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「NEW GRAN FREE(ニューグランフリー)」イメージパース

 三井ホームは11月16日(土)、モダンデザインの代表的商品「GRAN FREE(グラン フリー)」(2011年発表)に自然な「木」のぬくもりを表現した新商品「NEW GRAN FREE(ニューグランフリー)」を発売した。 

 外観は、水平ラインを軸にしたフォルムにタイルをあしらった縦に伸びる2本の壁面にフラットルーフと片流れ屋根を組み合わせ、外壁・軒天井には天然木の「ウエスタンレッドシダー」、サッシ(窓枠)には「北欧パイン材」を採用。

 1階フロア(LDK・ラナイ)は天井面までの大開口サッシと合わせ、全体を3メートル天井とすることで、開放的でダイナミックな空間を構成。木製大開口サッシによりリビングとボーダレスにつながる半戸外空間「ラナイ」を設置している。

 インテリアは「Luxury Wood Style(ラグジュアリーウッドスタイル)」とし、ヘリンボーン貼りの無垢フローリング、木製サッシを多用する一方で、壁・天井のピーリングにより上質感を演出しているのが特徴。

 販売エリアは沖縄を除く全国。販売目標棟数は100棟。

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「薪火グリルazer(アゼル)」(カウンターの目の前に薪窯がある)

 保存料や化学調味料を一切使用しない、素材のおいしさをそのまま味わえる飲食店「薪火グリルazer(アゼル)」が11月22日(金)、小田急線「代々木八幡」駅近くでオープンする。開業を控えた11月15日(金)、マスコミ試食会が行われた。

 「azer」はペルシャ語のアゼル=炎という意味で、保存料や化学調味料を一切使用せず、エゾシカや軍鶏などのジビエ、短角牛、豚、鶏などの肉や自然栽培の季節の野菜のグリルやサラダが提供される。人気NY系グリルレストランに長年勤務した川端康介氏が独立して開業するもの。店は、小田急線代々木八幡駅から歩いて数分、渋谷区富ケ谷1-51-12。広さは20席/10.4坪。 

 出店に当たっては、飲食店の独立・開業支援を行っている株式会社上昇気流がサポートしている。

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薪窯

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川端氏

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 案内状が届いたときは〝不動産に関係ない〟とためらったのだが、〝誘われたら断らない〟のが記者のモットーなので参加した。「命を大切に頂く」コンセプトがいいではないか。

 店内は、サクラの薪がパチパチと音を発し、勢いよくめらめらと燃えていた。田舎育ちの記者は、焚火を囲みながら大人たちのあけすけな身もふたもない猥談を含む世間話を聞きながら育ち囲炉裏火、炭火、漁火、迎え火、送り火、煙火などは日常だったし、付け火などは全くなかったのでとくに驚きはせず、逆に、ゆらゆらと揺らめく暖炉にはらはらと涙し魅入った青春時代を思い出したのだが、最近の人はこのような炎を見る機会はほとんどなくなったのではないかと感慨を新たにした。

 この日供された蝦夷鹿ロース、短角牛Lボーン、プラザオラ(塩漬け)、赤ナス(ヒゴムラサキ)、豚サラミなどは最高に美味しく、本場ドイツ・ゾーリンゲンのナイフの切れ味もよかった。

 中でも赤ナスが絶品だった。薪火の遠火で10分くらいかけてじっくりグリルされたもので、マシュマロのように柔らかく、口腔に甘みが広がった。生でも食べられるのに、たっぷり時間をかけて蒸し焼きされるナスも食べられ甲斐があるというものだ。「本当はもっと時間をかけたかった」と話したスタッフの声にまた驚いた。

 鹿肉も美味しかったのだが、鹿と言えば、そのまま冷凍保存し、スライスしてルイベ状で刺身として食べるのが一番おいしい。赤みの色が美しく、低カロリーなので記者のような糖尿病でもたくさん食べられる。日本酒はもちろん、ワインは赤でも白でもいける。いつもお世話になっている競走馬を思い出し、〝かわいそう〟が先立つ馬刺しとは比べものにならない。

