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「シティタワー国分寺ザ・ツイン」

 住友不動産は3月27日、JR国分寺駅直結の商・住複合の免震ツインタワー「シティタワー国分寺ザ・ツイン」のプレス向け竣工内覧会を行った。分譲554戸のうち約350戸が成約済みで、販売は順調に進捗している。

 物件は、JR中央本線国分寺駅から徒歩1分、国分寺市本町三丁目に位置する36階建てウエスト棟(299戸、店舗18区画)、35階建てイースト棟(284戸、うち事業協力者住戸30戸)の合計583戸(分譲は554戸)。専有面積は48.33~120.45㎡。坪単価は400万円強。設計・監理・施工は竹中工務店。

 駅北口のランドマークとなるもので、再開発計画が持ち上がった昭和40年から約50年、都市計画決定から約28年、バブル崩壊、リーマン・ショックなどで再三計画の変更を経て竣工した。

 同社は2013年に国分寺市に代わって工事を行う「特定事業者」に選定され、2015年7月に着工した。施行面積は約2.1ha、総事業費は447億円。

 4月1日に市の公益フロア「cocobunjiプラザ」、4月7日に三越伊勢丹グループの商業施設「ミーツ国分寺」がそれぞれオーブンする。

 内覧会で同社住宅事業分譲事業本部第二統括営業所長・岡本和也氏は「2016年2月に販売を開始して以来、順調に推移している。駅直結・複合・タワーのランドマークとして益々注目を集める」と話した。

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 同社が明らかにした契約者分析は、物件の特性をよく反映している。居住地は国分寺市(22%)、隣接市(24%)のほか武蔵野市、杉並区、新宿区、三鷹市、立川市など中央線沿線が目立つ。

 年齢は60歳以上が33%にのぼり、以下50歳代、40歳代がそれぞれ23%、30歳代以下が22%となっている。

 職業は経営者、医師、無職(地主・シニア)が全体の6割を占め、会社員など(23%)は共働きや自己資金のある人が目立ったという。

 購入目的は実需が8割で、投資+セカンドハウス用が2割。現在の居住形態は持ち家戸建てが37.6%、分譲マンションが28.1%。

 -中央線の駅近マンションは、富裕層やアッパー三ドルしか購入できず、賃貸からの〝脱出組〟の取得は絶望的となっている。

 面白いのは「グレーシアタワー三鷹」との競合だが、販売責任者の永田太郎氏は「ほとんどない」と語った。

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エントランスホール

早期完売間違いなし 三鷹駅直結の相鉄不・三菱地所レジ「グレーシアタワー三鷹」(2017/12/21)

駅直結の「シティタワー国分寺ザ・ツイン」 即日完売スタート(2016/4/1)

 

 

 

 

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「ヴェレーナグラン浜田山」完成予想図

 久々に第一種低層住居専用地域の、しかも全戸南西向き建物が桜並木と神田川遊歩道に面し、また松本清張が住んでいた邸宅まで徒歩2分、さらにまた京王井の頭線浜田山駅と高井戸駅まで徒歩7~9分という空前絶後、唯一無二、万金に値するマンションを見た。

 大和地所レジデンスが分譲を開始した同社フラッグシップ「ヴェレーナグラン浜田山」だ。

 物件は、京王井の頭線浜田山駅から徒歩9分(高井戸駅から徒歩7分)、杉並区高井戸東一丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%、景観形成重点地区)に位置する敷地面積約3,030㎡、4階建て全32戸。専有面積は70.85~103.58㎡。竣工予定は2018年12月下旬。設計・監理は共同制作。施工は今井産業。3月から分譲が始まっており、すでに9戸に申し込みが入っている。

 現地は、神田川遊歩道沿いの景観を守るため杉並区が指定した「水とみどりの景観形成重点地区」の一角。敷地が広く、前面に広い空地が確保されていることから、建基法第55条2項の規定により建物の高さが12mに緩和されているのが特徴。このため建物は半地下方式を取らなくても4階建てが可能になった。

 建物は空地率60%を確保し、〝3戸1〟エレベーター方式を採用し、全住戸にエスコートポーチを設置。駐車場はシャッターゲート付きの全戸平置式。住戸プランは両面バルコニー、ルーフバルコニー、ワイドスパン(約8~10m)、専用庭付き(オープンエアデッキなど約10坪)など。

