積水ハウス 男性社員の1カ月以上の育児休暇完全取得を宣言 現状は2日
積水ハウスは7月26日、ダイバーシティ推進の取り組みを一層加速させるため、「男性社員1カ月以上の育児休業完全取得」を宣言し、2018年9月1日より推進すると発表した。
3歳未満の子を持つ男性社員全員が子の誕生から3歳に達する日までに1カ月以上の育児休業を取得し、最初の1カ月は有給とする。進捗率も毎年開示するとともに、取り組みへの理解と円滑な導入が図れるよう社内サポート体制を整備し、その一環として、対象社員やその上司が育児休業取得に向けて、具体的な計画を立てられる研修などを実施していく。
現状の男性の育児休業取得日数は2日にとどまっているという。
〝幸せ(人間愛)〟のさらなる追求に期待 積水ハウスがわが国初の「幸せ」研究所
河崎氏
積水ハウス株式会社は7月27日、企業では日本初となる幸せを研究する「住生活研究所」を8月1日付で開所し、所長には河崎由美子氏が就任すると発表した。
同社がこれまでこだわり続けてきた安心・安全・快適などといった主に機能性、効率性に重きを置いた研究テーマに加え、「健康」「家族のつながり」「私らしさ」「生きがい」など「楽しさ」「役立ち」を新たなテーマに加え、積水ハウスの「S」も含めた〝住めば住むほど幸せ住まい〟という「S」の韻を踏んだ人生100年時代の「幸福感」を追求する。
当初スタッフは9名で、他部署や外部専門家などを含めた約100名の大所帯となる。今後、研究成果などを発信していく。
河崎氏は、同日行われた記者説明会で、「共働きが多数派になった現在、家族の空気感も変化した。家族の時間は大事だが、自分の時間も大事。『家事労働』はあまりいいイメージがないが、『家事(いえごと)』は幸せの近道であり、それをデザインしたい。収納もキッチンも掃除も室内外とのつながりも幸せな生活につなげることができる。当社の238万戸を超える実績が生きてくる。『幸せ』は個別解かもしれないが、普遍解にもつなげたい」などと語った。「積水ハウスの住宅は幸せであるべき」と力を込めた。
河崎氏は神戸市出身。1964年1月生まれ。神戸大学工学部建築学科を卒業後、1987年4月、同社入社。主な研究テーマは幸せ家事デザイン、キッズ(子育て、子育ち)、収納、食空間、睡眠、ペットなど。
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先日、同社からこの日の記者発表会の案内が届いたとき、「幸せ」をテーマにするとはどういうことだろうと驚いた。「幸せ」は百人百様、みんなそれぞれ考え方が異なる。そんな難しいテーマに企業が取り組むとはどういう意味かと。
しかし、よくよく考えてみると、「幸せ」追求は人類普遍のテーマ(真理)でもある。誰もが「幸せ」を求めて生きている。このテーマに真正面から取り組むハウスメーカー・デベロッパーが出現したのが何よりうれしい。
記者のこれまでの約40年間の取材経験からしても、同社がこの難しい問題にチャレンジする資格は十二分にあると思う。どこよりもバリアフリー、ユニバーサルデザイン、キッズデザイン、環境問題などに真剣に取り組んできた。マンションや戸建てでいえば「5本の樹計画」は他社を圧倒している。質量ともわが国の住宅・不動産業界をリードしてきた。今後の活動に大いに期待したい。
この日の河崎氏が着ていた洋服がまた目もあやな、えもいえぬ「赤」だった。本人に聞いたら「タイシルクです。70代の母が着ていたワンピースをツーピースに仕立て直したものです。〝幸せ〟の継承です」と語った。同社の企業理念は「人間愛」だ。
三菱地所ホーム リフォームで攻勢 定額制から最上級まで備えたギャラリー 赤坂に開設
「Re Dran(リグラン)」モデルルーム
三菱地所ホームがマンション・一戸建てのリフォームに攻勢をかける。7月26日、住宅リフォームに関する多様なニーズに応える「赤坂リフォームギャラリー」をオープンするとともに戸建ての定額制メニューを採用した「Re Dia HOUSE(リディアハウス)」を発売開始すると発表した。
