小中学も出展、花咲く和紙、むかつく酒、昆虫ビジネス、ホタテ殻…「SDGs Week」

Nano Cellulose Vehicle(ナノセルロースヴィークル)
昨日は、「SDGs Week EXPO 2022」見学取材でもっとも印象に残った、木製廃パレットや建築足場古材をヴィンテージ家具に変貌させる「PALLET HOUSE JAPAN」を紹介した。今日はとても嬉しくなったブースを紹介する。
見学を開始して1時間くらい経過したころか。出店者はわが国を代表する大企業や官公庁の大きなブースが競い合うように並んでいたが、一番隅っこに1ブース1坪くらいの大学・教育機関コーナーがあった。大半は全国の大学だったが、だからこそひときわ目立ったのは杉並区立浜田山小学校5年生と立命館慶祥中学校のブースだった。
浜田山小学校の「緑のカーテンをつくろう」プロジェクトは、SDGsの言葉すらなかった10年前から〝地球温暖化が大変だから〟〝わたしたちにもできることがあるはず〟として5年生(今年は133名)の教育プログラムに取り組んでいるもので、ゴーヤの土づくりから定植-摘心・誘引-温度測定-エコ調理まで行っている。活動を広げるため、育てたゴーヤの苗を各家庭に販売し、出展費用2万円をねん出しているというから凄いではないか。
ゴーヤの緑のカーテンづくりは、全国の小・中学校でも浸透しているはずだが、その成果・効果をきちんと報告しているところなんてあるのだろうか。
立命館慶祥中学校は北海道江別市に位置することから、市のPRに貢献しようと特産品などを紹介していた。生徒さんが来場者に説明する光景はなんとも微笑ましいものだった。

浜田山小学校5年生「緑のカーテンをつくろう」
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ドランカーの記者にとって、もっとも嬉しかったのは全国の棚田で生産された米を原料にした名酒が試飲できたことだった。1杯10ccで100円。「むかつく」「泣かす酒」「上勝」「棚田」の4銘柄を飲んだ。「むかつく」は山口県長門市の地名「向津具(むかつく)」で、「泣かす酒」も山口県周南市の「中須地区」に由来するというから面白い。ラベルだけで売れるのではないか。
日本の棚田共同展示コーナーでは、全国の美しい棚田212か所を紹介する家の光協会「全国棚田ガイド」(2017年刊)を正価2,500円のところ特別価格1,000円で買った。1か所見開き2ページで、美しい棚田の様々な情報が得られる。

試飲した日本酒
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絵画を趣味とする小生の興味を引いたのは、NTT ArtTechnologyのデジタル絵画だった。世界の名作49作品をデジタル処理し、光通信によって配信するサービス。見た目には本物とほとんど変わらない。オフィス、病院、その他の公共施設向けで、レンタルプランは初期費用が57,300円~、月額費用は80,000円~。価格が安くなれば一般家庭へも普及するかもしれない。

デジタル絵画
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山梨県身延町の和紙のものづくり技術に種子を漉き込んだ再生紙・シードペーパー「花咲く和紙」も夢がいっぱい詰まったアイデア商品だ。紙としての役割が終わっても、水に浸すと発芽し、花が咲き、土に還る。なんだかわれわれ人間の一生のように思えてくるではないか。
種子はなんでもいいわけではないとのことだが、太古の種子が発芽した例もある。そのうち何代も先の家族にメッセージとして贈る時代がやってくるかもしれない。

「花咲く和紙」
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昆虫ビジネスが脚光を浴びているようだ。今回の「SDGs Week EXPO 2022」でもコオロギ(オールコセイ)やバッタ(弘前大学)を養殖し、食用に利用するブースが展示されていた。コオロギのかりんとうを試食したが、少し硬く甘かったので酒のつまみにはどうか。ポテトチップスのようにスライスしたものは普及するのではないか。
バッタは、わが国でも佃煮として食用として利用されていた。エスカルゴ、ハチ、サワガニ、スズメ…などもそうだが、慣れないと食べられない。これが課題だ。

