市場できちんと評価される制度に 国土交通省 長期優良住宅制度 検討会
国土交通省は1月29日、第3回「長期優良住宅制度のあり方に関する検討会」を開催。マンション計画修繕施工協会と住宅履歴情報蓄積・活用推進協議会がプレゼンを行った。
検討会は、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が平成21年6月に施行されてから今年6月で10年が経過することから、制度に対する評価や課題を整理し、制度の更なる普及促進に向けた取り組みや方向性を検討するもの。
同制度が施行されてから平成29年度末の認定累計実績は915,194戸(一戸建て894,943戸、共同住宅等20,251戸)で、平成29年度で見ると、住宅着工に占める割合は一戸建てが24.6%、共同住宅が0.3%となっている。
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検討会を傍聴するのは今回が初めてだ。マンション計画修繕施工協会と住宅履歴情報蓄積・活用推進協議会がプレゼンをしっかり聞いた。
申し訳ないが、記者はこの2団体を全く知らなかった。検討会の松村秀一座長(東大大学院教授)も「ずいぶん長い」と仰ったように、後者は16文字だ。全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)の14文字より多い。何とかならないか。国土交通省の「土地・建設産業局」もそうだが、「・(なかぐろ)」が付いているのはどうか。最近は文字を詰めるのが流行りのようで「ワーママ」もあるようだから「住活協議会」はどうか。「土地・建設産業局」もみんな「土建局」と呼んでいる(記者は失礼だから絶対そのようには呼ばない)。
馬鹿なことを書いたが、両団体のプレゼンを聞いて残念だったのは、同制度の認知度が低く、住宅の品質が高いにもかかわらず(中古)市場で適正に評価されていないことが報告されたことだ。
松村座長も「法律の目的の本丸はストックだったはずだ」と述べたように、この問題は解消されなければならないと思う。
現場はどうなっているか、レインズ情報を調べた。レインズ情報は不動産会社が独占的に利用できるもので、一般の人はもちろんメディアもどのような情報が盛り込まれているかを知ることはほとんど不可だ(頼めば見せてくれるかもしれない)。
分かったことは、まず「長期優良住宅マンション」で検索しても物件はヒットしないであろうということだ。長期優良の認定を受けた物件名で検索すれば売買履歴情報を取り出せるが、そんなデータを不動産流通会社は公表していないはずだ。
戸建ては大手ハウスメーカーで構成されている優良ストック推進協議会が独自の査定方法を用いた「スムストック認定」を行っており、中古市場でも高い評価を得ているデータを公開している。しかし、これも「スムストック」=長期優良というわけではない。
問題はこのほかにもたくさんある。第一は、適正に評価されていないこととも密接に関係するのだが、消費者に分かりづらいという点だ。かつて記事にもしたが、長期優良住宅認定を受けたマンションなのに環境性能評価の「CASBEE」で〝並〟の評価しかされない事例があった。特上の料理を食べたはずなのに、別の店では並だったというのでは消費者はたまらない。モノサシが異なると片づけていい問題か。
同制度では、「良好な居住水準を確保するために必要な規模」として、一戸建ては75㎡以上(一人居住は55㎡)、共同住宅は55㎡以上(同40㎡)の面積要件を定めているが、「良好な居住水準」=「居住面積」と決めつけているところに問題がある。どんな法律にもあるように「その他優れていると思われるもの」などと逃げ道を作っておくべきだった。
しかし、この面積要件を変更するのは難しいのではないか。これに手を加えれば他の法律や税制全てを変えなければならない。撤廃が一番いい。そもそも国が優良であるとか不良であるとか(そう言っていないが)を定めるべきでないというのが記者の持論だ。大きなお世話だ。
記者は面積よりも天井高のほうが気になる。「長期優良」と謳うのであれば最低でも居室面積は2500ミリ以上にし、高さ規制、容積規制を緩和したらどうか。
もうこれ以上書かないが、検討会委員の方も話したように〝見える化〟を進め、何よりも消費者に分かりやすい制度に改めてほしい。
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どうでもいいことだが、何十年振りで同省の地下1階にある食堂を利用した。よく知られた牛丼屋もあったが、いろいろトッピングできるうどん屋でかき揚げを付けて「なんでも合う」というわかめうどんの小を頼んだら450円だった(伊勢うどんより安い)。昔タバコが吸えた隣の喫茶店は禁煙になっていたので利用しなかった。
それにしても、国のシンクタンクであるはずの国交省職員はこれではあまりにもかわいそうだ。もっとましな環境を整えられないか。全館禁煙も検討されているとか。喫煙は人権だ。
単価は安いと思うが…都市再生特区の一角 明和地所「横濱ベイサイド」好調スタート

「クリオ レジダンス横濱ベイサイド」完成予想図
明和地所が1月26日から分譲開始した「クリオ レジダンス横濱ベイサイド」を見学した。JR東神奈川駅から徒歩13分の全149戸。再開発が予定されているエリアの一角で、第1期1次15戸は10戸が成約し、残りも予約が入るなど好調なスタートを切った。
物件は、JR京浜東北線・横浜線東神奈川駅から徒歩13分、横浜市神奈川区星野町の工業専用地域に位置する11階建て全167戸(住戸149戸、事業協力者住戸16戸、事業協力者店舗1戸、管理事務室1戸)。第1期1次(15戸)の専有面積は66.52~105.61㎡、価格は4,982.4万~8,989.4万円(最多価格帯5,600万円台)。入居予定は2020年3月下旬。設計は啓建築設計。施工は三井住友建設。
現地はスーパーの敷地跡地。用途地域は工業専用地域だが、都市再生特別地区に指定されていることから用途、日影などの規制は受けない。敷地南側は公園。
近接地の約7.5haでは「高島駅北地区土地区画整理事業」の都市計画決定、組合設立も認可されており、42~52階建てトリプルタワーマンションが建設されることになっている。事業地内にあるJR貨物線は旅客用として利用する構想も浮上している。また、みなとみらい地区(約1.6キロ)まで徒歩や自転車で行けるよう舗道が整備される予定。
建物はL字型で東向きと南向きが中心。冬至時には、敷地東南側に建つ「コットンハーバータワーズ」の日影の影響を受けるそうだ。1階にはスーパーマーケットが設置予定。
主な基本性能・設備仕様は、ディスポーザー、食洗機、2200ミリハイサッシ、ワイドスパンなど。スパンが8.7m以上の100㎡以上は27戸。
クリオライフスタイルサロン横浜の前田崇裕氏は、「エリアの将来像が明確になっておらず浸透もしていませんが、価格についてはみなさん値ごろだと思っていらっしゃる」と話した。

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値付けが難しい。同社も迷ったかもしれない。東京建物が2年前、東神奈川駅前で分譲したマンションの坪単価は約350万円。瞬く間に売れた。しかし、これは参考外。立地がまるで異なる。
10年くらい前にJFE都市開発、三菱地所、野村不動産の3社による「コットンハーバータワーズ」4棟926戸は坪単価160万円で、こちらもあっという間に売れた。これとの比較も難しい。時代が異なる。
頼りになるのはみなとみらい21地区や横浜駅圏のマンションは軒並み坪400万円を突破してきており、横浜市外でも利便性の高い物件は坪300万円を超えてきていることだ。
区画整理事業地内で建設される三井不動産レジデンシャルとJRのタワーマンション3棟は1棟500戸として1,500戸くらいになると思われるが、間違いなく坪300万円を超えるはずだ。仮に貨物線が旅客用として供用されるようになったら、価格はさらに跳ね上がる。
今回の同社の単価ははじいていただきたい。記者はびっくりした。〝安い〟という意味で。みなさんはいくらの値を付けるか。

現地(手前が公園)
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この物件のためにリニューアルした2つある常設モデルルームのうち一つは約100㎡。デザイン監修は、昨日のモリモト「高津」でも書いたカン・デザインオフィスの鈴木ふじゑ氏だ。同氏を起用するのは「クリオ駒沢公園」「横濱ザ・マークス」以来だそうで、これだけでもいかに力が入っているかがうかがえる。
間口が9mくらいあり、コットンハーバーをイメージした白を基調としたマットなデザインが美しい。
一つだけ納得できなかったのは廊下のデザインウォールだ。白と対照をなす黒のガラス素材を使用したもので、壁そのものは美しい。光の反射具合や見る角度によって微妙に変化した。黒というより濃い藍色にも見えた。ドアノブは全て壁面までセットバックされていたのもいい。
しかし、その壁面にアトランダムにスパティフィラムのような観葉植物の文様がはめ込まれていたのを見て、すぐ記者は不要だと思った。これはオプションだし好みの問題だが、鈴木氏のファンの一人である記者は容認できない。なにもないほうがいい。
アクセントをつけるなら足元に白砂や波、貝殻などを控えめに散りばめたほうがいいのでは。
前田氏と同社の女性広報担当者とこの問題についてしばし論議もしたが、二人は「好みがあるので…」と言葉を濁した。
100㎡のモデルルームにも注文を一つ二つ。同社は大和地所レジデンスとともに100㎡マンションで業界をリードしてきた。ディスポーザーを業界で初めて標準装備したのも同社だ。二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ、フラットサッシ、メーターモジュール廊下幅は標準装備にし、死守してほしい。

廊下(写真では見づらいが、葉っぱの文様が散りばめられている)

リビング(ペンダントの裏には花の文様がある。ライトの下のカサブランカは家庭では絶対置かないフェイク)

模型(実際は全体がもっと白い。完成予想図よりも美しい)
立地・プランがいい 価格も妥当で人気必死 東京建物「Brillia Tower 横浜東神奈川」(2017/4/18)
〝72㎡より64㎡のほうが有効面積は広い〟ワイドスパンで差別化 モリモト「高津」

