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植田氏

 三井不動産は10月17日、脱炭素社会実現に向けたグループ行動計画(ロードマップ)をまとめ、新たな目標として2030年度の温室効果ガス(Green House Gas)排出量削減率を40%へ引き上げ、国内全ての新築物件でZEB/ZEH水準の環境性能を実現し、木造賃貸オフィスビルの建築、新しい暮らしの提案「くらしのサス活」提案、再エネ活用、電力グリーン化を国内全施設へ拡大すると発表した。

 同社は2021年、同社グループの温室効果ガス(GHG)排出量の2030年度削減目標を2019年度比で35%にすると発表していた。今回はそれを40%に引き上げた。

 また、2050年度のカーボンニュートラルを見据えて、メガソーラー事業を約5倍に拡大し、洋上風力・地熱など創エネ事業、東京大学などのアカデミアや建設会社との研究開発、ベンチャー企業への出資や、実証実験の場の提供など新技術創造に向けたオープンイノベーションの推進、建設時CO2排出量削減の取り組みや森林活用など、サプライチェーン全体での脱炭素に向けたパートナーシップを強化することを明らかにした。

 記者会見に臨んだ同社代表取締役社長・植田俊氏は「ESGは経営そのもの。待ったなしだ。地球を素材にしているわれわれデベロッパーの責任は重く、川上から川下までを結び付けるプラットフォーマーの当社の役割はさらに重要度を増す。社会的価値、経済的価値、企業価値は同質であり、それを追求していく」などと語った。 

◇        ◆     ◇

 植田社長は会見の冒頭で「社長に就任してから初めての会見」と前置きしたように、今回の会見でもっとも注目したのは植田氏が何を語るかだった。

 大きな収穫があった。植田氏は「カーボンニュートラル実現に向けた三井不動産グループの街づくりについて」話したのだが、質疑応答の場面でテキパキと記者団の質問に答え、時間があれば延々と話すのではないかという印象を受けた。〝話し好き〟は歴代社長の誰と比較しても引けは取らないと確信した。(つい先日の10月10日、同社の記者懇親会が行われ、冒頭に植田社長が挨拶を行ったのだが、「記事にはしない」という縛りがあったので、メモはしたが記事にはしなかった)。

 以下は、同社の歴代社長の社長就任時の年齢と就任期間だ。

故・江戸英雄氏(明治36年7月17日生)52歳 18年6か月(昭和30年11月~昭和49年5月)
故・坪井東氏(大正4年5月1日生)  59歳 12年1か月(昭和49年5月~昭和62年6月)
故・田中順一郎氏(昭和4年9月28日生)57歳 11年(昭和62年6月~平成10年6月)
岩沙弘道氏(昭和17年5月27日生)   56歳 13年(平成10年6月~平成23年6月)
菰田正信氏(昭和29年6月8日生)         57歳 11年10か月(平成23年6月~令和5年3月)
植田俊氏(昭和36年2月16日生)    62歳      (令和5年4月~)

 記者が同社恒例の記者懇親会に出席するようになったのは昭和50年代に入ってからだ。記者懇は、まず坪井社長が挨拶に立ち、続いて江戸会長が乾杯の音頭を取って始まる。それぞれ話す時間は20~30分はあった。いざ乾杯の段階になると、コップのビールの泡は消え、用意されたビール瓶は汗だく状態で、コップに注がれると泡だらけになり、熱燗は冷酒に、冷酒はぬる燗に変わっていた。新米の記者は社長、会長の挨拶を細大漏らさずメモした。それだけで疲れ果てたのを思い出す。それ以来、同社の社長、会長の挨拶が長いのは伝統となった。多少短くなったのは岩沙氏あたりからか。

 植田氏については、昨年12月9日に行われた社長交代の記者発表会で、記事の見出しにもとった「産業デベロッパー目指し、日々妄想」の簡にして要を得る強烈なメッセージを発したのを忘れない。

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 三井不動産レジデンシャルは10月17日、住宅におけるペロブスカイト太陽電池の活用に関する共同研究を開始したと発表した。

 京都大学発のスタートアップでペロブスカイト太陽電池の開発を手掛けるエネコートテクノロジーズと連携するもの。ペロブスカイト太陽電池は2009年に日本で発明されたもので、①20%以上の高い発電効率②薄い・軽い・曲がる③少ない工程で製造が可能などの特徴があり、実用化に向けて世界中で開発が進んでいるという。