 設備仕様はディスポーザ、天然御影石のキッチンカウンター・洗面台、グローエ水栓、ミストサウナ、スロップシンクなど。天井高は2,450ミリ。

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 現地、モデルルームを見る前までは坪単価は400万円を超えることはないと予想していた。浜田山はマンションや戸建て見学で数十回は訪れている。同駅圏には約10年前、坪400万円で分譲された都心5区を除く準都心部の最高峰「パークシティ浜田山」が燦然と輝き、東急不動産の記念碑的マンション「プレステージ浜田山」もある。これらを上回る物件はあり得ないと思っていたからだ。

 ところが、販売を担当する同社次長・喜多氏から坪単価を聞き、わが耳を疑った。いくら用地・建築費が上昇しているとはいえあり得ないと。

 それでも喜多氏は、「23区で過去10年間供給された3,313物件のうち第一種低層住居専用地域の平置き駐車場100%付き物件は5物件しかない」と自信たっぷりに話した。

 5物件のうち2物件は小規模で記者は知らなかったが、ほかの「グランドメゾン代沢」「Brillia大和郷」「プラウド代沢」の3物件は見学しているのでよく覚えている。「大和郷」は坪500万円だった。

 いつもは冗談など飛ばさない同社の広報マン・横山氏もいつになく饒舌で「この物件は欠点がない」「野球にたとえるとこのマンションは〝トリプル3〟」と話した。

 喜多氏と横山氏の話を聞いて記者の自信は揺らいだ。そして、現地を見て、喜多氏と横山氏の言葉に嘘はないことを理解した。

 「代沢」「大和郷」も確かによかったが、立地・環境は「浜田山」に軍配を上げる。

 この立地なら安すぎると思った。浴室が普通のユニットバスだったのは残念だが、全体的に仕様を上げれば間違いなく坪500万円でも売れる。(同社はこれまで100㎡マンションの経験はあるが、億ションの冒険はできなかったのだろう)

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 この日は午前中、約30年間マンション一筋に歩んできた総合地所執行役員・梅津氏にインタビューした。話題は大手デベロッパーに対抗できる中堅はどこかになり、同社とモリモト、コスモスイニシアの名前がすぐ上がった。梅津氏は「大和(地所レジ)さんも…」と言葉を濁したので、記者は「いやいや大和さんも最近元気が出てきた」と話した。

 この「浜田山」は完全復活を予感させる物件だ。モリモトのように大手がすり寄ってくるようにさらに仕入れ・企画力を磨いてほしい。

 それにしても、同社に入札で勝てなかった(社名は書かないが)デベロッパーも情けない。売値を坪500万円とはじけば勝てたはずだ。資金力では比較にならないはずだが、目利き力には疑問符がつくと言っては失礼か。

 喜多氏について。喜多氏はこの前までは新京成電鉄北初富駅から徒歩2分の「ヴェレーナ新鎌ヶ谷」(81戸)を担当し売り切り、同社の今期引き渡し予定の929戸完売、期末在庫ゼロに貢献した。今回は3倍以上の単価だが、「とても楽しい。パークシティからの買換えもある」と笑顔を見せていた。

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東京建物の「Brillia 大和郷(やまとむら)」 坪単価500万円超の高額でも大健闘(2008/12/5)

野村不動産「プラウド上原」 垂涎の的の低層3階建て(2011/4/25)

感動的なマンション 三井不動産レジデンシャル「浜田山」(2007/11/8)

 

 

 

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「(仮称)泉区高森2 丁 目プロジェクト」

 三菱地所株式会社は3月26日、同社が開発した仙台市泉区の「泉パークタウン」内でわが国初のCLTを床材として使用した木造と鉄骨造のハイブリッド構造の10階建ての賃貸マンション「(仮称)泉区高森2 丁 目プロジェクト」を着工したと発表した。2019 年2 月下旬の竣工を目指す。

