「アナザー・ジャパン」工事着手 企業サポーター募集開始 8社が決定 三菱地所
第1号店が開業する「銭瓶町ビルディング(D棟)」
三菱地所は4月20日、中川政七商店と共同で進めている「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)街区」の「学生経営×地方創生の新プロジェクト『アナザー・ジャパン』」第1期店舗の内装工事に着手するとともに、プロジェクトを支援する「企業サポーター」の正式募集を当日から開始したと発表した。
「アナザー・ジャパン」は、「TOKYO TORCH」街区で各都道府県出身の学生が自ら地元をPRする47都道府県地域産品セレクトショップ経営プロジェクト。学生が地方に赴き仕入れや収支管理、店舗づくり、プロモーション、接客を自ら考える実践的な教育モデルを展開する。また、学生と地元企業をつなぐことで、地方での就職・起業など東京から日本各地への新しい価値還元の仕組みを創出していく。
第一号店は今年3月に竣工した「銭瓶町ビルディング(D棟)」内に2022年8月開業予定。
企業サポーター制度は、「プロジェクト通年(協賛金額30~50万円)」、「プロジェクト2カ月単位(協賛金額15~25万円)」、「学生年間(協賛金額15万円)」の3つのカテゴリーから構成。サポーターは店舗内へ企業名を掲示するとともに、学生とのコラボレーション企画などで人材の育成に貢献していく。
企業サポーターから集まった支援金は、学生が仕入れ活動をするための交通費や宿泊費、学生が店舗で着用するユニフォームや所持する備品関係費用などに充当する。
2022年4月20日時点で決定した年間/スペシャル・サポーターはジェイ・エス・ビー、JTB、地主、船場、丹青社、八十二銀行、年間/スタンダード・サポーターはコクヨ、デロイト デジタル。
第1号店内観(完成予想図)
愛と自由を信じて〝右向け左〟業界トップの祝辞は警句 住宅新報75周年特集号に思う
住宅新報社は「住宅新報」が創刊75周年を迎えたことを2022年4月19日号で報じた。そうであれば同社社長・中野孝仁氏の挨拶や歴史・沿革などを紹介する記事もあってよさそうだが、電子版で探した限りではそのようなものはなく、いきなり創刊75年記念特別インタビュー記事「斉藤鉄夫国土交通大臣に聞く」がトップを飾り、次いで「住宅・不動産業の過去と未来を追い求め 中古流通促進を後押し 常に業界と共に」の長ったらしい、肝心の「今」が抜けている見出しの特集記事が掲載されている。そしてまた、この種の記念号にはつきものの業界団体トップ約20人の祝辞が披歴されている。
齊藤国交相の記事は省略するが、「中古流通促進…」の記事の書き出しはこうだ。「1948(昭和23)年の創刊から75年、住宅新報は住宅・不動産の専門紙として、その時代時代の今と将来を追い、新たな展開への一助となるべく読者の皆様と共に編集されてきた…様々な局面で多くの方の羅針盤となれるよう奮闘してきた…ここでは、創刊からの75年の歴史とここ最近の重要な法改正を取り上げ、今一度過去を振り返る。もしかすると、ポストコロナあるいはウィズコロナにおける住宅・不動産業の将来も見えてくるかもしれない」と。
業界団体トップの祝辞もいくつか紹介する。(順不同)
「戦後間もない住宅不足の時代から、今回のコロナ禍に至るまで、社会経済の様々なうねりの中でオピニオンリーダーとして活躍してこられた」(プレハブ建築協会会長・堀内容介氏)「(住宅・建築業界の羅針盤として)貴紙は一貫して迅速かつ正確、公平公正な視点での報道に努められた」(日本木造住宅産業協会会長・市川晃氏)「住宅新報の歴史は、これすなわち我が国不動産の歴史にほかなりません」(全日本不動産協会理事長・秋山始氏)
「時代は紙媒体からデジタルへと、業界でも大きな変革を迎えており…住宅新報におかれましても老舗の専門紙の伝統を生かしつつ、創刊100周年をめざし…」(全国宅地建物取引業協会連合会会長・坂本久氏)「一貫して豊富な取材に基づく貴重な情報発信や慧眼あふれる提言を通じ、我が国の住宅不動産市場の発展に多大な貢献を果たしてこられました」(住宅金融支援機構理事長・毛利信二氏)
「住宅・不動産業界のビジネストレンドを的確かつ迅速に発信される貴紙の重要性は、今後ますます大きくなるものと思われます」(不動産協会理事長・菰田正信氏)「専門紙ならではの広範かつきめ細かい取材を通じて、新たな潮流や真の声を届けて頂けるものと期待」(住宅生産団体連合会会長・芳井敬一氏)「貴紙が『時代を映す鏡』としてますます発展されることを祈念」(日本不動産鑑定士協会連合会会長・吉村真行氏)
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小生も40余年にわたって業界紙の記者として働いてきたので感慨深いものがある。しかし、同紙を業界団体と同じように褒め称えても何の役にも立たない。〝良薬は口に苦し〟にならないかもしれないが、あえて苦言を呈す。
昔の同紙は知らないが、現在の同紙を含めた業界紙には歯がゆく感じている読者の方は多いのではないか。善事も悪事も千里どころか一瞬にして世界を駆け巡る時代に、読者の手に届くころには旧聞になっている事象を同紙は平気で〝このほど〟の一語でもってあいまいにする。
