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「クレヴィア小杉御殿町」

 伊藤忠都市開発が12月に分譲する「クレヴィア小杉御殿町」を見学した。武蔵小杉駅、武蔵中原駅ともやや距離はあるが、等々力緑地に隣接する住環境と、「ヴォイドガーデン」や共用と専有の「+HANARE」を設置したプランが売りのマンションだ。

 物件は、JR南武線・横須賀線・湘南新宿ライン武蔵小杉駅から徒歩19分(徒歩時間を含めたバス便で14分)、JR南武線武蔵中原駅から徒歩16分、川崎市中原区小杉御殿町一丁目の第一種住居地域(容積率200%)に位置する4階建て47戸。専有面積は60.52~115.04㎡、予定最低価格帯は6,500万円台~予定最高価格帯は11,500万円台(最多価格帯6,700万円台)、予定坪単価は320万円。竣工予定は2021年11月中旬。設計・監理は陣設計。施工はファーストコーポレーション。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 現地は、等々力緑地、小杉神社に隣接する一戸建てや中層マンションなどか建ち並ぶ住宅街の一角。中原小学校、川崎市公文書館に近接。バス停まで徒歩5分。

 従前敷地は賃貸マンションで、建物は東西軸が長い敷地形状を生かし東西に分割。それぞれエレベーターを配置した「Wコア」とし、6か所に「ヴォイドガーデン」や吹き抜けを設置することで角住戸比率を高め、外壁には御影石や左官仕上塗材を多用しているのが特徴。

 標準階の住戸プランは南向きが8戸と北向きが7戸。間口は最低でも8m以上、多くは10m超のワイドスパンで、最上階の4戸は6.5㎡の「+HANARE Private」付き。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450~2550ミリ、ディスポーザー、食洗機、御影石キッチン・洗面カウンター、グローエ水栓など。共用施設として入居者が自由に使用できる「+HANARE Common」4室(各4㎡)とゲストルームとしても利用可能な「+HANARE Share-an」1室(15㎡)付き。

 販売を担当する伊藤忠ハウジング藤本一輝氏は「来場者の方は最初価格に驚かれますが、等々力緑地に隣接する立地、武蔵小杉駅まで徒歩時間を含めて14分、設備仕様レベルの高さをアピールしていく」と話した。

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エントランスホール

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115㎡のMrタイプ

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+HANARE Privateイメージ図

◇       ◆     ◇

 このマンションは、同社が開設した「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」を取材したとき話題となった。「坪単価は300万円を超えないでしょ」と質問したら同社都市住宅本部都市住宅事業第一部都市住宅事業第二課・高栁勇斗氏は「坪単価は300万円を突破する」と答えた。

 随分強気だなと感じたが、モデルルーム、現地を見学してこの価格設定が理解できた。敷地の東側は立派な神社の緑で、北側は樹高20mくらいのヒマラヤスギやイチョウ並木で、その先は等々力緑地のテニスコート、川崎フロンターレが本拠とする競技場などが広がっている。ファンにとってはたまらない魅力だろう。設備仕様レベルも間違いなく坪300万円超にふさわしいものだと思う。

 プランがまたいい。「ヴォイドガーデン」は、最近はコスト削減のためかほとんど見られなくなった昭和50年代後半からデベロッパー各社が競って採用した「ボイド」「ライトコート」「吹き抜け」と同じものだ。今回の69㎡の北向き住戸は9.6mスパンで、採光部分は浴室も含めて7か所もある。

 「+HANARE」について。「離れ」そのものは珍しいものではないが、今回は専有部だけでなく、入居者が利用できる個室5室を全体で47戸のマンションに設置したことに意味がある。

 読者の皆さんは、新型コロナ対策として採用したと考えるかもしれないが、そうではない。同社は2019年夏に周辺居住者にアンケート調査を行い、「離れ」に魅力を感じている人が67%(有効回答:400)に達したのを受けて採用したとしている。

 このような同社の時代を先取りする商品企画力は今に始まったことではないが、記者はうなってしまった。最上階の115㎡の1億円超の住戸は12か所に窓・採光部があり、98㎡プランも玄関を入った正面に吹き抜け空間があり、採光窓は7か所ある。

 武蔵小杉駅圏では決まっているものだけで今後千数百戸のマンションが分譲される。坪単価は400万円を超えつつあり、ひょっとすると500万円台になるかもしれない人気エリアだ。今回の同社の物件は消費者がどのような反応を見せるか注目したいマンションだ。

 参考。同社は「クレヴィア山吹神楽坂」でも同様の「+HANARE」を採用している。ここではしシャワールームのみで、浴槽分(0.5帖)をその他のスペースに充てた22㎡のプランもある。神楽坂は坪500万円以上が相場だ。浴槽代はいくらか分からないが、0.5帖は125万円に相当する。掃除代も節約できる。(記者も冬場しか浴槽につからない)

