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「HOTEL THE LEBEN OSAKA」

 タカラレーベンは3月17日、グループ創業50周年記念ホテル「HOTEL THE LEBEN OSAKA」のメディア向けオンライン発表会を行った。「上質な非日常」をコンセプトに107の客室は全て30㎡以上とし、ルームチャージ制を採用、朝食はオーダーにより客室ドアまで届けるのが特徴。ホテルは3月24日に開業する。

 ホテルは、大阪メトロ御堂筋線心斎橋駅から徒歩8分、大阪市中央区南船場2丁目に位置する全107室。客室面積は30㎡~88㎡。ルームチャージ制を採用し、当面の宿泊料金は15,000円を見込む。運営は昨年9月、国内60か所のホテルの運営を行っているソラーレ ホテルズ アンド リゾーツと共同で設立したレーベンホテルズが行う。

 説明会で、同社取締役兼常務執行役員 レーベンホテルズ取締役・秋澤昭一氏は、「当社が50年で培った空間提案などのノウハウを注ぎ込んだ集大成のプロジェクト。2021年に発表した事業計画の7つの柱のうちの一つである流動化事業の一環、グレーを基調に上質な非日常、シンプルでラージをコンセプトにした。コロナ禍での開業ではあるが、2025年の大阪万博、IR(複合リゾート)計画を見据え、開発・所有、リート売却・運営など複合的な展開を行っていく」と語った。

 ホテル支配人・立岡秀海氏はホテルの第一の特徴として、空間のゆとりを強調。客室は30㎡以上をスタンダードとし88㎡まで7タイプを用意、仕様ではシモンズのベッド、今治のタオルを採用すると説明。43㎡以上のレーベンスタイルルームは寝室とリビングの間に仕切りを設けるとした。

 また、宿泊料金については世界基準のルームチャージ制を導入。朝食はオーダー制で客室入口まで届け、SDGsの取り組みとして脱プラのアメニティ、完全オーダー制によるフードロス対策、抗ウイルス・抗菌の全館光触媒施工、防災体験プランを販売するなどと話した。

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テラス

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エントランス

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 約1時間の説明会は、コンセプト、特徴などが余すところなく語られたと思う。客室面積30㎡以上、ルームチャージ制の導入、オーダー方式による朝食の客室ドアまでのサービスなどは差別化につながるはずだ。

 ひとつだけ残念だったのは、建具・家具、アメニティ、その他設備仕様レベルが説明や画像では伝わってこなかった点だ。同社はメディア向け試泊も行った。泊まるべきだったか。

 それと、秋澤氏や立岡氏はシンプルなデザインで、ニュートラルなポジションを強調したが、記者は「非日常」の演出では他を圧倒する同社のマンションモデルルームをそのままホテルでも採用したら関西の人に受けると思った。「上質な非日常」-いま必死でそのようなホテル、マンションはあったかと考えているのだが、思い浮かばない。

 50周年記念マンションプロジェクトの一つ「レーベン福岡天神ONE TOWER」は見学取材し、記事にしているので参照していただきたい。最高レベルのマンションだし、「非日常」の極みだ。

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レーベンスイート(「博多天神」では壁は本物の大理石だった)

福岡の最高峰 第1期100戸 圧倒的な人気 タカラレーベン50周年「福岡天神」(2022/3/15)

 

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 大和ハウス工業は3月17日、恒例の「記者レクチャー会<2022年公示地価>」を質疑応答を含め約1時間45分にわたって開催。分譲マンションについては同社マンション事業本部 事業統括部部長・角田卓也氏が、戸建てについては同社住宅事業本部 事業統括部 分譲住宅グループ部長・本間生志氏が、物流施設などについては同社建築事業本部 営業統括部 Dプロジェクト推進室室長・井上一樹氏が事業概況を説明した。

 首都圏マンション市場について角田氏はコロナ禍をきっかけに価値観、生活スタイルの変化に伴う持家志向が強まり、都心部では生活利便性や資産性を重視する富裕層、アッパーミドル、DINKSなどの需要は旺盛で、郊外物件も引き続いて堅調に推移し、近畿圏や地方都市もほぼ同様の動きがみられると語った。

 好調市場を背景に、用地仕入れ環境はタイトで、都心案件ではオフィス開発業者や賃貸マンション開発業者との競合が激化、用地取得価格は一段と上昇していると話した。

 本間氏は、都心部での2億円前後の3階建て分譲戸建ては年間50~60戸がほとんどが即日完売する人気となっている一方で、マンションと同様、用地取得合戦が激化、従来仕入れられていた年間4,000区画は3,000区画まで減少しており、「死活問題」と危機感を強めていた。来期から仕入部隊を強化し、商品企画にも力を入れるなど回復を期していることを強調した。

