RBA OFFICIAL
 

 18-放水体験写真.jpg
屋内消火栓放水体験(消防士でも17~19秒かかるのに同社の若い女性の記録は2秒とか)

 三井不動産レジデンシャルサービスは5月25日、マンション管理について「見て、触れて、学べる」体験型研修施設「すまラボ」を豊洲本社内に開設し、6月から同社が管理するマンションの管理組合・居住者にも公開すると発表した。

 東京都から東京都職業訓練校としての認定を受け、訓練校初の「コンシェルジュ養成コース」をはじめとする社内研修のほか、管理マンション居住者や近隣地域住民を対象としたコミュニケーションイベントスペースとして利用できるようにしている。

 「すまラボ」では、「火災時の実物消火栓での放水体験」や「避難の際のバルコニー隔壁板蹴破り体験」など多くの体験型研修企画を盛り込み、従来の施設とは一線を画した体験型コミュニケーション研修施設になっている。

 発表会に臨んだ同社執行役員・山村勝治氏は、「私が入社した昭和62年はまだ〝住宅すごろく〟(国土交通省調査による永住希望は31.1%)が通用していた時代だったが、現在は当社が管理する約25万戸のマンション居住者の65%(同52.4%)が永住を希望されるなど劇的に変化した。これまでの『安心・安全』に加え、『快適』『便利』へとお客さまのニーズは多様化・高度化している。ハードはもちろん、変化する居住者ニーズに対応するためソフトを含めた管理の品質の向上を図るのが目的」と開設の理由を話した。

 同社関係者によると「ビル1棟が施設の会社もあるが、このようなソフトを重視した体験型の施設は業界初だと自負している」と語った。

 場所は、東京メトロ有楽町線豊洲駅から徒歩6分、NBF豊洲キャナルフロント5 階。面積は約230坪。エントランス、コンシェルジュカウンター、専有部モデルなど11のエリアに分かれている。

17-隔壁板けやぶり.jpg
隔壁板け破り(ハイヒールのヒールで蹴ったほうが安全だと記者は思う)

◇       ◆     ◇

 マンション管理会社はほとんど情報開示をしないのも原因だろうが、よくもまあ「マンションは管理を買え」などと恥ずかしい記事を書いてきたものだと改めて感じた。驚愕ものの見学会だった。

 これまで、管理会社の研修施設は3カ月前、大京アステージの施設で1日体験取材をしており、三井不動産レジデンシャルサービスの「月島」で2度くらい取材したことがある。長谷工コミュニティの施設もずいぶん昔だが見学している。

 これだけで同業他社との比較は難しいが、同社関係者が「うちが初めてだと自負している」の言を借りれば、「驚愕もの」という表現は的を外していないのだろう。

 マンションの基本的な構造、設備仕様、管理会社の日常業務などはどこにでもあるが、隔壁板を破るのにどれだけの力が必要なのか、スプリンクラーが作動したら1分間に約80リットルの水が出るそうだが、それがいったいどのようなものかを見たり、消火時間を競い合ったりできるとか、避難はしごの使い方などが体験できることなど初めての経験だった。

 さらにまた、バリアフリー法と建築基準法の定めるスロープの差がどのようなものであるかも確認できる。4階の「お客さまセンター」では、スタッフが1日24時間365日体制でどのような対応をしているかも、ガラス越しに見ることができる。このガラスがまたスグレモノで、スイッチ一つでスモークガラスに変わり中の様子が見えなくするようにもできる。

 これを見て、マンションの窓に採用したらカーテンが必要なくなるととっさに考えたが、相当高価なものらしく一般に普及するのは難しいとのことだった。

 「お客さまセンター」では1日300~350件の電話による相談に、平日日中は7~8名、夜中は2~3名で対応しているという。

 相談内容は同じようなものは多くて10%くらいだというから、実に多岐にわたっていることも分かった。

08-お部屋の裏側エリア②.jpg
専有部分の裏側エリア

09-いろいろ設備エリア.jpg
いろいろ設備エリア

◇       ◆     ◇

 同社は、この施設を管理員(同社はライフサポーターと呼ぶ)の研修や管理組合など向けに開設したが、記者はマンション購入を検討している人向けにも公開してはどうかと思う。モデルルームなどではここまで基本性能、構造、マンションの管理がどうなるかを説明しない。仮に口頭で説明してもユーザーが深く理解することは不可能だ。

