RBA OFFICIAL
 

入社おめでとうございます。皆さんを心から歓迎します。
三井不動産グループの歴史は、日本の経済・社会の発展とともに、その時代の「パラダイム転換」を捉えた、新たな「価値創造」の歴史です。現在は、DX、GXを積極的に進めることにより、様々な社会課題を街づくりを通して解決するスマートシティの実現に取り組んでいます。新たな価値創造に果敢にチャレンジし、常に自らのビジネスをイノベーションすることが、当社グループのDNAであります。
 入社にあたり、皆さんに期待すること、心掛けていただきたいことは、以下の5点です。
 まず「自立した個人」になること。自分が仕事を進めていくうえで一番大事にしなければならないものは何かなどを自分で確立し、自分の行動の結果には自分で責任を負い、高い志を持って自己実現を果たしてください。
 二つ目は、「幅広い視野を持つ」こと。変化のスピードが速いダイバーシティの現代において、自らの可能性を最大限に伸ばしていくためには、人間としての知識と経験の幅を広げていかなければなりません。社内外・世代を問わず、「人との交流」「出会い」を大切にし、物事を見る視野・人間の幅を「外向き」志向で広げてください。
 三つ目は、「チャレンジスピリットを発揮する」ということ。既成概念が通用しない現代においては、皆さんのフレッシュな発想が大きな強みになります。ただ、今までやってきたことを変えようとしたり、新しいことをやろうとすると、大きなリスクを伴います。そういう時こそ、当社グループのDNAであるチャレンジスピリットを発揮していただきたいと思います。
 四つ目は、「健全な心身を保つ」こと。常に心と身体の健康を保てるよう、十分な自己管理を心掛けてください。当社は、多様な人材が自分にあった働き方でその能力を最大限発揮できるよう「働き方改革」に取り組んでいます。労働時間に制約があるという前提で、限られた時間で最大限の成果をあげ、それ以外の時間は、家族と過ごす時間も含め「個人を豊かにする時間」に充てようというものです。それが、個人としての人間の幅を拡げ、ひいては会社の組織としての力を強くすることにつながり、さらには社員の心身の健康を守ることにもつながるからです。
 そして最後は、「社会人としてのコモンセンスを持つ」こと。世の中の不祥事のほとんどは、常識の欠如に起因するものです。「コモンセンス」がしっかりしていれば、ごく自然に法の精神や考え方が理解できるはずです。
 新型コロナウイルスについては今なお収束に至っておりませんが、ワクチンや治療薬、感染防止対策に加え、ウイルスの弱毒化と相まって、いずれインフルエンザ並みの病気となって収束していくと思われます。当社事業についても大きな影響がありましたが、大部分は一過性のものであって、我々にとって大事なのは、コロナ禍がもたらした人々の暮らし方・働き方の不可逆的な変化を的確にとらえてビジネスを革新していかなければならないということです。
 それは一言でいうと、デジタルとリアルの最適な組み合わせを考えるということ、そしてデジタル技術で代替できないリアル空間の価値を最大限に高めるということだと思います。今年度はポストコロナ新時代のビジネスモデルの確立を最大の経営課題と位置付けています。
 当社の行っている事業は、社会的意義が大きく、人々に夢と感動を与えられる産業です。当社グループが、魅力あふれる企業グループであり続け、今後もたくましく成長していけるよう、共に頑張りましょう。

 

 三井ホームへの入社、誠におめでとうございます。三井ホームを代表して、心より歓迎いたします。

 当社は、1974年の創立以来、ツーバイフォー工法を専業にする道を選び、その普及と拡大に努め、日本に家づくりの新しいスタンダードをもたらしました。加えて、ツーバイフォー工法のリーディングカンパニーとして品質を磨き続けた結果、三井ホームの家は、日本の気候風土により適した「プレミアム・モノコック構法」という独自の形に進化を遂げました。

 当社の「住まいづくり」における哲学は、お客様の「住まいに対する想い」を、一つひとつ丁寧にカタチにすることです。そして、三井不動産グループ共有の「経年優化」という思想を背景として、「住まうほどに美しく、街全体の豊かさにもつながる」住まいを作ることです。当社は、これまでに24万棟超の建築実績を通じて「安心・ 感動・満足・豊かさ」という高い価値を提供してきましたが、今後は急速に変化する社会経済情勢において、注文住宅事業で培った自社の強みと、三井不動産グループとの連携を活かした総合力で、施設系事業・ストック事業・海外事業へと事業領域を拡大し、力強く継続的な成長を目指します。

