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「羽田エアポートガーデン」完成予想図

 住友不動産は12月10日、大田区羽田空港2丁目の羽田空港第2ゾーン地区約4.3haで開発を進めてきた羽田空港直結複合開発プロジェクトの街区名称を「羽田エアポートガーデン」とし、来春に開業すると発表した。

 空港敷地内ホテルの室数としては日本最大の1,717室(ラグジュアリー160室、ハイグレード1,557室)のエアポートホテルを核とし、国際交流機能強化のための羽田空港最大MICE対応の約2,400㎡イベントホール・会議室、都市観光に資する富士山・飛行機を望む約2,000㎡の展望天然温泉、地方都市・観光地へのルートも確保した15停留所のバスターミナル、約90店舗の商業施設などからなる。

 また、周辺エリアの開発(HANEDA INNOVATION CITYやキングスカイフロントなどとの連携も進めていく。

 事業は、羽田空港24時間国際拠点空港化に伴う多様な宿泊機能、国際交流機能や都市観光に資する機能を整備する事業として2016年に公募によって同社が選定された。土地は国土交通省から50年間の定期借地権付きとして借り受ける。エリア一体は2018年3月に国家戦略特別区域 区域計画として認定されている。

 ホテルの運営を担当する住友不動産ヴィラフォンテーヌは、今回のホテル計画により先に発表した「有明ガーデン」(749室)と合わせ2,466室が追加され、現在運営している2,762室から倍増することに伴い、「羽田エアポートガーデン」のうち160室のホテルについては最上級ブランド「ヴィラフォンテーヌ プレミア」と名付け、もう一つのハイグレード1,557室を含む5店舗(3,165室)を「ヴィラフォンテーヌ グランド」とすると発表した。

 客室面積は、「ヴィラフォンテーヌ プレミア羽田空港」が33~173㎡、「ヴィラフォンテーヌ グランド羽田空港」が18~42㎡。「グランド羽田空港」のルームチャージは2万円前後になる模様。同社が連携するとした天空橋駅直結の「羽田空港跡地第一ゾーン整備事業(第一期事業)」の「HANEDA INNOVATION CITY」(開発面積約5.9ha)では、鹿島建設、大和ハウス工業、京浜急行電鉄、日本空港ビルデング、空港施設、東日本旅客鉄道、東京モノレール、野村不動産パートナーズ、富士フイルムの9社が設立した「羽田みらい開発」によって延べ床面積13万㎡超の複合施設が整備されている。

 また、対岸の川崎市川崎区殿町地区の約40haでは川崎市が中心となって「殿町国際戦略拠点Kawasaki INnovation Gateway」の複合開発が進められている。

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「ヴィラフォンテーヌ プレミア羽田空港」ロビー

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露天風呂

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グランドホワイエ

◇       ◆     ◇

 凄い計画なのだろう。この日の発表会にはマンション見学会の数倍の約90人もの報道陣が駆け付けた。

 しかし、海の藻屑と消える無様な死に方はしたくないので、記者は飛行機は大嫌いで、そのすごさが皆目分からない。これまで乗ったのは国内線が6~7回、国際線は中国とモンゴルのみでそれぞれ5回くらい。いつも離着陸のときは汗びっしょりになる(もちろん冷や汗)。極寒のモンゴルのときは外に出たのはほんの数秒だけだったのに一瞬にして下着が凍った。

 馬鹿だったのは大分に行くとき。ホテルと一緒だと思って離陸間際にチェックインしたら搭乗を拒否された。飛行機は不便だ。

 一度だけ成田駅に近い高くも安くもないホテル前泊したことがある。死出の旅立ちになるかもしれないと思い、かみさんと一緒に泊まった。ホテルに飛行機が突っ込んだらと考えたら全然眠れなかった。

 そんなわけで、空港直結のホテルがそんなにいいのか、よく分からない。住友不動産のホテルの客室数は空港内ホテルとしては日本一だそうだが、あのアパの横浜はどうなのか。みんな狭かった。ホテルのランクもやはり部屋数なのか。ちょっと違うような気がするが、同社の希望を忖度して〝日本一〟を見出しにとった。

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外観俯瞰図

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現地写真

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印西牧の原モデル

 創建とグループ会社の北海道・木の城たいせつは12月10日、神社仏閣の建築に用いられてきた木組み工法の伝統技術とプレカット技術を融合させることで、自然災害に強く快適な住空間も確保した「千年品質伝統工法の家Kinoshiro2020『INOCHI』」を来年から販売すると発表した。

 「千年品質伝統工法の家Kinoshiro2020『INOCHI』」は、①木組みによる伝統工法を採用②超高耐久③災害に強い④持続可能⑤命を守る⑤宮大工技術の後世への継承-の6つを約束し、有事の際の停電や断水時にも生活を続けられるようソーラー発電、空気製水器、蓄電池、津波シェルターを装備する。

 住宅は内と外に断熱材でくるむことで断熱、省エネ性能を高めたパーフェクトW断熱を採用。資産価値の維持のために、人間ドックと同じように定期的メンテナンスを適切に行えるよう家ドックシステムも搭載する。

 千葉県印西市と京都府京田辺市の分譲地内でモデルハウスを公開する。販売価格は2,000万円から。

 記者発表会に臨んだ同社代表取締役会長・吉村孝文氏は、甚大な被害を受けている最近の自然災害について触れながら、「住宅は家族の命、安全を守る安らぎの場。グループの総力を結集し、全国のフランチャイズ会社とも連携しながら命を守る住宅を全国に普及させていく」と語った。

