三井ホーム 40坪以下を対象にした全館空調システム開発、販売 コスト大幅削減
三井ホームは10月4日、40坪以下の住宅を対象にした全館空調システム「スマートブリーズ ワン」を開発し、10月11日(金)から全国販売(沖縄、寒冷多雪地を除く)すると発表した。
従来製品と比べイニシャルコスト(初期投資)を最大40%軽減し、ランニングコスト(電気代)は約20%軽減。メンテナンスコストも削減した。販売価格は132万円。
同社の全館空調システムの累計販売台数30,000台に達し業界№1(同社調べ)。
スムストックの「フラット35(中古住宅用)」の手続きが簡素化
優良ストック住宅推進協議会(スムストック)は10月1日、住宅金融支援機構と業務提携し、「フラット35(中古住宅用)」融資手続きが簡素化されると発表した。
「フラット35」融資を受けためには、同支援機構が定める「適合証明書」を提出する必要があり、書類審査や現地調査などに通常1~2週間の時間がかかり、数万円の検査費用も必要となる。
今回の業務提携により、スムストック住宅については、スムストック住宅販売士による「スムストック住宅基準適合点検シート」を金融機関に提出するだけで済み、適合証明書の交付を受ける時間が短縮される。
驚異の6年間で500棟販売 ポラスグループ中央住宅 三郷中央駅圏の分譲戸建て
「nextstageミライズ三郷中央」販売戸数500棟達成記念イベント
6年間で500棟販売-ポラスグループ中央住宅は9月28日、つくばエクスプレス三郷中央駅エリアで販売を開始した2013年10月以来、戸建ての販売累計棟数が500棟を突破したことを記念する地域住民を対象としたイベントを行った。参加者は木工教室、マルシェ、ハロウィンコスチュームコンテスト、ビンゴ大会などを楽しんだ。イベントは29日も行われる。(同社は30日、来場者は約400組1,200名と発表。うち約4割が契約者)
木工教室
ステージでのイベント
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同社の三郷中央駅圏の戸建て分譲については過去3度記事にしているので、そちらも参照していただきたい。
マンション事業者の方はご存じだろう。三郷中央駅圏では、2009年の伊藤忠都市開発「クレヴィア三郷中央」、2010年の大京「ザ・ライオンズ三郷中央」など人気になった物件もあるが、業界では厳しいエリアとして知られている。単価水準はこの10年間ほとんど上昇していない。記者はその第一の理由として、駅前の商業施設が乏しいからだと思っている。(戸建てに負けない商品企画も必要)
にもかかわらず、同社の分譲戸建ては2013年10月の分譲開始以来、今年4月には販売棟数が500戸を超え、現在までに30次520戸までに伸ばしていると聞いて驚いた。
人気の最大の理由は、当初は敷地面積が120㎡以上(地区計画による)で3,400万円台からで、最近では3,700万円くらいからという価格の安さにありそうだ。分譲マンションは坪160万円くらいが相場だから、いかに安いかが分かる。
もう一つ強調したいのは、価格に比して商品企画レベルが高いことだ。リビング天井高は2700mmだし、床や面材は挽き板を多用し、外構の植栽もしっかり造りこみを行っている。
売れ行き好調を示すトピックスとして、名鉄不動産がマンション用地としてUR都市機構から取得した土地の譲渡を受けて、戸建て40棟を同社が分譲したことがあげられる。
同社戸建分譲設計本部設計二部部長・鈴木征道氏は「当初は年間80棟の販売を目指して分譲開始したが、売れ行きが好調で仕入れを強化してきた。しっかり商品の造り込みを行えば売れる。近く販売戸数500棟と当社グループ50周年を記念する31次の『nextstageソノサキノミライへ 1st』を分譲する。区画整理地内の保留地などは残りが少なく35次でトータル600棟がフィニッシュとなる」と話した。
モデルハウス
ポラスグループ 戸建て初 自動録画機能付き宅配BOX 約180棟に採用(2018/5/18)
ポラス 学生コンペ 実物件化モデルハウスを公開 ミニ開発の難点を解消(2017/8/12)
災害時の支援施設として開放 日本初のモデルハウス アキュラホーム×日産リーフ