「アールブラン高津レジデンス」完成予想図
モリモトの「アールブラン高津レジデンス」を見学した。もともと同駅圏での供給が多い同社の10件目の物件で、高さ規制が20mのエリアであることから近隣物件はほとんどが地階を設け7階建ての直床なのに対し、6階建ての二重床・ワイドスパンプランにすることで差別化を図っている。第1期は半分くらい供給する模様だ。
物件は、東急田園都市線・大井町線高津駅から徒歩11分、川崎市高津区北見方1丁目に位置する6階建て全88戸。専有面積は54.64~77.70㎡、予定価格は3,900万円台~6,500万円台(最多価格帯4,200万円台)、坪単価は270万円弱。完成予定は2020年1月下旬。設計・監理はIAO竹田設計。デザイン監修はSKM設計計画事務所。施工は新日本建設。分譲開始は2月中旬の予定。
現地は、敷地の西側一部が府中街道に面しているが、騒音を遮断する反射ガラスを採用。全体の5~6割を占める南側は4m道路に面し、その先は低層の住宅街。
建物はL字型で、住戸プランはワイドスパンが特徴。専有面積50~60㎡台には6m前後のスパンの住戸は26戸あるが、その他の60~70㎡台は最低でも6.4m確保し、中心は7m台、最大は11.5㎡としている。
階高は約3mでリビング天井高は2400~2450mmだが、二重床・二重天井、玄関・廊下・洗面所は磁器質タイル、食洗器、一部壁面は木調パネル張り仕上げ。
販売担当の定方鋼太氏は、「他物件との競合もあるが、南側が住宅街で、ワイドスパン、二重床・二重天井のプランに対する評価が高い。第1期は半分くらい行けそう」と自信を見せていた。

西側外観
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数年前の同社の物件だったらキッチン天板は御影石を採用していたはずだが、今回は人造大理石だ。建築費上昇がこの物件にも反映されている。
だが、しかし、いつものことだがプランがいい。どれほどいいか。パンフレット資料にある「アウトフレーム工法×ワイドスパン設計によるプラン」を紹介する。次のようにある。
「間口を広げ、正方形に近い間取りにすることで廊下部分を短く無駄を排除し、居室の有効面積を広げます。一般的な70㎡台の間取りと比較して、本物件の64㎡の住戸は有効生活面積がより広くなります」
そして、一般的な間口が6.2mの72㎡と、同社の間口が7.2mの64㎡の間取り図が例示されており、前者の生活有効面積が35.2畳大であるのに対し、後者は36.2畳大としている。
つまり、専有面積が約4.8畳小さいにもかかわらず、生活有効面積は逆に約1畳広いとしている。当たらずとも遠からずだと思う。最近はみんな右に倣え。70㎡台でもスパンは6mくらいが幅を利かせている。いかがなものか。
モデルルームは72㎡。8.5mスパンに圧倒されるはずだ。デザイン監修はカン・デザインオフィスの鈴木ふじゑ氏。これまたいつもそうだが、ベージュを基調にしたカラーリングがいい。玄関・廊下などのタイルはまだ発売されていないもので、限りなく自然石に近いものを採用しているという。

モデルルーム
小田急電鉄・小田急不 小田急多摩線栗平と黒川駅前にコミュニティ拠点

「CAFÉ&SPACE L.D.K.」完成予想図
小田急電鉄と小田急不動産は1月25日、小田急多摩線栗平と黒川駅前にそれぞれ新しいライフスタイルを提案する拠点をオープンすると発表した。
栗平駅前の「CAFÉ&SPACE L.D.K.」は、幅広い世代が集まり、笑顔で団欒する地域のLDK(リビング・ダイニング・キッチン)のように、地域住民同士、地域住民と小田急グループが繋がる場所になって欲しいという想いを込めた。コミュニティカフェ、キッチン付きを含む3部屋からなるレンタルスペース、仕事や趣味などに集中して取り組めるワークスペースなどからなる。開業は3月中旬。
黒川駅前の「ネスティングパーク黒川」は、「巣(Nest)」と「Nesting(つどい)」を合わせ、産まれ、巣ごもり、巣立っていく「Nesting Park」と名付けた。小田急グループの神奈川県内で初めての取り組みとして、シェアオフィス「キャビン」を核とした複合施設を新設する。施設の企画・設計監理はリノベーション賃貸住宅「ホシノタニ団地」などで実績があるブルースタジオが担当する。開業は5月。
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結構なことだ。ライバルの京王電鉄は昨年10月、駅前の京王プラザホテル多摩内にサテライトオフィス「KEIO BIZ PLAZA」をオープンした。会員制でICカードを使って入退室でき、月単位や時間単位で利用できるようになっている。東京都の「サテライトオフィス設置等補助事業」の第1回採択事業でもある。同社は駅前の保育所開設も積極化している。
双方が競い合いこの種の施設をどんどん設置して、地域のポテンシャルを引き上げてくれることに期待したい。マンションの分譲単坪単価は、足立区の北千住で300万円台の後半に迫り、埼玉県の所沢、神奈川県の大船は350万円だ。本厚木だって260万円で人気を呼んでいる。
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記者は小田急線に乗って通勤したことは一度もないが、いつの間にか速くなっている。ネットで調べたら小田急多摩センター-新宿は最速33分で370円。一方の京王線は京王多摩センター-新宿は39分で319円。本数は京王線のほうが多いから、小田急に追いつかれることはないと思うが…。

「ネスティングパーク黒川」完成予想図
「Gywood®(ギュット)」詰まった中身 すてきナイス 恒例の新春講演会に1,500名

平成31年 新春経済講演会(グランドプリンスホテル新高輪で)
すてきナイスグループは1月25日、恒例の平成31年 新春経済講演会を行った。三部構成で、第一部の日本総合研究所会長・寺島実郎氏による講演から第二部の同社会長兼CEO・平田恒一郎氏、同社副社長・日暮清氏、同社社長・木暮博雄氏、ナイス社長・杉田理之氏によるグループの近況・方針発表、第三部の日刊木材新聞社社長・岡田直次氏をモデレーターとする業界8社社長によるパネルディスカッションまで、イベントは約4時間に及んだ。
「Gywood®(ギュット)」詰まった中身に約1,500名の参加者は、寺島氏が話した日本の〝針路〟を見失ったかのように船を漕く人も一部見られたが、最後は新春賀詞交歓会に酔いしれた。
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他の取材もあり、駆け付けたときは平田会長が「今年のキーワードは『素敵ワクワク』。新しい時代をワクワクして迎え、全社一丸となって全力で邁進する」と挨拶し終えたときだった。
続いて登壇した日暮氏はグループの事業はSDGsの目指す方向と一致すると強調、さらに木暮氏はそれを補強するかのように最近の具体的事例を紹介、最後は杉田氏が同社も開発に関わった「Gywood®(ギュット)」で締めくくった。
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第二部あたりからコクリコクリとする人も散見されたが、第三部のパネルディスカッションは中身がぎゅっと詰まった素晴らしい内容だった。
詳細は同社が会報紙誌などで掲載するはずだからそちらを読んでいただきたい。ここでは中身をぎゅっと絞ったエッセンスだけを紹介する。
パネリスト8氏は「平成30年」を次のように色紙1枚にまとめ振り返った。(発言順)
「謝」 大建工業社長・億田正則氏 昨年はシステム障害などを起こし皆様にご迷惑をおかけした。まず陳「謝」します。この30年間は選択と集中を進め、撤退したものもあるが、素材事業は平成の初めは11%だったのを35%まで伸ばした。輸出も大幅に増やした。新陳代謝の「謝」でした。事業伸長はお客さまや皆さんのお陰、感「謝」申し上げる。
「後塵」 パナソニックエコソリューションズ社長・北村亮氏 先進国であったわが国は発展国に追い上げられ追い越された30年。平成元年のとき、世界トプ企業50社のうちわが国企業は32社だったが、今は18位のトヨタのみ。後塵を拝した。当社もデジタルまではついていけたが、ネットに後れを取った。反省を込めて新しい時代を迎えないといけない。
「再生」 セイホク社長・井上篤博氏 平成元年からの3年間は、米ソの冷戦終結、天安門事件、東西ドイツの統一、湾岸戦争があり歴史の大きな転換期だった。それは元に戻らないという意味の創造的破壊でもあった。わが国は阪神淡路や新潟、東日本大震災により素地や故郷が破壊された。「再生」はコピーではなく新しいものを生み出さないといけない。
「復興」 SMB建材社長・角柄明彦氏 わが国の国土は地球の0.28%しかないのに巨大地震の2割を占める地震国。数々の大地震が強く記憶に残っている。その都度、建基法改正、耐震化、耐震リフォームなど防災の取り組みも力強く行われた。今後は都市の分散が論議されるだろうし、再生可能エネルギーの活用など防災に強い都市計画を強力に推し進める必要がある。
「次世代への布石」 吉野石膏社長・須藤永作氏 平成は昭和から引き継いだ課題全部を整えた時代ではなかったか。国も企業も家庭もどう行動するか、その布石を敷いたのが平成ではなかったか。大きな地震や台風などの被害を受けた。その経験を将来にどう生かすか。石こうボードもその布石を生かし、水に強い、音に強い商品開発を行わなければならない。
「エクセラード」 ニチハ社長・山中龍夫氏 「エクセラード」は平成2年に発売した商品だが、現在では売り上げの6割を占めるほど貢献している。木造の外壁は平成の当初はモルタルが47.5%だった。今は逆転し、モルタルは7%に減少し、当時32%だったサイディングは78%に増加している。時代の変化をチャンスと捉えたい。
「変革」 TOTO社長・喜田村円氏 ウインドウズが発売されたのは1985年。いけいけどんどんの昭和はバブルで崩壊し、それからアイフォンが普及し、働き方や家族、コミュニティのあり方も変わった。平成は給与が下がったという論議もあるが、観光産業が伸びている。日本は安全でおもてなしの国であることを示した。「変革」には平成は平和だったという意味も込めた。
「加速」 LIXIL Water Technology Japan CEO・大西博之氏 入社して社会人になった人生そのものの30年間だった。グローバル化、イノベーションが進み、当社の売上げの半分が海外事業となった。とくにスピードが速くなった。トレンドに乗り「加速」することが大事だが、その基となる力がないと流れに乗れない。その力をどうするかだ。