「赤坂リフォームギャラリー」は、定額制リフォームメニュー「Re Dia(リディア)」と24時間空調システム「エアロテック」を搭載した最上級の「Re Dran(リグラン)」の2つのマンションモデルルームを設置。「Re Dia HOUSE(リディアハウス)」は、内外装、インテリアなどを含めた延べ床面積に応じた定額制を提案しているのが特徴。
発表会に臨んだ同社社長・加藤博文氏は「当社は来年、創業35周年を迎える。水や空気もただの時代に24時間空調システム『エアロテック』を業界に先駆け主力商品とし販売してきた、その甲斐があった。他社の商品も含めニーズの高まりを感じる。今回のギャラリー開設によって、当社の本拠地である赤坂に来ていただければ新築からリフォーム、インテリアに至るまで全てを見ていただくことができる」と話した。
今回のリフォームギャラリーの開設により、既設のリフォームラボ赤坂、赤坂ハウジングギャラリー、オーダーグラン赤坂、インテリアサロンなど新築・リフォーム・インテリアに関する市よ―ルームが赤坂に結集することになる。リフォーム事業は、先に発足した「三菱地所のレジデンスクラブラウンジ」と連携し、現在の売上高約50億円を2020年度までに100億円に伸ばす意向。
「Re Dia(リディア)」モデルルーム
加藤社長
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ここ数年の同社の新築、リフォーム拡大にかける意気込みの大きさがひしひしと伝わってくるギャラリーだ。
2つのモデルルームのうちひとつの「Re Dran(リグラン)」は約110㎡。「エアロテック」も含め内装・インテリアに約5,300万円を掛けたという意欲作であるのが一目見てわかる。
場所にもよるが、都心・準都心の新築も中古も30坪のマンションは1億円をはるかに突破する。その2分の1か3分の1を追加すればこの空間が実現できるというのは魅力だ。「エアロテック」は大きな武器になる。
もう一つの「Re Dia(リディア)」は、70㎡の定額制498万円からスケルトンインフィルの850万円などメニューに応じて出来栄えが体感できるのが特徴だが、ここも内装・インテリアに約2,300万円かけたというから、キッチンカウンターなどは三菱地所レジデンスの高額マンションに引けをとらないレベルの高さだ。
玄関(左)とエアロテック吹き出し口
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同社は詳細を明らかにしなかったが、今秋にはマンション用エアロテックの新商品を発売すると話した。容量とともに価格を引き下げ、拡大を図るようだ。
既存マンションにエアロテックを搭載するには二重床にする必要があり、断熱性能を高めるにはサッシ・玄関ドアの変更も欠かせないが、ほとんどの管理組合はこれらの共用部分の変更は認めていないのが現状だ。標準管理規約の変更も考えていいのではないか。
全国5,000人の女性の声反映 東武鉄道「ソライエ流山おおたかの森」大健闘
「ソライエ流山おおたかの森」(ホームページから)
先月(7月14日)、スターツの流山おおたかの森駅前のスターツの「クオン流山おおたかの森」全162戸がわずか半年で完売したことを紹介したが、同じ駅圏の東武鉄道(事業比率60%)・清水総合開発(同40%)「ソライエ流山おおたかの森」も大健闘している。モデルルームのオープンは、「クオン」とほぼ同じ昨年9月で、これまで全352戸のうち半分以上の185戸が供給済みだ。
物件は、東武アーバンパークライン・つくばエクスプレス流山おおたかの森駅から徒歩4分、流山市流山都市計画事業新市街地地区一体型特定土地区画整理事業区域内に位置する10階建て全352戸。専有面積は60.41~90.07㎡、7月下旬分譲予定の第2期の予定価格は2,900万円台~4,400万円台(最多価格帯4,200万円台)。坪単価は190万円。竣工予定は2019年6月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト、東武不動産。
販売担当の長谷工アーベスト東京支社受託販売部門販売五部販売部長・黒須祐亮氏は「販売開始は『クオン』と同じころ。販促に『MADE OF MOTHER』と謡ったように、全国の女性5,000人の声を共用部分に反映させたのが特徴。広域からも集客できており、『クオン』と競合したという側面より相乗効果のほうが大きい。90㎡台の40戸がすべて完売した。千葉県内の郊外型ではもっとも売れているマンションではないか」と話している。