 井上氏は、同社の売上高4兆1,267億円(2021年3月期)のうち賃貸住宅とほぼ同様の23%を占めることから自信満々で、第6次中計(2019年4月~2021年3月)で掲げている不動産投資1兆3,500億円のうち6,500億円が事業施設で、今後も拡大すると話した。

◇        ◆     ◇

 このレクチャー会は、質疑応答にも十分時間を割き、メディアの質問にも丁寧に答えてくれるのでとてもいい。

 角田氏は、第1期分譲で200戸以上を成約するなど好調なスタートを切った「ONE 札幌ステーションタワー」や、驚異的な売れ行きを見せている「プレミスト王子神谷」などの具体的物件の売れ行きなどについても説明した。「王子神谷」の坪単価は308万円であることも明らかにした。

 いつもそうだが、本間氏の話はとても面白い。価格では圧倒的に負ける飯田グループやオープンハウスなどとも競合せざるをえない特殊な分譲戸建て市場が面白くないのだろう。「来年度からは支店長クラスに任せきりだった仕入れ体制をてこ入れする。商品企画でも分譲住宅専用のNearly ZEH対応の『ΣSc(シグマエスシー)』を投入し、他方では規格化、販管費の抑制なども進めて原価比率を引き下げる」と語ったのが印象的だった。

 (本間さん、昨年のレクチャー会では「分譲戸建て御三家とは戦わない」と仰いました。その後どうなったのでしょうか。時間があったら聞きたかった。レクチャー会の時間を延長してはいかがか。記者は現場見学会を増やしてほしいが…)

大和ハウス 販売好調の「プレミスト王子神谷」2期分譲開始(2022/2/19)

北海道最高峰は坪415万円 大和ハウス他「ONE 札幌ステーションタワー」始動(2022/2/8)

分譲戸建て御三家とは戦わない 都市部に人的資源移す 大和ハウス(2021/9/15)

 


 

 

カテゴリ: 2021年度

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福島氏(左)と村上氏

 独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)と京王電鉄バスは3月15日、「八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業」で整備が進められているバスターミナル(第1期エリア)の建設工事現場をメディアに公開。バスターミナルの名称は「バスターミナル東京八重洲」と決定し、令和4年(2022)9月17日に開業すると発表した。

 バスターミナルは、東京の玄関口である八重洲側の高速バス、空港連絡バス発着停留所は駅前交通広場では充足できず、周辺の道路上に散在し、鉄道乗り換えや車両交通、歩行者通行が妨げられていることから、八重洲口で施行されている3地区の市街地再開発事業内に集約し、一体的に整備するもの。

 ターミナル内にはチケットカウンター、トイレ、授乳室、コインロッカーのほか物販店も併設。歩道上でのバス待ちをなくし、東京駅や京橋駅とも地下通路で結ばれる。第1~第3期のバスターミナルの専有床はわが国最大級の約21,000㎡となり、28か所のバス停が整備され、全体開業されれば1日約1,500便(第1期は約550便)の高速バスが運行可能となる。

 UR都市機構は参加組合員として3事業に参画しており、各再開発事業組合からバスターミナル部分(地下)を取得し、それぞれ3期に分けて段階的に公募で選定された京王電鉄バスに賃貸し、応募があった3社から選定された京王電鉄バスが運営する。

 今回公開された第1期は、敷地面積約12,000㎡、延べ床面積約283,000㎡の地下4階地上45階建て複合施設。施設内には三井不動産「ミッドタウン八重洲」が整備され、ブルガリブランドのホテル(39~45階)のほか、東京駅周辺では最大級の4,000㎡の基準階のオフィス、約60店の飲食・物販店舗、区立小学校、子育て支援施設などが整備される。施設全体のグランドオープンは2023年3月の予定。バスターミナルの専有床面積は約7,000㎡。

 第2期は、令和7年(2025年)竣工予定の敷地面積約10,000㎡、延べ床面積約225,000㎡の地下4階地上51階建て「東京駅前八重洲一丁目東B地区」。参加組合員は東京建物、UR都市機構。バスターミナル部分は約6,000㎡。

 第3期は、令和10年(2028年)竣工予定の敷地面積約19,000㎡、延べ床面積約388,000㎡の地下3階地上43階建て「八重洲二丁目中地区」。参加組合員は鹿島建設、住友不動産、UR都市機構、阪急阪神不動産、ヒューリック、三井不動産。バスターミナル部分は約8,000㎡。