◇      ◆     ◇

 小生が書いた後だが、不動産流通研究所のWeb「R.E.port」に伊藤忠都市開発のプレス・リリースのコピペではない、現場取材したと思われる「クレヴィア小杉御殿町」の記事が同じ日に掲載された。

 小生の記事よりうまくまとめられているかもしれない。同社の了解を得たのでURLを添付する。

緑地隣接の住環境、多面採光の住戸に高評価(2020/10/28)

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現地(右側が小杉神社)

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現地(右奥のブルーぶぶんが建設現場)

これは凄い ホテルなら5つ星 伊藤忠都市 「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」(2020/9/10)

「頭のよくなるマンション」伊藤忠都市開発が埼玉で分譲(2006/11/7)

カテゴリ: 2020年度

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「浜松町ビジネスマンション敷地売却組合」事業計画

 三井不動産レジデンシャルは10月26日、築47年の港区・浜松町の投資用マンションの「浜松町ビジネスマンション敷地売却組合」から敷地売却を受け、10月23日に解体工事に着手し、18階建て102戸の分譲マンションを建設すると発表した。

 2014年に改正された「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」に定める「敷地売却制度」を港区内で初めて活用するのと、「容積率の緩和特例制度」を活用するのが特徴。

 敷地売却制度は、耐震性が不足し、特定行政庁から要除却認定を受けたマンションを対象に、区分所有者、議決権及び敷地利用権の持分価格のそれぞれ5分の4以上の同意を得て、マンション敷地売却組合を設立し、都道府県などの認定を受けた買請人(デベロッパー)に売却できる制度。デベロッパーは取得した土地をどのように利用するかは自由なのが特徴の一つ。

 これまで全国で25件が認定され、このうち10件(千代田区3件、中野区、北区、新宿区、船橋市、港区2件、福岡市=2020年4月現在)が組合設立認可を受けている。

 組合設立認可を受けた同社の案件は2件目で、もう1件は千代田区三番町の1971年竣工の「麹町三番町コンド」(20戸)。

 「容積率の緩和特例制度」は、現行の耐震基準に満たないため、除却の必要性があると認定を受けたマンションを建て替える際に特定行政庁が許可した場合は容積率が緩和される制度。今回は400%が600%に緩和される模様。

 同社は「本マンションは主に投資用物件のため、権利者様の多くが賃貸に出され全国各地に居住されており、合意形成が難しいという側面もありましたが、理事会のご努力の結果権利者様にご理解いただき、各種相談・手続きについて港区に迅速に対応いただいたことで、今般の解体工事着手に至りました」とリリースしている。

 「浜松町ビジネスマンション」は、JR浜松町駅から徒歩6分、ゆりかもめ竹芝駅から徒歩2分、港区海岸一丁目に1973年に竣工した9階建て総戸数154戸の、住戸の9割以上が約12㎡の投資用マンション。建替え後は容積率約600%(現400%)を前提に、地上18階地下1階建、総戸数102戸の分譲マンションとなる。2023年11月の竣工を予定している。

 2014年3月に建替え推進決議(同社が事業協力者として参画)、2018年2月に港区より除却の必要性に係る認定(要除却認定)を取得、2019年10月に敷地売却決議、2020年3月に容積率割増許可、敷地売却組合設立認可、2020年10月に分配金取得計画の認可を受けた。

カテゴリ: 2020年度

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「パークホームズLaLa南船橋ステーションプレミア」 

 三井不動産レジデンシャルが分譲中の「パークホームズLaLa南船橋ステーションプレミア」を見学した。JR京葉線南船橋駅から徒歩3分の全231戸で、8月から販売を開始しており、これまで約100戸を成約。大激戦の京葉線で順調なスタートを切った。駅前の約45,242㎡の船橋市有地の再開発も三井不動産グループに決定するなど、人気化するのは必至だ。

 物件は、JR京葉線南船橋駅から徒歩3分、20階建て全231戸。専有面積は58.64~77.72㎡、現在販売中の住戸(6戸)の価格は3,688万~4,968万円(最多価格帯4,100万円台)。坪単価は204万円。竣工予定は2022年1月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。

 現地は、南船橋駅から徒歩4分(動く歩道を通れば1~2分)の京葉線線路際の三井不動産の所有地。道路を挟んだ対面は「IKEA-TOKYO-BAY」、徒歩4分に「ららぽーとTOKYO-BAY」、徒歩6分に「三井不動産ロジスティクスパーク船橋」。

 駅前の市有地約45,242㎡の再開発計画も今年2月、「公募型プロポーザル方式」に応募した2者の中から三井不動産グループが圧倒的な差をつけ選定された。詳細は未定だが商業、物販、飲食、サービス、公園のほかマンションも2棟(高さ規制40m)も建設されることが決まっている。

