LDK空間を自由に変更・利用できる「コネクト スタイルキッチン」開発 大京
「Connect Style Kitchen(コネクト スタイルキッチン)」イメージ図
大京は8月6日、マンションのLDKをフレキシブルに使用できる「Connect Style Kitchen(コネクト スタイルキッチン)」空間を開発し、今後、分譲マンションやリフォーム・リノベーションマンションに採用していくと発表した。
ライフスタイルや価値観、家族形態が多様化し、ニーズも変化している中、用途が限定され、住宅の狭小化が進んでいることに対応するもの。
好きな時に好きなように動かせる「コネクトカウンター」をLDKの中心に配置。カウンター内部に収納スペースを設置することで調理家電の収納場所を確保しているほか、キャスターにより簡単に移動することができる。
◇ ◆ ◇
実物を見てみないと何とも言えないが、意図はよく分かる。建築費の高止まりで、最近のマンションはどんどん専有面積が狭くなっている。キッチンの広さもせいぜい3.1~3.5畳大しかない。ダイニングとリビングを合わせても15畳大あればいいほうだろう。各社はゆったりしたLDKを確保できないから、隣接の居室をスライドウォールを用いてフレキシブルに利用できるように提案しているのが現状だ。
一つ、よく分からないのは食卓との関係はどうなるのかだ。両方を置くことは難しいような気がするし、コネクト スタイルキッチンが小さいと物置になりかねない。首都圏マンションにも採用されるはずなので、しっかり確認したい。
同社によると、標準形の寸法は長さ:1,650mm、高さ:850mm、奥行き:750mm。なるほど、これくらいなら邪魔にならないか。
概念図(左は従来の、右は「Connect Style Kitchen(コネクト スタイルキッチン)」)
フージャースHD シニア向け「デュオセーヌ豊田」竣工 半分強が契約済み
「デュオセーヌ豊田」
フージャースホールディングスは8月7日、グループのフージャース ケアデザインのシニア向け分譲マンション「デュオセーヌ豊田」が完成したのに伴う「建物完成お披露目会」を行った。
物件は、JR中央線豊田駅から徒歩17分、日野市旭が丘三丁目に位置する8階建て全118戸。専有面積は42.00~70.07㎡、現在分譲中の住戸(37戸)の価格は3,148万~5,998万円(最多価格帯3,300万円台)、坪単価は240万円。有効率は約8割。建物は2019年7月竣工済。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。
これまで半分強が分譲済み。入居予定者の男女比率は3:7、入居時の年齢は74、5歳以上、夫婦での入居は約3割。
担当者によると、入居から5年が経過した「つくば」では死亡や要介護3以上の理由などから約1割に退去が発生しているが、中古市場では分譲時価格の約9割を維持しているという。
同社は今後、「国立」(228戸)、「相模原」(233戸)、「東戸塚」(186戸)、「船橋高根台」(207戸)、「大宮」(266戸)を竣工する予定で、年間2~3棟をコンスタントに供給していく。
ラウンジ
一般利用も可能なレストラン
百数十万円はしそうなエントランスのオブジェ
植栽
植栽
進化するシニア向け所有権付き「デュオセーヌ」 フージャース「国立」&「豊田」(2018/9/4)
フージャース シニア向け「ちはら台駅前」 入居前に6割が契約・申し込み済み(2018/1/22)
「HARUMI FLAG」「著しく利益増」の「著しく」とは当初売上計画の1%
7月30日付の住宅新報は「HARUMI FLAG」の第1期分譲戸数は「SEA VILLAGE」の一部211戸と、「PARK VILLAGE」の一部389戸の合計600戸で、平均の分譲坪単価は302万円であると報じた。記者が知る範囲で600戸の平均単価について報じたのは同紙だけだ。これはクリーンヒットだ。
ただ、この単価は同紙が全600戸の販売価格を全専有面積で割って算出したというより、工業市場研究所の美濃部康之取締役がコメントしているように、おそらく工業市場研究所が計算したものと思われる。(間違っていたらごめんなさい)
記者は、第1期の分譲戸数はこれくらいが適当だと思う。単価については、オリンピック選手村として一時利用される特殊要因を考慮しなければしごく妥当な価格だと思う。