 また、三井不動産グループはESGならびにSDGsを重要な経営戦略と位置づけ取り組みを強化していますので、CO₂排出量の少ない 木造建築を主要な事業とする当社は、脱炭素化に向けた取り組み「GX(グリーントランスフォーメーション)」 を追い風にしなければなりません。

 昨年11月に竣工した日本最大級の木造5階建てマンション「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」は、当社が長年培ってきた木造建築技術を活かし業界に先駆けた戦略的なGX商品であり、今後も「MOCXION」の全社的な展開を推進していきます。

 皆さんは、今日から三井ホームの一員であると同時に、三井グループの一員となります。「三井」ブランドには、江戸時代からの先人たちの確かな仕事ぶりによって、社会に認められた「高い信頼」があります。また、三井のDNAには、失敗を恐れず新しいことにチャレンジする「フロンティアスピリット」が受け継がれています。このブランドを担う誇りと責任を持ち、失敗を恐れずに仕事に取り組んでください。

 新たに社会人となる皆さんに目指していただきたいことは「プロフェッショナルになる」「信頼される人間になる」ということです。プロフェッショナルとは、その分野において「一流の仕事をする人になる」という意味で、豊富な専門知識を身につけ、実務能力を極め、期待を超える仕事をすること、そして顧客志向を徹底することではないかと思います。そして、どのような仕事をする上でも、一人の人間として、「信頼を得る」ことを目指してください。信頼というその財産が、多くの場面で皆さんを助け、力を与えてくれるはずです。

 当社には、皆さんが自分を成長させ、自分の可能性を広げる機会が沢山あります。

 「高品質な木造建築の提供を通して、時を経るほどに美しい、持続可能なすまいとくらしを世界に広げていく」当社のパーパス(存在意義)を共に実現し、「三井ホーム」というブランドをさらに輝かせていきましょう。


 

 

 当社は三菱地所グループの基本使命である「まちづくりを通じた社会貢献」を実現するため、まち全体や地球環境へも配慮しながら、住まいづくりに取り組んでいる。

 2021年度は新型コロナウイルス感染症の継続的な流行により、予断を許さない状態が続いていたが、マンション市場は引き続き好調に推移し、賃貸事業、投資アセット開発事業、リノベーション事業や海外事業が着実に成長していることから、会社発足以来の過去最高益を達成する見込みである。これは社員一人一人が、それぞれの業務を全うした結果だと感じている。

 しかし当社は現状に満足せずに、それぞれの事業を成長させつつ、今後もリーディングカンパニーとして先頭を走る企業でありたいと考えている。ライフスタイルの変化や多様化が加速する中で、時代の変化にいかに柔軟に対応できるかが成長のカギだと感じている。この変化局面をチャンスと捉え、様々なことに挑戦していきたい。

 SDGs達成に向けた取り組みについても、全社員一丸となってさらに加速させていく。本年1月には、業界のトップランナーとして脱炭素社会の実現に貢献するため「CO2排出量削減 戦略」を策定し、CO2排出量を2030年までに2019年比で50%削減するという目標を掲げた。今後はマンションのZEH化も推進し、お引き渡し後もお客様とともにCO2削減を目指し、環境を大切に暮らしている実感を持っていただけるような住まいづくりを目指す。

 住まいにおいては、資産性に加えて住み心地の重要性が増してきている。「メリット」となるマンションの特長だけでなく、そのマンションでどのような暮らしを実現できるかという「ベネフィット」が重要である。

 お客様に選ばれ続けるには、従来のやり方に固執せず、視野を広く持つことが必要になる。

 自分で考え判断し行動・実践できる力を養い、生活目線を取り入れたユーザーインの発想のもと、マニュアルや慣例に捕らわれず、事業にとって、お客様にとって何が良いことなのか考えて、誇れる仕事をしていこう。そしてこれから成長する上では、自分の感性や工夫を作り出して、自分なりの味付けをして仕事を仕上げていくことを大切にしてほしい。皆さんの活躍を期待している。


 

 

 三菱地所グループは、2030年を目標に「長期経営計画2030」を策定し、事業を推進している。時代の変化をチャンスに変えていく企業グループへの変革を目指しており、新しい領域にも積極的にチャレンジしている。