「モラージュ菖蒲ハウジングステージ」
アキュラホームは9月13日、災害時に支援施設として一般に開放する日本初のモデルハウスを久喜市の住宅展示場「モラージュ菖蒲ハウジングステージ」に公開した。
日産自動車、日産フリンス埼玉販売と災害連携協定を結び、蓄電量40kwhの大容量の発電能力を有す電気自動車日産リーフを展示場に装備し、災害時の停電時に電力を供給するとともに、掘削した井戸から井戸水を提供し、さらに災害備蓄品を装備することで、一時避難所として提供する。日産は災害時には他のリーフの配備も行う。
同社は今回のモデルハウスを全国150カ所の住宅展示場にも展開する意向で、他のハウスメーカーが同様の取り組みを行うことを期待している。
記者発表会に臨んだ同社宮沢俊哉社長は、「災害に強い住宅を供給するのは我々の使命だが、同時に復興を支援するのも重要。すでに4~5年前、井戸付き住宅を提案し、令和元年には日産リーフを標準装備し、太陽光発電と蓄電池機能を備えた全館冷暖房費ゼロ、光熱費ゼロ、自動車燃料費ゼロの『ミライの家 Rei』を発売した。今回、災害支援施設にしたのは、リーフの大容量の蓄電池機能を生かし、一時避難場所としても提供することで地域に貢献する」ことが狙いとし、今後は「当社の全国150カ所の住宅展示場でも順次装備していく。同様の取り組みが他のメーカーにも広がることを期待している」と述べた。
モデルハウスは、木造2階建て延べ床面積約19.㎡。停電時には約6,000人以上(1台30分)の携帯電話を充電することが可能。6×6mスパン、天井高約5660ミリの吹き抜けリビング大空間を提案しているほか、オリジナル全館空調システム、手掘り井戸を装備している。
同社はまた、激発する自然災害を受け、〝災害に強い住まい〟として太陽光発電と5.6kWの蓄電池を装備した「ココイエ レジリエンス」を85㎡:1,450万円~50棟限定で緊急発売する。
宮沢社長
宮沢社長と日産リーフ
井戸
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意表を突くいい取り組みだ。記者は車の購入費や維持費は安くなく、その分だけ住宅建設や購入費を抑えなければならないので〝住宅の敵は車〟だとずっと思っていた。環境汚染や〝死の恐怖〟のリスクも考えると車は両刃の剣だ。
その車と高機能の住宅や住宅展示場と組み合せれば、災害時に人々を救うことを知った。
ただ、車のことは全く知らないので、〝どうしてリーフでないといけないのか〟と聞いたら、宮沢社長も日産自動車関係者もリーフは他社の電気自動車と比べ蓄電容量が大きいのだという。40kwhだと東京-名古屋間を走れるというし、停電時の住宅では、昼間の使用量を抑えれば4日間くらいは持つという。(高性能の充放電機器パワーステーションは100万円前後というのが課題のようだ)
住宅展示場を災害時の一時避難場所にするのも大賛成。住宅展示場が全国にどれだけあるかしらないが、敷地面積はどこも広いはずで、最先端の住宅ばかりだろう。相当数の人を受け入れることが可能なはずだ。
難点は、どこの展示場も火気厳禁になっているはずで、モデルハウスはトイレや風呂、調理できる仕様になっているのかどうか。
それと水の確保だ。宮沢社長の自宅は水質検査を行った結果、飲料水として利用できるようになったとか。全国の住宅展示場も共同で掘れば費用は抑えられるはずで、水は飲めるのではないか。
住宅展示場がそのような施設になれば、見方も変わるはずだ。ひょっとしたら、来年のグッドデザイン賞で最優秀賞を受賞するかもしれない。それくらいのヒット作だ。
大空間
新築戸建て採用率5割の「ファミリースイート」 リフォームにも対応 積水ハウス
イメージ図
積水ハウスは8月22日、従来の「LDK発想」から脱却し、家族が思い思いに過ごせる「新しいリビングのあり方」を提案する「ファミリースイート リノベーション」を9月1日から積水ハウスリフォーム3社通じて発売すると発表した。
「ファミリー スイート」は、住まいの「幸せ」を研究する住生活研究所の研究成果と先進技術により開発した戸建て向け商品で、昨年10月に発売して以来、新築戸建てへの採用率は約5割に達している。
