青木茂建築工房×ミサワホーム 「千代田富士見」のリファイニング見学会に450名
「(仮称)富士見2丁目ビルリファイニング工事ASPRIME富士見千代田」
青木茂建築工房とミサワホームは3月1日、「(仮称)富士見2丁目ビルリファイニング工事ASPRIME富士見千代田」の完成見学会を行った。参加者は約450名に上る見込みだ。
昭和56年に建築された旧耐震の専門学校をミサワホームが取得し、同工房のリファイニング建築手法を用い、現行の基準に合致するよう耐震補強工事を行い、賃貸住宅への用途変更、増築・減築、エレベータの新設、大規模な模様替えを施した。
完成後の賃貸住宅は、JR飯田橋駅から徒歩3分、千代田区富士見2丁目に位置する4階建て全16戸。専用面積は約28~57㎡。月額賃料は13万~25万円。9戸に申し込みが入っている。設計・監理・監修が青木茂建築工房。施工は大末建設。
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プロジェクトについては、昨年11月に行われた解体工事見学会を取材しており、詳細はそちらの記事を参照していただきたい。
プロジェクトの北側の隣接地でミサワホーム(事業比率70%)とトヨタホーム(同30%)の分譲マンションが予定されていることを関係者から聞いた。分譲は2年後のようだ。いったいいくらになるか。坪単価600万円に乗るかどうか。市況によっては700万円もあるか。
ミサワホームとトヨタホームのマンション建築現場
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記者は前回もそうだったが、道にまた迷い、見学会開始の10時に間に合わず、青木氏の挨拶は聞けなかったが、前回と同様、学校をリファイニングしたのでスパンが大きく、天井高も確保されていたので比較的容易だったことなどを話したそうだ。近く岡山の公共建築、福岡の商業ビル、東京都大田区の集合住宅も竣工すると話した。
着ているジャケットがまた素晴らしかった。中身はどうか知らないが、衣はまさに(写真の通り)リファイニングそのものだった。とても今年古希を迎えるおじいさんに見えなかった。「先生、素晴らしいジャケットですね」「うん、イッセイミヤケ。これ、(自分に)合うんだよね」
そこで隣にいた女性スタッフに「あれ、いくらですかね」と聞いたら、その女性は「さぁ、男性物はわからないけど10万円くらいするんじやないですかね」「えっ、10万円…」じっと記者の着ているスーツを眺めた。(男は中身だ!)
言っときますが、読者の皆さん。わたしだって50代のころイッセイミヤケのピンクのシャツを買って、白いズボンを穿いてRBA野球の取材に着てたんですから。
そこでイッセイならぬ一句。「君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ」(古今集)-時期はやや違うが、この日はとても暖かく、コートを脱いで見学に出かけた。浮き立つような取材ができた。
もう一つ。この日の見学会の予定参加者は約450名だと聞いた。一度にたくさん押し掛けるとパニック状態になるので6回に分けるという。断った人もかなりあったそうだ。
すごい数だ。あの「千駄ヶ谷」では約300名だった。450名は記録かもしれない。みなさん、「あおきしげる」をパソコンで検索していただきたい。まず当然ながら青木繁がヒットするはずだが、「青木茂」(記者はいつも記事に書いているから変換キーを押さなくとも「青木茂」になるが)は4番目くらいにヒットする。そのうち逆転するのではないか。
青木氏
これがイッセイミヤケだ
リファイニング建築の考案者 首都大学東京特任教授・青木茂氏が退官へ 記念講演会(2018/2/13)
三井ホーム ミレニアル世代向けに坪単価60万円の新たな商品投入
「NATURAL HYGGE STYLE (ナチュラル ヒュッゲ スタイル)」
三井ホームは2月28日、ミレニアル世代向けのシンプル・高性能・コストパフォーマンスに優れた新しい暮らし提案型商品「NATURAL HYGGE STYLE (ナチュラル ヒュッゲ スタイル)」を3月1日から販売を開始すると発表した。
「もっと家を楽しむ」をコンセプトに、コト消費ニーズの高い30代から40代のミレニアル世代をターゲットにした商品で、インテリアに天然木をふんだんに採用、家族がアクティブに過ごせる内と外をつなぐテラスリビングや、新しい試みとして子供も大人も楽しめるDIYスペースを提案する。
外観は特徴あるフレームデザインとし、壁面の一部に天然木を採用し、太陽光発電システム(3kw)を標準装備する。
同社取締役常務執行役員・河合淳也氏は、「近く発表する浜田山、駒沢の富裕層向けの『プレミアム』も強化するが、今回は初めて家を建てるミレニアル世代向けにリアルサイズの商品にしたのが特徴。三井のリハウスと連携して土地なしや狭小敷地にも対応していく」と話した。
プロトタイプは延床面積33坪で1,980万円(坪単価60万円)~。販売目標は年間100棟。当面、埼玉、千葉方面が対象。
テラスリビング
魅せるキッチン