 同社と三菱地所設計、竹中工務店、山佐木材の4社で取得したCLT床2時間耐火構造の国土交通大臣認定技術を初めて適用する。

 2時間耐火の大臣認定を受けたCLT床のほかに、竹中工務店の特許技術「燃エンウッド」を柱に初めて採用した。

 CLTを構造材に利用することで、通常の鉄筋コンクリート造に比べ3カ月程度の工期短縮を予定している。

 竣工後は39戸の賃貸住宅として運営し、継続的に建物性能に関するデータなどを収集する。

 計画地は周辺にホテルや商業施設、アウトレットなどが集積する街の中心部に位置し、小高い丘陵地に建つことから視認性も高く、街の新たなシンボルとなると同社はしている。

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「クレヴィアリグゼ世田谷松陰神社前」

 伊藤忠都市開発の賃貸マンション「クレヴィアリグゼ世田谷松陰神社前」の2住戸を見学した。女性ファッション誌「GINGER」(幻冬舎発行)とコラボレーションし、アラサ―世代の女性が満足できるの研究開発を進めてきた「大人女子の部屋づくりプロジェクト」の企画を商品化したもの。

 物件は、東急世田谷線松陰神社前駅から徒歩4 分、世田谷区世田谷4丁目に位置する9階建て全50戸。専用面積は25.0~55.55㎡。月額賃料は約11,000円/坪。2018年1月25日に竣工済み。光井純氏が設計を担当した「デザイナーズマンション」が売りのようだ。

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 現地は昨年、コスモスイニシアがほぼ1カ月で完売した分譲マンション「イニシア松陰神社前」を見学したとき見ている。四差路の角地だ。分譲なら坪400万円になるかとも思った。

 今回は単身者向け賃貸なのでよくわからない。しかも〝大人女子〟なるものがいったいどのような女性なのか皆目見当がつかない。社内の〝大人女子〟と思われる女性に聞いたら「オバサンも含まれることもあるから深く考えないようにしたほうがいい」と言われたので、とりあえず30歳代の独身女性をイメージして考えることにする。

 とはいえ、いつも分譲マンションのことばかり考えているので、これは分譲にも生かせそうな商品企画を紹介する。馬鹿なことを書いて〝大人女子〟に嫌われたくない。

 間違いなく分譲にも生かせそうなのが「癒しのバスルーム」「柔らかく区切られた寝室」「充実した洗面室」「いつでも勉強できるカウンター」などだ。狭い空間をよく生かしている。

 モデルルームは1LDK/28.54㎡と1DK/25.12㎡で、やや狭いのではないかと思ったが、坪1万円以上もするのだから贅沢は言えないのだろう。分譲で坪単価400万円を超えたら販売は苦労するはずだ。同社も分譲のリスクを考えて賃貸にしたのだと思う。

 「GINGER」は生姜焼きしか思い浮かばないが、丸の内北口ビルではパクチーの店が〝大人女子〟に大流行りだ。しかも、記者などはいくら無料とはいえトッピングなどはしたないことはしないが、彼女たちは山盛りにして食べている。よほど刺激に飢えているのか、たくましいのか、空恐ろしくなる。

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マルチシューズインクローク(左)と多機能浴室

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ワゴン付きキッチン(左)とパウダールーム

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可動本棚付きカウンターキッチン

地主の意向を反映 古民家の緑を残す 月内完売したコスモスイニシア「松陰神社前」(2017/8/8)

 

 

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「ザ・パークハウス 恵比寿南」完成予想図

 三菱地所レジデンス(事業比率50%)、NTT都市開発(同25%)、東急不動産(同25%)3社JVマンション「ザ・パークハウス 恵比寿南」を見学した。恵比寿駅から徒歩7分(スカイウォーク出口から徒歩2分)の全56戸で、坪単価は600万円台の半ば。〝ザ・パークハウス グラン〟に負けない〝パーク・マンション〟にどこか似ている商品企画がよく、設計変更などについてお客さんと話し合う50畳大の接遇スペースがよく考慮されている好物件だ。

 物件は、R山手線・埼京線・湘南新宿ライン恵比寿駅から徒歩7分(恵比寿スカイウォーク経由)、渋谷区恵比寿南2丁目に位置する9階建て全56戸(事業協力者住戸4戸含む)。専有面積は60.55~155.12㎡、坪単価は600万円台の半ば。完成予定は2019年7月中旬。施工は西松建設。デザイン監修は「ザ・パークハウス グラン 南青山」を担当したアーキサイトメヴウス・今井敦氏。

