販売好調 小田急不他「海老名」第一弾完成 2棟約2,400㎡の駐車場屋上緑化
「リーフィアタワー海老名アクロスコート」
小田急不動産と小田急電鉄は1月16日、小田急線海老名駅とJR相模線海老名駅間の約3.5haの大規模複合開発エリア「VINA GARDENS」で建設を進めていた免震タワーマンション「リーフィアタワー海老名アクロスコート」(304戸)が完成したのに伴うメディア向け竣工見学会を行った。全体で3棟約900戸の第一弾で、坪単価258万円ながら、2018年1月から販売開始2年目で279戸を成約。近接する第2弾の「リーフィアタワー海老名ブリスコート」(302戸)も昨年6月からの販売ですでに104戸を契約するなど極めて好調に推移している。
物件は、小田急線海老名駅から徒歩3分、海老名市めぐみ町に位置する敷地面積約5,035㎡、31階建て全304戸。専有面積は45.25~120.65㎡、価格は3,200万~1億6,488万円(最多価格帯5,700万円台)、坪単価は258万円。事業主は小田急不動産、三菱地所レジデンス、小田急電鉄。基本設計・デザイン監修はアール・アイ・エー。設計・施工は三井住友建設。建物は2019年10月に竣工。
分譲開始は一昨年の1月から。今年1月末現在、最上階の1億円以上のプレミアム住戸7戸を含む279戸が成約済み。
購入者の居住地は海老名市が約37%で、他は県央の6割(横浜市は2割前後)。約5割が持家からの住み替え・買い増し、60歳以上も2割超。家族数はDINKSが約4割、勤務地は厚木市が多いのが特徴。
昨年6月から分譲開始した、駅から徒歩5分の坪単価252万円の「リーフィアタワー海老名ブリスコート」(302戸)もすでに104戸を成約済み。
2025年度の全体計画完了までには、もう1棟のタワーマンション約300戸のほかオフィスやサービス施設などが整備される予定。
高層住居からの眺望(右側が小田急線)
◇ ◆ ◇
凄い売れ行きだ。海老名駅圏で大量のマンションが販売されるのに注目したのは2017年だった。小田急は3棟で約900戸を分譲すると発表し、その他のタワーマンションを含めると全体で約2,000戸に達した。わが多摩センター駅圏ではかつて5年間で約2,000戸が分譲されたが、それに匹敵する戸数だった。正気の沙汰でないと思った。坪単価の高さにも驚愕した。多摩センターの最高値坪単価250万円を超えたからだ。
他物件の売れ行きは分からないが、〝苦戦〟の声は聞こえない。本厚木駅前の三菱地所レジデンスの物件も残りは10戸足らずだそうだ。
2017年に開業した駅前の商業棟
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記者がもっとも注目したのは、5階建て自走式駐車場(居住者用169台・来客用2台)の壁面緑化と屋上緑化だった。屋上緑化は約1,200㎡で、芝生広場、ハーブなどの植栽、遊具の設置を行っている。購入者の評価も高いそうだ。
近接する「ブリスコート」の駐車場もほぼ同規模の駐車場が整備されるので、双方を合わせると約2,400㎡(727坪)。
これほど広い面積を屋上緑化したマンションはかつてあったかどうか。国土交通省の平成29年度の調査によれば、「バスタ新宿・JR新宿ミライナタワー」の屋上緑化面積は約3,893㎡だ。これまでの最大では「六本木ヒルズ」の約18,000㎡(屋上緑化というより緑化面積)がある。これよりは小さいが、分譲マンションに限れば過去を含めて10棟あるかどうかではないか。
駐車場の屋上緑化
億が建設中の「リーフィアタワー海老名ブリスコート」
第1期167戸成約 小田急不ほか「海老名」のタワーマンション好調(2018/4/13)
息つく暇なし 津田三佐雄「南極(難局)物語」 百瀬・明大名誉教授ら凍りつく
津田氏
〝サラリーマン登山家〟津田三佐雄氏(72)が「サラリーマンと二足の草鞋を履いたとてつもない冒険野郎の軌跡と奇跡~5大陸最高峰に挑むと南極物語~」と題する講話を昨年末、OSI研究会(代表:篠原勲氏)の定例勉強会で行った。
「瑞宝中綬章」の受章者で齢85の明大名誉教授・百瀬恵夫氏をはじめ多くの参加者は、息つく暇もない生と死が紙一重の言語に絶する南極(難局)物語にあ然茫然するほかなく、話は1時間半にもわたったにもかかわらず、席を外す頻尿老人は一人としてなく異議を唱えるしわぶき一つ漏らさず、まるで氷原の南極に放り込まれて一瞬にして凍りつき、大人しく聞き入った。
津田氏は1948年生まれ。神奈川県小田原市出身。早大を卒業後、1971年富士フィルムに入社。「40歳以降は札幌、広島、中国、東京本社、医薬品製造の関連会社へと渡り歩き、本業のフィルムからはやや離れた辺境ばかり」(同氏)を歴任。2012年に退社した。
◇ ◆ ◇