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河合氏など関係者がミレニアル世帯向け、第一次取得層向け、リアルサイズなどと強調したので、ひょっとしたらローコスト住宅を提案するのかと思ったが、単価が示すように、同社としては安い部類かもしれないが、ミレニアル世代向けにしてはずいぶん高いというのが率直な感想だ。
つくばエクスプレス柏たなか駅から徒歩7分に設けられているモデルハウスは土地が172㎡(32坪)、建物が114㎡(34坪)で、外構・インテリア込み5,600万円と聞いてびっくりした。
担当者は「売るのが目的ではなくて、モデルハウスとしてお客さんに見てもらうための外構、インテリアを含めた高めの価格設定」と話したが、目が飛び出る価格だ。相場と比べれば少なくとも1,000万円は高い。
それだけの価値は確かにある。設備仕様はものすごくレベルが高い。外壁にスギの天然木を一部採用し、1階に天井高約2600ミリの土間空間と、挽板仕上げの節有バーチフローリング、三井不動産の森のトドマツの間伐材を用いた天井、九州産のスギを使ったアクセントウォール、ヒノキのウッドデッキなどは明らかにアッパーミドル向けだ。
ミレニアム世代に対して、ものすごく自己中心的で、雇用や社会保障など将来不安が大きいにも関わらずいまの生活に満足しており、選挙では保守というよりは我利我利亡者の候補に大きな支持を寄せ、住宅だけでなく恋人さえもシェアする-このようなイメージしか持ち合わせていない記者が間違っているのか。
プレミアムかミレニアルかさっぱりわからなくなってきた。まさか世界で8,000万部以上が売れた小説「ミレニアム」にあやかろうという訳ではないはずだ。
繋がるデッキ
土地を耕し、種を植え、花を咲かせた 木下長志氏(享年92歳)お別れの会
木下長志氏「お別れの会」(京王プラザホテル東京で)
既報の通り、今年1月11日に急性心不全のため死去した旧木下工務店の創業社長で日本ハウスビルダー協会理事長、日本住宅建設産業協会(現全国住宅産業協会)の理事長を務めた木下工業会長・木下長志(きのした・ながし)氏(享年92歳)の「お別れの会」が2月27日、都内のホテルで行われた。
冒頭に参会者が黙とうをささげたのち、木下工業社長・小林伸氏が逝去に至る経緯などについて語り、続いて全国住宅産業協会会長・神山和郎氏がお別れの言葉を述べ、同副会長・牧山蒸治氏が献杯の音頭を取.る式次第によって執り行われた。
遺族を代表して長男の木下正志氏(56)は、「姉が2人いるのですが、父は男が欲しかったらしく、大変かわいがられた。わたしは成人して中学校の教員になったのですが、26、27歳のとき『跡を継がないか』と勧められて木下工務店に入社しました。最初に配属されたのが柏市の営業所でしたが、水が合わなくて半年で入院することになった。結局、そこで辞めることになったのですが、わたしが跡を継いでいたら名前すら残らなかったはず。父は、皆さんにも仰っていただいたように土地を耕し、種を植え、花を咲かせた。偉大な父だった」とお礼の言葉を述べた。
木下正志氏
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他の取材があり、記者が駆け付けたときは散会するところだった。関係者に挨拶して、正志氏から逝去の状況について聞いた。紹介する。
死去した1月11日とは正確には推定ということのようだ。木下氏は長野県飯田市の自宅に一人で住んでおり、その夜、いつものように自分で布団を敷き、着替えをして風呂に入ったまま心不全で亡くなったという。発見されたのは5日後で、診断した医師は「溺死状態だったが、急性心不全が死因で苦しまなかったはずだ」と話したそうだ。
考えてみれば、生まれてきたまんまの裸で死ねるなんて母親の羊水にまた戻るようではないか。大往生だ。木下さん、さようなら。
昭和20年、松本五十連隊に入隊したときの写真も紹介されていた
空手体操をし、住友ビルの641段の階段を上りおおりしていた木下氏
ランドスケープデザイン秀逸 東急不・東神開発 「ブランズ横浜」竣工
「ブランズ横浜」
東急不動産と髙島屋グループの東神開発は2月27日、JR横浜駅から徒歩6分の大規模分譲マンション「ブランズ横浜」が竣工したと発表した。
住宅などの立地が禁止されている「業務・商業専用地区」に隣接しており、横浜駅西口徒歩10分未満の場所での供給は過去約50年間で初となる200戸以上の17階建て全210戸のマンション。設計は東急設計コンサルタント・西松建設。デザイン監修はNAP建築設計事務所。施工は西松建設。
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分譲開始時に取材したが、いいマンションだ。ランドスケープデザインが秀逸。
驚嘆 〝世界初〟積水ハウス&大阪ガス 燃料電池・SHE搭載「上町台」半数以上成約
「グランドメゾン上町台 ザ・タワー」完成予想図
積水ハウスと大阪ガスは、家庭用燃料電池エネファームとスマートエネルギー蓄電システム(SHE)を採用した世界初の40階建てマンション「グランドメゾン上町台 ザ・タワー」244戸を発売したことを1週間前に発表した。これによりCO2排出量が52%、購入電力が97%削減できるというからすごいが、マンションも発売以来1カ月で244戸のうち半数以上が成約済みというから驚きだ。坪単価は非公表だが300万円を突破しているのは間違いない。