 新型コロナウイルス感染症の継続的な流行による環境の変化は激しく、これまでの成功体験が役に立たない時代になった。新入社員の皆さんにはこれから様々なことを学んでいただくが、基礎が分からないから意見を言っていけないということはない。チームの中で様々な視点を持って遠慮なく発言し、議論を深めて、より良い価値を世の中に提供していただきたい。

 まちづくりは、100年後を見据えた長期的な視点が必要となる。まちを利用するお客様や働く方々といった様々なステークホルダーと連携しながら、サステナブルにまちを育てていくという観点が欠かせない。また、仕事をするうえでは「誠実・信頼」を常に念頭においてほしい。


 

 

 新型コロナウイルスの感染拡大やウクライナ問題など、私たちを取り巻く環境は先行きが読みづらい状況になっています。これまで、日本経済は長い間、物の価値が上がらないデフレの時代でしたが、昨今の原材料高などの状況を見るとインフレ傾向になってきています。住宅業界にもこの傾向はすでに表れており、今後、局面ごとに難しい判断に迫られることも想定されます。是非、新入社員の皆さんと一緒に様々な難局を臨機応変に乗り越えていきたいと思います。
 社会人となった皆さんには、自己投資をお願いします。特に新聞の購読と資格取得とお願いします。新聞は、自分が興味のない分野でも俯瞰的に紙面を見ることで、時代背景が理解できたり、一見関係がないように見える記事でも繋がっていることに気が付いたり、仕事に直結することがあります。資格取得は業界の知識やルール、法律を学ぶことができ、プロとしての知識と知恵と力量を身に付けることができます。
 今日から、皆さんが社会人として世の中の役に立つ本番がスタートしました。採用選考の過程において、ポラスグループで頑張れる、プロとして活躍できると判断した方々を採用させていただいておりますので、今後大きく成長する皆さんと一緒に仕事をすることを楽しみにしています。そして会社だけでなく皆さん一人一人が各分野で成功されることを期待しております。

 

【最高の価値を提供してきた60年】

 新入社員の皆さん、本日は入社おめでとうございます。

さて、皆さんは本日から社会人となったわけですが、社会人になるということはどのようなことでしょうか。
 皆さんは今まで学生として様々なことを学び、体験して社会人になる準備をされてきたと思いますが、学生の時と違い社会人になるということは、世の中に対してある価値を提供する立場になったということです。
 価値というのは様々な価値がありますが、皆さんが積水ハウスグループに入社されたということは、積水ハウスのブランドや技術、先輩達が構築してきた顧客基盤などを活用してお客様に対して価値を提供していく、そういう立場になられたのだと考えています。そして、これから皆さんと一緒に多くの価値を世の中に提供していきたいと思います。
 当社は戦後の高度経済成長期に入った1960年に創業しました。当時はまだ非常に住宅難であり、それを救いたいということで工業化住宅にチャレンジすべく創業した会社です。創業から30年間である第1フェーズの1960年~1990年では、耐震性能や防火性能、耐風圧性能、耐衝撃性能のような住まい手の命と財産をいかに守るか、そういう研究を重ね提供してきました。1990年~2020年までの第2フェーズでは「快適性」を提供してきました。
 断熱性能や、お年寄りからお子様までに優しいバリアフリー、ユニバーサルデザインの研究などです。特に断熱性能に関しては進化を続けた結果、世界最多のネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの販売実績に繋がり、これが第2フェーズ30 年間の功績になりました。
【これからの30年ビジョン “「わが家」を世界一幸せな場所にする。”】
 そして2020年から第3フェーズが始まっています。第3フェーズからのグローバルビジョンとして“「わが家」を世界一幸せな場所にする”を掲げ、「幸せ」を提供していこうと考えています。
 グローバルビジョンでは、サブビジョンの一つとして「ハード・ソフト・サービスを融合し幸せを提案」することを掲げています。「ハード」は断熱性能や耐震性で、「ソフト」では生活提案を進めています。
 今好評なのが、「Family Suite」という大空間リビングでの新しい家族の住まい方提案で、住まい方に共感をいただいた多くのお客様に採用いただいています。「サービス」は幸せに資するサービスを考えており、幸せを「健康」と「つながり」と「学び」の3つに因数分解しています。
 これらのサービスを提供する「プラットフォームハウス構想」では、中でも健康が重要と考え、住宅内の非接触のセンシング技術により脳卒中や心筋梗塞を早期発見し、急性疾患から救う「HED-Net」の研究を進めています。
 このような健康に関するサービスを住宅業界としても積極的に提供していきたいと考えています。
【キーワードは「イノベーション&コミュニケーション」】
 このような第3フェーズの価値提供へ向けての社内のキーワードは「イノベーション&コミュニケーション」です。
 住宅を通じてお客様にどのように「幸せ」を提供していくのかというアイデアを常に考えていれば、イノベーションは起こるのではないでしょうか。皆さんのアイデアをコミュニケーションとりながらブラッシュアップしていくと、それが一つの事業になる可能性もあります。どのような「ハード」「ソフト」「サービス」を提案していくべきなのか、皆さんにも積極的にアイデアを出してイノベーションを起こしてほしいと思います。