 ここに来れば、それこそマンションのイロハが分かる。同社と同業他社との比較(劣っているものは見せないだろうが)が一目瞭然となれば、マンション販売促進につながる。

 もう一つ考えたのは、近い将来深刻化するマンション管理員不足に対応するため、高いスキルと人材確保のために同社は先手を打ったのではないかということだ。

 マンション管理業協会の岡本潮新理事長は、就任会見の場で「マンション管理は階層でいえばデベロップメントの下支え的な位置にランクされている。ハード・ソフト両面で事業体としてきちんと整備しないといけない」とし、私見としながらも女性・高齢者・外国人の活用は避けられないと語った。

 今回の「すまラボ」は管理組合に管理の質とソフトサービスの違いの「見える化」を図った。同業も対応を迫られるのは必至だ。新たな管理会社同士の競争に同社は火をつけたのではないか。マンション管理会社の変更のことをこの業界では「リプレイス」と呼ぶそうだが、劣悪なサービスしかしない管理会社は「リプレイス」される動きが加速するのではないか。

15-水を操るエリア①.jpg
水を操るエリア

マンション管理協 新理事長に岡本潮氏(東急コミュニティー会長) 山根氏は相談役(2017/5/18)

〝掃除は科学 床は朝日、窓は読売〟 マンション管理員のスゴ技を1日体験(2017/2/25)

 

 

カテゴリ: 2017年度

 「このほど」の記事が多すぎるとこのほど(5月3日)、当欄で書いたばかりだが、5月23日付「住宅新報」は「このほど」と日にちの記載がない記事が46本のうち24本もあった。

 日にちが明記されなくても不都合が生じない記事はもちろんある。しかし、「三菱地所ホームは4月29日、神奈川県横浜市のみなとみらい地区に初のリフォームショールームをオープンした」と、3週間も前の出来事に日にちを入れる一方で、「NTT都市開発はこのほど、牧貞夫社長が取締役相談役に退き、中川裕副社長が社長に昇格する人事を発表した」と平気で書く。人事発令の日付は極めて重要だと記者は考えるし、大手上場会社の社長人事に〝このほど〟とは失礼極まりない。

 さらにまた、「『中高齢者の農業参加と住まい』について研究する会がこのほど発足した」とあるが、これは会の名称が「中高齢者の農業参加と住まい」なのか、ほかに正式な名称があるのか全く不明。もちろん「このほど」もいつのことかさっぱりわからない。

 不思議なのは、先週の5月12日、日本郵政が野村不動産ホールディングスの買収を検討する旨のビッグニュースが飛び込んできたのに、同紙はこれにまったく言及がないことだ。取材する時間はたっぷりあったはずだ。無視する出来事では絶対にないはずだ。

 1面の企画記事は、デベロッパーなど34社の平成29年3月期決算と次期業績予想の数値が記載されているのだが、売上高、経常利益、純利益の数値と前期比の増減だけ。専門紙のやることか。いっそやるなら全ページを割き、他のデータも盛り込んでそのページだけ切り取ればいつでも読めるようにすべきだ。

 是非はともかく、週刊新潮と週刊文春が取次店を巻き込んで〝スクープ〟〝特ダネ潰し〟合戦を展開しているというのに、わが業界紙はなんとのんびりしていることか。「住宅新報」1紙になったら少しは改まるかと思ったが絶望的になってきた。(記者は1年前、同紙に「このほど」はやめたほうがいいと伝えている)

慣用句か枕詞か なぜか頻繁に登場する「このほど」 不動産業界紙の記事(2017/5/3)

 

 

カテゴリ: 2017年度

IMG_0974.jpg
故・飯沼喜章氏の「お別れの会」(帝国ホテルで)