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記者は、東京ガスのエネファームが搭載された2014年の第1号マンションをはじめいくつか見学している。しかし、IHが初めて搭載されたマンションが販売された2001年のようにはならなかった。
最初にIH付マンションを発売したのは野村不動産、三井不動産、東急不動産などの大手だった。デモンストレーションを経験した主婦が仲間と「ずごいわよ、すぐ湯が沸くのよ」「煙が出ないのよ」「かき混ぜるだけ」「油の上に紙が置けるのよ」「絶対買いよ」とまるで子どものようにはしゃいでいたのをよく覚えている。当時は共働きと専業主婦が拮抗しており、昼間でもたくさんの主婦にインタビューすることができた。IHは口コミで瞬く間に広まった。主婦の力は大きい。
いまは、子どもを外で遊ばす主婦がめっきり減った。子どもが砂場に駆け込もうものなら「ダメ、ネコがウンチしている」と一喝するはずだ。杉並区だったか、砂場にネコ除けの網が張ってあるのをみて愕然としたことがある。
ネコと言えば、昨日も書いた。野良ネコもすっかり減った。記者が愛した耳を三角形に斬られた去勢ネコも数年前姿を消したままだ。そのネコを観察したことがある。驚いたことに去勢されてもなおかつ、尻尾をおっ立ててプルプルと振りながら近づくのはスカートを穿いた女性ばかりで、ズボンの女性にはそっぽを向いた。そんな去勢ネコにスカートの中を覗かれることなど全然意に介さないのか、ほとんどの女性は糞尿まみれの尻尾を撫でた。そこに雄と雌の本能を記者はかぎ取って感動すら覚えたものだ。
ばかなことを書いた。話を戻す。玄関の近くにあんな大きなものをデンと据えられたら誰もが購入をためらい、これでは販促につながらないと思った。〝世界初〟〝日本一〟ももっと分かりやすく女性に支持されるように伝えないとだめだ。(最近はずいぶん改善されているが)
ところが、今回、マンションに搭載される大阪ガスのエネファームは世界最高の発電効率52%を達成し、発電ユニットに貯湯タンクを内蔵し、通常のガス給湯器に接続する仕組みとしたことで世界最小の機器本体サイズを実現したもので、SHEもまた購入電力の大幅な削減につながるという。
確かに、大阪ガスのエネファームは東京ガスのそれよりかなりコンパクトだ。高さ1,195ミリ×幅780ミリ×奥行き330ミリで、バックアップ用熱源機を含めても広さは約1.4㎡(メンテスペース含む)で済む。一方の東京ガスは燃料電池ユニットだけで1,750×399×395の容積があり、このほか貯湯ユニット、バックアップ熱源機を含めると、大阪ガスのそれより3~4倍くらい広さが必要だ。
大阪ガスはこの新製品を2016年2月発売して以降、劇的に採用マンションを増やしている。それまでは2物件だったのが、現在14物件(1,400戸)に増えている。更なるコンパクト化も進めるという。価格約178万円にも自信があるようだ。
東京ガスも手をこまねいているわけではない。2014年に第一号を発売した時より寸法はそれほど小さくはなっていないが、搭載マンションは36物件(3,000戸)に上っている。
記者などは汎用性を持たせて、大阪ガスの製品を東京でも売れるようにすれば(大阪のマンションデベロッパーの進出はすごい。逆もあるが)、東京ガスを圧倒できるのにと思うが…縄張りがあるのか、そうもいかないらしい。それぞれ独占しているから安心してガスを供給してもらっていると考えるほかない。双方が競ってよりよい製品を開発してほしい。CO2削減は喫緊の課題だ。
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それにしてもマンションの売れ行きがすごい。記者は最近、三菱地所レジデンス他「ザ・パークハウス 中之島タワー」、三井不動産レジデンシャル他「北浜ミッドタワー」、東急不動産他「心斎橋SOUTH」を見学したが、大阪の市場はまったくわからない。「上町台」もネットで調べておおよその位置が分かるくらいだが、すごいことくらいはわかる。最近は都内でも坪単価が300万円を突破するマンションが一挙に120戸以上も売れる例は少ない。〝世界初〟が販促につながったことを祈りたい。
ついでに一言。昨日はネコもそうだが、「和解の道を探ってほしい 積水ハウス・和田勇会長『解任』報道に接して」の記事の中でメディア・リテラシーについても書いた。今回の「上町台」だって同社に問い合わせれば半数以上が売れていることを書けたはずだ。リリースをそのまま引き写すのは記者じゃない。ただのリライターだ。
負けへんぞ横浜北仲に ここは〝北浜〟の一等地三井レジ他「北浜ミッドタワー」
負けたらあかんぞ東京に わが国初免震最高階数55階建て 地所レジ他「中之島」竣工
坪260万円はすごく安いと感じたが…東急不他「心斎橋SOUTH」竣工 見学会
分譲にも生かせる天井高2.7m 長谷工 王子の賃貸・老人ホーム・学童の複合施設公開
「ブランシエスタ王子」