登山の魅力・魔力にとり付かれたのは中学生の頃から。サラリーマンを続けながらヨーロッパアルプス最高峰のモンブラン(4,810m)、アフリカ大陸最高峰キリマンジャロ(5,895m)、北米大陸最高峰マッキンリー(6,194m)、南米大陸最高峰アコンカグア(6,959m)の登頂を40歳代までに成し遂げた。
エベレストは何回かチャンスはあったものの、この時代会社の要職にありながら、2か月以上の長期休暇は許されず、ベースキャンプまで3回行くに留まっている。
5大陸制覇を目指した南極大陸最高峰ビンソンマシフ(4,450m)への道のりは平たんではなかった。最初のトライは1993年。準備は着々と進んだが、富士山トレーニング中に靭帯を断裂。「登頂はできるかもしれないが、下りてこられない」と医師から忠告され断念。
チャレンジ2度目の2017年には、外国隊に参加を申し込んだが、言語や登攀スピードに不安を覚えまたも頓挫。
そして2018年8月の70歳のとき、「もう体力の限界。これが最後のチャンス」とばかり日本からの公募隊に応募、夢は実現した。メンバーは6名。他は45~61歳の熟練者ばかり。津田氏は圧倒的な最年長者だった。
準備には万全を期した。装備は8,000mクラスのものを用意しなければならず、数十万円を掛け全て一新。低酸素室での訓練のほか、ほぼ毎日、ジムで標高差800mの登行、筋トレ、水泳(2,500m)を行った。
メルヴィルの「白鯨」が描いた厳しい自然にたじろぎながらチリ最南端のプンタアレナスを飛び立ったのは12月26日。そして翌日の深夜1時、南極大陸の基地・ユニオングレッシャー(UG)に到着した。
それからベースキャンプ(2,100m)-ハイキャンプ(2,750m)-アタックキャンプ(3,750m)-頂上アタック(4,750m)-登頂目前での撤退までの9日間の生と死が紙一重、隣り合わせの想像を絶する過酷な体験談を津田氏はこともなげに語った。いかに南極が過酷であるかを次のように列挙した。
・飛行機はロシアの軍用機、好天の一瞬を狙って飛ぶ
・南極は雪原が広がるのではなく急峻な氷の山脈が連なっている
・ハイキャンプからアタックキャンプへは平均斜度は40度、最大斜度は45度の難所が立ちはだかる。
・夜がない、音がない、臭いがない、色がない、変化がない
・吐く息は白くならない。液体物はすべて凍る。寝袋の中に抱いて寝る
・荷物は自身で約25キロ背負い、そりに約40キロ。ひたすら歩く
・排泄物、ごみはすべて持ち帰る(排泄物はあまり匂わないそうだ)
頂上まで残り百数十mの地点で登攀を断念せざるを得なかったが、「登山の目的は登頂することではなく、無事に生還すること」を改めて学ぶことになる。「登頂はできたかもしれない。しかし左耳は感覚を全く失い、恐らく凍傷で切除せざるを得なかったであろう」とも語る。
◇ ◆ ◇
津田氏は、仕事では辺境(富士フィルムの今では基幹事業、しかし当時は周辺事業)をひたすら歩き、変狂(偏狂とは言わなかった)の軌跡(奇跡⇒鬼籍によくぞ入らなかった)を生々しく語った。
「植村直己さんが北米最高峰マッキンレー(現デナリ)で消息を絶った翌年(1985年)、我々はその頂きに立った。そしてその時リーダーであった和田昌平氏が、翌年冬季、南米最高峰アコンカグア南壁を登頂後、消息を絶った。翌年その奥さんの嘉代子さんを伴い、捜索を兼ねて登頂したが、昌平氏の姿を見つけ出すことはかなわず、頂上から離れようとしない彼女を下ろした。彼女は夫の亡霊に取りつくように、夫の登った山々の足跡を辿り始めた。そして1995年ヨーロッパアルプスのグランジョラス(4,208m)で悲劇が起きた。我々の目の前でパートナーとロープで結ばれたまま、岩壁を落ちていった。
そして翌1996年、今度はグランジョラスで一緒だった岳友、難波康子がエベレストを登頂後遭難した。世界で二人目のセブンサミッターとなった直後の悲劇であった。この遭難は公募隊の功罪を問う事故として、話題を呼び、米国でベストセラーとなり映画化された」
自らも何度も奇跡的に危機を乗り越えた。2012年、エベレストのベースキャンプで突然尿閉塞に襲われた。ヘリで緊急搬送され一命をとりとめたときは、「1日遅れていたら死んでいた」と医者に言われたそうだ。
津田氏は登山の経験からサラリーマンとしての心構えについても言及した。
登頂成功の条件を3つ挙げた。
1)ベースキャンプをしっかり作ること
危機的状態にあっても、戻れるところがあれば再起を期すことができる。会社も個人も同じ。得意分野を持つことだ。
2)パートナーに対して常に自分の状況を伝えておくこと
ザイルを組んだ時からパートナーとは運命共同体だ。ヤバいと思ったら、背伸びせず、パートナーに伝えておけば救うことができる。上司と部下、先輩と後輩、友人、夫婦の間も同じだ。