今回の特集記事の冒頭に「羅針盤となれるよう奮闘してきた」とあるが、吹けば飛ぶような業界紙がどうして羅針盤になれるのか。過去75年を振り返るなら、メディアとして何を実現したのか、何ができなかったかを示してほしい。最近の重要な法改正と中古流通の関連性もまったく書かれていない。大変失礼だが、このような記事を羊頭狗肉という。夜郎自大、ご都合主義の典型だ。
業界トップの祝辞は外交辞令だから、読者も同紙関係者も真に受ける人はいないだろうが、小生はこれこそ業界紙の致命的欠陥である事大主義の極みであり、手を擦り足を擦る卑しい根性が透けて見え、とても嫌な気分にさせられた。
だが、しかし、うがった見方をすれば、業界トップの祝辞は本質をついている。業界紙への警句でもある。あらゆる言葉には反対概念が内包されているからだ。
「オピニオンリーダー」には「旧套墨守」が、「真摯な報道」には「いい加減な報道」が、「真の声」には「プロパガンダ」が、「慧眼」には「凡眼」の意味が含まれている。「広範かつきめ細かい取材」は「局地的かつ大雑把な取材」に、「鏡」は「改ざん」に置き換わる危うさもある。「期待」はいつだって「失望」へ転化する。不動産・住宅市場を「支える」のは「ぶち壊す」ことにもつながる。「老舗」は常に「保守化」「高齢・老朽化」など継続性に疑義が発生する危険性をはらんでいる。愛と憎しみは紙一重だ。善と悪がひっくり返ることをロシアのウクライナ侵攻は示した。
業界団体トップの声はそのような危うい世相を反映している言葉だと受け止めると、なるほどとうなってしまう。コピペ記事など誰も期待していない。「慧眼」などと臓腑をえぐる言葉を発した毛利氏は、平成20年の国交省総合政策局不動産業課課長のとき、RBA野球大会の抽選会に出席され、自ら野球少年であったことを紹介し、好きな言葉として「昨日の夢が今日は目標となり、そして明日には実現する」と話した。愛と自由は死語にならないことを祈ろう。
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もう一つの業界紙「週刊住宅」は3月28日号で創刊3000号記念(年間50号として60年か)として特集記事を組んでいる。業界団体の祝辞は全宅連や全日など数団体しかなく、あとはハウスメーカーやデベロッパー、流通会社のメッセージが寄せられているのみだ。ここに両紙の媒体力が現れている。
それはさておき、創刊記念号ではないが、同紙4月11日号には鈴木宏明氏による連載コラム「不動産業界1年生」がスタートした。連載は月に1回、合計6回掲載するとある。
第1回目を興味深く読んだ。同氏は「シンプルな結論として営業マンが必要とすることは一つです。それは『相手の視点でどれだけ物事を見れるか』(いわゆるら抜き=記者注)という事です」「これは営業という仕事の特性ではなく、生きていく上で人として重要な心持ちでそれを生業、社会活動の中でどこまで落とし込めるかというのが一番の課題なのかもしれません。簡単なようで難しいのは、このような記事を寄稿できるチャンスをいただけた事が物語っています」と述べている。
「記事を寄稿できるチャンス」というのは意味深だ。簡単なのか難しいのかいま一つよく分からない。同紙には鈴木社長を含め鈴木姓の記者が少なくとも3人いる。それと関連があるのかどうか詮索などしない。「相手の視点でどれだけ物事を見られるか」は何事にも通じることだ。「相手の視点」には「第三者の視点」「鳥瞰的な視点」を加えてもいいかもしれない。
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ついでにジャーナリズム論について紹介する。
共同通信社勤務のあと、上智大学教授などを歴任された藤田博司氏は著書「ジャーナリズムよ メディア批評の15年」(2014年刊、新聞通信調査会)のまえがきで、15年間1870本超のコラムを書くにあたって「いつも心がけたことが二つあった」とし、「一つは読者、視聴者の立場、市民の立場で考えること」、「もう一つは事例に即して判断すること」「判断のよりどころとしてジャーナリズムの基本原則、その規範や倫理を念頭に置いていた」とし、基本原則は具体的には独立性であり、公正、正直、誠実と語っている。
この独立性、公正、正直・誠実はジャーナリズムの命だろう。わが業界の評論家、ジャーナリストの皆さんはそれを実践しているかどうか、胸に手を当てて考えていただきたい(小生はやましいところもあるので「記者」と自称している)。
ジャーナリズムのあり方としていま一番気になっているのはAIだ。AIの登場はメディアも劇的に変える。元毎日新聞、共同通信社記者で龍谷大学教授・畑中哲雄氏は著書「ジャーナリズムの道徳的ジレンマ」(2018年刊、勁草書房)で、「オックスフォード大学と、野村総研は、日本の労働人口の約49%が10~20年後には人工知能で代替え可能になると試算している」「AP通信のAI『ワードスミス』は…2014年1年間で書いた記事やリポートは10億本、1秒あたり2000本に上るという」と述べている。
1秒間に誤字脱字のない正確な記事を2000本もAIに書かれたら、多くの記者は職を失う。生き残れるのは、同著がロボットは(現段階では)言葉の意味を理解できないので東大には合格できないと指摘しているように、愛とか美、自由、あるいは小説などの分野しかないのではないか。我田引水だが、小生のモットーである〝記事はラブレター〟がそこで生きてくる。AIは魂を込めることはできないはずだ。