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吉村会長(左)と吉村社長

◇       ◆     ◇

 敷地が十数坪、中古になったら果たして何年流通するのかと疑わざるを得ない狭小分譲住宅・ミニ開発が跋扈する今、〝千年住宅〟を同社は敢えて打ち出した。

 受け取り方は様々だろうが、吉村会長は、築後千四百年以上経過する世界最古の木造建築物「法隆寺」の例を引き合いに出し、宮大工の伝統技術を途絶えさせてはいけないと訴えた。

 創業して初めて24億円の赤字を出した11年前のリーマン・ショック時に破綻した北海道・木の城たいせつと出会い、その技術を守りたい一心から私費を投じ買収し、苦労を重ねながら再生軌道に乗せたことや、毎年1棟ずつ宮大工の技術を注ぎ神社を再生する復興プロジェクトに取り組んでいることを諄々と語った。

 しかし、これまで10回くらい木造耐力壁の強度を競う大会を取材してきた記者は金物を使用しない住宅などあり得ないと思った。金物を使わない壁のよさは分かるが、金物を使用した壁にことごとく敗れたのを目の当たりにしている。

 なので、木の城たいせつ・吉村直巳社長に「美しいのは分かるが、金物には勝てないのでは」とストレートに質問した。吉村社長からは「試験では金物が先に壊れた。しっかりデータも取っている」と返ってきた。補強材のやとい、こみ栓には堅くて粘りが強いカエデ属の「イタヤ」が使われているそうだ。

 常識を覆す〝金物に負けない〟宮大工の木組み工法を消費者に浸透させるのは容易なことではないだろうが、応援したい。

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金物工法(左)と伝統工法の違い

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モデルハウス

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創建 福島県浪江町の「諏訪神社」再建・寄贈 発表会に東急・豊洲上回る70名の報道陣(2019/3/7)

創建 「木組み工法」による神社・仏閣・個人住宅建て替え推進(2015/9/28)

木造耐力壁ジャパンカップ アキュラもポラスも優勝逸す(2013/8/20)

木造耐力壁ジャパンカップ③東京都市大学VS京都大学 「幸せ」対決は都市大に軍配(2011/10/11)

 

 

 


 

 今週の業界紙には欣喜雀躍もし、怒り心頭以外の言葉が見つからないほどの衝撃と怒りを覚えた記事も読んだ。以下、率直に書く。

◇       ◆     ◇

 まず、住宅新報の本多信博氏の名物? コラム「居酒屋の詩(うた)」。突然休載してから〝中2週〟で復活した。年齢は記者と同じ70歳。競走馬に例えれば7歳馬8歳馬だ。この時期の〝中2週〟の出走は乾坤一擲の勝負か、あるいは孫に媚びを売る正月の年玉の資金にする駄賃稼ぎかよく分からないのだが、(小生は読んでいないが)いつもと変わらぬ酔っ払い記事に乾杯! 

 だが、しかし、「日本酒は浦霞をいただいたが久しぶりに90点をあげることができた」は意味不明。料理がおいしかったのか、店の雰囲気がよかったのか、店主(男のよう)の立ち居振る舞いに酔ったのか、「浦霞」を久々に飲んだからなのか全然伝えて切れていない。

 本多さんよ、記者が連れていく店を紹介することを条件に、小生の奢りで飲もうではないか。多摩市限定の「原峰のいずみ」は絶品だし、東急プラザ渋谷の7階「荒木山」だったか、タダで飲ませてもらった「底なし」も旨い!

 えっ、今回で記事連載は77回目とか。嬉々キキキキ、ケケケケ。

◇       ◆     ◇

 週刊住宅は、通算599回目の「住宅ジャーナリスト・櫻井幸雄の現場レポート 先端(さき)を読む」に目が留まった。怒り心頭とはこの記事だ。概略は次の通り。

 櫻井氏は某有料サイトに月3本、プロ向け記事を今月から発信すると書いている。「新聞社、出版社の有料サイトと比べると、割高である。わたしの場合、月3本で消費税込み1100円!」とし、「少数の読者のために、渾身の記事を書こうと思っているのだが、そうなると、課金を上げざるを得ない」と弁解、「驚くほど読者が少なければ、やめるのも簡単だろう、と逃げ道を用意しての出陣である」と率直に本音を明かす。

 さらに、「有料記事は、不動産会社や販売会社への直接取材で聞き出した開発秘話や販売の工夫などを紹介する」とし、「インターネットサイトで、個別物件の特徴を深掘りし、『ここがスゴイ』とほめると、今は『広告目的ではないか』と白眼視される。一方で、間違った知識、浅い取材で物件をけなすと、『歯に衣着せぬ、客観的な記事』と賞賛されたりする。その多くは客観的ではなく、恣意的なのだが、ウケがよい」と、これまた正直に自らの記事に対する読者の声を紹介している。

 そして、「プロ向けの有料記事であれば、褒める記事を思いきり書くことができる」と締めくくっている。

◇       ◆     ◇

 無料であろうと有料であろうと、読まれようが読まれまいが、そんなことは書き手の勝手だ。小生が怒り心頭に発したのは櫻井氏の読者に対する接し方だ。

 櫻井氏は、業界の多くの方が認める数少ない「ジャーナリスト・評論家」だ。一般の人向けに「狙い目マンション」を多く紹介している。この記事は読者にとっては無料なのだろうが、一目見て、いわゆるパブリシティ(広告)であることが類推される。「『広告目的ではないか』と白眼視される」のを承知で書いているのではないのか。小生などはこの種のパブリシティはほとんど読まない。チェックするのは物件概要が中心だ。これはうそをつかない。