3)計画は戦略は楽観的に大胆に、戦術は最悪の事態を想定し、悲観的で緻密、細心であれ。これを逆にすると命を落とす。ビジネスも同じで必ず失敗する。
長期休暇の取得の手順についても語った。最初に了解を得るのは同僚で、次に取引先。外堀を固め、そして上司-社長だそうだ。有給休暇の範囲内であるにもかかわらず、7回の海外遠征の全てが社長決裁であったようだ。
遠征の前後は無茶苦茶仕事をし、絶対行くという本気度を示し、殺し文句は「仕事の遅れは取り戻せるが、青春は取り戻せません」であったというと同時に「人は私のことを冒険家というが、山での1か月の冒険より、会社の長期休暇の取るまでの道程の方が、長く冒険的であった」という。
全て周囲を固め同意を得たうえで、最後の難関壁は奥さん。しかし意外な言葉が返って来た。「わたしがダメと言ったらあなたはやめるの」「そういうのって、相談と言わない。宣言でしょ。だったら生きて帰って。死ぬときは捜索隊に迷惑(お金か)が掛からないようすぐ見つかるところで死んで」だという。津田氏は「何だかんだ言っても、死んだら残せるのは保険金だけ」と笑った(掛け金、保険金はいくらか話さなかった)。(サラリーマンはこれを見習うべき。順序を間違ってはいけない)。
しかし後で聞けば、1年前から準備し、そわそわしている姿を見ながら、薄々は「これは何か企んでる」とお見通しであった 奥さんもまたすごい。出掛ける時はいつもと変わらず「行ってらっしゃい」の一言で、決して不安を覗かせるような表情を浮かべず、玄関先か精々バス停までで、決して空港まで見送ることもなく送り出す。振り向きもしない。
「無理をしないでね」とは言うが、内心「無理をしないと山は登れない。しかし無茶はしない」といつも心に誓って出発したという。
そして帰還すると、全身を見渡し、真っ先に確認するのは身体のどこかが欠落・欠損していないかチェックが入るそうだ。
公募隊ついても津田氏は触れ、商業登山が蔓延し、技術が備わっていなくてもガイドが何とかするという安易な募集が遭難事故を起こすと問題点を指摘した。
最後にこれからの計画について語った。
2012年、64歳でリタイアを決意すると、再び冒険心が目覚めたという。体が動き、アドベンチャラスなことができるのは後10年、75歳までと心得「私の夢10年計画」を立てた。
① ヒマラヤ8,000m峰登頂がかなわなければ、14座全てのベースキャンプを巡る
② 南極大陸最高峰ビンソンマシフ登頂
③ ヨーロッパアルプスのオートルート(モンブランからマッターホルンまで)山スキーで滑走
④ シルクロードからポルトガルロカ岬までユーラシア大陸を自転車で横断
⑤ 北極点到達
⑥ 7つの海をスキューバダイビングで泳ぐ
⑦ 宇宙ステーションから空に飛び出し星になる
70歳を過ぎ、夢計画のほぼ半分を達成したというが、まだまだ挑戦は続く。
最後に齢85の百瀬氏から質問が飛んだ。「あなたはいくつまで生きるつもりか」
津田氏の答えは「明日死んでもいいと思って今日を生き、永遠に生きると思って今日も学びたい」
篠原氏
百瀬氏
日本原産の作物は10種類程度 秋草学園短大・中村教授 OSIで〝目からうろこ〟の講話(2019/2/26)
機能的・情緒的・自己表現価値をどう伝えるか 高崎経済大学講師・権代美重子氏 OSI(2018/1/9)
「おーお明治」大学の誇り 百瀬恵夫名誉教授の「瑞宝中綬章」受章を祝う会に300名(2017/8/8)
「〝福島原発〟ある技術者の証言」著者・名嘉幸照氏がリスク管理を語る(2014/12/18)
レジリエンス高い住宅供給に力 プレ協・芳井敬一会長 新年賀詞交歓会
芳井氏(アルカディア市ヶ谷で)
プレパブ建築協会は1月15日、令和2年新年賀詞交歓会を行った。約480名が参加した。
冒頭、芳井敬一会長(大和ハウス工業社長)は、「年頭に当たり3点ほどお話ししたい」とし、「一つは、仮設住宅のお礼。台風15号、19号などで多くの被害を受けた長野県、宮城県、茨城県で313戸の応急仮設住宅を建設し、現在は埼玉県でも76床を3月末までに引き渡せるよう建設を進めている。協力いただいた関係者に感謝申し上げる。二つ目は、10月の消費増税に際して様々な対応策を講じていただいた。感謝申し上げる。幸い駆け込み需要は発生しなかったが、その後の新築着工は10%くらい落ち込んでいる。新たな対応策をお願いするかもしれない。三つ目は優良なストック住宅の普及促進について。わが国には耐震性に問題がある住宅は900万戸、省エネに問題がある住宅は2,200万戸もある。当協会としてリフォーム・建て替えで対応し、レジリエンスの高い住宅を供給していく」と語った。
また、自らの88歳の母親のことにも触れ、「おなかが痛い、足が痛いと言えば、両親や家族が撫でてくれた。痛いところに手を当てることから全てが始まる。自然災害の被害者対応も同じ。しっかり手当てしていく」と話した。