 これまで約500件の来場者を集め38戸まで契約のメドが立っており、販売は順調に進んでいる。

 現地は、「恵比寿ガーデンヒルズ」から徒歩2分。恵比寿駅圏の高台で住居系エリアとしては隣接する三井不動産レジデンシャルの「パーク・コート恵比寿」以来の17~18年ぶりの物件という。

 住戸プランはワイドスパンの70㎡台、80㎡台、85㎡台、105㎡台が中心。南向き、東向き、西向きがそれぞれ3分の1くらいか。エントランスラウンジに飾られる浅見貴子氏の和紙に描かれた水墨画アートがまたいい。

 98㎡のモデルルームはヤマモモの突板リビングドア、ヒッコリーの挽板フローリング、リビング天井高2500ミリ、メーターモジュールの廊下幅など。オプションにトラバーチンの壁を用意している。

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 今井氏がデザイン監修したマンションは数十物件は見てきているが、今回の物件は代表作の一つになるはずだ。隣接する三井の物件のように主張はしていないが、イタリア大理石のトラバーチンをふんだんに使い、外壁に市松模様など凝ったタイルを採用することでシンプルながら存在感のあるデザインに仕上げている。

 内装にも今井氏は関わっており、モデルルームは全体として白が基調のカラーリングで、ドアノブを壁面まで後退させ、把っ手に黒を採用してコントラストの美しさを演出している。

 そして何よりヤマモモの突板リビングドアが美しい。床はヒッコリーの幅広の挽板。トイレも通常よりゆったり取っている。

 全体としてこれまでの〝ザ・パークハウス〟とはやや趣が異なるマンションだ。これもまた、同社が最近供給してきた都心型マンションの顧客の声を生かしているのだと思った。

 最近の三井不動産の〝パーク・マンション〟は見ていないので何とも言えないが、デザインはそれを彷彿させた。〝グラン〟にも負けないレベルだと思う。

◇       ◆     ◇

 感心したのは接客スペースだ。個室と様々なカラーセレクト、設計変更などに使用する建具・家具スペースと合わせ50畳大くらいはある。普通はほ本程度しか見られないが、ここはゆったりと座り、出来上がったときのイメージが湧くようにセットされている。

 これは、単に今回の物件だけでなく今後、三菱地所レジデンスが分譲する都心部の高級マンションの商品企画にも反映させようという狙いがありそうだ。同社は近く青山にも常設の販売事務所・モデルルームを設けるとかで、赤坂とこの広尾の3カ所体制で高額マンションを販売するのだろう。

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 販売を担当する同社第二販売部 都心コアユニット販売第三グループ長・坂田和生氏にはどこかで会ったような気がしたが、10年前に書いた丸紅の素晴らしいマンション「グランスイート六番町」の販売事務所でお会いしている。

 以来、坂田氏は三菱地所レジデンスの「千鳥ヶ淵」「一番町」「三番町」「五番町」「西新宿」「恵比寿」など都心の高額物件ばかりを担当している。都心の市場を知悉している、なんともうらやましい人だ。

 個人的なことは書かないという約束なので残念ながら書けないが、地所の高額担当として欠かせない人だと思う。

 坪単価についても一言。商品企画はすばらしいが、立地・環境は恵比寿の一等地や代官山、広尾などには負ける。坂田氏も話したように富裕層が殺到するエリアではないのは確かだ。坪700万円の高値挑戦もあるかと思ったが、現状ではちょっと無理かもしれない。早期完売を狙うには丁度いい値付けではないか。

ピリ辛〟碓井氏がほめた丸紅「グランスイート六番町」(2007/4/10)

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左から平尾さん、纐纈さん、ご主人

 スウェーデンハウスの家を建てて絵を描こう-こんな見出しがぴったりの絵画展が開かれている。

 茨城県竜ケ崎市に住む纐纈(こうけつ)恵子さん(75)と花さん(15)の「ばぁばと孫の二人展」だ。花さんは16年前にスウェーデンハウスの家を建て、さらに7年前にもアトリエとしてもう1軒を隣接地に建てた。そして齢60にして絵画を学び始め、孫の花さんが描いた絵と一緒に二人展を開くことになったもの。