 鹿の生肉を食べたことからE型肝炎を発症した事例が報告され、厚労省が自粛を呼びかけたことから飲食店では供されることがなくなった。残念。

 店の印象としては、薪を燃やすための酸素を送り込む機器と排煙設備の音がやや気になり、店舗デザインにもっと工夫を凝らすべきではないかと感じた。料理を引き立たせる音やデザインの役割は大きいはずだ。

 まあ、残り火のような記者などの年寄りがメインではなく、火傷を恐れず愛やら恋の火蓋を切るのにもってこいの店なのだろう。隣の女性に「30代ですか」と口火を切ったら、「53歳です」と返ってきた…。会話に点火するどころかたちまち消火鎮火した。

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この日供された料理の一部

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GICROS GINZA GEMS」(ジクロスギンザジェムズ)

野村不動産は1116日、同社が企画監修・設計監修を行い、グループ会社のNREG東芝不動産が運営する「みゆき通り」「と外堀通り」が交差する銀座の一等地に商業施設GEMSシリーズ13棟目の「GICROS GINZA GEMS」(ジクロスギンザジェムズ)をオープンする。開業に先立つ12日、メディア試食会を行った。

物件は、東京メトロ銀座駅から徒歩2分、中央区銀座六丁目に位置する敷地面積約276㎡、鉄骨造(一部鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造)地下3階、地上11階建て延べ床面積約841㎡。

建物外観に立地特性にふさわしい市松模様を採用。キービジュアルも市松模様をベースに展開していく。

低層階(地下1階~2階)には物販店舗の旗艦店、空中階(3階~11階)には世界初出店を含む飲食店舗が入居する。

野村不動産は、GEMSシリーズの開発を年間4棟前後のペースで進め、2028年までに40棟の開発を目指している。

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「上杉 銀座本店」

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個室(壁際には百数十万円しそうな瘤付き古木がさりげなく置かれていた)

 

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 他の取材があり、記者が駆け付けたのはイベント終了30分前。同業者の後について最初に入ったのが5階の米沢牛が売りの「上杉 銀座本店」だった。店舗を見るだけにしようと思ったら、スタッフと店を経営するエヌディエス代表取締役・情野薫氏から米沢牛とサラダ、赤ワインを勧められ、しばし歓談。

 記者は肉をあまり食べないが、なにせ本場松坂牛の三重県出身(地元の人間は臓物のなぜそう呼ぶのか分からないが〝とんちゃん〟をよく食べた)だし、米沢は個人的にも縁ある場所で、米沢牛の美味しいのはよく知っている。

 そして何よりも店の名称にも採用されているように、山形は米沢藩主・上杉鷹山を生んだ地だ。記者は政治家や経営者をよく知らないが、童門冬二氏の小説「上杉鷹山」(集英社)を読んだ限りでは近現代のもっともすぐれた政治家&経営者のような気がする。さらにまた、山形県は土門拳、藤沢周平、井上ひさし、丸谷才一など著名な作家・芸術家を輩出しており、好きな県の一つだ。

「上杉 銀座本店」には、専用の化粧室付きの10人くらいが利用できる壁全面が大谷石で張り巡らされた個室もある。客単価は1~数万円とみた。

他の店は、7階の焼き肉店「山科」を少しのぞいただけだが、帝国ホテルのレストランとも競える客単価の高い店が揃っているようだ。「肉屋田中」のおまかせコースは35,000円とか。

 「KAWAII Japanese Room - Addicted to TOKYO」の追加予約申し込みは失敗した。15:00前にホームページを開いたまではよかった。しかし、15:00丁度に更新することを忘れたので、画面には「申し訳ございませんが、この宿泊施設は現在、当サイトで予約を受け付けておりません」しか表示されず、数秒後に更新ボタンを押さないといけないことを思いだし、予約画面に切り替わったので、住所やらを記入し、予約ボタンを押そうと思ったら、クレジットカード番号を問われた。これで小生はアウト。