 急性冠症候群のため平成29年3月3日に死亡した三井不動産代表取締役副社長執行役員・飯沼喜章氏(享年64歳)の「お別れの会」が5月22日、同社が主催して帝国ホテルで行われた。喪主はご令室の飯沼菜保美さん。同社・グループ会社社員を含めた参列者約2,400人が故人と最後の別れを惜しんだ。

 以下は、当日参会者に配布された同社・菰田正信社長の「ご挨拶」の一部。

IMG_0918.jpg

◇      ◆     ◇

(前略)

 故人は、昭和50年に慶應義塾大学を卒業後、弊社に入社以来、オフィスビル事業、宅地造成事業、商業施設事業と弊社の基幹事業全般において第一線で活躍した後、平成25年に代表取締役副社長執行役員に就任し、社業と業界の発展に尽力いたしました。

 特に、昭和55年から約20年間にわたり携わった宅地造成事業では、バブル期前後の市況の変動が非常に激しい時期にも拘らず、行政や地権者などの関係者と粘り強く地道な交渉を続けることによって相手の信頼を勝ち取った結果、いくつもの難局を乗り越え、事業を軌道に乗せることに成功いたしました。

 また、平成12年から生涯にわたり担当することとなった商業施設本部では、卓越した感性とリーダーシップを発揮し、商業施設事業を当社の大きな柱に育て上げました。当本部の売上は故人が配属された当初の実に約9倍の規模まで成長しています。

 とりわけ故人の功績は、「人と社会に新しいライフスタイルを提供する」という概念の商業施設に取り入れたことでした。「お客様のニーズの変化」「Eコマースの拡大」「という時代の流れを的確に捉え、商業施設を「買い物をする場」から「豊かで楽しい時間を過ごしていただける場」へと変革させたのです。まさにそれまでの常識を覆す新たな価値創造でした。

(中略)

 こうして振り返りますと「考えるだけでは何も変わらない。サイコロをふってゲームを始めなければ、どんな地の利も活かすことはできず、運も人の縁も引き寄せることはできない。物事を動かすためには、とにかく思い切って行動を起こすことが重要だ。」という故人の一貫した哲学がこのような結果につながったのだと思っております。

 胸に去来する思いは尽きませんが、私どもはこのような故人の遺志を引き継ぎ、更なる事業の発展、社会への貢献に邁進する所存です。

(後略)

IMG_0963.jpg

カテゴリ: 2017年度

①グレイプス用賀外観.jpg
「グレイプス用賀」

 東京建物と東京建物シニアライフサポートは5月19日、東京都公営企業用地を活用した福祉インフラ整備事業第1号案件のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)「グレイプス用賀」をオープンした。公募により交通局所有の土地を借り受けて施設の整備を行った事業。地域包括ケアシステムの拠点としての役割も担い、保育所と看護小規模多機能型居宅介護事業所が併設されている。

 特徴は、①多世代の福祉支援の拠点となる多様な施設を整備②自立から軽介護の人向けの「レジデンスフロア」と認知症など見守り支援が必要な人向けの「ケアフロア」が選択できる③「ケアフロア」は24時間体制でスタッフが見守るなど「コンシェルジュ」サービス-など。

 物件は、東急田園都市線用賀駅から徒歩7分、世田谷区用賀三丁目に位置する6階建て120戸。専用面積は28.02~73.16(1R 54戸、1LDK 37戸、2LDK 29戸)。月額賃料は142,870~428,250円、月額管理費は39,850円(1人入居)・59,350円(2人入居)。レジデンスフロアの基本サービスは38,880円(1人入居)・66,960円(2人入居)、ケアフロアの基本・見守りサービス費は98,280円(1人入居)・164,160円(2人入居)。食材費は朝食:324円・昼食:540円・夕食:702円・3食30日分:46,980円。

 共用部はフロント・ラウンジ・ダイニング・プライベートダイニング・テラス・厨房・シアタールーム・リラクゼーションルーム・娯楽室・多目的室・応接室・相談室・屋上テラス・コミュニティラウンジ・共同浴室・機械浴室など。

