことで、開放感に満ちた、四季折々の風情が楽しめるボールパークを目指し、屋根の外側の広がりを有効に活用して大型フードエリアやこども広場などを整備した。

 また、ライオンズ トレーニングセンター(室内練習場)、若獅子寮、CAR3219フィールド(西武第二球場)など選手の育成環境面についても施設を刷新し、野球に集中できる環境を整備した。

 野球観戦以外にも楽しめる「ボールパーク化」に加え、選手の練習・育成環境の刷新を行ったことにより、「ファンにとっても選手にとってもより満足できる施設」へと変貌した。

 ドーム内で行われたセレモニーで後藤オーナーは次のようにあいさつした。

 「事故や遅延なく、予定通り『メットライフドームエリアの改修計画』の完了を迎えることができたことを、大変うれしく思っております。

 メットライフドームエリアの改修計画には、『ボールパーク化』『チームの育成/強化』という2つの目的がありました。さまざまなエンターテインメント性の高いものを用意させていただいたことで、年齢、性別を問わずあらゆる世代の方に埼玉西武ライオンズの試合、そしてコンサートなどのイベントを心からエンジョイしていただけると思います。『チームの育成/強化』については、既に完成しておりますライオンズ トレーニングセンター、若獅子寮、さらにはCAR3219フィールドを整備したことで、若手のプレーヤーの育成、強化に存分に活かされることを期待しております。

 コロナ下の中で、行動変容、価値変容、などを言われる時代ですが、プロ野球の開幕により、多くのファンの皆さま、国民の方に希望、元気、勇気、笑いをお届けして、日本を元気づける大きな力になっていきたいと考えております。西武グループの理念である『地域・社会の発展、環境の保全に貢献する』、『安全・安心、そして快適なサービスをご提供する』という理念に基づいて、このメットライフドームエリアをしっかりと運営していきたいと思います。

 続いて、辻監督は次のようにあいさつした。

 「グランドオープンを迎える年に、監督として指揮をとれることを大変うれしく思っております。この改修工事を経て、本当に新しい座席も増えた中で、先ほど『アメリカン・エキスプレス プレミアム ラウンジ』に足を運び拝見しましたが、ゆったりとした環境で野球を楽しめる素晴らしい場所だと思います。選手たちと同じ目線で野球を楽しめる、近くで選手と触れ合える、そんな素晴らしい場所を、メットライフドームの大きな目玉のひとつとして皆さまに楽しんでいただきたいです。

 そして、メットライフドームの新たな歴史の幕開けとなるこの2021シーズン、日本一という大きな目標に向かって戦ってまいります」

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セレモニー

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 ここまでの記事はほとんど球団のプレス・リリースのコピペ。過不足なく伝えられたと思う。以下が、西鉄・西武ファン歴60余年の記者の独断と偏見の記事。やや我田引水的な部分もあるが、極力客観的に書くつもりだ。西武が嫌いな人もお付き合い願いたい。

 素晴らしい施設が誕生した。記者は他の取材が入っており、公開された施設のうち半分くらいしか見学できなかったが、見学した施設は多分〝日本一〟だと思う。

 その前に、どうして三重県出身の記者が西鉄ファンになったのかの経緯を紹介する。

 熱烈なファンになったのは、知将・三原修監督時代の1956年から1958年まで読売巨人軍を下して日本シリーズ3連覇を達したあたりだ。ご存じない方も多いかもしれないが〝神様仏様稲生様〟が流行ったころで、中西太氏のほか、すでに鬼籍に入られた豊田、関口、仰木、高倉、島原の各氏らが活躍した時代だ。記者は7~9歳だった。

 強かったからファンになったわけではない。伏線があった。小さい頃のことはよく覚えていないのだが、4歳年上の頭の悪い兄は捕手をしており、キャッチボールをしても記者に手加減などしなかった。別棟の風呂や便所の下見板、戸板などをどれだれ壊したことやら。兄との仲は最悪となった。1954年、記者が5歳のときだ。西鉄と中日が日本シリーズで対決した。中日・杉下投手が3勝するなど4-3で中日が日本一になった。当然、兄は中日ファン。ならば俺は負けた西鉄を応援しようとそのとき決めた。西鉄が負けたことがその後の記者の性格形成に大きな影響を与えた。