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パネルディスカッションはその後、予定されている消費増税の影響、対応などに話が及んだ。企業トップとしては当然だろうが、駆け込みに期待し反動減におびえるような声はほとんど全くと言っていいほど聞かれなかった。発言順に各氏の声を紹介する。
LIXIL・大西氏 崖下に落ちないようジャンプしたい。国策をジャンプ台にして中長期的な視点でリフォーム事業を仕込んでいく
TOTO・喜田村氏 心配していない。もっと豊かな生活をしたい願いは不変。それをどう後押しするか。ホテルの改装・改修が伸びるのではないか
ニチハ・山中氏 アメリカも中国も金融引き締めに動きそうだし、イギリスのEU離脱も深刻な影響を与える。日本国内より海外からの直撃に注視する
吉野石膏・須藤氏 リーマンの影響を受けたが、考えてもしょうがない…というわけではないが、足元をしっかり見つめ、己の信念を貫く
SMB建材・角柄氏 アメリカも中国も〝自分ファースト〟だが、〝柔よく剛を制す〟だ。50年前と(経済の)力が違う。オリンピック後も景気は持続する
セイホク・井上氏 消費増税やその他で約8兆円の可処分所得が吸い上げられる不安はあるが、いい国づくりに寄与する素材メーカーとして需要を取り込む
パナソニックエコ・北村氏 住宅市場が縮小していくのは自明。しかし、オリパラ、非住宅、万博、スポット地方も開発が進む。明るい材料を取り込む
大建工業・億田氏 むしろ増税後が楽しみ。私は昭和25年生まれだが、これからは若年層と高齢者の人口構成が逆になる。働き甲斐のある社会にしたい


室温変化が健康に与える影響で新たな知見 日本サステナブル建築協会が報告会 2/1
国土交通省は1月24日、住宅内の室温変化が健康に与える影響について調査した結果をまとめ中間報告(第3回)として発表した。
調査は、日本サステナブル建築協会のスマートウェルネス住宅等推進調査委員会(幹事:伊香賀俊治慶大教授)が平成26~30年度の間に実施したもので、断熱改修を予定する住宅に居住する人4,131人(2,307軒)と、断熱改修を実施した人1,194人(679軒)についてそれぞれ改修前と改修後の健康診断結果をまとめたもの。
調査の結果、①室温が年間を通じて安定している住宅では、居住者の血圧の季節差が顕著に小さい②居住者の血圧は部屋間の温度差が大きく、床近傍の室温が低い住宅で有意に高い③断熱改修後に居住者の起床時の最高血圧が有意に低下④室温が低い家ではコレステロール値が基準範囲を超える人、心電図の異常所見がある人が有意に多い⑤就寝前の室温が低い住宅ほど過活動膀胱症状を有する人が有意に多い⑥床近傍の室温が低い住宅では、様々な疾病・症状を有する人が有意に多い-などの新たな知見が得られたとしている。
日本サステナブル建築協会は2月1日(金)13:30~17:00、第3回中間報告会をホテルグランドアーク半蔵門(東京都千代田区隼町1-1)で行う。定員は300名で参加費は無料(登録制)。詳しくは同協会HP(http://www.jsbc.or.jp/)へ。
マンション見学会とコピペ記事 なぜ一緒 今週の「週刊住宅」と「住宅新報」から
先週の19日(土)、1月14日付「週刊住宅」のハウジングライター・藤原利彦氏(76)による連載コラム「住宅評論 トレンドを斬る」の文字や写真が小さく、レイアウトがよくないと噛みついたら、今週号の1月21日付では、2回目として登場したポラス・中内晃次郎社長の顔写真も文字も大きくなり、見出しも増え大きくなったのでスペース的にははるかに大きくなった。
記者の思っていることが伝わったようでうれしい。しかし、文字量からすれば、まだスペースが少なく(あるいは量が多すぎるのか)、見出しにも工夫を凝らすべきだ。
これまでも何度も指摘してきた。日刊紙に学ぶべきだ。記者はかつて1面全てをある日刊紙のレイアウトを真似て、そこに記事を埋め込んだことがある。レイアウト、デザインに著作権があるかどうかは微妙。そっくり真似るのはよしたほうがいいが…。
中身は、中内氏が考えていることがストレートに伝わってくる。訓練校の生徒さんが集まらないと悩んでいらっしゃるようだが、サッカーだけでなく、いまが旬の西武ライオンズファンも巻き込めるようにしたほうがいいのではないか。
住友不動産は東京ドームにも西武ドームにも広告を出しているし、三井不動産、三菱地所、野村不動産、エイブル、ミニミニ、ミサワホーム、大和地所レジデンスなどは野球その他のスポーツや選手を広告に起用している。
その効果は大きいと思う。RBA野球で優勝した野村不動産アーバンネットは選手の士気が高まったことを含めると1億円の効果はあると記者は計算している。それに反し、ポラス野球部は年々戦力がダウンしている。
本業ではエリア拡大でなく、シェアアップに力を入れるというのも頷ける。どこも都心部での展開にしゃかりきだが、競争は熾烈を極めているようだ。「仕入れが全然できていない」という嘆きが聞こえてくる。
同紙の他のマンション記事が大きく扱われているのも正解だと思う。せっかく見学会をやってくれるのだから、思い切って書くべきだ。書く記者の視点が少ない(というよりほとんどない)のは大きな課題。
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1月22日付「住宅新報」もチェックした。マンションの記事にとどめるが、何を考えているのか、さっぱり分からない。
4面に三菱地所レジデンスが見学会を行った「本厚木」と「高輪」の記事が掲載されていた。他紙との差別化はまったくできていない。
一方、10面には旭化成不動産レジデンスの「荻窪大田黒公園」のニュース・リリースの記事が掲載され、9面にもやはりコピペの東京建物ほか「シントシティ」が申し訳なさそうに1段見出しで報じられていた。
スペース的には地所レジと旭化成不レジがほとんど同じ。前者は行き帰りの取材時間も含めれば2本の記事で10時間はかかる。後者は引き写すだけだから30分で済む。どうしてこんな差が出るのか出ないのか。しかも、旭化成不レジの記事は死亡記事(最近はそうなっていない)のように四方囲みだ。小生が旭化成ホームズの広報担当だったら嫌味の一つも言ってやる。(「荻窪大田黒公園」記事参照)
来週号には三菱地所の掃除ロボットと、地所レジ「千住 ザ・タワー」の記事が双方に載るのだろうが、どのような扱いになるか。またお茶を濁すのか。体裁を整えるのが目的なら現地取材などやめたほうがいい。
相当厳しく書いた。なぜかと言えば一昨年、「このままでは生き残れない業界紙」と話された東急不動産HD・金指潔会長の言葉が頭にこびりついているからだ。もっと危機意識を持たないといけない。誰も助けてくれない。全宅連がそれを証明した。小生はスポンサーを持たない。安泰だ。
差別化・安泰について少し説明を加える。昨日の地所レジ「千住 ザ・タワー」の記事は、一昨年に書いた三井不動産レジデンシャルの「パークホームズ北千住」の記事と一緒に読んでいただきたい。見学会で同社第一販売部の河野祥司氏は「三井(レジ)さんの坪単価330万円が指標になった」と話した。小生は幸運にもその三井レジの「北千住」を見学し、生々しいレポート記事にまとめた。
よく読んでいただきたい。あのとき、三井レジの社内では「350万円でもいけたのでは」という声もあったそうだ。その時点で地所レジの単価は350万円になったと確信した。記者の役割は「今を見て」伝えることだ。漠然と「見て」いたら絶対ものは見えてこない。
もうやめるが、試しに「三菱地所」「北千住」「RBA」で検索したら、2006年に書いた記事がヒットした。「プラン的には天井高最大2.7メートル、二重床・二重天井、ワイドスパン、ディスポーザー、御影石の玄関床、複層ガラス採用など、間違いなく足立区や伊勢崎線の物件では水準以上だと判断した。坪単価は185万円で相場並みとみた」とあるではないか。皆さんはプランや設備仕様について全然書かない。
地所レジ「千住ザ・タワー」 坪300万円台後半 〝住むなら北千住〟あわび千円!(2019/1/23)
自社社宅跡地 公園借景取り込むプラン秀逸 旭化成不レジ「荻窪大田黒公園」(2019/1/19)
藤原利彦氏の「週刊住宅」連載コラム1000回に 中身最高 レイアウトが問題(2019/1/19)
ポラス 分譲戸建て「氷川台」 開き戸全てがソフトクローズ機能付き エコな暖炉も搭載