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記者が「クオン」を取材したのは昨年11月。ほぼ同じ場所に「ソライエ」の販売事務所があったのだが、〝クオンが210万円で分譲するのでは、他の物件は影響を受けるだろう〟としか考えず、見学する気にもならなかった。
沿線には隣駅の「流山セントラルパーク」では三井不動産レジデンシャルの、「三郷中央」では名鉄不動産や大成有楽不動産の、「八潮」では住友不動産のそれぞれ大規模マンションが分譲中で、またさらに先の「柏たなか」でもフージャースコーポレーションや東レ建設のマンションが分譲されていた。大激戦の沿線だ。
しかし、その「クオン」がまさか半年で完売するとは予想しなかったし、「ソライエ」がこれほど売れているともとても想像できなかった。
そして何より今回、記者を引きつけ、見学する気にさせたのは、電車の車内吊り広告だった。それは、「おおたかジェンヌ」の文字がピンク色でかわいらしくあしらわれたもので、次のような文言・コピーだった。
「5,000人の声を集めた女性の街で輝く。おおたかジェンヌ。『流山おおたかの森』を愛するすべての女性に贈りたい。〝わたし〟が輝く全352邸誕生」と。
そこで早速、取材見学を申し込んだのだが、もう一つ見学する理由があった。それは、野村不動産と長谷工コーポレーションが女性の視点で暮らしを楽しくする商品企画「OSEKKAI(おせっかい)」プロジェクトを共同で開始し、第一弾として「プラウドシティ東雲キャナルマークス」へ導入すると発表したリリースに興味がひかれ、それとどう違うのかを確認したかったからだ。女性の声をマンションの商品企画に取り込むのは永遠の課題でもある。
「ソライエ」の販売スピードが速いことから判断して、「5,000人の女性の声」は大きな効果があったと受け止めることができる。モデルルームの出来もいい。
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これは、「OSEKKAI(おせっかい)」プロジェクトにも、そして全てのデベロッパーにも言えることだが、「女性の声」が強調されればされるほど、記者などは滅入ってしまう。いかに女性が政治的に経済的に社会的に冷遇され、家庭においても様々な犠牲を強いられているかはよくわかる。あろうことか、大学入でも女性に不利な採点操作が行われている現実を突きつけられると、もう絶望の淵に叩き落とされたような気分にさせられ、国が発した「女性活躍」なるフレーズは詐術そのものであることを世間にさらけ出したことを当事者は自覚したのか、肝心の女性に不評だったためか、いつの間にやら「一億総活躍」に〝模様替え〟されたようだ。
だが、しかし、国の狙いはともかく、本来、女性も男性も大人も子どもも健常者も障がい者も区別なく住みやすいユニバーサルデザインの社会・住宅づくりを進める役割を担っているはずだ。
もうそろそろ、「女性の声」を超越・凌駕する、天と地をひっくり返す、世の閉塞感を一掃する斬新なアイデアを発信していいのではないか。最近のマンションは面積圧縮だけでなく基本性能、設備仕様でも退行する一方に見えてならない。
モデルルーム
首都圏の億ションに負けない 関西最高峰の坪610万円 東急不「芦屋」
「ブランズ芦屋 ザ・レジデンス」完成予想図
東急不動産は7月23日、兵庫県芦屋市で建設を進めている関西圏最高坪単価となる610万円のマンション「ブランズ芦屋 ザ・レジデンス」の記者内覧会を行い、モデルルームを7月28日(土)からオーブンすると発表した。
物件は、JR芦屋駅から徒歩10分、芦屋市親王塚町に位置する敷地面積約1,936㎡、地上3階地下1階建て全15戸。専有面積は126.14~200.41㎡、会員優先の第一期(3戸)を除く第2期の予定価格は1億9,000万円台~3.7億円台、坪単価は610万円。竣工予定は2019年6月中旬。設計・監理はIAO竹田設計。施工は森組。