 普段クレジットを小生は携行しない。〝落とすと心配だからとか、あなた持ってるとジャンジャン使うから〟などの理由でかみさんに渡してもらえないのだ。

 事前には、予約ボタンを押すだけでいいと聞かされていたのに…。残念。ケッ、クソッ。〝ハレとケ〟の「ケ」は記者が日常的につぶやく「ケッ」のことか。

ハレルヤ! 増田セバスチャン監修〝ハレ〟を演出したホテル一泊2020円 本日受付(2019/11/14)

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「オーベルアーバンツ銀座築地」完成予想図

 大成有楽不動産が他社と足並みを揃えそうな「オーベルアーバンツ銀座築地」を見学した。道路を挟んですぐ北側は大和ハウス工業「プレミスト東銀座築地Edge Court」、南側はコスモスイニシア「イニシア築地レジデンス」。挟撃を受ける形だが、現段階ではその気配はなく、win-winのめでたしめでたしを目論んでいるようだ。

 物件は、東京メトロ日比谷線築地駅から徒歩5分、中央区築地7丁目の商業地域に位置する12階建て55戸。専有面積は41.32~57.39㎡、価格は未定だが坪単価は440~450万円くらいになる模様。竣工予定は2021年1月下旬。設計・監理はアーバンライフ建築事務所。施工は新日本建設。

 現地は、幅員約10mの南側道路と幅員約5mの北側道路に接道。建物は内廊下方式を採用。住戸は2階からで、1フロア南向き3戸と北向き2戸の5戸構成。50㎡台の2LDKが中心というのも特徴の一つ(1スパン41㎡1LDKあり)。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450mm、ディスポーザー、食洗機、幅広フィオレストーンキッチン天板、食器棚、ミストサウナ、Low-Eガラス、室内物干し、エアコン全居室設置など。

 同社マンション事業本部マンション事業部事業室(第二)係長・庄司憲史氏は「デザインにこだわり、20ポイントを限度に、細かいところまでグレードアップが無償で行えるようにした。各社それぞれ特色があるが、価格的にはほぼ横並びになるのではないか」と話した。

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標準装備の食器棚(左)と洗面(水栓はグローエ)

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 同社のマンションは先月、素晴らしい「グランツオーベル中野」を見学したのだが、この際、その比較は行わないが、今回の物件は〝孫の手〟のように細かいところにまで手が届く配慮・工夫を凝らしている。

 建物基壇部にはレンガ調せっき質タイルを手張りするのを筆頭に、食器棚を標準装備とし、ポイント制を採用することでそれを家電収納タイプに変更し、ピクチャーレールを設置したり食洗機を収納に変更できたりできるようにし、浴室にキャンドル照明を設置することなどを可能にしている。

 キッチンカウンターもそうだ。幅は2150mmなので2LDKとしては普通だろうが、幅は100mmとしカウンターバーや忙しいときなどのダイニングテーブルのような使い方もできるようにしている。アクセントクロスにはデザイン性の高いクロスを用意しているのも目を引いた。

 57㎡のモデルルームは、2LDKを1LDKに変更したもので、約19.1畳大のLDKとしているのがいい。居室には物干し金物を設置している。

 庄司氏は余裕しゃくしゃくに見えたが…内心をそのまま吐露したのか、それとも戦々恐々の心奥を悟られまいと虚勢を張ったのかまでは読めなかった。

希少立地で人気呼ぶか 大成有楽不動産「中野」駅圏最高値での販売なるか(2019/10/15)

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「KAWAII Japanese Room - Addicted to TOKYO」

 世界最大級の宿泊予約サイトBooking.comの日本法人ブッキング・ドットコム・ジャパンは11月14日(木)15:00、先に実施した宿泊施設「KAWAII Japanese Room - Addicted to TOKYO」が好評だったことを受け、11月18日(月)、19日(火)の2泊分を予約サイトで世界同時予約を受け付ける。

 「KAWAII Japanese Room - Addicted to TOKYO」は、ブッキング・ドットコムと増田セバスチャン氏がコラボレーションし、「MIMARU東京赤坂」(港区赤坂7-9-6)内の一室に「東京に夢中!」というコンセプトで表現した豪華絢爛な宿泊部屋。屋上には、ライトアップされたキノコが設置されている。

 11月13日~15日の3泊分を受けつけたところ瞬時に申し込みが入ったことから、11月18日と19日の2泊分の追加予約を受け付けるもの。

 客室面積は約40㎡。1泊あたりの料金は2,020円。定員は1泊2名。宿泊者には増田セバスチャン氏がデザインしたオリジナルの浴衣がプレゼントされる。

 予約はネット申し込みのみで先着順。予約に関する詳細は次のリンク。https://www.booking.com/hotel/jp/kawaii-room.ja.html?