長谷工グループは2月26日、「住」・「商」・「育」の複合開発の街づくりを行う「北区王子5丁目プロジェクト」のエリア内に竣工した自社運営の賃貸マンション「ブランシエスタ王子」と介護付有料老人ホーム「センチュリーシティ王子」の複合施設の記者内覧会を開催した。公開された6つの賃貸コンセプトルームはどれも素晴らしく、「パイロット事業」と位置付けられている意欲がストレートに伝わってきた。
物件は、JR京浜東北線東十条駅から徒歩6分、北区王子5丁目に位置する日本製紙所有の跡地で全体敷地は約43,000㎡。今回公開された賃貸と有料老人ホームは敷地面積約5,900㎡の10階建て。施工は長谷工コーポレーション・馬淵建設。賃貸は専用面積26.29~83.14㎡、平均月額賃料は15万円、平均坪単価は11,200円。貸主は長谷工ライブネット。入居開始は3月1日。介護付き有料老人ホームは自立型が60戸、介護型が30戸。運営はセンチュリーライフ。開所予定は4月。定員35名の学童クラブが併設されている。
プロジェクトの特徴は、圧倒的な人気で早期完売した三井不動産レジデンシャル他「ザ・ガーデンズ東京王子」864戸が敷地南側にあり、今回の賃貸マンション、老人ホーム、認可保育園、学童クラブ、スーパーが併設される住」・「商」・「育」の街づくり行われること。
今回の賃貸と老人ホームは、学童も併設されることからゆるやかなコミュニティを育む木造のパーティルームや一般も昼食時は利用可能な食堂が同一敷地内にあることが特徴。
内覧会で長谷工コーポレーション執行役員・大門栄城氏は「人と人をつなげ、家族の多様性を包み込むのがコンセプト。パーティルームや中庭など多世代が交流可能な施設と、社内コンペによって提案したマーケットにないコンセプトルームを設置したのが特徴。パイロット事業でもあり、将来的には分譲へ反映させることも考えている」と語った。
パーティールーム
中庭
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賃貸としては東十条で坪1万円をはるかに突破するのに驚いたが(分譲も高くなったが)、それでも全120戸のうち72戸が申し込み済みというからさらに驚いた。コンセプトルーム12戸にも6戸に申し込みが入っている。
コンセプトルームが素晴らしい。これはもうすぐにでも分譲マンション企画に反映させることができると思った。
第一は1階の天井高が約2,700ミリあることだ。圧倒的な住空間が広がっている。しかも、エントランス側は〝料亭〟をイメージしたガラリ戸が玄関ドアとは別についており(一部除く)、しかも、表側からも土足で入ることもできるプランが用意されている。
「キッチンスタジオのある家」(約55㎡)はリビング中央にデンとアイランドキッチンが据えてあり、壁面は淡いグレーのアール形状。
「土間のある家」(約52㎡)は、土足でも入れるよう床はタイル張り。大型犬も飼育可能とか。天井が高いので小上がり部分も十分高さが確保されている。
「ギャラリーフォールのある家」(約26㎡)は壁面をアートで飾り、寝室はロフト状の階上に設置されている。
「パーティリビングのある家」(約83㎡)は、中央の突板仕様の床と大きなキッチンが備えられており、対照的な位置に3室と水回りが配置されている。3人でシェアすることも想定しており、そうすれば一人当たりの賃料は1万円くらいに抑えられるという(記者などは信じられないが、若い女性は抵抗感がないかも)。二重サッシが採用され、食洗機もついていた(他の住戸も食洗機がついていたかも)。
「ごろごろできる家」(約53㎡)は、小上がり和室と縁側付き。
10階の「猫と過ごす時間を楽しむ家」(約51㎡)は、逸走防止策が施されているのは理解できないが、猫好きにはたまらないプランなのだろう。賃料は約20万円で、他の住戸より1万円くらいたかいという。
これとは猫と直接関係はないが、西加奈子さん著「きりこについて」(角川文庫)がお勧めだ。この前、広島に取材に行ったとき平積みになっていたので買ったのだが、帯に「日本一賢い猫が、あなたの呪縛を解きほぐす 自分を『ぶす』だと思っている全女子におくります」とあった。記者は女性に「ぶす」などと言ったことなど一度もないが、カープ女子は読むのかと思い、恥ずかしいからビニ本と同じようにカバーをかけてもらって読んだ。最高に面白い。
「駅から7分以内」の本は絶対読んじゃだめだが、これは猫好きも猫嫌いも、「ぶす」も「美人」も大人も子どもも、男性も読むべし。賢い猫が導く人間再生のドラマだ。(どういうわけか東京の丸善本店には2冊しか在庫がないという。東京には「ぶす」はいないということか、それとも「ぶす」と思っていても手が出せないということか。カープ女子はえらい!。小説も「ぶす」はすべてゴシック)
「キッチンスタジオのある家」
「土間のある家」
「パーティリビングのある家」の突板仕様の床
「ごろごろできる家」
「猫と過ごす時間を楽しむ家」(逸走防止というが猫はうっとうしいのが嫌いなのだと思う)
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多世代がゆるやかに交流できるパーティールームは木造の平屋建てで広さは約50㎡。柱、垂木など構造材は集成材で、床はナラ、天井、壁はスギ、外壁はレッドシダーが使用されている。