 建物は南向きで、70㎡台のファミリータイプが中心。京葉線線路の騒音対策としては北側窓と角住戸の東側・西側は二重サッシを採用している。

 販売を担当する同社千葉支店営業部主査・井狩青太氏は、「7月からスタートし、8月に第一期67戸を供給しました。当初は来場を制限しており、周辺の中古相場が120~150万円というエリア特性も手伝っていま一つの動きだったのですが、その後、都内城東エリアでも坪単価は300万円をはるかに上回っていることからどんどん人気が上昇し、現在は約100戸の成約。極めて順調に進捗しています。駅前も三井不動産グループの再開発計画が決定。将来が楽しみな街です。千葉支店の他の『柏の葉』『柏』『海浜幕張』もみんな好調です」と話している。

◇       ◆     ◇

 この物件は今年2月、三井不動産「MFLP船橋&GATE」内にオープンした「MFLP  ICT  LABO 2.0」を取材した際、建設地に看板が掛かっていたので知った。記事には「坪単価は200万円を下回ることはない。坪210万円はどうだろう。この単価だったら70㎡で約4,500万円。そんなに的を外していないはずだ。同社は高値追求をしないと読んだ」と書いた。坪単価は平均204万円というからどんぴしゃりということか。

 現在は駅前の商業施設は乏しいが、三井不動産の複合再開発も決定したので様変わりするはずだ。「ららぽーと」「IKEA」にも近く、船橋競馬場もある。

 京葉線では計画戸数を含め7,000戸をはるかに超える大量のマンションが分譲中だが、それぞれ駅からの距離、単価の違いなどもあり競合より相乗効果のほうが大きいのではないか。

 駅からの徒歩時間について。不動産公取協の広告表示規約では徒歩時間は80mを1分として計算し、「動く歩道」もただの歩道としてカウントされる。実際は1~2分で雨に濡れなくて駅に着くはずだ。「動く歩道」は三井不動産がJRの土地を賃借し整備したもので、同社が維持管理を行う。

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建設現場

実質10か月で300戸超の驚異的売れ行き 大和ハウス「プレミスト船橋塚田」(2020/10/20)

坪245万円に納得 コロナ禍で半分以上を成約 三井不動産レジ「柏タワー」(2020/9/7)

〝タカラの宝〟進化する高荒モデル 圧倒的な人気「レーベン検見川浜」(2020/10/9)

人の100倍働く年収500万円ロボット! 三井不 日本初の物流ICT体験型ショールーム(2020/2/13)

カテゴリ: 2020年度

 大京と穴吹工務店は10月21日、環境省「令和2 年度高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)支援事業」に採択された全18事業のうち、大京が1事業、穴吹工務店が4事業、合わせて5事業が採択されたと発表した。

 採択されたのは、大京・関電不動産開発の「(仮称)ライオンズ茨木庄1丁目C街区」279戸、穴吹工務店の「サーパス浜松城公園」65戸、「サーパス高崎連雀町」56戸、「サーパス伏石中央公園」49戸、「サーパス南方レジデンス」60戸。

 両社は2018年度の「経済産業省 高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)実証事業」と昨年度の「環境省 高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)支援事業」に採択された事業を合わせて累計26事業が採択されている。

 このほか、首都圏では積水ハウス「(仮称)都筑区中川中央一丁目計画」45戸、明和地所「(仮称)クリオ綱島」99戸、日鉄興和不動産「(仮称)中村北4丁目計画」47戸、野村不動産「(仮称)神楽坂袋町計画新築工事」75戸、三井不動産レジデンシャル「(仮称)練馬区貫井三丁目計画」67戸、野村不動産・ジェイアール東日本都市開発「 (仮称)武蔵浦和駅前計画」277戸が採択されている。

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 大京のZEHマンションは今年2月、2物件を見学している。いいマンションだ。このほか、記事を添付したようにZEHマンションの売れ行きはおおむね好調だ。

野村不動産「ZEH-M」で「超高層」(経産省)と「高層」(環境省)の3物件採択(2020/9/26)

大和ハウス工業「平和台」 同社初の「ZEH-M Ready」 申し込み殺到 早期完売へ(2020/9/25)

総合地所 「高層ZEH-M」の「ルネ南柏駅前」第1期・第2期1次41戸を完売(2020/9/23)

隣接のサカタのタネのメタセコイア圧巻 大京のZEH-M「仲町台」 販売好調(2020/2/21)

蛍が湧き立つ川に隣接 基本性能・仕様レベル高い 大京のZEHマンション「長津田」(2020/2/18)

カテゴリ: 2020年度

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「プレミスト船橋塚田」

 大和ハウス工業が分譲中の「プレミスト船橋塚田」を見学した。東武アーバンパークライン塚田駅から徒歩3分の工場跡地で開発中の商業、小学校、保育所、戸建て、賃貸との複合大規模マンション571戸。昨年10月下旬の販売開始1年(コロナ自粛2カ月含む)で300戸超が成約・申し込み済みとなるなど驚異的な売れ行きを見せている。

 物件は、東武アーバンパークライン塚田駅から徒歩3分、船橋市行田一丁目の工業地域に位置する敷地面積約20,948㎡、11階建て全571戸。現在先着順で分譲中の住戸(34戸)の専有面積は57.25~85.25㎡、価格は3,100万~5,540万円(最多価格帯4,100万円台)。全体の平均坪単価は190万円。建物は令和2年9月完成済。施工は長谷工コーポレーション。売主は同社のほか東武鉄道。販売代理は野村不動産アーバンネット。