 管理運営は東京建物シニアライフサポート。医療連携は医療法人社団はなまる会・やさしい手。施工はフジタ。

③グレイプス用賀エントランスホール.jpg
エントランス

◇       ◆     ◇

 同社がサ高住の第一弾「グレイプス浅草」を竣工させたのが2009年12月。以来、16物件1,271戸(計画中含む)まで増やし、グループの有料老人ホームも4物件215戸(計画中含む)運営している。着々と地歩を固めている印象を受けた。同社は高齢者向け住宅事業の拡大・サービス強化のため、介護人材派遣会社のケアライクの全株を4月1日付で取得している。

 今回の物件は、東急不動産が先に竣工させた「グランクレール世田谷中町」と競合しているのではないかと聞いたら、「ほとんど競合はない。数千万円の支払いが必要な一時金払い方式と異なり、月額方式のほうがハードルが低いと考えていらっしゃる方が多い」とのことで、オープン時までに30戸の契約を済ませているようだ。

⑤グレイプス用賀グレイプスホール.jpg
グレイブスホール

⑪グレイプス用賀(S-A2・リビングダイニングキッチン).jpg
モデルルーム

東急不動産 「世代循環型」の街づくり「世田谷中町プロジェクト」一部完成(2017/4/28)

カテゴリ: 2017年度

IMG_1112.jpg
「居住者セミナー」(南青山・新青山ビルで)

 三菱地所コミュニティは5月21日、同社が管理するマンション居住者を対象とした「居住者セミナー」を開いた。

 午前の部は危機管理アドバイザー・国崎信江氏の「熊本地震の教訓からマンションの防災対策を考える」講演が、午後の部は収納王子コジマジック(小島弘章氏)の「収納王子コジマジックの笑って学べる収納セミナー」が行われた。それぞれ約100名が参加した。午後の部は参加希望が多かったため追加講演を行い、約80名が参加。「防災」や「収納」に対する関心の高さをうかがわせた。

 午前の部に参加した横須賀市の大規模マンション管理組合理事(60歳代)は、「大変参考になった。これまで備蓄品を蓄えることばかりに力を注いできたが、トイレ、風呂、洗濯などをどうするかの課題が見えた。高齢者も増えてきているので、準避難所として申請して自助で対応できるようにしていきたい」と話した。

IMG_1117.jpg IMG_1131.jpg
国崎氏(左)と小島氏

◇      ◆     ◇

 セミナーが行われた会場は、1カ月前まで弊社が事務所を置いていた港区南青山の新青山ビルだった。昼の休憩時間に地階に降りたら、よく利用していたカフェ「EL GRECO」が開いていた。

 土曜・日曜日は休みではないかと思ったが、小森珠子社長が「あら、久しぶりね。今日は特別のコンサートの日で店は休みですけどコーヒーだけならどうぞ」と招き入れてくれた。コービーもごちそうになった。

 「EL GRECO」は、16~17世紀に活躍したスペインの宗教画家・エルグレコにふさわしいクラシックで家庭的な雰囲気がする店だ。昼食では家庭料理が食べられる。

 この日のコンサート「響の宴」では、チェコで学び、国内外で活躍するテノール・井出則太郎氏、バイオリン・遠藤万理氏、ピアノ・井出愛氏による「コモレスク(ドヴォルシャーク)」「サロン風ポルカによる第3番(スメタナ)」「モラヴィア民謡」「愛の挨拶(エルガー)」「アヴェ・マリア(シューベルト)」などが演奏された。

 青山1丁目駅に降り立ったらぜひどうぞ。記者のお薦めだ。

IMG_1119.jpg
「EL GRECO」

カテゴリ: 2017年度

 170124_purse3.jpg
イメージ図

 コスモスイニシアは5月17日、2017年3月期決算説明・中長期事業戦略説明会を行った。高木嘉幸社長が主力のマンション事業や最近力を入れているソリューション事業などについて説明した。

