マンションはアートだ 三井不レジ「パークコート青山 ザ タワー」竣工
「パークコート青山 ザ タワー」
三井不動産レジデンシャルは4月11日、圧倒的な人気を呼んだ「パークコート青山 ザ タワー」のプレス向け竣工見学会を行った。
公開されたのは一部の共用部分のみだが、アール状デザインを全面に施した建物は〝美しい〟の一語に尽きる。
1階のコンシェルジュカウンターから2階のガーデンラウンジまで高さにして約40mの壁面に採用されている一片が長さ約150㎝、幅約10㎝のガラスはフランス製で、枚数は約6,000枚とか。1枚1枚にエナメルの白い線がアトランダムに塗られており、見る角度によって表情を変える。これを職人さんが張ったことを想像するだけで気が遠くなる。
床は一流ホテルでも経験できないようなふかふかのカーペット敷きで、壁面にはアートが飾られていた。
プライベートガーデンに設置されている安田侃氏のアートはどこかヘンリー・ムーアを連想させるもので、25階の倶楽部ラウンジのキッチン扉はモンドリアンの絵画のようだ。
全体がヴィーナス像そのもののアートだ。写真をとくとご覧あれ。
24階共用部分
安田侃氏のアート
2階のガーデンラウンジ
ガラスアート
1階から2階への階段(左)とエレベーター内
木の美しさを全面に 天井高3m実現 三井ホームが新商品「LANGLEY(ラングレー)」
「LANGLEY(ラングレー)」
三井ホームは4月11日、「暮らしの四季を、綴る家」をテーマにした新商品「LANGLEY(ラングレー)」を沖縄を除く全国で発売開始すると発表した。同日、杉並区の「浜田山住宅公園」内に建設したモデルハウスを報道陣に公開した。年間販売目標は100棟で、プロトタイプの坪単価は100万円。
外観は、のびやかな水平ラインと素材感が際立つフォルムとし、北欧のパイン材を用いた総木製窓や、ウエスタンレッドシダーで製作したウッドパネルを多用。また、室内と室外がボーダレスに一体となった空間である、半戸外空間「ラナイ」を設置し、室内にいながら自然や四季を感じ、味わうことができるように演出。外壁壁には日本六古窯のひとつに数えられる常滑の窯で焼きあげた特注色タイルを採用している。
居住空間は、耐震最高等級3を確保しながら大手住宅メーカー最高クラスの1階天井高3mを標準採用し、全開放サッシによりリビングとボーダレスに繋がる半戸外空間「ラナイ」が、おおらかで広がりを感じさせる空間を演出している。
発表会に臨んだ同社取締役。河合淳也氏は、「当社の強みであるデザイン性に優れた富裕層向けを強化し、さらに訴求する商品。三井ホームの家に住むことが誇りとなるような思いを込めた。三井グループ全体の共通メッセージである〝経年優化〟を基本性能、素材、モノづくり全てに注ぎ込んだ」と話した。
モデルハウスは、建築面積153.23㎡(46.35坪)、1階床面積140.32㎡(42.44坪)、2階床面積139.95㎡(42.33坪)、延床面積280.27㎡(84.78坪)。
商品名は、カナダ・ブリティッシュコロンビア州の歴史ある都市「ラングレー」から命名した。
ウエスタンレッドシダーのデザイン壁(左)木製窓
リビング(左)とダイニング
ラナイ
◇ ◆ ◇
新商品を一言で言えば、成金が好みそうな露悪趣味のデザインではなく、とはいえ吉永小百合さんのような超富裕層向けというのでもなく、極めて健康で常識的な本物の木をこよなく愛するアッパーミドル・富裕層向けの住宅だ。
モデルハウスは、オーク材のヘリンボーンが随所に採用されており、壁などにはウエスタンレッドシダーやカラーワークス社のペイント壁が、2階のプライベートゾーンには岡山県西粟倉村のヒノキ材がそれぞれ多用されている。和室にはオーク材の浮造り仕上げを採用。約100万円の暖炉も設置されている。
和室
アロハ! 商業・価格・平置き 3点セット奏功 1期162戸即完 新日鉄興和「葛西」
「リビオシティ・ルネ葛西(TOKYO ALOHA PROJECT)」完成予想図
新日鉄興和不動産(事業比率70%)・総合地所(同30%)の「リビオシティ・ルネ葛西(TOKYO ALOHA PROJECT)」の第1期162戸が即日完売した。両社は4月12日にニュース・リリースするはずなので、詳細はそちらを読んでいただきたい。ここでは率直な感想に留めたい。