来賓として出席した赤羽一嘉・国土交通大臣は、同協会の迅速な仮設住宅建設対応に謝意を示し、質の高い住宅供給に対する支援策を講じていくと述べた。
〝今年、どうするかって? 心身とも豊かだよ〟大和ハウス・樋口会長(右は芳井社長)
〝社長、年を越すごとに成長されていますよね〟「変わらんよ」旭化成ホームズ川畑社長(「そんなこと言っても川畑は喜ばない。『痩せましたね』と言ったほうがいい」と同社関係者は忠告したが…)
新たな価値を創造し持続可能な社会の実現へ 不動産協会・菰田理事長 年頭挨拶
菰田氏(The Okura Tokyoで)
不動産協会(理事長:菰田正信・三井不動産代表取締役社長)と不動産流通経営協会(理事長:山代裕彦・三井不動産リアルティ代表取締役社長)の合同新年賀詞交歓会が1月8日、関係者ら約1,250名が参加して行われた。
冒頭、菰田理事長は次のように挨拶した。
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
昨年を振り返ってみますと、5月に新天皇が即位されて元号が変わり、令和の新たな時代の幕開けとなった年でした。日本初開催となったラグビーワールドカップでは、日本代表の躍進とともに大会も大成功を収め、日本の良さ、素晴らしさを世界に発信することができました。一方、一昨年に続いて台風や集中豪雨が相次いで発生し、自然災害が激甚化・常態化していることに改めて気づかされた年でもありました。10月には消費税率の引上げが実施されましたが、総じて大きな混乱を招くことはなく、不動産業界においても、政府による税制・予算措置が功を奏し、大きな駆け込み、反動減は見られませんでした。
さて、今年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックイヤーとなります。日本の魅力を世界の人々に知っていただき、我が国のプレゼンスを高める絶好の機会です。不動産業界としても魅力的なまちづくりを通して、世界から来られた方々に日本の魅力を積極的に発信していきたいと思います。
振り返ってみますと、56年前の先のオリンピック・パラリンピックから日本の高度経済成長が始まりました。2020年は、既に先進国となり 成熟した日本が新しい成長を始めるスタートの年になるのではないでしょうか。
足元の我が国の経済は、ほぼ踊り場に近い状況にありますが、米中貿易摩擦や中国経済の減速懸念、それに加えて年明けに生じた米・イラン関係の緊張等といった地政学的なリスクが日本経済に与える影響などをしっかりと見極めていかなければいけないと考えております。
こうした中で、足元の不動産市場は今のところ堅調に推移しておりますが、一般経済情勢や金融マーケットの状況が大きく変化するような場合、あるいは地政学的リスクが顕在化するような場合には、不動産市場にも大きな影響があると認識しております。
一方、中長期的には、人口減少や少子高齢化が進行するとともに、AI・IoT・ロボティクスなどを使ったデジタル・トランスフォーメーションが進むなど、不動産を取り巻く環境や都市のあり方も大きく変わってきております。
そうした変化や新しいニーズを的確に捉えたまちづくりを通して、新たな価値を創造し、持続可能な経済社会の実現に貢献していくことが、我々不動産業界に求められている役割であると認識しております。
当協会では、そうした観点から、税制および政策について、要望活動を積極的に進めております。先日決定された令和2年度与党税制改正大綱では、最重点要望であった「事業用資産の買換特例」について延長が認められました。また、「新築住宅の固定資産税の軽減特例」、「居住用財産の買換え・売却に伴う特例」、「国家戦略特区の特例」の延長をはじめ、当協会の主要な要望はすべて認めていただいております。経済の力強い成長に寄与する措置として大いに歓迎したいと思います。ご尽力いただいた先生方、関係の皆様方に、厚く御礼申し上げます。
都市政策につきましては、都市の国際競争力を高め、世界中から人材・企業・資金・情報を呼び込むためには、デジタル・トランスフォーメーションをまちづくりの中にスピード感を持って取り込み、まちづくりを通して様々な社会課題解決を行い、イノベーションや新しい産業が次々と生まれ続ける魅力的な都市づくりを行うことが必要であります。そのためには時代のニーズに対応し、都市の多様性を柔軟に受け入れる開発のあり方を検討していくことが重要です。
また、台風等の自然災害が激甚化・常態化している中、防災性能を高める取り組みも大切です。