中庭は、老人ホーム、学童の側にあるのが約190㎡で、エントランス側にあるのが約150㎡。本物の竹が植えられているのが特徴。
賃貸ラウンジには、堀木エリ子氏の光壁が設置されている。
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見学時間が1時間くらいしかなく、他の取材もあり大急ぎで書いたのでうまくまとめられなかった。記者は「分譲」の視点でみたが、もうすぐにでも商品企画に生かせると思った。1階をこれほど高くすれば、売れ残ることはない。プランもむしろターゲットを絞り込んだほうが訴求力はあるのではないか。
外階段などを歩くために用意されたスリッパの中にはカイロが入っていた。心づかいがうれしいではないか。「北区に住もう」はそれほど効果がなかったとも聞いた。
1階外廊下
和解の道を探ってほしい 積水ハウス・和田勇会長「解任」報道に接して
安藤忠雄氏(左)と和田氏(「wホテル」の記者会見で。仲裁役は安藤氏以外ない)
積水ハウスのトップ人事について、当時会長だった取締役相談役・和田勇氏は「世代交代」ではなく「解任」だったという報道が波紋を広げている。日経新聞が最初に報じたとき、その記事内容からして「解任」は事実だろうと判断した。和田氏ファンの記者は相当のショックを受けた。
トップ交代は〝変だ〟とは思った。和田氏の功績を考えたら取締役を退くことなどあり得ないからだ。そうだとしても名誉職として残るはずだ。
それでも「世代交代」を真に受け、記事では「和田会長が退任されると、絶滅危惧種の大阪弁を聞く機会が少なくなるので残念だが」にとどめた。
しかし、報じられている記事が事実だとすれば、「大阪弁を聞く機会が少なくなる」どころか、その機会はまったくなくなる可能性のほうが高い。
和田氏は現在、住宅生産団体連合会(住団連)の会長、キッズデザイン協議会の特別顧問、優良ストック住宅推進協議会の代表理事、不動産協会の理事を務めている。
住宅・不動産業界の団体で所属会社・団体・役職がない人が理事を務めているのは、全国住宅産業協会(全住協)副会長・佐々野俊彦氏(前飯田HD副会長、元東栄住宅社長)以外知らない。この例に倣えば、和田氏がこのまま各団体の長にとどまることは可能かもしれないが、まず無理だろう。これが残念でならない。
和田氏はご存じのように一昨年、旭日大綬章を受章している。過去、同章を受章している業界人は和田氏を含め奥井功氏(当時積水ハウス会長)、樋口武男氏(大和ハウス工業会長)、岩沙弘道氏(三井不動産会長)の4人しかいない。和田氏は業界の宝だ。和解の道はないのだろうか。
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これはメディア・リテラシーの問題でもある。日経新聞の記者はさすがだと思う。和田氏の歯に衣着せぬもの言いからして、夜討ち朝駆けをすれば本人からコメントを取るのは可能かもしれない。和田氏はいつくしむ眼差しでもって「あなたたちの記事は正確でない」とマスコミ批判をよくする。それを逆手にとって「和田さん、御社の発表は事実ですか」と聞けば(日経の記者はそう聞いたはずだ)、和田氏は正直に話すのではないか。
あの人事について〝不思議〟と思わない他の記者のほうが想像力に欠ける。日経報道の後に朝日、読売、毎日、産経が後追いの記事を書いているが、新しい情報はほとんどない。後追い取材ほどつらい仕事はない。まあ自業自得だが。
〝お前はどうなんだ〟と言われるかもしれないが、記者は人への取材は手に負えないとあきらめやってこなかった。記事によっては傷つく人が多いからでもある。
扇谷正造だったと思う。扇谷はインタビューする相手が作家だったらその著作をすべて読んでから取材したという。人となりがつかめないときは、その人が住む近くの八百屋や魚屋などで情報を得たそうだ。それでもわからないときはその人の家のゴミ箱を漁ったという。そんな取材は絶対できないとあきらめたのだ。
しかし、企業ビヘイビアに厳しかった〝師〟と仰ぐ故・佐藤美紀雄氏の影響もあり、時としてデベロッパーを批判する記事も書いてきた。
一つだけ挙げるとすれば、セザールだ。同社は1996年に東証に上場したが、その直後、複数の「マンションの工期の遅れ」を理由に業績予想を大幅に下方修正した。日経新聞にはわずか10数行しか載らなかったが、〝これは絶対おかしい〟とすぐ分かった。「工期の遅れ」でマンションの引き渡しが遅れることなど天変地異以外あり得なかったからだ。
「工期の遅れではない」という工事会社からの裏付けも取り、〝蹈鞴(たたら)を踏んだセザール〟という見出し(優しい表現を使ったつもり)で同社を批判した。同社は激怒した。営業の責任者に同行を求められた。営業は陳謝した。記者は面従腹背。腹の中でベロを出していた。
怒ったのは同社だけではない。付録が付いた。伝聞だが、東証も記者ではなく同社のビヘイビアに激怒したようだ。
同社はその後、2003年に民事再生法を申請し倒産した。その7年間、株価は一度も上場時を上回ったことはなかった。