 今年から新たな人事制度もスタートします。年功序列ではなく価値を提供するスキル、ノウハウ、経験によって評価が反映される当社独自のオリジナルな人事制度です。住宅業界では、建築、不動産法規や、ファイナンシャルに加え「ソフト」や「サービス」に関することまで非常に多岐に渡る勉強と知識が必要になります。新たな価値の提供に向けてこれから一つひとつスキルを積み重ねていただければと思います。
 最後になりますが、お客様に幸せを提供するためには、まず皆さんが幸せになっていただきたいと思います。
 皆さん自身が自律的にキャリアを伸ばし、スキルを高めていくことが重要です。“「わが家」を世界一幸せな場所にする”の実現に向けて一緒に頑張っていきましょう。

 

sentence_sct02_img01.jpg
「エクセレント ザ タワー」(右側は新日本建設の14階建て賃貸棟)

 新日本建設など5社JVの「エクセレント ザ タワー」(397戸)を見学した。千葉駅の中心市街地の千葉パルコ跡地に建設中の31階建て商・住一体再開発マンションで、第1期1次100戸が即日完売するなど人気を呼んでいる。坪単価は270万円。全国に20ある政令指定都市の中では最安値圏レベルだ。

 物件は、JR千葉駅から徒歩9分、千葉都市モノレール1号線葭川公園駅から徒歩2分、千葉市中央区中央二丁目の商業地域(許容建ぺい率80%、許容容積率800%)に位置する敷地面積約3,877㎡の31階建て全397戸(事業協力者住戸6戸含む)。4月中旬に分譲予定の第2期(戸数未定)の専有面積は32.44~100.84㎡、予定価格は2,800万円台~1億500万円台(最多価格帯4,900万円台)。坪単価は270万円。建物竣工予定は2023年12月中旬。売主は同社(事業比率60%)のほか中央日本土地建物(同15%)、あなぶきホームライフ(同10%)、長谷工コーポレーション(同10%)、東方地所(同5%)。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

 モデルルームオープンは1月中旬。これまで約600組の来場者があり、うち15~18%は都内居住者。都内居住者は、価格・単価が安い前建がある東向き・西向き下層階住戸を希望する人が多いという。3月上旬に分譲開始した第1期1次100戸は最高15倍で即日完売している。

 現地は、銀行や文化センター、美術館などが建ち並ぶ千葉駅の中心市街地の一角。敷地は2016年に閉店した千葉パルコ跡地。道路を挟んだ北側は中央公園と三井ガーデンホテル。

 建物は1~2階が店舗など、3階がエントランス、ガーデンテラスのほか各種の共用施設。住戸は4階から。主な基本性能・設備仕様は、制震構造、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ(1LDK住戸)・2650ミリ(4~29階の標準階)・2800ミリ(30・31階プレミアム住戸)、ディスポーザー、食洗機、オートロック顔認証、浴室タオル掛け2か所など。共用施設としてパーティルーム、キッズルーム、ライブラリー、フィットネスルーム、ゲストルーム(2戸)など。

 同社マンション販売部マンション販売第二部理事部長・田中正宣氏は、「『エクセレント』の冠付きでは当社最大規模。売りづらいと考えていた前建・下層階住戸は投資目的で購入される方が多く、坪単価360万円の100㎡も4倍の倍率が付きました。8戸ある億ションはまもなく販売終了します。竣工する2023年12月までに売り切るのが目標。在庫を残さないのは当社の基本姿勢。施工を長谷工さんにお願いしたのは、建設コストを抑制し、かつ設備仕様レベルを当社基準にするため」と話した。

slide_02.jpg
モデルルーム

◇      ◆     ◇

 坪単価は270~280万円くらいになりそうなのを事前に聞いており、モデルルームを見学する前までは〝質〟が心配だったが、72㎡のモデルルームはこの単価水準では間違いなく上位だ。標準階のリビング・居室天井高が2650ミリというのが何よりもいい。28戸ある北向きの32㎡の1LDKタイプでも床暖房、食洗機、三ツ口コンロ付き。浴室タオル掛け2か所は同社の標準装備だそうだ。