共用部の設計監修は坂倉建築設計、ランドスケープデザインは庄島設計室、ロビーなどのガラスオブジェは陶額堂、バルコニーのアルミ鋳物は傳來工房、ロートアイアン照明はトランスファー、照明計画は大光電機-などを起用している。
現地は、芦屋駅からフラットアプローチの宮川に面した2方道路の角地。敷地はハウスメーカーのモデルハウス跡地。高さ規制12mのエリアの一角。
建物は地下1階地上3階建て。内廊下方式、平均専有面積約150㎡、全戸億ション、最高約3mの天井高、住戸直結の専用エレベーター付き(一部)、全熱交換型24時間換気システムの採用などが特徴。
同社関係者は「(芦屋の)山の手から降りてくる富裕層だけでなく、中広域からも集客できる」と、販売に自信を見せていた。すでに会員優先として4戸の成約が見込まれている。
車寄せ
ロビー
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各地で記録的な猛暑を記録したこの日(23日)は、先に亡くなった大京の創業者・横山修二氏のお別れ会を最優先することを決めていたのだが、同業記者の「見るべし」という情報提供に心が揺さぶられ、急きょ変更した。片道4時間半も掛けて取材した甲斐があった。関西圏の最高坪単価マンションを見学することができた。同業記者に感謝するほかない。
正直に言えば、半信半疑だった。億ションなら100件はこれまで取材している。果たしてわざわざ芦屋まで出かける価値があるのかと判断に迷ったが、同じ芦屋駅圏には大京のZEHマンション「ライオンズ芦屋グランフォート」があるので、両方見るなら〝損はない〟と決断した。
それでも、同社の関西住宅事業本部開発部 統括部長・澤浩正氏の挨拶や同本部 販売部チーフ・田中悟氏の説明を聞いた段階では〝大したことないのでは〟と高を括っていた。
ところが、モデルルーム見学の際に、担当者が「坪単価は610万円」と話したのにはわが耳を疑った。先の同業記者からは「坪500万円」と聞いていたからだ(別の同駅圏マンション担当者も坪500万円くらいと聞かされていたようだ)。
バブル崩壊後、これほどの高単価マンションは関西圏では供給されたことがないはずで、その点を同社担当者に確かめたところ「当社の調べでは関西圏の最高単価マンションで、全住戸が1億円以上も初ではないか」ということだった。
模型
リビング(写真では分かりづらいが、手前と奥はシンメトリーになっている)
コーナーサッシのデザイン
主寝室(ベッドヘッドは本皮張り、床はホワイトハウスでも採用されているカーペット)
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約163㎡の1LDKのモデルルームタイプは、約4,000万円をかけたフルオプション仕様だったが、見た途端、間違いなく首都圏の億ションと比較しても見劣りしないと判断した。澤氏や田中氏も強調したが、住宅の質は基本的には広さであり豊かさだ。このマンションはそれを具現化している。
天井高3mもそうだが、玄関・ホールがいい。幅約1750ミリ×奥行き約6300ミリ=約11㎡(3.3坪)もある。玄関・ホールにこれほどの広さを割く億ションはそうないはずだ。
主寝室のベッドヘッドの布団張り仕上げには本皮が採用されていた。床はホワイトハウスにも採用されているカーペットだそうだ。住戸内-バルコニーはフルフラット、ドア把手は真鍮製、巾木も含め床は天然石のホール…。
もう一つ、このマンションが優れているのはファサードデザインだ。フランク・ライド・ロイドやル・コルビュジェの設計思想が確かに盛り込まれていると思わせる。記者はバルコニーのアルミ鋳物を担当した傳來工房のデザインに見惚れた。
関西圏のマンションはよく知らないが、首都圏に負けない富裕層向けのレベルの高いマンション分譲に期待したい。(しかし、疲れた。この記事を書くのに通常の2倍かかった。それでもまだよくまとまっていない)
現地の傍を流れる宮川
現地(左)と宮川
伊藤忠都市開発 好みで選べる「HITO-TUBO 〈ヒトツボ〉」 マンションに導入
「HITO-TUBO 〈ヒトツボ〉」の一例「プライベート ブティック」