 増田セバスチャン氏は1970年生まれ。90年代より演劇・現代美術の世界で活動をはじめる。独特な色彩感覚からアート、ファッション、エンターテインメントに渡り作品を制作。日本のKAWAII文化を牽引する第一人者。京都造形芸術大学客員教授、ニューヨーク大学客員研究員。

 ブッキング・ドットコムは1996年、アムステルダムで設立。多種多様な宿泊施設への予約をワンストップで提供しており、世界最大の宿泊施設数を誇り、リスティング数は2,800万件以上。うち620万件以上が旅館や民泊などの宿泊施設。

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増田セバスチャン氏

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屋上のアート〝きのこ〟

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〝washitsu〟

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 「KAWAII Japanese Room - Addicted to TOKYO」は11月16・17日(土日)限定で一般に公開されるが、公開に先立つ11月12日、メディア向けに内覧会が行われた。

 公開されたのは、コスモスイニシアの「MIMARU東京赤坂」の1室約40㎡。客室に入った途端、床から壁から天井まで増田セバスチャン氏のアートで埋め尽くされていた。多少は芸術を理解する記者も〝常識〟を超越したピンクを中心とした色彩と柄に仰天唖然呆然自失、色をなくしたが、増田氏は「京都二条城の賓客をおもてなしする客間にヒントを得た。侘び寂ではない〝ハレとケ〟の〝ハレ〟のの非日常を表現した。違和感を覚えるかもしれないが、5分もすれば慣れる。最初の予約は〝秒殺〟で決まったように、間違いなく支持される。通常価格の1.5倍でも受け入れられるのではないか」と平然と話した。

 増田氏の話を聞いて記者も即決で申し込みことを決めた。色彩は派手ではあるが、露悪的では決してない。全体的に統一もされていて美しい。感性豊かな子どもは大喜びするはずだ。15:00きっかりに受け付けるということなので、1,000人が同時に申し込めば1000分の1秒の争いか、いや万に一つか。宿泊が決まったらレポートするが、誰と泊るか、これが問題だ。

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「MIMARU東京赤坂」エントランス

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「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」

 わが国の初の〝見た目〟木造高層建築物が完成-三井不動産は11月12日、新国立競技場に隣接するホテル「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」の記者発表会・内覧会を行った。建築基準法では鉄骨・鉄筋コンクリート造13階建てだが、外観ファサードに反りを取り入れ、客室バルコニーの側壁と上裏(軒天)に本物のスギ材を張り巡らせていた。記者は感動のあまり〝杉乃木ホテル〟と命名した。11月22日に開業する。

 物件は、都営大江戸線国立競技場駅から徒歩1分、新宿区霞ヶ丘町に位置する鉄骨・鉄筋コンクリート造13階建て362室。客室は18.5~50.9㎡(中心は24.㎡)。設計は日建設計、施工は清水建設。土地所有者は明治神宮。三井不動産が定期借地として賃借し、三井不動産ホテルマネジメントが運営する。

 客室は扁平梁とガラスの手すりを採用することで、室内から眺める視界が広がる設計を採用。屋上にはルーフトップテラスを配置。1階には、RYコーポレーションが運営するモダンイタリアンレストラン「RISTORANTE & BAR E'VOLTA」(リストランテ&バー エボルタ)が出店するほか、一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティが提供する体験イベント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の常設会場が出店する。

 発表会で同社ホテル・リゾート本部長 ホテル事業部長・小田祐氏は、「当社ホテルブランドの〝プレミア〟シリーズとしては5棟目。たぐいまれな緑に囲まれた都心のど真ん中に立地しており、関係者からは〝こんなホテル他にない〟と評価されている。あらゆる層にディスティネーション目的として利用していただけるよう価値向上を目指す」と語った。