 マンション事業については稿を改めるとして、記者が注目しているのはアパートメントホテル事業だ。

 これについて同社は1月、ニュース・リリースで①東京・京都・大阪エリアで、ターミナル駅周辺等交通利便性が高い立地②客室数40室程度の比較的小規模なものから事業化③4名以上でも快適に過ごせる、1室40㎡程度中心。寝室とリビング・ダイニング空間を全室に確保④暮らすように滞在することが可能な、ミニキッチンと食器及び調理器具を常備⑤客室は「和」を意識-などが特徴としている。

 この日は、10棟のプロジェクトが進行中として、「上野」40室、「赤坂」40室、「日本橋」32室、「京都」42室、「八丁堀」66室など474室を明らかにした。高木社長は「ルーム単価は約3万円。圧倒的な利便性と安全性を確保して、近い将来1,500室の供給と運営を目指す」と語った。

◇       ◆     ◇

 アパートメントホテルがどのようなものかわからないのだが、各社が取り組んでいるサービスアパートメントは基本住宅で、アパートメントホテルは建築確認の手続きではホテルとのことだった。海外では結構あるという。

 もっとも速く竣工するものは来年の2月だから、しっかり取材してレポートしたい。1室40㎡というのがいい。宿泊予算や目的にもよるが、そのようなニーズは間違いなくある。連泊などの希望者には掃除やリネンを省いて料金を安くするサービスも行うようだ。客室は「和」をデザインするというが、外資系ホテルのような東南アジアか無国籍風のデザインになるのか。そうだとしたら日本人を意識していないということか。

カテゴリ: 2017年度

 大和ハウス工業は5月12日、共働き夫婦の「家事」に関する意識調査をまとめ発表した。20歳代から40歳代の男女各300名から回答を得たもので、夫婦の家事参加に対する意識のギャップだけではなく、「家事」の定義についても夫婦で異なる実態などが浮き彫りになった。主な要点は次の通り。

 ①「やってるつもり」 !?夫の家事参加率、夫「3:7」→妻「1:9」と大きなギャップ 妻で最も多い回答は「夫1割:妻9割」と家事参加の割合を答えているにもかかわらず、夫は「夫3割:妻7割」と大きな隔たり

 ②夫が家事とも思ってない「名もなき家事」の存在…「家事の定義」そのものに夫婦のギャップあり 一般的にどこの家庭でもやっている家の仕事30項目について、「家事と思うか」を聞くと、18項目で妻の家事認識が高く、逆に、夫が多い項目は11項目。夫が家事だと認識していない「名もなき家事」の存在が明らかに

 ③これでも「3割参加」?「家事を妻よりも多くやってる」割合、夫「1割」家事30項目のうち、「実際にやっている」割合は9割で妻の方が多く、夫の方が多いものはわずか4項目と1割程度

 ④「分かっちゃいるけどやってない」 !?夫の家事への「認識」と「実践」にも大きな差が 夫は「アイロン掛けをする」で、86.3%の人が認識も、実行しているのは30.3%。「脱いだ服をしまわない」、「脱いだ靴を並べない」など基本的なことすらしない夫が、一定の割合いることも

 ⑤「名もなき家事」の負担は9割がやっぱり「妻」 「名もなき家事」を一番やっているのは妻が86.5%と圧倒的に1位。妻自身も96.3%が「妻(自分)」と回答

◇       ◆     ◇

 この種のアンケートはずいぶん読んできたつもりだが、12ページに及ぶ調査結果に頭をどやされたような気がした。とくに「名もなき家事」なるフレーズにドキリとさせられた。

 「名もなき家事」はNPO法人tadaima!が最初に用いた言葉のようで、「食事の前に食卓を拭く」「靴を磨く」「トイレットペーパーがなくなったときに買いに行く」「手洗い場のタオルを取り替える」「脱ぎっぱなしの服をクローゼットやタンスにしまう」など、夫が「家事」と思っていないことを妻は「家事」と認識しており、この隔たりが妻の不満・ストレスにつながるとしている。

 いくつか妻がイラッとする事例を紹介する。「夕飯を食べ終え、全ての食器を洗いもう寝る寸前だったのに、夫が夜食にカップラーメンを食べ始め、使った箸をシンクに置きっぱなしだったこと。それくらい自分で洗えよとイライラした」(20代の女性)「脱ぎっぱなしのパジャマを畳むこと。何回言っても脱ぎっぱなしです」(30代女性)「自分でやった後始末は自分でしてほしい」(40代女性)

◇       ◆     ◇

 働く男性諸君! この調査結果は熟読したほうがいい。安倍総理の改憲メッセージよりこっちのほうが大事だ。「名もなき家事」を妻に押し付けていると、そのうち間違いなく粗大ごみとして捨てられる。

 家事に悩む共働き家族の円滑な家事参加を応援する動画が大和ハウスグループ公式チャンネルネル(https://youtu.be/OgaBU_TecVY)で公開されている。

カテゴリ: 2017年度

IMG_1097.jpg
岩沙氏(左)と藤井氏(ホテルオークラ別館で)

 不動産協会相談役の岩沙弘道氏(三井不動産会長)が今年春の叙勲で旭日大綬章を受賞したことが5月17日の不動産協会の定時総会後の懇親会でもひとしきり話題になった。記者も「会長、おめでとうございます」とあいさつしたら、隣にいた国土交通省国土政策局長・藤井健氏が「岩沙さんの受賞はわれわれ行政担当者にとっても誇り」と話した。そこでお二人のツーショット。

◇       ◆     ◇

 〝岩沙ファン〟の記者にとってもこんなうれしいことはない。5月9日に皇居で行われた親授式に他の受章者5名と共に岩沙氏も出席。天皇陛下からは「これからも健康に留意され、国と社会のために尽力していただきたい」とのお言葉を頂いたそうだ。

春の叙勲 三井不会長・岩沙弘道氏が旭日大綬章 明大名誉教授・百瀬氏は瑞宝中綬章(2017/4/30)

三井不動産・岩沙社長が経団連副会長に 八面六臂の活躍を期待(2008/2/1)

有言実行〟岩沙社長 目標達成に自信みせる(2007/5/10)

 

 

 

 

カテゴリ: 2017年度

 IMG_1090.jpg
不動産協会総会(ホテルオークラ別館で)

 不動産協会は5月17日、定時総会を開催した。新理事長に就任した菰田正信氏(三井不動産社長)のあいさつ文を紹介する。

IMG_1085.jpg
菰田理事長

 本日、不動産協会の理事長に就任いたしました菰田でございます。

 開会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

 本日は、公務ご多忙中にもかかわらず、末松信介国土交通副大臣をはじめ、政務三役の皆様方にご出席賜りますとともに、日頃からご支援、ご協力をいただいております関係省庁や友好団体、報道関係の皆様、多数のご出席をいただき、誠にありがとうございます。

 本日の総会で役員の改選が行われ、私、菰田が理事長に就任させていただくこととなりました。

 重責ではありますが、不動産業界のさらなる発展に向けて、全力を尽くしてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 また、木村前理事長には、会長に、岩沙前会長には、相談役にご就任いただきました。お二人には、今後とも高い見地からご指導いただき、引き続き協会の活動にお力添えいただきたいと考えております。

 さて、我が国の経済は、緩やかな回復を続けておりますが、世界経済については様々なリスクを抱えており、先行きの見通しは不透明な状態です。そうした中、デフレ脱却を確実なものとしていくためには、都市と地方のさらなる活力向上が不可欠です。

 経済の力強い成長を実現するためには、地方創生の推進とともに、それを牽引する大都市の国際競争力を高めていかなければならなりません。

 また、良好な住宅ストックを形成するために、建替などによる新規ストックの供給と既存住宅の活用はともに重要で、まさに車の両輪です。

 さらに、新技術の進展、働き方や価値観の変化といった時代の動きにもしっかりと対応していく必要があります。

 こうした観点から、今年度は次の活動に重点的に取り組んでまいります。

 第1に、時代を先取りするまちづくりの推進や、柔軟な都市政策の実現に向けた活動です。

 具体的には、用途の複合化への対応や、エリアマネジメント活動の充実、再開発事業の円滑化などに取り組んでまいります。

 第2に、豊かな住生活の実現に向けた活動です。

 良好な住宅ストックの形成を図るために、マンション建替方策の改善や、新技術の活用などによる質の高い住宅の供給促進に努めてまいります。

 また、少子化や高齢化の進展を踏まえ、近居や二地域居住の推進など、多様化する住宅ニーズに対応するために必要な施策について検討いたします。

 第3に、税制改正に関する取組みです。

 平成30年度税制改正については、土地の固定資産税の負担調整措置や新築住宅の固定資産税の軽減など重要な特例が期限切れを迎えますので、延長の実現に向けて積極的に活動してまいります。