最後に、八巻和彦氏編著「日本のジャーナリズムはどう生きているか」(2016年刊、成文社)の中で日刊現代編集局ニュース編集部長・小塚かおる氏が指摘していることを紹介する。
小塚氏は、一見きれいに見える花でも裏側からみるとそうでもないケースを紹介したうえで、「真実というものは人の数だけあると思います。ジャーナリストの仕事というのは、そのようないろいろな真実、人の数だけある真実をできる限りたくさん取材して、できる限り当事者に近づいて、それをいくつも提示することだと思います…『客観報道というものはない』ということ」と語っている。
その通りだと思う。業界紙の記者の皆さんは、公正な〝客観報道〟のため私見を極力挟まないようにして記事を書いているようだが、そもそも眼前に提示されているものや情報は、人の手によって恣意的に変形、誇大化・矮小化されていると考えたほうがいい。
小生は小さいころ〝右向け左〟をやって先生によくしかられた。しかし、このような態度はまんざら間違いでないと歳をとってから分かってきた。だから馬鹿にされ嫌われるのだが、そんなこと知ったことかと居直っている。
ここで一句。
講釈師見てきたようなうそを言い
業界紙見てきたままに記事書かず
なぜ現場を観ない お粗末に過ぎる 業界紙のマンション展望記事(2021/1/4)
〝企画主義〟掲げ住宅新報値上げ 1ページ29円へ 〝下の水〟の週刊住宅は50円(2019/2/12)
マンション見学会とコピペ記事 なぜ一緒 今週の「週刊住宅」と「住宅新報」から(2019/1/24)
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの 新聞は絵画と同じ⑤(2018/4/6)
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するものWebとの融合・連携 ④(2018/4/5)
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの 新聞記事は鮮度だ③(2018/4/4)
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの ビーンボール②(2018/4/3)
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの ニュースを追うな①(2018/4/2)
新報と同じ土俵で戦うな 全てを疑ってかかれ 復刊「週刊住宅」の生き残る道(2017/8/30)
5月23日付「住宅新報」 記事の半分が「このほど」と日にち記載なし(2017/5/23)
流れに乗れず逆らえず 記者は病葉か 「週刊住宅」破たんに思う(2017/5/9)
事実の報道とは何か 絶対的、客観的事実はあるのか(2017/3/23)
「このままでは生き残れない業界紙」東急不動産HD・金指潔会長が苦言(2017/3/9)
東京ドームをワークスペースとして提供 通年利用検討か 三井不動産ほか
プレミアムラウンジ
三井不動産、東京ドーム、読売新聞グループ本社は4月20日、21日、26日、27日、28日の期間限定で、先に全面リニューアルした東京ドーム内のプレミアムラウンジをワークスペースとしてワークスタイリング会員向けに提供する。20日、ワークスペースをメディアに公開した。
実施するのは東京ドーム1塁側プレミアムラウンジで、利用料は無料。設備はWi-Fi電源、コーヒー・水、オフィスツール貸出(充電器等)。時間は8:00~14:00。
期間中(26日を除く)はグラウンドで、インストラクター資格を有する読売巨人軍公式マスコットガール「ヴィーナス」の元メンバーによるフィットネスイベントを開催する。
ワークスタイリングは2017年4月から開始した法人会員向けシェアオフィス。2022年4月6日現在、約800社、約23万人が契約。三井不動産グループのホテル39拠点を含む全国107拠点で展開している。
3社は今回の企画を通じで、東京ドームの新しい使い方や試合前の施設の有効活用を模索していくとしている。
プレミアムラウンジ エントランス
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東京ドームは都心にあり、駅にも近く、冷暖房完備、しかもプレミアムラウンジの利用が可能というのは魅力だ。西武ライオンズ贔屓&アンチ巨人の記者ではあるが、これは太刀打ちではない。またも完敗だ。3社は間違いなく、通年利用を考えているはずだ。この日(20日)はほぼ満席とのことだった。
しかし、課題も見つかった。野球開催日以外は東京ドームでは様々なイベントが行われている。音楽イベントなら耳をつんざく大音量の機器や声が仕事の邪魔にならないか(小生は仕事に熱中すると周囲の雑音は全く気にならないが)。通年利用を想定したら、8:00~14:00の利用時間は短すぎる。
もう一つ、これが最大の課題だ。記者はこの日、取材の目的の一つとして、プレミアムラウンジのメニューにある800円の「強くあれ巨人(焼酎芋・麦)」を飲んでみようと思っていたのだが、酒類の提供はなしだった。ラウンジは閉まっていた。