 売れ行きに関連するので、同社の業績について少し触れる。2021年3月期決算は売上高1,017億円(前期比9.6%減)、営業利益139億円(同4.1%減)、経常利益139億円(同4.6%減)、純利益96億円(同8.6%減)。このうちマンションなどの開発事業は売上高452億円、営業利益83億円(セグメント利益率18.4%)となっており、利益率は他のデベロッパーと比較してトップクラスだ。

 また、マーキュリーリアルテックイノベーター調査によると、2021年の首都圏マンションランキングで、同社は事業主別で第4位の1,153戸だ。地盤とする千葉県に限れば、事業主別でトップの695戸になっており、2位・三井不動産レジデンシャルの435戸以下を引き離している。

 特筆できるのは、これほど多く供給しても同社は「完成在庫は毎期ほとんどゼロ」(田中氏)ということだ。供給量が多いデベロッパーで完成在庫が極端に少ないのは三井不動産レジデンシャルや東京建物のほかモリモト、大和地所レジデンス、ポラス中央住宅くらいしか記者は知らない。

 これが高い利益率を確保できている要因の一つで、地域を熟知した仕入れ-企画-設計・施工-分譲-管理までの「自社製販一貫責任体制」が奏功していると見た。今回の「エクセレント ザ タワー」の施工は自社ではなく、長谷工コーポとし、しかも設備仕様などは長谷工コーポの「アイセルコ」ではなく自前で調達していることにもそれは読み取れる。

IMG_1576.jpg
タオル掛けはちゃんと2か所についていた

IMG_1586.jpg
建設現地(中央公園から写す。右後方はオリックス不動産が分譲したマンション)

 

 

◇        ◆     ◇

 千葉駅前では、千葉駅前大通りに面した三越千葉店跡の再開発事業も進んでいるようだ。敷地面積は約3,804㎡で、23階建てマンション491戸と看板にはあった。施工はファーストコーポレーションで、デベロッパーは東京建物、野村不動産、中央住宅。

 いつ分譲されるか分からないが、立地条件からしてこちらは坪単価300万円を突破するのではないか。

IMG_1579.jpg
三越千葉店跡地の再開発マンション建設現地

 

◇        ◆     ◇

 取材を終えたのは昼頃だった。一服しようと現地に隣接する三井ガーデンホテルに立ち寄った。喫煙もアルコールも不可だったので、喫煙室もあるダイワロイネットホテル千葉駅前の1階のレストランに入り、白のグラスワインを注文した。今まで飲んだことのないかなり渋みが強い味がした。

 吃驚したのは値段だった。消費税込みで何と286円。マンション相場は都内より2~3割安い千葉と関係があるのかどうかは不明。

坪300万円の壁厚く…駅2分のマリモ「千葉駅前」はいくらか 競合物件は早期完売狙う(2022/1/17)

 


 

 

IMG_1574 (3).jpg
お猪口に活けた春爛漫のハナニラ

りそな銀行は317日、Zoomによるオンラインセミナー「『リファイニング建築』による環境への貢献と物件価値の向上~SDGs意識向上に伴う不動産の在り方の変化~」を開催した。

セミナーは2部制で、1部では大和不動産鑑定・竹内一雅氏が「不動産マーケット~コロナ期の不動産市況とSDGs意識の高まり~」と題する講演を行い、わが国の不動産投資マーケットのほか、新築マンション市場、中古住宅市場、オフィス市場、消費動向などについて話した。

2部では、「リファイニング建築」の発案者である建築家の青木茂建築工房 代表取締役・青木茂氏が「リファイニング建築が社会を変える」をテーマに、1時間近くにわたって具体的な事例を画像を示しながら熱弁を揮った。

りそな銀行 不動産コンサルティング部部長・浦井英文氏は「りそなホールディングスは2030SDGs達成に向けたコミットメントを決定し、環境不動産への関心の高まりを受け、当行も企業価値の向上に貢献すべくCASBEEZEBZEHの普及促進のコンサルティングに力を入れている。一級建築士も複数在職しており、ファンドの組成も検討している」と挨拶した。