 客室単価は2万円以上を目指す。ルームチャージは最低26,000円からとなる模様。

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外観デザイン

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バルコニー

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ルーフトップテラス

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大浴場のドレッシングルーム(ドライヤーは5万円のダイソン。我が家の小生は4,000~5,000円で、かみさんは15,000円とか)

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客室

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 この日の発表会・内覧会を心待ちにしていた。どんなホテルになるのかと。現地は明治神宮外苑水泳場跡地。記者はその施設と隣接する飲食店をよく知っている。30年昔から取材しているRBA野球大会の会場となっている神宮外苑軟式野球場に通っていたからだ。いつも新国立競技場とこのホテルをJR中央線・総武線の車中から眺めている。ホテルの格子デザインが実に美しい。

 しかし、木材を多用している新国立競技場に調和させる意図は理解しつつも、「木」らしき外装は〝フェイク〟だと決めつけていた。

 この日の発表会・内覧会でも、次のように最大限の皮肉を込めて質問した。「内装材には本物の木を採用しているようだが、外観は(ケミカルの)パネルではないか。本物の木を使う勇気はなかったのか」と。

 あにはからんや。小田氏は「わたしの説明が不足していました。外壁は本物の木です。スギ材です」といけしゃあしゃあとのたまうではないか。

 これには仰天した。すぐ「申し訳ありません。大変失礼な質問をしました」と謝るほかなかった。穴があったら逃げ出したくなるような恥ずかしい思いをした。

 しかし、ただでは起きないのが記者だ。すぐ態勢を立て直し、以下の質問を用意した。

 ①耐火・防火の法規制をどうしてクリアしたのか②内装・外壁にどれほどの木を採用しているのか③コスト・メンテナンスはどうするのか④このホテルはわが国の木造による中高層建築物の嚆矢にならないか-などだ。

 現段階ではこの質問に対する答えは得られていないが、必ず施主の三井不動産、設計を担当した日建設計、施工の清水建設から聞いてレポートする。

 その結果によっては、また大恥をかくことになるかもしれないが、〝見た目〟の本物の木造〝杉乃木ホテル〟(杉乃井ではない)と命名したのは間違っていないはずだ。杉板の厚さは3cmくらいか。バルコニーのデッキ床はケミカル製品だった。

 客室、その他の設備仕様レベルは、これまで取材した同社の〝プレミア〟シリーズのなかでも最上クラスとみた。レセプションロビーのカウンター周りは名栗仕上げ、エレベータホールや壁は本物の木材が使用されていた。

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レストラン(ベーカリー)

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隣接する緑地から

シンプルで端正な姿が美しい 三菱地所 わが国初のCLT高層「高森」完成(2019/3/14)

木造とコンクリートの見事な調和を図った「木材会館」(2012/10/2)

 

 

 

 

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「Brillia(ブリリア)上野Garden」完成予想図

 東京建物(事業比率80%)と日本土地建物(同20%)が11月下旬から12月上旬にかけて分譲する「Brillia(ブリリア)上野Garden」を見学した。2014年以降、都内で分譲されたマンションのうち山手線5分圏内は45棟(3.04%)しかなく、しかもメジャー7の物件は15棟(1.01%)という希少性と、商業エリアながら地区計画により将来にわたって繁華街のような街にならない可能性も高いこと、さらに分譲単価もリーズナブルなものに設定される模様で、人気になるのは必至だ。

 物件は、JR山手線上野駅から徒歩5分(東京メトロ銀座線稲荷町駅から徒歩3分)、台東区東上野5丁目の商業地域に位置する19階建て98戸(うち非分譲住戸21戸)。専有面積は33.33~106.63㎡、価格は未定。引渡し予定は2021年10月下旬。設計は安宅設計。デザイン監修は野生司環境設計。施工は三井住友建設。販売開始は2019年11月下旬。

 現地は商業地域だが、嫌悪施設などはほとんど無く、マンションやビル、ホテルなどが建ち並ぶ一角。今年3月に決定された地区計画でも住環境の維持向上を図るエリアに指定されていることから、繁華街のような〝何でもあり〟の街にはならない可能性が高い。