 西鉄が西武に身売りされても心変わりなどせず、ずっと応援してきた。後藤オーナーは1949年の2月生まれで、記者より2か月年上だが、西武ファン歴は記者の方が長いはずだ。

 さて、肝心の施設。トレーニングセンター、CAR3219フィールド、エントランスゲート、レンガサークル、ライオンズチームストア プラックス、3塁側コンコース新飲食エリア、グリーンフォレスト デリ&カフェはみんな素晴らしい。

 トレーニングセンターは12球団最大級の広さということだ。内野フィールドエリアは内寸50m×50m、メットライフドームと同じ人口芝が採用されており、試合と同様の環境で練習が可能。ブルペンは5レーン、バッティングは4レーン。一部空調設備付き。ファンも練習風景を見学することができる。トレーニングセンターと全4層の若獅子寮(28室)は廊下でつながっており、野球に集中できる環境を整備したという。

 記者は、神宮球場しかトレーニング室を見たことはないので比較は難しいが、雲泥の差だと思う。施設全体のスマートスタジアム化も行っているそうなので、投球や打撃データを駆使して選手育成に生かせるはずだ。

 寮は門限が定められているが「門限破りはいない」(球団広報=本当かしら)そうだ。清原氏はしょっちゅう門限を破ったはずだ。

 ライオンズチームストア プラックスは2階層で、600㎡を誇る大型旗艦店。ファンはたまらないだろう。

 残念ながら、バックネット裏のアメリカン・エキスプレス プレミアム、4人掛けテーブル4、6~8名が利用できるバーティテラス、ブルペンかぶりつきシート、立見席ステンレスカウンター、パノラマウッド4など17種の客席や、これまでは芝生席だった外野に設けられた4,374席の指定席は見学できず、さらにベンチ内の空調設備も見ることができなかった。

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トレーニングセンター

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トレーニングセンター内

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CAR3219フィールド ブルペン

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ライオンズチームストア プラックス

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ベンチ内空調設備

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パーティーテラス

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ネット裏テーブル4

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ネット裏指定席

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アメリカン・エキスプレス プレミアム ラウンジ

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テイキョウキッズフィールド

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テイキョウキッズルーム

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 セレモニーが行われた約20分間、記者は〝夏熱く冬寒い〟球場の欠点はよくわかってはいたが、後藤オーナーや辻監督がスーツ姿なのにコートを着たままはというのはいかにも失礼だと思い、コートを脱いで震えながら必死にメモを取った。

 後藤オーナーも辻監督も〝ペナントレース奪還〟〝日本一目指す〟をそれぞれ1~2回、合計で6回は口にしたはずだ。記者は、日本シリーズで勝つのは容易だと予想するが、目の上のたん瘤・ソフトバンクを倒すのは容易ではないと思う。現有勢力ではどうひいき目に考えても〝神様仏様稲生様〟のような計算が立つ投手が足りない。

 しかし、練習環境は間違いなく日本一だと思う。これで、毎年のように続いていた全日本クラスの人材の流失に終止符が打たれると確信した。西武の黄金期(何度目になるのか)が始まる。

 もう一つ、球団、野球ファンの方々にいかに西武が優れたチームであるかの客観的データを紹介する。

 記者は以前、ドラフト選手の現役稼働年数を数日かけて調べたことがある。確証があったわけではないが、〝西武がナンバーワン〟という確信があったからだ。結果はその通りだった。次位は広島だったか。

 スカウト陣の目利き力が優れていることの証左だ。そしてまた、監督やコーチに就任するスタッフの数も西武が他を圧倒しているはずだ。辻監督が就任した2017年には、ソフトバンク・工藤公康氏、ロッテ・伊東勤氏、中日・森繁和氏の西武出身者4人が監督をそれぞれ務めた。12人の3分の1だ。

 もういい加減止める。辻さん、優勝できなくてもいい。行きつけのヤクルトファンの酒屋の親父は「いいんじゃないですか。西武は選手の育て方がうまい。儲かればいいんです」と、後藤オーナーが喜びそうな言葉を発した。ヤクルトがんばれ。