 見学会でUR都市機構 東日本都市再生本部長・村上卓也氏は、「URは参加組合員として再開発事業に参画しており、バス停を1か所に集約することで利便性を図る事業目的に寄与したい。全体完成すれば『バスタ新宿』より大きいわが国最大級となる」と語った。

 また、京王電鉄バス取締役東京駅八重洲高速・貸切バスターミナル開発準備チーム部長・福島八束氏は、「当社のノウハウを生かして収益源にするために公募に名乗りを上げた。当面は運行を予定していないが、空きバースあれば次のステップとして検討したい」と話した。(京王の高速バスは新宿から西がほとんどのはず。八重洲を起点として『KEIO』の名を広めてほしい。京王沿線に40年以上住んでいる小生は京王のファン)

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地下1階 案内・チケットカウンター

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地下1階のチケット売り場について説明する担当者

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地下2階 待合ラウンジ

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地下2階のバス乗降エリア(階高は4.5mくらいあり、1辺約1.5mの柱が10m置きくらいにあった)

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地下2階 乗り場

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 現場見学会では質疑応答もあったが、記者は門外漢だ。黙って聞いているつもりだったが、名称が「バスターミナル東京八重洲」と発表されたので黙っていられなくなった。

 「バスタ新宿」では、不快な思いをさせられているからだ。小生は加齢も手伝って耳がよく聞こえなくなっているのだが、「BASUTA」は「MAKITA」と聞こえるのだ(嘘だと思ったら。聞いてみてください)。駅に着くと選挙演説のように自動音声による「MAKITA」が連呼される。そのたびにギクッとさせられる。落とし物でもしたのか、あるいは犯罪者として呼び止められたのかと。

 「ターミナル(Terminal)」も嫌な言葉だ。小生などは「終末医療」と結びつけてしまう。最近はできるだけ使わないようにしている。

 そこで質問した。「こんなことをいうから私は嫌われるのですが、『バスタ新宿』が連呼されるたびに嫌な気分になる。今回の名称はその二番煎じではないか。『ミッドタウン』と『京王(KEIO)』、『URであーる』を組み合わせるとか、『トーチ・タワー』も含めた街を総称する気の利いたネーミングはできないのか。ネーミングライツの導入もいいのではないか」と。

 意想外だったのは、UR都市機構東日本都市再生本部都心業務部担当部長・大貫英二氏の返答だった。当たり障りのない人を煙に巻く答えが返ってくると思ったら、大貫氏は「ご指摘は仰る通り。ネーミングライツを検討したこともある。全体完成したら名称を変更することもありうるが、何しろ法に基づく届け出なので」と語った。

 「法に基づく届け出」とは、交通行政をつかさどる国土交通省の様々な法律のことだろう。それもよく分かる。そしてまた、八重洲を訪れる人のうちバスの乗り降りが目的の人は少数派であることを考えると、例えば「ミッドタウンKEIO八重洲ターミナルであーる」などと連呼されたらみんな行く先が分からなくなる。あまり出しゃばらないほうがいいかも。

 街の総称は「ザ・東京(The Tokyo)」か「ウォーカブル東京(Walkable Tokyo)」はどうか。

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工事中の「八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業」

 

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三井不動産、ShareTomorrowNearMe(ニアミー)の3社は315日、有償の「タクシー相乗りサービス」の導入を310日から開始したと発表した。

三井不動産とShareTomorrowがサービス提供する「&MOVE」と、ニアミーが湾岸エリアなど4区を中心に提供する相乗りサービスnearMe.Town(ニアミー タウン)と連携したもので、通常のタクシーのように希望する地点での乗り降りが可能で、同じ方向に行く人を見つけてマッチングし、相乗りすることによって、手ごろな料金でドアツードアのサービスを提供する。

運行時間は7(乗車)22(降車)まで、サービス提供エリアは東京都内4(中央区、千代田区、港区、江東区)の全域、乗車可能人数は最大5名、1組あたりの乗車数は最大4名、利用方法はWhimアプリより、乗車前日の18時までに予約、料金はタクシー一名乗車比で最大50%(相乗り通達内容に沿って料金を算出)。