住宅政策につきましては、多様なニーズに対応した質の高い住宅ストックを形成し、新たな住宅循環の環境を整備していくためには、既存住宅の活用だけでなく、性能の不十分なストックの更新を図るため、新規ストックの創出が重要です。こうしたことから、需給のミスマッチ解消に向けた多様な住宅ニーズへの対応や、マンション再生の一層の推進、優良な住宅ストックの維持保全・管理の推進が必要です。
環境への取り組みも引き続き重要です。近時の自然災害についても、地球レベルの気候変動に起因するものと考えられます。そうした中、不動産業環境実行計画のさらなる推進により、SDGsに掲げられた諸課題を解決するためのサステナブルなまちづくりに向けた取り組みを行うとともに、環境に関する規制の動きに適切に対応していきます。
その他、国際化への対応を進めるほか、事業環境の整備について、物流不動産やリゾートの開発なども対象として、幅広く取り組んでまいります。
当協会としては、国民の暮らしを豊かにするまちづくりや住環境の整備を通じ、我が国の経済・社会の発展に向けて、貢献していきたいと考えております。
皆様の一層のご活躍とご健勝をお祈りし、また今年一年が皆様にとって明るく良い年となることを祈念申し上げて、新年の挨拶とさせていただきます。
山代氏
乾杯の音頭を取った不動産流通経営協会(FRK)理事長・山代裕彦氏(三井不動産リアルティ代表取締役社長)は、「税制改正では様々な特例措置を講じていただき、また不動産流通市場の活性化につながる税制も盛り込まれた。10月の消費増税は、手厚い対応策もあり、マーケットはおおむね順調に推移した。底堅い一年であった。当協会は今年5月、創立50周年を迎える節目の年。ビジョン2030に示されたように業界が一段となってストック社会の実現に向け努力していく。消費者の信頼を得るため、最重要課題である情報の扱いに万全を期し安心・安全の取り引きを心掛けていく」と語った。
オークラ プレステージタワーエントランスに飾られていた奥平清鳳氏作「苔松 苔梅 やぶ椿」(器は1辺が約2mの六角形で水盤付き)
第2次湾岸戦争? 「大丈夫」岩沙氏・沓掛氏 「分からん」吉田氏 不動産協会・FRK賀詞交歓会に1250名(2020/1/8)
伊藤忠都市開発 新宿に常設の「ギャラリークレヴィア新宿」2月10日開設
「ギャラリークレヴィア新宿」
伊藤忠都市開発は2月10日(土)、常設の「ギャラリークレヴィア新宿」を都営新宿線・大江戸線・京王新線駅直結(JR新宿駅徒歩5分)の「新宿マインズタワー」20階にオープンする。開業に先立つ1月10日、メディア向けに公開された。
〝MORE CREATIVE〟をコンセプトにモデルルーム2タイプのほか、トークイベントやマンション生活に役立つセミナーなどを行う「CAFE SPACE」、インテリアなどの書籍・雑誌が読めるLIBRARY、個性的な独立型商談ブース(9部屋)、授乳室、キッズスペースを備える。
新築マンション市場購入者に占める共働き世帯の割合が高まり、仕事帰りでも気軽に立ち寄ることができ、効率的に物件見学や比較検討ができるようにしたもので、同社も今後都心エリアでの開発に注力しており、交通利便性の高い「新宿」を総合ギャラリーとして開設したもの。広さは約150坪。年間来場者目標は1,000組。
モデルルームの第一弾は、3月に分譲する「クレヴィア赤羽ステーションテラス」(88戸)の46㎡タイプ。物件は赤羽駅から徒歩8分で、坪単価は330~340万円の予定。
常設ギャラリーについて説明する丹羽氏(左)と同本部兼リノベーション事業チーム・谷豊氏
◇ ◆ ◇
デベロッパー各社は、個別のマンションモデルルームから常設モデルルームを設置する方向にある。都心部だけでも20カ所はある。
〝さすがクレヴィア〟と思ったのは、「CAFE SPACE」ではオリジナルのコーヒー、紅茶だけでなく山梨県富士吉田市で採掘・製造したナチュラルミネラルウォーター300ccを振舞われることだ。水までオリジナルというのは聞いたことがない。
この日(10日)、ギャラリーについて説明した同社都市住宅本部都市住宅事業第一部の丹羽誠氏(25)がまた素晴らしかった。身長が186cmもあったのでもしやと思い、野球をやっていたのではと聞いたらどんぴしゃり。名門国学院久我山の外野手で、在学中にベスト8まで進んだとか。
松典男社長!マンション販売力ではトップクラスの伊藤忠ハウジングは今年、RBA野球大会で優勝を狙える戦力が整いつつあります。丹羽さんを季節限定で伊藤忠ハウジングにトレードしてやっていただきたい。チームが優勝してもしなくても、丹羽さんは身長が高い分の成長を遂げるはずです。お願いします。
商談ブース
左から同社オリジナルコーヒー、ミネラルウォーター、マグカップ
◇ ◆ ◇
同社は同日夕、メディア向け内覧会とは別に広告代理店、設計会社など関係者向けのイベントを行った。メディア向けは10人くらいしか集まらなかったが、夕方のイベントは酒や食事も提供され、著名人のトークショーなどもあったためか数十人の参加者でごった返した。
