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「広尾ガーデンヒルズ」

 三井不動産リアルティが4月1日付で組織改正すると発表した。流通業務本部、首都圏流通営業第一本部、首都圏流通営業第二本部、地域流通営業本部を再編し、リテール売買仲介事業を担う流通業務本部、首都圏流通営業第一本部、首都圏流通営業第二本部、地域流通営業本部を統合し「リテール事業本部」とする。

 これに伴い、首都圏流通営業第一本部と首都圏流通営業第二本部の各営業部を「流通営業一部」「流通営業二部」「流通営業三部」「流通営業四部」「流通営業五部」「流通営業六部」「流通営業七部」「流通営業八部」「流通営業九部」に改称する。同時に、富裕層を中心に都心の不動産売買仲介に特化する組織として「リアルプラン営業部」を新設する。

 また、事業用、投資用不動産市場におけるソリューションサービスの強化するため、各営業本部を統合し「ソリューション事業本部」とする。

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 不動産流通のことはよく分からないのだが、意思決定が迅速に伝達され、なおかつきめ細かなサービスが提供されるための組織改編だろう。

 記者が注目したのは「リアルプラン営業部」の新設だ。同社は他社に先駆け、1985年にリアルプランセンターを立ち上げた。その後、バブル崩壊を経験しながらも店舗数を増やしてきた。現在では都心の5店舗だが、一時は9店舗くらいあったはずだ。

 富裕層向けビジネスは間違いなく拡大する。国内だけでなく海外富裕層の投資需要も見込める。もちろんリテール事業部との連携は必要だが、通常のアプローチではケタ違いの富裕層に対応できないと思う。時々刻々と変わる生きものとしての不動産の実相はプロしか伝えられないのではないか。

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 さて、そこで「リアルプラン営業部」が取り扱ういわゆる「ヴィンテージマンション」について考えてみた。

 まず、定義。そもそも「ヴィンテージ」は、ワインの年代物・名品に付される代名詞か冠詞のようなものだ。記者は日本酒や焼酎、泡盛、紹興酒、モンゴル酒の古酒は飲んだことがあるが、ワインやウィスキーはほとんど飲んだことがない。

 日本酒の古酒は高級ワインのようにすっきりしているし、泡盛の古酒を飲んだら他の酒など飲めないくらい美味しい。しかし、経験したことがないものを中古マンションにたとえることなどできない。記者は億ション中の億ションと理解している。御三家をあげれば、三井不動産レジデンシャル「麻布霞町パークマンション」、三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス千鳥ヶ淵」(三井「千鳥ヶ淵」もいいが)が東西の横綱で、住友不動産、三井不動産、三菱地所、第一生命保険の「広尾ガーデンヒルズ」が名誉会長のような存在だ。「パークマンション檜町公園」はシートがかかった外観しか見ていないので評価のしようがない。

 三井リアルがどう定義付けしているかわからないが、東京カンテイは2016年のリポートで、「少なくとも築10年以上(2015年12月時点)を経過していること。専ら住宅地(≒住居用途地域)に所在していること。物件の平均専有面積が100㎡前後であること(少なくとも90㎡以上であること)。物件から発生する中古流通事例の90%以上が坪300万円以上であること」とし、その数は237物件としている。

 これには同意できるものも同意できないものもある。築年数は関係ないと思う。確かに時を経ても資産性が保たれているという意味では「築10年」は一応の説得力があるが、分譲開始の時点で将来にわたりその価値が維持されるであろうと思われる物件はある。

 「専ら住宅地に所在」もどうか。確かにバブル発生前は〝億ション〟といえばほとんど100%近く住居系エリアに所在した。商業系や準工地域で億ションが分譲されるようになったのはバブルの最盛期のころからだ。今では、タワーマンションを含め商業系エリアのほうが多いくらいだ。

 富裕層の選好基準も変化している。「専ら住宅地」に限定するのは適当ではない。三井レジの「赤坂」「青山」(これをヴィンテージと呼べばだが)は商業立地のタワーだ。

 「物件の平均専有面積が100㎡前後」はまずまず同意できる。これを絶対条件とするには疑問もあるが、コンパクトマンションをヴィンテージと呼ぶには抵抗がある。

 「坪300万円」も根拠が希薄だ。「広尾ガーデンヒルズ」だって坪3,000万円を突破したこともあるし、リーマン・ショック後は坪300万円まで下落したこともある。坪単価は重要な基準ではない。郊外エリア№1の物件も該当するようにすべきだと思う。