新開発の受梁仕様「RFサポートビームシステム」により、既存の構造柱を取り除くことで、細かく間仕切られていた空間を大空間リビングへリフォームすることが可能。
敷地60㎡未満の分譲「狭小住宅」 都心部は軒並み50%超 最少の練馬は1.9%
最近、「狭小住宅」について二度記事を書いた。今回で三度目だが、かなり問題点が明らかになってきた。
別表は、8月19日現在、住宅情報サイト「SUUMO(スーモ)新築一戸建て」に掲載されている東京都全体に占める「敷地面積が60㎡未満」の戸数比率を見たものだ。
それによると、全体で15,790戸あるうち敷地面積が60㎡未満の戸数は1,656戸で比率は10.5%だ。23区に限ると全体の20.2%に当たる1,536戸が60㎡未満だ。相対的に地価が高い都心部などは5割を突破している。
そもそも「狭小住宅」の定義はないし、敷地面積が60㎡未満の住宅を「狭小住宅」と呼ぶのが適当かどうかわからないが、「SUUMO(スーモ)」には「60㎡未満」より狭い敷地面積の括りはないので、便宜的に敷地面積が60㎡未満の住宅を「狭小住宅」と呼ぶことにする。
全体の2割が「狭小住宅」という数字をどう評価するか、記者は判断材料を持たないが、仮に多いとすれば、増加の最大の要因は2001年から始まった「官から民へ」の小泉構造改革に尽きる。
そのあたりの経緯について少し触れたい。1987年の木造3階建ての解禁により都心部でのミニ開発に拍車がかかったのだが、一方で当時の住宅金融公庫融資には100㎡以上という敷地面積要件があり、都市銀行なども公庫にならって100㎡以上という要件を付していた。
ところが、バブル崩壊によるリスク管理債権比率の悪化批判(当時は4~5%と記憶しているが、他の金融機関と比較して全然高くなかった)、民業圧迫批判などを受け、2004年にスタートした「フラット35」では面積要件を撤廃した。そして、2007年に同公庫は廃止され、業務は住宅金融支援機構に引き継がれ、一般融資もなくなった。
現在、金融機関の住宅ローンの面積要件はどうなっているか。みずほ銀行と三菱UFJ銀行は「敷地面積40㎡以上」で、三井住友銀行は面積要件を定めず個別審査するとのことだった。ARUHIは特に定めておらず、フラット35と同じ床面積70㎡以上としている。
このように、住宅融資に関する面積要件の緩和が「狭小住宅」を増やした最大の要因であるのは明らかだ。
話を最初に戻す。「SUUMO(スーモ)」の15,790戸という全掲載物件戸数について。東京都の平成30年の住宅着工戸数は19,512戸だ。これと比べても「SUUMO(スーモ)」の物件捕捉率は驚異的だ。マンションもそうだろうが、「SUUMO(スーモ)」は分譲戸建てのあらゆるデータを握っている。
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興味深いのは練馬区、杉並区、目黒区、中野区の4区の「狭小住宅」比率が10%を割っていることだ。とくに練馬区は掲載物件が1,255戸と23区でもっとも多いにもかかわらず「狭小住宅」比率はわずか1.9%、24戸しかない。
なぜか。練馬区は平成20年3月7日付で、建築物の敷地面積の最低限度について建ぺい率が30%の地域では110㎡、60%の地域では75㎡、80%の地域では70㎡と定めた都市計画を決定している。指定の目的として、著しく小さい敷地の供給に歯止めをかけることと、住環境や居住面積の最低水準を確保することを上げている。
この都市計画決定が、他区と比べて極端に「狭小住宅」比率が小さい理由であるのは間違いない。同様に「狭小住宅」の割合が小さい杉並区は平成16年、建ぺい率60%の地域の最低敷地面積を60㎡に、目黒区も平成16年に建ぺい率が60%の第一種低層住居専用地域では最低70㎡と定めている。
「狭小住宅」比率が50%を超えている港区、新宿区、文京区、品川区、台東区などは最低面積要件を定めていない。
外-庭-住宅を緩やかにつなぐ ポラス「流山セントラルパーク」 平均2倍で即日完売
「Living Darden流山セントラルパーク」