記者は事前取材申し込みをしておらず、詳細を紹介できない。前段の数倍面白い記事が書けたのに…〝蛇の生殺し〟だ。残念。
夕方に行われた関係者向けイベント
IR推進派 収賄容疑で逮捕された秋元司議員「一切関与せず」 獄中から手紙
統合型リゾート施設(IR)への日本参入を目指していた中国企業から現金を受け取った収賄容疑で昨年12月25日、東京地方検察庁特別捜査部に逮捕された前国土交通副大臣の秋元司氏から以下の封書が届いた。
この度は、このような事態になり、ご心配ご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。
しかし、私は、一切不正には関与しておりません。
このことをしっかりと主張して参ります。
しばらくは活動ができませんが、引き続き日本の元気のため、全力で働く気持ちに変わりはありません。
変わらぬご指導よろしくお願いいたします。
令和元年十二月二十五日
衆議院議員 秋元 司
◇ ◆ ◇
日付が昨年12月25日で、きれいな毛筆による印刷文書であることから類推して、封書は本人の意向を受け、議員秘書らが代筆・代行したものと思われる。
記者は、秋元氏が国土交通副大臣を務めていたとき、不動産協会のイベント会場で名前が同じ「司」なので名刺交換をした。「頑張ってください」とも伝えた。
まさか、その「司」さんが逮捕されるとは…。「司」さんに悪人はいないはずだ。無実を証明していただきたい。
個人的にはIRに賛成だ。お金持ちがIRで浪費、散財するのは大歓迎。
大和ハウス オリンピック期間中 東京本店・城東支社勤務社員約3000人をテレワーク
大和ハウス工業は1月9日、2020年7月24日~8月9日のオリンピック開催期間中に東京本社・東京本店、城東支社に勤務する社員約3,000名が一斉に在宅勤務やサテライト勤務を行う「2020年夏季スーパーテレワーク」を実施すると発表した。
「2020年夏季スーパーテレワーク」期間中は、東京23区内にある東京本社・東京本店、城東支社の事業所を原則閉鎖し、在宅勤務を中心に、サテライトオフィスや東京23区外の自社施設を活用した勤務など、柔軟な働き方を実施する。
2020年7月24日のスポーツの日は、全社一斉休業日とする。
〝北千住に負けるな〟割り負け京王線の希少免震 日鉄興和不「つつじケ丘」
「リビオつつじヶ丘 タワーレジデンス」
日鉄興和不動産が3月に分譲する「リビオつつじヶ丘 タワーレジデンス」を見学した。京王線つつじが丘駅から徒歩2分の免震17階建て全105戸(非分譲住戸36戸含む)。坪単価380万円でほぼ完売した三菱地所レジデンス「千住ザ・タワー」184戸を超えるかどうかが記者の最大の関心事だ。
物件は、京王線つつじヶ丘駅から徒歩2分、調布市東つつじヶ丘一丁目に位置する17階建て全105戸(非分譲住戸36戸含む)。専有面積は33.36~78.28㎡、価格は未定。竣工予定は2021年11月下旬。設計・施工は淺沼組。販売代理は伊藤忠ハウジング。
現地は、スーパーマーケットの跡地で、道路を挟んですぐ京王線の線路が走る商業地域の一角。
建物は17階建て、2階建て商業棟との複合。住居は2階以上。コンパクトからファミリータイプまで1フロア6~7戸。ほとんどは眺望が開ける東向きと南向き。4戸ある78㎡の住戸からは富士山が眺望できそう。モデルルームは白の「つつじ」をイメージした木目調を強調した明るいデザイン。
担当者は、記者の「京王線は他の沿線と比べ割り負けしている。三菱地所レジデンスさんの坪単価380万円の『北千住』には負けてほしくない」という挑発に乗り、「わたしも『北千住』には負けたくないと思いますが…沿線の他物件はみんな価格が低いので…これから価格を決める」と語っている。
◇ ◆ ◇
以下は、京王線に40年以上住む記者の我田引水の手前勝手、牽強付会の記事であることを了承していただきたい。しかし、極力客観的データに基づき、一般のお客さんをミスリードしないように心掛けたつもりだ。
前段で「京王線は割り負けしている」と書いた。これは記者だけでなく、他のデベロッパー担当者もそう思っているはずだ。
マンションの利便性は、これまでは新宿、渋谷、池袋、東京、あるいは中核都市の立川、横浜、浦和、大宮などが起点となっていたのに、ここ10年くらい前から東京・大手町一色になった。ために単価的に低水準だったエリアが注目され、冒頭に書いたように「千住ザ・タワー」は、大手町へ16分の利便性が評価されたのか残り1戸と信じられない売れ行きを見せている。
記者は、住宅地としては「北千住」より上位で、利便性でも新宿へ18~21分の「つつじケ丘」は「北千住」と同程度の評価が妥当と考えている。