 一方で、「間違った知識、浅い取材で物件をけなすと」賞賛されたりし、「客観的ではなく、恣意的」に書いた記事の「ウケがよい」と堂々と書く。

 信じられない。誰だって「間違った知識、浅い取材」で書くことはあるかもしれない。しかし、それを自覚しなから「物件をけなす」ことなど絶対しないはずた。デベロッパーに失礼だし、何よりも「評論家」としての櫻井氏を信用して読む読者に対する冒涜、裏切り行為だ。櫻井氏はウケを狙ったそのような記事を書いてきたのか。人の人生を左右するかもしれない高額商品をそんなふうに扱うのか。

 そんな櫻井氏の「褒める記事」「渾身の記事」とは何だ。櫻井氏は小生の2倍以上、年間200件くらいのマンションを取材し、褒めているのではないか。それでもまだ足りないのか。

  「開発秘話」などは伏せるから価値がある。その秘話を月1100円(1本333円)で売り飛ばすとはどういうことか。どこも絶対〝秘話〟(恥部)など明かさない。リーク記事そのものだし、情報を流す業者も痛くもない腹を探られることにならないのか。

 百歩譲って言えば、恥部は暴くものだ。堂々とさらけ出されたらみんな目を背ける(小生は凝視するかもしれないが)。

◇       ◆     ◇

 小生は前職で、師と仰ぐ故・佐藤美紀雄氏の名物コラム「佐藤美紀雄のワンポイント時評」の編集を担当した。20年以上は続いた。もう時効だから明かすが、佐藤氏は松本清張と同じくらいのひどい悪筆家で、プロの植字屋さんもお手上げだった。小生がいい加減な赤を入れただけで入稿すると、わざと「マン(〇)ション」などと校正ゲラを出してきた。安い一升瓶を買って、職人さんにお詫びしたことも度々あった。

 しかし、佐藤氏のコラムは圧倒的な人気を呼んだ。読者のみなさんは信じられないだろうが、「佐藤先生に褒められたいから」優れた商品企画のマンションを企画するデベロッパーがあった。佐藤氏は毒舌家ではあったが、大手、中小を問わずいつも公平、是々非々で論じたからだ。

 佐藤氏の前にも後にも、わが業界には「評論家」はひとりもいないと思う。小生は他の評論家先生たちを「御用評論家」「業界妾」と書いたくらいだ。

 評論家であろうと誰であろうと、霞を食っては生きられない。糊口を凌ぐのは容易なことではないのも分かる。

 だが、しかし、読者を裏切る、もてあそぶ記事を書いてはならない読んでくれる読者は一人だっていいではないか。野垂れ死んでも心を売ってはならない。。小生は〝記事はラブレター〟を死守する。
 

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既存枠と新規枠のすき間に硬質発泡ウレタンを充填する

 ナイスは12月9日、特許技術のウレタン発砲工法を採用した業界初の簡単窓リフォーム商品「あったかMADO」の供給を開始したと発表した。

 工務店のリフォーム提案をサポートする総合リフォーム支援サービス「リフォームパッケージサービス」に「あったかMADO」を加え、断熱リフォー ムの受注を支援していく。

 「あったかMADO」は、栗原の高性能断熱窓「K-WINDOW」を、BACホールディングスの特許技術である発泡ウレタン充填工法「発砲工法」を用いて取り付ける、業界初のカバー工法によるリフォーム窓。既存のサッシ枠を残したまま、既存サッシ枠と新規サッシ枠の間に硬質発泡ウレタンを充填するため、窓回り全体の断熱性能が向上するほか気密性能、水密性能、耐風圧性能、遮熱性能を向上させることができる。

 施工性にも優れており、標準的な窓であれば1時間程度で施工が可能となる。標準仕様はLow-Eペアガラスだが、トリプルガラスなどにも対応できる。

◇       ◆     ◇

 既存の単板ガラス窓枠を残しながら高性能樹脂Low-Eペア・トリプルガラスなどに変更できることなどまったく知らなかった。

 記者は自宅マンションの東側窓(もちろん単板ガラス)の日射がきついので、遮光フィルムをホームセンターで買い、張り付けている。外からは部屋の内部は見えにくく、内側からは膜がかかってはいるが見えなくはない。重宝している。劣化もしない。

 分譲住宅はどうかと言えば、高額物件のLow-E採用率は高いだろうが、記者が見学するマンションのうちLow-Eガラスを採用しているのは10物件のうち3物件くらいではないか。情けない限りだ。分譲戸建ての設置率はもっと高いような気がするが、それでも多数ではないはずだ。ナイスの一戸建住宅「パワーホーム」へのLow-Eガラス採用率は100%だという。

 既存枠と新規枠のすき間に硬質発泡ウレタンを充填し、断熱性・気密性・水密性・耐風圧性を高める

 Low-Eが標準仕様となるようにすべきだし、既存窓枠を残しながら施工できる今回の商品は既存マンション・戸建て用に最適だ。

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初台2丁目リファイニング建築計画 工事着工前(左)と完成予想図

三井不動産は128日、業務提携先の青木茂建築工房の「リファイニング建築」を活用した渋谷区初台の旧耐震建築物の解体現場見学会を行い、解体後のスケルトン状態の住戸と耐震補強の過程、完了した状態の住戸を公開した。

物件は、京王新線初台駅から徒歩10分、渋谷区初台2丁目の第一種低層住居専用地域に位置する敷地面積約707㎡、地下1階・地上4階建て延床面積約1,402㎡の共同住宅24戸兼倉庫。竣工は昭和43年(1968年)、築51年。高さは11.05m(既存不適格、従前の用途地域は第一種住居専用地域で、高さ規制は20m)。

工事に当たっては、現行法に適合させるため耐震壁補強などを行い、用途を共同住宅26戸に変更。アプローチ、エントランス、エレベーターなどを新設。床は直床から二重床とし、単板ガラスはLowEに変更する。耐震判定書を取得済みで、検査済証も再取得する見込み。設計監理は青木茂建築工房。施工は日本建設。商品企画は三井不動産レジデンシャルレジデンシャルリース。

見学会で、同工房・青木茂代表取締役は、「今回は解体後のスケルトンと工事後の躯体が同時に見ることができるのが特徴。(施工の日本建築)現場には苦労かけているので頭が下がる。これからも一つひとつ安全な建物にしていく」と語った。

同社ソリューションパートナー本部レッツ資産活用部・宮田敏雄氏は、「従前でも賃貸住戸(24戸)の稼働率は90%を確保していたが、オーナーは耐震性と将来の賃料不安を抱き、建て替えを計画した。しかし、建築当時にはなかった日影規制の適用を受けることから建物規模が減少(1フロア)するため、十分な事業性能が確保できず、売却も様々な法規制を受けることから難しいことが判明。リファイニング手法が最適であることを提案し実現した」と同手法を採用した経緯について語った。

同社と同工房は2016年に業務提携。これまで2物件の再生が完了し、今回と目黒区の物件が進行しており、今後、練馬区と新宿区でも新規案件を予定している。

「リファイニング建築」は、①耐震性能上問題のない壁や設備を撤去し、建物を軽量化することでブレースなどによらない独自の補強方法で現行の耐震基準を満たす②既存躯体の約80%を再利用することにより建て替えと比較して約70%のコストで設備、内外装を一新し、工期も短縮できる③現行法規に適合させることで、検査済証の取得を実現し、新築並みの融資が受けられ、将来的な流動性も確保できる④解体工事で発生する廃材が大幅に削減できる-などの特徴があり、これまで全国で10プロジェクトの事例がある。

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青木氏

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 記者は幡ヶ谷駅から歩いたので現地まで15分くらいかかった。いくら今人気の青木先生の作品でも築51年ではリーシングも厳しく、坪賃料は1万円くらい、分譲なら坪400万円がアッパーではないかと考えたのだが、初台から徒歩10分で、坪647万円でも人気になった三菱地所レジデンスの「代々木上原」も近いと聞いて、見込み違いであることが分かった。

そして約1時間、従前と従後の工事現場を見て回り、「周辺の坪賃料は1.4万円が相場」(宮田氏)もむべなるかなと改めた。

リファイニングの真価を発揮しているのは、従前は倉庫だった1階(建基法では地下)にメインエントランスを設け、専用庭・トップライト付きの2住戸(各56㎡)を新たに設けたことだ。これだけで賃貸料は年間数百万円になるはずだ。天井をぶち抜くことなどリフォームはもちろん、リノベでも絶対できない。

2階以上の階高は2.7mしかないが、設備仕様、意匠・デザインも一新することで難点をカバーし、従前賃料より34割引き上げるというのも理解できた。LowEガラスは高級分譲マンションでも多くはない。

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1階住戸にトップライトを設けるため天井の一部をぶち抜いている

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リファイニング工事前(必要ない窓に配筋されている)

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耐震補強壁の配筋(柱と梁の部分は強度を増すためスパイラル状に排菌している)梁の部分は落書きではなく、補修部分

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リファイニング工事後の躯体

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青木氏の作品を最初に見たのは今から6年前、2013年の「千駄ヶ谷 緑苑ハウス」の解体現場見学会だった。300人もの見学者でごった返したのに驚愕し、いっぺんでファンになった。

 その後、これまで十数回は現場見学会、講演などを取材している。そのほとんどの記事を添付したので読んで頂きたい。失礼ながら〝建築の魔術師〟とあだ名をつけた。先生にはわが国の大学に「リファインニング学科」を設けてほしいのだが、この日「もう71歳だよ」と否定された。

いま、プロフィールを見たら、大連理工大学客員教授/椙山女学園大学客員教授/日本文理大学客員教授/韓国モクヨン大学特任教授とあるではないか。わが国の建築学科は所属学部が多岐に分かれ、「建築士」は官が許認可権を握っており、公共事業などは斬新な提案がしづらいと聞く。中国や韓国が「リファインニング学科」を設立しないか心配だ(それはそれで結構なことだが)。

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工事中の現場

4分の1低層 息をのむほど美しいサペリの建具 三菱地所レジ「代々木上原」(2018/12/14

省エネ対策に感服 三井不動産+青木茂建築工房 「林マンション」リファイニング完成(2018/3/30

青木茂建築工房×ミサワホーム 「千代田富士見」のリファイニング見学会に450名(2018/3/1

リファイニング建築の考案者 首都大学東京特任教授・青木茂氏が退官へ 記念講演会(2018/2/13

ミサワホーム&青木茂建築工房 千代田区富士見のリファイニング建築見学会に250名(2017/11/9

三井不&青木茂建築工房 築52年の市場性ない共同住宅をリファイニングで再生(2017/10/16

三井不動産&青木茂建築工房 練馬区のリファイニング見学会に200名(2017/3/27

44年の寄宿舎をリファイニング手法で賃貸に一新 見学者100名超 青木茂建築工房(2016/12/21

建築の魔術師・青木リファイニングの真髄を見た 「竹本邸」完成見学会(2015/11/17)

「リファイニング」に熱い視線 60坪の建物見学に250人殺到 青木茂建築工房(2015/3/11

リファイニング建築のすごさを見た 「千駄ヶ谷 緑苑ハウス」完成(2014/3/24

全てが腑に落ちる 首都大学東京「リーディングプロジェクト最終成果報告会」(20143/19

再生建築学の設置を 青木茂氏が三井不動産のセミナーで語る(2013/12/10

千駄ヶ谷のリファイニング建築に見学者300人(2013/11/12

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トランクルーム

 野村不動産は12月6日、不在時の受け取り・受け渡しを可能にする業界初のマンション内の各住戸専用トランクルームを介した利用サービスを「プラウド日暮里テラス」に導入すると発表した。

 宅配型トランクルームサービスを提供するデータサイエンスプロフェッショナルズと連携。従来は、荷物の受け取りや受け渡しに在宅が必要だったり、共用部の宅配ボックスが既に利用で埋まっている場合にはサービスの利用ができなかったりしたが、各住戸の専用トランクルームを介することで不在時にも荷物の受け取りや受け渡しが可能となる。

 「プラウド日暮里テラス」は、日暮里駅から徒歩8分の5階建て全65戸。

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 結構なことだ。ただ、昨年8月、三菱地所レジデンスがやはり業界初の玄関前宅配ボックスを導入した「ザ・パークハウス 文京千石一丁目」とどこが異なるのかよく分からない。地所レジは「宅配ボックス」なのに対して、野村は「トランクルーム」だからかもしれない。

 大京や三井不動産レジデンシャル、ポラスも再配達ゼロを目指す宅配ボックスを開発・発表している。

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「プラウド日暮里テラス」完成予想図

業界初の玄関前宅配ボックス 三菱地所レジ「文京千石」 坪単価は400万円割る(2019/8/8)

ポラスグループ 戸建て初 自動録画機能付き宅配BOX 約180棟に採用(2018/5/18)

三井不レジも〝再配達ゼロ〟の取り組み 小型BOXを開発 従来比1.5倍増(2017/4/18)

〝再配達ゼロ〟宅配ボックス発表会に記者殺到 大京・フルタイムシステムが新商品(2017/4/10)

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「ファインシティ新越谷」完成予想図

京阪電鉄不動産が分譲中の「ファインシティ新越谷」を見学した。用途地域は準工業地域だが、マンション化が進んでいるエリアの一角で、坪単価は165万円。販売は極めて順調だ。

物件は、東武スカイツリーライン新越谷駅から徒歩10分、JR武蔵野線南越谷駅から徒歩9分、越谷市大字西方字上手に位置する8階建て全179戸。専有面積は68.4282.56㎡、現在販売中の住戸(15戸)の価格は3,446万~4,856万円(最多価格帯3,200万円台)。坪単価は165万円。竣工予定は20208月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

今年3月から販売を開始しており、現在、約半数が成約済み。

現地は長谷工コーポレーションの研究所跡地。用途地域は準工業地域だが、マンション化が進んでいるエリア。

建物はL字型で、標準階は南向きが5戸、西向きが18戸の23戸構成。70㎡の3LDKが中心。

主な基本性能・設備仕様は直床、リビング天井高25002550ミリ、ディスポーザー、食洗機、食器棚、ホスクリーン、ファミリーボードなど。

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 いつものように単価を予想した。記者は東武伊勢崎線のマンション市場を熟知しているつもりだ。今春分譲され、瞬く間に売れたポラス「ルピアコート新越谷」(85戸)は坪単価210万円(これは安すぎ)。それより安いのはもちろんだが、新越谷駅周辺の朝まで飲める「越谷ゴールデン街」は凄い。ポテンシャルは「独協大」(草加松原)に負けないと読み、坪180万円とはじいた。

 しかし、冒頭のように予想は大外れ。床暖房はないが、このスペックでこの価格では分譲できないはずだ。間違いなく割安感がある。同社と長谷工コーポはとてもいい関係だろうからこの価格で分譲できるのだと判断した。

 それにしても、市場からこの価格でないと評価されないとすれば、東武鉄道をはじめとする関係者は考えたほうがいい。「北千住」は坪380万円で人気になっているが、伊勢崎線(スカイツリーラインは愛称)ではなく「千代田線」とみんな考えている。

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記者は基本的に嫌いなデベロッパーはなく、みんな好きなのだが、首都圏以外の電鉄(系)会社にはわが故郷の三交不動産を筆頭に頑張ってほしいと願っている。

なぜか。首都圏の電鉄会社は、JRと競争を強いられている京急を除けばそれぞれエリアの住み分けができている。人口も増加傾向にあり、恵まれた事業環境にある。しかし、地方、中でも関西圏の市場規模は首都圏の半分以下なのに各社が入り乱れて同じエリアで競争している。鉄道だけでは成長が望めないので、パイが大きい首都圏での不動産事業などを伸ばそうとしている。判官贔屓の記者は、首都圏デベロッパーの鼻を明かしてほしいと思っている。

特に関西圏は近鉄と京阪電鉄が好きだ。阪急阪神は、まだ強かった阪急ブレーブスのイメージが頭から離れず、憎き巨人の〝お助けマン〟の役割しか演じられない不甲斐ないタイガースがどうしてもぬぐいきれない。

近鉄は、三交の親会社であり、三交バスには通学の足として大変お世話になった。京阪電鉄は単に京都が好きだからだが、2014年に両社が組んで分譲した「王子飛鳥山」がきっかけでファンになった。

その時の両社の役員は、首都圏デベロッパーのようにオブラートで包んだような、奥歯にものが挟まったような物言いをしなかった。絶滅危惧の関西弁でまくしたてた。取材のし甲斐があつた。記者もストレートで真っ向勝負を挑んだ。(関西弁を堂々と話したハウスメーカー〝御三家〟の元会長・社長が第一線を退かれたのはとても残念)

京阪電鉄はその後、「イマジンテラス」「東松戸」などで卓越した商品企画力をアピールした。

今回の取材でも、同社首都圏事業部用地開発事業推進グループリーダー・武田秀和氏は、それと分かる関西弁ではなかったが、「販売事務所の設営やモデルルームは大成有楽さんを超えようと挑んだ。あの『三郷中央はよかった』」とはっきり話した。「えっ、大成有楽さんの名前を出していいですか」と聞き返したら「ノー」とは言わなかった。

読者の皆さんは大成有楽不動産の最近の商品企画をご存じか。この会社はこの数年間で劇的に変わった。本旨から外れるので触れないが、「三郷中央」の記事は添付したのでぜひ読んで頂きたい。

さて、どこが大成有楽を超えたか。確かに収納も大成有楽の「オレンジ収納」に負けない出来栄えだったし、ディスポーザーの実演をはじめ傷がつきにくい床やクロス、単板ガラスと複層ガラスの違い、普通のシンクと静音シンクの違いなどを体感できるように〝見える化〟を徹底して行っていた。釣り具の錘を落とし、それぞれの音の響きかたを比べられる単純明快な仕掛けに記者は仰天した。

それでも〝これだけじゃ大成有楽を超えたことにはならない〟と正直思ったのだが、下足入れの提案を見てあ然茫然。女性用の靴はプラスチックの容器のようなもので片方ずつが上下に並べられており、男性用の靴はつま先とかかとの部分が逆にして置かれていた。こんな下足入れは初めて見た。

販売代理の長谷工アーベスト女性販売担当者によると、男性の靴は横幅が広いから互い違いに置いたほうがスペースは狭くて済み、女性の靴は上下にしたほうが多く収まるとのことだった。子どもの靴は100円ショップで売っているハンガーのようなもので吊るすとたくさん収納できるという。生活情報誌「ESSE」とコラボして提案しているのだという。

ESSE」なんて知らないし、疑い深い記者は、これも「オレンジ収納」をパクったのではないかと社に戻り大成有楽に確認した。(大成有楽「三郷中央」は「AneCan」「Oggi」「美的」とコラボした)

女性の広報担当は「分かります。(靴を上下に重ねることは)わたしもそうしています。しかし、当社のオレンジ収納はもともと広くしているので、そのような提案はしていません」だった。(この女性も若いのに凄い。しっかり自社をアピールすることを忘れない)

これで京阪電鉄が大成有楽を超えたことが〝実証〟されたかどうかは分からないが、ユーザーにはしっかりと商品企画の意図は伝わっているはずだ。(履くとき右と左で異なる靴を履かないか心配だが)

このように、モデルルームは全体としてよくできていた。一つだけ指摘すれば、他社と同様フェイクの観葉植物のオンパレードだったのだが、子ども部屋だけは本物が飾られていた。逆ではないか。夫婦の部屋にこそ嘘偽りのない生気(字を間違えるな)に満ち目くるめく、明るい明日が信じられる本物を飾るべきではないか。

同社は「進取の精神」を理念に掲げる。首都圏デベロッパーと同じことをしていたら絶対に勝てない。〝負けたらあかんで東京に〟。

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収納

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下足入れ(写真ではよく分からないが、上2段は靴は互い違い、その下の女性用は上下に重ねることで7足入っているのが分かる)

       ◆     ◇

暇に飽かせてとりとめのないことを書き連ねた。こうなったらついでだ。東武鉄道と京王電鉄にエールを送る記事を書く。

国土交通省が発表している平成29年度の東京圏の鉄道45路線の1カ月(平均20日間)当たり遅延証明書発行日数は平均11.4日だ。ローカル線を除いてもっとも少ないのは東武東上線の3.0日で、以下、京王井の頭線の3.3日、東武伊勢崎線の4.2日、相鉄線の4.2日、京王線の5.0日と続く。

他の沿線では京急線の5.7日、京成線の10.0日などが平均値以下で、東急田園都市線11.2日、小田急線14.8日、東急東横線15.1日、東京メトロ東西線17.1日、千代田線18.4日など。ワースト3は中央・総武各駅停車19.2日、宇都宮線・高崎線19.0日、中央線快速18.8日だ。

記者はかつて、価格が2,500万円を超えると売れ行きがバッタリ止まることから〝魔の伊勢崎線〟と書いたことがあるが、複々線化などによって電車が停まる率は極めて少なくなったことがこのデータは示している。都心へのアクセスも日比谷線、千代田線、半蔵門線などの乗り換えができるので便利だ。

京急は早く着きすぎて国土交通省から大目玉を食らったことがあるようだが、決められた時間にきちんと着く東武鉄道はえらい。もっと街のポテンシャルをあげる努力をすべきだ。京王電鉄はいろいろ努力しているが、マンションの単価は東急線や小田急線に圧倒的に負ける。魅力を訴え切れないデベロッパーにも問題がある。

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ラウンジ

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記者のデスクに飾っているポトス(植木屋さんが事務所内の鉢植えのポトスを定期的に剪定し、伸びた枝をカットするので、その枝を貰ったもの。容器はペットボトルの上を切ったもの。もう3年になる。手入れはほとんどしないのにどんどん成長している。〝記事はラブレター〟愛情がこもった記事が書けるのはポトスのお陰かも。写真は6月に撮ったもので、道端のドクダミも入っている)

主婦目線の商品企画が抜群 ポラス 全85戸の「新越谷」販売好調(2019/4/12

全部で1000戸 大激戦の三郷中央 大成有楽不が女性誌とコラボで需要喚起(2016/8/9

近鉄不・京阪電鉄不・長谷工コーポ 実利を取る戦法か「王子飛鳥山」(2014/4/23

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CLT PARK HARUMI」パビリオン棟

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三菱地所は12月5日、中央区晴海のCLT晴海プロジェクト「CLT PARK HARUMI」が1129日に竣工し、1214日の開業から2020年秋までの1年間、運用すると発表した。

施設は、都営大江戸線勝どき駅から徒歩数分、中央区晴海3丁目に位置する敷地面積約3,368㎡のCLT・鉄骨造1階建て高さ18mのパビリオン棟、2階建て展示棟、1階建て展示棟からなる3棟構成。CLT使用量は国産ヒノキ・スギ材約680㎥。20196月着工。デザイン監修は隈研吾建築都市設計事務所、設計監理は三菱地所設計、施工は三菱地所ホーム。2020年秋に解体し、岡山県真庭市に企業ふるさと納税制度を活用して譲渡される予定。

岡山県産のヒノキを使用したCLTパネルを現しで使用したほか、国産のスギ材なども多用し、木目の美しさと温かさを最大限生かしたデザインが特徴で、建築物の強度を保つためパビリオン棟は鉄骨との混構造を採用。一時使用のため建基法の耐火・防火制度をクリアし、真庭市へ移設後も公園内であることから法的にはそのまま利用できる。

展示棟では、「Grow with Google ラーニングセンター」が様々なセミナーを開催するほか、子どもも楽しめるアトラクション、パズル、図書コーナーなどを設け、岡山県のご当地メニューにこだわったカフェも開設する。

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パビリオン棟(左)と展示棟

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展示棟

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展示棟 アトラクション展示室内

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端材を利用した屋上テラス(奥のビルは「トリトンスクエア」)

◇      ◆     ◇

見た瞬間、もう笑うしかなかった。隈氏の作品は結構見ているが、手に取り香りを嗅ぐことができる施設はそうないはずだ。木組の木片一つひとつにこのプロジェクトにかける意気込みが伝わってきた。

一言で言えば容姿端麗・眉目秀麗-例えて言えば、きめ(肌理)細やかな何ものも包み込むような聖母の柔肌にも見え、他方では鉄やコンクリを拒否し続け、傲然と虚勢を張る弁経か不動尊にも見える、見方によってはそのいずれでもない両性具有のセラフィタのようにも解釈できなくもないそんな建築物だ。隈氏が2月の発表会で「美しい」を連発したのを思い出した。子どもも楽しめる工夫を凝らしているのがまたいい。

残念ながら、この日(125日)行われたメディア向け記者発表・内覧会には参加できず、同社・吉田淳一社長や隈研吾氏の話は聞けなかったのだが、多くのメディアが伝えるはずだ。そちらを読んで頂きたい。

今回の施設にどれだけの人が訪れるか分からないが、数百万人に上るのではないか。オリンピック・パラリンピック関係者を含めた外国人もたくさん見学し、わが国の伝統的な建築様式を目の当たりにする。その感動を金額に換算したらいくらになるか。数百億円になるのではないかと記者ははじいている。

そんな効果に期待をしているのだが、何が嬉しいか。売上高が12,632億円(20193月期)もある三菱地所の事業のうち戸建て分譲住宅はセグメント数字にはなく、「木」で括れば数%あるかどうかだろう。そんな会社が、今回の施設や沖縄・下地島空港、仙台・高森の賃貸マンションなどでCLTを含めた「木」のトップランナーに躍り出たことだ。痛快ではないか。

同社と何かにつけしのぎを削っている三井不動産はどうか。先月開業した「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」では外周部を本物の木で巡らせた。〝見た目〟ではわが国初の木造高層建築物だと思う。

この両社が、生産段階でも消費段階でも環境にやさしい「木」の事業で先導的な役割を果たしている。これが嬉しいのだ。

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展示棟(CLT協会運営)

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軒天

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端材を活用したオブジェ

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展示室 階段

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展示室 ゲームも楽しめる

エコアイランドにふさわしい施設整備」 三菱地所・吉田社長 下地島空港竣工式典(2019/3/17

三菱地所 1棟のCLT使用量では国内最大 「みやこ下地島空港」竣工(2019/3/15

シンプルで端正な姿が美しい 三菱地所 わが国初のCLT高層「高森」完成(2019/3/14)