ポラスグループのポラスガーデンヒルズは8月5日、先に平均2倍の倍率で即日完売した戸建て「Living Darden流山セントラルパーク」のメディア向け見学会を行った。駅から徒歩4分の全3棟で、「庭間(テーマ)のある家」をテーマにエクステリア、ファサードそれぞれのデザイナーとコラボし、住宅と庭・外構を一体として商品化したレベルの高い戸建てだ。
物件は、つくばエクスプレス流山セントラルパーク駅から徒歩4分、流山市古間木の区画整理事業地内の一角に位置する全3棟。土地面積は158.25~165.31㎡、建物面積は92.95~98.55㎡、価格は5,180~5,380万円。建物は木造軸組工法2階建て、竣工済み。
3棟とも完成販売とし、7月13日に抽選の結果、最高5倍、平均2倍で即日完売した。
現地は、大規模公園に隣接。商品化に当たっては、エクステリアデザイナーのグランフェイス・大熊一幸氏と、ファサードデザインに実績のあるYKK APエクステリア部・深川英樹氏とコラボ。高低差のある敷地の特徴を生かし、緩やかな段差で緩やかにつながる空間構成を行い、外-庭-住宅が緩やかにつながる容積算入の「リビングガーデン」を設置しているのが特徴。
見学会で、同社設計部街並デザイン室・松井孝治氏は、「来場者からは『パースよりいい』『予想以上にいい』『価格が安い』などの評価を頂いた。もう少し高くても売れたかも」などと語り、同社設計部管理建築士・安藤欣司氏は「今までの概念とは違う庭をつくった。よく見ていただきたいと」と力を込めた。
大熊氏は、「ファサードは緑化計画を盛り込んだオープンデザインとし、庭を部屋と一体として使えるよう壁を設け、ファニチュアも置けるよう工夫した。機能と意匠の両立を目指した」と語った。大熊氏は約20年間、ハウスメーカーのエクステリアを担当したのち、8年前に独立。JEXA 日本エクステリア設計協会の主席幹事を務めている。
深川氏は、「壁を立てた庭を提案し、アルミのフレーム、縦ルーバー、アルミ鋳物、木樹脂などを多用した」と話した。
松井氏(左)と安藤氏
大熊氏(左)と深川氏
2号棟
2号棟のアルミ鋳物の格子デザイン壁
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前日はRBA野球大会の取材のため炎天下の三郷の河川敷のグラウンドで4時間立ち尽くし疲れ果てている小生は、分譲住宅の契約戸数が2,654棟(2019年3月期)もあるポラスがどうしてわずか3棟の物件見学会を、しかも夕方の5時に行うのだろうといぶかりながら出かけた。(道に迷ったため20分歩き、汗だくになったおまけつき)
その謎はすぐ解けた。建物を見てすぐ、「庭間(テーマ)のある家」のコンセプトがすぐ伝わってきた。記者はアルミ鋳物の格子に惚れこんだ(写真参考)。幅が異なる3種の格子を等間隔ではあるが角度を変えているため、見る角度により微妙に表情が異なる。この種の格子デザインの嚆矢でもある、隈研吾氏がデザイン監修した「神楽坂『赤城の杜』プロジェクト」マンションを思い出した。
値段を聞いてびっくりした。記者は、この沿線のマンションや戸建てをたくさん取材しているのでおおよその相場は把握している。流山セントラルパークは、駅周辺に生活利便施設がほとんどないのが難点だが、立地条件からして値段は5,000万円台の後半だろうと読んだ。「予想以上にいい」「価格が安い」と松井氏がストレートにお客さんの評価を伝えたとおりだと思う。
なぜ、それほどまでに安くしたのか。多分、同社はこの流山セントラルパークエリアではこれまで分譲事例がなく、今後大量に供給するための布石を打つために商品力を高め、価格を抑えたのだろうと理解した。3棟現場だからこそ思い切った企画で勝負できたのだろうと合点がいった。
来場者の「パースよりいい」というのは、今回の物件に限ったことではない。パースより実物がいいのはいつものことだ。同社の課題だ。パースを本物に近づけることが必要だと思う。
もう一つ注文。これは同社の物件に限らないのだが、階段が尺モジュールなのが気に入らない。小上がり部分も含めステップを17段も取っているのだから、ここはメーターモジュールにして差別化を図るべきだ。
さらに言えば、踊り場付きの回り階段やサーキュラー階段にすれば事故は劇的に減るはずだし、電動滑り台にしたら上り下りはものすごく楽になるはずだ。各社は2階建てのネックである階段にどうして力を入れないのか。