さらに言えば、コーヒーは東京ドームホテルが提供しているものと同じだそうだが、アイスコーヒーのみ。カップもプラスチック製だった。
東京ドームは4月1日付で、三井不動産副社長・北原義一氏が会長CEO(最高経営責任者)、社長執行役員・長岡勤氏が社長COO(最高執行責任者)それぞれ就任した。小生は巨人は大嫌いだが、北原氏は大好きだ。関係者によると、北原氏がメディアの前に登場する場面はありそうということだった。
そんな機会があったら、北原氏には〝三井不動産はDeNAとスポンサー契約を結んだではないか。縁を切ったのか〟〝北原さんはどこのファンか〟だけは聞いてみよう。嘘でもいいから〝実は隠れ西武ファン〟と言ってほしいが…。
ワークスペースとして提供されているプレミアムラウンジ
ワークスペースとして提供されているプレミアムラウンジ
記者動員力は西武が完敗 東京ドーム&三井不 オープン戦前のプレス内覧会に98人(2022/3/1)
積水ハウスと西山文庫が「日本建築学会賞」を受賞
西山夘三教授
積水ハウスとNPO法人西山夘三記念すまい・まちづくり文庫(以下、西山文庫)は4月19日、日本建築学会賞(業績部門)を受賞したと発表した。
同社と西山文庫が共同で受賞したもので、同社は1997年に西山文庫を総合住宅研究所(京都府木津川市)に開設して以来、すまい・まちづくりにおける共同研究や寄付などの形で多方面から活動を支援してきた実績が評価された。
西山文庫は、すまい・まちづくりの科学的実践研究の先駆者である西山夘三教授(京都大学名誉教授)が亡くなった5か月後の1994年8月に、教え子たちを中心に「西山夘三研究会」が設けられ、全国の研究者などに呼びかけ西山文庫を設立。所蔵資料の保管と公開を軸に多様な活動を継続している。
同社執行役員 住生活研究所長・河崎由美子氏は、「この度はこのような素晴らしい賞を授与していただき誠にありがとうございます。わが国の住まい・まちづくり研究に多大な影響を与えた西山夘三氏の精神を受け継ぎ次代の研究者に提供し育てるということが『西山文庫』の使命であると考え、毎年さまざまな成果を上げ日本でも稀有な事例であるため、当社は当初から活動を支援しています。住宅業界にとって、住まいや暮らしにかかわる研究知見や文化を継承していくことは、重要な社会的責任のひとつであると思います。これからも西山文庫の幅広い活動を支援していくことで、積水ハウスの住生活提案にもつなげていきたいと考えています」とコメントを寄せた。
河崎氏
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受賞、おめでとうございます。
「西山文庫」があることなど全然知らなかった。記者は駆け出しのころ、西山先生の著作をむさぼるように読んだ。マンションや戸建て、街づくり、住宅政策のあるべき姿を学んだ。バイブルのようなものだった。
今でも住宅の取材姿勢は、基本的には(正直に告白すれは、途中で記者か変節したというか先生についていけなかった)、西山先生の著作・考え方が刷り込まれているからだと思っている。河崎氏は神戸大の建築学科卒だが、きっと西山教授の影響を受けているに違いない。そうでなければ「幸せ住まい」など語れないはずだ。
積水ハウス「スムフム テラス錦糸町」/往年のRBA野球スター選手が勤務
「SUMUFUMU TERRACE(スムフム テラス)錦糸町」(13階)
積水ハウスの「SUMUFUMU TERRACE(スムフム テラス)錦糸町」を見学した。昨年末から今年初めにかけてオープンした「皆が気軽に集える場所」をコンセプトにした5か所の新拠点「SUMUFUMU TERRACE」の一つで、これまで見学した「青山」「新宿」「池袋」とはまた異なったデザインになっており、靴を脱いでゆっくり寛ぐわが国のおもてなし空間を演出しているのが特徴だ。
場所は、JR錦糸町駅北口から徒歩1分の「アルカイースト」の1階と13階。テーマは「おもてなしの空間(ジャパニーズモダン)」。1階は数坪くらいか。オープンカフェのような雰囲気があり、知らない人が〝入店〟することもあるようだ。
13階は、同社東京中央支店のオフィスを兼ね合わせたオフィス・施設。エントランス・玄関は框付きで、そこで靴を脱ぎ、挽き板仕上げの廊下を通り、10cmくらい床面を下げた絨毯敷きのおもてなし空間へと誘導する仕掛けが施されている。顧客はもちろん、社員をリラックスさせる効果を狙ったデザインだと理解した。
これで5つの新拠点のうち4か所を見学したことになる。見学の目的は、これまでにないこの種のオフィスであり接客スペースでもある空間演出がどのような効果をもたらすか知りたいからだ。来年の今ごろ、その効果、課題などを取材したい。
「SUMUFUMU TERRACE(スムフム テラス)錦糸町」(1階)
「SUMUFUMU TERRACE(スムフム テラス)錦糸町」上がり框
「SUMUFUMU TERRACE(スムフム テラス)錦糸町」(13階)