〝美しい〟〝画期的〟隈研吾氏が連発 三菱地所「CLT晴海プロジェクト」(2019/2/14

 ポラスグループは12月3日、同社グループのポラスハウジング協同組合に所属する小川祐司氏(39)が埼玉県主催の「第27回彩の国職業能力開発促進大会~技能者表彰式~」で彩の国優秀技能者(埼玉の名工)として表彰を受けたと発表した。古木の骨組みをベースに、図面を見なくても墨をつけなくても床や壁、天井を現場で施工できる優れた技能を持つことが認められたという。

 小川氏は「今回、表彰いただき気が引き締まる思いです。この表彰にふさわしい大工になれるよう、今後とも精進してまいります」とコメントしている。

 同賞は、県内で働く現役の技能者の中から産業の発展と後継者育成に貢献するなど他の模範になると認められる技能者を埼玉県知事が表彰する制度。

 表彰式では、小川氏のほか和服仕立て職、畳工、左官、理容師、石彫工など名工・技能者19名が表彰された。

 小川氏は1998年(平成10年)入社。第38・39回技能五輪全国大会「建築大工」の部で敢闘賞、第26回技能グランプリ「建築大工」の部で敢闘賞、平成27年度「青年優秀施工者土地・建設産業局長顕彰(建設ジュニアマスター)」などを受賞している。

◇       ◆     ◇

 上段は同社のニュース・リリースをほとんどそのままコピー&ペーストしたものだが、隔靴掻痒とはこのことを言う。これだけでは小川氏がどのような技術を持っていらっしゃるのか記者は分からないし、何もわかっていない記者のコピペ記事は読者の方にどのように受け取られるのか、価値があるのかどうかも疑わしい。

 県のホームページにはどのような人が表彰されたかの記載はあるが、具体的にどのような技術であるかは読んだだけでは分からない。

 これではいけない。技能五輪を主催している中央職業能力開発協会に問い合わせたら、開催会場にもよるが見学者は数十万人にものぼることもあるようだ。東京都は2021年に開催されるという。一度取材してレポートしたい。小川氏は40歳超えなので出場資格はないのだろうが…。

 カンナ削りの全国大会は一度経験している。記事を添付する。

厚さ数ミクロンのカンナ削りの技を競う 「第30回全国削ろう会 小田原大会」(2014/11/10)

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「パークホームズ駒沢二丁目」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルが近く分譲する「パークホームズ駒沢二丁目」を見学した。デザイン監修は「新丸の内ビルディング」「東京ミッドタウン日比谷」「パークコート渋谷ザタワー」「ドバイワールドトレードセンター」などを手掛けたホシノアーキテクツ・星野裕明氏。柔らかな美しいファサードデザインが特徴のマンションだ。

 物件は、東急田園都市線駒沢大学駅から徒歩8分、世田谷区駒沢2丁目の第1種中高層住居専用地域に位置する地上5階・地下1階建て全53戸(販売総戸数37戸、事業協力者戸数16戸含む)。専有面積は42.91~94.81㎡、予定価格は5,00万円台~15,800万円台(最多価格帯9500万円台)、坪単価は414万円。建物は2019年10月下旬竣工済み。施工は川口土木建築工業。問い合わせは約1,000件。

 現地は、戸建てやマンションなどが建ち並ぶ住宅地の一角で、前面道路を挟んだ北側は第一種低層住居専用地域。

 敷地は南東-南西軸が長い長方形で、北西側の8.8m道路に接道。建物は内廊下方式を採用。住戸プランは42~49㎡の1LDLが3戸、53~64㎡の2LDKが11戸、73~94㎡の3LDKが23戸の10タイプ。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400~2450ミリ、フィオレストーン天板、ディスポーザー、食洗機、Low-Eガラスなど。

◇      ◆     ◇

 見学は、今秋行われた三井不動産グループの記者懇親会で三井不動産レジデンシャル・藤林清隆社長から「皆さん、話題のマンションだけでなくしっかり造りこみをした『パークホームズ』を見ていただきたい」と言われたので、曲線美が特徴のこのマンションを選んで実現した。

 確かに外観が美しかった。しかし、「あまり肩ひじを張らない雰囲気がある」「全体として自然を感じさせる表現をコンセプトとしてデザイン」「素材感のあるタイル、土を意識させるざらつきのあるタイル使用」(物件ホームページ・星野氏インタビュー)とあるように、しっとりと周囲の住宅地になじるような白を基調とした外観だった。エントランスの木を素材に用いたアートがまた美しい。

 外観がアール形状のビルは珍しくないが、マンションは皆無ではないようだが、記者は同社が3年前に分譲した「パークコート青山ザ タワー」しか知らない。強烈な衝撃を受けた。同社はその後、「東京ミッドタウン日比谷」でも星野氏によるアール形状を採用した。

 野村不動産は昨年、オーバル状の「プラウドシティ東雲キャナルマークス」を分譲し、来年初めには大和ハウス工業がアール形状の外観の「プレミスト東銀座築地」を分譲する。

 〝マンション=ハコ〟のイメージを覆すアール形状のマンションが供給されるのに大賛成だ。

 記者がいいと思ったタイプも、北側の1低層の住宅街に面したアール形状のバルコニー付き75㎡のLタイプだった。価格は1億円近くになるようだが、人気になるのは必至と見た。 

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モデルルーム

住友不動産 どんぴしゃり坪450万円 「シティタワー駒沢大学SC」各層から支持(2017/9/6)

三井不レジ 可動間仕切りで間取り自由自在 「駒沢」に初採用(2014/5/27)

 

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