記者の主張を裏付けるデータもある。国土交通省のデータだ。
JR・私鉄各線の主な路線別の1カ月当たり(平日20日)遅延証明書発行日数でもっとも少ないのは東武東上線の3.0日で、第2位が東武伊勢崎線の4.2日、第3位が京王井の頭線の3.3日、以下、相鉄線4.2日、大江戸線4.9日、京王線5.0日の順。
沿線人気が高い中央快速は18.8日、山手線は17.0日、東急東横線は15.1日、小田急線は14.8日だ。これまで遅延が少ないと言われていた京急線でも5.7日だ。最悪なのは中央・総武線各駅停車の19.2日。
混雑度だって多沿線は軒並み180~190%台なのに対して京王線は120~160%台にとどまっている。スマホや新聞がかろうじて読める(読めないか)混雑度だ。
このことからも、いかに京王線が決められた時間にきちんと目的地に着く、住みよい街であることがわかる。
まだある。京王電鉄は、令和4年完成を目指し京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業を行っているが、新しく整備される7駅(代田橋駅・明大前駅・下高井戸駅・桜上水駅・上北沢駅・芦花公園駅・千歳烏山駅)の駅舎の外観デザインを昨年決定した。駅は一変する。
記者の街のポテンシャルを図る「ホテルの有無」「百貨店の有無」「歴史・文化」という3つの物差しで測ると京王線はどうなるか。
「ホテル」とは結婚式・宴会ができるホテルの意味で、起点の新宿を除き京王線には調布、多摩センター、八王子と3カ所ある。中央線も小田急線も東横線、田園都市線だって1つか2つだし、東武東上線・伊勢崎線には1カ所もない。
百貨店はどうか。これは時代の流れか、3つも4つもあった京王線はゼロになり、まだ2つもある中央線・立川に圧倒的に負ける。しかし、百貨店は他沿線も少ないはずだ。
3つ目の歴史・文化・飲食の充実度だが、これも京王線は他に負けない。コンサートホールは5つも6つもある。酒は多摩市限定の「原峰のいずみ」がある。
どうだ、みなさん。マンションのパンフレットは広告代理店に丸投げしているのだろうが、別のモノサシに改めたほうがいい。〝駅近〟と〝大きさ〟のみの希少性や、データがあいまいな〝住みたい街ランキング〟などは辟易だ。
ここまで書いてきたのだが、実際の市場はどうか。沿線の最高値マンションは、2017年竣工の三井不動産レジデンシャル「パークリュクス渋谷西原」の坪単価400万円で、2017年竣工の野村不動産「プラウド府中ステーションアリーナ」の坪360万円が続く。いま分譲中の同じ「つつじケ丘」の物件は坪300万円を大きく割り、坪300万円を超える「調布」の物件も〝苦戦〟が伝えられている。坪単価300万円の厚い壁がある。
日鉄興和「つつじケ丘」は、京王線で2棟目か3棟目となる免震は強調材料だが、設備仕様レベルはLIXILのトイレ「サティス」以外はやや物足りない。よって「北千住」を超えるのは微妙と読んだ。野村「府中」は超えてほしいが…。
第2次湾岸戦争? 「大丈夫」岩沙氏・沓掛氏 「分からん」吉田氏 不動産協会・FRK賀詞交歓会に1250名
会場となったThe Okura Tokyo オークラ プレステージタワーエントランスに飾られていた奥平清鳳氏作「苔松 苔梅 やぶ椿」(器は1辺が約2mの六角形で水盤付き)
不動産協会(理事長:菰田正信・三井不動産代表取締役社長)と不動産流通経営協会(理事長:山代裕彦・三井不動産リアルティ代表取締役社長)の合同新年賀詞交歓会が1月8日、関係者ら約1,250名が参加して行われた。以下、会場で拾った声を紹介します。順不同。
(双方の理事長の挨拶はもうしばらくお待ちください)
樋口氏
大和ハウス工業取締役会長・樋口武男氏 (会長、今年はどのような年になるでしょうか)どない年になるかはあかん。どない年に持っていくか主体性を持つことが大事。(絶滅危惧種の関西弁を話す人が少なくなりました)平常心じゃ、アハハハハ
岩沙氏(左)と沓掛氏
三井不動産代表取締役会長・岩沙弘道氏&野村不動産ホールディングス代表取締役社長グループCEO会長・沓掛英二氏 (会長、財界賞受賞おめでとうございます)ああ、ありがとう(必ず駆け付けますので。いつでしたか)17日だよ(岩沙氏は、雑誌「財界」主催の令和元年「財界賞」の受賞が決まっており、1月17日に授賞式が行われる)
(お二人に、第2次湾岸戦争にはなりませんか)大丈夫(お二人とも)(SDGsのバッジを付けていらっしやいますが)これは経団連のバッジ。沓掛さんのは普通のバッジ(岩沙氏がつけているバッジはやや小さめ)バッジは昨年からほぼ役員全員がつけている。当社は投資家からの評価も高い(沓掛氏)
押味氏
鹿島建設代表取締役社長・押味至一氏 (鹿島のファンです。マンションの施工はどうですか)やりたいね。価格? まあまあ(確か、オリンピックが決まった後は「あまりやりたくない」と仰ったはず)
タカラレーベンの出席者
タカラレーベン代表取締役兼CEO兼社長執行役員・島田和一氏 (三菱地所レジデンスさんから譲り受けた「上尾」が大変な人気になりました)あれは昨年のもっともよく売れたマンション。わたしが話を付けた? いや、手島の手柄(取締役兼専務執行役員・手島芳貴氏)。都心部は土地が買えないから郊外と地方で頑張る(記事参照)
大栗氏(左)と島田氏
長谷工コーポレーション代表取締役会長・大栗育夫氏 (今年のマンションの価格はどうなりますか) 坪単価? 安くはならないが、努力して抑える。(久光さんが亡くなられました)そう。残念。まあ、好きなこと(スキューバダイビング)してだから…
高木氏
コスモスイニシア代表取締役社長・高木嘉幸 いつも言っていることですが〝新しい価値を創造する企業〟-それが当社
三菱地所代表執行役執行役社長・吉田淳一氏 (昨年は業界でもっとも目立った活躍をされました)いやいや、心配事ばかりだよ…世界情勢とか(第2次湾岸戦争にはなりませんか)全く分からない
脇氏
三菱地所レジデンス代表取締役社長執行役員・脇英美氏 (「北千住」は残り1戸、「本厚木」も残り10戸程度とか。笑いが止まらいのでは)ワハハハハ
浜中氏
大成有楽不動産代表取締役社長・浜中裕之氏 (「中野」のマンションが素晴らしい)繁華街の中だから工事車両などを入れるのが大変なんだよ(「築地」は大儲けでは)契約が済んだとはいえまだ完成していないからお金はこれからだよ
斎藤氏
三菱地所リアルエステートサービス副社長執行役員・斎藤哲二郎氏 RBAの野球部は強くなったでしょ。今年も頑張ります
左から前氏、高橋氏、野間口氏
JR西日本プロパティーズ常務執行役員・高橋直見氏 (首都圏でのマンションが増加していますが、今後は年間1000戸では)地方を含めてもそこまでは。+αを目指す。野球? 話は聞いている義積とか(そう、名前は私と一緒の「司」ちゃん。ほら、前さんだって「司」が付いているでしょ。アハハハハ)「仲町台」はいいですよ(執行役員不動産開発部長・前久司氏)
記者が選んだ2019年「話題のマンション」28物件(21~28)
記者が選んだ2019年「話題のマンション」28物件(11~20)
年頭所感 世界に誇れる住環境づくり アキュラホーム社長 宮沢俊哉氏
新年あけましておめでとうございます。2020年の年頭にあたり、ご挨拶を申し上げます。
昨年は、アキュラホーム創業40周年・ジャーブネット設立25周年・令和元年という3つの節目を記念し、新時代の先進住宅「ミライの家・Rei」の発表や、ジャーブネットの上位組織「スマートアライアンスビルダーメンバー(以下、SABM)」の始動、「カンナ削りの木のストロー」を筆頭とした環境貢献企業としての活動などを主に行いました。
また、会社の基盤となる制度やシステムの改革に着手するなど、アキュラホームグループが永続的に発展する基盤も強化し、これらのさまざまな事業や取り組みが実を結んだ年となりました。この充実の一年を一言で表すなら、「革新」「改革」の年。 今一度原点に立ち返り、われわれのあり方を見直して変えていくということを広く推し進めることができました。
この10年あまり、人口や世帯数の減少を受けて住宅市場は縮小傾向にあります。一方で住まいづくりに求められる技術は年々高度化しています。そのような時代に求められるのは、資本力や営業力だけでなく、つくり手としての思いも持った技術力のある企業であると考えます。強みをもった人や企業が連携し、謙虚に学び合い、多様なニーズに応えられる理想のつくり手へと共に進化して いくことが、住まい手に求められる時代になると思っています。
そして、2020年は、昨年に基盤を固めた連携や制度改革を大きく加速させる年だと考えます。「賢い連携」のさらなる推進として、SABMをはじめ、グループの内外で成果が出るノウハウへの出資、ノウハウを共有する場の提供を積極的に行っていきます。こうして手を取り合いながら、日本の住まいづくり・まちづくりをリードするホームビルダーへと進化を続け、ジャーブネットのミッションでもある「世界に誇れる住環境づくり」の実現に近づいていくことを願っています。
また、環境貢献活動として「カンナ削りの木のストロー」もさらに広めていきたいです。まずは、2020年に海外から日本へ来訪される方々に「木のストロー」を使っていただき、海外へ普及させる きっかけをつくりたいと考えています。やがて世界各地で「木のストロー」が地産地消され、各地 の環境問題や雇用問題の解消につながっていけば嬉しい限りです。
この新しい年が皆様にとって素晴らしい一年となりますことを祈念して、私の年頭のご挨拶とさせていただきます。