 二人展は銀座第7ビル(中央区銀座7-10-16)で3月24日(土)16:00まで。

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纐纈恵子さんの作品

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纐纈花さんの作品

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 二人展の案内状が届いたのは、同社の元広報部長の平尾強さん(66)からだった。平尾さんの奥さんをいくらなんでも「ばぁば」と呼ぶのは失礼で、しかも姓が「纐纈」とあるではないか。ただ、孫の側からいえば平尾さんの奥さんを「ばぁば」と呼ぶのはありかとも思った。

 記者は想像力をたくましくし、平尾さんは定年をきっかけに奥さんに捨てられたのだと結論付けたのだが、そうではなかった。纐纈さんが同社の家を建てた後も、平尾さんは纐纈さんのご主人ともども〝お友だち〟としての付き合いが続いており、記者にも案内状が届いた次第だ。

 恵子さんは、「最初に家を建てるときは、モダンな家が欲しくて。スウェーデンハウスはデザインが…。しかし、場所が気に入ったので買ったのですが、(高気密高断熱の家は)ものすごく快適」と話した。

 恵子さんの絵画は日本画だが、油絵の技法も取り入れた作風が特徴。茨城県の絵画展に入選した実績もある。自宅からの風景画もあった。

 花さんは独学で絵を学んだそうで、色鉛筆で描いた金魚は細密画のようで、買い上げが決まった印が付いていた。

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恵子さんの作品

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 いま住宅・不動産業界のマンション、戸建ては北欧ブームだ。北欧をテーマにした商品を販売している会社を列挙すると三井ホーム、三菱地所ホーム、大和ハウス工業、タカラレーベン…と次々に浮かんでくる。

 本家本元のスウェーデンハウスはもっと積極的にアピールしてもいい。

 平尾さんとは、二人展の近くにある飲み屋で歓談した。かなり飲み何を話したのか思い出せないのだが、平尾さんは「秤好きのかみさんのお陰で糖尿の数値が劇的に好転し、腹八分目に抑えることが喜びに変わった」「冷酒と親の折檻は後から効いてくると祖母から教わった」「わたしは晩生で、若いとき女性の手など握ったこともなかったが、三重県の松坂に住んでいた先輩を訪ね、お寺に宿泊したが、わたしより2歳下のお嬢さんがいて、住職から翌日連絡があり、〝是非とも婿に迎え入れたい〟と懇願された。あのときイエスと言っていたら、私の人生も変わっていた。お坊さんの資格? 当時は簡単だったようですよ」などと話したことがメモに残されている。

 平尾さんは業界紙にも「ちゃんと取材しなさい」などと注文を付けた。なので、業界紙のあり方について近く書く。

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これは小生の油絵です

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「津田沼 ザ・タワー」完成予想図

 三菱地所レジデンス・三井不動産レジデンシャル・野村不動産が3月24日から登録申し込みを受け付ける3社JVマンション「津田沼 ザ・タワー」を見学した。JR津田沼駅からぺディストリアンデッキを歩いて4分の免震タワー759戸で、第1期分譲は半数以上の340戸。絶妙な値付けが奏功しそうだ。

 物件は、JR総武快速・総武線津田沼駅南口からぺディストリアンデッキで徒歩4分、習志野市谷津1丁目に位置する44階建て全759戸。第1期(340戸)の専有面積は41.36~134.81㎡、価格は2,718万~14,258万円(最多価格帯5,900万円台)、坪単価は270万円弱になる模様。竣工予定は2020年4月下旬。施工はフジタ。抽選は3月31日。

 敷地は、1979年に廃園された「仲よし幼稚園」の跡地で、2013年に実施された習志野市の公募型プロポーザルで選定された物件。約2,800㎡の「津田沼なかよし広場」や庭園「ルーフガーデン」、イベントスペースなどを設け、津田沼の街や人とつながるプロジェクトを目指す。敷地内に保育園や習志野市管理の駐車場・駐輪場・ミニバイク置き場も配置する。