「Mode Fines(モードフィネス)氷川台」
ポラスグループ中央住宅マインドスクェア事業部が近く分譲する戸建て「Mode Fines(モードフィネス)氷川台」を見学した。暖炉を設置し、開き戸を全てソフトクローズ付きとしているのが特徴だ。
現地は、都営三田線氷川台駅から徒歩12分、練馬区氷川台2丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する1棟現場。保育園、小学校に近接し、敷地は6m道路の南西角地で、南道路の間口は12m。
土地面積は約116㎡、建物面積約115㎡。価格は未定だが9,000万円台の前半になる模様。建物は2階建て2×6構造。
住戸プランは、間口が広いことから約17.6畳大のリビング・ダイニングの上部を吹き抜けとし、自然採光を取り込み、6畳大の小上がり和室り床下に大型収納を設け、2階には約8.2畳大の主寝室の隣に2畳大以上の書斎や約5畳大のロフトを設置している。
設備仕様では、リビングには燃料にバイオエタノールを使用するエコな暖炉を設置しているほか、開き戸・引き戸の全てをソフトクローズ機能付きとしている。

リビング(奥に暖炉、その奥に小上がりの和室)
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現地を見るまでどのような物件なのか全然知らなかった。道すがら価格を予想もした。最初にはじいた価格は9,000万円だが、同社はもっと安くするはずだと考え、8,000万円台の半ばでないかと最終的に判断した。
現地に着き外観を見て、すぐ9,000万円台に上方修正した。敷地条件が恵まれていたからだ。価格予想は当たり。ぴったりだった。
暖炉がいい。記者は心を静めてくれるあの〝ゆらぎ〟と、ときにぱちぱちとはじくおとがよく、対流熱で家全体を温めてくれる薪ストーブが好きではあるが、100万円も200万円もするストーブを付けて薪を調達し、灰を捨てる作業などを考えると設置しない人が多いと考えている。
だから、ハウスメーカーもデベロッパーもフェイクの暖炉を設置する。しかし、これは夏場は具合が悪い。あるたけで暑苦しくなる。
同社はその難点をほぼ解消した。オーストラリア製で、バイオエタノールを燃料に採用しているので、ほとんど無臭で煤も出ないので煙突はいらず、灰の処理もしなくて済む。薪と比べ〝ゆらぎ〟はやや小さく、はぜる音もしないのが物足りないが、夏場はアート、オブジェを飾れる。なかなかのスグレモノだ。周りの造作なども含めて約100万円だそうだ。
〝ほぼ解消〟と書いたのは完ぺきとは言えないからだ。燃料代は純正のものを使っているので10リットル入り5,000円。9リットル入り容器を満タンにして1日13時間点けっぱなしにすると月15万円だ。
建物の断熱性能はUA値0.6以下だから、そんなに使用しなくても建物全体が温かくなり、消しても室温は17度くらいにしか下がらないだろうが、これはちょっと高い。お金持ちしか買えない。だから設置したのだろうが…。
もう一つびっくりしたのは、トイレも含めて開き戸を全てソフトクローズ機能付きにしたことだ。これはすごい。〝バタン〟から解放される。
記者はすっかり忘れていたのだが、この住宅の設計担当者・山口太郎氏にかつて「開き戸をソフトクローズ機能付きにできないか」と話したようだ。山口氏はそれを忘れず、今回の住宅で実現した。
分譲戸建ての開き戸にソフトクローズ機能を付けたのは同社が初めてではないか(他にあったらごめんなさい)。マンションではアパが採用したことがある。
記者はエディット・ピアフの「パダン パダン」が大好きだが…そのうちにドアの「バタン」が消える…やや寂しい。


暖炉(薪ストーブのゆらぎとは明らかに異なる)
有休取得10%増、会議減り、コピー、文具購入ほぼ半減 三菱地所 本社機能移転効果

三菱地所は1月21日、昨年1月に本社機能を「大手町ビルヂング」から「大手町パークビルディング」に移転して1年が経過したことを受け、その成果を公表した。
本社勤務社員の有給休暇取得日数は対前年比で約10%向上したほか、能力向上に資する外部研修への自主参加数が約10%増加し、仮眠室利用件数が移転当初に比べて約4倍に増加、会議室稼働時間は約15%減り、複合機出力数は45%、文具購入量は46%それぞれ削減したとしている。
また、昨年末から年初にかけて三菱地所プロパティマネジメントと三菱地所レジデンスが丸の内エリアに移転したほか、三菱地所の4支店が既存ワークプレイスをリノベーションし、グループ2社も移転するなど、「WaaS」(Workplace as a Service)の方向に添ってグループを挙げて戦略的に働き方及びワークプレイス改革に取り組んでいくとしている。

◇ ◆ ◇
すごい結果が出た。昨年に本社内を報道陣に公開したときからどのように働き方改革が進み、生産性にどのような影響を与えるかずっと興味を持って、同社を見てきた。
有休取得が10%増にとどまったのはやや不満だ。記者も含めてだが、有休を100%こなす社員が優秀であることを証明し、その雰囲気を醸し出すことが大事かもしれない。
外部研修への自主参加もどんどん推し進めるべきだ。机に座りパソコンと睨めっこしていても絶対いいアイデアは浮かばない。
記者はデスクで原稿を書くのを1時間から1時間半と決めている。そして、原稿をプリントアウトし、喫煙室や喫茶店で校閲する。喫煙は息継ぎと一緒だ。誤字脱字はかなり減ったのではないか。
ペーパーレスの効果もすごい。お金に換算したらいくらか分からないが、相当な額に達するはずだ。記者などは文具購入といえば、万年筆のインクと100円ショップで売っている小型の取材ノートくらいだ。文章を校閲するのにはやはり紙が適していると思う。
生産性の向上については今期の決算数字に表れるはずだ。賃料も3割は上昇しているはずだから(経理上どう処理するのか)、多少の増益では生産性が向上したとは言えないとおもうが、いかがか。同社の広報活動を評価すれば、デベロッパーの中では間違いなく最上位だ。発表会・見学会の回数は飛びぬけている。
記者はオフィスが丸の内北口ビルに移転してストレスが大幅に減り、記事の質も以前よりはるかに向上したと自画自賛している。糖尿の数値も安定して推移している。

三菱地所の本丸を見た 機能一新 士気高揚 トマト最高 地所が新本社公開(2018/2/12)
地所レジ「千住ザ・タワー」 坪300万円台後半 〝住むなら北千住〟あわび千円!