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同社の広報担当者・女ケ澤幸治氏に「SUMUFUMU TERRACE」案内してもらっているときだった。だしぬけに〝おや、牧田さん〟と背後から声を掛けられた。マスク越しなので、とっさには誰だかわからなかった。すると「野球部のW中村の一人、中村亮です」と名乗られた。もう数年間会っていないが、その瞬間、なつかしさが込み上げてきた。取材の目的は吹っ飛んだ(この時点でほとんど終わっていたのだが)。
しばし中村亮平氏と談笑していると、今度は忘れようとしても忘れられない、いつも不敵な笑いを浮かべ、小生を〝マキ〟と呼び捨てにして挑発していたRBA野球大会のスラッガーで同社チームの主砲・坂本(荘運氏)が現れた。
早速、野球と仕事についてコメントを求めた。中村氏は「私は、戸建てシャーメゾンを中心に分譲用の用地取得も担当しており、RBA野球つながりで流通会社の方と情報交換を行ったりビジネスにつなげたりしています」と話した。また、坂本氏は「『千葉』の生田とこの前、木更津で一緒に仕事しました。新しいオフィス? お客さんも今までとイメージが違うと仰っています」と語った。
読者の方は、「中村亮平」「坂本荘運」が何者か全然知らないはずだ。以下、少し説明する。
記録を調べてみた。同社チームは、知る人ぞ知る、知らない人は業界モグリのRBA野球大会に第16回大会(平成16年)から第29回大会(同29年)まで参加。通算成績は60戦31勝29敗、勝率.517。最高成績は第19回大会のベスト8。参加チームは毎年30チームくらいで、決勝トーナメントに勝ち進めるベスト16に同社チームは常時勝ち上がったが、予選は突破していたが、兄弟チームの優勝したことがある積水ハウス京葉や、決勝戦に2度進出した積水ハウス神奈川ほどの好成績は残していない。チームは、選手の高齢化と異動により9人を集めることが難しくなった第30回大会から欠場。現在に至っている。
中村亮平氏(41)は外野手。クリーンアップの一翼として活躍した。通算個人成績は不明だが、通算打率は3割くらいか。渡された名刺の肩書には「積水ハウス東京中央支店 店次長」とあり、「宅建士」の資格のほか「事業継承・M&Aエキスパート」「競売不動産取引主任者」「相続診断士」「耐震診断士」とあった。
学年は中村氏より1つ下の坂本荘運氏(41)は、都立の名門・城東高校時代に甲子園に出場した経験の持ち主で、チームでは切り込み隊長として活躍。やはり通算個人成績は残っていないが、間違いなく打率は3割超で、本塁打は20発くらい放っているのではないか。坂本氏の肩書は「主任 店次長」とあった。
同じオフィスには当時のエース・中村(純)氏が営業部長として活躍されているようだ。中村(純)氏は〝頭脳派〟で、不惑を過ぎても相手打者を手玉に取るピッチングを披露した。女ケ澤氏とは同期で、一緒に仕事したこともあると聞いた。年齢は50歳になったか。
坂本氏の話に出た生田氏は、第24回RBA野球大会で優勝した積水ハウス京葉の優勝投手だ。王者・旭化成ホームズ打線を6回1失点に抑えた。この試合で敗れた相手の旭化成ホームズの鈴木監督は辞任を表明した。生田氏はいまのプロ野球でいえばエンゼルスの大谷翔平選手のように、相手打線を完璧に抑え、自らが打って試合を決めた。記者は「ミスターRBA」の称号を東急リバブル・岡住氏に献呈したが、生田氏も力は互角だった。
仲井社長!会社を上げてRBA野球大会に参戦していただきたい。旭化成ホームズに〝王者〟の名をほしいままにしていいはずはないではありませんか。
ン? 小生はいったい何の記事を書いているのだ。
坂本氏(左)と中村(亮)氏
アースカラーの空間演出が見事 積水ハウス「SUMUFUMU TERRACE 池袋」(2022/4/7)
最高の〝働く場・接遇スペース〟 積水ハウス「SUMUFUMU TERRACE 新宿」(2022/2/17)
目に物見せる目[me]は何者だ 驚愕の積水ハウス「SUMUFUMU TERRACE 青山」(2022/2/14)
ポラス逃げ切り 44歳藤井が4打席連続安打 積水ハウスは予選敗退(2017/7/15)
パナホーム乱戦制す オコエが活躍 積水ハウスは屈辱的敗戦(2017/7/7)
積水ハウス〝兄弟〟対決は神奈川に軍配 東京は意味深な「作戦通り」(2016/7/6)
積水ハウス 〝消える投手〟横内が好投 ジャンケンで候補・ミサワ東京下す(2016/6/16)
積水ハウスが大勝 坂本が満塁弾 高橋は5回完封 東急ホームズ完敗(2015/7/23)
積水ハウス京葉 王者・旭化成ホームズを下し初優勝(2012/4/24)
積水ハウス 接戦を制す 不惑・中村純が2失点完投(2010/9/15)
積水ハウス 田口、土壇場で同点弾 逆転サヨナラ勝ち(2009/9/9)
積水ハウス大量20点で圧勝 決勝T進出決める(2007/10/3)
積水ハウス東京中央が快勝 中村純は5回完封 坂本先頭打者弾、梅津も1発(2009/7/9)
積水ハウス 中村(純)-土屋で7回完封リレー 坂本は2試合連続の一発(2007/11/7)
“シブシブ ノ シブヤ”展4/17まで 三井不のホテル「sequence MIYASHITA PARK」
〝“シブシブ ノ シブヤ〟(プレス・リリースから)
三井不動産ホテルマネジメントが運営する「sequence MIYASHITA PARK」は4月17日まで、渋谷教育学園渋谷高等学校(通称:渋渋)の2年生有志学生チームの企画展“シブシブ ノ シブヤ”を開催している。