        ◆     ◇

 セミナーは「視聴」以外の利用は許可されておらず、同行と青木先生にお願いして、記事化することの了承を得た。同行と青木先生に感謝申し上げる。

さて、今回のセミナーで青木先生が事例として紹介した建築物は数十物件にも上る。どれも素晴らしいプロジェクトばかりだ。一つひとつ紹介しきれない。敢えて一つ選ぶとすれば、青木先生が「地域リファイン構想」と名付けた地域の6つの建築物を3期に分けてリファイニングした「光第六ビル」(福岡県大野城市)だ。このプロジェクトは、今日的課題である地域全体の活性化、ポテンシャル向上に寄与する。関係者が連携してこの種のプロジェクトに取り組んでほしい。

この「光第六ビル」を含め、セミナーの模様を同行は3月末にもネットで公開するそうだから、詳細は同行に聞いていただきたい。記者の記事は「RBA 青木茂」で検索したら33件ヒットした。こちらも文末に添付する。以下、記者と「リファイニング建築」とのかかわりについて参考までに紹介する。

 青木先生の「リファイニング建築」は2013年の「緑苑ハウス」の建築現場見学会が最初だった。見学者はデベロッパーが実施するマンション見学会の10倍以上に達したのにびっくりしたのだが、リフォームとかリノベーションとは似て非なる手法に唖然茫然、驚愕した。明治の伝説的画家「青木繁」と重ね合わせた。(その後分かったのだが、青木繁は福岡県、青木先生は大分県出身)

 これがきっかけに病みつきになり、首都圏で実施された見学会、講演などはほとんど取材し、記事化してきた。

 いま調べてみたら、最初の「千駄ヶ谷のリファイニング建築に見学者300人」の記事には約3,500件、翌年の「リファイニング建築のすごさを見た 『千駄ヶ谷 緑苑ハウス』完成」の記事には約7,900件のアクセスがあった。双方で約11,000件だ。これほどのアクセス数があるのは年に1,2本しないはずだ。

 このアクセス数だけで「リファイニング建築」の凄さが読者の皆さんにも分かっていただけるはずだ。言うまでもなく、多少は私見を交えたが、記者は見学会などの模様を客観的に伝えてきた。

 今回の講演で初めて知ったことを12つ紹介する。青木先生の自宅は「YSビル」(既知)だが、「Y」は奥さんの「YOKO」で、「S」はご自身の「SHIGERU」だと話し、「力関係を示す」と明かした。「Y」と「S」を前後することでどれほどの差があるのか。天と地ほどか、ただのつがいの鴉ほどか、聞きたかった(セミナーは質疑応答はなし)。

もう一つ。ウェビナー用の説明資料全320ページの最後の1ページには「母の家」とだけ記されていた。先生曰く。「建築は、愛する人のためにつくる。これが長寿命化につながる」と。簡にして要を得るとはこのことをいう。

 「母」といえば、記者はゴーゴリ―の「母」を思い出す。「戦艦ポチョムキン」と並び称されるソビエトの反戦映画にもなった。ラストシーンの絶望の中にも平和な明日を希求する母の毅然とした顔が蘇ってくる。プーチンさんも読み、観ているはずだが…。

世界へ 建築業界に新風 青木茂リファイニング×服部夏子アート 「信濃町」見学会(2021/10/8)

デザイン一新 藤沢翔陵高/不可解 防衛省補助金 青木茂建築工房リファイニングPJ(2021/4/3)

I'm fine 桜もハナニラも満開 青木茂建築工房「目黒」リファイニング完成(2021/3/22)

築84年 都内に現存する唯一の木造見番建築物見学会 青木茂建築工房が設計監理(2020/12/15)

築51年の礼拝堂⇒診療所 青木茂氏「リファイニング」解体見学会に満席120人超(2020/10/26)

安藤忠雄氏を超えた? 青木茂氏×三井不 「氷川台」リファイニング見学会に200人超(2020/9/16)

美しい公衆トイレ 発信できた 安藤忠雄氏/世界からオファー 日本財団プロジェクト(2020/9/15)

大和ハウス工業「平和台」 同社初の「ZEH-M Ready」 申し込み殺到 早期完売へ(2020/9/15)

三井不動産×青木茂建築工房 リファイニング「初台」で見学会 過去記事も紹介(2019//12/8)

駅4分の1低層 息をのむほど美しいサペリの建具 三菱地所レジ「代々木上原」(2018/12/14)

省エネ対策に感服 三井不動産+青木茂建築工房 「林マンション」リファイニング完成(2018/3/30)

青木茂建築工房×ミサワホーム 「千代田富士見」のリファイニング見学会に450名(2018/3/1)

リファイニング建築の考案者 首都大学東京特任教授・青木茂氏が退官へ 記念講演会(2018/2/13)

ミサワホーム&青木茂建築工房 千代田区富士見のリファイニング建築見学会に250名(2017/11/9)

三井不&青木茂建築工房 築52年の市場性ない共同住宅をリファイニングで再生(2017/10/16)

三井不動産&青木茂建築工房 練馬区のリファイニング見学会に200名(2017/3/27)

築44年の寄宿舎をリファイニング手法で賃貸に一新 見学者100名超 青木茂建築工房(2016/12/21)

建築の魔術師・青木リファイニングの真髄を見た 「竹本邸」完成見学会(2015/11/17)

「リファイニング」に熱い視線60坪の建物見学に250人殺到 青木茂建築工房(2015/3/11)

リファイニング建築のすごさを見た 「千駄ヶ谷 緑苑ハウス」完成(2014/3/24)

全てが腑に落ちる 首都大学東京「リーディングプロジェクト最終成果報告会」(20143/19)

再生建築学の設置を 青木茂氏が三井不動産のセミナーで語る(2013/12/10)

千駄ヶ谷のリファイニング建築に見学者300人(2013/11/12)

 

 

 

 企業メセナ協議会は3月30日、全国の企業・企業財団を対象に毎年実施している「メセナ活動実態調査」2021年度の結果をまとめ発表した。回答企業・財団は約2割減り、コロナの影響で活動に変更があったと回答したのは6割に達した。

 調査の結果、コロナ禍前後でのメセナ活動の変更について60%以上の企業が「変わった点がある」と回答。変わったのは、「運営面」が107件のほか、「オンライン」が82件、「施設の休館・閉鎖」が6件、「開催延期・中止」が56件、「支援先の開催延期・中止」が16件だった。オンライン化の限界について言及する記述もみられたとしている。

 メセナの取り組み目的については、「芸術文化支援のため」と「社業との関連、企業価値創造のため」に7割近くの企業が回答。

 調査対象は国内企業2,085社、国内企業財団300団体で、回答があったのは企業503社、企業財団186団体で、メセナ活動総件数は企業が1,266件、財団が596件(前年度比:企業は383件減、財団は96件減)。メセナ活動費総額は企業が214億円(回答社数240社、1社平均8,930万円)、財団が448億円(回答団体数150団体、1団体平均2億9,929万円)。

◇      ◆     ◇

 今回の調査結果は、コロナがメセナ活動も直撃したことがよく分かる。それでも多くの企業・財団が継続して活動しているのに敬意を表したい。

 気になったのは、活動で重視している点について「SDGs」は28.4%(2016年は5.8%)へ大幅に伸びているのは当然として、「育児支援」「人権」「雇用創出・就労支援」「平和」などは7%台以下にとどまっていることだ。これらはSDGsの大きな柱の一つではないか。「人権」や「平和」に関与するのを嫌うわが国の国民性のためなのか。どれだけたくさんの人を合法的に殺すかが勝敗の分かれ目となる戦争を前にして、文化や芸術は何と無力なことか。いうべき言葉もない。

 


 

 

IMG_1548.jpg
「イニシア和光」

コスモスイニシアが分譲中の「イニシア和光」を見学した。アドレスは「埼玉県和光市」だが、最寄り駅は板橋区の「地下鉄成増駅」で、隣接する公園とのとの生物多様性保全の取り組みを行い、居住棟と渡り廊下でつながっているクラブハウス付き共用ガーデンを整備しているのが特徴だ。

物件は、有楽町線・副都心線地下鉄成増駅から徒歩10分、東武東上線成増駅から徒歩13分、東武東上線和光市駅から徒歩21分、和光市白子2丁目の第1種住居地域、準住居地域に位置する敷地面積約3,839㎡、地下1階・地上8階建て全100戸。先着順で分譲中の住戸(6戸)の専有面積は68.3890.15㎡、価格は4,948万~6,558万円、坪単価は240万円。建物は202111月に竣工済み。施工は大豊建設。