 あっ、一つ肝心なことを書き忘れた。大型ビジョンは従前のものより2倍になり、臨場感溢れるものになった。その大型ビジョンの下の1塁側のフェンスには「野村不動産グループ」の広告が掲出されていた。

 このほか住宅・不動産関係の広告では「住友不動産」が1塁側、「菊池建設」が3塁側の天井部分に掛かっていた。

 「ボールパーク」に唯一欠けているのはやはりホテルだ。首都圏の他の球場は全て立派なホテルが近接している。

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レンガサークル(1個2万円で昨年売り出されたが、予定5000個のうち残りはわずか。増加する予定はないとか)

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辻監督のレンガ

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メヒア選手のレンガ(家族など9個を刻んだとか。このほか東尾氏、ニール投手、源田選手の名も刻まれている)

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住友不動産の広告(1塁側)

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野村不動産グループの広告

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菊池建設の広告(3塁側)

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陸前高田市役所玄関(2011年4月12日撮影 消防科学総合センター提供)

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pdf  令和3年2月被災地人口.pdf

 警察庁、復興庁などのデータによる死者19,668人(うち関連死3,367人)・行方不明2,529人の人的被害を受け、今なお約4.1万人の人が避難生活を続けている2011年の東日本大震災(3・11)からもうすぐ10周年を迎える。甚大な被害を受けた太平洋岸39市町村の人口動態を紹介する。

 今年2月1日時点の人口を見ると、岩手県は県全体で昨年より1.1%減少(前年同月は1.2%減)したのに対し、太平洋岸12市町村は2.1%減少(同2.2%減少)と減少幅は縮小したが、県平均を1ポイント上回っている。もっとも減少幅が大きかったのは田野畑村の3.6%で、久慈市、野田村、岩泉町、宮古市、陸前高田市は前年より減少率が増加した。

 宮城県は、県全体で昨年より0.4%減少(前年同月は0.5%減)したのに対し、太平洋岸15市町村は0.2%減(同0.2%減)と変わらず。仙台市は0.2%(前年同月は0.1%増)、名取市は0.6%(同0.6%増加)それぞれ増加した。39市町村で人口が増加したのはこの2市のみ。

 減少幅が大きかったのは女川町の2.5%(同1.3%)、南三陸町の2.4%(同2.7%)。昨年より減少率が増加したのは石巻市、塩竃市、亘理町、山元町。減少率が減少したのは南三陸町、東松島市、利府町など。

 福島県は、県全体で昨年より1.0%減少(前年同月は1.0%減少)したのに対し、太平洋岸10市町村全体では1.1%減少(同1.0%減少)した。

 減少幅が縮小したのは相馬市、大熊町、楢葉町で、拡大したのは富岡町の3.2%減(前年は2.2%減)、浪江町の2.8%減(同1.4%減)、双葉町の2.3%減(同1.7%減)など。

 39市町村合計の人口は、前年同月の約249.5万人から約248.0万人へ0.6%、1.5万人減少した。減少幅が拡大したのは17市町村で、縮小したのは15市町村だった。

 震災前との人口比較では、女川町が43.7%、南三陸町が38.4%、大槌町が29.8%それぞれ減少している。

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宮城県名取市の高さ8メートルの慰霊碑(2017年3月撮影。波はここまて達した)

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自転車が埋まった浦安市今川地区の住宅街(2011年3月18日撮影)

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地面が50cm近く沈下し、ビールケースで下りられるようにしている稲毛高浜南団地(2011年3月22日撮影)

東日本大震災から9年目 太平洋岸39市町村の人口減少止まらず 改善したのは11市町村(2020/3/3)

ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り(2017/4/27)

液状化に悲鳴あげる浦安市 道路・上下水道ズタズタ 計画停電も(2011/3/17)

「砂上の楼閣都市」新浦安 それでも住宅はしっかり建っていた(2011/3/18)

大ダメージを受けた新浦安 液状化対策は万全だったか(2011/3/19)

海・山・地の神の怒りの刃見る思い 千葉市美浜区の液状化被害も甚大(2011/3/23)

「晴海」「豊洲」「有明」 液状化は全く問題なし(2011/4/6)

都営辰巳団地は軒並み20~30㎝地盤沈下 液状化被害(2011/4/7)

旭市に次ぐ住宅被害 我孫子市の液状化で118棟全壊(2011/4/5)

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「H¹O外苑前」

 野村不動産は3月5日、従業員10名未満の小規模オフィスマーケットのニーズに対応したオフィスビルブランド「H¹O(エイチワンオー)」(Human First Office)シリーズ第12号物件「H¹O外苑前」(2022年10月開業予定)の主要構造部へ初めて木造ハイブリッド構造を導入すると発表した。

 「H¹O外苑前」は、事業企画及び設計を担当する熊谷組が2017年に業務・資本提携した住友林業と共同設計を行い、木質耐火部材の大臣認定を取得したλ-WOOD(ラムダウッド)を使用。柱・梁一部の木造化によって建築時のCO2排出量約21tの削減と、CO2約19tの固定を実現する。

 CO2固定量は、計画地(約453㎡)と同等の広さの土地に杉を植栽した場合のCO₂吸収量約50年分に相当する。

 同社は、国際的な森林認証制度「SGEC/PEFC プロジェクトCoC 認証」をデベロッ パーとして初めて、またオフィスビル分野で初めて「H¹O平河町」(2021年2月竣工済み)で取得している。

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◇       ◆     ◇

 いい取り組みだ。同社に期待したいのは外壁への木造の採用だ。コストのことは分からないが、技術的には可能なはずだ。画像と記事を添付したように、大田区の「田園調布せせらぎ館」や三井不動産の「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」は最高に素晴らしい。

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「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」

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「田園調布せせらぎ館」

隈研吾氏設計 鉄と木とガラスの「融通無碍」ハイブリッド「田園調布せせらぎ館」(2021/1/28)

隣接明大校舎の巨木の借景見事 日本初の木造ハイブリット 野村不「神田駿河台」(2020/11/24)

さすが三井不動産 わが国初の本物の木造〝杉乃木〟ホテル「神宮外苑」に誕生(2019/11/13)

 


 

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「MFLP東名綾瀬」

 三井不動産は3月4日、日比谷三井タワーでロジスティクス事業記者説明会を開催し、同社常務執行役員ロジスティクス本部長・三木孝行氏(4月1日付で専務執行役員に就任予定)がこれまでの取り組みや新規開発物件の紹介、今後の展開などについて説明した。説明会はWeb会議システム「ZOOM」でのオンライン参加も可能で合わせて56名の報道陣が参加した。

 三木氏は、新型コロナウイルスにより物流施設市場も大きく変化し、「EC(Electronic Commerce)は想像以上に拡大している。テナントのニーズも多様化しており、ICT活用が加速し、マルチユース、ラストワンマイル配送網の需要が顕在化し、その一方で参入企業の増加で用地取得の競争が激化。デベロッパーは全員参加型となった」と語った。

 こうした環境変化に対応するため、三木氏は「従来以上の事業規模・領域拡大を目指す。これまでは年間5件くらいの開発スピードだったが、今後は増やしていく。物流ソリューションとしてパッケージで提案できるかが試されており、当社は機械化倉庫、デジタル倉庫、ミクスト産業施設、スタートアップ企業などとの連携、冷凍・冷蔵倉庫、アーバン型の展開に力を注いでいく。ICT活用により業務効率・従業員満足度も向上させ、環境配慮型倉庫の実現を推進する」などと語った。

 新規開発物件は、「東名綾瀬」「新木場Ⅰ」「新木場Ⅱ」「海老名南」「平塚Ⅲ」「弥富木曽岬」「(仮称)粕屋町計画」の7物件の開発が決定し、累計では国内45物件・海外2物件合計47物件、延べ床面積は約390万㎡、投資額は約6,100億円となることを明らかにした。

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三木氏(座った席がよくなかった。アクリル板の線はどうしようもない)