 同社の定義で欠落しているのは、基本性能・設備仕様、住環境・居住性能だ。これらの価値は自ずと坪単価に反映されるが、定義として外すわけにはいかない。絶対条件だ。売主や施工会社のブランドも加えるべきだ。そうすればランク外になる物件は続出する。

 ここまで書いてくると、「ヴィンテージマンション」なるものはあるようでないともいえる。前提条件が異なれば、結果は全く違ったものになるということの証左だ。

 本物の億ションは、東京カンテイが示している237物件のうち半分は減り、一方で加えるべき物件も増えるのではないか。

 そこで、不動産流通各社に提案だ。自社の基準を設け(設けているはずだ)、それこそランキングとして公表したらどうか。なによりも物件の特性、価値を知っているのは流通会社だからだ。それぞれ評価が異なったら面白い。ヴィンテージマンションを事業主に順位付けするのもいい。三井レジが3~4割を占めるのか。

三井不レジ「檜町公園」 わが国の最高価格マンション1戸55億円 成約済みか(2017/7/15)

歴史は繰り返す――バブルから何を学んだのか(2008/10/27)

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福田氏

 野村不動産ホールディングスは3月2日、グループ各社の人事異動を発表。野村不動産パートナーズの新しい社長に野村不動産取締役兼専務執行役員で野村不動産ホールディングス執行役員の福田明弘氏が就任し、代表取締役社長兼社長執行役員・黒川勇治氏は退任し、同社顧問に就任する。また、野村不動産アーバンネット取締役会長・宮島青史氏は退任する。いずれも4月1日付。

 福田氏は1959年5月13日生(58歳)、東京都出身。1984年(昭和59年)3月慶應義塾大学経済学部卒業、同年4月野村不動産入社。住宅カンパニー戸建事業部長、執行役員、常務執行役員などを経て、2016年から現職。

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「ディアナコート目黒」完成予想図

 モリモトが4月に分譲する「ディアナコート目黒」を見学した。東京建物「目黒」とは反対側、駅から徒歩5分の落ち着いた雰囲気がある第1種中高層住居専用地域の一角。敷地は三条実美の邸宅跡地の一部。いったいいくらになるのか、普段は口が軽い(失礼、正確には自信たっぷり)同社関係者も口をつぐんでいる。

 物件は、JR山手線目黒駅から徒歩5分、目黒区目黒1丁目に位置する敷地約2,392㎡の7階建て(建基法では地下2階地上5階建て)全89戸。専有面積は32.04~87.07㎡、価格は未定。竣工予定は2019年8月下旬。設計・監理はIAO竹田設計。デザイン監修はアーキサイトメビウス。施工は東亜建設工業。

 敷地は南北軸が細長い長方形で、西下がりの傾斜地。敷地東側はホテルプリンセスガーデンに隣接。道路を隔てた南側には2000年の募集時に入居希望者が殺到した賃貸マンション「アクティ目黒」(234戸)が、北側には目黒合同庁舎がある。同社が取得したのはホテルの敷地の一部で元駐車場。

 建物のデザイン監修は、同社の〝定番〟ともいえるアーキサイトメビウスの今井敦氏で、南側の正面は黒御影石とライムストーンの縦と横ラインを強調した端正な表情が特徴。

 住戸は内廊下方式の西向きと東向き。西向きは間口7.7~11.3mのワイドスパンで、最上階は20.40m(194㎡)と18.25m(164㎡)。

 専有部のインテリアデザインは、「ディアナコート浜田山」も担当した西山建築デザイン事務所・西山広朗氏。床は敢えて凹凸を出したタイルを採用。壁はオークの突板、リビングドアはオリーブウォールナット。玄関扉も木製。

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 敷地が三条実美の邸宅跡地であることは、記事を書く段階で分かった。現地を見たときは、ホテルの真後ろ(西側)で敷地が真っ二つに切られていたので、ホテルが敷地の一部を売却したのだろうということは容易に想像がついた。

 そのホテルの敷地は見事だったが、エントランスの案内表示は一部壊れており、廃業でもしたのかと思える風情だった。コーヒーでも飲もうかと入ったが、そのようなサービスはされていなかった。

 ホテルとモリモトのマンション敷地を一体として再開発したら間違いなく坪1,000万円でも売れると思った。

 どうして三条実美の邸宅跡地に〝プリンセス〟などの名がついているのか不思議に思い調べた。人様の記事を引用するわけにはいかないが、フジモリ大統領、亀井静香、ライベックスなどが登場する。曰く言い難し、そのものだ。