「コオロギは地球をすくう」
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甲子化学工業の廃プラスチックとホタテ貝殻を混ぜ合わせて製作したヘルメットのデザインが素晴らしかった。普通のヘルメットよりやや重く感じたが、様々な形態に加工できるそうで、いろいろな用途に応用できると思った。もう少ししっかり取材すべきだったか。カキ殻を消臭剤にしたブースもあった。

ホタテ殻を用いたヘルメット
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これまで小さなブースばかり紹介してきたが、このほかにも注目すべき出展は数えきれないほどある。環境省の電動部材すべてに次世代半導体材料 GaN(窒化ガリウム)を使用した電気自動車All GaN Vehicle(オールガンビークル)、車体に CNF(セルロースナノファイバー)を活用した Nano Cellulose Vehicle(ナノセルロースヴィークル)、住友商事マシネックス/近畿大学 リエゾンセンター/ナニワ炉機研究所による光合成に起因するほぼ全ての植物から形成できる固形燃料バイオコークス、エプソンの使用済みの紙から新たな紙を生産するオフィス製紙機「PaperLab」などには人だかりができていた。
「SDGs Week EXPO 2022」は、主にBtoBを対象とするイベントだからやむを得ないが、ハウスメーカー・デベロッパーの出展はほとんどなったのは残念だった。

バイオコークスのブース
全国24か所のホテルを有する大和リゾートの全株式 556億円で売却 大和ハウス
大和ハウス工業は12月8日、同社の100%子会社・大和リゾートの全株式・貸付債権をジャパン・ホテル・リート・アドバイザーズ(JHRA)がアセットマネージャーを務める恵比寿リゾートへ譲渡し、大和リゾートが運営するホテル「ロイトン札幌」を信託受益権化し、譲渡することを決定したと発表した。株式譲渡、債権譲渡の総額は556億円。譲渡実行日は2023年4月3日。
株式譲渡、債券譲渡について同社は、ホテル業界の環境変化、施設の老朽化、新型コロナの影響などから経営環境が大きく悪化していることから、「大和リゾートのホテルが持つポテンシャルを最大限に引き出すためには、ホテルを専門分野として不動産投資運用を行なう資産運用会社であるJHRAの専門的な知識やノウハウを活用することが大和リゾートの価値最大化とサステナブルな成長に資すると判断し、『ロイトン札幌』についても、事業展開における効率性を勘案した」としている。
大和リゾートは1973年設立。現在全国で24か所のホテルを運営。2022年3月期の売上高は188億円(2020年3月期は462億円)、経常損失56億円(同1億円)、純損失69億円(同10億円)。
日ハム新球場「Fビレッジ」内にワーケーションオフィス 三菱地所が開設
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「WORK×ation Site 北海道ボールパークFビレッジ」オフィス(完成予想図)
三菱地所は12月8日、北海道日本ハムファイターズの新球場「北海道ボールパークFビレッジ」内にワーケーションオフィス「WORK×ation Site 北海道ボールパークFビレッジ」を来年3月に開設すると発表した。施設は和歌山県・南紀白浜、長野県・軽井沢、静岡県・熱海、静岡県・下田、神奈川県・箱根に続く「WORK×ation プロジェクト」6拠点目。
施設は、北海道北広島市Fビレッジの新球場「ES CON FIELD(エスコンフィールド)HOKKAIDO」のレフトスタンドに位置する「TOWER 11(タワー・イレブン)」の延床面積82.8㎡。構成はパークサイド1室(46.7㎡)、フィールドサイド1室(36.1㎡)の2部屋。各部屋にWi-fi、プロジェクター、ホワイトボード、ディスプレイ、OAタップ、文具などを設置する。
同社は、フレキシブルなワークスタイルに対応する商品・サービスを提供するため2018年8月からワーケーション事業を展開しており、今回の施設はFビレッジ内での野球観戦をはじめとした様々なアクティベーションとのコラボレーションにより「イノベーション創出体験」「新たな観戦体験」を創造する。
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球場内でのこの種の施設は、三井不動産などが東京ドーム内のプレミアムラウンジをワークスペースとしてワークスタイリング会員向けに提供するのを取材している。アンチ巨人の記者だが、素晴らしい施設だと思った。横浜スタジアムにもあると聞いた。
北海道日本ハムファイターズの新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO」では、徒歩1分の日本エスコンのマンション「レ・ジェイド北海道ボールパーク」全118戸が分譲開始からわずか8か月で完売し話題となった。
また、デベロッパーの野球がらみの話題では、ヤクルト村上選手が三冠王を達成したことから、トップスポンサーである〝好立地、ぞくぞく〟のオープンハウスが「東京の家 3億円」をプレゼントして、3億円を超える広告・宣伝効果(記者の予想)をあげた。
購入者の4割が道外 日本エスコン 日ハム新球場に隣接マンション118戸完売(2022/9/21)
東京ドームをワークスペースとして提供 通年利用検討か 三井不動産ほか(2022/4/20)
村神様 祝56号!三冠王も確定 オープンハウス「1億⇒3億円の家」に大幅増額(2022/10/4)
「世界でうちだけ」 10年で半額、20年で全額買戻し PALLET HOUSE JAPAN