 「スカイサロン」や「パノラマデッキ」のほか、「スタディルーム」「キッズルーム」「ゲストルーム」などの共用施設のほか、エリア開発実績からお客様の声を反映。梁の少ない構造(工法)や75㎡で間口7.55mのワイドスパンが中心。全戸トランクルーム付き。

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 見学したのは、まだ価格などが公表されていない3月11日だった。幹事の三菱地所レジと三井レジ、野村不の大手3社が組んだ駅直結の免震タワーだから、高値追求すれば坪単価280万円もあるかと思ったが、モデルルームの設備仕様をみて、そこまでしないと読んだ。坪250万円以下はありえず、260万円を超えてくるのは間違いないと予測した。限りなく270万円に近いのではないか。

 第1期が340戸に決まり、納得もした。坪10万円高かったら、最多価格帯は6,000万円を超えてくる。いかに津田沼駅の一等地とはいえ、戸数の多さを考えると厳しいと読んだのだろう。

 いつになったら千葉県で坪300万円を突破するマンションが分譲されるのだろうかと思っているが、当分ないか。あるとすれば市川駅か千葉駅の駅近だろう。新浦安にはそんな用地はないはずだ。

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エントランスホール

 「東京ミッドタウン日比谷」を3月29日にグランドオープンする三井不動産は、開業に先立つ22日、報道陣向けに施設内覧会を開催した。1,000人を超える報道陣が駆け付ける見込み。

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 マンションの見学会にはこの10分の1も集まらないのに、どこからそんなに記者が湧いてくるのか不思議でしょうがない。商業ビルのことはよくわからない。ビルの美しさは竣工時の記者見学会でも紹介したので、そちらを参照していただきたい。

 次の「東京ミッドタウン」はどこかについて探りを入れ、おおよその見当はついたが、「書かないで」という約束なので書かない。

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6階エレベータホール(無垢材がふんだんに使用されている)

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4~5階吹き抜け

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 株式会社アルファのクリエイティブディレクター・南貴之氏がコーディネートした3階の7つの異なるショップで構成される「HIBIYA CENTRAL MARKET」のコンセプトが最高に素晴らしい。

 そのうちの一つ、理容「ヒビヤ」の3代目の店主・藤井実氏(50)は、「昭和のレトロな店構えだけでなく、昭和の時代には普通にあった憲法25条の理念そのもの、国のありようの根幹をなす公衆衛生の向上・増進をここで実践する。昭和の安心・安全をリスペクトする」と話した。床屋で憲法が学べるなんて最高にうれしい。床屋が大嫌いで、髪が相当伸びている。29日まで待つか。床屋はここに決めた。

 記者は憲法第25条に何が書かれているか知らなかった。いま紹介すると「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とある。

 有隣堂の「AND COFFEE ROASTERS」がまたいい。237坪のフロアに書籍だけでなく、雑貨や日用品を販売する「Fresh Service」、居酒屋「一角」、イベントスペース「Tent gallery」もあり、全体が昭和のデザインで統一されている。京王線に住む記者が利用するのは沿線にたくさんある有隣堂だが、酒も飲めるのに仰天した。「ここで酒が飲めるんですか」と馬鹿な質問をしたら、同社専務取締役・松信健太郎氏は「死ぬほど飲める」(ただとは言わなかった)と語った。

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藤井氏

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理容「ヒビヤ」(昔は椅子の肘掛けの部分に灰皿が付いていた。さすがに禁煙とか)

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有隣堂(看板はまさに昭和)
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一角

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 地下1階の「BOSTON OYSTER&CRAB」の前を通ったら、真正面に美味しそうなカキが並べられていた。カキが大好きな記者はまさにパブロフの犬、食べずにはいられない。メニューをみたらわが故郷三重が誇れる世界ブランドの的矢のカキがあるではないか。さっそく1個450円のカキを注文した。(本当は3個くらい注文したかったのだが、この日はタダだったので遠慮した)3個もついてきた。的矢のカキと豊前一粒カキ、兵庫の坂越カキだった。