いまこうして記事を書いているが、これまで悪意の記事を書いたことはないが、結果としてどれだけ人を傷つける記事を書いてきただろうか。お詫びする以外ない。
数年前、金商法に問われかねない事実をつかんだが、当事者から「表沙汰にしないで」と言われて記事化を断念した-これは賢明な判断なのか、いまもわからない。記者も因果な商売だ。
「財界賞」は榊原・経団連会長 「経営者賞」に矢野・住林会長 後藤・西武HD社長など(2018/1/21)
敵か味方か 京阪電鉄不 見たことない「コト」企画で勝負「武蔵野富士見」
「DISCOVER ★TERRACE★ ファインシティ武蔵野富士見」
恐るべき敵なのか頼もしい味方と考えるべきなのか、いま京阪電鉄不動産が神出鬼没、東奔西走の活躍を見せている。鉄道会社の売上高では大手にはるかに及ばずベスト10にも入っていないが、マンション事業では本拠の関西は言うまでもなく、北は札幌から首都圏、名古屋、福岡まで全国を網羅し、昨日の友は今日の敵、敵の敵は味方とばかり、時にはぶら下がり時には堂々とメジャーを張る。
冬季オリンピック競技でいえばショートトラックだ。大きな先行選手の陰に隠れて力を温存し、最後は内を突いて舌ではなく足を出す。かと思えば果敢に先行し、抜かれそうになると違反すれすれの肘をつき、ダメだと思うと大げさにこけて見せる。
こんなことを書いたら、もう書いてしまったが、二度と取材させてくれないかもしれないが、そんなことにはならないと読んだ。激烈な市場環境に晒されている会社だ。馬鹿な(大阪弁はアホな)記者の記事など馬耳東風、「勝手にせいや」と笑い飛ばすはずだ。
モデルルーム
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独白が長くなってしまったが、ここからが本題。同社(事業比率60%)・日本土地建物(同20%)・菱重プロパティーズ(同20%)3社JVの「DISCOVER ★TERRACE★ ファインシティ武蔵野富士見」を見学した。
パンフレットのヘッドコピー〝遊び、学び、つながりながら、たくさんの喜びや感動を「発見」しよう〟に嘘はない。これまでにない盛りだくさんな仕掛けをユーザーに訴えきれるかどうかに事業の成否がかかっている。中央線の潜在顧客の琴線に触れれば大ヒットするかもしれない。本日(24日)、モデルルームを一般公開した。分譲開始は3月13日。
物件は、西武国分寺線・拝島線小川駅から徒歩11分、東村山市富士見町1丁目に位置する敷地面積10,947.46㎡の10階建て全293戸。専有面積は68.64~87.61㎡、予定価格は1,900万円台~5,100万円台(最多価格帯3,500万円台)、坪単価は165万円。設計・施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は平成31年2月上旬。
現地は官舎跡地。敷地南側は奥行き約170mの南台公園と明治学院中学校の敷地・グラウンドで、南台幼稚園、東村山市立第一中学校に近接。同じエリアには大成有楽不動産、日土地、NTT都市開発などのマンションがあり、隣駅の「萩山」では野村不動産が〝オハナ〟91戸を分譲する郊外の激戦地。
建物は中央に中庭を配したコの字型で、住戸は南向き、東向き。基本性能・設備仕様はリビング天井高2500ミリ、ディスポーザー、人造大理石カウンター、「長谷工のトイレユニット」など。
「コミュニティ」がテーマになっており、webアンケートをもとにアスク、ロゴスコーポレーション、パーク・コーポレーション、ボーネルンド、イリー、マイファーム、ビクセン、青山ブックセンター、DIYファクトリー、アソシエイテッド・アーツ、日本冒険遊び場づくり協会の11の企業・団体とコラボし、入居後の2年間はコミュニティ支援を行うなど「コト」プログラムを実施する。
これまで資料請求は都下№1の約1,800件、事前案内会来場者は4週で約300件。来場者の居住地は地元が40%、中央線居住者も多いという。緑の環境、新宿へ27分という利便性、価格の安さ、カフェ、セキュリティ、中庭などに対する評価が高く、シアターやモデルルームも好評とのことだ。
同社首都圏事業部東京営業部所長・高橋和寿氏は「当社は札幌、中之島、北浜、福岡などでもタワーを共同で手掛けており、ターゲットに合わせて幅広く展開している。子育て社員もプロジェクトに参加している。『かもめのジョナサン』文化を継承したい。今回の物件では普通の会社員の手が届く3,500万円台を死守しつつ、戸建てではできない企画も盛り込んだ。将棋、囲碁などのプログラムを用意したが、『孫に教えるか』という親世代の反響もあり、思わぬ副産物も生まれている。〝安売り〟でないことを証明して業界を元気にしたい。第1期は100戸くらい供給できればと考えている」と話した。
星の観察
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シアターを見てすぐ企画意図を理解した。冒頭に82%が「マンションにコミュニティは必要」と答えたアンケート調査の回答を示し、「マンションとは思えない暮らし」の具体的な取り組みを紹介するその手法はストレートにユーザーに伝わるはずだ。