20209月から販売を開始しており、現在、残りは28戸。来場者は約700組。購入者の約6割が30代のプレファミリーだが、単身者も約1割。居住地は和光市が10%、板橋区と練馬区が各15%、その他、同じような価格帯の都心から同心円状のエリアに広がっている。

現地は東京都板橋区と埼玉県和光市の都県境に位置しており、「大坂ふれあいの森」公園に隣接。

主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ、食洗機、ミストサウナ、浴室タオル掛け2か所など。共用施設として多目的に利用できる約90㎡のクラブハウスと共用ガーデン「もりラボ」を整備している。

同社分譲事業部分譲一部プロジェクトマネージャー・宮川香織氏は、「購入者の方に評価されているのは、70㎡以上の広い3LDKと都心への交通利便性、5,000万円台の価格。近接する物件のほか、価格帯がほぼ同じの都心部から同心円状の城東エリアなどとも競合しています。広さを求める単身者の購入も約1割に達しています」と語っている。

IMG_1552.jpg
エントランスホール(木の香りと光の演出がなかなかいい。壁は左官仕上げ)

IMG_1564.jpg
クラブハウス

        ◆     ◇

 この物件について同社は竣工時にプレス・リリースを発表しており、記事にもしているのでそちらも参照していただきたい。これほどの規模で、別棟の約90㎡のクラブハウスを備えているのは価値がある。

 嬉しかったのは、浴室にタオル掛けが2か所ついていたことだ。同社はタオル掛け2か所を標準としているようだ。こういうところに企業姿勢が表れる。ミストサウナもついていたのには驚いた。

 宮川氏に聞けばよかったのだが、どうして物件名が「和光」なのかは不思議に思った。

 不動産公正取引協議会連合会の自主規制「不動産の表示に関する公正競争規約」の物件の名称の使用基準には、「当該物件の最寄りの駅、停留場又は停留所の名称を用いることができる」とあるように、デベロッパーはポテンシャルにもよるが、物件の名称を物件が所在するアドレスより最寄り駅名を使用するケースのほうが圧倒的に多い。

 典型的な例としては「ひばりヶ丘」がそうで、物件所在地は埼玉県新座市でも物件名に西武池袋線の「ひばりヶ丘」を使用するのがほとんどだ。ずいぶん昔だが、最寄り駅は東急東横線「二子新地駅」なのに、物件名に「二子玉川」を使ったマンションがあった。

今回のケースでは、記者が企画を担当したら「イニシア成増 和光の丘(あるいは森)」とでもする。公取規約に違反しないはずだ。「成増」と「和光」の訴求力は、「川口」と「赤羽」くらいの差があるのではないか。

本旨ではないので書かないが、マンション敷地と隣接公園の境には金網が張り巡らされていた。よくある光景だが、公園は地域居住者に開かれているはずなのに、どこも管理を優先して垣根を設け、居住者から遠ざけようとしている。

都市公園の利用実態調査報告などもほとんどない。国土交通省の平成26年度都市公園利用実態調査は273か所しかなく、しかもアンケートなどが主体だが、これによると「特に不満はない」は50%台で、街区公園、近隣公園などの公園利用率は10%前後にとどまっている。これを逆読みすると、都市公園を利用する人は利用想定圏内のわずか10%くらいしかいなく、しかも満足している人は半分しかないということになる。これが民間施設ならみんな破綻するのだが、指定管理者制度を導入しているのは46%しかなく、民間活力を活用しているのは18.2%しかない。

記者はコロナ禍でもっとも安心して飲食・喫煙できるのは公園だと思っているが、喫煙・飲食を禁止する公園はむしろ増えているはずだ〝そして誰もいなくなった〟に限りなく近づいている。その一方で、公園とマンション・施設との垣根を取っ払った事例の記事も添付する。

IMG_1569.jpg
浴室のタオル掛け

IMG_1568.jpg
渡り廊下(その後方左の白い建物がクラブハウス、右後方は市民にも公開しているガーデン。そのガーデンと公園の間には金網が張られている)

隣接公園との生物多様性保全の取り組み コスモスイニシア「和光」完成(2021/12/25

 

出来すぎだ!焼杉! 見どころ多い小田急バス×ブルースタジオ「hocco(ホッコ)」(2021/10/7

「街のシンボルになる」来場者 公園との垣根なくしたフージャース「つくば」に感動(2021/4/28

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン