〝家族に愛されるホテル目指す〟 コスモスイニシア「MIMARU京都 堀川六角」開業
「MIMARU京都 堀川六角」
コスモスイニシアは4月13日、家族やグループでの中長期滞在のニーズに対応する都市型アパートメントホテル「MIMARU京都 堀川六角」をオープンした。
関西初出店となる「MIMARU京都 堀川六角」は京都・二条城にも近い堀川通に面した中京区堀川通六角下る壺屋町249に位置する敷地面積300.88㎡の11階建て1フロア4室の全42室。専用面積は約40㎡。1室5名まで宿泊可能で、ルームチャージは約35,000円。隣接する客室をドアで結ぶことで最大10名が宿泊可能なコネクティング対応型は7室。
フロントロビーは格子デザインをあしらい、既存建物に用いられていた鴨居や石灯篭もアートとして取り込んでいる。各客室には門扉が付き、室内はキッチン・洗濯機付きで、一部はタタミコーナー付き。キッチンと室内を区切る格子ドアには本物のヒバ材を採用。
イベント時には屋上のスカイラウンジを開放し、京都五山が展望できるようにする。運営はコスモスホテルマネジメントで、スペースデザインに運営委託する。
開業を前日に控えた12日、コスモスホテルマネジメント・藤岡英樹社長は「極めて順調なスタートを切れた。4月はすでに想定以上の8割以上の予約が入っている。コネクティング対応型から申し込みが入るなど、プランも評価されている。『町家』『民泊』もあるが、6月に民泊新法が施行されれば、違法民泊が排除されるのでわれわれには追い風となる。京都ではすでに7棟400室の用地を取得済み。これから大阪でも積極的に展開していく。家族に愛されるホテルを目指す」などと語った。
「APARTMENT HOTEL MIMARU」は、キッチンやリビング・ダイニングスペースを備え4名以上で過ごせる「空間」を提供し、家族やグループで「自由」に過ごせ、1室1泊あたりの料金設定になっているのが特徴。
エントランス
箱庭
藤岡氏
◇ ◆ ◇
「MIMARU」は、2月にオープンした「上野」を見学していたので、コンセプトは頭の中に入っており、すんなり受け入れられた。ヒバの格子ドアがついているのがいい。
今後、同社は2020年までに1,500室を目指すというから、この種のホテルはあまりないというから認知度が高まれば〝独走〟するのではないか。
驚いたのは建物南側(非常階段側)の2部屋に門扉が付いていることだった。これも〝自宅〟のように見せる演出の一つかと思ったが、そうではなかった。藤岡氏によると「マンションと違ってホテルは共用部分などが容積参入される。門扉も容積に算入されないよう、我々マンション屋らしい発想から編み出した工夫」のようだ。
天井高は約2400ミリだったのも〝演出〟かと思ったが、これもそうではないようだ。高さ規制が31mで、11階建てにするために押し下げたと思われる。
客室
他にも大きな意味がある門扉
ホテル圧勝 マンション完敗 京都では1種当たり用地取得費は200万円突破
建設中のコスモスイニシアの中京区新町通のホテル
藤岡氏
業界関係者にとっては旧聞に属することかもしれないが、いま京都ではホテルの用地争奪戦が展開されており、猖獗を極めている。
記者は4月12日、コスモスイニシアのアパートメントホテル「MIMARU京都 堀川六角」の取材で京都に出かけたのだが、コスモスホテルマネジメント・藤岡英樹社長は、「この用地を取得したのは2年半前。取得価格は公表できないが、今では倍以上。京都市内のマンションやホテルの1種当たり(容積率100%当たりの坪単価)は200万円以上。マンションは厳しい。当社は今回のホテルを含め7件の土地は取得済み」と語った。
京都のホテル計画は、大和ハウス工業の調査によると約3,000室に上るという。
藤岡氏の言葉を裏付けるように、中京区油小路通、小川通、新町通の一部を歩いただけだが、出くわしたホテルが4カ所だったのに対し、マンションは1カ所のみだった。ホテル圧勝、マンション完敗の図式か。
土地代が1種当たり200万円を超えるということは、建築費を含めると原価だけでも坪300万円をはるかに突破するということだ。その他の経費に利益を上乗せすると坪400万円どころか一等地では500万円になるのではないか。古都・京都の価値を考えると、決して高くないと記者は考えるが、実需は無理だろう。
◇ ◆ ◇
三井デザインテックが設計に参画した「三井ガーデンホテル京都新町別邸」で食事をしたが、デザインがよくなかなかいいホテルだ。「AACA賞」優秀賞と「グッドデザイン賞」を受章したのもよくわかる。
以上「三井ガーデンホテル京都新町別邸」
三菱地所が4月13日オープンする宿泊特化型の「ザ ロイヤルパークホテル京都四条」(記者は「水天宮」のファンで、どうしても比較してしまうが…)
エコ・ファースト推進協議会 新議長に積水ハウス副会長・稲垣士郎氏
稲垣氏
わが国の地球環境保全のトップランナーとして様々な活動を行っている40社からなる「エコ・ファースト推進協議会」は4月11日、総会を開き、議長には、2月1日付で退任した積水ハウス前会長・和田勇氏に代わって同社代表取締役副会長・稲垣士郎氏を選任した。
ビルにアートだ わが国初の超高層 三井不「霞が関ビルディング」竣工50周年
左から同社常務執行役員ビルディング本部長・植田俊氏、蒼井優さん、長谷川氏
三井不動産の日本初の超高層ビル「霞が関ビルディング」が2018年4月12日(木)に竣工50周年を迎える。その前夜の11日、同社のCMに登場する女優の蒼井優さんをゲストに、デジタルアーティスト・長谷川章氏が製作したデジタル掛け軸「KASUMI NIGHT TERRACE」のお披露目イベントが行われた。
霞が関ビルディングは高さ147メートル36階建ての1968年に竣工した日本初の超高層ビル。
同社は竣工50周年を記念して、オフィスライフをより一層楽しむことができるイベントを4月12日(木)から5月31日(木)まで実施する。
蒼井優さん
デジタル掛け軸「KASUMI NIGHT TERRACE」
この日は風が強く、他のプロのカメラマン同様、ひたすら蒼井さんのワンピースの裾がまくれ上がるのを狙ったが…ここまで(この段階では酒は一滴も飲んでおりません)
記者は50周年記念キャンペーンの一環として実施される「1時間飲み放題980円」の店で、バランタインのロックを7杯(通常だと4,000円近く)を飲んだため、これ以上書けませんが「今宵も一献」とはレベルが違うぞ)
マンションはアートだ 三井不レジ「パークコート青山 ザ タワー」竣工
「パークコート青山 ザ タワー」
三井不動産レジデンシャルは4月11日、圧倒的な人気を呼んだ「パークコート青山 ザ タワー」のプレス向け竣工見学会を行った。
公開されたのは一部の共用部分のみだが、アール状デザインを全面に施した建物は〝美しい〟の一語に尽きる。
1階のコンシェルジュカウンターから2階のガーデンラウンジまで高さにして約40mの壁面に採用されている一片が長さ約150㎝、幅約10㎝のガラスはフランス製で、枚数は約6,000枚とか。1枚1枚にエナメルの白い線がアトランダムに塗られており、見る角度によって表情を変える。これを職人さんが張ったことを想像するだけで気が遠くなる。
床は一流ホテルでも経験できないようなふかふかのカーペット敷きで、壁面にはアートが飾られていた。
プライベートガーデンに設置されている安田侃氏のアートはどこかヘンリー・ムーアを連想させるもので、25階の倶楽部ラウンジのキッチン扉はモンドリアンの絵画のようだ。
全体がヴィーナス像そのもののアートだ。写真をとくとご覧あれ。
24階共用部分
安田侃氏のアート
2階のガーデンラウンジ
ガラスアート
1階から2階への階段(左)とエレベーター内
木の美しさを全面に 天井高3m実現 三井ホームが新商品「LANGLEY(ラングレー)」
「LANGLEY(ラングレー)」
三井ホームは4月11日、「暮らしの四季を、綴る家」をテーマにした新商品「LANGLEY(ラングレー)」を沖縄を除く全国で発売開始すると発表した。同日、杉並区の「浜田山住宅公園」内に建設したモデルハウスを報道陣に公開した。年間販売目標は100棟で、プロトタイプの坪単価は100万円。
外観は、のびやかな水平ラインと素材感が際立つフォルムとし、北欧のパイン材を用いた総木製窓や、ウエスタンレッドシダーで製作したウッドパネルを多用。また、室内と室外がボーダレスに一体となった空間である、半戸外空間「ラナイ」を設置し、室内にいながら自然や四季を感じ、味わうことができるように演出。外壁壁には日本六古窯のひとつに数えられる常滑の窯で焼きあげた特注色タイルを採用している。
居住空間は、耐震最高等級3を確保しながら大手住宅メーカー最高クラスの1階天井高3mを標準採用し、全開放サッシによりリビングとボーダレスに繋がる半戸外空間「ラナイ」が、おおらかで広がりを感じさせる空間を演出している。
発表会に臨んだ同社取締役。河合淳也氏は、「当社の強みであるデザイン性に優れた富裕層向けを強化し、さらに訴求する商品。三井ホームの家に住むことが誇りとなるような思いを込めた。三井グループ全体の共通メッセージである〝経年優化〟を基本性能、素材、モノづくり全てに注ぎ込んだ」と話した。
モデルハウスは、建築面積153.23㎡(46.35坪)、1階床面積140.32㎡(42.44坪)、2階床面積139.95㎡(42.33坪)、延床面積280.27㎡(84.78坪)。
商品名は、カナダ・ブリティッシュコロンビア州の歴史ある都市「ラングレー」から命名した。
ウエスタンレッドシダーのデザイン壁(左)木製窓
リビング(左)とダイニング
ラナイ
◇ ◆ ◇
新商品を一言で言えば、成金が好みそうな露悪趣味のデザインではなく、とはいえ吉永小百合さんのような超富裕層向けというのでもなく、極めて健康で常識的な本物の木をこよなく愛するアッパーミドル・富裕層向けの住宅だ。
モデルハウスは、オーク材のヘリンボーンが随所に採用されており、壁などにはウエスタンレッドシダーやカラーワークス社のペイント壁が、2階のプライベートゾーンには岡山県西粟倉村のヒノキ材がそれぞれ多用されている。和室にはオーク材の浮造り仕上げを採用。約100万円の暖炉も設置されている。
和室
アロハ! 商業・価格・平置き 3点セット奏功 1期162戸即完 新日鉄興和「葛西」
「リビオシティ・ルネ葛西(TOKYO ALOHA PROJECT)」完成予想図
新日鉄興和不動産(事業比率70%)・総合地所(同30%)の「リビオシティ・ルネ葛西(TOKYO ALOHA PROJECT)」の第1期162戸が即日完売した。両社は4月12日にニュース・リリースするはずなので、詳細はそちらを読んでいただきたい。ここでは率直な感想に留めたい。
物件は、東京メトロ東西線葛西駅から徒歩18分(バス8分徒歩1分)、江戸川区東葛西9丁目の工場地域に位置する14階建て全439戸。専有面積は58.48~84.08㎡、第2期(戸数未定)の予定価格は2,900万円台~5,900万円台(最多価格帯4,400万円台)、坪単価は214万円。設計・施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は平成31年8月下旬。販売代理は長谷工アーベスト。
現地は、大規模商業施設「アリオ葛西」と「ホームズ葛西」に隣接。用途地域は工場地域だが、商業施設やマンション化が進んでおり、嫌悪施設はほとんどない。
建物はL字型で、住戸は約3分の2が南向きで、3分の1が西向き。平置き駐車場が257台。今回分譲は南向きで、プランは68㎡、72㎡、76㎡、84㎡の4タイプ。
テラスラウンジ
◇ ◆ ◇
即完を知ったときはわが目を疑った。この物件について両社は2月、記者発表会を行った。記者は出席しなかったが、業界紙がその内容を伝えた。記事を読んで、単価は安いが、バス便で439戸もあるから、「アリオ」などの大規模商業施設があるとはいえ販売は長期化するのではと判断・予測した。その判断・予測がものの見事に外れた。
即完を知って、おっとり刀で現場に駆け付けた。新日鉄興和不動産の住宅事業本部都市創造部・野上晋佑氏が興奮気味に次のように話した。
「大規模商業施設に隣接し、価格の安さ、平置き駐車場の3点セットが奏功した。社内でも『大丈夫か』などと危惧する声もあり、賛否両論があったが、手応えを感じていた。ターゲットが絞りやすく、お客さんの顔がしっかり見えていた。この結果が業界にもお客さんにも伝わり、いい流れになってほしい」
現地
◇ ◆ ◇
お世辞にもいいプランばかりとは言い難い。間口が5.8mの68㎡の3LDKは全23スパンのうち6スパン(合計84戸)あるが、これなどは昭和50年代の長谷工コーポの〝コンバス〟そのもので、当時〝広めの3LDK〟として成功した間取りだ。
設備仕様レベルも高いとは言えない。ディスポーザーも食洗機もついていない。郊外型のマンションとそれほど違わない。
それでも、第1期162戸即日完売に快哉を叫びたい。ひょっとしたら住宅にそれほどお金をかけない今のミレニアル世代にぴったりなのかもしれない。マンションの共用施設にはゲストルーム、キッズラウンジ、カフェラウンジ、小規模保育所などがあり、様々なコミュニティプログラムや〝コンシェルジュサービス〟も受けられる。
隣に大規模な商業施設があるのも大きな魅力なのだろう。ここでほとんどすべてを済ますことができる。葛西臨海公園も近い。この魅力を同社は訴え切ったということだろう。申込者は共働き世帯より専業主婦世帯が多いと聞いたが、これも納得。〝ここは最高。あなたは少しだけ通勤難を我慢すればいい〟というしっかり者の奥さんの声が聞こえてくる。(「アリオ葛西」「葛西臨海公園」を過小評価してはいけない。記者は7年前にその威力を実感した)
販売事務所、モデルルームもよく出来ていると思った。コンセプトの〝ALOHA〟を分かりやすく伝えている。シアタールームには本物の砂が敷き詰められていた。モデルルームにはフェイクでない観葉植物がセットされていた。「ウゴクロ」を活用した10畳大の主寝室の提案もインパクトがあった。
シアタールームの砂と木片、貝殻など
有楽土地「オーベル葛西ベイパークス」即完に納得(2010/5/14)
レベルが高い 長期優良住宅認定 東急電鉄他「十日市場」 順調なスタート
「ドレッセ横浜十日市場」完成予想図
東急電鉄・東急不動産・NTT都市開発の3社JVマンション「ドレッセ横浜十日市場」を見学した。横浜市が推進する「環境未来都市 横浜」のモデル事業で、長期優良住宅認定を受けた敷地面積約14,500㎡、全311戸の緑区最大級の複合プロジェクト。3月から分譲が始まっており、第1期85戸が完売。順調なスタートを切った。
物件は、JR横浜線十日市場駅から徒歩7分、横浜市緑区十日市場町に位置する14階建て・9階建て・11階建て3棟の全311戸。専有面積は62.46~90.43㎡。坪単価は未分譲の「ガーデンテラス」を除くと210万円前後と思われる。竣工予定は2019年7月下旬。販売代理は東急リバブル、東急不動産、東急ライフィア。施工は長谷工コーポレーション。デザイン監修は梓設計。
今年3月から分譲開始され、第1期70戸と追加の15戸が完売。4月13日に第1期2次(6戸)が分譲される。価格は3,848万~5,998万円(62.48~87.98㎡)。
現地は、横浜市が取り組む「環境未来都市計画」の青葉区たまプラーザ駅北側地区、磯子区洋光台周辺地区、相鉄いずみ野線沿線地域とともに4つのモデル地区に指定されているエリアの一角。
全体で20街区・21街区・22街区から構成されている3つの市有地街区のうちの20街区が今回のマンション街区。隣接する21街区には期間50年の定期借地権付きとしてサービス付き高齢者向け住宅、高齢者向け賃貸住宅、8棟の戸建てなどが計画されている。
物件は、駅からはなだらかな坂を上ったところに位置するが、途中には信号が1カ所しかなく、歩行者専用の歩道も整備されている。市はバリアフリー構想に基づき、唯一バリアフリーになっていない橋の整備も行う予定。
エリアマネジメント手法を導入し、コミュニティ活動、地域環境活動、サスビナリティ活動を「クオル」がサポートしていく。
隣接する21街区と合わせ建物内には保育園、学童施設、ミニスーパー、コミュニティカフェなども併設される。
建物は、敷地の南端に位置するサニーテラス、交流の中心となるメインストリートに面した東向きのリビングテラス、中庭を眺望するガーデンテラスの3棟で構成。別棟として交流拠点の「HANA-RE」が設置される。
住戸プランは平均74㎡のファミリー向け住戸が中心。基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450~2500ミリ(14階の最上階は3000ミリ)、食洗機、ディスポーザー、可動間仕切りのウゴクロなどのほか、防犯サポート&見守りの「ドア・窓センサー」か「モーションセンサー」のどちらかを選択できる「イッツコムインテリジェントホーム」が標準装備。
モデルルーム
◇ ◆ ◇
十日市場は、横浜市の定期借地権付き戸建て分譲を見学して以来6年ぶりに訪れた。駅の南口と北口にパチンコ屋が入居するビルがあるのはいかがなものかと思うが、住むにはいい街だ。
物件は、長期優良住宅認定を受けているだけに第一級品のレベルの高さだと思う。先日見学した、第1期162戸が即日完売した「トーキョー アロハプロジェクト」の坪単価は214万円だったが、こちらのほうがはっきり言ってレベルは高い。これは用地の取得価格によるものだろうが、横浜市民は恵まれている。都内23区ではまずこの価格ではこのレベルのマンションは取得できない。都下でも難しいのではないか。
一つだけ言いたい。ここで詳しくは書かないが、どうして長期優良住宅認定マンションが横浜市の集合住宅環境性能評価制度「CASBEE 横浜」でSではなくAランクなのか。物差しが異なると言ってしまえばそれまでだが、一般ユーザーにとっては非常に分かりづらい。整合性を検討すべきだ。
駅近くの歩道
◇ ◆ ◇
幹事会社の東急電鉄にも一つ注文。同社が二流会社ならこんなことは書かない。
これほど基本性能が高いのに、販売事務所やモデルルームの観葉植物はどうしてフェイクばかりなのか。シアタールームにシダ類を配置しているのはアイデアとしてはいいが、すぐに偽物だということが分かる。せっかくの価値を押し下げるようなものだ。東急ともあろうものがといいたい。同社に求めているのは並みのデベロッパーではない。積水ハウスの「品川」を見習ってほしい。
前段で少し触れた「トーキョーアロハ」ではその逆に本物の観葉植物が配されていた。シアタールームにコンセプトが分かりやすいように砂浜をイメージした砂・小石が敷かれ、流れ着いたような木片や貝殻、空き瓶がランダムに置かれていた。
シアタールームのフェイクの観葉植物(左)と「トーキョーアロハ」のシアタールーム
長期優良住宅が「CASBEE」で評価されないのはなぜ(2013/6/13)
デザイン秀逸 第1期1次43戸が即日完売 伊藤忠都市・東急不「文京関口」
「クレヴィア文京関口」完成予想図
伊藤忠都市開発と東急不動産が先に第1期1次43戸が即日完売したと発表した「クレヴィア文京関口」を見学した。コンパクトとファミリーの混合型で、坪単価410万円。デザインが秀逸だ。
物件は、東京メトロ有楽町線江戸川橋駅から徒歩2分、新宿区改代町に位置する9階建て全85戸。専有面積は35.02~106.68㎡、第1期1次(43戸)の価格は3,998万~17,898万円。坪単価は410万円。竣工予定は2019年2月中旬。設計・監理は陣設計。施工は佐藤工業。
第1期1次は3月24日(土)に登録を締め切り、最高4倍、平均1.34倍で即日完売。1月からの来場者数は280件超。駅から2分の利便性、南東の角地、モダンな外観デザインなどが評価されたという。
現地は、準工地域だが住宅地化が進んでおり、嫌悪施設などはほとんどない。また、江戸川橋地蔵通り商店街に面しているが、それほど車の往来もなく、道路を挟んだ南側も中層の建物がほとんどで、東南角地ということもあり、上層階は眺望が開ける立地だ。
そして何より強調したいのは、外観デザインが秀逸であることだ。完成予想図の通り水平ラインを強調したグリットとハイサッシの明るいデザインが美しい。
モデルルームもよくできている。設備仕様は逆梁ハイサッシ(一部腰窓)、シーサーストーンのキッチンカウンター、食洗機、グローエ水栓、天然石仕上げの床など。
住戸プランは30㎡台の1LDKが14戸、50㎡台の2LDKが36戸、60~70㎡台の3LDKが29戸、ペントハウスなど1億円以上のプレミアムが5戸。このバランスも絶妙だ。
レジデンスサロンでは各種物件資料を格納したタブレット端末を使用し説明する手法を採用。契約者にはタブレット端末を進呈する。
:現地
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの 新聞は絵画と同じ⑤
新聞は絵画や衣服と同じ 業界紙は旧套墨守改めよ
新聞は、その構図の美しさでもって人を引きつけるという意味で絵画であり、中身にふさわしく着飾るという意味で衣服と同じだ。美しくなければ、だらしない恰好では読んでもらえない-ずっとそう思ってきた。なので、新聞紙に穴が開くほどじっくり眺め、デザインを研究したことがある。一般紙の1ページそっくり真似てレイアウトしたこともある。
記者の経験からして美しいと思うのは、読み慣れたせいかもしれないが朝日新聞だ。全体のバランスがいいし、見出しの明朝体が美しい。日経新聞は囲み記事がいい。紙面全体を締める役割も果たしている。同紙は昨年、日曜版に一流デザイナーを起用し、ビジュアルで大胆なデザインに一新した。
一般紙ですらこのように努力しているのに、わが業界紙は旧套墨守そのものだ。〝40年〟一日のごとく旧弊を死守しようとしている。古臭い時代ものの地紋や飾りケイ線・ヤクモノをふんだんに使い、まるで花魁のように化粧を施す。四方をお悔やみ文のように囲む「囲み記事」も多い。せっかくの企画記事も流し記事と同じように扱う。
果たして一般紙は地紋やケイ線はどのようなものを使っているか、四方囲み記事があるかないか調べてみるがいい。
業界紙はプロのデザイナーや整理マンを雇えないのは理解できる。一般紙のお手本がある。真似ることだ。そして美醜を分ける鑑識眼を養わないといけない。皮衣を一新して中身も変わることに期待したい。
賞味期限切れの「このほど」頻繁に登場
慣用句か枕詞のような「このほど」はいかがなものかと昨年5月に書いた。しかし、改まってはいない。
住宅新報4月3日号には、地価公示も含め「このほど」が14本もあった。今年の地価公示の発表日は3月27日(火)の夕刊以降だから1週間遅れだ。旭化成ホームズの「高経年マンションを考える会」は、会が行われたのは3月8日だったから約1カ月遅れ。プレ協の懇親会も行われたのは15日前だから2週間遅れ。トーセイの柏市の戸建てが「このほど」完売したという記事は、このほどとはいつか全く不明。最後のほうまで読むと、分譲開始が3年前ということが分かる。
どうも同紙は。「このほど」をどのような場合に用いるか統一的な基準を設けていないようだ。記者の自由裁量に任されているのではないか。だから1週間遅れも1カ月前の出来事も「このほど」になりうるということか。そんなとっくにゴミ箱に捨てられてもいい賞味期限切れの記事をこっそり忍び込まされ、読まされる読者がかわいそうだ。
トーセイの記事は週刊住宅も問題だ。記事はこうだ。「トーセイは3月25日、千葉県柏市に開発し、昨年11月に全区画が竣工した戸建分譲住宅『THEパームコート柏初石』(総戸数95棟)を完売した」と。
これだけ読むと、全95棟がわずか数カ月で完売したとも受け取れる。しかし、後半の部分で「2014年から7期に分け販売」とあるから、完売まで3年かかったことが分かる。
一般紙に「このほど」の記事があるかどうか調べてほしい。特ダネやインタビュー、企画記事などを除き、日にちが書かれていない記事は1本もないはずだ。5W1Hは記事の基本だ。
最後に一言。〝記事はラブレター〟だ。若い記者の皆さん、不特定多数の読者に媚を売るな!同業の記者と競うな!うまく書こうと思うな!自分を愛し、人を愛し、そして何より読者を愛せ! 結果は自ずとついてくる。
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するものWebとの融合・連携 ④(2018/4/5)
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの 新聞記事は鮮度だ③(2018/4/4)
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの ビーンボール②(2018/4/3)
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの ニュースを追うな①(2018/4/2)