「千住ザ・タワー」完成予想図
三菱地所レジデンスは1月23日、3月上旬に分譲予定の再開発タワーマンション「千住ザ・タワー」の記者見学会を行った。最近の〝北千住人気〟を反映してか、坪単価は300万円台の後半に設定するようだ。
物件は、東京メトロ千代田線北千住駅から徒歩3分、JR常磐線、東京メトロ日比谷線、東武スカイツリーライン、 つくばエクスプレス北千住駅から徒歩4分、足立区千住1丁目に位置する敷地面積約3,419㎡の30階建て全184戸(事業協力者住戸5戸含む)。専有面積は25.20~110.24㎡、価格は未定だが、坪単価は300万円台の後半になる模様。竣工予定は2020年12月下旬。設計・監理は梓設計。施工はフジタ。売主は同社のほか三菱倉庫、杉本興業。
現地は、地元の人にはよく知られていた商業施設跡地を中心とする千住一丁目地区第一種市街地再開発事業地。周囲は昔ながらの飲み屋街。住・商・育一体の街づくりを進める。
建物は制震構造を採用。地階から3階までは駐車場、店舗、商業施設で、2階には子育て支援施設も設置される。
住戸は4階から30階まで。標準階は1フロア6戸構成で、28・29階はプレミアム住戸、最上階は地権者住戸に充当される。
プランは南向き中心(71%)、内廊下方式、約7.1~10.2mのワイドスパン、角住戸比率58%などが特徴。主な設備仕様は二重床・二重天井、リビング天井高2500mm、ディスポーザー、食洗機、グローエ水栓(プレミアム住戸のみ)など。
昨年8月から広告を展開しており、これまでに反響は3,300件を突破し、昨年末からのモデルルーム来場者は600件を越えている。地元中心の実需からセカンドハウス、ワンルームタイプ(12戸)には投資需要もあるという。
同社街開発事業部グループ長・奥木吉香氏は、「当社は2011年から再開発事業や建て替えに注力しており、複合開発も含めこれまで案件は50件以上に上っており、今後も続々竣工してくる。全体の売り上げ構成でも30%になりつつある。この物件もエリアナンバーワンを目指す」と語った。
マンションギャラリー所長・高崎裕美氏や同社第一販売部の河野祥司氏は価格は未定とした上で、「三井(レジ)さんの坪単価330万円が指標になってはいるが、それより駅に近いしタワーなので、坪単価は300万円の後半を目指したい」(河野氏)と、強気な(記者がそう思っているだけか)姿勢を見せた。

ゾーニング
◇ ◆ ◇
単価予想は大外れ。記者は三井不動産レジデンシャルの物件が即日完売した時点で、この物件の坪単価は350万円とはじいていた。ひょっとしたらもう少し高くなるかもとは思っていたが、記事に「この(三井レジの)マンションが好調であることを何より三菱地所レジデンスが喜んでいる。来年(今年になったが)分譲の駅から3分の再開発マンションは坪350万円と読んだ」と書いた手前、沽券にかかわるのでそのままにした。しかし、まさか「300万円台の後半」(いったいいくらか)は予想できなかった。
若い皆さんは「北千住」が最近人気になっているのはご存じのはずだ。記者も旭化成不動産レジデンスの駅前タワーマンションと丸井などの商業施設が完成し街が一変し、東京メトロとの相互乗り入れ、東武伊勢崎線の複線・複々線などで利便性が高まり、東京藝大、東京未来大、帝京大、東京電機大などの開校でイメージがよくなったのは承知しているし、都心へのアクセスのよさはこれまで何度も書いてきた。
しかし、かつて〝魔の伊勢崎線〟と書いたように、この沿線はグロス志向が極めて強く、一定の価格を超えると全然売れなかった。昭和57年だったか、あの商品企画で名を馳せた日本ランディックが「パークハイツ越谷」339戸を3,000万円台で分譲し、さっぱり売れず、1戸当たり500万円値引きし、そのあげく同社は転落の一途を辿ったのをみなさんはご存じないだろう。
いまでこそ同社も住友不動産や野村不動産などの大手も進出しているが、三菱地所レジデンスとしては2005年5月分譲の「パークハウス北千住」(坪単価185万円)が足立区初の物件だった(旧藤和不動産は結構分譲事例があるはず)。
三井不動産レジデンシャルもこの沿線では苦労している。昭和50年代の今では絶版になっている「パークファミリア」の「越谷」は完売まで相当時間がかかったはずだし、他社が幹事だった「新越谷」も苦戦を強いられた。
この40年間、この沿線で百数十件の物件を取材しているが(目をつぶっても街を歩けるくらい熟知していた時期もあった)、よく売れたのは10%もないはずだ。
そんな伊勢崎線(これを書くと怒られる、東武スカイツリーラインか)のサバ定食が500円、あわび1個が988円の街についに北千住初か億ションが20戸くらい分譲される。多摩センターだったら2戸買えるのに…。

低層部
◇ ◆ ◇
見学会の冒頭、女性の広報担当者が「年明けからマンションは3度目、昨日はAIロボットの見学会で、連日のように取材の呼びかけをいたしまして、申しわけございません」と謝った…いえいえ、こうした現地見学会が記者を育てるのです。参加した全ての記者を代表して小生がお礼したいくらいだ(それにしても前回の「高輪」や昨日のロボットと比べると記者の数は半減だ。この「北千住」を見ずしてマンションは語れない)
記者の皆さん、現場を見ないとマンションだけでなく世の中の動きを最前線で感じ捉えることはできませんよ。あなたが情報発信者になるか第2次3次のリライターになりさがるのか。決めるのはあなただ。

同社の記者見学会(男:女の比率は2:3。同社が最近元気なのは女性が頑張っているからではないか)

長崎産という記者の手より大きい肉厚の大判アジフライ定食が852円(アジは頑張って食べたが、ご飯はおにぎりのように詰まっており、4分の3残した。ソースは売り物ではありません)

ここに入ったら昼間から飲みたくなりそう。ハワイ・コナ産のあわび1個988円(駅前の「磯丸水産」で)
〝4方良し〟足立区最高値 三井不レジ「パークホームズ北千住」1期78戸が即日完売(2017/11/24)