庭
庭
エントランス
横浜市×アキュラホーム×イケア 体験型「SDGsハウス」公開
「SDGsハウス」
アキュラホームは8月1日、「SDGs未来都市・横浜」の実現を目指すための中間組織「ヨコハマSDGsデザインセンター」のコーディネートにより、イケア・ジャパンと連携したSDGsの17ゴールに貢献する住まいや暮らし方を提案する「SDGsハウス」を同社の港北展示場で公開した。
「SDGsハウス」は、同社が昨年5月、CLTを採用したモデルハウス「キラクノイエ」の設備・家具・備品にイケヤが開発した商品を展示しているもので、各商品がSDGsのどのゴールを目指しているかを分かりやすく説明しているのが特徴。9月30日まで公開される。
再生ポリエステル繊維で作られたテーブルクロス・クッション
◇ ◆ ◇
国連が提唱するSDGsをテーマにしたイベントを取材するのはこの1週間で3度目だ。他の記事と合わせて読んで頂きたい。国も企業も国民もSDGsを目的意識的に取り組み始めたということか。
今回の「SDGsハウス」で興味を引かれたのは、イケアが開発したテーブルクロスやクッションなどだった。使用済みのペットボトルを再生ポリエステル繊維として蘇らせたものだった。商品化されるのは間違いないと見た。
記者は再生ポリエステル繊維についてはよく分からないのだが、かなり普及しているようだ。弊社の女性社員の制服も全てではないが、再生ポリエステル繊維で作られたワンピースを着ている。新入社員が選んで購入したという。記者は触らせてもらったが、手触りは感は普通の洋服と変わらない。洗濯するとしわが寄りやすいというのが難点のようだ。
値段が高いか安いか判断のしようがないが、これもSDGsの取り組みの一つと思えば堂々と胸を張れる。
写真ではよく分からないが、キッチン扉もプラスチックから再生された製品
全役員がSDGsバッジ 住林は障がい者による手作り木製 熊谷組は市販のメタル製(2019/7/26)
〝世界に発信〟 企業×自治体 先進的SDGs取り組み事例紹介「City Lab Ventures」(2019/7/25)
ペンシル戸建てと一線画す 都心ど真ん中に3階建て分譲 大和ハウス「四谷三栄町」
「セキュレア四谷三栄町」
大和ハウス工業が分譲中の戸建て「セキュレア四谷三栄町」を見学した。四ツ谷駅から徒歩8分の3階建て全8戸。マンションやペンシル戸建てに飽き足りない戸建て派に支持されると見た。
物件は、JR中央本線四ツ谷駅から徒歩8分・東京地下鉄丸ノ内線四谷三丁目駅から徒歩8分、新宿区四谷三栄町の建ぺい率60%、容積率300%の第一種中高層住居専用地域に位置する開発面積854.91㎡の全8戸。現在分譲中の住戸(2戸)の敷地面積は88.62・89.82㎡、建物面積は103.08・118.40㎡、価格は13,150万・16,970万円。建物は木造3階建て、完成済み。4月から分譲を開始し、これまでに4戸が成約済み。
現地は、新宿通りから一歩入った閑静な住宅街の一角。電柱の地中化とインターロッキング舗道が整備された三栄通りからすぐ。一帯は第一種中高層住居専用地域だが、建基法の道路制限、斜線制限、日影規制などを受けるためか高い建物はほとんどなく、2~3階建ての戸建て・マンションが建っている住宅街。
敷地の従前は賃貸マンションで、開発道路を整備し、敷地を25坪以上とし、延床面積を100㎡以上確保しているのが特徴。
同社東京本店 住宅事業部 東京分譲住宅事業部所長・中岡敬典氏は「都心部の分譲戸建ては敷地面積が20坪以下の3階建てが多いが、最低25坪を確保し、建物も30坪以上としたプランが、ペンシル戸建てに満足されない富裕層の方に響いている。億ションと比較しても管理費、駐車料金などを加味すると月額返済額は同等かむしろ安いくらい。同様の戸建て計画をあと2カ所で進めている」と話した。
リビング
バスルーム
◇ ◆ ◇
「四谷三栄町」の住宅街に足を踏み入れたのは初めてだった。隣接する「荒木町」は以前よく飲み歩いたところで、道路が狭く坂も多く袋小路になっているので、一つ間違うと目的地にたどり着けない。行きつ戻りつした経験がある。
「四谷三栄町」にもそんなイメージしかなかったので、「荒木町」とは全く異なる街並みの落差に驚いた。