PALLET HOUSE JAPANのブース
12 月7日(水)~12月9日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催されている日本経済新聞社主催「SDGs Week EXPO 2022」を半日かけて見学取材した。会場の広さは約26,000㎡、出展ブースは350くらいあったか。一通り回った中でもっとも印象に残ったのは、産業廃棄物でもある木製廃パレットや建築足場古材をヴィンテージ家具に変貌させる事業を展開しているPALLET HOUSE JAPANのブースだった。
素晴らしい作品が展示されていた「WOOD DESIGN AWARD 2022」のコーナーを見た後だった。一見して廃材を利用したものであることが分かるテーブルに目が吸い寄せられた。「いいデザインですね」と声を掛けたら、大町浩社長は、記者が尋ねもしないのに次のようにまくし立てた。
「このような廃材を利用して家具を製作しているのは世界に2つ(もう一つはどこか話さなかった)。釘などが残っているので製品にするのは結構難しい。珍しい事業であることからテレビなどメディアで取り上げられるようになり、今年は11本。時間にしたら2時間超。昨年からだと18本。関西企業ではうちがもっとも露出度が高いでしようね。わたしは『吉本』出身で、坂田利夫の2番弟子(1番ではなかったようだ)」
肝心の値段を聞いた。「このテーブル? 15万円くらい。10年間使ってくれたら半額で、20年間なら売った値段で買い戻す特約付き。こんなことをしているのは世界中でもうちしかない。もともと廃材なので、全額で買い取っても再販できる自信がある」
なるほど。さすがもと芸人だ。落ちもある。「(会社が)潰れたらごめんね」

大町氏(こんなポーズを記者は注文したわけではない。念のため)