企画展は、「渋渋」の2年生4人組54名が学校のカリキュラムの一環として行うもので、ホテルロビー内には1人ひとりの「自分の好きな渋谷の写真と好きな理由」と「渋谷の未来に向けての想い」を描いたA4サイズのパネルが展示されている。
展示
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どのような企画展かを確認するために「MIYASHITA PARK」に出かけた。同公園を訪ねるのは開業して間もない2020年の9月以来4度目だった。
この日はウイークデイの昼前ということもあってか、これまでと比べて人出は少ないように感じた。それでも若い人を中心にホテルで仕事をする人や公園でくつろぐ人、レストランで食事をする人の姿がたくさん見られた。
「渋渋」は初めて聞く言葉で、企画意図もよく分からなかったが、一つコメントを紹介する。「ココに女の子を連れていけばイチコロっていうデートスポットをあれば教えてほしい!」-小生は学生時代、この宮下公園の星空を見上げながら彼女との永遠の愛を誓った。当時は渋谷の夜は星が見えた。
帰りに3階にある「渋谷ワイナリー東京」に立ち寄った。白の渋谷ワイナリー「甲州」と深川ワイナリー「甲州」を飲み比べた。「渋谷」は渋みが刺激的で、「深川」はこれぞブドウという味が口内に広がった。ソムリエの方は「『渋谷』は縦に『深川』は横に広がる」と説明してくれた。「甲州」は90mlで700円。
「渋谷ワイナリー東京」
若い人で溢れかえる 「立体都市公園制度」を活用した三井不「MIYASHITA PARK」(2020/9/6)
日・韓・台・泰・越南…多国籍飲食街 黒白迫り京王カラーもかすむ「ミカン下北」
「ミカン下北」
京王井の頭線下北沢駅の高架下に3月30日に開業した京王電鉄の商業施設「ミカン下北」を見学した。駅の構内外は電車ラッピング、中吊りポスター、ホームドア、表示看板、改札、駅事務室まで「ミカン下北」のブランドカラーであるモノクロに染まり、何だか多国籍・無国籍の飲食街に迷い込んだかの錯覚を覚える。プロジェクトコンセプトの「ようこそ。遊ぶと働くの未完地帯へ。」が具現化されている。
駅のホーム
施設の敷地面積は約2,420㎡、2~5階建て延べ床面積約5,310㎡。A・B・C・D・E5街区から構成されており、下北沢カルチャーを感じさせる個性的な19の店舗が整備された。E街区は「本多劇場」に隣接。
開業を記念して同社はキャンペーン「未完祭」を展開しており、使い古しのビデオテープか白黒フィルムのような黒い線が駅構内の床や壁、天井など至るところに縦横無尽に走り、その線に沿い、あるいは交差するように「ミカン下北」のロゴマーカーや白抜き・黒抜きのデザイン化されたコピーが駆け抜けている。
もう40年以上も京王線に住み、すっかり心に沁み込んでいる京王電鉄のコーポレートカラーの京王ブルー、京王レッドはすっかりかすみ、添え物か引き立て役に回っているのに衝撃を受けた。右か左か、生か死か、小田急に負けていいのかと黒白を迫られているような気分に陥り、モノトーンの異様な世界に引きずり込まれたような錯覚を覚えた。
店舗も同様だ。わが国の居酒屋「下北六角」をはじめ韓国料理「ハヌリ」、台湾屋台料理「ダパイダン105」、ベトナム(越南)屋台料理「チョップスティックス」、タイ(泰)屋台料理「タイ屋台999(カオカオカオ)」などまるで多国籍・無国籍の飲食街のような佇まいで、記者に馴染みがあるのは本・雑貨・カフェラウンジの「TSUTAYA BOOKSTORE」くらいだ。
このほか、古着・雑貨の「東洋百貨店 別館」、グルメバーガー「Island Burgers」、ワインショップ・バー「下北沢ワインショップ・Bar FAIRGROUND」、ラーメン専門店「楽観」、ベーカリー&カフェ「THE STANDARD BAKERS」、大衆ビストロ「大衆ビストロハルタ」などが軒を連ね、コワーキングスペース、シェアオフィス、スモールオフィスからなる「SYCL by KEIO」や図書館窓口サービス「図書館カウンター」も整備されている。
訪れたのは開業したばかりの4月上旬ということもあるのだろうが、来街者でごった返していた。小生は「TSUTAYA」の60分飲み放題のアルコールプラン1,540円(税込み)を利用し、大好きな丸山健二氏の小説を読みながら、生ビールと林農林の「五一わいん カップワイン 白120ml」を3本飲み、つまみのチーズも食べた。
席は自由だったが、ほぼ満席でみんな仕事なのだろうノートパソコンに夢中になり、中にはパソコンに向かってしゃべっている人もいた。(TSUTAYAさん、利用者の目的はみんな異なる。小生は黙って飲んだが、杯を重ねるのは気が引けたし、パソコンに向かってしゃべる人の声はよく聞こえる。用途によって区切りをつけるべき)
この他、施設は一通り見て回った。「ミカン」は柑橘類ではなく「未完」の意味で、「下北沢カルチャーを感じさせる物販店と、商業施設への出店自体が稀有な人気飲食店を中心とした商業エリアに、『遊ぶように働く』を体現するワークプレイスが同居した、遊ぶと働くが混ざる新しい下北沢の形を提案する施設」「出店するテナントの、試行錯誤をしながら新たなものを生み出そうとする後ろ姿=『企む背中』をキーヴィジュアルとし、『実験』というキーワードをモノトーンのストイックな世界感で表現」(京王電鉄リリース)したという狙いもよく分かった。デザインを担当したDRAFT・山下泰樹氏もしてやったりと思っているはずだ。
世田谷区は現在、秩序ある街並みの形成を図るため約25haにわたるエリアを「下北沢駅周辺 地区計画」に定め整備方針を示し、小田急電鉄も線路の地下化に伴う約2.7haの「下北線路街」などの街づくりを進めている。
今回の挑発的な「ミカン下北」が小田急電鉄への挑戦状ではなく、共栄共存を目指すものであることを願いたい。タイ屋台料理店スタッフは「うちが一番たい」と話したが、小田急線の「シモキタ エキウエ」にはタイ料理店もある。大丈夫か。
エスカレーター
駅のホーム
小田急線との連絡口
「TSUTAYA BOOKSTORE」
ラーメン専門店「楽観」
施設内
小田急電鉄〝下北沢の新たな名所〟SOHO&店舗「BONUS TRACK」4月1日開業(2020/3/30)
アースカラーの空間演出が見事 積水ハウス「SUMUFUMU TERRACE 池袋」
「SUMUFUMU TERRACE(スムフム テラス) 池袋」(全体的にくすんでいるのは記者の腕ではなく屋外の野球撮影用のカメラのせい。以下同じ)
積水ハウスの「SUMUFUMU TERRACE(スムフム テラス) 池袋」を見学した。「暮らしのLibrary」がコンセプトになっており、早春のいまにピッタリのアースカラーで統一した空間デザインが最高だ。
「SUMUFUMU TERRACE」は、「皆が気軽に集える場所」をコンセプトとした新拠点で、同社は昨年末から今年初めにかけて「池袋」のほか「新宿」「立川」「錦糸町「青山」をオーブンしている。
「池袋」は、池袋駅からすぐで、東武と西武のデパート、ルミネ池袋に隣接・近接し、対面はホテルメトロポリタン。コンセプトは「暮らしのLibrary」で、全体がアースカラーで統一されており、書棚をデザインに取り込み、書籍のほか焼き物、緑、アートなどを巧みに配しているのが特徴。床は挽き板仕上げ。接客室は6~10畳くらいあり、対面は線路を挟んで西武デパートや西武HDの「ダイヤゲート池袋」が眺望できる。
見学したこの日は、東京北支店が担当するエリアの不動産流通会社との連携を強化するためのセミナーの準備が行われていた。土地なし顧客対応が狙いと思われる。
これまで「青山」と「新宿」を見学したが、記者は今回の「池袋」が一番好きだ。「青山」「新宿」も最高に素晴らしいのだが、貧乏人の記者などはその空間演出に一瞬たじろぐ。「池袋」にはそれがない。(デザイン・レイアウト担当者はエリア・顧客特性などを全て計算尽くのはずだ)
ここで働けば仕事の能率があがり、お客さんとの相談もスムーズに進むに違いない。
場所は、JR・東武・西武・東京メトロ池袋駅から徒歩2分、豊島区西池袋一丁目のメトロポリタンプラザビル11階。同社東京北支店の一角。昨年12月25日にオープン。毎週火曜日・水曜日・祝日は定休日。
受け付け
セミナーの準備中
「SUMUFUMU TERRACE」内
壁面
最高の〝働く場・接遇スペース〟 積水ハウス「SUMUFUMU TERRACE 新宿」(2022/2/17)
興味津々「週刊住宅」の記事 アンビシャス安倍社長・RIA土屋社長・田舎暮らし
4月4日付「週刊住宅」電子版のアンビシャス・安倍徹夫社長による「不動産市場と資金の行方 過去大不況との相違点、海外の動向」と題した寄稿文を興味深く読んだ。3日遅れの便りどころか、毎号、コピペ記事のオンパレードで〝一週間に十日来い〟と恋願う読者の期待をことごとく裏切っている同紙が放つ、記憶にないくらいの久々のクリーンヒットだ。
文冒頭の安倍氏の顔写真は10年くらい前のものだろうが、齢80に近いいまもそれほど変わらない。回春剤を飲んでいるのではと思わせるほど元気だ。小生も昨年末にお会いし、歓談したばかりだから保証する。
そんな安倍氏は次のようにいう。
「今の金融緩和政策は、お金が国内の実需に回りにくく、投資・投機の資金になったり、海外の事業に回ったりしている。投資・投機のお金が高値買いを呼び込み、実需の前に立ちはだかっている。一億円以上の住宅が買える人たちと、値上がりで住まいの購入に手が届かなくなった多くの人たち。その差が著しく広がってきている。地価の高い大都市で、生涯、賃貸住まいでも良いという人たちが多くいるが、老後の年金暮らしの人達は値上がりした家賃を払い続けられるだろうか。大都市では、70歳を過ぎて保証人無しで賃借することは非常に難しい。中国、韓国のように家を持てる人と持てない人の格差が広がり、社会の構造が歪んでいかなければ良いのだがと思う」
そして、「【山高ければ谷深し】 何がきっかけで崩れるかわからない。ただ、マーケットの状況が厳しくなっていき、追い風が強烈な向かい風になった時、それに立ち向かっていく人材が育つ」と締めくくっている。
寄稿文に記者もほぼ同感だ。「ほぼ」というのは、安倍社長と若干考え方が異なるからだ。記者は億ションを買える人が増えているのは結構なことだと思う。お金持ちが得をしようと損をしようと自己責任だ。デベロッパーが富裕層の財布の紐を解き、心をくすぐるマンションを供給するのは大歓迎だ。
だが、しかし、安倍氏がいうように、23区内で20坪のマンションを平均的なファミリー層が取得できなくなっている現実は異常だ。記者が理想とする100㎡で4,000万円というのは山の奥の調整区域でも無理ではないか。社会が「歪んでいる」としか言いようがない。年金生活者が安価で良質な賃貸住宅に住み続けられる保証など全くない。いったい全体、格差社会はどこまで進むのか。
安倍社長は、この一寸先は闇の歪んだ社会経済情勢を「何がきっかけで崩れるかわからない」と警告する。ロシアのウクライナ侵攻を念頭に置いているのは明らかだ。
少し脱線するが、この問題について少し触れたい。わが国も含め欧米社会は、最大級の言葉でもってロシアを批判しているが、プーチン大統領は「ネオナチからの解放」と言い放ち、そのプロパガンダが圧倒的な国民的支持を得ているというではないか。
どうしてこのような白と黒を、善と悪を、正と邪をひっくり返すことができるのか信じがたいが、よくよく考えると、かつてのわが国もそうだった。国民の目と口と耳を封じる徹底した言論弾圧・統制を行い、訳の分からない「八紘一宇」のスローガンでもって侵略戦争を合理化した。
歴史は繰り返すとはよく言ったものだ。中世の時代に立ち戻ったかのような、血を血で洗う、死には死をという、どれだけ多く〝合法的に〟人を殺すかが「戦争」であることをいま、われわれに突き付けている。
記者は若いころ、「国家が死滅する」ことを夢想した。「国家」は自死しない限りなくならないのか、そしてまた、「国家」が存在する限り「戦争」はなくならないのか。
話を元に戻す。わが国の憲法第二十二条には「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。②何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない」とある。いったいどれだけの人が「居住、移転及び職業選択の自由」を享受できているか、本当にわれわれは「国籍を離脱する自由」を持っているのか。「戦争」状態になったら、国籍を離脱するのは「国賊」になるのと等しい。
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同紙には腑に落ちない記事もある。RIAコア・ブレインズの土屋克己社長による12回にわたる「《祝!新入社員》不動産業界へ初めの1歩」という〝連載〟がそれだ。
連載は3月22日号からスタートした。不動産業界の社員教育のプロが新入社員に何を語るかとても興味があり、楽しみにしていたのだが、翌週号にも今週号にも載っていない。電話で問い合わせたら〝連載〟は月に1回というではないか。二の句が継げなかった。ならばどうして最初にそれを断らないか。
そもそも〝新入社員〟と呼ばれるのはせいぜい3か月だ。その間にみんな各現場に配属される。同紙と土屋氏は向こう1年間にわたってどのようにして新入社員を惹きつけるのか。それとも連載は来年の新入社員をターゲットにしているのか。
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コピペ記事のオンパレードの中にあって、出色の記事も同紙にはあった。鈴木秀雄記者の署名入り「ぶっつけ本番 愛媛移住、体験記 空き家で夢をかなえる 還暦過ぎての冒険へ」というタイトルの記事で、3月22日号と3月28日号にわたって掲載された。電子版なら今でも読める。
愛媛県山間部の築90年の廃屋同然の空き家を30万円で購入し、移り住んでから1か月の生活をレポートしたものだ。
鈴木氏はいう。「虚心坦懐、一年生の心に戻る暮らしの何と新鮮なことか。面白いことに、一緒に連れてきた猫たち(5匹とか)もそれぞれ個性が伸びて、自立しだした。土、緑、虫、鳥たちの声に本能が刺激されたに違いない」と。
蓼食う虫も好き好き。何もいうことはないが、都会育ちの鈴木さん、鳥獣被害にはくれぐれも注意したほうがいいですよ。愛媛にクマはいないだろうが、脇の下とか陰部など湿潤部分に食らいつく、イノシシ、シカ、サルなどが運んでくる、猫だって媒介するはずの尺取り虫に似たヤマヒルは怖いですぞ。
大きさはほんの数センチ、音もなく忍び寄り、食らいつくと血をいっぱい吸って丸々と太り、転げ落ちるまで離れない。痛さを感じないので始末が悪い。無理にはがそうとすると肉まで食いちぎられる。夜もおちおち眠ってなどいられなくなる。不眠症が心配だ。
ところで、鈴木さん、貴殿はそんな田舎からコピペ記事を垂れ流すのか。いい加減にしてほしい。それより毎号、田舎暮らしをレポートしたほうがいい。間違いなく読まれる。前段の土屋氏のコラムと同じだ。1年後の読者の反応はどうなるか。興味津々。
ナイス 住宅事業本部にリフォーム事業部を新設 5事業部体制に
ナイスは4月1日、住宅事業本部に新たにリフォーム事業部を設置し、情報館(不動産仲介)、マンション、分譲住宅、注文住宅の4事業部に加え5事業部体制とし、同日付でリフォーム事業の新店舗「ナイスのリフォーム」を横浜市鶴見区の「ナイス住まいの情報館 鶴見西」に隣接してオープンしたと発表した。
同社グループはこれまでナイスコミュニティーサービスを通じて10,000件に及ぶ実績を有しており、リフォーム事業部の新設を機に、これまで培ったノウハウを生かし、住宅事業の五つ目の柱として注力していくとしている。