 今年度中にペロブスカイト太陽電池を同社が供給するマンションの共用部分におけるデザイン性の高い照明や家具、居室内のインテリアへ設置し、日中の太陽光を蓄電し、夜間利用などへの活用を予定している。

「産業デベロッパー目指し、日々妄想」植田俊・三井不動産次期社長(2022/12/11)
 

 

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イチョウ並木(昨年5月撮影)

「神宮外苑地区まちづくり(神宮外苑地区第一種市街地再開発事業)」の事業者代表を務める三井不動産は1013日、プロジェクトサイトの質問受付ページに寄せられた質問に対する5回目の回答(令和5828日~930日受付分)を掲載した。令和5717日~726日に受け付けた質問に対する第1回目から合計質問は319件、意見は70件、合計389件に上っている。同社は、引き続きプロジェクトサイトで順次回答していくとしている。

全てではないが、記者はその都度質問と回答を読んでいる。今回の5回目の質問・意見件数は51件で、1回目の174件から3分の1以下に減少している。重複する質問も多く、ほぼ意見・質問は出尽くした観を受ける。

回答はプロジェクトサイトのQ&Aページ(https://www.jingugaienmachidukuri.jp/faq/)に掲載されている。

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「神宮外苑地区まちづくり」ホームページから(保存樹木、移植樹木、伐採樹木、追加樹木などが記載されているが読みづらい)

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 今回の問題の肝は、平成2512月に創設された「公園まちづくり制度」に沿った事業であり、この実施要綱に適合するかどうかだと思う。同制度は、センター・コア・エリア内にあるもの当初都市計画決定からおおむね50年以上経過したもの未供用区域の面積が2.0ヘクタール以上のもの――を対象に、再開発等促進区を定める地区計画を定め、都市計画公園・緑地を削除する面積の60%以上かつ1.0ha以上を緑地、広場その他の公共施設を確保するのが狙いだ。

 肝心なのは③で、「神宮外苑街づくり」の計画地内には秩父宮ラグビー場を中心とする約4.7haの「未供用地」が存在していた。「共用」とは、都市計画決定区域において、開園が告示された都市計画公園施設のことを指す。「未供用」とは供用以外の状態をいう。

 なぜ秩父宮ラグビー場が「未供用」むなのか疑問がわくが、89日付の記事でも書いたように、都によると、秩父宮ラグビー場は記録が残っている昭和50年当時は「未供用」扱いにされており、20224月に「都立明治公園」から削除されるまで「未供用」のままだったということだ。

 その是非はともかく、秩父宮ラグビー場が今回の再開発を可能にした〝貢献者〟ということだ。

 この問題について、日本イコモス日本委員会は「秩父宮ラグビー場の土地所有者は、民間企業ではなく日本スポーツ振興センターであり、かつスポーツの聖地として国民に愛されてきた施設である。共用の定義をほぼ満たしており、『公園街づくり制度』が適用される地域とは、基本的に異なっている」(令和31228日付意見書)と主張している。

 しかし、同制度は「未供用」の土地所有者は民間企業でなければならないとは定めていないし、実態として「共用」されているかどうかではなく、法律に基づき「告示」されているかどうかを要件としている。法治主義に照らし合せば、日本イコモスの主張は通らない。事業者も認可した都にも瑕疵、落ち度はないように思う。

 三井不動産にも一言。故・坂本龍一氏や村上春樹氏など著名人が再開発に反対の声をあげたのは予想外だったのだろうが、「神宮外苑」の歴史・文化などの特殊要因を軽視したのではないか。計画地の土地の権利関係はともかく、ほとんどの人は「都市公園」と理解していたのではないか。そのことを最初からきちんと説明すべきだった。これまで多くの街づくりで成功を収めてきた驕りがあるのではないか。喬木は風に折らる。

 公表されている既存樹木調査データは85ページにわたり、伐採樹木743本も含めて樹木はエリアごとに分けられ、11本連番、樹木番号、樹種名、樹高、幹周、葉張りなどの規格や樹形、樹勢、大枝幹の欠損・傷などの活力度、保存の必要性(高・中・低)、移植(可・難・不可)、備考(例えば、ぶつ切り剪定が、多数あり。樹木番号N02-033ヒマラヤシーダーからの、被圧あり。建物に、近接している)などか小さな字で記載されている。画面を拡大しスクロールすれば読めないことはないが、読みづらい。

 分かりやすくするために、現場を公開し、樹木にはデータが読み込めるようバーコードを付け、樹木医などの専門家が説明してはどうか。

 同社は、面積比におけるみどりの割合は25%から30%に、樹木数は既存の1,904本から1,998本にそれぞれ増加するとしているが、それを〝見える化〟する取り組みが必要だ。記者は、同社のマンションや分譲戸建てを中心に多くの街づくりを取材してきた。植栽計画はどこにも負けない。これまでの街づくりを紹介し、神宮外苑の現況と未来像が比較できるよう大きな模型図などを展示・公開すべきだと思う。

さらに、質問・回答も文書ではなく、事業を認可した東京都、再開発に反対している日本イコモス日本委員会を含め、賛成派、反対派を一堂に集めて大討論会でも開催したら、同社に対する誤解は解けるのではないか。

秩父宮ラグビー場が「未供用」の謎 「広場」は都市公園ではない 神宮外苑再開発(2023/8/9

 

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.PDFはこちら 港区の課税標準額段階別の納税者推移

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 令和5年度の東京都港区の所得割額は、前年度が大幅に伸びた反動とコロナの影響からか総額は約870.3億円(前年度比2.4%減)で、納税義務者1人当たりの所得割額も586千円(同3.9%減)となったが、課税標準額が1億円超の納税者は前年度比11.4%増の1,392人となり、過去最多を更新。課税標準額1,000万円超の納税者も前年度比1.7%増加した。

 課税標準額が1億円超の納税者は、納税義務者の0.9%に当たる1,392人(前年度比11.4%増)となり、過去最多を更新。所得割額費額は244.2億円で、全所得割額870.3億円(同13.0ポイント減)の28.1%(同3.4ポイント減)を占めている。

 納税者1人当たりの所得割額は586千円(同3.9%減)で、1億円超の所得割額は17,547万円(同21.9%減)となっている。

 課税標準額が1,000万円を超える納税者は、全納税者の18.6%、27,680人で、前年度より7.1%増加し、所得割額総額の72.7%を占めている。

 所得割額は、総所得から基礎控除、配偶者・扶養控除、社会保険・生命保険料控除額などを差し引いた課税所得金額に税率10%(都民は都民税4%+市町村民税または特別区民税6%)を掛けた金額。

億万長者の人数&所得割額が激増 過去最多 アッパーミドルも漸増 東京都港区(2022/11/26)

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「KIGOCOCHI(キゴコチ)」ショールーム(モデルルーム)

 三菱地所ホームは10月13日、空間木質化のプロジェクトの一環として新商品「KIGOCOCHI(キゴコチ)」の販売を10月14日に開始すると発表。第一弾として、マンションリフォームを提案するショールーム・モデルルームを「みなとみらい」にオープンした。

 「KIGOCOCHI」は、「KI=木」から得られる「IGOCOCHI=居心地」のよさを追求することから名付けられたもので、モデルルームでは、家の中に木の塊(コア)を機能的にレイアウトし、人間が木に囲まれたり、大木に寄りかかったりするときに得られる居心地のよさを再現する「木と共生する暮らし」を提案する。

 モデルルームの広さは約70㎡。「コア」は、「水回り」「キッチン・家具・スタディスペース」「玄関・寝室」の3つからなり、従来のnLDKの間取りにとらわれず、柔軟で回遊性の高い空間を提案しているのが特徴。内装材は構造材として用いられている3×6判(914mm x 1829mm)の愛媛県産材のヒノキ合板を採用することでコストも抑制。同社の全館空調システム「エアロテック」も装備している。

 「水回り」は、ユニットバス・脱衣所・サウナといった水回りを集約し、脱衣所の床は名栗(ナグリ)仕上げ。オプションでサウナを設置可能。

 「キッチン・家具・スタディスペース」は、動線に配慮して3方向からアクセスできるキッチン、パントリー、洗濯といった家事スペース。書斎にもなるデスクも内包している。

 「玄関・寝室」は、「木のトンネル」状とすることで廊下をなくし、ドアを開けた瞬間から木の心地よさに包まれる空間とし、夫婦別室を提案している。

 記者発表会・見学会で同社代表取締役社長・細谷惣一郎氏は「ショールームは、『木』のぬくもりと住み心地を体感できるものにした。今後も『木』と言えば三菱地所ホームと言われるように非住宅も含めて取り組みを強化していく」と話した。

 ショールーム・モデルハウスの空間設計を担当したトラフ建築設計事務所・鈴野浩一氏は「1年半前から三菱地所ホームさんから依頼を受けて取り組んできた。大木(コア)に寄りそう暮らしを実現した。3つのコアは部分的に採用することにも対応した」と話した。