PALLET HOUSE JAPANのブースは日本ウッドデザイン協会のブースの隣にある
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同社のホームページで調べた。創業は2014年3月。「誰もやらない、誰もやれない」を理念に、世界的インテリアブランドを目指すという。本社所在地は大阪府東大阪市水走3-3-7、TELは072-966-8010、営業時間は年中無休(AM10:00 〜PM6:00)。
「坂田利夫」と言われても、あああの人かとしか思い浮かばない記者だが、日本だけではなく「世界初」の企業と巡り合うことができた。これも何かの縁か。現場取材はこれだから楽しい。「SDGs Week EXPO 2022」は3日間で6万人の来場者を見込んでいる。
「すべての人、すべての領域をにじませるのがアート」 三菱地所&東京藝大 連携協定
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吉田氏(左)と日比野氏(提供:三菱地所)
三菱地所と東京藝術大学は12月6日、包括連携協定を12月5日に締結したと発表。産学連携を強化することで、大手町・丸の内・有楽町エリア(大丸有)で、アートが有する力を介することで企業・個人のクリエイティビティを高め、ビジネスアイディアの発見と新しい産業の創出を促進するのが目的。
今後、大丸有エリアでの「藝大アートセンター」構築に向けて、双方のリソースを活用し、ビジネスセンターに求められるアートの役割について研究し、社会人・学生向けプログラムを研究・提供する寄附講座を開講する予定。
両者は2007年以来「藝大アーツイン丸の内」を開催しており、様々なアートイベントでの連携を深めてきた。
三菱地所執行役社長・吉田淳一氏は「藝大との協業をより一層強化し、双方の知見・ノウハウを活用すると共に、アートを触媒として、大丸有エリアに立地する企業や近接するアカデミアとの連携・協業を推進することで、日本の豊かな未来を創造していく」とコメントしている。
東京藝術大学学長・日比野克彦氏は「三菱地所と藝大の目指す社会は、イメージする力を基盤に構築していくという共通したところがある。三菱地所が持つまちづくりの知見を元に、丸の内地域でのアートアクションの実践や、アート×エコビジネスによるアート・リーディングプログラムを作り、社会的課題の解決へ、そして未来の地球へ貢献していく。アートは個々の違いをそれぞれの特性として認識し、その差異がひとりひとりの心を動かすことができるもの。すべての人たち、すべての領域を滲ませることができるのがアート」とコメントしている。
本日COP15開幕 生物多様性の情報開示焦点 積水ハウスのフォーラムから

「都市の生物多様性フォーラム」(左からアナウンサー木佐彩子氏、八木氏、菊池市、河村氏、仲井氏、村松氏、今森氏、河口氏=神田スクエアで)
積水ハウスが11月30日に開催した「都市の生物多様性フォーラム」をアーカイブで視聴した。12月7日(日本時間8日)にカナダで開幕するCOP15(生物多様性条約第15回締約国会議)第2部を見据えた基調講演やディスカッションが行われた。同フォーラムは昨年11月の第1回に続く第2回目。
基調講演では、積水ハウス代表取締役社長執行役員兼CEO・仲井嘉浩氏は、同社「5本の樹」計画と琉球大学のビッグデータシステムを共同検証し、世界初の都市の生物多様性の定量評価システム「ネイチャー・ポジティブ方法論」をオープンデータ化してから1年経過したことを踏まえ、「この1年間で予想外の嬉しい取り組みが3つあった。一つは都市緑化機構さんと連携して企業緑地の生物多様性評価を強化すること、二つ目は教育分野への展開、三つ目は東京大学とのウェルビーイングの共同研究が始まったこと」などと同社の生物多様性の取り組みが前進していることを報告した。
これを受け、国際自然保護連合日本委員会事務局長・道家哲平氏は、多くの国・団体から「情報開示義務がなければ、政府も企業(金融)も、目隠しして空を飛ぶようなもの」との声があることを紹介し、COP15では企業の生物多様性の取り組み状況を開示し、義務化すべきという論議が行われる可能性を示した。
このほか、環境省大臣官房 総合政策課 環境教育推進室長・河村玲央氏は同省の環境教育プログラムについて、都市緑化機構企画調査部主任研究員・菊池佐智子氏は同機構の「SEGES(シージェス)」の「育てる」「都市オアシス」「計画(つくる緑)」についてそれぞれ報告した。
このあと行われた、積水ハウスESG経営推進本部環境推進部スペシャリスト・八木隆史氏が司会役とする、写真家・今森光彦氏、千葉大学非常勤講師でNPO法人生態教育センター理事、生態計画研究所主席研究員・村松亜希子氏、立教大学特任教授で不二製油グループ本社CEO補佐・河口眞理子氏3氏によるディスカッションでは、生物多様性の取り組みは点から線へ、さらに面的に広げなければならないことが強調された。