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「MFLP羽田」

◇       ◆     ◇

 発表会場には26名の、オンラインには30名の記者がそれぞれ参加するなど、コロナ禍にもかかわらず堅調に推移している物流市場を反映する賑わいを見せた。

 記者は、三木常務が何を話すか注目していたのだが、コロナ禍であることを考慮したのか、この日はプロジェクターに映りだされた15ページにわたる説明会資料について説明したのにとどまった。〝日本一〟〝世界一〟は、「船橋MFLP」の21万坪の広さを「世界的に類を見ない」、併設されたスケートリンクを「世界基準」、「MFLP ICT LABO 2.0」を「日本に例がない」と3回話したのみで、他では稼働物件のテナント入居状況について「極めて順調」と語ったのにとどまった。囲み取材もなかった。

 報道陣からは10人くらい質問があった。手が上がった質問者のほとんどに答える姿勢はいい。小生は伸長著しい業績に驚いているので次の質問をした。

・御社の2021年3月期3Qの分譲セグメントでロジスティクスやオフィス、マンションなどの投資向けの売上高が約2,800億円で、国内分譲マンションと戸建ての約2,500億円を上回るなど歴史的な数値となった。この投資用のうちロジスティクス事業はどれくらいの比率を占めるのか

・今後の事業展開で示している「光ダクト」の採用に注目している。工場・倉庫の難点は蛍光灯などの影が出るので、フォークリフト作業などの際のストレスが高いと聞いている。(「光ダクト」は光を拡散することで影を生じさせないので)革命を起こすかもしれない。倉庫会社でこれを採用している会社はどれくらいあるか

 これに対して、三木氏は「売上数値は非開示。光ダクトは分からない」としか話さなかった。(三井不動産ロジスティクスパーク投資法人の2020年1月期末から2021年1月期末まで新規取得は5物件1,257億円、資産規模は約3,000億円の見込み。「光ダクト」は無限の可能性を秘めていると思う)

 もう一つ聞き忘れたので、同社広報に確認した。三木氏は「2012年に物量施設事業部を発足させたときのスタッフは7名で、うち経験者は1人のみ」と語ったので、現在は何人か聞いたところ70人だった。10年で10倍増だ。すごい数字だ。

 それにしても、ロジスティクス事業に参入してわずか10年でこの数字だ。既存の名だたる会社はいったい何をしてきたのか。

 以下に、同社のロジスティクスに関する記事を添付する。

駅前4.5haの再開発も三井不グループに決定 三井不レジ「南船橋」人気加速か(2020/10/23)

人の100倍働く年収500万円ロボット! 三井不 日本初の物流ICT体験型ショールーム(2020/2/13)

わずか7年間でオフィス面積と肩並べる360万㎡開発 三井不のロジスティクス事業(2019/11/6)

アナログの世界に楔IoT活用で物流市場を変えるHacobu多業種と連携し課題解決構想(2019/9/22)

梓設計が本社機能 三井不 街づくり型「インダストリアルパーク羽田」満床稼働(2019/7/5)

住宅不可の151ha〝処女地〟新木場にライフサイエンス拠点 三井不の新事業(2019/6/1)

もう我々の出番ない〟 三井不動産〝かつて〟の主力、溝口も福田もICTに脱帽(2017/9/12)

画期的、大成功、渦を巻く〝三木&御酒〟雄たけび 三井不・プロロジス「川越」竣工(2018/11/6)

「最早、後発でない」「嫌悪施設でもない」 三井不 ロジスティクス本部長・三木氏(2018/5/21)

三井不動産 物流革命の先導役になるか 船橋ロジスティクスパークにICT LABO開設(2017/9/12)

三井不動産 ロジスティクス事業 22棟開発 累計投資額は3000億円に(2016/3/24)
 

カテゴリ: 2020年度

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 菅義偉首相は3月3日夕、3月7日とされている一都三県の新型コロナ緊急事態宣言の期限を2週間程度延長し、3月21日(日)までとする意向を示した。

 記者も大賛成。別表に第2波の8月15日(土)から9月7日(月)までと、第3波の2月7日(日)から3月2日(火)までの感染者の推移を示した。

 それぞれ感染者数は異なるが、波の形は似通っており、3月7日(日)までとされている今回の緊急事態宣言を予定通り解除したら、感染拡大は再発するとみた。

 9月7日以降の感染者は100人を割る日も8日あったが、外国人入居緩和、GoToキャンペーンが東京へも適用された10月以降は爆発的に感染者が増えた。

 徹底して感染を抑制し、オリンピック開催の機運を高めてほしい。


 

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