 ショールームは、みなとみらい線みなとみらい駅から徒歩4分、JR京浜東北・根岸線、横浜市営地下鉄桜木町駅から徒歩9分、横浜市西区みなとみらい2丁目に位置。営業時間は10:00~18:00、定休日は水曜日、日曜日(祝日を除く)。TEL:0120-429-115。

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細谷氏

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アートてせぃレクションを担当した金井あき氏(左)と鈴野氏

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モデルルーム

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キッチン&ダイニング(上部は「エアロテック」)

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玄関収納

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ドアノブ

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 素晴らしい提案だ。モデルルームの玄関を開けたとたん、マンションではまずありえない本物の木の空間「玄関・寝室」が目に飛び込んできた。廊下は取り払われており、その奥に「水回り」「キッチン・家具・スタディスペース」が広がっていた。

 洗面室の床は名栗(ナグリ)仕上げ。ドアノブはおしゃれなウォールナット材。有孔パネルの壁面はフックや棚板をレイアウトできるようになっており、天井は漆喰仕上げ。床はリノニウム。

◇        ◆     ◇

 素晴らしいショールームではあるが、記者の率直な感想を1つ2つ言わせていただく。

 一つは、ヒノキ合板に違和感を覚えたことだ。記者は三重の田舎育ちで、実家はごくありふれた農家だったが、構造や柱、梁にはスギ、ヒノキ、マツはもちろんだが大黒柱や框、建具面材にはケヤキやヤマザクラが多用されていた。ケヤキもそうだが、とくにヤマザクラは時代を経るごとに赤みが増し、ピカピカ光る。紫檀や黒檀などと同等の面材だと思う。

 住宅の内装材に合板(ベニア板)が用いられることはなかった。なので、見てすぐわかる構造合板のコア(とくに小口)には引っかかるものがあった。無垢・突板と区別がつかない化粧合板のほうがよかったのではないかと思った。

 もう一つは単価だ。同社は70㎡でフルリフォームした場合の価格は2,000万円台の半ばとしか話さなかったが、だとすれば坪単価は100万円以上だ。

 この価格には驚いた。確かに新築マンションも中古住宅も資材も価格が暴騰しているのは分かる。まさかリフォーム価格まで上昇しているとは思わなかった。

 しかし、これは記者が知らなかっただけだ。リフォームだけが数年前と変わらないということはありえない。合板の価格指数は2020年を100とすると50%くらい上昇しているようだ。リフォームも坪100万円の時代に突入したということか。

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「水回りコア」の一部(床はナグリ仕上げ、奥はサウナ)

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内観

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有孔パネル

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 肝心なことを書き忘れた。モデルルームに入ったら、鈴野さんから「木を飲んでみませんか」(違った表現だったかも)を勧められた。「KAMOSHIKA Drinks(カモシカ飲料)」だった。紙コップに半分。少し泡立っていた。口に含んだ。木の味はさもありなん。得も言われぬ味が口中に広がり、田舎の山と森の香りが鼻腔を蕩かした。一瞬、ウイスキーかと思ったが、甘みがあり炭酸が入っていそうなので、酒ではないことは分かった。ラベルの原材料にはカラマツ、アカマツ、アブラチャン、ヒノキ、タイム…などが記載されていた。

 いまネットで調べた。リフォームも高いが、250mlで2,300円。(糖尿になるまでは3~4日に1本空けていたバランタインよりはるかに高い。いま飲んでいる焼酎一升とほぼ同じくらい…ウーン)そのあとの会見でも同じ量のおなじものが供された。

 貧乏人の記者は飲めないが、同社のお客さんだったら浴びるように飲めるのではないか。砂糖を入れず原液をロックで飲むか、ジンとかビールで割っても美味しいはずだ。三菱地所グループの〝空と土プロジェクト〟の一環として造られた日本酒「丸の内」も美味しいが…日本酒やワインにはあわない。

「木の居心地を徹底追求・従来間取りを解体」 三菱地所ホーム リフォーム新提案(2023/7/27)

木造木質化を推進するプラットフォーム「KIDZUKI(キヅキ)」始動 三菱地所ホーム(2022/6/15)

 

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「ヴェレーナグラン門前仲町」(南東側から写す)

 大和地所レジデンスは10月11日、「ヴェレーナグラン門前仲町」75戸が完成したのに伴うメディア向け見学会を行った。駅から徒歩3分の期間72年の定期借地権付きで、分譲開始は昨年6月。坪単価は410万円で、決して安くはなかったが、わずか3か月で完売した。

◇        ◆     ◇

 添付した記事と一緒に読んでいただきたい。物件を案内して頂いたのは、昨年6月に竣工・完成見学会を行った「ヴェレーナシティ西新井」と同じ同社建築企画第2部長兼建築管理部長・木村美則氏(57=昨年)だった。(記事にはできないが、本音で話して頂いた。記者のみなさん、こういう方とお友だちなるべき。三跪九叩頭すればせんべろでも大丈夫だろう、マンションのイロハを教えてくれるはずだ)

 何も言うことはないが、駅近ながら敷地南側と北側の眺望が担保されており、商品企画レベルが極めて高いマンションだ。単価は安くはないが、街のポテンシャルを考えたら、湾岸マンションに負けないのも納得だ。

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マンションではありえない玄関上の明り取り(左)と最上階の全4戸の吹き抜け空間5350ミリのメゾネットタイプ。専有面積107㎡で価格は18,000万円

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敷地北西側の景観(スカイツリーも見える)

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〝せんべろ〟の店がたくさんある門前仲町(マンションはこの先1分くらい)

駅近ながら桜並木に面した静かな環境に高い評価 大和地所レジ「門前仲町」(2022/7/26)

販売好調の秘密を見た15カ月で全戸完売 歩留まり率23.6% 大和地所レジ「西新井」(2022/6/9)

 


 

 

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は1010日、20239月度の主不動産流通市場動向をまとめ発表した。

中古マンションの成約件数は前年同月比6.7%増の3,191件で、4か月連続して前年同月を上回った。㎡(坪)単価は同4.8%増の72.44万円(239万円)で、205月から41か月連続上昇、価格は同4.5%増の4,618万円で、206月から40か月連続上昇した。専有面積は同0.3%減の63.75㎡となった。

地域別では、成約件数は千葉県以外の地域が前年比で増加し、東京都区部は2 ケタ増となり4か月連続で前年同月を上回った。成約㎡単価は埼玉県と神奈川県他以外の地域が前年比で上昇が続き、東京都区部は41か月連続、千葉県は38 か月連続で前年同月を上回った。埼玉県は205月以来40か月ぶり、神奈川県他は2011月以来34か月ぶりに前年同月を下回った。

中古戸建は、成約件数は同2.2%減の1,099件で、221月から21か月連続で前年同月を下回った。価格は同2.2%増の3,924万円、土地面積は同3.2%減の139.52㎡、建物面積は同0.9%減の104.39㎡となった。

地域別では、成約件数は東京都区部と多摩以外の地域が前年比で減少し、千葉県は2ケタ減となり3か月連続、神奈川県他も3か月連続で前年同月を下回った。成約価格は横浜・川崎市と多摩、千葉県が前年比で上昇し、多摩は6か月連続で前年同月を上回った。

Screenshot 2023-10-10 at 16-18-05 PowerPoint プレゼンテーション - 分譲住宅の最上級ブランド「GRANDIST」を都内23区を中心に展開を開始-1.pdf.png
グローイングスクエア富士見ヶ丘グランディスト

 細田工務店は10月10日、同社の戸建分譲「グローイング・シリーズ」の最上級ブランド「GRANDIST」(グランディスト)を積極的に展開すると発表。すでに杉並区、世田谷区、中野区で6つのプロジェクトが始動しており、順次販売を開始する。

 主な特徴・仕様は、①駅徒歩3分~13分以内の立地、100㎡以上平均敷地面積②長期優良住宅×「高耐震+制振」性能(耐震等級・東京ゼロエミ住宅(敷地条件により対応出来ない分譲地あり)③ZEHレベルの高い断熱性能(断熱等性能等級5、一次エネルギー消費量等級6)④IoTに対応⑤ワンランク上の設備機器⑥防犯設備機器⑦防災設備の採用-など。

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 先日、野村不動産の「高額建売戸建」シリーズの「プラウドシーズン成城五丁目」を見学・取材したばかりだ。記者はまちがいなく売れるとみている。細田工務店にも取材を申し込み、レポートしたい。

野村不「高額建売戸建」第2弾「プラウドシーズン成城五丁目」も即日完売(2023/10/7)

 


 

 

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 コスモスイニシアは1010日、同社が当賃貸管理を行う埼玉県のマンションの駐車場空き区画にガス衣類乾燥機を搭載したトレーラーハウスを設置し、同日から入居者向けに衣類乾燥サービスを提供する実証実験を開始したと発表した。24時間いつでも利用でき、利用料の支払いはキャッシュレス決済を採用する。

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 このようなニーズがあるのかどうかさっぱりわからないが、ミサワホームはフェーズフリーのトレーラーハウス「MISAWA UNIT MOBILITYMOVE CORE』」(「ムーブコア」)を先月から販売を開始した。

ミサワホーム 「いつも」「もしも」ZEH対応 トレーラーハウス「MOVE CORE」発売(2023/8/24

 

 

 三井不動産は10月10日、生成系AIを活用した自社特化型AIチャットツール「&Chat(アンドチャット)」を開発し、全従業員約2,500人を対象に2023年8月より運用を開始したと発表した。10月下旬からアイデアソンによりプロンプトのアイデアの社内公募を開始する。

 「&Chat」の導入により、社員は文章の要約や翻訳、アイデア出しなど日常業務の効率化が可能になる。「&Chat」と社内データとの連携を進め、一層の業務効率化を図り、顧客の問合せ対応への活用も検討する。

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〝AIと鋏は使いよう〟だ。生成AIの活用は加速度的に進みそうだ。添付した記事を読んでいただきたい。メディアリテラシーに欠ける記者も職を失うはずだ。

Cf. 女性記者が書いた野球記事と小生の下品で拙劣な記事(2023/10/6)

 


 

 

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「グラングリーン大阪 THE NORTH RESIDENCE(ザ ノースレジデンス)」

 積水ハウスなど「グラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)」開発事業者JV9社は10月12日、北街区タワーマンションの販売概要に関する記者発表会を開催し、レジデンスサロンを報道関係者に公開した。分譲マンションの名称は「グラングリーン大阪 THE NORTH RESIDENCE(ザ ノースレジデンス)」とし、10月12日から公式HPでのエントリー受付を開始し、2024年2月に販売を開始する。発表会には37のメディアが参加した。

 「うめきた地区」は、鉄道4社7駅が乗り入れ、1日約250万人が行きかう西日本最大のターミナルエリアに位置する、約24haの旧梅田貨物駅跡地の再開発区域の総称。「うめきた1期」の先行開発「グランフロント大阪」(開発面積約7ha)は事業者12社によって2013年3月に着工、2013年にまちびらきが行われた。

 「グラングリーン大阪」は、「うめきた2期」のプロジェクト名称で、開発面積は大規模ターミナル駅直結の都市公園としては世界最大級の約45,000㎡の「うめきた公園」を含む約9.1ha。三菱地所を代表とする事業者9社によって「北街区」「南街区」全体で延床面積約54.4haの分譲マンション、賃貸住宅、オフィス、ホテル、商業施設などが整備される。「うめきた公園」は来年9月に先行まちびらきが行われる予定。全体まちびらきは2027年度の予定。(延床面積は約55.3haの「Torch Tower」や約56.5haの「神宮外苑」に匹敵)

 発表会で、「うめきた1期」の「グランフロント大阪オーナーズタワー」(525戸、2013年竣工)に続き幹事会社になった積水ハウス代表取締役社長執行役員兼CEO・仲井嘉浩氏は、物件の特徴であるロケーション、カーギャラリー、電力融通システムを紹介し、「われわれJV9社は、年代を経るごとにと味わいを増し、街の財産になることを目指す」と挨拶した。

 販売を担当する積水ハウス取締役専務執行役員・石井徹氏は「今回のプロジェクトメンバーである阪急阪神不動産さんとオリックス不動産のグループの阪神タイガースとオリックス・バッファローズが優勝した。野球と同じように、今回のマンションで関西を盛り上げていく」と、三菱地所レジデンス取締役専務執行役員・加治屋倫浩氏は、「第1期に続き今回のプロジェクトに参画できて感慨深い。グループの1社としてノウハウを結集し、積水ハウスさん、阪急阪神不動産さんと協力しなからさらに関西の活性化につなげられるよう取り組んでいく」と、阪急電鉄取締役兼阪急阪神不動産代表取締役社長・諸冨隆一氏は「阪神タイガースが18年ぶりに優勝した。同じJVのメンバーであるオリックスさんのオリックス・バファローズと日本シリーズで戦うことを楽しみにしている(決まったわけではないが、記者も9分9厘そうなると思う)今回のマンションが関西ナンバーワンマンションになることを確信している」とそれぞれ語った。

 続いて登壇した積水ハウス大阪マンション事業部長・宮田浩氏が物件の特徴について、「次代の王宮」をテーマに、迎賓思想を体現した陰翳のある外観と贅を尽くした共用部、機能・設備などを説明し、専有部では「間」と「シンメトリー」を取り込んだ住戸プランにし、最上階の住戸(305㎡)は関西圏史上最高価格の25億円にすることを明らかにした。

 物件は、JR大阪駅から徒歩7分、阪急電鉄大阪梅田駅から徒歩9分、Osaka Metro梅田駅から徒歩9分、大阪市北区大深町に位置する敷地面積約7,318㎡、46階建て延べ面積約72,291㎡、46階建て全484戸(募集対象外住戸248戸を含む)。専有面積は45.61~305.46㎡、価格は未定。完成予定は2025年12月下旬。売主は積水ハウス、大阪ガス都市開発、オリックス不動産、関電不動産開発、竹中工務店、阪急電鉄、三菱地所レジデンス、うめきた開発特定目的会社。販売代理は積水ハウス、三菱地所レジデンス、阪急阪神不動産。設計は竹中工務店・日建ハウジングシステム。監理は日建ハウジングシステム。施工はうめきた2 期共同企業体(竹中工務店・大林組)。販売予定は2024年2月上旬。

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仲井氏(梅田スカイビル36階スカイルーム1で)

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左から石井氏、加治屋氏、諸冨氏、宮田氏

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フォトセッション

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「うめきた公園」(手前が大阪駅)

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レジデンスサロンに再現したコリドール

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 先週の同じ木曜日、三菱地所レジデンスの「三菱地所レジデンス 大阪ギャラリー」と「ザ・パークハウス 大阪梅田タワー」の取材に行ったばかりなのに、2週続けて大阪の取材入るとは…しかし、「グラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)」を見逃したら一生悔いが残ると出かけた。前段でも書いたが、延べ床面積は「Torch Tower」と「神宮外苑」に劣らないビッグプロジェクトだ。これを見ずして街づくり、再開発、億ションを語れない。

 取材する決断を自ら下したのにはもう一つの理由がある。関西人の気質を見事に表現している天童よしみさんの〝負けたらあかん東京に〟がプロジェクトに反映されているのではないかという期待があったからだ。

 結果はその通りとなった。意想外の収穫があった。一瀉千里とはいかないが、思いつくままに気がついたことから紹介する。

 まず、「大規模ターミナル駅直結の都市公園としては世界最大級の約45,000㎡の『うめきた公園』」から。このような都市公園はわが国にあるか。東京の「上野恩賜公園」がすぐに思いついたが、「恩賜公園」と名付けられているように歴史も成り立ちも全く異なる。主催者に外国の例はどうかと聞いたが、明確な答えは得られなかった。仲井社長が語ったように「世界的にもまれ」と言うことなのだろう。

 都市公園は大阪府と大阪市が折半で事業費(用地取得費及び整備費)を賄うことになっているので、その「価格はなんぼやねん」と聞いたが、事業者は明らかにせず、同様の質問を大阪府にもしたが「現段階で明らかにできない」と言うことだった。

 断られると探りたくなるのが記者の習い性だ。今年のうめきたエリアの地価公示は坪4,620万円だ。これは容積率が700~1000%のエリアであるはずなので、容積率100%(1種当たり)坪単価は462~231万円だ。

 ただ、都市公園は建築規制が強く、容積率は最大でも200%だ。これを勘案して土地所有者の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)から府と市が用地を取得する費用は600~700億円とはじいた。これに公園整備費が加わるので事業費は1,000億円くらいになるのではないか。それぞれ負担額は500億円だ。高いか安いかはともかく、元橋下市長が話した「ぶっ飛んだみどり」が実現するのだろう。事業者もそれを享受できるということだ。

 次に〝ぶっ飛んだマンション〟について。最高価格が25億円(305㎡、坪単価2,687万円)と聞いても、これは全然驚かなかった。記者はバブル期に坪2,000万円、3,000万円の物件を結構取材している。1戸の最高価格はドムス「元麻布」の44億円だった。バブル崩壊後の1戸の最高価格は三井不動産レジデンシャルの「六本木」55億円だ(これより高い物件もあると聞いているが記者は知らない)。何かにつけ、大阪は東京の半分だから今回の25億円というのは妥当な値段だ。

 驚いたのはそんなことではない。驚嘆したのは基本性能・共用施設・設備仕様レベルの高さだ。免震タワー、日本初の72時間稼働可能な自立型エネルギーシステム、ZEH oriented、CASBEEのSランク、低炭素建築物認定もなることながら、記者が絶句し、息をのんだのはシアターに映し出された「カーギャラリー」「次代の王宮」の象徴であるコリドール、景石と桜のゲート、水景、庭園、屋上庭園などの共用施設、オートスライドドア、全戸独立キッチン・ダイニング・リビングの商品企画だった。シアター(製作したのは電通か)には、字幕に「言葉はいらない」が出たのみで、ナレーションは一切なし。(手あかにまみれたフレーズではあるが、感動のあまり声をなくすのはよく分かる。記者が最高のシアターだと思っているのは、第九の第4楽章がBGMとして流された野村不動産他「Tomihisa Cross」だが、今回はそれに匹敵するか)

 記者と一緒にシアターを見ていた記者の方(記者よりずいぶん年下だが、トップクラスの記者だと思う)が感極まったのか「今まで見たマンションでこれが最高」と声をあげた。40年以上にわたって数えきれない億ションを見学・取材してきた記者も、これほど豪華なマンションは初めてだった。「カーギャラリー」はシンガポールなどの海外ではまれにあるそうだが、全然知らなかった。記者は車のことは知らないが、個別に駐車するスペースは4畳大必要なことをネットで調べた。専用のエレベータや動線も確保しないといけないだろうから、とてつもないコストをかけているのだろう。28戸が対象という。

 モデルルームは2戸。111㎡は白が基調のデザイン。額縁付きの重厚なドアがとくに目を引いた。キッチン・ダイニング・リビングをそれぞれ独立させているのも特徴だ。リビング天井高は2700ミリ。

 305㎡のタイプは、これまで見たこともないものであ然とするほかなかった。目がくらみ、足がすくんだ。(王室などは小説かテレビドラマ、映画でしか見たことがない)。両開きのオートスライドドア幅は1.5mくらいか。かつて同じようなのを見ているので驚かなかったが、これまた凄い。玄関・ホールは10畳大はある。シャワールーム付きの浴室も10畳くらいか。リビングは32.7畳大で、高さは5m。ダイニングは21.7畳大で、高級レストランかラグジュアリーホテルの個室そのもの。主寝室は15.3畳大。玄関は2か所。

 レジデンスサロンに再現したコリドールは高さ6メートル。列柱はせっこうと石造り、床も石。ガラスの外には水景。家具・調度品は海外の特注品。ベルベッドのカーテン布はえも言われぬ手触り感がし、タッセルは豪華な刺繍つき。椅子は1脚150万円はしそうなものだった。

 最後に坪単価予想。記者はこの「うめきた2期」のプロジェクトが発表されたときから、マンションの坪単価は1,000万円と予想していた。梅田駅前のマンションが坪400万円もしなかったころだ。今回、モデルルームを見学して、予想は間違いでなかったことを確信した。坪650万円の東建「堂島」も素晴らしいが、その倍と聞いても驚かない。上方修正して坪1,200万円もあるかと思うが、〝商いは牛の涎から〟。大阪商人の後継である積水ハウスなどが一獲千金の一網打尽の利益を追求するはずがない。腹八分目、ここは1,000万円か、高くとも1,100万円に抑えると読んだ。

 「三田ガーデンハウス」のように的中するかどうかだが、記者は坪1,000万円以下だったら、JV9社の鼎の軽重を問う。これで坪1,000万円を超えられなければ、いつまで経っても東京を超えられない。後塵を拝すことになる。もう一度言う。〝負けたらあかん東京に〟-それが表現されているマンションだ。

 もう一つ、今回の取材で注目すべきなのはその売れ行き・注目度だ。総戸数484戸のうち販売対象は236戸で、残りの248戸は「募集対象外住戸」と記載している。他の記者の皆さんはどう考えているか知らないが、一般分譲する前から半分以上が〝縁故販売〟(クローズド)で確定しているということだ。これまた凄いが、当然のような気がする。

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コリドール

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ガーデンラウンジ

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屋上庭園

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カーギャラリー

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最上階305㎡モデルルーム

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最上階305㎡モデルルーム

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最上階305㎡モデルルーム

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最上階305㎡モデルルーム

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最上階305㎡モデルルーム

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最上階305㎡モデルルーム

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塗装・額縁仕上げのドア

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1脚150万円はしそうなイタリア製チェア 

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タッセル

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