        ◆     ◇

 タクシーは許認可事業なので詳しくは知らないが、かつて公営ギャンブル場や深夜の駅前では、「多摩方面、あと3人」などと運転手が相乗りを呼び掛け、違法と知りながらそれに同調する人は日常茶飯だった。いわゆる「白タク」と呼ばれるもので、記者もよく利用した。料金は割引にはならず、それぞれが目的地までの料金を払った。呉越同舟だ。そもそも違法なので、誰も文句など言わなかったし、客同士で会話することなどもなかった。

 相乗りは法律の改正により昨年11月から解禁になったようだ。記者は今後激増するとみている。お客さんが相乗りに同意すれば、予約なしでも、走行中でも利用できるようにすべきだと思うが…。

 

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 三菱地所は3月15日、オフィス家具の引取・販売サービス「エコファニ」を本格稼働したと発表した。

 オフィスのレイアウト変更などで不要になったオフィス家具を企業から引き取り、東京駅・ 大手町駅直結の「朝日生命大手町ビル」地下1階の直営ショールーム兼倉庫(約150坪)で検品・清掃のうえ、リユース家具として展示、法人・個人に販売する。

 また、オフィスに家具をセットした状態で賃借する「セットアップオフィス」への供用のほか、リユース家具のサブスクリプションサービスにも対応する。 一定期間出荷に至らない商品は産業廃棄せずリユース&マテリアルリサイクルを実施するなど、「サステナブルな社会の実現」に貢献する。

◇        ◆     ◇

 この種のサービスを提供する専門業者はたくさんあるのだろうが、三菱地所も参入するとは驚いた。とはいえ、似たようなサービスは業界初ではない。同社が業界初ではない。長谷工コーポレーションは内装オーダーシステム「アイセルコ」をもう30年くらい前に開発し、契約者にインテリアなどを販売する長谷工インテックの年間売り上げは47.74億円(2021年3月期)とある。かつて三井不動産レジデンシャルは、〝使用済み〟の家具類を一般に販売したこともある。サブスクを採用するデベロッパーもある。

 そこで一つ提案。記者はマンションや分譲戸建てを見学する際は、設備仕様、建具・家具、什器などのグレードもチェックすることにしている。何度見ても分からないのは建具・家具、什器、ワインなどの質=価格だ。

 使用されているのは、各社が自前で購入してモデルルーム・モデルハウスで使いまわししているのか、それともその種のサービスを専門に行っているリース会社から借りているのだろう。たまに、販売住戸の在庫処分として〝家具付き〟販売も行われている。

 各社がおのおの不要になった建具・家具、什器などを買い取り・販売するのも結構だが、共同市場を開設すれば大量に集荷できコストも下げられ、販売価格も下げられる。

 さらにまた、モデルルーム・モデルハウス来場者に占める購入者の割合は高くてもせいぜい3割だ。無駄が多すぎる。少しでも販管費を抑えるため、建具・家具、什器メーカー、酒類製造・販売メーカーと提携し、購入者はもちろん、来場者に割安で販売してはいかがか。商品にタグを付ければ、販売担当者が説明することも必要でないはずだ。分譲住宅のモデルルーム・モデルハウス来場者は親子を含めれば少なく見積もっても年間50万人はあるはずだ。巨大市場を見逃す手はない。

 

 

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 アキュラホームグループとスマートアライアンスビルダー(SABM)は3月11日、「ウクライナ各地で激化する危機に対し、ウクライナの子どもたちとその家族の支援の一助を担おう」と社員や取引業者、顧客に3月10日に呼びかけた結果、初日で2,605名、総額12,647,015円が集り、金額は日本ユニセフ協会に寄付したと発表した。今後も支援を呼びかけ、支援者1万人を見込む。

 

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「光と風の広場」

 海の中道パーク・ツーリズム共同事業体を構成する三菱地所、積水ハウス、一般財団法人公園財団、インザパーク福岡は3月10日、福岡市東区の国営公園「海の中道海浜公園」内に整備した「Park-PFI制度」による滞在型レクリエーション拠点「光と風の広場」を3月15日にリニューアルオープンすると発表した。Park -PFI制度による国営公園の開業は日本初となる。オープンに先立つ9日と10日、施設をメディアに公開した。

 「光と風の広場」は、Park –PFI(Private Finance Initiative)制度により2020年1月に4社からなる事業者がコンペで選定されたもので、工事着手は2021年7月、運営終了は2041年1月。運営終了後は更地返還する。

 国営公園初のPark-PFI事業として公募・認定されたのは「淡路島 国営明石海峡公園」だが、開業するのは本件が日本初。事業スキームは、事業者が施設を建設・整備、運営し、国は利用料収入(土地賃貸料)を得るBOO(Build Operate and Own)方式を採用している。「海の中道海浜公園」の利用者は年間約200万人。