コミュニティをテーマにしたマンションは思い出せないくらい見学している。〝思い出せない〟というのは、つまり〝印象がない〟と同義語だ。コミュニティが大事なのはみんな分かっているが、それが販促につながるかといえばそうではない。
しかし、同社は敢えてそれに挑戦した。「横浜江ヶ崎」の成功で自信を持ったのだろう。その進化型で需要を創造する戦略だ。
確かに「マンションとは思えない暮らし」-記者も観たことがない提案がいくつも用意されている。「火おこし」=「たき火」がそうだ。少なくとも我々の世代にとってたき火は日常だった。たき火を囲んで大人が政治やら経済やら男女の仲やらをあけすけに語るのを聴き成長した。
「星の観察」もしかり。公園に面した8階以上の購入者にはプロ仕様の天体観察望遠鏡と双眼鏡がプレゼントされるという。記者などは「おりひめ・ひこぼし」はどこにあるのかと星空を眺めながらかなわぬ恋にはらはらと涙したものだ。(記者は目が悪いが)いま都心で見えるのは金星くらいか。北斗七星はどこに行ったら見えるのか。小川は星が見えるそうだ。
販売事務所の造りもよくできている。入口の壁にはカスケードと呼ぶには貧弱で、キャピトルホテル東急のようなきらびやかさはないが、水を流す演出がうれしいではないか。「香り」もそうだ。子育て中という同社首都圏事業部東京営業所の爪川恵未氏の発案なのか、ここ武蔵野の樹木を使ったオリジナルのアロマが楽しめるという。
イベントでやってほしいことに☆印のシールを張ってもらうという意表をつく仕掛けがまた面白い。「ホタル見学」があったのでそこにシールを張り、「わたしの小さいころは『蛍川』そのものだった。真っ暗な寝床の蚊帳の中にホタルを放って遊んだ。小川にホタルがいるのか」と聞いたら爪川氏は「探してくる」とその気だった。
肝心の単価とモデルルームについて。高橋氏は「近鉄不動産の田中専務(孝明氏、当時常務)と同じように『このマンションは坪単価では語れない』と言いたいところだが、いずれ分かることだから。坪単価165万円」と自信たっぷりに話した。
モデルルームは〝非常によくできている〟としか書かない。来場者が評価した通りだ。
書き出したら切りがないのでもうやめるが、この記事はぜひ「東松戸」「横浜江ヶ崎」の記事と一緒に読んでいただきたい。不動産コンサルの長嶋修氏にも現地に足を運び、モデルルームを見学してほしい。ユーザーの味方なら「駅から7分以内」の主張を撤回するはずだ。
記事を書き終えたら、あの「タケツー」を思い出した。30年も昔だ。武蔵藤沢か入間か、100だか108だかの「魅力」を前面に打ち出し、首都圏デベロッパーを唖然とさせた。
〝郊外不振〟跳ね返す 京阪電鉄不動産他「イマジンテラス」(2016/9/21)
負けたらあかんぞ東京に わが国初 免震最高階数55階建て 地所レジ他「中之島」竣工(2018/2/20)
負けへんぞ横浜北仲に ここは〝北浜〟の一等地 三井レジ他「北浜ミッドタワー」(2018/2/20)
大和地所レジデンス 今期引き渡し予定の全929戸を完売 完成在庫ゼロ達成
大和地所レジデンスは2月22日、今期(2017年4月1日~2018年3月31日)引渡予定マンション総戸数929戸全戸を完売し、今期末の未契約完成在庫ゼロを達成したと発表した。
929戸の内訳は、期初の未契約完成在庫が29戸のほか、「戸塚ブロッサムテラス」116戸、「ヴェレーナ新鎌ヶ谷」81戸、「ヴェレーナ松戸秋山駅前」67戸、「ヴェレーナシティ パレ・ド・シエル」3・4街区(150戸)、「ヴェレーナグラン浦和仲町」30戸、「ヴェレーナ横浜 掃部山公園」37戸、「ヴェレーナ綾瀬」87戸など15物件(未契約完成在庫除く)。
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この15物件のうち記者が見学したのは「パレ・ド・シエル」と「浦和仲町」しかないが、「新鎌ヶ谷」「松戸秋山駅前」「川口元郷」など販売が楽そうでない物件のほうがむしろ多いくらいだ。それらを含め完売したのだから立派というほかない。年間1,000戸くらいを供給するマンションデベロッパーで期末の完成在庫がゼロという会社はここ数年ではないはずだ。もっとも少ないと思われる明和地所の平成29年3月期は売上計上戸数881戸に対して完成在庫は16戸だった。
同社を会社設立の1993年2月(当時日本綜合地所)のときからずっと応援してきた記者も大変うれしい。ご存じない方に1つだけ紹介しておく。同社はマンションの値付けの常識を根底から覆したデベロッパーだということだ。
いまでもそうだが、中高層マンションで一番売りづらいのは1階部分だ。日照・通風、防犯面などで難点を抱えていることが多いからで、その分値段を下げるのが常識だ。つまりその分だけ「価値」がないとデベロッパー自らが認めている。
ところが同社は、商品企画・販売を担当した「グランシティ中野島」43戸(平成11年竣工、売主はニチメン)に不二サッシが開発した全開口サッシを初採用し、リビング-バルコニー-テラス-専用庭とつなげ内と外の住空間を創造した。1階住戸の価格も上層階より数百万円高くした。これが見事にヒットした。確か真っ先に1階住戸が売れははずだ。革命的な出来事だった。これがきっかけで他社も「戸建て感覚」の開発に取り組むようになった。