伊藤忠都市開発は7月20日、部屋の広さに応じて購入者にポイントを付与し、そのポイントを利用して部屋を無償でカスタマイズすることができるセレクトシステム「Life Arrangement(ライフアレンジメント)」を開発し、8種類のプランが選べるメニュー「HITO-TUBO 〈ヒトツボ〉」を現在販売中のマンション「クレヴィア池袋West」(総戸数64 戸)に導入したと発表した。
消費志向が〝モノ〟の所有から〝コト〟(体験)に変化していることに着目し、アンケート調査の結果、約9割の人が〝住まいでやってみたいことがあるのに実現するスペースがない〟という不満を感じていることが分かったため企画・開発した。
「プライベートブティック」「プライベートバー」「アトリエ」「ロフト」など8種類の広さ約1坪の「HITO-TUBO 〈ヒトツボ〉」プランがポイントに応じて選べる。
物件は、JR池袋駅から徒歩5分の全64 戸。販売戸数(5戸)の専有面積は27.75~55.14㎡、価格は3,590 万~6,590 万円。
三井不動産 消費エネルギーゼロのクールスポット「柏の葉スマートシティ」に設置
「COOL TREE」
三井不動産は7月20日、都市エネルギー消費ゼロのクールスポット「COOL TREE」を柏の葉スマートシティに設置したと発表した。
同社と日建設計、銘建工業、光栄、村田製作所の4社が開発したもので、様々な屋外パブリック空間で環境性とデザイン性を兼ね備えたクールスポットを創出する。
①直射日光を遮るヒノキの格子日除け②座るとひんやりするベンチ③人が近付くとセンサーが感知し作動する涼感ミスト-の3つの森林浴の再現を試みるほか、フレキシブルに組み合わせられる正六角形の形状、太陽光発電とIoT 制御による都市エネルギー消費ゼロの自立型システム、最短1日で設置でき、リユースが可能、国産の間伐材とCLTの活用によりバイオマス発電へのリサイクルが可能なのが特徴。
三井レジ 「月島」再開発タワー「MID TOWER GRAND」第1期189戸 坪単価434万円
「MID TOWER GRAND」ペントハウス
三井不動産レジデンシャルは7月17日、中央区月島1丁目の大規模複合再開発タワーマンション「MID TOWER GRAND」を7月21日から販売開始すると発表した。月島駅から徒歩2分の32階建て全503戸(分譲は387戸)で、第1期は189戸。最多価格帯7,000万円台で、坪単価は434万円。
物件は、東京メトロ有楽町線・都営大江戸線月島駅から徒歩2分、中央区月島1丁目に位置する53階建て全503戸(販売戸数387戸、事業協力者戸数116戸含む、他に店舗29戸)。専有面積は40.33~129.45㎡、第1期(189戸)の価格は5.000万~2億6,500万円(最多価格帯7,000万円台)。坪単価は434万円。入居予定は2021年1月下旬。施工は大成建設。デザインパートナーは、「東京ミッドタウン日比谷」も手掛けたホプキンスアーキテクツ日本代表・兼ホシノアーキテクツ代表・星野裕明氏。売主は同社のほか丸紅、大成建設。登録受付は7月21日(土)~22日(日)。抽選は22日(日)。
「月島一丁目西仲通り地区第一種市街地再開発事業」として開発が進められているもので、コンセプトは〝大人を愉しむレジデンス〟。最上階に、「月」の光や曲線美をモチーフにしたアーチをペントハウスのルーフ部分に取り入れた天井高約6メートル広さ約738㎡の共用施設が集約されているのが特徴。「スカイラウンジ」、「パーティルーム」、「Spa(岩盤浴・サウナ)」、「フィットネススタジオ」「ゲストルーム」「ゴルフレンジ」などが設置される。
昨年12月から資料請求を受け付けており、これまでに約5,600件の請求があり、モデルルーム来場者数は1,250組以上に上っている。
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まず坪単価。この日(17日)、モデルルームが報道陣に公開されたが、親しい同業の記者の方たちが「坪単価は400万円台の後半」と予想していた。記者は「それはあり得ない。ここ(モデルルームは聖路加タワー)なら坪500万円をはるかに突破しても不思議でないが、『月島』ですよ。わたしはもんじゃ焼きも好きではない。ズバリ430万円」と答えた。