 また、地方創生や生産性の向上などの政策推進に必要な税制の検討を行い、要望してまいります。

 そのほか、環境への取組みや不動産業の事業環境整備を引き続き進めてまいります。

 また、AI、IoT、ビッグデータの活用やそれに伴う経済・社会の変化が見込まれる中で、不動産事業やまちづくりとの関連について研究していきたいと考えています。

 不動産協会としては、これらの活動を通じ、魅力的なまちづくりや豊かな住生活の実現、さらには我が国経済の成長に貢献していきたいと思っております。

 最後に、本日ご参集の皆様方の当協会へのご支援・ご指導をお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

カテゴリ: 2017年度

 「マンション事業の売り上げは前期77億円だったが、今期は100億円を目指す。向こう3年間分の用地も取得できた。今回の『西大宮』を第一弾に、第二弾の『浦和美園』、第三弾の『西葛西』、第四弾の『市川』など複合開発を進めていく。ブランド戦略の構築も進める」-ポラスグループの中央住宅取締役事業部長・金児正治氏が5月12日行われたJR埼京線・川越線西大宮駅圏初の分譲マンション「ルピアコート西大宮」記者見学会で、マンションと戸建てなどの複合開発を一層進めると語った。

 金児氏は4年前、このような複合開発やJV、再開発、リノベーション、建て替えなどに力を入れていくと語った。このうち建て替えだけはまだ着手できていないが、他の事業は着々と進んでいる。

 今回改めて金児氏の意気込みを聞いたのだが、記者は考え間違いをしていたことに気がついた。金児氏の考える「複合開発」は記者が考える複合開発とは雲泥の差があることだ。

 一つの区画にマンションと一戸建ての複合開発は多くはないが各社も取り組んでいる。記者はそのような複合開発を同社が進めるものだと理解していた。

 しかし、どうもそうではないことが分かった。もっとスケールの大きいものだ。西大宮駅圏ではすでに分譲戸建ての実績があり、今後、土地区画整理事業による街づくりが進むのに狙いを定め、街全体をグラウンドとしてマンションや戸建ての開発を進めるのだという。

 「浦和美園」「西葛西」「市川」なども同様だ。それぞれの拠点を抑えることで、同社が主導して街づくりを進めようということのようだ。

◇       ◆     ◇

 金児氏の考えに大賛成だ。同じような面として街づくりを展開しているのはデベロッパーでは三井不動産くらいだ。同社は日本橋を拠点に、これまで舞浜、佃、豊洲、芝浦、新川崎、川崎、新三郷、柏の葉などで商・住などの大規模複合開発を進めてきた。

 金児氏が考えている複合開発は三井不のそれとはやや異なるが、記者が欠かせないと思うのは街のポテンシャルを上げる取り組みだ。

 西大宮も確かに整然とした区画が整備されつつあるが、街路樹が貧しく、建物の形状がまちまちで外壁の色、道路からのセットバックなども全然統一感がない。これは行政の責任でもあるが、街並みを統一する地区計画やガイドラインを定めないと街の価値は上がらない。

 越谷レイクタウンがそうだ。ここは立派な戸建て群と貧しい戸建て群が混在する。官に任せきりだからこうなる。民が積極的に街づくりに関与していかないと成功しない。

越谷レイクタウンで見た 雑草すら生えない建売住宅の一群(2014/4/29)

これほど働く主婦の目線に立ったマンションはないポラス「ルピアコート西大宮」(2017/4/12)

カテゴリ: 2017年度
 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン