国際的森林認証制度 加工・流通過程を認証するCoC認証取得 積水ハウス
積水ハウスは6月6日、国際的な森林認証制度であるPEFC認証とわが国独自の森林認証制度であるSGEC認証において、認証森林から産出される認証生産物の加工・流通過程を認証するCoC認証を5月15日付で取得し、木造住宅シャーウッドの主要構造材に採用していくと発表した。
「森林認証制度」には森林自体を認証する「FM認証」と、認証された森林から産出された木材製品等の流通・加工の過程を認証する「CoC認証」の2つがあり、このプロセスが連続していて始めて「認証材」と認められる。
CoC認証を取得したことにより、認証製品をシャーウッドの主要構造材に使用した木造住宅供給体制が整ったとしている。
“洗濯優等生”は1割!? 洗濯ブラザーズ監修のテスト リンナイ調査
皆さんは冒頭の洗濯ブラザーズ監修による「生乾き臭にもう悩まない!正しい洗濯チェックテスト」に何問正解できるか。「7問以上正解」が“洗濯優等生”、「3問~6問正解」が合格点、「0問~2問正解」の方は間違った知識のもと洗濯をしている可能性大だそうだ。
洗濯ブラザーズは、茂木貴史氏、茂木康之氏、今井良氏の3人で結成し、毎日の洗濯を楽しくハッピーにするための活動をするプロ集団。
チェックテストはリンナイが6月6日発表した全国20~60代の男女計1,000名を対象に、「洗濯」に関する意識調査結果をまとめ発表したリリースの一部。“洗濯優等生”は1割という結果で、「⑧晴れた日は日光に当てて乾かす(正解は×)」の正答率は22.3%だった。
調査の結果、梅雨時に負担を感じる家事のトップは「洗濯」で53.8%に達した。洗濯の悩みとしてもっとも多いのが5割の「乾きづらい・乾かしづらい」、続いて3割の「生乾き臭」で、その洗濯物は厚手のタオル、トレーナー・パーカーなどとなった。
洗濯物の乾燥方法については、雨の日は4割が自然乾燥による部屋干し、3割が除湿器やエアコンなどの家電を使用した部屋干しで、部屋干しする場所はリビング・ダイニング」が約6割、寝室が約3割、浴室乾燥機は約22%だった。
梅雨時の洗濯・乾燥3つのポイントは①たっぷりの水で洗う②「①湿度」「②温度」「③風」③5時間以内に乾燥だそうだ。臭いの原因になる菌やカビが潜んでいる洗濯槽の洗浄も梅雨時は1か月に一回がおすすめという。
洗濯ブラザーズ
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記者も約10年間〝主夫〟を経験したので、梅雨時や冬時の洗濯には苦労した。子どものズボンにティッシュが入っているのをそのまま洗ったときなどは泣けてきた。自分のバスタオルは2度3度、使いまわしをした。(湯上りのきれいになった体をふくのだからバスタオルは洗う必要がない)
デベロッパーから頂いた物干しポールは重宝した。マンションには必須アイテムだと思うが、標準装備している物件は少ない。商品企画担当はなにを考えているのか。
一つ提案。デベロッパーがコスト削減のため浴室のタオル掛けを1つにしたりなくしたりしている。ならば、バスタオルは薄く小型化を図り、夫婦・親子兼用にしてはどうか。心と体をきれいにする自動浴槽と洗濯・乾燥・洗浄機能付きの浴室にしたらスペースが節約でき、水の消費も大幅に削減できる。リンナイは開発しないか。
台湾由来の幼虫(ヤゴ)都心で初めて確認 三菱地所「濠プロジェクト」見学
「皇居外苑濠での泥と生きもの採取イベント(濠プロジェクト)」(ホームページから)
三菱地所など大丸有SDGs ACT5実行委員会が6月4日に実施した「皇居外苑濠での泥と生きもの採取イベント(濠プロジェクト)」を見学した。
イベントは5月28日と6月4日のそれぞれ午前と午後の4回にわたって実施されたもので、大手町、丸の内、有楽町で働く人限定の定員いっぱいの35人が参加。台湾由来のタイワンウチワヤンマの幼虫(ヤゴ)が初めて都心で確認され、大きな成果があったようで、参加した子どもたちも「ヤゴを見たのは初めて。とても面白かった」と話していた。
「濠プロジェクト」は、環境省、日本自然保護協会、エコッツェリア協会などの協力を得て同社を中心とする大丸有SDGs ACT5実行委員会が主催するもので、かつて皇居のお濠に生息していた水草など生物多様性の保全・再生と、泥の中に眠っている種子の発見・発芽を目指す取り組み。1017年にスタートして今回が5年目。2020年には、東京都区部では絶滅したとされる水草「ミゾハコベ」を復元させる成果もあげている。
イベント会場の皇居
泥の採取
中央の深緑色がヒシ
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記者はお濠の土手に腰かけ、たばこを吸いビールでも飲みながら観察しようと思っていたのだか、とんでもない。お濠を管理する環境省の規制は厳しく、参加者の数は制限され、名前は事前に登録され、番号付きの腕章を身に付けることが義務付けられていた。記者が変な行動をしないか監視するためか、それとも子守でもするつもりなのか、傍には同社の広報担当者がずっと付き添っていた。
作業は、田の草取りのようなのどかな風景に見えたが、危険が伴う重労働であることが分かった。お濠の深さは1mくらいだが、重さ数キロの胴長とライフジャケットの着用が義務付けられていた。それでも事故を起こす危険性があることから、子どもは濠の中に入るのは不可だった。独りで作業を行わないよう指示もされた。泥を採取する器具「採泥器」は3キロくらい、泥が入ったバケツの重さは10キロくらいあった。
そういえば、小生もそうだが、同社の吉田淳一社長は小さいころ、田んぼの肥溜めに落ちたことがあったと、ほくそ笑みながら1時間半の作業を観察した。とても勉強になった。誰一人転ぶ人もなく、無事故だったのが何よりだった。
泥を採取し、生き物を見つける参加者の様子を眺めた限りでは、水質はよくないと思った。悪臭というほどではなかったが、水田のそれとは異なる下水道のような匂いが漂ってきた。記者と同じように見学していた女性に声を掛けたら、「そうですね。匂いますね。わたしは近くに勤務していますが、ひところと比べるときつくなくなってきた」と話した。
なるほど。同社は2017年からお濠の水を取り込み、浄化して戻す「濠水浄化施設」を稼働させているが、その効果が表れてきたということかもしれない。
そして、心配するほど水質も悪くないことも実感できた。「皇居のお濠は多様性の宝庫」と言われるそうだが、名も知らぬ肴(わがパソコンは「魚」でなく真っ先に「肴」に変換する)や水生動植物がたくさん生息していることを目の当たりにした。
最大の収穫は、東京都では絶滅危惧種といわれるヒシの種を初めて見たことだった。ヒシは食用にされていたことは知ってはいたが、葉っぱや種がどのような形状をしているのか見たことは一度もなかった。ヒシの種は名前の通り菱形をしており、その四辺には逆トゲがびっしり生えている。水鳥などに付着したら外れないようにする知恵なのだそうだ。「三菱」の「菱」がヒシに由来するのかどうか…記者はしらない。
化石の中から発見された種子が発芽した例はたくさん報告されているが、皇居外苑濠の泥の中で数十年間も発芽の機会をうかがう水生植物はなんとけなげでたくましいのだろう。
もう一つは、冒頭に書いた台湾由来のトンボの幼虫(ヤゴ)だ。写真のように見た目は他の品種とほとんど変わらない。太っているか痩せているかの違いとしか見えないが、研究者とおぼしき方は「これはタイワンウチワヤンマだ。地球温暖化で北上しており、立川では成虫が確認されているが、都心で幼虫が確認できたのは初めて。(学会か)に報告しなくちゃ」とスマホに収め、興奮気味に話した。
そしてまた、新種のヤゴの発見に夢中になれる研究者が羨ましい。「誰一人取り残さない(leave no one behind)」-SDGsが目指すゴールはこのような小さな取り組みを通じて実現するのだろう。「昆虫記」を著したファーブルの生活は苦しかったようだが、未来の子どもたちはそんなことがあってはならない。この日参加した子どもたちの中から研究者が誕生するかもしれない。
ヒシの実
ヤゴ(中央が台湾由来のタイワンウチワヤンマのようだ)
10cmくらいのウキゴリ(左)と何という名前だったか2~3センチのエビの一種
「ホトリア」
泥の中に眠っている水草の発芽実験(ホトリアで)
三菱地所CSR「空と土プロジェクト」10周年 純米焼酎「大手町」販売など活動強化(2017/7/7)
〝ケロ、ケロ、ケロ〟カエルも歓迎 三菱地所・空土プロジェクト田植えツアー(2015/6/3)
三菱地所グループ「空と土プロジェクト」体験ツアーに同行取材(2012/10/19)
三井不「UN/BUILT(アンビルト)」展/示唆に富むWEB「未来特区プロジェクト」
UN/BUILT(アンビルト)GALLERY」
三井不動産が6月19日まで開催中のアーティスト13名の作品をリアル・デジタル・デジタルオンリアル(AR)の3つのギャラリーで展示するイベント「UN/BUILT(アンビルト)GALLERY」を見学した。
「リアル」展示は、中央区日本橋室町1-5-3の福島ビル1階((11時~18時、火曜日定休)で開催されており、未だ建てられていない実現以前の想像建築を広く指す“UN/BUILT”のコンセプトに基づき製作されたデジタルアートが展示されている。作品はリアル/オンライン双方からアクセス可能。
「デジタル」展示は、“UN/BUILT”ギャラリー空間を撮影したデータを基に、デジタルによって表現された空想の世界、“UN/BUILT”バーチャルギャラリーをオンライン上に開設する。アクセス方法はhttps://3d.discoverfeed.net/scene.php?sid=4fdYd
「デジタルオンリアル(AR)」展示は、日本橋の仲通りおよび福徳の森を舞台に、川田十夢氏が率いる開発ユニット、AR三兄弟が制作するARアート作品を展示するもので、「AR三兄弟の社会実験」アプリ(無料)をDLし、アプリ上でリアル空間上に浮かび上がるアートを鑑賞できる。
同社は、創立80周年事業の一環として既存の枠組みや既成概念を越えて、新しい未来を実装する「生存特区」「コミュニケーション特区」「クリエイター特区」の3つの「未来特区プロジェクト」を推進しており、今回のイベントは「クリエイター特区」の取り組みを発信するもの。
「UN/BUILT(アンビルト)GALLERY」内観
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記者は「アプリ」やらQRコードなるものをダウンロードしたことなどなく、リアル展示しか見学することができなかったが、自ら油絵を趣味にしてきたので多少の審美眼はあると思っている。国内外の画家の作品展などもよく見学してきた。
今回展示されているのはイラスト作品ばかりなのでよく分からないのだが、画家のコメントがそれぞれ面白い。全部紹介できないが、「ロバート・A・ハインラインのSF小説『宇宙の戦士』に提供したパワードスーツのイラストは、日本のアニメ史上に大きな影響を与えた」SFイラストレーター画家・加藤直之氏の作品「槍試合ウィトルウィウス的強化服」には次のようなコメントが紹介されている。
「ギャラリーに展示するための作品である。前もって決められたテーマは存在しない。決められた大きさもなく、決められた縦横比もない。いつも描いている書籍のカバーイラストと異なり、すべてが自由なのだ。コンピュータのハードディスクに、仕事の合間に好きに自由に描いている絵があった。それを今回の絵の中心に据え、上下左右、手前や地平線に向かって世界を広げていった」
記者はSF小説をほとんど読まない(筒井康隆氏は大好きだが)のだが、加藤氏ファンにはたまらないはずだ。写真撮影はOKだったが、さすがに著作権を考えると撮るのはためらわれた。興味のある方はぜひ見学を。
福徳神社
福徳神社の緑陰
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同社の「未来特区プロジェクト」や「Collaboration Magazine Bridgine(ブリジン)」ホームページには興味深い情報や記事がたくさん掲載されている。これもお勧めだ。
記者がファンの、4月1日付で東京ドーム会長CEOに就任した同社取締役・北原義一氏は、日本橋の街づくりについて、2年前の社内インタビューで「400年を超える歴史を持つ日本橋の矜持として、互助の精神、大人の色気というものは失ってほしくないですね」「江戸の下町で培われてきた粋の文化、互助の精神に未来へのヒントを見出せるような気がします」と語っている。
もう二つ、これからの街づくりや生き方に参考になる示唆に富んだ記事を紹介する。
一つは、東京工業大学・柳瀬博一教授が同社の光村圭一郎氏との対談で語った次の言葉だ。
「都市開発においては『1階の設計』がいちばん大切です。1階が街になっているかどうか。街は1階が全てです。あとはおまけに過ぎません。1階部分、ストリートに街がなかったら、どんなに立派なビルが並んでいようとも、そこは街としてはゴーストタウンです。ところが、多くのデベロッパーも、行政担当者も、この当たり前が常識になっていなかったりします。立派なビルが立ち並んでいて、平日はたくさんの人が出入りしているけれど、休日になるとだれもいない。そんな『平日は勤め人の街、休日はゴーストタウン』という街が、東京にもたくさんありますよね。あれ、1階部分という公共空間の設計としては、全部失格、大失敗だと思います。現在の『休日ゴーストタウン』の高層ビル群は、これからの時代、1階を街にしていかない限り、不動産価値の下がってしまうのではないでしょうか」
記者も同感だ。法規制などやむを得ない部分はあるが、公開空地や緑地を確保したビルは少なくはないが、そこにとどまり、飲食したり語り合ったりするような空間にはなっていない。日本橋のビルも日本橋川に背を向けて建っている。耳が痛いデベロッパーは多いはずだ。
もう一つは、デザイン・イノベーション・ファームのTakramの緒方壽人氏がやはり光村氏の対談で次のように語った言葉だ。ロシアのウクライナ侵攻も、こうした視点があれば起きなかったはずだ。
「人間は『わかり合えるWe』と『わかり合えないWe』の両方が必要なんですね」「どのように『足りない』と『行き過ぎ』を測る物差しを持てるかが大事だと思います。『イノベーションをいかに起こせるか』という物差しだけだと、起こすことだけがゴールになってしまう。あるいは『利益が出る』をゴールに設定しても、現代は最低限のルールだけを守れば何をしてもいい、といった環境ではなくなってきているでしょう」
これでいいのか 川に背を向ける日本橋の街(2008/5/19)
パラダイムシフト起こすか リアルとデジタルの融合企図 大和ハウスなど実証実験
「XR HOUSE(エックスアールハウス)北品川 長屋 1930」
大和ハウス工業、バンダイナムコ研究所、ノイズは6月2日、築90年以上の古民家を改装した「XR HOUSE(エックスアールハウス)北品川 長屋 1930」(東京都品川区)で6月3日から8月31日まで、「リアルとデジタルの融合」をテーマにした共同実証実験を行うと発表。同日、メディアに「長屋」を公開した。
建築を専門とする大和ハウス工業、エンターテインメントに強みがあるバンダイナムコ研究所、デジタル技術に詳しいnoizの3社がプロジェクトを立ち上げたのは2020年12月。コロナ禍で人々の価値観や生活習慣が大きく変化する中で、3社は「未来の暮らし」について検討を開始。家で過ごす時間が長くなる中、巣ごもりの閉塞感を軽減しながら、暮らしをより楽しくするために、一瞬で空間イメージを変えるデジタル技術「XR 技術」に着目し、「建物価値の拡張」と「建物サイクルの拡張」によるパラダイムシフトを企図したのがきっかけ。
1階のプロジェクトでは、AI技術のほかセンシング技術を組み込むことで、リアルとバーチャルの相互作用を生み出すことを可能にした。学習能力があり、「人」が古民家の中にあるLED電球に触れると、事前に決められた機械的な反応ではなく、その時々の「人」の位置などによって多種多様に変化する反応を示し、空間に置かれたタイルへの映像投影とサウンドで表現する。
2階の各10畳大の「障子+デジタル」と「襖+デジタル」には不定形の「ボロノイ畳」にLED 技術を組み込み、「障子+デジタル」では、バーチャル世界を「日常」から覗いているかのようなモノクロの屋外空間を演出。立体音響効果により、障子の奥に外とつながっているような空間を作っている。「襖+デジタル」では、「襖」を開けると囲炉裏、坪庭などの屋内空間が広がり、将棋を指す音、炭火のはぜる音、山鳩の鳴き声なども聞こえるようにしている。
実証期間中に有識者や業界関係者、学生などに「リアルとデジタルの融合」を体感してもらい、ワークショップを開催し、今後の住宅・建築業界の新しい価値の創出につなげる。
「XR HOUSE 北品川長屋 1930」は、JR品川駅から徒歩10分、品川区北品川 1丁目に位置する木造2階建て全5棟の古民家のうちの1棟改修したもので、延床面積は約97㎡。
「障子+デジタル」(左)と「襖+デジタル」(左の画像には、雨傘をさした〝永遠の処女〟原節子さんか、竹久夢二の美人画をカラーで写したら最高。右は意味不明のLEDの稲妻)
1階のプロジェクト
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この種のVRやらAR、AIをテーマにした見学会を数十回は経験している。その都度感じるのは、リアル(実物)には絶対にかなわないということだ。商品を購入することを決断させるための一つのツールに過ぎない。当事者だってそんなことは百も承知のはずで、いかにシズル(sizzle)感を演出するか四苦八苦しているに違いない。
今回も見学する前までは、これまで見たものと似たり寄ったりだろうと高を括っていた。ところが、「障子の間」「襖の間」を見学して驚愕した。五感のうち嗅覚、触覚、味覚は味わえないのはこれまで見学したものと同じだが、〝これはいい〟と第六感に訴えるものがあった。黒澤明や小津安二郎の映画シーンを見るようで、酒でも飲みたくなる気分にさせられた。
とにかく芸が細かい。部屋内は改修に用いられた黒松やイグサの香りがし、中央には卓袱台が備えられていた。障子には雨だれの文様が映し出され、開けると郷愁を誘う田舎の街並みが白黒で展開し、雨の音、風の音、小鳥の鳴き声が聞こえ、人の気配を感じさせる将棋を指す音、除夜の鐘、囲炉裏の炭火のはぜる音や火花が灰になって舞う仕掛けも施されていた。
この種の演出はゲーム大手のバンダイナムコにとってはもっとも得意とする技なのだろう。バンダイナムコ研究所イノベーション戦略本部プロデュース部・本山博文氏は「襖の開け閉めの所作はミリ単位で計算している」と話した。
肝心の価格について質問したが、「現段階では未定」とのことだ。価格によっては住宅だけでなくあらゆる施設にも導入できそうで、パラダイムシフトを起こす可能性が大とみた。
重箱の隅をつつくようで申しわけないのだが、一つだけ課題。本山氏も「没入・熱中しすぎない、目が疲れない工夫」と話したように、やりすぎると全てぶち壊すことにつながりかねない。
そんなシーンがあった。不定形の「ボロノイ畳」に稲妻のようにLEDの光が走り、床から灰が舞い上がった。薪も炭火も安物は爆ぜて火花を散らすことは確かにある。しかし、床を雷のように駆けずり回ることは絶対にないし、灰は空中をさまようが、床から蛍のように湧き上がることはない。本山さん、いかがか。過ぎたるはなお及ばざるがごとし。
昔懐かしい日常の風景を風情など全くない本山氏や記者の方が寝転んで鑑賞していた(これも一興か)
建物
「資材など高騰に苦慮。価格転嫁を検討する段階」プレ協・堀内会長 総会後に会見
プレハブ建築協会は5月31日、定時総会・理事会後に記者発表会を行い、会長に堀内容介氏(積水ハウス代表取締役副会長執行役員)、副会長に川畑文俊氏(旭化成ホームズ代表取締役社長)、芳井敬一氏(大和ハウス工業代表取締役社長)、井上二郎氏(パナソニック ホームズ代表取締役社長)がそれぞれ再任され、前副会長の竹中宣雄氏(今年6月のミサワホーム総会で取締役会長を退任する予定)に代わって、作尾徹也氏(ミサワホーム専務執行役員、6月の同社総会で代表取締役社長執行役員に就任予定)を選任したと発表した。
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堀内会長は冒頭、「2年前にコロナ拡大に見舞われ、かつてない大きな打撃を受けた。その後、住宅着工は回復したが、持家は昨年12月以降マイナスに転じ、ウクライナ問題、資材高騰など引き続き厳しい環境が継続すると思われる。その一方で、WEBスタイルの浸透やニーズの変化など環境が一変し、昨年11月に閣議決定されたこどもみらい住宅支援事業、改正住宅ローン控除制度などのインセンティブ、DXを活用して業界の活性化に取り組んでいく」などと語った。
また、2050年のカーボンニュートラルに向け、昨年10月策定した新たな5か年計画「住生活向上推進プラン2025」の推進、激甚化する災害対策として取り組んでいる応急仮設住宅では各自治体との連携を強化し、スピード感を持って対応していくと述べた。
PC建築部会長・加藤茂裕氏(トヨタT&S建設代表取締役社長)は、「品質と生産性の向上とともに働き方改革にも努力し、『場』と『人づくり』で優位性のあるPCの需要拡大に応えていく」と話した。
住宅部会長・後藤裕司氏(トヨタホーム代表取締役社)は、「『住生活向上推進プラン2025』では、それまでの『住生活向上推進プラン』と『エコアクション』を一本化し、カーボンニュートラルの先導的役割を担っていく。ZEH、省エネ改修、賃貸共同住宅の長期優良住宅の取り組みを強化する」と述べた。
規格建築部会長・森田俊作氏(大和リース社長)は、「今年半年間で震度5以上の地震は7回あり、昨年を上回っているなど予断を許さない状況にある。GPSやバーチャルトレーニングなどで災害に強い体制を強化する」と語った。
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メディアからは資材の高騰に関する質問が相次いだ。堀内会長は「コスト削減には限界もある。各社とも対応に苦慮している。価格への転嫁を検討している段階」と述べた。
製材-製造-加工-販売まで一気通貫可能 三菱地所など「鹿児島湧水工場」完成
「鹿児島湧水工場」
MEC Industryは5月30日、「木」の製材-製造-加工-販売まで一気通貫を可能にした鹿児島県姶良郡湧水町の「鹿児島湧水工場」が完成・本格稼働を6月から開始すると発表した。
「鹿児島湧水工場」は、2021年8月に完成した製造棟と、今回完成した「鹿児島湧水素材センター」からなり、敷地面積約90,845㎡、建築面積約26,864㎡、延床面積約26,981㎡。・製材棟は年間消費原木量55,000㎥/シフト(1シフトは360分、稼働日数250日/年)。製造棟は、2×4材(JAS 認定材)、CLT、幅はぎ板、MOKUWELL HOUSE、MI デッキなどを製造する。
工場では原木の調達を行い、製材してCLTや2×4パネルなど木質材料を製造、それらの建材を活用して木質建材やプレファブリケーション化した戸建住宅「MOKUWEL HOUSE」の製造までを一気通貫で行っていく。
おが粉やバーク(樹皮)などの廃棄物を自社ボイラーの燃料として再利用するほか、製材棟・オフィス棟・食堂棟の建屋の一部に国産材を使用。地元雇用も創出。食堂棟は地域に開放する。
MEC Industryは2020年1月、三菱地所、竹中工務店、大豊建設、松尾建設、南国殖産、ケンテック、山佐木材の7社の出資により、木材製品の生産から流通、施工、販売まで、川上から川下までを一社で担う「統合型最適化モデル」会社として設立された。
左からケンテック・矢口社長、松尾建設・松尾社長、竹中工務店・佐々木社長、池上湧水町長、MEC Industry・小野社長、須藤鹿児島県副知事、三菱地所・吉田社長、大豊建設・大隅社長、南国殖産・永山社長、山佐木材・有馬社長
オフィス棟
食堂
CLTプレスライン
MOKUWELL HOUSEユニット
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年間消費原木量55,000㎥/シフトと言われても素人の記者にはさっぱり分からないのだが、日本一の木材加工会社ポラスグループのポラテックは月産75,000㎥の木材加工能力を有するというから桁が異なる。
しかし、新会社設立の記者発表会同様、今回も7社のトップが参加して竣工を祝ったようだ。その意気込みが伝わってくる。わが国の森林・林業は危機に瀕しており、林業はもはや「業」と呼べないほどの売上高のようだ。7社が結集して森林・林業の再生・活性化の起爆剤になってほしい。機会があったら工場も見学したい。
製材棟
MI デッキ
MOKUWELL HOUSEモデルハウス
型枠を内装デザイン化30坪の平屋が1000万円 三菱地所 総合林業会社設立(2020/7/28)
災害被災神社再建・復興プロジェクト 第4弾「清神社」竣功祭 創建
完成した「清(せいの)神社」
創建は5月30日、同社が無償で建築し寄贈する「災害被災神社再建・復興プロジェクト」第4弾の「清(せいの)神社」の竣功祭を5月27日(金)に行ったと発表した。
「清神社」は、福島県双葉郡楢葉町大字前原に位置する敷地面積約1,033㎡(313坪)、本殿建築面積は約53㎡(16坪)、延床面積は約45(13坪)、構造/様式は神明造。2021年7月に地鎮祭が行われ、2021年12月に完成した。再建の経緯は次の通り。
震災時に100戸あった氏子は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で大半の方が別の場所に移転したため、現在は10戸に減少。残った総代、氏子はこの神社が子どもの頃からの心のよりどころであったので、神社が再建しない限りは心も復興しないと震災から4年半後に再建を決意し解体したものの、予算が合わず3年半の時間が流れた。このことを福島神社庁に相談したことをきっかけに、同社が無償で再建することになったもの。
当日は、氏子や同社代表取締役会長・吉村孝文氏をはじめ福島県神社庁長庁長代理(同理事)・西山典久氏、楢葉町議会議長・清神社宮司・宇佐神正道氏など約30名が参加し、清神社の再建を祝った。
同社は、これまで熊本地震で倒壊した熊本県西原村の白山姫神社(2018年)、東日本大震災で被災した福島県浪江町の諏訪神社(2019年)、東日本大震災で被災した宮城県名取市の閖上湊神社(2020年)の無償再建を行っている。
感謝状を受ける吉村会長
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いい取り組みではないか。神社再建などというと、同社は宗教団体ではないかと考える人もいるかもしれないが、同社・吉村会長は「『神社復興』などというと、裏に何かあると勘繰る人もいるが、私利私欲、政治的な思惑は全くない。たくさんの命を救いたいだけだ」(2019/3/7)と語ったように、少しでも被災者に寄り添い、伝統技術を継承することしか考えていないはずだ。
竣功祭
「深く感謝」声詰まらせた閖上湊神社宮司 神社再建プロジェクト 第三弾発表 創建(2020/2/28)
壮大な街づくりの一環 501㎡の「新国際ビル」路地裏を多目的空間にリノベ 三菱地所
有楽町 SLIT PARK(スリット パーク)(樹木はアジサイ、アオダモ、ソヨゴ、シモツケ、ソヨゴ、ヤマブキ、ヤマボウシ、アケビなど)
三菱地所は5月25日、有楽町再構築を体現する既存ストックの活用プロジェクト第1弾として「有楽町『SLIT PARK(スリット パーク)』」を6月1日にオープンすると発表した。同日、オープンに先駆け行ったイベントをメディアに公開した。
「スリットパーク」は、従前は薄暗く自転車置き場などになっていた、同社が保有する丸の内3丁目の新国際ビルと新日石ビルの幅6mのL字型路地裏スペース約501㎡(151坪)を多目的空間にコンバージョンしたもの。8月中旬までに新国際ビルの丸の内仲通り側エントランスとオフィスロビーの改修を行い、「スリットパーク」の突き当りの区画を貫通させ、大名通りと丸ノ内仲通りをつなぐ動線としての機能も持たせる。
空間には「森」をイメージした植栽を施し、休憩スポットやキッチンカー、屋台、カートショップなどの飲食・物販サービスを提供し、アート展示やイベントを実施することで出会いや交流を促進し、街の魅力向上を目指す。Wifiと電源を各所に完備し、執務空間としても常時利用可能としている。設計・監理はオープン・エー、三菱地所設計。運営は東邦レオ。
同社は、大手町・丸の内・有楽町エリアの街づくりを「丸の内NEXT ステージ」と位置づけ、それを加速させるため①多様な場の提供②多様なテーマ・コミュニティ③面でのつながり・発信④クリエイティブな活動を引き起こす⑤デジタルビジョン・スマートシティの実現-の5つの戦略を掲げている。今回はその一環。
また、同社の「長期経営計画2030年」では、有楽町エリアを重点更新エリアの1つと定め、これまでもエリアでは「Micro STARs Dev.」「CADAN有楽町」「有楽町アートサイトプロジェクト」「ソノ アイダ#有楽町・ソノ アイダ#新有楽町」「有楽町アートアーバニズムプログラム YAU」など様々な企画・イベントなどを行っている。
有楽町ビル・新有楽町ビルの建て替えに着手したほか、稼働中ビルも順次リニューアルを行い、有楽町エリア全体の再構築を目指している。
リニューアル前(左)とリニューアル後の大名小路「スリットパーク」入口
「スリットパーク」完成予想図
25日のイベント
屋台(左)
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同社は前日24日、築64年の延べ床面積約111,272㎡の「大手町ビル」の大規模リニューアル工事が完了したのにともなうメディア向け内覧会を行った。今回はわずか501㎡の路地裏空間のリノベーションだ。
些細な取り組みとして軽視してはいけない。設計・監理を担当したオープン・エー代表取締役・馬場正尊氏が「小さいけれど、大きな変化の予兆になって欲しい」と、運営する東邦レオ代表取締役社長・吉川稔氏が「緑とアート、音(DJ)やアペリティフを触媒に、シェアスペース、コワーキングでは生み出せない、偶発的な出逢い(セレンディピティ)から想定外のイノベーションが起こる場をソーシャルに創造していく」とそれぞれコメントしているように、記者も100年先を見据えた「大丸有」の壮大な街づくりの一環だと思う。
いま、山手線内では「大丸有」のほか日本橋、八重洲、新橋、浜松町、泉岳寺・高輪ゲートウェイ、品川、渋谷、新宿、赤坂、虎ノ門・赤坂などで大規模再開発が進行中だ。都市間・エリア間競争は益々激化する。「滞在の快適性等の向上」(都市再生特別措置法)を図らないと、気が付いたときは手遅れになる。
路地裏空間のリノベは他にもありそうだが、記者は「バスあいのり3丁目テラス」をすぐ思い出した。三菱地所が所有する土地に東邦レオが植栽などを担当した施設で、今回の「スリットパーク」と同様、施設内の樹木、その他の全てが移動可能で建築物でないことがみそだ。
今後、区市町村道を活用した取り組みは加速度的に進むはずだ。今回の施設はその参考になる。
一つ、課題をあげる。25日のトークセッション&DJイベントで梅澤高明氏(A.T.カーニー日本法人会長/ナイトタイムエコノミー推進協議会理事)は、「このような路地裏空間には空調の音がある」と語った。〝うるさい〟とは言わなかったが、そのような意味が込められていると記者は受け取った。
音楽と異なり、これが意外と気になる。気になりだすといたたまれなくなる。車や建築工事の音もそうだ。音を消す技術は開発されないのか。どことは言わないが、工事現場の空きスペースに飲食施設を設置したデベロッパーがあるが、閑古鳥が鳴いている。それともう一つ。喫煙スペースは必須だと思うがいかがか。
梅澤氏
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東西で異なるビル外観(東側)
三菱地所は5月24日、1958年(昭和33年)竣工のオフィスビル「大手町ビル」の大規模リノベーション工事が完了したことに伴うメディア向け内覧会を行った。工事は2018年5月にスタート、2022年5月に完成。テナントが入居したままのこれほど大規模なリノベーションは珍しいという。
物件は、東京メトロ丸ノ内線・千代田線・半蔵門線・東西線、都営三田線大手町駅直結の建ぺい率80%(実質100%)、容積率1300%の千代田区大手町1丁目に位置する敷地面積約10,496㎡(200m×50m)、地下3階・地上9階建て延べ床面積約111,272㎡。設計・ 監理は三菱地所、施工は大成建設。着工は1956年5月、竣工は1958年4月。リノベーション設計・監理は三菱地所設計、内装改修建築設計はメック・デザイン・インターナショナル。建築施工は大成建設。
外装デザインは、日比谷通り、丸の内仲通り、大名小路の象徴的な通りとの親和性を重視し、外壁素材や窓ガラスなどの機能を更新したほか、ビルを東・西・中央に分節。外壁材にはGRCを採用するなど管理コストの低減、窓ガラスはLow-Eガラスにするなど約44%の熱負荷削減を図っている。
約4,000㎡の屋上には、植栽を施したワークスペースや約658㎡の都内最大級の農園スペースを整備。AI画像分析を通じて野菜の生育環境を計ることができる世界初の機器を備えている。竣工時から屋上に安置されていた「大手町観世音菩薩像(大手町観音)」は、従前は年に1回御開帳の日を設けていたが、リノベーションを機に一般の来館者も参拝できるように整備した。
7階には、就業者やエリアワーカー向けの共用ラウンジ・テラスを開設。ラウンジ(136席)はビル就業者が利用できるほか、一部ゾーンはエリアワーカーも利用可能。
また、ビルの東側を「LABゾーン」とし、多様な企業が集積、様々な人・企業が交流する拠点を創出。大規模フロアプレートでありながらも小割貸付に適したフロア形状の優位性を活かし、スタートアップ企業や大企業の新規事業開発部門など様々な企業が集積できる環境を整備した。
建て替えでなく新たな建築確認申請が必要でないリノベーションを選択したのは、様々なテナントニーズに対応するとともに、既存ストックの活用という社会的な要請にも応え、同社が「丸の内NEXT ステージ」で掲げる“人・企業が集まり交わることで新たな「価値」を生み出す舞台”を具現化したためとしている。
東西で異なるビル外観(西側)
仲通り機能を建物内外から整備・演出した南北通路(1階)
新たに整備したワークスペース(屋上)
新たに整備した屋上農園
共用ラウンジ(7階北側)
1階ELVホール前の柱
◇ ◆ ◇
上段はほとんどリリースのコピペ。内覧会では1時間以上にわたり7~8か所を見学した。一つひとつ具体的に紹介したいのだが、その余裕がないのが残念だ。1か所当たり10分もなく、消化不良だったからだ。見学時間は倍あってもよかった。それほど見どころの多いリノベ工事だと思う。以下は興味深かったことを紹介する。
まず、大手町ビルについて。敷地面積は丸ビルや新丸ビルとほぼ同じだが、丸ビル、新丸ビルは100m×100mのほぼ整形なのに対し、大手町ビルは200m×50mの長方形であるのが大きな違いだ。
そして、もっとも異なるのがその歴史だ。記者は30年くらい前まで、仕事の関係でこのビルの飲食フロアを1週間に1度くらい利用した。使用されている仕上げ材は歴史を感じさせるものばかりだ。例えば人造大理石のテラゾー、文様が美しいトラバーチン、アール状の壁、化石が含まれる直径数十センチはありそうな構造柱などだ。今回の工事でもこれらがいたるところに残されている。
驚いたのは耐震性だ。現行基準とほぼ同等の性能を有しているという。昭和30年前半の建物でも、現行法基準を満たしている。これは凄い。当時の数百枚にのぼる設計図書を見た関係者は「感動した」と語った。
気になったのは、建物は敷地いっぱいに建てられているので歩行者空間が狭いことだ。ビルの道路を挟んで南側に建っている大手町タワーや大手町スクエアは公開空地が確保され、区道も整備されているのに、幅員1メートルくらいしかない大手町ビル側の歩道は未整備。こちらを優先して整備するべきではないか。区の神田警察通りの道路整備でかなり辛辣な記事を書いたが、行政は何を考えているのかさっぱり分からない。
関係者によると、容積率を約300%余しているので増築も可能ではないかと思ったが、リノベーションにしたのは、現行の建築基準法に適合させるためには法的なハードルが高かったためだろう。屋上は天然芝ではなく人工芝で、樹木も低木ばかりなのは構造上の問題なのだろう。
素晴らしいと思ったのは、農園スペース「The Edible Park OTEMACHI by grow」だ。運営するPLANTIO(プランティオ)UrbanFormer/CEOの芹澤孝悦氏は「わたしの祖父は1949年(昭和24年)、わが国で初めてプランターを開発した。家庭菜園を有料にしているのはわが国だけ。欧米などはシェアするのが当たり前、スタンダードになっている」などと切り出したのに驚いたのだが、野菜育成アプリ「grow GO」や6種類のAIセンサーを搭載した世界初のプロダクト「grow HOME」には絶句した。日照量・土壌水分量・土壌温度など栽培に重要なデータをアルゴリズム分析により、水遣りの必要性などを伝えてくれるという。
このAIは、手間暇かけて育てる楽しみを奪いかねないが、農業・園芸を一変させる可能性を秘めている。AI機器は販売しないのだそうだが、値段によっては爆発的に売れる。芹澤氏の祖父が開発したプランターの比ではないのではないか。
もう一つ。「LABゾーン」などの観葉植物はほとんどが本物。これまた凄い。丸ノ内パークビル竣工見学会で見た三菱地所の本社オフィスはフェイクがあふれていた(失礼。その後、本物が植えられたとも聞くが)。
階段室
幅1mくらいの大手町ビル側の歩道(左)と整備済みの大手町スクエア側の歩道
左右非対称の歩行者空間(左が大手町ビル側)
AIについて説明する芹澤氏