その後、販売の責任者が「第1期の坪単価は434万円」と明かした。記者の予想とはわずか1%しか違いはなかった。
ズバリ的中したわけだが、あてずっぽうで予想したのではない。記者は約40年間、マンションを見続けている。市況や近隣物件の動向、同社の値付けの傾向などを考慮してはじき出した単価だ。この前のRBA野球大会の勝敗予想も13勝1敗だった。参考までに。
だから当然の設定だと思うし、第1期で189戸も供給するのに驚かない。高単価ではあるが、いわゆる億ションが約30戸くらいというのも理解できる。「月島」で億超えというのは壁があるような気がする。
物件の質は高いと思う。天井高約2,600ミリ、サッシ高約2,400ミリというのも貴重だ。72㎡のタイプはワイドスパンだし、白・ベージュの基調で全体として明るいカラーリングとなっているのがいい。バックカウンター・吊戸棚も標準装備。
スカイラウンジ
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今回の「月島」が坪単価434万円で好調な売れ行きを見せていることから注目されるのが、東急不動産他「豊洲」がいくらの値を付けるかだ。同社が用地を取得した段階では坪単価は400万円をはるかに超えると業界内ではささやかれていたが、さすがに最近は「400万円突破は厳しい」とも言われている。
「豊洲」は中央区でなく江東区だが、ポテンシャルは負けていないと思う。「月島」が434万円なら400万円超はありうるような気がするがどうだろう。「月島」は制振で、「豊洲」は免震。規模もはるかに大きい。チャレンジしてほしいが、戸数が1,230戸もあるのでそんな勇気があるかどうか。
野村不 戸建て「プラウドシーズン稲城南山」全87戸が早期完売へ
「プラウドシーズン稲城南山」
野村不動産の分譲戸建て「プラウドシーズン稲城南山」(93区画のうち87戸)が早期完売へ-6月中旬から分譲を開始した第1期60戸が即日完売したのをはじめ、その後追加販売した第1期2次15戸も即完し、9月に分譲予定の最終期第1期3次12戸も早期完売となる見込みで、わずか3カ月足らずで全87戸が販売することになりそうだ。
物件は、京王電鉄相模原線稲城駅から徒歩6分(戸建て街区までは徒歩11~12分)、稲城市東長沼字九号に位置する全93区画(うち6区画は販売事務所や公園として当面利用されるため分譲は87戸)。第1期3次の敷地面積は140.98~162.62㎡、建物面積は100.81~109.44㎡、価格は未定だが5,000万円台の前半から6,000万円台の半ばになる模様(既分譲の平均価格は5,870万円)。構造は木造(2×4)2階建て。施工は西武建設、東急建設、細田工務店。竣工は2018年4月・6月(竣工済)、9月下旬(予定)、11月下旬(予定)。
現地は、稲城駅からなだらかな坂を上った約87万㎡の土地区画整理事業地「スカイテラス南山」の一角に位置。同社が保留地を取得して分譲するもの。稲城市が所有する北側の土地からは比高差にして5mくらい高い傾斜地。スーパーへは徒歩1分、保育園には徒歩3分、小学校へは徒歩7分。
今回は第1工区で、このほか今年度末に土地区画整理組合と契約予定の第2工区と第3工区を含めて全体で約600戸になる予定。5区画分のクラブハウスも建設される予定。
購入者は地元稲城市居住者が中心だが、調布、府中市、その他のエリアからの広域からも集客できているのが特徴。敷地面積が140㎡以上で、北道路(北側が擁壁の住戸含む)でも眺望がよく、街並みが整っていることなどが評価された。
同社は、今回の「南山」を含め、現在施行中の「稲城上平尾」(25.1ha)と「稲城小田良」(29.5ha)土地区画整理事業地でも分譲中・計画中で、全体で約1,000戸となる。
道路幅が6mで、敷地の間口が広いのが特徴の一つ(10mくらいあったか)
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「南山」については、これまで数回記事にしている。それらを参照していただきたい。