今回分譲される日本設計が設計を担当し、長谷工コーポレーションが施工している運河に面した「SEA VILLAGE」はもっとも優れていると思っていたし、日建ハウジングシステムと三井住友建設が設計し、三井住友建設が施工を担当している公園に面する「PARK VILLAGE」も条件がいいので価格(単価)が高くなっても不思議ではないというのが率直な感想だ。
販売戦略として価格が高いほうから売るか低いほうから売るかは一概に何とも言えないが、価格の高いほうから売るというのは正解だと思う。〝ここに住みたい〟という人は一定数いるはずで、そうしたユーザーに最前席を用意するのは当然だ。
今後の市況はいまひとつ読めないが、第1期以降に分譲される住棟は単価が下がるのではないかと思うので、4月26日付で書いた坪単価280万円予想を現段階で修正する必要はないと考えている。
一つ、新しいことを付け加えるなら、都とデベロッパーとの間に当初交わされた譲渡契約で「著しく利益が上がった場合は、譲渡金額について協議する」条項について、「著しく」とはどの程度かということが明らかになった。
小池百合子都知事が7月26日の記者会見で、記者団の質問に次のように答えているので紹介する。
「この条項については、全ての住戸の引渡しが完了しまして、収益が確定した時点で分譲予定収入、1%を超える増収があった場合には、敷地譲渡金額の変更について協議することといたしておりまして、その増収分については、経費などを除いて折半するという確認書を今年の5月に事業者側と取り交わしたということで…」
つまり、全住戸の販売が完了・引き渡しが終了した時点で、当初提出された計画より売り上げ・利益が1%以上上回ったら、その利益を折半するということだ。
1%とはまた厳しいような気がするが、双方とも批判にさらされたくないということだろうし、透明性を高めるのもいいことだ。
では、いったいどれくらいの上昇が許容範囲かということだが、記者は当初予想の250万円の10~15%増の275~287.5万円くらいと考える。
これくらいなら都民も納得するはずで、都も収入増となりデベロッパーも潤う。結果として購入者にも利益が還元されるということだ。三方よしとはこのことを言う。いま係争中の裁判でもこの1%ルールは都側に有利に働くと見た。
仮にこれ以上の利益を出したら、それこそ〝適正〟に売却価格をはじき出した不動産鑑定士の顔に泥を塗ることになり、法の存立そのものが危うくなると思う。裁判の行方だって分からなくなる。
地所レジから専有卸受け分譲 タカラレーベン「上尾」1年で全183戸完売の勢い
「レーベン上尾GRAN MAJESTA」完成予想図
タカラレーベンの売れ行き好調マンション「レーベン上尾GRAN MAJESTA」を見学した。昨年12月、三菱地所レジデンスから専有卸を受け分譲開始。販売担当は「商品企画も販売事務所、モデルルームもほとんど地所レジさんが行ったもので、当社はほとんど手を付けていない。売れ行きがいいのは、地所レジさんのブランド力もある」と話している。
物件は、JR高崎線上尾駅から徒歩7分、上尾市上町2丁目に位置する11階建て全183戸。専有面積は63.36~94.35㎡、第5期(戸数未定)の価格は2,900万円台〜5,200万円台。坪単価は190万円。竣工予定は2019年12月下旬。設計・監理・施工は木内建設。デザイン監修はWe+Fvision石倉雅俊氏。
現地は、創業120余年の老舗「酒蔵 文楽」と蕎麦と一品料理店「東蔵」に隣接。敷地は二方道路の角地。三菱地所レジデンスが2007年に取得し、2018年年3月に建築確認済み。ホームページで資料請求を募り、販売事務所も完成した段階で、タカラレーベンが譲り受けたもの。
建物は南西向きが長辺で、南東向きが短辺のL字型。主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2450~2550ミリ、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、たからの水など。
同社第1営業グループ第1営業部1課係長・水嶋和也氏は次のように語った。
「用地は2007年、旧藤和不動産さんが取得。2018年着工したものを販売直前に当社が取得した物件で、上尾駅圏では3年ぶりの新規分譲です。これまでの来場者は800件弱。埼玉県では『シントシティ』に次ぐ多さ。営業は8人体制、1日3クールでも対応できないときもあり、朝の8時と夜の7時枠を追加するほどでした。地所レジさんのブランド力も売れ行き好調の一因だと考えています。完成までまだ5カ月あるので竣工完売が期待できそうです」
◇ ◆ ◇
上尾のマンション見学は、住友不動産が2012年に分譲し、人気になった「シティタワー上尾駅前」(全297戸)以来7年振りだ。
物件は、三菱地所レジデンスから専有卸で取得したものであるのは事前に知っていたが、まさか販売事務所やモデルルームの設営まで済んだものを取得したものだとは知らなかった。地所レジが標準装備にしている浴室の上下可動式フックス付きスライドバーまでそのままだった。
立地もなかなかいい。敷地の南側は老舗「酒蔵 文楽」とその店舗が隣接し、大きな駐車場もあるので前面が開けている。
設備仕様レベルを考慮すると、単価もリーズナブルなものだと思う。どうして地所レジが自ら売らなかったのが不思議だ。
モデルルーム
◇ ◆ ◇
上尾のマンション見学は、住友不動産が2012年に分譲し、人気になった「シティタワー上尾駅前」(全297戸)以来7年振りだ。
物件は、三菱地所レジデンスから専有卸で取得したものであるのは事前に知っていたが、まさか販売事務所やモデルルームの設営まで済んだものを取得したものだとは知らなかった。地所レジが標準装備にしている浴室の上下可動式フックス付きスライドバーまでそのままだった。
立地もなかなかいい。敷地の南側は老舗「酒蔵 文楽」とその店舗が隣接し、大きな駐車場もあるので前面が開けている。
設備仕様レベルを考慮すると、単価もリーズナブルなものだと思う。どうして地所レジが自ら売らなかったのが不思議だ。2007年の用地知湯得だから、リーマン・ショックの影響があったのかもしれない。
現地
大和ハウス工業 白金高輪駅1分のマンション共同建て替え284戸 着工
完成予想図
大和ハウス工業は7月29日、高輪一丁目の共同建替計画マンションの着工を8月に行うと発表した。
地下鉄東京メトロ南北線、都営三田線白金高輪駅から徒歩1分の2棟の分譲マンションと隣接の3敷地を計画敷地として建設される35階建て全284戸のタワーマンションとなる。同社が取得する保留床は分譲マンションとして2020年度にモデルルームを開設し、販売開始する予定。専有面積は29.73~117.15㎡。施工は西松建設。事業主体は高輪一丁目共同建替計画マンション建替組合。
従前のマンションは、1970年(昭和45年)に建設された「パシフィック高輪マンション」(63戸)と1979年(昭和54年)竣工の「トーア第二高輪マンション」(93戸)。
建物の老築化、耐震性への不安、居住者の高齢化、空き住戸の増加などの課題に対応するため、HOU一級建築士事務所立案による総合設計許可を適用して最大割増容積を取得し、2010年1月に近隣数棟による「共同建替検討委員会」を発足。その後検討を重ね、2016年5月に「建替え決議」を可決。2017年2月、円滑化法に基づく建替組合の設立認可(参加組合員:大和ハウス工業)。
坪単価は700万円を超えるかどうか 東京建物ほか 山手線内最大級「白金ザ・スカイ」
「SHIROKANE The SKY(白金ザ・スカイ)」完成予想図
東京建物は7月29日、同社を幹事会社とする長谷工コーポレーション、住友不動産、野村不動産、三井不動産レジデンシャル5社JVによる〝住・商・工・医〟再開発複合マンション「SHIROKANE The SKY(白金ザ・スカイ)」のプロジェクト発表会&モデルルーム内覧会を行った。1993年以降に分譲された山手線内のマンションの規模としては最大の1,247戸の規模で、モデルルームは8月24日にオープン、10月下旬に第一期の販売を開始する。これまでの資料請求は約4,500件。
物件は、東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅から徒歩3分、港区白金一丁目に位置する45階建て東棟・19階建て西棟・4階建て低層棟の3棟の全1,247戸(非分譲477戸含む)。専有面積は23.94~147.10㎡、価格は未定。設計・監理は梓設計。デザイン監修は光井純アンドアソシエイツ建築設計事務所。施工は大林・長谷工建設共同企業体。完成予定は2022年12月下旬。
従前の現地は、住宅・工場・事務所・商業などが混在し、建物の老朽化、敷地北側に流れる古川の増水被害などの課題を抱えていたエリアで、2004年に「白金のまちを考える会」が発足し、2013年の都市計画決定、2015年の「白金一丁目東部北地区市街地再開発組合」設立を経て、今回着工に到ったもの。5社は参加組合として事業に参画している。
再開発によって、質の高い居住環境を整備するとともに、土地の集約化、周辺道路や歩行者空間等の整備や幹線道路沿道の電線類の地中化などを行い、あわせて事務所や工場など既存都市機能の維持と機能更新を図る。
分譲棟は45階建てと19階建ての分棟・分節構成とし、周囲の街並みと調和させながら、ランドマークとなる印象的なデザインとし、西棟には屋上庭園も設置する。
発表会に臨んだ東京建物執行役員プロジェクト開発部長・田代雅実氏は「『白金』は再開発の聖地であり、今後も発展が望めるポテンシャルの高いエリア。5社のノウハウを注いで賑わいの創出と歴史を継承して、コミュニティあふれる新しい街づくりを進める」と語った。
ランドスケープ入り口
中央広場
田代氏(左)と同社プロジェクト開発部事業推進グループ グループリーダー・櫻井晋氏
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最大の関心事である価格(坪単価)について。小生は、発表会会場である記者と単価の賭けをした。小生は「坪700万円以下はあり得ない。800万円と聞いても驚かない」というもので、その記者は「坪650万円。700万円台に載ったら食べ放題の焼き鳥を奢る」と話したので、小生は逆に「700万円を割ったらあなたが指定する店で食べ放題の焼き鳥を奢ってやる」と言い放った。
残念ながら坪単価については、箝口令が敷かれているのか、田代氏をはじめみんな口を閉ざした。今日の段階ではどちらが勝つか勝敗は不明だが、小生が勝つような気がする(負けたってこの記者の行きつけの店の焼き鳥はせいぜい1本100円ちょっとだろう。30本食べてもたかが知れている。小生はそんなに安い焼き鳥は好きではない)
断言するが、賭けに勝ちたいから書くのではない。言うまでもないことだが、品川-品川ゲートウェイ-高輪―白金-三田エリアは〝国際都市〟の中心部として生まれ変わる。小生は、仮に東京駅でマンションが分譲されたら坪3,000万円(ある大手デベロッパーの役員は5,000万円と話したが)だと考えているし、主要な山手線エリアは1,000円を超えると見ている。現段階で「白金」はさすがに1,000万円の値はつけられないが、今回の建物が完成する頃の相場は、よほどの世界を震撼させる出来事が起こらない限り800~1,000万円になると読んでいる。
仮に坪650万円で分譲されたら申し込みが殺到する。〝どうしてそんな安値で分譲するのか〟と、今回の売主に名を連ねていない高輪・三田で約580戸を予定している三菱地所レジデンスを筆頭に内外から批判が殺到するのではないか。
東京建物は坪単価600万円の「目黒」で、都心・準都心部のマンション相場を一挙に引き上げた実績もある。ここはデベロッパー代表として高値に挑戦すると見たし、坪700万円を割るようなら情けない。
肝心のモデルルームの出来はどうか。142㎡のタイプは天井高が3200~3500ミリあり最高に素晴らしい。坪2,000万円でも安いかもしれない。他の80㎡と92㎡のモデルルームもよくできている。天井高は2,550ミリ以上。バックカウンター・収納も標準装備。
光井氏のデザインはいつものように素晴らしいが、さすが梓設計だ。プランもいい。ワイドスパンの横入り玄関タイプが多く、モデルルームタイプは玄関・ホール・廊下スペース全体としては小さくし、その一方で玄関・ホールは〝魅せる〟工夫を凝らしている。サッシも天井までのハイサッシとしている。
東京都のマンション環境性能表示でも満点に★一つ欠ける14点を獲得している。最近の基準で満点の★15個を獲得しているのは三井不動産レジデンシャル「パークシティ武蔵小山ザ・タワー」1物件しかなく、14個も10物件あるかどうかだ。
27階ゲストルーム
27階スカイラウンジ
立地・環境に対する高い評価 大京・リゾン「ライオンズ朝霞ベルポートレジデンス」
「ライオンズ朝霞ベルポートレジデンス」完成予想図
売れ行き好調の大京・リゾン「ライオンズ朝霞ベルポートレジデンス」を見学した。駅から徒歩5分の商業地域立地だが、敷地南西方向には「朝霞の森」が広がる立地環境が評価され、全88戸のうち第1期として約30戸がモデルルームオープン前に売れている。
物件は、東武東上線朝霞駅から徒歩5分、朝霞市本町2丁目に位置する15階建て全88戸(非分譲16戸含む)。7月25日まで登録が受け付けられる第2期(23戸)の専有面積は56.46~72.25㎡、価格は4,272.2万5,598.3万円(最多価格帯5,000万円台・5,200万円台)。坪単価は240万円台の前半。竣工予定は2020年3月13日。設計は共同エンジニアリング。施工は東鉄工業。
現地は、商業施設のほかマンションなどが建ち並ぶ商業地域の二方道路の角地。徒歩5分には約30.3haの「朝霞の森」と「朝霞中央公園」。
建物は南西向きで、全てがファミリータイプ。主な基本性能・設備仕様は、1フロア6戸・3戸1エレベータ、1週間稼働の新防災システム、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ、エコガラス、通風機能付き玄関ドア、食洗機、通気ルーバー付きドア、グリーンカーテン用フックなど。
モデルルームをオープンして5~6週間で来場者は100件を超えており、立地・環境に対する評価が高いという。
モデルルーム
住友不 複合開発「金町」の第二弾全610戸 第一期81戸 分譲開始
「シティテラス金町」(背後の高層が「シティタワー金町」)
住友不動産は7月23日、全610戸の住宅・商業複合大規模マンション「シティテラス金町」の第一期81戸の分譲を7月20日から開始したと発表した。
現地は、「葛飾区新宿(にいじゅく)六丁目地区」の三菱製紙工場跡地を含む周辺一体(約33.3万㎡)の土地利用転換により公園・大学・住宅・商業などが計画的に整備されているエリア。隣接地には、同社の「シティタワー金町」(16年竣工・840戸完売)が建っている。
今回の物件は、千代田・JR常磐線金町駅から徒歩10分、葛飾区新宿六丁目に位置する19階建て全610戸。第一期(81戸)の専有面積は70.35~86.95㎡、価格は4,280~6,480万円(最多価格帯4,800万円台)。(12戸)完成予定は2021年4月。設計・施工は長谷工コーポレーション。7月21日現在、問い合わせは約1,000件、来場は約500件。
◇ ◆ ◇
高いか安いかは人それぞれだろうが、記者はニュース・リリースを読んで〝これは安い〟と思った。2014年に分譲開始された「シティタワー金町」の第一期の坪単価は220万円だった。
あれから5年。マンション単価は相当上昇した。最大のモノサシは〝都心への距離〟になったため、城東エリアでも〝駅近〟は坪300万円をはるかに突破し、坪400万円に迫る勢いだ。
今回はひょっとしたら坪250万円くらいになるのではないかと予想していたが、第一期は坪230万円になる模様だ。単純比較はできないにしろ、前回とほとんど変わらない。城南エリアと比較すると坪50万円は安い。
しかし、記者はこのマンションの価値は他にあると思う。広大な公園が広がる住環境もそうだが、なによりもいいのは東京理科大をわが家の庭のように利用できることだ。小説などは少ないのは難点だが、一定の要件を満たせば立派な図書館も利用できる。
機会があったら取材してレポートしたい。
〝売り〟は多摩川水景の眺望 三菱・三井・野村〝オールジャパン〟の「矢口渡」
「ザ・ガーデンズ 大田多摩川」完成予想図
三菱地所レジデンス・三井不動産レジデンシャル・野村不動産の3社JV「ザ・ガーデンズ 大田多摩川」を見学した。東急多摩川線矢口渡駅から徒歩12分の全378戸の大規模マンションで、敷地南側に広がる多摩川水景の眺望が最大の売りだ。
物件は、東急多摩川線矢口渡駅から徒歩12分、大田区矢口3丁目に位置する14階建て全378戸。専有面積は55.36~84.87㎡、予定価格は4,500万円台~8,500万円台(最多価格帯5,500万円台)、坪単価は270~280万円になる模様。完成予定は2020年11月下旬。施工は長谷工コーポレーション。モデルルームオープンは7月13日。販売開始は8月上旬。
現地は、桂川精螺製作所の工場跡地。用途地域は準工地域だが、周辺に嫌悪施設はほとんどなく、敷地南側は区道を挟んで多摩川の河川敷。西側は小学校と保育園。
建物は4棟構成で、東向きの1棟を除き、南東向き・南向き・南西向きの住棟からは多摩川の眺望が期待できる。主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2500ミリ、2.2mハイサッシ、奥行き2mバルコニーなど。
近接するモリモト「アールブラン武蔵新田」(モデルルームは隣あわせ)との競合はないという。
アプローチ・エントランス
◇ ◆ ◇
若い方はご存じないかもしれないが、20~30年前、東急多摩川線沿線では大量のマンションが分譲された。
主だったものを列挙すると、東急不動産「東急ドエルアルス多摩川」(1987年竣工、461戸)、三菱地所「パークハウス多摩川」(1989年竣工、575戸)、総合地所・ニチモ他「東京サーハウス」(2003年竣工、758戸)、東京建物・三菱地所・新日鉄都市開発「シエルズガーデン」(2003年竣工、486戸)、三菱商事・三菱地所他「ザ・リバープレイス」(2004年竣工、962戸)などだ。その少し前には住友商事「多摩川ハイム」(1981年竣工、272戸)が分譲され、人気を呼んだ。トータルで3,514戸だ。他物件を含めると4,000戸をはるかに突破するはずだ。
記者はこれらをほとんど取材している。「東急ドエルアルス多摩川」はバブル発生頃に分譲された。ダミーの申し込みを排除するため、東急不動産はモデルルーム見学に際し本人確認を証明する書類の提出を求めたほどだ。バブル崩壊後に分譲されたマンションも売れ行きはおおむね好調だった。
さて、今回の物件。売主に幹事の三菱地所レジデンス(事業比率は非公表だが、同社は50%を超えないようだ)と三井不動産レジデンシャル、野村不動産が並んだ。いわば〝オールジャパン〟のマンションだ。
常識的には申し込みが殺到してもおかしくないがどうか。判断するのはユーザーだ。駅から12分がどう評価されるか。物件名には〝ザ・パークハウス〟の三菱、〝パークホームズ〟の三井、〝プラウド〟の野村が付いていないように、商品企画は三菱でも三井でも野村でもないと感じた。
モデルルームはよくできていた。観葉植物は全てではなかったが本物が置かれていた。びっくりしたのは、子どものいない夫婦を模したマネキンが置かれていたことだ。夫と思われる男はバルコニーの椅子に腰かけ、多摩川を眺めていた。妻と思しき女は身長が170cmくらいありそうなほっそりした像で、男に背を向ける形でリビングに爪先立って佇んでいた。その像は東郷青児やモジリアニ―が描くような美人ではなく、何を考えているのか読みづらい表情だった。
それぞれがべったりでない距離を感じさせるその対比が面白い。これはいける。大ヒットするかもしれない。せっかくの商品企画・設備仕様を台無しにするフェイクの観葉植物よりずっといい。ターゲットにあわせ子どもや子犬、子ネコのぬいぐるみも効果的だろう。
「手が届く上質」コンセプト ここにも JR西日本プロパティーズ「横浜三ツ沢」
「プレディア横浜三ツ沢」
JR西日本プロパティーズが8月上旬に完成販売する「プレディア横浜三ツ沢」を見学した。先に見学取材した「プレディア府中西府」とともに同社の新ブランド〝プレディア〟の第一弾。コンセプトの「手が届く上質」工夫も盛り込まれている。
物件は、横浜市営地下鉄ブルーライン三ツ沢上町駅から徒歩4分、横浜市保土ヶ谷区岡沢町に位置する7階建て全51戸。専有面積は57.92~65.43㎡、予定価格は3,800万円台~5,400万円台(予定最多価格帯4,500万円台)。建物は2019年5月31日に竣工済み。施工は新日本建設・設計・監理はグローバン企画。販売代理は長谷工アーベスト。
現地は、南側に第一種住居地域が広がり、日当たりも良好な立地。徒歩6分の場所には約28万m2の広大な敷地の三ツ沢公園があり、緑も豊かなエリア。
建物は、タイルを多用するとともに、ガラス手摺を採用することで洗練された外観デザインにしている。
住戸は最大6.9mのワイドスパンで明るく開放的な空間を演出。設備仕様は、御影石のキッチンカウンター、食洗機、床暖房などが標準装備。また、全住戸分のトランクルームを1階に設置。その他、住戸前まで配達する「おうちCOOP」、タイムズのカーシェアなどのサービスも行う。
◇ ◆ ◇
新ブランド〝プレディア〟の物件を見学するのは今回で2度目。前回の「府中西府」と合わせて読んで頂きたい。
前回も書いたが、コンセプトの「手が届く上質」の一つとしてソフトクローズ収納を強調しておく。みなさんは些細なことと思われるかもないが、引き戸や収納がバタンと閉じて飛び上がったことはないだろうか。小生のバカ息子は部屋のドアもトイレのドアもいつもバタン、パタンと閉めた。そのたびに、エディット・ピアフの「バタン・バタン」を思い出した。(この曲はいいのだが、やるせない気持ちにさせられる)
坪単価について。記者の予想では270万円とみていたが、佐藤氏は「未定」と話したが、想定よりもリーズナブルな単価になりそうだ。
新ブランド〝プレディア〟を浸透させるためには、まだまだ供給が少ない。RBA野球で頑張って東京ドームに進出するようなら一挙にJプロの知名度は上がると思うが…その力はあるのかないのか。