 施設は、JR九州香椎線海ノ中道駅から徒歩20分(福岡空港から車で25分、九州自動車道古賀ICから35分)、「海の中道海浜公園」内にある福岡市東区西戸崎に位置する敷地面積約159ha。建築主は三菱地所、基本設計はオープン・エー。実施設計はシミズ・ビルライフケア、施工はシミズ・ビルライフケア、積水ハウス、積和建設九州。施設運営はインザパーク福岡、公園財団、海の中道アスレチックパーク、ココペリウエスタンライディング。

 博多湾と玄界灘に囲まれたオーシャンビュー、福岡市街の夜景を楽しめるエリア特性を生かし、公園そのものが旅の目的地となる「パーク・ツーリズム」をテーマに様々な仕掛けを施しているのが特徴。〝泊まれる公園〟をコンセプトとした宿泊施設「INN THE PARK」や巨大アスレチックタワー、ホーストレッキング、マリンアクティビティ、ドッグランなどを整備。駐輪場をリノベーションしたレストランでは本格的なフレンチやコーヒーが楽しめる。

 このほか、様々なイベントなども行い、周辺地域や公園のエリアレンタサイクル、電動キックボード事業との連携を図り、光と風の広場を拠点として「憩・学・遊」全てが楽しめる非日常体験を提供し、地域全体に賑わいを促進する。

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「INN THE PARK」球体テント

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球体テント

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「シーサイド キャビン」(左)と「スイートルーム」

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「シーサイド キャビン」

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アスレチックタワー

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キッズコース イメージ図

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 事業計画が発表された段階で完成したら見学したいと思っていた施設だ。PPP/PFIの将来を占うプロジェクトだと考えたからだ。2020年7月末に開業した渋谷区の「立体都市公園制度」を活用したPPP(パブリックプライベートパートナーシップ)施設「MIYASHITA PARK」を見学して、その思いは強まった。

 取材を全てこなし終えたとき、大きな満足感を覚えたし、成果も得られた。開業はコロナ禍という厳しい船出となったが、PFI事業の成功事例になると確信した。

 施設は、何から書くべきか迷ってしまうほど充実しているが、まず「INN THE PARK」から紹介する。

 宿泊施設は、約28㎡の球体テント13棟、約82㎡のグランピング12棟、約12㎡のキャビン3棟、約49㎡のスイートルーム1棟の全30棟から構成されている。宿泊料金は朝食・夕食付きで約1.5~4.0万円/1人。

 驚いたのは球体テントだ。直径6mの白い球形物体がアトランダムに配されている光景は宇宙人が舞い降りたのではなかと思ったほどだ。これが建築物なのかという疑問も湧いた。建築基準法でいう建築物とは土地に固着された柱、壁や屋根が付いているものと定義されているからだ。見学会で確認したらテントは建築物と認定されており、「鉄骨膜構造」というのだそうだ(小生は「膜」は「テント=幕」だと思った)。

 球体テント、キャビン、グランピングにはベッド、エアコン、テレビなどは付いていたが、浴室・トイレがないのには絶句した(トイレ、温浴施設は別棟)。小生のような糖尿&頻尿で枯れ木のような年寄りをターゲットにはしていないのだろうが、若いカップルなどは汗をかく機会は多いはずで、困るのではないかと聞いたら、関係者は定借期間が20年と短く、配管工事などによる環境への負荷を少なくするためと説明した。

 グランピングは、大人数の利用も可能で、テントの外には暖炉のあるリビングやダイニングを備えている。キャビンはコンテナのような外観だが、潮の香りと波の音に酔いしれながらつがいのタコかサメのように絡み合うことが出来そうだ。スイートルームはラグジュアリーホテル並み。

 水風呂もある温浴施設は波の音も聞こえるすぐ海のところに設置されていた。とてもいいのだが、海側に面したところにはシートで覆われていた。

 どうしてこんな馬鹿なことをするのかと聞いたら、福岡市公衆浴場法施行条例第4条の「営業者が講ずべき入浴者の衛生及び風紀に必要な措置」として「脱衣室及び浴室は、屋外から見通せない構造とすること」とする条項に抵触するとして許可されなかったのだそうだ。

 しかし、この施設の「屋外」は遊泳も禁止の海だ。船を繰り出し女湯、または男湯を覗き込むことは可能かもしれないが、そんなことをしたら軽犯罪法(窃視の罪)に問われる。海に向かって素っ裸を晒すことが「風紀紊乱」につながるのか。条例は何もかもお上が取り仕切ろうとする狙いが透けて見える。

 引綱ではなく自分が手綱を操れる「ホーストレッキング」は最高に素晴らしい。競馬ファンにはたまらないのではないか。全国乗馬倶楽部振興協会公認の乗馬指導者が配置されているので安全・安心な野外騎乗が楽しめる。30分コースで7,000円、1時間コースで1.5万円。ギャロップは無理だろうが、ダク、キャンターくらいはできそうだ。

 馬はサラブレッドではなく、乗用馬として育てられた従順・温厚な性格で足腰が丈夫なアメリカンクォーターホースで15歳(人間の年齢の2.5~3倍とか)くらいとか。オスは早い段階で去勢されるそうだが、メスは不妊処置を施されておらず、発情もするそうだ(発情したらどうするのか聞けばよかった)。

 厩舎では〝ウマが合う〟のか4頭の馬が歓待してくれた。木の香りがするおが屑に触らせてもらったし、固形アルファルファ―飼料を1個もらった。若草のとてもいい匂いがする。指導員の方には「(人も)食べられると思いますが、食べない方がいい」と言われた。煎じて飲めないか。ネットで調べたらアルファルファ―の飲料が売っていた。

 アスレチックタワーは九州初で、身長100cmからプレイ可能なキッズコースを付属したものでは国内最大の規模。92種のアスレチックアイテムを設置し、高さ16.8mの有料展望台からは、博多湾と玄界灘を一望することができる。

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温浴施設(海側には目隠しのシート)

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記者に秋波を送る牝馬(左)と牝馬には関心がなさそうな牡馬

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乗馬指導員歴20年というココペリ ウエスタン ライディング主任乗馬指導員 井上朋香さん(馬と会話できるそうだ)

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「ホーストレッキング」イメージ図

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レストラン

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 記者は飛行機が怖く(過去、福岡の2度の取材は飛行機で、生きた心地がしなかった)、新幹線を利用したために片道7時間くらいかかった。9日の取材を終えたのは17時過ぎ。中洲に繰り出そうとホテルの外に出たところが限界。脚が言うことを聞かず、「海鮮」のうたい文句につられてホテル近くの飲食店に入った。刺身をしゃぶしゃぶ風に少し焼いて、刻んだキャベツとゆずポン酢で食べるという料理は初めてで、はっきり言ってとてもまずかった。

 10日はタカラレーベンの50周年記念物件「LEBEN福岡天神ONE TOWER」(153戸)を見学取材した。1月から販売開始し、これまで約100戸を成約するなど圧倒的な人気を呼んでいる(詳細は後ほど)。

 一つ書き忘れた。「光と風の広場」の砂浜は「白砂青松」ではなく黄色、または茶色に見えた。黄河と対馬海流の影響かと思ったが、そうではないようだ。しかし、海の中道の砂層は「薄黄色」という学術論文が見つかった。黄色い砂は初めて見た。

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海の中道の砂(右は擁壁) 

若い人で溢れかえる 「立体都市公園制度」を活用した三井不「MIYASHITA PARK」(2020/9/6)

 

 

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 今朝(3月8日)、3月8日付住宅新報のWEB版記事見出しを読んで仰天した。だしぬけに「転機(下)不動産業界の急所金」が目に飛び込んできた。諸悪の根源である、数限りない過ちの源泉である「金=ふぐり」はもう使い物にならなくなった小生だが、「急所金」なる言葉など聞いたことがない。不動産業界とどんな関係があるのかとしばし考えた。辞書にもあたってみた。そんな言葉は見当たらなかった。新報の造語だろうと結論づけ、記事を読んでみたが、どこにもそんな文言はないばかりか、真新しい新説、珍説もなかった。

 そこで、もう一度記事見出しに戻った。謎は一瞬に解けた。見出しには「金」のあとに1字分の空白(スペース)があり「 利上昇に備えよ 景気腰折れ懸念が急浮上」とある。何のことはない。スペースをとれば「金利」だ。つまり、急所と金を切り離し、金と利を結び付けて読めばよかったのだ。文章の一字一字をきちんと読み、その文意を理解し、誤字脱字を見つけ出すのは長年の記者生活で身に着いた職業病ともいうべき習性だ。これが短兵急な判断を惹起させたということだ。

 新報さんよ、記事はしっかり校正したほうがいいですよ(人のことは言えないが)。ロシアのウクライナ侵攻に意気消沈しているのに、朝っぱらから口に出すのはもちろん文にするのもはばかられるようなまがまがしい記事など載せないでほしい。それはともかく、金利上昇懸念などあるのか。ウクライナ情勢次第で、世の中がひっくり返ることはあるかもしれない。