ここの魅力は何といっても里山だ。今回の戸建て街区から徒歩数分で里山の入り口に着ける。民有地だが、道路もあり規制もないから奥深くまで歩ける。ところどころ畑もある。休日などにゆっくり親子で山に分け入るのに絶好だ。
名も知らない小鳥がきれいなさえずりで歓迎してくれるだろうし、これは大きな声でいってはいけないことかもしれないが、山椒魚が生息する沢もある(立ち入り禁止になっていたような気がするが)。
皆さんは山椒魚と言ったって、小説かテレビの映像、図鑑しか知らないだろうが、記者は小さいころ、祖母と連れ立ってよく捕りに行った。弁当箱にいっぱいになるくらい捕れた。いもりとよく似ているが、それほど不気味でもなく、滑稽な姿をしている。
精力がつくと言われており、隣の爺さんにあげたりすると飴玉をもらった。もちろん自分でもそのまま口の中にほうりこんだり焼いて食べたりしたことがある。美味しくはない。発情などもしなかった。当たり前か。
いまはみんな都心志向だ。それはそれで結構なことだが、「南山」のようなまだ自然が残る郊外で暮らせば人間性が取り戻せるかもしれない。
門柱
売電制度活用 業界初 管理費実質ゼロで年間306万円の収入 アキュラ「若葉台」分譲(2018/6/22)
「おいでよ!南山」イベントに約500人 エリアマネジメント南山・野村不(2014/9/29)
スターツ「クオン流山おおたかの森」 わずか半年で完売 歩留まりは驚異の30%
昨年、当欄で「超割安 免震、日建、横入り玄関…質も高い」と見出しに書いたスターツの「クオン流山おおたかの森」が今年5月までに完売したことが分かった。モデルルームをオープンしてから8カ月、販売を開始してからわずか半年で全162戸を成約するという驚異的な売れ行きだ。
詳細は、別掲の記事を参照していただきたいが、坪単価が210万円だった。見出しに「超割安」などと書いたのは記憶にないくらい珍しいことだった。
そればかりか、つくばエクスプレス沿線では三井不動産「柏の葉」以外ない免震工法を採用、設計は日建ハウジングシステムで横入り玄関のプラン、メーターモジュールの廊下幅なども秀逸だったので「プラン秀逸」とまで書き、絶賛した。
流山市の流山おおたかの森市有地活用事業のコンペに当選した案件でもあり、早期に完売するとは思ったが、まさか半年で完売するとは驚きだ。来場者は約560件で、歩留まり率は驚異的な約30%に達した。
申込者は、地元の流山市と隣接の柏市居住者で約50%だから、広域からも集客できていることが分かる。
郊外型の早期完売物件では、一昨年の京阪電鉄不動産の「ファインシティ東松戸」(382戸)を思い出すが、販売スピードは互角かそれ以上だ。「東松戸」の歩留まり率も25%と高かったが、こちらは30%だ。
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「母になるなら、流山市。」-8年前だ。このキャッチフレーズを見たとき、いかにも井崎義治流山市長がやりそうなことだと納得し、「やったね」とエールを送りたい気持ちになったのを覚えている。
井崎氏は住信基礎研究所、エース総合研究所(現エンタテイメントビジネス総合研究所)を経て、平成15年(2003年)の市長選で地方政治にありがちなボス・顔役が幅を利かせる旧弊を打ち破り当選した。
その後、井崎氏にインタビューしたことがあるが、激化する都市間競争に勝ち抜く決意を熱っぽく話されたのが印象に残っている。
市長に就任した2年後につくばエクスプレスが開業(2005年)したが、当時、具体的な街づくりの展望が見えたのは三井不動産が主導する「柏の葉キャンパス」しかなかった。各沿線とも前途多難を思わせた。井﨑氏には「街づくりのノウハウを持つデベロッパーに学ばれてはどうか」と話したこともある。
あれから13年。流山おおたかの森の駅前のマンションが坪210万円で瞬く間に売れる-悔しいことだが、わが多摩センターに迫る勢いだ。
市の広告には「父になるなら、流山市。」バージョンがあることを最近知った。都心ではもはや普通のファミリーは住宅価格の上昇で住めなくなっている。全ての郊外都市が「母になるなら、〇〇市。」「父になるなら、〇〇市。」と打ち出せるような時代になってほしい。
超割安 免震、日建、横入り玄関…質も高い スターツ「クオン流山おおたかの森」(2017/11/9)