 さて、肝心の坪単価だが、これが読めない。建物の正面には7階建てのマンションが建っており、全8スパンのうち3スパンくらいは影響を受けそうだ。これはマイナス材料だ。また、東向き住戸は日照が確保できないことなどを考慮すると平均単価は650万円がアッパーと見たがどうだろう。最上階は坪2,000万円でも安いかもしれないが、同社はそんな高値を追求しないのではないか。

 高値で始まった年初の株価からそのまま都心部は突っ走ると予想したが、その後、株価が急落し、変調を来した。各社とも値付けに慎重になっているようだ。森本浩義社長も頭を悩ましているのではないか。

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10.2mスパンで専有面積は74.52㎡

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完成予想図

 野村不動産が2月22日、恵比寿の旧国家公務員宿舎跡地の再開発プロジェクトを着工した。

 「2020年に開催される国際競技大会時等の観光客の増加に伴い不足する都市部の宿泊施設の整備」と「高齢者・子育て支援施設整備」という国の定める条件を満たして選定された事業。

 物件は、JR恵比寿駅から徒歩5分、渋谷区恵比寿南3丁目に位置する敷地面積約4,035㎡、11階建て延床面積約16,078㎡。主要用途はマンション(88戸)、ホテル(82室)、介護施設(デイサービス)、保育施設。設計は日建ハウジングシステム、鴻池組。施工は鴻池組。マンションの入居開始は2020年3月下旬。

 マンションは、駅近と高台立地を活かし、敷地面積の約21%を緑地とするほか、重厚感のあるファサードデザイン、オーダーメイド対応とする。併設するホテル、介護施設、保育施設とのサービス連携も行う。専有面積は約60~200㎡。

 ホテルは、プリンスホテルの次世代型宿泊特化ホテルブランド「プリンススマートイン」として開業する。

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 記事をアップするのが遅れたのは忙しかったこともあるが、どうしても単価予想をしたかったからだ。

 いま、恵比寿駅圏では住友不動産が分譲中で坪単価は700万円。順調に売れているそうだ。三菱地所レジデンスも分譲を開始した。取材を申し込んでいる。坪単価は700万円を切っているようだ。モリモトがこれから目黒駅5分で分譲する。坪単価は600万円を下回らないと思う。パナホームが代官山で分譲するが、こちらは読めない。900万円はあるかどうか。取材を申し込む予定。

 さて、これらと比較すれば、野村不動産のマンションは立地条件を考慮すれば坪単価800万円以下はあり得ないと思う。では900万円はどうかといえば自信がない。三井不動産レジデンシャルの青山を超えることはないと見たが、敢然と挑戦する可能性は否定できない。同社は代官山や六本木で味を占めた。

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完成予想図

 本厚木駅南口地区市街地再開発組合、三菱地所レジデンス、フージャースコーポレーションは3月1日、神奈川県厚木市の「本厚木駅南口地区第一種市街地再開発事業」を同日着工したと発表した。

 プロジェクトは、小田急小田原線本厚木駅から徒歩1分、敷地面積約2,400㎡、22階建て延べ床面積約24,400㎡(容積率700%)。地下は駐車場などで1~3階が商業・業務施設。4~22階が住宅163戸。設計はアール・アイ・エー。施工はフジタ・小島組建設共同企業体。竣工予定は2020年11月。

 マンションは2018年秋頃にモデルルームをオープンする予定。専有面積は約55~約110㎡。

 アキュラホームは3月26日(金)、「これからの住宅地を考える会」主催シンポジウム「暮らしを変える『コミュニティ』の条件」を開催する。

 会場は、すまい・るホール(文京区後楽1-4-10)、13:00~16:30。後援は住宅金融支援機構、都市住宅学会、JAHBnet、アキュラグループ。参加費無料(定員295名で締め切り)。申し込みは次のwebから。https://www.jahbnet.jp/symposium/2018/

 パネリストは、三井所清典氏(アルセッド建築研究所所長)、髙田光雄氏(京都大学名誉教授・京都美術工芸大学工芸学部長)、川崎直宏氏(市浦ハウジング&プラニング社長)、二瓶正史氏(アーバンセクション代表取締役)、齊藤広子氏(横浜市立大学国際総合科学部教授)。

 シンポジウムは、ゴールデンウィークに販売開始する同社の戸建て「ヒルサイドテラス若葉台」 のコンセプトとなるもの。

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  この種の案内はほとんど記事にしたことがない。そんな暇はない。しかし、同社の「若葉台」には大きな期待をかけている。昨年、どのような企画で挑戦するかは少し聞いた。期待に応えてくれるか裏切るか。皆さんも参加されてはいかがか。

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「ルネ北綾瀬」(バルコニーに注目)

 総合地所は3月1日、「ルネ北綾瀬」のメディア向け見学会を行った。1月末から竣工販売を開始しており、全58戸中25戸を成約するなど順調なスタートを切った。しっかり造りこみを行った好物件だ。

 物件は、東京メトロ千代田線北綾瀬駅から徒歩6分、足立区東和5丁目に位置する7階建て全58戸。専有面積は59.97~77.08㎡、予定価格は3,300万円台~5,300万円台。坪単価は214万円。建物は2018年1月9日竣工済。施工は長谷工コーポレーション。

 現地は、商業地からやや離れた戸建てや中層マンションなどが建ち並ぶ住宅街。近くにはスーパー、公園、保育施設がある。

 現在、北綾瀬駅は綾瀬駅から乗り換えで0番線から発着しているが、遅延解消と利便性の向上のため、駅のホームの延伸を行い、代々木上原方面の直通運転を来春に開始する予定で工事が進められている。開業すれば1番線となり、現地から駅までは徒歩5分と短くなり、大手町へは23分となる。乗り換え時間を考えると数分は都心に近くなる。キャッチフレーズで「東京0▷1」とうたっているのもそのためだ。

 住戸プランは南向きが中心。グッドデザイン賞を受賞した可動収納ユニット「ウゴクロ」を竣工物件では初めて14戸に装備しているほか、競合物件には付いてないディスポーザーや食洗機、カップボード付き。

 バルコニーはアルミ格子やガラス・パネル手すりでなく、5階部分まではコンクリートを立ち上げ、その上にガラスルーバーを添えることで縦のマリオンと横のルーバー、ガラスが印象的なデザインとしている。内廊下側も壁はタイル仕上げとし、面格子は、光を取り込みながらプライバシーも確保する機能を持つ上下セパレート型。

 今年1月20日にモデルルームをオープン。来場者は約150件で、これまでに25戸を成約。DINKS層も多いのが特徴。現居住地は足立区が55%、年収は400万円台が20%、500万円台が15%、600万円台が20%。

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 いま、供給物件すべてをメディアに公開しているのは同社だけだ。しかも、坪単価から販売状況、顧客の属性・特徴など細かなデータまできちんと別紙に添え発表している。こうした企業姿勢に頭が下がる。その割に見学するメディアが少ない。情けない。ものを見ないと絶対成長しない。記者の優劣はどれだけものを見たかで決まる。

 商品企画もいい。同社は安宅地所当時から施工は長谷工コーポが圧倒的に多かったが、〝丸投げ〟はしなかった。マンション不況の時などは需要を喚起する物件をたくさん供給した。記憶は確かでないが、施工は長谷工で、設計は日建だったか東急設計だったかを起用した「ルネ蒲田」が大ヒットした。長谷工が変るのもそのころか。双方はとてもいい関係にあった。

 今回の物件も、足立区居住者には申し訳ないが、外観にタイルを張り巡らし、この程度の規模にディスポーザーを採用するデベロッパーは少ないはずだ。

 グロスを抑制するため専有面積圧縮型もあるが、これは致し方ない。普通のサラリーマンが無理なく取得できる住宅政策を取らない政治が悪い。このままだと23区で子育てファミリーがゆとりあるマンションを買えなくなる時代がやってくる。もうやってきたか。

 長谷工コーポには自社ブランド「ブランシエラ」があり、首都圏では「板橋西台」と「浦和駒場」でパイロット的事業を行った。これからは総合地所がその役割を担うようにすればどうだろう。長谷工の技術とルネの商品企画が融合したら素晴らしいマンションができる。

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エントランス

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 どうでもいいことだが、面白い話を2つ。先日の長谷工コーポ「東十条」の賃貸・有料老人ホームの見学会で外を歩く時のスリッパにカイロが入れられていたことを書いた。今回は、暖かくカイロは必要なかったのだが、外用のゴム製スリッパがまたよかった。土踏まずの部分が盛り上がっており、ネコの肉球のように柔らかく足の裏にフィットした。これは同社が長谷工グループ入りした効果の一つか。それとも長谷工が真似をしたのか。