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 新報のとんでもない〝ミス〟を見つけたついでだ。業界各紙が伝えた東急不動産「ブランズタワー豊洲」の記事について小生の所感を述べる。

 まず住宅新報。同紙は次のように書いている。

 「東急不動産は、『ブランズタワー豊洲』(東京都江東区豊洲5丁目、総戸数1,152戸)を当初計画から約1年前倒しで完売した。来場者数は7,300組で、契約数が約1,100件と高い契約率だった。交通利便性が高く、東京湾岸が一望できる眺望が評価されており、湾岸マンションの人気が続いていることなどが要因。平均販売価格は、約8,000万円台後半(専有面積70㎡台)、平均坪単価410万円台で、周辺相場並みの水準。契約者は30歳代のファミリー層がメイン。会社員などの実需が多く、パワーカップルもいる。世帯年収は1,400~1,500万円ほどだった」

 3月7日付週刊住宅は次のようにある。少し長いが、そのまま引用する。

 「東急不動産とNIPPO、大成有楽不動産、JR西日本プロパティーズの4社が東京都江東区豊洲5丁目で開発・分譲した地上48階建て、総戸数1,152の超高層タワーマンション『ブランズタワー豊洲』が竣工した。
 分譲開始は2019年。販売に加速がかかるはずだった20年前半はコロナ禍に見舞われる一方、東急不動産を含む10社共同事業で東京五輪選手村として使用された『晴海フラッグ』(中央区、分譲街区4,145戸)の販売時期とも重なった。…全体の平均坪単価は416万円だった。当初から『晴海フラッグ』より1段高い設定だったが、その価格差を十分吹き飛ばすだけの魅力が備わった物件でもあった。他社物件との比較検討者の中には『中央区か江東区かのアドレスで悩む人がいた』一方で、『同じ豊洲エリア内でよりいい物件への買い替えを進める人も目立った』と東急不動産の担当者は話す」

 3月2日付のR.E.pootは次のように報じている。

 「東急不動産(株)は2日、2021年10月に竣工したブランド最大級の規模となる『ブランズタワー豊洲』(東京都江東区、総戸数1,152戸)を報道陣に公開した…。住戸は5~48階で、間取りは1LDK~3LDK、専有面積は約43~約227平方メートル。ボリュームゾーンは70~75平方メートルの3LDKで約600戸、100平方メートル以上の住戸も92戸用意した。46・47階はプレミアムフロア、48階はロイヤルプレミアムフロアとした。販売価格は、4,400万~5億7,800万円、平均坪単価410万円」

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 3紙を読み比べてみると、東急不動産は3月2日にメディア向け竣工見学会を行ったことが分かる。新報も週刊住宅もなぜかそれを伝えていない。事実関係は読者にきちんと伝えるべきだ。

 小生はこの見学会を取材していない。同社から声はかからなかったからだ。コロナの発生前後か、このところ同社から取材のお誘いがかからなくなった。プレス・リリースも送られてこない。

 理由は分からないが、同社の分譲事業について小生は「在庫が多い」「利益率が低い」「〝街づくりの東急〟として情けない」などの批判的な記事を書いているので、同社の覚えがよくないのか、あるいは冒頭のような〝下品〟なことを平気で書くのでメディアとして扱ってもらえないのかもしれない。お呼びがかかるような記事を書かないといけないと改めて考えた。

 これは東急さんに限らず、すべてのデベロッパー広報担当の皆さんにお願いだ。今回の「ブランズタワー豊洲」の事業説明会、モデルルーム見学会は取材しており記事にもしている。双方合わせてアクセス数は約5,000件に達している。これは少なくないはずだ。ときには辛辣なことも書くが、すべては〝記事はラブレター〟。愛するがゆえのメッセージだと受け止めてほしい。「豊洲」だって「愛」がテーマだったではないか。

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 3紙の記事で小生がもっとも注目したのは坪単価だ。モデルルームオープン時の記事でも書いたが、当時、業界では坪単価は400万円を切るのか上回るのかで論議されていた。小生は400万円台に乗るのは間違いないという印象を受けた。その通りとなった。新報とR.E.pootは坪410万円と書いているが、小生は週刊住宅が報じた坪416万円が正確な単価ではないかと思う。高層階の住戸が単価を引き上げているはずだ。