 敷地は3方角地で、建物はほぼ正方形。内廊下方式を採用。1階に地域住民に開かれたシェアラウンジが設置され、住戸は2階から。標準階1フロア5~6戸。分譲77戸のうち南向きが46戸、角住戸は58戸。

 主な基本性能。設備仕様は、二重床・二重天井、リビング居室の最高天井高2,480~2,500mm、フィオレストーン天板、食洗機など。

 東京建物住宅営業第一部課長代理で販売副所長の棚田修啓氏は、「7月から資料請求受付を開始し、想定以上の1,500件を突破。10月5日から開催している案内会参加者も250件超に達し、土日祝日は連日満席。地元台東区を中心に近隣区からの関心も高いが、JR上野駅の交通利便性から広域からの関心も高い」と話している。

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基壇部

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 東京建物のマンションが好調だ。まず、同社のマンションの業績から。2019年12月期第3四半期決算によると、計上戸数は1,053戸となり期初予想の1,000戸を上回り、完成在庫はわずか83戸(うち17戸は契約済み)しかない。

 同業では、三井不動産の2019年3月期第3四半期決算は計上予定3,400戸の進捗率は94%(前年同期は90%)で、完成在庫は162戸(同106戸)しかなく、東京建物と同じくらいの計上戸数ではモリモトや大和地所レジデンスもほとんど在庫がないが、それと同じくらいの売れ行きだ。

 さて、この「上野」の物件。上野駅圏のマンションでは、いま伊藤忠都市開発(事業比率60%)と東京建物(同40%)の「クレヴィア上野池之端」が人気になっているが、こちらは上野駅圏というよりは千代田線根津駅圏だ。上野駅圏では、記者は5年前の「ザ・パークハウス上野」しか知らない。このマンションも安がったが、今回の物件も安いと思う。いま6物件で約460戸という大量のマンションが供給されようとしている「築地」の物件は坪450万円以上だ。

 大激戦の「築地」と空白区の「上野」のどちらがいいか。競合はしないはずだが、どちらでもいい人にとっては悩ましい選択になりそうだ。

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キッチン

「凄くいい」来場者が感嘆 モデルルームの出来出色 好調の伊藤忠都市「上野池之端」(2019/8/11)

三菱地所レジデンス 最後の同潤会建て替え「上野」 ワイドスパンがいい(2014/4/25)

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「プレミスト東銀座築地Arc Court」(右)と「プレミスト東銀座築地Edge Court」

 圧倒的な人気を呼んだあの美しい流線形の「青山」のファサードが「銀座築地」に登場する。大和ハウス工業が近く分譲する「プレミスト東銀座築地Arc Court」だ。坪単価も530万円くらいになると予想され、「築地」エリアでは最高値(従前は約500万円)を更新しそうだ。「築地」の近未来を先取りした〝唯一無二〟の記念碑的マンションになるか。

 物件は、道路を挟んだ2棟構成。一方の「プレミスト東銀座築地Arc Court」は、東京メトロ日比谷線築地駅から徒歩4分、中央区築地7丁目の商業地域に位置する14階建て全117戸。専有面積は55.25~99.91㎡、価格は未定だが坪単価は520~530万円になる模様。竣工予定は令和3年3月上旬。施工は長谷工コーポレーション。

 他方の「プレミスト東銀座築地Edge Court」は、東京地下鉄日比谷線築地駅から徒歩5分、中央区築地7丁目に位置する14階建て全63戸(事業協力者住戸4戸含む)。専有面積は50.05~70.15㎡、価格は未定だが、「Arc Court」よりは若干低くなりそうだ。竣工予定は令和2年5月下旬。施工は青木あすなろ建設。

 販売開始は11月下旬から12月上旬。いずれも東京建物が販売媒介。

 現地は、工場マンション・ビル化が進む古い木造店舗なども残る商業地域の一角で、日刊スポーツの印刷所・事務所ビル跡地。双方が道路を挟んで隣接しており、「Arc Court」からは近接する明石町の街並みや聖路加・あかつき公園の美しい緑が眺望できる。角地で前面道路が広いため、約2層分高さ規制が緩和されているのも特徴の一つ。