 みなさんは的矢のカキをご存じないかもしれないので少し説明すると、的矢のカキはそん所そこらのカキとはレベルが違う。一言で言えば芳紀まさに18歳、鬼も十八番茶も出花、垂れ乳(垂乳根ともいう)の乳母桜か。小粒で身がしまっておりとても甘い。この前、広島に取材に行って食べたカキとは値段は同じでも雲泥の差だ。ついでながら、他の2つも的矢と甲乙つけがたい味だった。みんな美味しいということだ。

 1階の「LEXUS MEETS」には黒山の人だかりができていたが、車にうとい記者はまったく理解できず。赤い車は1,450万円ということだった。高いのか安いのか、カキと違い比較のしようがない。

 ※この点について、ある同業の記者から「(住宅と自動車は)経済波及効果はいい勝負なのに、どうして住宅ジャーナリストは数が少ないのか? これは我々の問題でもあり、ジャーナリズムを育んでこなかった住宅・不動産業界の問題でもありそうです」とメールを頂いた。近々、自己批判を含めて業界紙について書く予定。

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「BOSTON OYSTER&CRAB」左から三重・桃こまち、三重・的矢、豊前一粒カキ、的矢、兵庫・坂越

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「LEXUS MEETS」(赤い車は1,450万円とか)

日比谷の新しい顔 曲線美に震えた 三井不動産「東京ミッドタウン日比谷」竣工(2018/1/30)

 

 

 

 

 

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 東急リバブルは3月20日、「女性の職業 生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づき、厚生労働大臣より「えるぼし」最高位の“三段階目”の認定を受けたと発表した。

 「えるぼし」認定は、2016年4月1日に施行された女性活躍推進法により、一般事業主行動計画の策定と届出を行った企業のうち厚生労働省が示す基準を満たし、女性の活躍推進に関する状況が優良な企業に対して厚生労働大臣が認定する制度。

  同社は、「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の5つの評価項目すべてで最高評価の認定を取得した。

 このほか、住宅・不動産業界ではヒューリックと東急コミュニティーが最高評価認定を受けている。

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「暮らしを変える『コミュニティ』の条件」(すまい・るホールで)

 京大名誉教授・京都美術工芸大学教授の髙田光雄氏を代表とする「これからの住宅地を考える会」が3月16日、シンポジウム「暮らしを変える『コミュニティ』の条件」を開いた。満席の約300名が参加した。関心の高さがうかがえた。

 パネリスト・登壇者は髙田氏のほか、アルセッド建築研究所所長・三井所清典氏、市浦ハウジング&プラニング社長・川崎直宏氏、アーバンセクション代表・二瓶正史氏、横浜市立大学教授・齊藤広子氏。総合司会はアキュラホーム住生活研究所所長・伊藤圭子氏。住宅金融支援機構、都市住宅学会、JAHBnet、アキュラグループが後援した。

 「考える会」は、コミュニティ形成が図られ、美しい景観と優れた住環境を維持することができる住宅地開発を促進させるため、住宅地における中間領域(コモン)の整備や管理組合設立、コミュニティ支援の取り組みなどを基礎・事例・実証研究をおこなう目的で設置された有志の会。

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 「コミュニティ」は、東日本大震災以後のマンションや戸建て開発、さらにはマンション管理の最大のテーマになっている。記者もこの種のシンポや国交省の会合、マンション・戸建ての記者発表・見学会などに数えきれないほど参加している。数十回に上るはずだ。

 それでも飽きることなく参加しているのは、「コミュニティ」とは何かがいま一つ理解できず、大テーマであるはずなのに、企画意図通りに成功した事例に出会えた機会が少ないからだ。その成功事例を見つけるのが記者のいまの取材テーマの一つだ。

 一つだけ、その成功事例を紹介する。大震災より7年前も前に〝家族の絆〟をテーマにした2004年分譲の三井不動産レジデンシャル他「パークシティ東京ベイ新浦安」がそれだ。全701戸の専有面積が平均120㎡という圧倒的な広さがあり、様々な提案を行ったのがヒットし、9,000組の来場者を集めわずか3カ月で完売した。