仮に、現地にマンションを建てたら坪単価は450万円になるとはじいた。30坪で1億3,500万円だ。この価格と比べても同社の戸建ては〝安い〟と思った。中岡氏が話した通りだ。購入者も同じように考えたのではないか。最近は敷地面積が20坪以下の狭小住宅がかなり分譲されているようだが、そのような住宅購入者と明らかに異なるははずだ。
一つ考えたのは、もう少し設備仕様レベルを上げて億ション並みにしたらどうかということだ。仮にマンションで坪500万円のエリアなら20坪で1億円として、戸建てなら30坪で2億円というのは釣り合うのではないか。同社にはぜひ挑戦してほしい。
現地近くの三栄通り(奥の建築中の建物は再開発ビル)
地所ホーム、積水ハウスと富裕層向け三重奏・三つ巴 三井ホームの新大久保モデル
三井ホーム「新宿北モデルハウス」
三井ホームが新宿・新大久保駅前の「ハウジングステージ新宿」内に先に完成させた「新宿北モデルハウス」を見学した。昨年4月に発表した「ラングレー」と同じコンセプトで、北欧のパイン材を用いた総木製窓と、ウエスタンレッドシダ―のウッドパネルと深い陰影を演出する軒の外観デザインが特徴の3階建てだ。
「ラングレー」のモデルハウスは昨年4月にも浜田山住宅展示場で見学し、記事にもしているのでそちらを参照していただきたい。
他社のモデルハウスがほとんど外観は木なのか鉄なのかコンクリなのか分からないのに対して、同社のモデルは明らかに木で出来ていそうな外観なのが木造ファンの記者は気に入った。
それと、これが最大の特徴でもあるのだが、「浜田山」のそれと異なるのは延べ床面積313㎡(94坪)の3階建てであることで、3階部分約31坪を全てベッドルーム(20.7畳大)・パウダールーム(8.3畳大)・ドレッシングルーム(7.2畳大)に充てている提案がいい。これほど広い夫婦のみの(あるいは一人か)空間提案を見たことがない。これは支持されるはず。さらに言えば、同じくらいの夫婦別室の提案もあっていいが…。
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新宿・新大久保駅前にある「ハウジングステージ新宿」内のモデルハウスを見学したのは今回で3度目(ほかに何棟か見ているのだが、取材目的でなかったので書かない)。明らかに富裕層向けだった。
すぐ比較したのは、積水ハウスのモデルハウスだった。積水のモデルハウスについては6月5日付の記事で「最高に素晴らしい。カッシーナとコラボし、一分の隙もないモノトーンの空間を見事に演出している。モデルハウスを芸術品の域まで高めた商品だ。
何に例えるべきか迷ってしまうのだが、ミロのヴィーナス像はどうだろう(実在の女性に例えると差しさわりがある)。
だがしかし、あまりにも美しく近づくことも触れることもためらわれそうで、金持ちでも品格がない人は怖気づくのは必至で、住みこなすのは容易なことではないのではないか」と書いた。
今回の三井ホームのモデルハウスは確かに美しいのだが、こちらはうつせみの人、例えば同社のCMに長く登場した吉永小百合さんとか現在の菅野美穂さん(最近お笑いタレントと結婚した三井不動産のCMに出ていた何とかさんはちょっと違うか)も「素敵!」と声を上げそうな、絵画で言えば小磯良平の描く凛としたかつ楚々とした美人画のような美しさだ。
一つ難点を指摘すれば、1階の階段室には観葉植物が置かれていたのだが、みるからにフェイク。これはいかがなものか。三菱地所ホームの「ボタニカル」をテーマにした「浜田山ホームギャラリー」や、家の中に中低木を取り込んだ「ONE ORDER」を意識したのかもしれないが、それを超えないと意味がない。せっかくの素晴らしい空間が台無しだ。
いずれにしろ、三菱地所ホーム、積水ハウス、三井ホームの3つのモデルハウス(住友林業も加わるか)がこの住宅展示場内の富裕層向け三重奏を奏で、かつ三つ巴戦を演じるのではないか。住友不動産のモデルハウスは秋に完成するのでぜひ見学したい。
リビング階段の下の観葉植物が気になった
積水ハウス モデルハウス(バスルーム)
木の美しさを全面に 天井高3m実現 三井ホームが新商品「LANGLEY(ラングレー)」(2018/4/11)