 「Arc Court」の外観デザインは、三井不動産レジデンシャル「パークコート青山ザ タワー」とよく似た美しい流線形で、1階部分に車寄せなどを設置、住戸は2階以上。住戸プランは、99㎡の形状が1スパン(12戸)のほか、8m以上のワイドスパンの70㎡台が3スパン(37戸)、50~60㎡台が6スパン(55戸)。

 もう一方の「Edge Court」は都市的なエッジの利いた対照的なデザインになっており、70㎡の1スパン(13戸)を除き50㎡台の4スパン(46戸)。

 主な基本性能・設備仕様は、車寄せ、内廊下、コンシェルジェサービス、二重床・二重天井、リビング天井高2500mm、地下駐輪場、御影石浴室カウンター、デイスポーザー、食洗機など。

 販売事務所長・齋藤拓氏は、「目指すのは、23haの築地市場跡地開発を見据えたワールドクラスのベンチマークになるようなハイグレードマンション。印象的な外観デザインにしたのも効果的で、予想以上の反響。最近は建築費の高騰で設備仕様レベルを落としている物件も周辺には多いが、当社はその逆、圧倒的な評価を得るはず。中央区では内廊下、車寄せ、コンシェルジュサービス付きの3つ揃った物件は過去に3物件(三井、住友、東建)しかない。当社の物件は4つ目となる」とほぼ1時間、物件の魅力について熱く語った。

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 これで築地駅圏の6物件463戸のうち、旭化成ホームズの物件を除きすべて見学取材した(ワールドレジデンシャル「レジデンシャル築地」と大成有楽不動産「オーベルアーバンツ銀座築地」の記事は週明けの予定)。

 同社の物件を取材する前は、坪単価は500万円を切ると思っていたが、齋藤氏は高値に挑戦すると断言した。確かに明石町・聖路加を眺望できる立地条件を考慮すれば、それもありか。

 さらにまた、齋藤氏が力を込めたように、築地市場の跡地開発を考えれば、この街は一変する。高値挑戦する価値はある。今期売上高は4兆円を突破(予想)し、2055年には10兆円を目指す会社だ。他社と同じように目先の利益を追うのでなく(それが悪いと言っているのではない)、もっと中長期的な視点で富裕層向けマンションはどうあるべきかを世に問うべきだ。

 99㎡のモデルルームのインテリアデザイン担当は三井デザインテックの黒須理枝氏。170万円もする屋久杉のテーブル、イタリアから空輸したガラスのアート、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」を彷彿させる洗面の青みがかったガラスボウル、厚さ数ミリはありそうなステンレスの加工を施したワークトップなどは間違いなく一級品だ。

 モデルルームを見て坪単価800万円と予想したが、ぴったりのはずだ。30坪で2億4,000~2億5,000万円などは富裕層にとって2戸も3戸も買える値段だ。全然驚かない。1フロア約682㎡(207坪)全てを坪1,000万円で分譲しても約21億円ではないか。記者は1戸44億円も55億円も取材している。目指すは〝パークマンション〟だ。

 もう一つの「Edge Court」の70㎡のモデルルームのデザインはオーソドックスなもので、先進のIoT技術を採用しているのが特徴。同社は富裕層のセカンドハウスを想定しているようだ。

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「レ・ジェイド豊田 マスターヒルズ」完成予想図

 日本エスコンが分譲中の「レ・ジェイド豊田 マスターヒルズ」を見学した。駅から徒歩2分の全63戸。今年3月販売開始で、残りは最終期9戸のみ。専有面積に含まれない多目的に利用できる「Fテラス」をほとんどの住戸に設けているのがヒットした。坪単価236万円は割安感がある。

 物件は、JR中央線豊田駅から徒歩2分、日野市多摩平二丁目の第二種中高層住居専用地域(容積率200%)に位置する地上5階・地下1階建て全63戸。専有面積は36.03~93.64㎡、最終期(9戸)の価格は2,825万5000円~5,964万9,750円(専有面積36.03~85.25㎡)、坪単価は236万円。竣工予定は2020年3月下旬。設計・監理はスタイレックス。施工は飛島建設。今年3月から分譲開始しており、残りは最終期の9戸のみ。