仲井氏
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フォーラムの全てを紹介する余裕はないが、出身地・大津市の45年間も管理が放棄された、シカやイノシシも避けて通る山林や耕作放棄された農地を取得し、自ら農業も行っている写真家の今森氏が興味深いことを話されたので紹介する。
今森氏は写真を撮るときは被写体と距離を置き、冷静な目で俯瞰的、鳥瞰的に眺め、そしてその被写体の中に入り込むようにして、中から見える世界を切ると話した。そうすると自然と人間の関係性がよく分かるのだという。
記者が好きな作家・丸山健二氏は、同じようなことを語っている。丸山氏は、小説を書くうえでもっとも大事なのは人間やものを徹底して観察することだとし、例えていえばカメラだと話している。サングラスをかけているのは、目を保護するためでもあるが、じろじろ眺めていることが相手に悟られないからだという。丸山氏の小説には、人間だけでなく動植物、あるいは無機物を主人公にしたものが多い。
生物多様性を考えるとき、今森氏や丸山氏のような視点が必要だと思う。人間と自然界の関係性をしっかり捉えることだ…小生などは自分の物差しでしかものごとを測れないが…。
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演壇に飾られていた樹木がまた素晴らしい。同社に樹種を聞いた。シラカシ、アオキ、コナラ、イスノキ、ナンテン、サツキツツジ、ユズリハ、ハクサンボク、アセビ、タブノキ、カクレミノ、ソヨゴ、アオダモ、アカマツ、ドウダンツツジ、シャリンバイだそうだ。
立地にふさわしい防音室、循環ライブラリ 三井不レジ「文京本駒込」人気

「パークホームズ文京本駒込」
三井不動産レジデンシャルが分譲中の「パークホームズ文京本駒込」を見学した。駒込駅から徒歩5分の全88戸で、入居者の読み終えた本を貸し出す「循環ライブラリ」のほか、ワークスペース、ピアノ・楽器の練習ができる防音室を備えているのが特徴で、第1期44戸が完売。好調なスタートを切った。
物件は、山手線駒込駅から徒歩6分、東京メトロ南北線駒込駅から徒歩5分、文京区本駒込5丁目の商業地域・第一種住居地域(建ぺい率96.55%、容積率566.57%)に位置する14階建て全88戸。第1期2次(4戸)の登録受付は2022年12月9日(金)~12月9日(金)、抽選日は12月9日(金)。価格は1億458万円~1億4,758万円、専有面積は65.43㎡(1戸)・74.67㎡(2戸)・77.80㎡(1戸)。入居予定は2024年4月上旬。施工は村本建設。
物件ホームページを7月に立ち上げ、案内は10月にスタート。11月25日に分譲した第1期44戸(専有面積57.83~90.52㎡、価格9,058万~20,858万円)が完売。第1期の坪単価は560万円。購入者は子育てファミリーが中心。これまでの反響は2,000件超。
現地は、イチョウ並木が美しい敷地南側の不忍通りに接道しているほか、西側、北側、東側(一部)に接道。建物は内廊下方式で、標準階の住戸は6~7戸、最上階は5戸。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ、ディスポーザー、食洗機、キッチン・洗面フィオレストーン天板、食器棚、床タイルなど。
同社都市開発二部事業室・中村信介氏は、「小学校の通学校が文京区内でも人気が高い『3S1K』(昭和小・誠之小・千駄木小・窪町小)の昭和小学校という立地に対する子育てファミリーの評価が高く、電子ピアノを備えた防音室や『循環ライブラリ』などの共用部施設も支持されています。競合物件は多くありません」と語った。

基壇部の外観デザイン
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ワークスペースや防音室、「循環ライブラリ」の共用施設がアッパーミドルの子育てファミリーに受けているのだろう。坪単価からして大半は1億円超の価格だが、凄い売れ行きだ。
インター・プロデュースの澤村正人氏による三層構成のデザインがいい。とくに書架に蔵書が並ぶシーンをモチーフにした基壇部がとても印象的だ。また、1戸1戸のプランもよく練られているのも人気の要因の一つだと思う。ワイドスパンが中心で、北向きだが57㎡のプランでも間口は7770ミリ。よくある田の字型はひとつもない。