 不可解なのは新報の記事だ。「当初計画から約1年前倒しで完売」「契約数が約1,100件と高い契約率」とあるが、同社は完売まで竣工後1年かける予定だったのだろうか。竣工完売は想定外だったのだろうか。

 この点について小生は、湾岸ならどこでもいいと考える人は選択に迷うだろうが、立地が全然異なる「HARUMI FLAG」との競合はそれほどないと思った。江東区と中央区、陸続きでなく運河を挟むこと、入居時が異なること、熟成した街とそうでないことなどから、「豊洲」が坪400万円を突破しても「HARUMI FLAG」やその他「月島」「勝どき」などに負けることはないと考えた。関係者もそう判断したからこそ坪400万円に挑戦したはずだ。

 その直後、コロナで販売を中断させられたのは想定外で、販売の長期化も覚悟しただろうが、この物件に限らずコロナは販売促進にプラスに働いた。「HARUMI FLAG」の入居開始が1年延びたのも、豊洲購入を決断させる要因になったのではないか。

 「契約数が約1,100件と高い契約率」は意味不明。この文章だと残りは50戸くらいあると読めるが、完売したのだから契約数は1,152戸だ。どうしてそう書かない。新報はまた「坪単価は周辺相場並み」と書いているが、周辺には競合物件は一つもないどころか、豊洲の物件としてはこれまでにない最高値だ。記者の方が「相場並み」と判断するのは勝手だが、販売担当者は値付けに神経をすりつぶしているはずだ。少しは販売担当の苦労について気を配るべきだ。

 残念なのは、物件がいいのか悪いのか、記者の視点が記事には欠落していることだ。唯一、週刊住宅のみが「当初から『晴海フラッグ』より(価格が)1段高い設定だったが、その価格差を十分吹き飛ばすだけの魅力が備わった物件でもあった」と書いているが、その魅力を記者の視点で書いてほしかった。魅力は山ほどあるはずだ。

 いずれにしろ、今回の竣工完売は東急不動産の今後のマンション商品企画に大きな影響を与えると思う。「ブランズ」ブランドが向上することを期待したい。

「愛」をテーマに坪400万円に挑戦 7月下旬にモデルオープン 東急不ほか「豊洲」(2019/6/14)

東急不ほか 全1,152戸の「豊洲」事業説明会に40名超の報道陣 〝愛〟に反応(2019/2/18)

 


 

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東急不動産SCマネジメントが運営する「東急プラザ渋谷」は311日~27日、「ニッポンのいいお酒。第8回山梨ワイン」を開催する。

山梨県上野原市の後援で開催するもので、東急プラザ渋谷での地方自治体との協力は初めてで、イベントでは、山梨県上野原市にあるJR上野原駅南口に隣接するワインショップ「Wine wall Uenohara」がセレクトした山梨ワイン約100 種類を販売するほか、「60分試飲し放題」「3種類の飲み比べ」をワインソムリエの有資格者やワイナリースタッフからのアドバイスを受けながら楽しめる。

また、上野原市が勧める山梨県産のチーズやソーセージなどの加工食品をはじめ、数多くの物産品も販売する。

60分試飲し放題」は2,0003,500(税込)、「選べる3種飲み比べ」は2,500 (税込)

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 上野原市は「コモアしおつ」の取材で数回訪ねている。JR四方津駅は、高尾から中央線で22分、料金は418円。河岸段丘の眺めが素晴らしい相模川(桂川)の谷の部分に位置しており、「コモアしおつ」までは斜行エレベータでつながっている。

 イベントは、2時間ワインが飲み放題で2,000円~とは破格の安さだ。小生は3回目のワクチン接種を24日に済ませており、取材以外で外出することを控え、外食も行っていないが、これは取材を兼ねて一度訪ねてみよう。

 ワインといえば、三菱一号館美術館の隣にあるカフェバーがいい。客席はオープンなのでコロナも気にせず飲める。

〝宮脇檀さんにまた会えた〟 積水ハウス「コモアしおつ」(2013/9/14

 

 

 

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「COTOE(コトエ)流山おおたかの森」

 大和ハウス工業は3月7日、千葉県流山市の複合商業施設「COTOE(コトエ)流山おおたかの森」を4月27日(水)にオープンすると発表した。

 「コトエ流山おおたかの森」は、つくばエクスプレス・流山おおたかの森駅から徒歩4分に位置。物販棟(3階建て、延床面積:30,930㎡)と飲食棟(2階建て、延床面積:2,090㎡)の2棟から構成。食品スーパーと家電量販店を核テナントとし、ドラッグストアや各種専門店が出店する予定。


 

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