 時代が異なると言ってしまえばそれまでだが、いまは強烈な心を揺り動かすような商品企画のマンションや戸建てが少ない。かなり後退していると言わざるを得ない。

 なぜか。どうも「コミュニティ」の概念が不明確で、みんな上滑りしていると思えてならない。そもそも「コミュニティ」(コモン)などと英語でしか語られないのが理解できない。コミュニティは海外から持ち込まれた概念だろうが、わが国にも少なくともエネルギー革命が起きた昭和40年までは〝ムラ社会〟〝絆〟は健在だった。「寄合」「講」「無尽」「隣組」などの言葉がそうだ。昔に戻れと言っているのではない。新しい〝ムラ社会〟を分かりやすい言葉で語ってほしい。

 今回のシンポでも「コミュニティとは何か」についてはあまり論じられなかった。

 パネリストについても感想を率直に述べる。髙田氏、三井所氏、齊藤氏はそれぞれ少なくとも数回は講演などを聴いているので、どのような話をされたかはおおよそ理解できた。

 二瓶氏は宮脇檀建築研究室に17年間勤務されており、「高幡鹿島台」「柏ビレジ」「プレステージ21」「シーサイドももち」「季美の森」などを担当されたと聞き、なつかしさがこみ上げてきた。アキュラホーム「若葉台」のランドスケープなどについてアドバイスされているそうだ。

 全体的には、今回に限ったことではないが、パワーポイントによる図式などが次々と目まぐるしく展開されるとめまいを起こす。1時間30分にわたり5氏が入れ代わり立ち代わり講演されたので疲れた。どのような状態だったかを紹介する。

 -赤くてかわいらしい金魚の口元から、まるでヒバリの愛のさえずりのような美声が発せられると、真綿で耳朶をくすぐられ三半規管に異常を来し、がらくたで満たされた左脳が攪拌され、何を話されたのかさっぱり意味が分からず、右から左へ、左から右へと子守歌のように素通りしていった-(筒井康隆「現代語裏辞典」によると「パネラー」とは「声を出すパネル」とある)

 まあ、こんな具合だ。いかに優れた高説であっても、速射砲のように投げかけられると記者のような凡人は消化不良を起こすということだ。

 ちあきなおみさんの「四つのおねがい」も多い。せいぜい三つ、できれば一つにしていただければ頭の中にストンと収まるはずだ。大学3年生の女性参加者も「難しすぎて…」と感想をもらしていた。

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左から伊藤氏、三井所氏、二瓶氏

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左から齊藤氏、川崎氏、髙田氏

◇       ◆     ◇

 記者は、同社が近く分譲開始する、京王線若葉台の分譲戸建て「ヒルサイドテラス若葉台」のランドスケープデザインやコミュニティ支援の取り組みなどについても言及されることを期待していた。

 プロジェクトは、京王相模原線若葉台駅から徒歩17分、稲城市若葉台4丁目に位置する全51区画。土地面積は174.33~247.75㎡、建物面積は90.26~120.27㎡。建物は4月下旬に一部が完成する。売主はアキュラホーム。建物は木造軸組工法2階建て。施工は同社のほか、イトーピアホーム、細田工務店、小田急ハウジング。街の中央に幅員6メートルの曲線道路を通しているのが特徴の一つだ。

 シンポジウムの主催は「これからの住宅を考える会」で、構成メンバーが大学教授、建築家などだし、後援に住宅金融支援機構も加わっているので、民間のこれから分譲されるプロジェクトについて触れるのはためらわれるかもしれないが、参加者のうち約8割は一般の方だった。この日、各氏が話したことがどれだけ盛り込まれているのか、あるいはまた実現できなかったこと、課題は何かなどについて意見を交わすのは問題がないはずで、一般の方にも参考になるはずだ。

 まあ、しかし、この「若葉台」はいずれ記者見学会も行われるはずだからしっかり取材したい。もう20年も前か、この「若葉台」に近接する戸建ての第1期分譲にはお客さんが殺到し、細田の施工物件は確か数十倍(100倍くらいだったか)の申し込み倍率がついたはずだ。

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全701戸が平均120㎡ テーマは「家族の絆」来場者9000組 3カ月で完売「パークシティ東京ベイ新浦安」

〝宮脇檀さんにまた会えた〟 積水ハウス「コモアしおつ」(2013/9/14)

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