 もう一つは「ウゴクロ」。記者も試してみた。軽くはないが両手を使えば移動できる。そこで「兄弟姉妹が陣取り合戦をやるのではないか」と発したら、別の記者は「通知表の出来で決めればいい」と言った。なるほど。(彼も兄弟だか姉妹がいたはずだ。彼は勝ち目がないということか。勝ちを譲るなんてえらい)。

 記者などは兄姉が3人いたが、束になっても記者にはかなわなかった。しかし、出来の悪い長兄は10畳間を独り占めしていた。記者はわずか2畳間で冬は震えながら勉強した。

 総合地所に提案。65㎡の田の字型3LDKはリビング・ダイニングが10.6畳大、洋室が5.8畳大、5.4畳大、5.0畳大だ。仮に夫婦と子ども2人だったらどう使うのか。夫婦が一番大きな部屋を使うとしても1人当たりにすると子どもより狭い。これはいかがなものか。

 子どもの寝室は2畳大あれば十分だ。大きな部屋を与えたら出来のよい子どもに成長するとは限らない。どこかチャレンジするデベロッパーは現れないか。マンションの間取りは劇的に変わる。

 あっ、そうだ。このマンションは「駅から7分以内」だし「マンションは足立区を買え」にも合致する。

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「ウゴクロ」(梁を隠しているのがポイント)

また怒り沸騰 「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の本は買うな!(下)(2018/2/1)

総合地所 長谷工コーポ・不二建設の子会社に(2015/4/23)

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平野氏

 長谷工コーポレーションは3月1日、長谷工リアルエステートの新社長に長谷工コーポレーション取締役兼常務執行役員・平野富士雄氏が、長谷工リアルエステート社長・中田秀樹氏は同社会長にそれぞれ4月1日付で就任すると発表した。

 平野氏は、1956年(昭和31年)3月生まれ61歳。1979年(同54年)3月、専修大学卒。同年4月、長谷川工務店(現長谷工コーポレーション)入社。東京支店不動産2部部長、第一事業部参与事業部長などを経て2008年4月、執行役員に、2012年4月、常務執行役員に、2014年6月、取締役兼常務執行役員に就任。

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「(仮称)富士見2丁目ビルリファイニング工事ASPRIME富士見千代田」

 青木茂建築工房とミサワホームは3月1日、「(仮称)富士見2丁目ビルリファイニング工事ASPRIME富士見千代田」の完成見学会を行った。参加者は約450名に上る見込みだ。

 昭和56年に建築された旧耐震の専門学校をミサワホームが取得し、同工房のリファイニング建築手法を用い、現行の基準に合致するよう耐震補強工事を行い、賃貸住宅への用途変更、増築・減築、エレベータの新設、大規模な模様替えを施した。

 完成後の賃貸住宅は、JR飯田橋駅から徒歩3分、千代田区富士見2丁目に位置する4階建て全16戸。専用面積は約28~57㎡。月額賃料は13万~25万円。9戸に申し込みが入っている。設計・監理・監修が青木茂建築工房。施工は大末建設。

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 プロジェクトについては、昨年11月に行われた解体工事見学会を取材しており、詳細はそちらの記事を参照していただきたい。

 プロジェクトの北側の隣接地でミサワホーム(事業比率70%)とトヨタホーム(同30%)の分譲マンションが予定されていることを関係者から聞いた。分譲は2年後のようだ。いったいいくらになるか。坪単価600万円に乗るかどうか。市況によっては700万円もあるか。

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ミサワホームとトヨタホームのマンション建築現場

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 記者は前回もそうだったが、道にまた迷い、見学会開始の10時に間に合わず、青木氏の挨拶は聞けなかったが、前回と同様、学校をリファイニングしたのでスパンが大きく、天井高も確保されていたので比較的容易だったことなどを話したそうだ。近く岡山の公共建築、福岡の商業ビル、東京都大田区の集合住宅も竣工すると話した。

 着ているジャケットがまた素晴らしかった。中身はどうか知らないが、衣はまさに(写真の通り)リファイニングそのものだった。とても今年古希を迎えるおじいさんに見えなかった。「先生、素晴らしいジャケットですね」「うん、イッセイミヤケ。これ、(自分に)合うんだよね」

 そこで隣にいた女性スタッフに「あれ、いくらですかね」と聞いたら、その女性は「さぁ、男性物はわからないけど10万円くらいするんじやないですかね」「えっ、10万円…」じっと記者の着ているスーツを眺めた。(男は中身だ!)

 言っときますが、読者の皆さん。わたしだって50代のころイッセイミヤケのピンクのシャツを買って、白いズボンを穿いてRBA野球の取材に着てたんですから。

 そこでイッセイならぬ一句。「君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ」(古今集)-時期はやや違うが、この日はとても暖かく、コートを脱いで見学に出かけた。浮き立つような取材ができた。

 もう一つ。この日の見学会の予定参加者は約450名だと聞いた。一度にたくさん押し掛けるとパニック状態になるので6回に分けるという。断った人もかなりあったそうだ。

 すごい数だ。あの「千駄ヶ谷」では約300名だった。450名は記録かもしれない。みなさん、「あおきしげる」をパソコンで検索していただきたい。まず当然ながら青木繁がヒットするはずだが、「青木茂」(記者はいつも記事に書いているから変換キーを押さなくとも「青木茂」になるが)は4番目くらいにヒットする。そのうち逆転するのではないか。

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青木氏

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これがイッセイミヤケだ

リファイニング建築の考案者 首都大学東京特任教授・青木茂氏が退官へ 記念講演会(2018/2/13)

ミサワホーム&青木茂建築工房 千代田区富士見のリファイニング建築見学会に250名(2017/11/9)

リファイニング建築のすごさを見た 「千駄ヶ谷緑苑ハウス」完成(2014/3/22)

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「NATURAL HYGGE STYLE (ナチュラル ヒュッゲ スタイル)」

 三井ホームは2月28日、ミレニアル世代向けのシンプル・高性能・コストパフォーマンスに優れた新しい暮らし提案型商品「NATURAL HYGGE STYLE (ナチュラル ヒュッゲ スタイル)」を3月1日から販売を開始すると発表した。

 「もっと家を楽しむ」をコンセプトに、コト消費ニーズの高い30代から40代のミレニアル世代をターゲットにした商品で、インテリアに天然木をふんだんに採用、家族がアクティブに過ごせる内と外をつなぐテラスリビングや、新しい試みとして子供も大人も楽しめるDIYスペースを提案する。

 外観は特徴あるフレームデザインとし、壁面の一部に天然木を採用し、太陽光発電システム(3kw)を標準装備する。

 同社取締役常務執行役員・河合淳也氏は、「近く発表する浜田山、駒沢の富裕層向けの『プレミアム』も強化するが、今回は初めて家を建てるミレニアル世代向けにリアルサイズの商品にしたのが特徴。三井のリハウスと連携して土地なしや狭小敷地にも対応していく」と話した。

 プロトタイプは延床面積33坪で1,980万円(坪単価60万円)~。販売目標は年間100棟。当面、埼玉、千葉方面が対象。

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テラスリビング

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魅せるキッチン

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 河合氏など関係者がミレニアル世帯向け、第一次取得層向け、リアルサイズなどと強調したので、ひょっとしたらローコスト住宅を提案するのかと思ったが、単価が示すように、同社としては安い部類かもしれないが、ミレニアル世代向けにしてはずいぶん高いというのが率直な感想だ。

 つくばエクスプレス柏たなか駅から徒歩7分に設けられているモデルハウスは土地が172㎡(32坪)、建物が114㎡(34坪)で、外構・インテリア込み5,600万円と聞いてびっくりした。

 担当者は「売るのが目的ではなくて、モデルハウスとしてお客さんに見てもらうための外構、インテリアを含めた高めの価格設定」と話したが、目が飛び出る価格だ。相場と比べれば少なくとも1,000万円は高い。

 それだけの価値は確かにある。設備仕様はものすごくレベルが高い。外壁にスギの天然木を一部採用し、1階に天井高約2600ミリの土間空間と、挽板仕上げの節有バーチフローリング、三井不動産の森のトドマツの間伐材を用いた天井、九州産のスギを使ったアクセントウォール、ヒノキのウッドデッキなどは明らかにアッパーミドル向けだ。

 ミレニアム世代に対して、ものすごく自己中心的で、雇用や社会保障など将来不安が大きいにも関わらずいまの生活に満足しており、選挙では保守というよりは我利我利亡者の候補に大きな支持を寄せ、住宅だけでなく恋人さえもシェアする-このようなイメージしか持ち合わせていない記者が間違っているのか。

 プレミアムかミレニアルかさっぱりわからなくなってきた。まさか世界で8,000万部以上が売れた小説「ミレニアム」にあやかろうという訳ではないはずだ。

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繋がるデッキ

「全150棟、2年間で売る」 ポラス・柏たなかの分譲戸建て 好調スタート(2017/7/10)

 

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