 現地は約57,456㎡のAGCテクノグラス中山事業場の跡地。総事業費約260億円を投入し、分譲マンションのほか賃貸住宅4棟262戸、戸建住宅26区画、商業施設、小学校、保育所などを2018年8月から2021年3月までに整備する。

 プロジェクトは、入居者が利用する電気のほか共用部、街灯の電気なども再エネ電気のみを供給するとともに、居住街区と商業施設の施工時の工事用電源にも同電気を利用するなど国際的な「RE100」のルールにも準拠する仕様となっているのが特徴の一つ。

 分譲マンションは昨年10月下旬から販売開始。新型コロナの影響で2か月間の営業活動の自粛を余儀なくされたが、これまで供給した351戸のうち295戸が成約済みで、成約予定を含めると300戸超となっている。

 建物はコの字型に近く、標準階の南向きは50戸、西向きは8戸。ファサードデザインは「ダッチデザイン」を採用し、共用空間やエントランスホールはアムステルダムの街角をイメージした曲線を多用している。

 ランドスケープデザインは、オリエンタルランドのグループ会社グリーンアンドアーツが担当。東西約150m、約2,700㎡の中庭を整備し、様々なイベントが行えるようステージも設置している。

 住戸プランは72㎡の3LDKが中心で、主な基本性能・設備仕様は、リビング天井高2450ミリ(一部除く)、ディスポーザーなど。共用施設としてゲストルーム3室、ライブラリー、クラフトルーム、ランドリー、キッズルーム、キッチンスタジオなど。

 販売事務所長で同社東京本店東京マンション事業部営業部第一課・細川智史氏は、「坪単価は駅に近いところは198万円で、北側住戸は186万円から、全体平均で190.2万円。人気の高いのは72㎡のタイプ。三井不動産レジデンシャルさんの『南船橋』(近く見学予定)など一部競合しましたが、三井さんが単価を204万円に設定してくれたお陰で、当社の物件は競合負けすることもなかった。実質10カ月で300戸超の進捗は凄い数字だと思います。売主に加わっていただいている東武鉄道産の『流山おおたかの森』も人気になっていますが、顧客は『流山』は沿線の柏や松戸、足立区、葛飾区が中心なのに対し、こちらは総武線沿線や江東区、江戸川区が多く、棲み分けもできています。小学校との複合は野村不動産さんの『日吉』がありますが、単価が全然異なるし、全体的な複合のバランスがいいのが人気の要因。コロナ禍で、市川から西側の都心より居住者の支持が増えているのも大きな特徴。戸建て26戸も完売しました」などと語った。

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エントランスアプローチ

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回廊の植栽

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ライブラリールーム

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ランドリー(靴洗い機も備えられている)

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 完成した現地のエントランスを見た途端、ランドスケープデザインは「5本の樹計画」を含めた他の優れたマンションに全然引けを取らないと感じた。長谷工コーポレーションが施工した優れたランドスケープマンションの10本の指に入るのではないか。

 とくに「中庭」、回廊の植栽が素晴らしい。2層吹き抜けのエントランスホールはガラス越しの中庭の緑とよく馴染んでおり、まるで絵画のようだった。

 売れ行きのいいのにはいささか驚いた。坪単価190万円は決して安くはない。沿線でこれまで分譲されてきたマンションの坪単価はせいぜい170、180万円のはずで、販売状況も年間で100戸売れればいいほうだろう。それでもこの販売スピードは大規模複合の強みか。コロナ禍もマイナスにはならなかった。

 モデルルームでは、76㎡のプランに約5帖大のテレワーク用スペースを提案しているのがよかった。

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モデルルーム テレワークスペース

大和ハウス野球部の救世主になるか 佐久長聖-青学の164㎝左腕 飯高氏は広報担当(2020/10/19)

〝タカラの宝〟進化する高荒モデル 圧倒的な人気「レーベン検見川浜」(2020/10/9)

4LDKは最高15倍 コロナ禍で驚異的売れ行き 東武鉄道他「流山おおたかの森」(2020/8/25)

野村不 戸建てパイロット事業「船橋 森のシティ」竣工(2013/5/21)

野村不動産・三菱商事「プラウド船橋」「一街区・二街区・三街区」の943戸が完売(2012/12/26)

野村不動産・三菱商事「プラウド船橋」「駅から歩ける」強烈アピール(2012/4/23)

カテゴリ: 2020年度

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「プラウドタワー仙台晩翠通サウス&セントラル」

 野村不動産は10月16日、仙台市青葉区の商業・医療施設の複合大規模マンション「プラウドタワー仙台晩翠通サウス&セントラル」357戸を分譲すると発表した。

 物件が位置する仙台市青葉区二日町は宮城県庁、仙台市役所などの行政機関や、東北大学病院をはじめとする多くの医療機関が周辺にそろう利便性の高いエリア。

 マンションは「サウスタワー」(99 戸)と「セントラルタワー」(258 戸)の2棟構成。建物内に商業施設(イオングループの商業施設を予定)・医療施設を併設するなど都市機能の集約に加え、仙台市の総合設計制度を活用し、約830㎡の公開空地「ケヤキガーデン」を整備する。

 また、東北大学 加齢医学研究所所長・川島隆太教授監修の「Wellness Connect(ウェルネスコネクト)」を新築分譲マンションに初導入。歳を重ねることを「成長」と捉え、個人や社会の「成熟」を目指す「スマート・エイジング」という考え方に基づき、フィットネスや脳トレ等の「運動」サポートから「食事」や「健康状態」「コミュニティ」など様々な側面から入居者をサポートする。

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 仙台のマンション市場は全く分からないが、この青葉区の中心地は何度か訪れたことがあるし、市内の同社のマンションを含め数物件は取材したことがある。

 同社によると、市内でのマンション供給量は2020年6月時点で128棟6,180戸となっている。おそらく量的にはトップクラスではないか。

 今回の物件の坪単価は、「サウス棟」が約230万円、「セントラル棟」は未定とのことだ。「サウス棟」はずいぶん安いような気がするが、どうだろう。

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ケヤキガーデン

カテゴリ: 2020年度

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「ルピアシェリール南浦和」

 ポラスグループ中央住宅が分譲中のコンパクトマンション「ルピアシェリール南浦和」を見学した。JR南浦和駅から徒歩5分の全36戸で、6月から販売しており、これまでに約20戸を成約するなど順調に売れている。

 物件は、JR京浜東北線・武蔵野線南浦和駅から徒歩5分、さいたま市南区南本町1丁目に位置する10階建て全36戸。専有面積は31.47~34.42㎡、現在先着順に分譲している第3期(7戸)の価格は2,690万~3,250万円。坪単価は300万円強。建物は2020年8月21日に竣工済み。施工は川村工営。販売代理はアートランド。

 敷地は、南浦和駅西口から真っすぐ、マンションや商業施設などが建ち並ぶ、それほど交通量が多くない通りに接道。

 建物は内廊下方式で、住戸プランは1フロア4戸構成。春になるとサクラが咲く公園を一望できる南向き3戸、通りに面した北向き1戸。南向きはスパン5000~5300ミリのスクエアタイプで、リビング・ダイニングは約8~8.3帖大、洋室は3.7~3.9帖大。キッチンは幅1590ミリの対面型。北向き住戸(31㎡)はスパンが約10,000ミリ。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、ゴミ分別がしやすい「かくれんボックス」、ホスクリーン、可動式壁掛け「わたしセレクト」、ちょいおきレールなど。1階に10帖大はありそうな無料のコーヒーメーカー、有料のコピー機付きのコワーキングスぺースを設置し、南側のテラスはウッドベンチ、開閉できる日よけシェード付き。

 同社マインドスクェア事業部マンションディビジョン・小田夏帆氏は、「実際の部屋を見てもらいたいという思いから、棟内モデルを設置しました。女性購入を想定しおしゃれ感を演出し、デッドスペースを利用できるよう可動式の壁掛け棚を標準装備としました。都内からの来場は少ない」などと話した。

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モデルルーム

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モデルルーム

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コワーキングスペース

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 小田氏は「都内の人の来場が少ない」と不満のようだが、都内居住の単身の男性も女性も者は荒川を超えるのは勇気のいること。販売スピードはこのようなものではないか。

 坪単価300万円強というのは決して安くはないが、駅から5分、大通り(交通量は多くなく騒音も気にならないはず)に面しており、嫌悪施設もない住宅街の一角なので単身女性にとっては安心だ。コンスタントに需要はあると思う。

 シューズインクロークやウォークインクローゼットのスペースをきっちり確保しているなどプランもよくできていると思う。南向きのスクエアタイプも北向きの住戸も使い勝手はよさそうだ。

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可動式壁掛け「わたしセレクト」

ポラスグループ 初のコンパクトマンション「森下」 エリア最高値の369万円(2019/10/17)

カテゴリ: 2020年度

 長谷工アーベスト東京支社販売企画部門担当、取締役兼執行役員・遊佐康人氏が2020年9月22日、肺腺がんで死去した。享年54歳。

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 記者は遊佐氏のご逝去を先日10月10日知った。言葉を失った。

 すぐ長谷工コーポレーション広報に連絡を取った。同社広報は「弊社から訃報のお知らせは出しませんが、メディアの方を含む長年お世話になりました関係者の皆さまには、担当者より個別にお伝えさせていただいております」とのことだった。

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 記者が遊佐氏と初めてお会いしたのは20余年前、30歳になられたころではなかったか。当時、長谷工アーベストの社長をされていた故・久光龍彦氏に紹介されたような気がする。その後、都心並みの坪単価(記憶が正しければ確か坪260万円くらい)で早期完売させたことから業界の語り草になった日商岩井・双日「エアレジデンス新浦安」430戸も担当されているはずだし、30歳代の最年少で同社の部長職に就任したのも遊佐氏だったはずだ。(事実関係を確認できる久光氏も昨年末に亡くなられた)

 遊佐氏に最後にお会いしたのは2010年1月の長谷工コーポレーション「ブランシエラ浦和」の取材のときだった。記事には次のようにある。

 「見学会で最初に挨拶したのは同社都市開発部門の常務執行役員・吉田隆一郎氏で、技術について説明したのは同社技術推進部門の執行役員・河村順二氏、そして販売を担当する長谷工アーベストの販売の指揮を取るのが同社のエースの受託販売第四部門兼受注営業部部門長・遊佐康人氏だった。この日のために動員されたスタッフは総勢40人」

 「遊佐氏は『ファジーな言い方で申し訳ないが、80平方㍍で5,000万円から6,000万円。価格に見合う、いやそれ以上の価値があることを確信している』と述べるにとどめた。その一方で『私は社内でマンション革命と呼んでいるぐらいだ』と、物件への強い思いを語った」

 それ以来、遊佐氏にはお会いしていないが、記事を検索したら、「浦和」を含め4件がヒットした。

 「武蔵浦和SKY&GARDEN」の記事には約6,000件のアクセスがあり、次のように書いている。

 「対応してもらったのは、長谷工アーベスト受託販売第三部門販売二部販売第1チーム上席プロジェクトマネージャー・照井学氏だった」

 「4月1日付人事異動で受託販売第三部門担当の執行役員から受託販売第二部門担当執行役員に就任した遊佐康人氏によれば、『照井は私の右腕。遊佐軍団の一番若い次長職』だという。記者は全然覚えがないが、遊佐氏は以前、照井氏を記者に引き合わせてくれたことがあるという」

◇       ◆     ◇

 マンション販売業界の〝星〟が消えた。暗然として声が出ない。遊佐さん、さようなら。

献杯

〝業界の名物男〟逝く トータルブレイン社長・久光龍彦氏 享年79歳(2020/1/6)

「武蔵浦和SKY&GARDEN」 販社に長谷工アーベストが選ばれた理由(2014/4/15)

西葛西でマンション大量800戸超供給(2013/8/22)

「価格に見合う価値あり」 長谷工の「ブランシエラ浦和」(2010/1/15)

来場1500組「東京スイート・レジデンス」が人気(2007/5/16)

カテゴリ: 2020年度

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「ルピアグランデ柏 ココロリゾート」

 ポラスグループ中央住宅は10月9日、千葉県柏市の一戸建てとの複合マンション「ルピアグランデ柏 ココロリゾート」の記者見学会を行った。柏駅から徒歩15分の準工立地とコロナ禍のハンディをもろともせず、3カ月で全196戸のうち100戸を成約したと発表した。見学会はコロナ対策のため2班に分かれて行われた。

 物件は、JR常磐線(千代田線乗入れ)・東武アーバンパークライン柏駅南口から徒歩15分、柏市富里三丁目の準工業・第一種住居地域に位置する13階建て全196戸。専有面積は70.06~86.79㎡、価格は2,498万~4,698万円。坪単価は153万円。竣工予定は2021年8月中旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

 7月から販売を開始し、これまでに350件の来場があり100戸を成約。購入者の約3割が柏市内で、そのほかは常磐線沿線居住者が中心、半数以上が30歳代と40歳代。

 現地は、戸建て街区と合わせ10,000㎡超の公務員住宅跡地で、敷地西側の敷地延長部分(幅約16.3m、奥行き約51.9m)が水戸街道に接道。不整形の敷地を有効利用するため準工地域にマンションを、第一種住居地域に戸建て街区(19戸)を配置した複合開発。

 建物はL字型で、標準階の住戸は南西向きが12戸、南東向きが3~6戸構成。敷地延長部分を「西海岸リゾート」をテーマにヤシやソテツを配したランドプランとし、共用施設として約20坪の木造コミュニティホール(戸建て街区居住者は有料)を設置している。

 住戸プランは全て70㎡以上で、スパンは6200・6500・6750ミリが標準。主な基本性能・設備仕様は、ピアキッチン(設置比率45%)、オリジナル食器棚、食洗機、ディスポーザー、リビング天井高2490~2590ミリなど。

 見学会に臨んだ同社マインドスクェア事業部取締役事業部長・金児正治氏は、「土地を仕入れるとき戸建てとマンションの複合にすれば第一次取得層向けの3,400万円台で供給することができ、集会所を設けて交流の場を確保することを考えた。敷延部分はアメリカ西海岸にぴったりだと直感した。企画はどんぴしゃり、ベストチョイス。大人気の戸建ても含め用地仕入れは厳しくなっているが、このような戸建てや商業などの複合が可能な〝総合点〟の高い土地を積極的に仕入れていく。近く5物件を供給するが話題性に富んだものになるはず」と挨拶した。

 同社マンションディビジョン課長・湯村元昭氏は、「戸建て19区画は敷地が120㎡、建物が100㎡で、価格は3,000万円台半ばから4,000万円台の半ば。昨年12月から3カ月で完売した。この種の不整形の敷地だからこそ当社の強みである戸建て事業部とマンションディビジョンの連携が生きる」と語った。湯村氏は大激戦の「稲毛」(74戸)も半分以上売れていることを明らかにした。

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金児氏(左)と宮崎氏

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ラウンジ

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ピアキッチン

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食器棚

◇       ◆     ◇

 以下、販売代理の長谷工アーベスト東京支社販売部門販売五部部長・宮崎公昌氏が語った物件特性・販売状況をほとんどそのまま紹介する。

 3カ月で100戸進捗というのは、月に10戸販売という常磐線エリア特性からして群を抜いている。駅からの距離、国道、工場の難点を凌駕するストロングポイントが3つある。

 一つはイオンモールが近いこと。これがお客様を腹落ちさせた。

 二つ目は商品企画。ピアキッチンに加え食器棚を標準装備とするなど水回りの仕様レベルが高い。まるで魔法だ。駐車場も平置き型を備えている。

 三つ目は、〝これなら買える〟という価格設定ができていること。あこがれの70㎡以上を実現した。

 この三つの差別化が奏功し、〝家に帰りたくなる〟〝みんなに自慢できる〟-これがお客様に響いた。

 販売現場としてはコロナ対策で不安もあったがどこ吹く風だった。来場制限を行いモデルルーム見学は1組限定としたところ、希望通り見学できないお客様にお叱りを受けるほどだった。

 持ち家志向、在宅勤務の流れも背中を押した。物件特性とニーズが合致したのが好調の要因。

 以上書いてみると、わずか数分間で物件特性と販売状況を過不足なく語りきった宮崎氏の感動的なスピーチ-例えていえば4年前、あのオバマ大統領が広島で行った演説に匹敵するほど-を残念ながら伝えきれていない。小生の技量が劣り、ストレートに聴覚に訴える話し言葉の効果は書き言葉では期待できないからだ。

 金児氏もこの日、「どんぴしゃり」「ベストチョイス」「大人気」などと威勢のいい言葉を連発したが、宮崎氏の口からも「群を抜く」「難点を凌駕する」「どこ吹く風」などと負けず劣らずのフレーズがほとばしり出た。甲乙つけがたいが、小生は宮崎氏に軍配を上げる。

 他のデベロッパーの皆さん。どのような優れたニュース・リリースを配信しようと、この種の現場見学会を上回ることはできない。見学会自粛が長引けば長引くほどメディアの発信力は退化・退行する。皆さんはメディアを育てる役割も担っているはずだ。どんどん見学会をやってほしい。来週は1件の取材も小生は入っていない。

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モデルルームの観葉植物もほとんどが本物

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大人の背丈以上ありそうなヤシの木(鉢のそばにはフェイクの観葉植物が置かれていたが、一緒にカメラに収めようとしたら担当者は小脇に抱えてそれを隠した)

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販売事務所

坪245万円に納得 コロナ禍で半分以上を成約 三井不動産レジ「柏タワー」(2020/9/7)

 


 

カテゴリ: 2020年度

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「レーベン検見川浜GRANVARDI」(写真は記者撮影の★印以外は同社提供)

 タカラレーベンが分譲中の「レーベン検見川浜GRANVARDI」※を見学した。平成30年に千葉県有地を取得し、昨年11月から分譲している全288戸の規模で、すでに約80%を約。全体で7,000戸超のマンションが分譲中・計画中の大激戦の京葉線エリアで圧倒的な人気を誇っている。

 物件は、JR京葉線検見川浜駅から徒歩2分、千葉市美浜区磯辺六丁目に位置する敷地面積約6,612㎡、10階建て全288戸。専有面積は41.41~104.40㎡、坪単価は190万円台。竣工予定は2021年2月中旬。設計・監理は千都建築設計事務所。施工は多田建設。売主は同社のほか三信住建。

 ※「GRANVARDI」はデンマーク語の素晴らしい・壮大を意味する「GRANDEUR」と価値を意味する「VARDI」を合わせた造語。

 現地は千葉県企業局が所有していた土地で、平成30年に行われた競争入札の結果、応募があった6者の中から同社を代表する企業群が約34億円(1種当たり約42万円)で落札した。

 敷地北側は京葉線の線路が走っているが、南側は5階建ての中層マンション群。建物は全戸南西・南東向き。主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、食洗機、二重サッシ(北側窓)、「たからの水」など。共用施設はライブラリー、パーィールーム、キッズルーム、ゲストルーム、ミニスポーツジム、ランドリールーム、スモールオフィス、プレイルームなど。

 販売を担当する同社第二営業グループ第2営業部4課課長代理・西谷竜太氏は、「沿線では10物件くらい分譲されていますが、どこにも負けない。毎月100件超の来場があります。もう残りは20%。わたしは入社10年ですが、これほどやりがいのある物件は初めて。高荒取締役(記者が〝業界のレディ・ガガ〟と呼ぶ同社取締役兼執行役員・髙荒美香氏)モデルを踏襲した販売事務所の評判もいい」と話した。

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モデルルーム

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 ◇       ◆     ◇

 京葉線沿線ではいま次の物件が分譲中、あるいはこれから分譲される。

ザ・パークハウス 新浦安マリンヴィラ      528戸
パークホームズLaLa南船橋           231戸
幕張ベイパーククロスタワーアンドレジデンス  497戸※1
幕張ベイパーク スカイグランドタワー    826戸※1
ミハマシティ検見川浜1街区         397戸※2
ルネ稲毛海岸グランマークス             331戸
ヴェレーナシティ パレ・ド・マリナージュ   267戸
ルピアコート稲毛              74戸
※1は計画戸数4,500戸 ※2は計画戸数1,000戸

 計画戸数を含めると7,000戸をはるかに超える。記者は今回の同社の物件のほか「幕張ベイパーク」「ルピアコート稲毛」「ヴェレーナシティ稲毛海岸」の3物件しか見学していないのでよく分からないが、売れ行きは断トツではないかと思う

 好調な要因は、言うまでもないことだが駅からの距離と価格の安さ、充実した共用施設だ。

 それと、一つ強調したいのは高荒モデルが一段と進化を遂げているという点だ。高荒氏が手掛けたマンションを初めて見学したのは2011年の「巣鴨」だった。島田和一社長(当時副社長)から「巣鴨で坪単価300万円ぐらいの販売が女性ばかりの面白いのをやる」と聞き取材した。

 その時の記事も添付したので読んで頂きたい。「高荒さんのスーツも黒で『それも意識して着ているのか』と聞いたら、『これは会社の制服ですから。普段は黒ばかり着ているわけではありません』とのことだった。爪にはネイルアートが施されていた」などと、いま読み返すと大変失礼な質問をしたものだと恥ずかしくなるが、その時の驚きをストレートに伝えられていると思う。

 〝業界のレディ・ガガ〟と名付けたのはその後だが、今でもその形容はぴったりだと思う。高荒モデルを真似る他社物件をたくさん見学した。

 その高荒モデルに明らかな変化が今回の物件に表れている。派手ではあるが、同社に限らずどこのモデルルームにも共通するこれ見よがし、こけおどしの嫌味が全くなく、すんなりと受け入れられるインテリアデザインだった。〝角が取れた〟〝洗練された〟〝円熟味を増した〟などと手垢にまみれたフレーズは使いたくはないのだが、分かりやすく形容すればそのようなモデルルーム・販売事務所だった。

 パンフレットに記載されているモデルルームのインテリアデザイナーはコラージュ代表取締役・足立純子氏だった。

 存じ上げないので、「コラージュ」と「足立純子」で検索したら、同社の今回のマンションのほか2物件がヒットし、何とその次に記者が2008年に書いた同社の〝デザイナーズマンション〟第一弾「レーベンリヴァーレ セレドーレ」がヒットした。

 その記事には「インテリアを担当したコラージュの足立純子さんについては、これまでどのような物件を手がけてきたか記者は知らないが、随分思い切ったデザインをする方だと感じた。カラーデザインは白と黒が基調で、アクセントに赤を用いているほか、モザイクタイル、古代画の文様を思わせる装飾壁、紫のカーテンなどを採用していた」とある。

 なるほど。知恵の輪がほどけた。このあたりから島田社長は足立氏を起用することでデザインを含めた商品企画に高荒氏を抜擢することを考えていたのではないか。

 参考までに。縦横約26センチの正方形の70ページ建てパンフレットもよくできている。キャッチコピーは「Time to HYGGE(ヒュッゲ) それは、世界一シアワセな時間」で、視覚的にも読ませるレイアウトが美しい。

 中身だけでなく、表紙にも工夫が凝らされている。表紙はカバー付きで、ヒュッゲをイメージした文様が浮かび上がるエンボス加工がなされている。しかも、そのカバーはレザー張りに近い手触り感がある仕上げになっている(何という仕上げ方法か)。「ブックカバーにいいかも」とかみさん。

 これまで一部数万円もしそうな億ションの豪華パンフレットはたくさん見てきたが、坪単価200万円前後の物件にこのような手の込んだものは果たしてあったかどうか。

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販売事務所(★ スロープ付きで開けはなられていた)

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現地(★)

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駅近くの公園(★)

桑の街路樹もある由緒ある地名に立地 タカラレーベン「八王子」順調スタート(2020/9/17)

「検見川浜には負けない」 価格的競争力は十分「ヴェレーナシティ稲毛海岸」(2017/3/9)

タカラレーベン〝デザイナーズマンション〟第一弾(2008/7/11)

タカラレーベン「巣鴨」で同社初の高単価マンション(2011/2/7)

 

カテゴリ: 2020年度
 

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