 現地は、なだらかな南傾斜の一角で、敷地は学生寮跡地。イオンモールへも徒歩2分。建物はコの字型でほとんどの住戸は南東向き。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、ディスポーザー、食洗機、人工大理石天板、約2.5~3.9畳大のFテラス付きなど。

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モデルルーム「Fテラス」

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 記者は一時期,日野市民だったので豊田駅北口のことはよく知っている。駅前は古いUR都市機構の賃貸マンションが建っていたが、再開発によりイオンが進出し、多摩平の住宅団地も建替えられて街並みが一変した。

 今回のマンションは表通りから一歩入ったところなので、学生寮があったところとは全く知らなかった。

 まず現地を見て、いつものように坪単価をはじいた。駅に近く、南側に遮るものがない南傾斜の立地の良さからして坪250万円とはじいた。しかし、これが入札なら手を上げるデベロッパーは10社を下らないだろうから、坪270万円もありうると予想した。

 販売事務所で坪236万円と聞き、モデルルームの設備仕様レベルを見て、間違いなく割安感があると判断した。割安単価で分譲できたのは、同社は今回の物件が豊田駅圏内3棟目で、地主にも実績を認められていたからだというのも要因の一つだと思う。

 プランは「Fテラス」がいい。リビングと「Fテラス」の間は折れ戸サッシを採用し、スロップシンクとコンセントが付いており、ガラス張りなので多目的に利用できる。来場者にも好評のようだ。

 プラン構成もよく考えられている。メインは50~80㎡台のファミリーだが、北西向き6戸は36㎡とし、単身者の需要も取り込んでいる。

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 同社のマンションを見学するのは今回で4度目だ。最初の「レ・ジェイド世田谷砧」は1階にカフェを設けたもので、記者が見学したときは昼時ということもあったが、人であふれていた。2度目の「グラン レ・ジェイド若松町レジデンス」はプランが秀逸だった。その後、この物件は2018年度グッドデザイン賞を受賞している。3度目の「グラン レ・ジェイド渋谷富ヶ谷」は全戸ホワイエ(屋内廊下)付きだった。

 そして今回。販売担当者と名刺交換したら、「中部電力グループ」と刷り込まれていた。同社は現在、東京と大阪に本社機能を置いているが、創業は大阪だ。それなのにどうして中部電力なのかと驚いた。両社は2018年8月、両社は資本業務提携を結び、中部電力が日本エスコンの株式(約33.3%)を取得して持分法適用関連会社とすることを決定したとある。

 記者は三重県出身なので、「電力は中部電力」「読むのは中日新聞」「銀行は東海銀行」「百貨店は松坂屋」で育った。最近はこの図式が崩れてきたが、中部電力と大阪(東京)のデベロッパーが手を組むなど普通では考えられないことだ。

 だがしかし、この提携は双方にとっても大きなメリットがあるはずだ。東海には老舗の三交不動産も名鉄不動産もあるが、1995年設立の日本エスコンは両者を瞬く間に抜き去った。そんなデベロッパーと組めば、中部電力は地元や首都圏での様々な事業が展開できる。

 日本エスコンも潤沢な資金力がある中部電力と組むのは大正解だろう。哲学・理念がいいし、分譲事業のスローガンがいい。「日本エスコンの分譲マンションに、同じ企画・コンセプトはありません。ここで暮らす人の5年先、10年先を見据え、世代・家族構成・生活志向などイメージを膨らませ、その土地の魅力を最大限に引き出すコンセプトを創出。一人ひとりのかけがえのない人生を彩るステージを生み出しています」と。

 同社には東海エリアにおいても、既存のデベロッパーがなしえなかったことをやっていただきたい。

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エントランス

全戸にホワイエ(屋内廊下)土地の価値を最大限引き出す日本エスコン「渋谷富ヶ谷」(2017/4/24)

ライトコート付きのプラン秀 日本エスコン 首都圏初の〝グラン〟「若松町」(2016/11/4)

 

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