物件は、東京メトロ東西線葛西駅から徒歩18分(バス8分徒歩1分)、江戸川区東葛西9丁目の工場地域に位置する14階建て全439戸。専有面積は58.48~84.08㎡、第2期(戸数未定)の予定価格は2,900万円台~5,900万円台(最多価格帯4,400万円台)、坪単価は214万円。設計・施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は平成31年8月下旬。販売代理は長谷工アーベスト。
現地は、大規模商業施設「アリオ葛西」と「ホームズ葛西」に隣接。用途地域は工場地域だが、商業施設やマンション化が進んでおり、嫌悪施設はほとんどない。
建物はL字型で、住戸は約3分の2が南向きで、3分の1が西向き。平置き駐車場が257台。今回分譲は南向きで、プランは68㎡、72㎡、76㎡、84㎡の4タイプ。
テラスラウンジ
◇ ◆ ◇
即完を知ったときはわが目を疑った。この物件について両社は2月、記者発表会を行った。記者は出席しなかったが、業界紙がその内容を伝えた。記事を読んで、単価は安いが、バス便で439戸もあるから、「アリオ」などの大規模商業施設があるとはいえ販売は長期化するのではと判断・予測した。その判断・予測がものの見事に外れた。
即完を知って、おっとり刀で現場に駆け付けた。新日鉄興和不動産の住宅事業本部都市創造部・野上晋佑氏が興奮気味に次のように話した。
「大規模商業施設に隣接し、価格の安さ、平置き駐車場の3点セットが奏功した。社内でも『大丈夫か』などと危惧する声もあり、賛否両論があったが、手応えを感じていた。ターゲットが絞りやすく、お客さんの顔がしっかり見えていた。この結果が業界にもお客さんにも伝わり、いい流れになってほしい」
現地
◇ ◆ ◇
お世辞にもいいプランばかりとは言い難い。間口が5.8mの68㎡の3LDKは全23スパンのうち6スパン(合計84戸)あるが、これなどは昭和50年代の長谷工コーポの〝コンバス〟そのもので、当時〝広めの3LDK〟として成功した間取りだ。
設備仕様レベルも高いとは言えない。ディスポーザーも食洗機もついていない。郊外型のマンションとそれほど違わない。
それでも、第1期162戸即日完売に快哉を叫びたい。ひょっとしたら住宅にそれほどお金をかけない今のミレニアル世代にぴったりなのかもしれない。マンションの共用施設にはゲストルーム、キッズラウンジ、カフェラウンジ、小規模保育所などがあり、様々なコミュニティプログラムや〝コンシェルジュサービス〟も受けられる。
隣に大規模な商業施設があるのも大きな魅力なのだろう。ここでほとんどすべてを済ますことができる。葛西臨海公園も近い。この魅力を同社は訴え切ったということだろう。申込者は共働き世帯より専業主婦世帯が多いと聞いたが、これも納得。〝ここは最高。あなたは少しだけ通勤難を我慢すればいい〟というしっかり者の奥さんの声が聞こえてくる。(「アリオ葛西」「葛西臨海公園」を過小評価してはいけない。記者は7年前にその威力を実感した)
販売事務所、モデルルームもよく出来ていると思った。コンセプトの〝ALOHA〟を分かりやすく伝えている。シアタールームには本物の砂が敷き詰められていた。モデルルームにはフェイクでない観葉植物がセットされていた。「ウゴクロ」を活用した10畳大の主寝室の提案もインパクトがあった。
シアタールームの砂と木片、貝殻など
有楽土地「オーベル葛西ベイパークス」即完に納得(2010/5/14)
レベルが高い 長期優良住宅認定 東急電鉄他「十日市場」 順調なスタート
「ドレッセ横浜十日市場」完成予想図
東急電鉄・東急不動産・NTT都市開発の3社JVマンション「ドレッセ横浜十日市場」を見学した。横浜市が推進する「環境未来都市 横浜」のモデル事業で、長期優良住宅認定を受けた敷地面積約14,500㎡、全311戸の緑区最大級の複合プロジェクト。3月から分譲が始まっており、第1期85戸が完売。順調なスタートを切った。
物件は、JR横浜線十日市場駅から徒歩7分、横浜市緑区十日市場町に位置する14階建て・9階建て・11階建て3棟の全311戸。専有面積は62.46~90.43㎡。坪単価は未分譲の「ガーデンテラス」を除くと210万円前後と思われる。竣工予定は2019年7月下旬。販売代理は東急リバブル、東急不動産、東急ライフィア。施工は長谷工コーポレーション。デザイン監修は梓設計。
今年3月から分譲開始され、第1期70戸と追加の15戸が完売。4月13日に第1期2次(6戸)が分譲される。価格は3,848万~5,998万円(62.48~87.98㎡)。
現地は、横浜市が取り組む「環境未来都市計画」の青葉区たまプラーザ駅北側地区、磯子区洋光台周辺地区、相鉄いずみ野線沿線地域とともに4つのモデル地区に指定されているエリアの一角。
全体で20街区・21街区・22街区から構成されている3つの市有地街区のうちの20街区が今回のマンション街区。隣接する21街区には期間50年の定期借地権付きとしてサービス付き高齢者向け住宅、高齢者向け賃貸住宅、8棟の戸建てなどが計画されている。
物件は、駅からはなだらかな坂を上ったところに位置するが、途中には信号が1カ所しかなく、歩行者専用の歩道も整備されている。市はバリアフリー構想に基づき、唯一バリアフリーになっていない橋の整備も行う予定。
エリアマネジメント手法を導入し、コミュニティ活動、地域環境活動、サスビナリティ活動を「クオル」がサポートしていく。
隣接する21街区と合わせ建物内には保育園、学童施設、ミニスーパー、コミュニティカフェなども併設される。
建物は、敷地の南端に位置するサニーテラス、交流の中心となるメインストリートに面した東向きのリビングテラス、中庭を眺望するガーデンテラスの3棟で構成。別棟として交流拠点の「HANA-RE」が設置される。
住戸プランは平均74㎡のファミリー向け住戸が中心。基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450~2500ミリ(14階の最上階は3000ミリ)、食洗機、ディスポーザー、可動間仕切りのウゴクロなどのほか、防犯サポート&見守りの「ドア・窓センサー」か「モーションセンサー」のどちらかを選択できる「イッツコムインテリジェントホーム」が標準装備。
モデルルーム
◇ ◆ ◇
十日市場は、横浜市の定期借地権付き戸建て分譲を見学して以来6年ぶりに訪れた。駅の南口と北口にパチンコ屋が入居するビルがあるのはいかがなものかと思うが、住むにはいい街だ。
物件は、長期優良住宅認定を受けているだけに第一級品のレベルの高さだと思う。先日見学した、第1期162戸が即日完売した「トーキョー アロハプロジェクト」の坪単価は214万円だったが、こちらのほうがはっきり言ってレベルは高い。これは用地の取得価格によるものだろうが、横浜市民は恵まれている。都内23区ではまずこの価格ではこのレベルのマンションは取得できない。都下でも難しいのではないか。
一つだけ言いたい。ここで詳しくは書かないが、どうして長期優良住宅認定マンションが横浜市の集合住宅環境性能評価制度「CASBEE 横浜」でSではなくAランクなのか。物差しが異なると言ってしまえばそれまでだが、一般ユーザーにとっては非常に分かりづらい。整合性を検討すべきだ。
駅近くの歩道
◇ ◆ ◇
幹事会社の東急電鉄にも一つ注文。同社が二流会社ならこんなことは書かない。
これほど基本性能が高いのに、販売事務所やモデルルームの観葉植物はどうしてフェイクばかりなのか。シアタールームにシダ類を配置しているのはアイデアとしてはいいが、すぐに偽物だということが分かる。せっかくの価値を押し下げるようなものだ。東急ともあろうものがといいたい。同社に求めているのは並みのデベロッパーではない。積水ハウスの「品川」を見習ってほしい。
前段で少し触れた「トーキョーアロハ」ではその逆に本物の観葉植物が配されていた。シアタールームにコンセプトが分かりやすいように砂浜をイメージした砂・小石が敷かれ、流れ着いたような木片や貝殻、空き瓶がランダムに置かれていた。
シアタールームのフェイクの観葉植物(左)と「トーキョーアロハ」のシアタールーム
長期優良住宅が「CASBEE」で評価されないのはなぜ(2013/6/13)
デザイン秀逸 第1期1次43戸が即日完売 伊藤忠都市・東急不「文京関口」
「クレヴィア文京関口」完成予想図
伊藤忠都市開発と東急不動産が先に第1期1次43戸が即日完売したと発表した「クレヴィア文京関口」を見学した。コンパクトとファミリーの混合型で、坪単価410万円。デザインが秀逸だ。
物件は、東京メトロ有楽町線江戸川橋駅から徒歩2分、新宿区改代町に位置する9階建て全85戸。専有面積は35.02~106.68㎡、第1期1次(43戸)の価格は3,998万~17,898万円。坪単価は410万円。竣工予定は2019年2月中旬。設計・監理は陣設計。施工は佐藤工業。
第1期1次は3月24日(土)に登録を締め切り、最高4倍、平均1.34倍で即日完売。1月からの来場者数は280件超。駅から2分の利便性、南東の角地、モダンな外観デザインなどが評価されたという。
現地は、準工地域だが住宅地化が進んでおり、嫌悪施設などはほとんどない。また、江戸川橋地蔵通り商店街に面しているが、それほど車の往来もなく、道路を挟んだ南側も中層の建物がほとんどで、東南角地ということもあり、上層階は眺望が開ける立地だ。
そして何より強調したいのは、外観デザインが秀逸であることだ。完成予想図の通り水平ラインを強調したグリットとハイサッシの明るいデザインが美しい。
モデルルームもよくできている。設備仕様は逆梁ハイサッシ(一部腰窓)、シーサーストーンのキッチンカウンター、食洗機、グローエ水栓、天然石仕上げの床など。
住戸プランは30㎡台の1LDKが14戸、50㎡台の2LDKが36戸、60~70㎡台の3LDKが29戸、ペントハウスなど1億円以上のプレミアムが5戸。このバランスも絶妙だ。
レジデンスサロンでは各種物件資料を格納したタブレット端末を使用し説明する手法を採用。契約者にはタブレット端末を進呈する。
:現地
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの 新聞は絵画と同じ⑤
新聞は絵画や衣服と同じ 業界紙は旧套墨守改めよ
新聞は、その構図の美しさでもって人を引きつけるという意味で絵画であり、中身にふさわしく着飾るという意味で衣服と同じだ。美しくなければ、だらしない恰好では読んでもらえない-ずっとそう思ってきた。なので、新聞紙に穴が開くほどじっくり眺め、デザインを研究したことがある。一般紙の1ページそっくり真似てレイアウトしたこともある。
記者の経験からして美しいと思うのは、読み慣れたせいかもしれないが朝日新聞だ。全体のバランスがいいし、見出しの明朝体が美しい。日経新聞は囲み記事がいい。紙面全体を締める役割も果たしている。同紙は昨年、日曜版に一流デザイナーを起用し、ビジュアルで大胆なデザインに一新した。
一般紙ですらこのように努力しているのに、わが業界紙は旧套墨守そのものだ。〝40年〟一日のごとく旧弊を死守しようとしている。古臭い時代ものの地紋や飾りケイ線・ヤクモノをふんだんに使い、まるで花魁のように化粧を施す。四方をお悔やみ文のように囲む「囲み記事」も多い。せっかくの企画記事も流し記事と同じように扱う。
果たして一般紙は地紋やケイ線はどのようなものを使っているか、四方囲み記事があるかないか調べてみるがいい。
業界紙はプロのデザイナーや整理マンを雇えないのは理解できる。一般紙のお手本がある。真似ることだ。そして美醜を分ける鑑識眼を養わないといけない。皮衣を一新して中身も変わることに期待したい。
賞味期限切れの「このほど」頻繁に登場
慣用句か枕詞のような「このほど」はいかがなものかと昨年5月に書いた。しかし、改まってはいない。
住宅新報4月3日号には、地価公示も含め「このほど」が14本もあった。今年の地価公示の発表日は3月27日(火)の夕刊以降だから1週間遅れだ。旭化成ホームズの「高経年マンションを考える会」は、会が行われたのは3月8日だったから約1カ月遅れ。プレ協の懇親会も行われたのは15日前だから2週間遅れ。トーセイの柏市の戸建てが「このほど」完売したという記事は、このほどとはいつか全く不明。最後のほうまで読むと、分譲開始が3年前ということが分かる。
どうも同紙は。「このほど」をどのような場合に用いるか統一的な基準を設けていないようだ。記者の自由裁量に任されているのではないか。だから1週間遅れも1カ月前の出来事も「このほど」になりうるということか。そんなとっくにゴミ箱に捨てられてもいい賞味期限切れの記事をこっそり忍び込まされ、読まされる読者がかわいそうだ。
トーセイの記事は週刊住宅も問題だ。記事はこうだ。「トーセイは3月25日、千葉県柏市に開発し、昨年11月に全区画が竣工した戸建分譲住宅『THEパームコート柏初石』(総戸数95棟)を完売した」と。
これだけ読むと、全95棟がわずか数カ月で完売したとも受け取れる。しかし、後半の部分で「2014年から7期に分け販売」とあるから、完売まで3年かかったことが分かる。
一般紙に「このほど」の記事があるかどうか調べてほしい。特ダネやインタビュー、企画記事などを除き、日にちが書かれていない記事は1本もないはずだ。5W1Hは記事の基本だ。
最後に一言。〝記事はラブレター〟だ。若い記者の皆さん、不特定多数の読者に媚を売るな!同業の記者と競うな!うまく書こうと思うな!自分を愛し、人を愛し、そして何より読者を愛せ! 結果は自ずとついてくる。
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するものWebとの融合・連携 ④(2018/4/5)
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの 新聞記事は鮮度だ③(2018/4/4)
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの ビーンボール②(2018/4/3)
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの ニュースを追うな①(2018/4/2)
コスモスイニシア アパートメントホテル「京都」と「日本橋水天宮」開業へ
「MIMARU京都 堀川六角」
コスモスイニシアは4月5日、グループでの中長期滞在のニーズに対応する都市型アパートメントホテル「MIMARU京都 堀川六角」を4月13日(金)に、「MIMARU東京 日本橋水天宮」を4月26日にそれぞれオープンすると発表した。
「APARTMENT HOTEL MIMARU」は、客室内にキッチンやリビング・ダイニングスペースを備え、調理器具などを常備し、ランドリールームも備えることでグループでの長期滞在・宿泊のニーズに応えるもの。
「京都 堀川六角」は約40㎡(4~5 名)の42室。「日本橋水天宮」は約35~39㎡の32室。
同社は今年2月、アパートメントホテル第1弾の「MIMARU 東京 上野NORTH」を開業。2020年までに1,500室の稼働を目指す。
◇ ◆ ◇
「京都 堀川六角」は来週、メディア向け見学会があるので、見学してレポートしたい。
〝骨太ニッチ〟アパートメントホテルで独走 コスモスイニシア第一弾「上野」開業(2018/2/2)
三井不動産 シェアオフィスにフレキシブルサービス「FLEX」2か所に導入
「ワークスタイリング八重洲」(左)と「ワークスタイリング東京ミッドタウン」の受付
三井不動産は4月5日、新しい働き方の実現に貢献する法人向け多拠点型シェアオフィス「ワークスタイリング」の新サービス「ワークスタイリングFLEX」を4月からグラントウキョウサウスタワー、東京ミッドタウンで展開すると発表した。
「ワークスタイリング」は、既存の法人向け多拠点型シェアオフィスサービスを「ワークスタイリングSHARE」とし、「ワークスタイリングFLEX」は目的や人数、期間により柔軟に対応するサービス。
「FLEX」を導入するワークスタイリング八重洲は約250席(177,800円/席・月~)、ワークスタイリング東京ミッドタウンは約480席(134,800円/席・月~)。
2017年4月に立ち上げた10分単位で利用可能な「ワークスタイリングSHARE」は今春30拠点となる。
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの Webとの融合・連携 ④
Web版で独走する不動産流通研究所「R.E.port」
一般紙もWebとの融合・連携に躍起になっている。NYタイムズがトランプ氏批判記事を増やしたことでネット会員を激増させたと報じられているが、経営的には苦しいようだ。わが国では、成功しているのは日経新聞くらいか。
メディアとネットの融合・連携で成功しているのは「Yahoo!ニュース」だろう。記者もパソコンを立ち上げると「Yahoo!ニュース」が表示されるよう設定している。世界のニュース・情報が瞬時に手に入れられるのだからこんな便利なものはない。日経の記事は読めないので提携していないのだろが、その他の提携企業は一般紙、地方紙、専門紙、通信社・報道機関など数百社に達するのではないか。
わが業界紙はどうか。記者は不動産流通研究所の無料のWeb「R.E.port」を毎日閲覧している。毎日午後6時に更新され、10本以上が掲載されている。その日に発表されたニュース・リリースや、記者見学会などの模様はほとんど網羅されている。女性記者が多いのも特徴で、取材先でよく一緒になる。他紙も女性記者が増えている。結構なことだ。
閲覧が無料なのは、親会社・アットホームの顧客サービスの一環として考えているからだろう。業界を批判するような記事は全くないのは、〝黒子〟に徹しているからだろう。
業界の若い方にも毎日、この「R.E.port」をチェックすることを勧めたい。3年間しっかり読めば先輩・上司を上回る業界通になれるかもしれない。
これと比べると、住宅新報も週刊住宅(いまネット記事は配信されていないが)も〝情けない〟の一言に尽きる。
住宅新報のWebの体裁そのものはよくできていると思うが、毎日4本くらい更新される記事はいわゆるゴミ記事ばかりで全く参考にならない。日々生起する重要な出来事について少しでもいいから記事にして、有料の購読に結びつけるようにしないと〝労多くして益なし〟にしかならないのではないか。
不動産経済研究所の「日刊不動産経済通信」は記事見出しだけは読めるが、記事は有料だ。同社は新しい事業を模索していると聞く。
いずれにしろ、「R.E.port」に他社は圧倒的な差をつけられている。「R.E.port」にないもの(解説記事など)を加えないと勝負にならない。住宅系や建設系業界紙などとの連携も考えていいのではないか。
「RBAタイムズ」は、記者一人で取材し、原稿を書き、校閲、画像処理、配信作業を行っている。他紙との競争意識がないわけではないが、Web版の「こだわり記事」は新聞と異なり紙数の制限はないし、締め切りもない。この点では圧倒的優位に立っているし、速さでも負けない。もちろん裃袴記事を書こうなんて考えは端からない。下品な言葉が頻々と飛び出すのは記者の品性そのものだ。
Web版は昨年3月まで日経新聞のWeb「住宅サーチ」に転載されていたので、アクセス数は他の不動産業界紙を圧倒していたはずだ。これがなくなったのは残念だが、致し方ない。
〝記事はラブレター〟-一人でも多くの方に読んでいただければありがたい。
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの 新聞記事は鮮度だ③(2018/4/4)
一日滞在型の街に「日本橋ムロホン賑わいづくりプロジェクト」始動 三井不動産
左から水谷氏、佐久間氏、橋本氏(「日本橋ムロホンビル」で)
三井不動産が「日本橋ムロホン賑わいづくりプロジェクト」を本格始動させた。4月4日、「日本橋再生計画」の4つのテーマである「産業創造」「地域共生」「界隈創生」「水都再生」のうちの一つ「界隈創生」の取り組みを紹介する記者説明会&内覧会を行った。
同社は、「残しながら、蘇らせながら、創っていく」をテーマに「日本橋再生計画」を推進しており、2014年の「福徳神社」社殿再建を含めた「日本橋室町東地区開発計画」完了以降を再生の第2ステージと位置づけ、「産業創造」「地域共生」「界隈創生」「水都再生」をキーワードに働く、暮らす、住まう、遊ぶ、憩うなどの様々な機能を複合した街づくりを目指している。
今回は、そのうちの一つである「界隈創生」を紹介するもので、中央通り沿道の大規模なオフィスや商業施設などが立ち並ぶ再開発エリアに隣接する「日本橋室町一丁目」「日本橋本町一丁目」エリア(ムロホンエリア)にある老舗や路地などの風情ある街並みを残しながら、個性的な店舗を誘致し、賑わいづくりと景観美化を推進するプロジェクト。
12店舗からなる地元有志による室町一丁目・本町一丁目のまちづくり検討組織「室一本一(むろいちほんいち)にぎわいの会」(以下、会)とともに街路樹のライトアップ、オリジナル行灯の設置、屋台イベント活動などを行ってきた。活動を理解してもらう景観づくりのルールを定めたリーフレット「室一本一の願い」を作成し、エリア全域のテナ ント各店に発信していく。
今回公開されたのは、割烹料理店「割烹 ふた麦 麦酒庵(ばくしゅあん)分店」やベンチャーキャピタルが入居する5階建ての既存建物をリノベーションしたビル、新築2階建ての和食居酒屋「室町 美はま」、新築3階建てのHARIOの3店舗。
「割烹 ふた麦 麦酒庵(ばくしゅあん)分店」(カウンターは100万円以上のヒノキの一枚板)
和食居酒屋「室町 美はま」(福井の地酒が美味しい)
3階建てのHARIO(手作りコーヒーも飲める)
◇ ◆ ◇
記者はバブル発生のころ、都心部の狂乱地価を取材している。その筋も絡んだ猛烈な地上げによって地域のコミュニティが根こそぎ破壊されるのを目の当たりにしている。
いままた、銀座などの都心部ではホテルやマンションなどの用地争奪戦が展開されていると聞く。狭小敷地の耐震性に問題がある建物などがターゲットになっているのは容易に想像できる。日本橋も例外でないと思う。
そこで、記者は次のような質問をした。都心部の老朽建物の集約化、高層化は避けられないだろうが、一方で地価上昇による固定資産税、地代、賃借料の上昇、後継・相続問題も絡み、活性化は容易でない、大規模ビル化と地域コミュニティの継承は共存できるのかと。
これに対し、発表会でプロジェクト説明を行った会・本一代表の佐久間一郎氏(繁乃鮨)は、「以前、この界隈は銀行が3時に締まるとシャッター街となった。もう一度、かつての賑わいを取り戻したい。地価が上がれば税金も高くなるが、それだけ土地の価値も上昇する。三井さんと手を取り合って街の再生・活性化に取り組んでいきたい。1日滞在型の街にすることで各店の売り上げも伸びるよう望んでいる」と語った。
同会の室一代表・水谷弘氏(利久庵)は、「わたしもバブルを見てきたが、会はその時(土地を)売らなかった会員が中心。資産性を高めながら商売を継続したい」と話した。
また、発表会の進行役を務めた同社日本橋街づくり推進部事業グループ・橋本健氏は「大規模な店舗だけでなく、歴史あるエリアの店舗をどう守っていくのか、商いとして成り立たせることが大事だと思っている。ポテンシャルを上げ賑わいを創出し、個性ある街にしたい」と語った。
その道のりは決して平たんではないだろうが、都心部の街の再生・活性化のモデルとなるような取り組みに期待したい。
◇ ◆ ◇
記者説明会場になっている、ベンチャー企業などが入居する「日本橋ムロホンビル」に入ったらすぐ、同社の木下豪介氏から声を掛けられた。名刺には「日本橋街づくり推進部 事業グループ主事」とあった。
読者の皆さんはご存じないだろうが、〝三井の木下〟と言えば、RBA野球大会で元オリックスの強打者・庄司氏(当時、ケン・コーポレーションの野手)から三振を奪った投手だ。1球ごとに〝痛たっ〟と味方も欺く戦略なのか、それとも本当に痛かったのか判然としない悲鳴を上げながら気迫の投球を披露した。忘れられない選手の一人だ。守備もうまく打力もあった(過去形なのは残念)。
肩痛を抱えており、今度、RBA決勝戦で対決することが決まった三井不動産レジデンシャル戦では投げられないだろうし、不摂生の祟りで走攻守どれでも同窓慶大の後輩山本遊撃手に勝てないだろうが、勝敗に関係ない圧倒的優勢、あるいは劣勢の展開になれば、細井監督から温情の代打が告げられるかもしれない。何が何でも出場すべきだ。
もちろん、日本橋の街づくりにも全力で取り組んでいただきたい。
木下氏(かつての三井不動産のエース)