商品企画力はこの業界でトップクラスだった。-過去形で書くのは、まだあの当時の世の中をひっくり返すようなマンションをいまは供給できていないと思うからだし、それだけ同社に対する期待値が高いからだ。
「それだけ同社に対する期待値が高いからだ」と書いた。「それだけ」とはいったいどれだけの期待値かといえば、例えは適切ではないかもしれないが、競馬は賭けた時点で25%が天引きされるから理論的には期待値は75%にしかならない。現実のマンション市場も、買った価格を維持し中には値上がりするものもないわけではないが、圧倒的多数の物件は中古になると値下がりする(戸建てでは買う前から〝中古並み〟ときちんとお客さんに説明する優秀な営業マンもいる)。
「それだけ」とは、中古になってもある程度の資産価値、居住価値を保持できるようなレベルということだ。
NTT都市開発 新たなワークスタイルの場を提供する「LIFORK 大手町」公開
「LIFORK 大手町」ワークラウンジ
NTT都市開発は2月22日、先に発表した新たなワークスタイル・ライフスタイルを実現する場「LIFORK 大手町」のメディア向け内覧会を行った。
「LIFORK 大手町」は、地下鉄大手町駅直結の「大手町ファーストスクエアウエストタワー」1・2階に設けた延床面積約830㎡のコワーキング施設。「Creative Platform〜自分らしく、はたらく、つながる〜」をコンセプトに、コンシェルジュサービス付きの多彩なワークスペースやイベントスペース、ロ ードバイク用室内駐輪スペース、保育所などを併設している。
クリエイティブディレクションは「トランジットジェネラルオフィス」、設計は同じ「トランジッ トジェネラルオフィス」と「KOKUYO」、グラフィックデザインには「STUDIO NEW WORK」、フードディレクションに「EAT TOKYO」、コーヒー監修に「OBSCURA COFFEE ROASTERS」などが担当する。
「ワークラウンジ」の賃料はラウンジ会員が3万円/月、オフィス会員は38.4万~115.8万円/月、ドロップインが3,500円/日。ミーティングルームの使用料は2,200円/30分から。51.9㎡のイベントスペースの使用料は16万円/日。バイクポート使用料は15,000円/月から。
高速Wi-Fi、翻訳・通訳、印刷・製本、資料リメイク、宅配ボックス、コーヒーサービス、飲食・カンファレンスなどのサービスが受けられ、ワークラウンジとバイクポートはシャワールーム付き。
施設は、秋葉原駅前の「LIFORK 秋葉原」とともに4月2日にオープンする。
「LIFORK 大手町」ワークラウンジ
ステップ
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施設は最高だ。もともとNTTの展示場などに使われていたのを改修したもので、1~2階の天井高は8mくらいある。1階の床はチーク材の突板で、ベンジャミンなどの観葉植物は本物が使われている。ソファーはもちろん本皮だ。
提供されるコーヒーも飲んだが、こちらも記者がいつも利用するカフェより数段美味しい。料金も安く、自分で淹れる場合は100円くらいになるという。
企業主導型保育園は、顔認証システムを採用し、子どもを抱えながら入退園できる。ラウンジ会員はシャワー室も利用できる。
難点は酒やタバコがダメなことだ。これは「自分らしく人生を過ごすことができる」LIFORKの主旨とどう整合するのか。「秋葉原」担当の女性は「使い倒す」と表現したではないか。自己を管理できないような人は絶対にLIFORKを使いこなすことも使い倒すことはできないと思うがどうだろう。
賃料・利用料金が高いか安いかよくわからないが、三菱地所が先に公開した新本社オフィスは仮に賃借すると社員一人当たりの賃借料は20万円/月と記者ははじいた。「LIFORK 大手町」の12.6㎡のオフィス賃料は3名定員で38.4万円/月だ。
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スマートフォンすらまともに使えない記者はちんぷんかんぷんだが、自由な働き方が加速度的に進み、自分が場所・時間を選び管理する従来のオフィスとはちがったニーズが拡大するであろうということは容易に想像できる。
いま国会で論議されている裁量労働制はそうした自由な働き方を進めるうえで極めて有効な制度だと思う。もちろん職種にもよるが、そのうちに労働時間という概念すらなくなる時代がくるような気がしてならない。労働者を時間で縛るような企業は生き残れないのではと思う。制度改革を進め、環境を整えるべきだ。
保育施設については、電車を利用して子どもの送り迎えをする場合、駅にエレベータが付いていないとか、ラッシュ時に乗り切れないなどの課題もある。ユニバーサルの取り組みも加速させないといけない。女性だけに負担がかかるようにしてはならない。
保育園(右は顔認証システム)
バイクポート
NTT都市開発 企業主導型保育園併設のシェアオフィス「LIFORK(リフォーク)」始動(2018/2/10)
三菱地所の本丸を見た 機能一新 士気高揚 トマト最高 地所が新本社公開(2018/2/12)