循環ライブラリ

現地(クレーンの立っている部分)
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三井日本橋タワー5階に設けられている同社の日本橋サロンを訪ねるのは初めてだったが、同業他社の常設モデルルームと比較して勝るとも劣らないのは間違いない。
全体の広さは数百坪ありそうで、受付カウンターは江戸切子のデザインがあしらわれており、ラウンジ正面には「三井」の象徴でもある越後屋の店章(家紋)が染められた幅5mはありそうな暖簾が目を射た。日本橋を中心に忠実に再現したジオラマも目を引く。床も突板仕上げ。接遇スペースのテーブルは本物の原木で、椅子も本革張り。
これだけで来場者を圧倒するはずだが、74㎡のコンセプトルームの基本スペックも価格に見合うレベルだし、華美でないカラーリング・デザインも優れている。

「三井の住まい 日本橋サロン」

接遇スペース
入居者の読み終えた本を貸し出す「循環ライブラリ」 三井不レジ「文京本駒込」(2022/8/6)
会話ができ、音も香りも風も吹く 日本橋「未来ののれん展」11/11まで開催(2019/11/2)
全て疑ってかかれ メディア・リテラシーの基本原則を忘れていないか

全て疑ってかかれ-メディア(記者)の基本だ。マス・メディアであろうと個人がSNSを通じて発信する情報であろうと、その情報は発信者によって編集され、そこには何らかの意図・企みが隠されており、受け手は発信者が企図するものを読み取り、批判的に読み取らなければならない-メディア・リテラシーの原則だ。
なぜ、こんなことに触れるか。デベロッパーもメディアも評論家も、マンション市場を語るとき、その論拠に必ずと言っていいほど不動産経済研究所(不動研)のマクロデータを利用し、受け手もまたそのマクロデータを無批判に受け取っているのではないかという疑問を小生はずっと抱いているからだ。
断っておくが、不動研のデータを鵜呑みにするなと言っているのではない。同社のデータは、マンション市場を把握するにはとても貴重な資料だ。ただ、同社のデータは全体像の一部を捉えたもので、全てではないことをわれわれは忘れてはいけない。
それがいいか悪いかはさておき、同社の調査対象は専有面積が30㎡以上で、30㎡未満のワンルーム・投資向けマンションや1棟売り、最近増加している再開発物件の地権者住戸などは調査対象外になっている。(同じような調査は、不動研のほかに東京カンテイ、工業市場研究所なども行っており、東京カンテイは30㎡未満も調査対象に加えており、工業市場研究所は最近はほとんど供給されなくなった公的機関のマンションなども対象にしている)
別表・グラフを見ていただきたい。国土交通省の首都圏マンション着工戸数と不動研の首都圏マンション供給戸数の推移を比較したものだ。国交省の調査は着工時点での数字で、その後、賃貸用に用途変更されたり、確認申請が取り消されたりしたものまで追跡調査していない。一方で、不動研は上述したような条件を付しており、着工と分譲開始には1~3年くらいのタイムラグが生じるので着工=供給という意味ではない。
それにしても、戸数の乖離率(着工を100とした場合の不動研のカバー率)が著しいと皆さんは感じないだろうか。例えば、2013年。着工戸数は約6.8万戸であるのに対し、不動研は約5.6万戸(カバー率83.0%)だ。
それ以降のカバー率はほとんど50~60%台で推移しており、2020年は着工約5.4万戸に対して不動研は約2.7万戸で、カバー率は50.5%となっている。当時、メディアは不動研のデータをそのまま報じ、マンション低調・退潮イメージを拡散した。2010~2021年で見ると、着工戸数約73万戸に対して、不動研は約48万戸で、約25万戸の差(カバー率65.3%)がある。
しかし、マンションの着工戸数は減少しているが、分譲戸建てが増加したため分譲住宅はそれほど減少していない。中古マンションの成約件数も最近は新築を上回っている。
ここに注目する必要がある。情報発信者も受け手も分譲戸建てや賃貸市場を含めたもっと広い視野で眺めないといけない。消費者の視点からすれば、本来は新築であろうと中古であろうと、マンションであろうと戸建てであろうと、あるいは賃貸であろうと、自らのライフスタイル・ステージにふさわしい住宅を自由に選択できるのが理想的な姿だ。それを阻んでいるのは何かも考えたほうがいい。
着工戸数と不動研の供給戸数の乖離については、2022年9月の記事で次ぎのように書いた。
「記者は、当初分譲予定だったのをリートなどに1棟で売却する戸数は年間3,000~5,000戸、地権者向け・事業協力者向け住戸は年間7,000~10,000戸、30㎡未満のコンパクト・投資用は7,000~9,000戸、合計年間17,000~24,000戸くらいあるとみており、この数字を加えるとほぼ住宅着工戸数と一致する」
メディア・リテラシーの基本に立ち返る必要性を最近強く感じているので書いた。
マンションの質の退行・劣化、着工戸数の捕捉率、新築・中古の価格などを考える(2022/9/5)
16年ぶり分譲が持家を上回るか 地方のマンションにも注目 国交省 10月住宅着工
国土交通省は11月30日、2022年10月の新設住宅着工戸数をまとめ発表。総戸数は76,590戸(前年同月比1.8%減)で3か月ぶりの減少。利用関係別内訳は持家21,834戸(同18.7%減)で11か月連続の減少、貸家31,996戸(同7.3%増)で20か月連続の増加、分譲住宅21,841戸(同4.8%増)で3か月連続の増加。分譲住宅の内訳はマンション9,298戸(同10.2%増)で3か月連続の増加、一戸建住宅12,462戸(同1.4%増)で18か月連続の増加となった。
首都圏マンションは4,633戸(前年同月比37.9%増)で、都県別では東京都3,359戸(同62.5%増)、神奈川県344戸(同33.1%減)、埼玉県274戸(同60.6%減)、千葉県656戸(同690.4%増)。
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記者が注目しているのは、持家と分譲住宅の着工戸数だ。1~10月では持家は212,008戸(前年同期比10.7%減)で、分譲住宅は214,645戸(同5.6%増)となっており、分譲住宅が2,637戸上回っている。残り2か月。分譲住宅が持家を上回れば2006年(平成18年)以来16年ぶりとなるが…。
もう一つの注目点は近畿圏とその他地方のマンションの着工戸数だ。今年1~10月では、近畿圏は20,704戸(前年同期比16.0%増)で、その他地方は20,591戸(同19.4%増)と拮抗している。
その他地方の着工戸数が近畿圏を上回ったのは平成20年以降で平成20年、同29年、令和3年の3度ある。今年はどうなるか。
富裕層向け、地方展開、JRとの連携に注目 野村不HD 住宅事業ミーティング

「住宅事業スモールミーティング」(新宿野村ビルで)
野村不動産ホールディングスは11月30日、メディア向け「住宅事業スモールミーティング」を実施し、野村不動産取締役兼専務執行役員 住宅事業本部長・中村治彦氏と同社常務執行役員 住宅事業副本部長・吉村哲己氏が最近の住宅市場や同社の事業などについて約1時間半にわたり説明した。
全般的なマンション市場については、民間調査機関のデータを示しながら好調に推移していると話した。野村不動産HDの2023年3月期第2四半期決算でも、分譲住宅の契約戸数は2,446戸(前年同期比+400戸)となり、計上予定売上高2,800億円程度(前期は2,840億円)に対する契約進捗率は93.8%と好調に推移していることを裏付けた。
同社の顧客動向では、首都圏マンション購入者の平均年齢が38.8歳に対し、同社は41.7歳で、世帯年収1,200万円超の世帯が増加傾向にあるとし、とくに「1億円超などの高予算顧客」が増えているとした。1~1.5億円の購入者は、会社員で5割、30・40代で6割、共働きは4割となっており、高額住戸が多い同社2物件でみると7割が駐車場を希望しない「堅実層」が目立つという。
顧客ニーズの傾向では、テレワークの二極化により、「エリア」「駅距離」「広さ」などの趣向性が多様化しているという。
住宅購入マインドは、首都圏の7割が取得に前向きであるとしながら、エリアによっては支払い余力に差が出始めており、注視が必要とした。環境配慮型住宅への意識は8割が持っているが、予算オーバーでも購入する層は約6%にとどまっていると説明した。
今後の展開については、全国で年間4,000~5,000戸供給を継続し、住まいの総合サイトの開設、販売センターの拠点化を進める。来年1月には新宿に販売センターを開設する。
今後の住宅市場動向では、価格動向、建築費動向、金利動向、住宅ローン控除の改正、コロナによるニーズの変化、ライフスタイルの多様化に注目しており、富裕層が増加していることから高額物件専門の部署を設けたことを明らかにした。
脱炭素の取り組みでは、ZEH仕様の「プラウド向ヶ丘遊園」、低炭素住宅認定の「浦安市日の出四丁目Ⅱ計画」などを来年に分譲する。
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歳をとったせいか、コロナの影響か、どうも最近の小生の記事はキレがなく、冗長・冗漫に流れると自覚しているのだが、その舌の根も乾かぬうちにその愚痴から。
同社のマンションや分譲戸建ては「コープ野村」の時代を含めて40年以上、年間少なくとも10物件は見学してきたのだが、今年は5物件くらいしか見ていない。旧聞のマクロデータを示されたって〝そうなの〟と頷くほかなかった。
やはり〝プラウド〟は他社とどこがどう違うのかをもっと話してほしかった。全館空調「床快Full」と樹脂サッシを採用した「亀戸」は市場を激変させたように、同社のマンションは絶えず市場をリードしてきた。同社もまたメディア向け見学会を頻繁に行ってきたではないか。
まあ、愚痴はこれくらいにして、記者は高額物件専門の部署を新設したことに注目している。野村総研のデータによると、2019年の純金融資産保有額1億円以上5億円未満の世帯は124万世帯で、全体の2.30%を占め、純金融資産保有額5億円の世帯は8.7万世帯で、全体の0.16%となっている。数字は年々上昇している。
2020年以降のデータは示されなかったが、記者は毎年、東京都港区の課税標準額が1億円以上の納税者の推移を調べており、今年度は前年度比241人、23.9%増の1,250人となり、この層の所得割額総額も前年度比65.8%増の約280億円となり、高額納税者数、所得割額とも過去最多だった2020年水準を大幅に更新した。アッパーミドル層も漸増している。
同社は具体的にどの程度の層をターゲットにしているか明らかにしなかったが、記者は坪単価にして1,000万円以上、30坪として3億円以上を視野に入れているのではないかと想像する。高額マンション市場では、同社は三井不動産レジデンシャルや三菱地所レジデンスの後塵を拝している。沓掛英二社長は地団太を踏んでいるのではないか。
もう一つ注目しているのは地方展開だ。同社はこれまで東京圏、関西圏、中部圏を中心に展開してきたが、最近は首都圏に近い政令指定都市や中核都市での供給を増やしており、今期計上予定戸数4,300戸のうち地方は800戸を予定している。同業他社も地方での攻勢を強めているが、同社としては〝プラウド〟のプライドが許さないはずだ。地方でもトップブランドを目指すとみた。
ミーティングで質問することを一つ忘れた。マンションだけでなくオフィス事業などでJR各社とのJVを増やしていることだ。JR各社も鉄道事業が伸び悩むのは間違いなく、今後は社有地の活用や駅ビル再開発など加速させるためにはデベロッパーとの連携は欠かせないはずだ。同社とJR各社の動向に注目したい。
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