RBA OFFICIAL
 

Screenshot 2023-09-17 at 09-46-57 n2023091501334.pdf.png
「プラウドタワー相模大野クロス」

 野村不動産は9月16日、伊勢丹相模原店跡地の小田急線沿線最高峰マンション41階建て「プラウドタワー相模大野クロス」687戸のモデルルームをオーブン、秋以降に販売する。

 敷地内に公共広場と24時間開放の公共歩廊を約3,600㎡規模で新設するなど、駅前から公園への新たな賑わいの都市軸を形成する。

 マンションは、ZEH-M Oriented&低炭素建築物認定を取得。また国内初の東京ガスの提供するEV充電サービス「EVrest」を屋内平置き駐車場全207区画に設置し、実質再生可能エネルギー100%の電気やカーボンニュートラル都市ガスの導入による実質CO2排出量実質ゼロを実現する。

 災害レジリエンス対策として、中圧ガス導管とマンション専用ガスガバナを設置。共用部の一部施設は災害時72時間稼働、エネファームの自家発電により専有部は最大26日間の電力を確保。また、プラウドシリーズ初のエレベーターと連携した上下階移動可能な掃除ロボットを導入する予定。

 物件は、小田急線相模大野駅から徒歩4分、相模原市南区相模大野四丁目に位置する敷地面積約10,186㎡、41階建て687戸。専有面積は32.66~125.48㎡。竣工予定は2025年11月上旬。施工は三井住友建設。

 

oshikatsu_nihonnokansei_010.jpg
「パレ・ドール六義園北」土間・ギャラリー(左)と茶室

 コスモスイニシアが分譲を開始したリノベーションマンション「パレ・ドール六義園北」を見学した。床・建具・家具などに本物の木を使用したデザインが秀逸だ。

 同社と東京都立大学システムデザイン学部インダストリアルアート学科インテリアデザインスタジオが2021年11月から共同して取り組んでいるプロジェクトの一つで、同社の2千戸超のリノベーションマンションの供給実績・ノウハウと、学生の自由な発想や大学での研究で得られた成果を融合させ、「多様性・変化する暮らしかた」を具現化し、提案するのが狙い。

 今回の物件のテーマは「日本の感性」で、京町家などに見られるわが国の伝統的な住宅や古民家の調査研究を通して、「ハレとケ」を現代の住まい方へ再構築しているのが特徴で、障子や襖などの「可動建具」は、空気を通す布張りや板張りなどで仕上げ、春夏秋冬に応じて変化させることができるようにしている。

 同大学のインダストリアルアート学科・学域は、「『デザイン』という専門分野だけにとどまらず、理工系から人文・社会系まで、プロダクト系からメディア系まで、幅広い領域に対する興味と知見を有し、それらを総動員して新しいタイプのデザインを創生する人材を育成している」「世界的にも非常にユニークな存在」(同大学ホームページ)で、同学部・学科教授の藤原敬介氏はISSEY MIYAKEの店舗デザインなども手掛ける著名な方のようだ。

 物件は、JR山手線駒込駅から徒歩3分、北区中里1丁目の商業地域に位置する9階建て「パレ・ドール六義園北」の3階住戸で、専有面積は112.87㎡、価格は12,480万円(坪365万円)。建物は築34年。

oshikatsu_nihonnokansei_011.jpg
リビング(正面奥は収納襖)

IMG_0209.jpg
収納襖の布張り部分

oshikatsu_nihonnokansei_012.jpg
ダイニングキッチン

oshikatsu_nihonnokansei_013.jpg
土間・ギャラリーからの内観

MCY003683_m.jpg
プラン

◇        ◆     ◇

 8月に見学取材した「代田橋」と同様、物件案内は同社流通事業部商品企画部建築一課課長・高橋晴彦氏にしていただいたのだが、住戸に入って絶句した。

 「代田橋」より面積は3倍近く広いこともあるのだが、床・建具・家具などに本物のヒノキ材などを採用した、間口十数メートルもありそうな端正な佇まいに目を奪われたからだ。

 障子や襖などの「可動建具」は寸法が同じなので、気分によって、四季によって自由に入れ替えたり取り払ったりすることができる。京町家などで日常的に行われていたことだ。布張りの布は市販されているものを使用しているとのことで、高価な素材でなくても工夫次第で美しく見せることができることを示している。

 「パレ・ドール六義園北」について。立地、竣工時期、商品企画などからして、記者が分譲時に取材した物件であるのはほぼ間違いない。2戸1エレベーターの億ションだった。当時の坪単価は800万円くらいではなかったか。ある著名なプロ野球選手が購入したのをご本人に確認もしている。

IMG_0213.jpg
「パレ・ドール六義園北」

テーマは昭和レトロ 簀戸、サイザル麻、組子…コスモスイニシアのリノベ「代田橋」(2023/8/2)

  914日に行われたマンション管理業協会の記者懇談会で「カスタマーハラスメント(カスハラ)」に関する質問があった。記者はどのようなやり取りが行われたのか聞き取れなかったのだが、教育・保育現場などを中心にコロナ禍でカスハラが増加傾向にあると聞いているのでハットさせられた。と同時に、同協会が平成25年に発刊した「マンション管理業の失態調査報告書」(代表研究者:大橋弘氏)にマンションフロント業務担当者への過剰要求が取り上げられていたことを思い出した。

同協会から報告書の一部をメールで送っていただいたので紹介する。フロント業務担当者の「やりがい」と「過剰要求」を箇条書きにしたものだ。

                   ◆     ◇

フロント業務担当者としてのやりがい(集計:2,500人)

・理事会役員に信頼されていると感じる時 87.8

・上司や同僚にフロントとしての実力を認められた時 55.7

・理事会役員や居住者等からほめられた時 72.5

・新たなサービスや建物、設備の改修工事等を提案して受注できた時 48.8

・理事会と協力して管理上の課題に取り組み円滑に解決した時 65.6

・理事会で自ら企画立案したことや提案したことが採用された時 49.0

・理事会役員や自治会役員と企画したイベントが成功した時 29.7

・アンケートのコメント等で間接的に居住者から褒められた時 45.0

・理事会役員や居住者から信頼を回復できた時 52.2

・理事会で適切なアドバイスができた時 56.4

・管理員等の現場の職員から頼りにされたり褒められたりした時 42.6

・理事会役員や居住者等との交流を楽しめた時 35.0

・理事会役員や自治会主催の懇親会等にゲストとして呼ばれた時 21.7

・管理組合から感謝状等の形で実績を認められた時 21.0

これまで受けた過剰要求(集計:2,295人)

・長時間(4時間以上)にわたる理事会などへの出席 60.9

・深夜(夜10時以降)に及ぶ理事会等への出席 55.7

・頻繁(月2日以上)に開催される理事会などへの出席 47.3

・深夜・休日に及ぶ理事会役員や居住者等からの頻繁な電話対応 60.1

・理事会役員から届く頻繁・大量のメールへの対応 47.8

・理事会役員からの休日や業務時間外の突然の呼び出し 45.1

・膨大な資料を短時間で作成するような不当な要求 39.4

・出席する必要のない会合への出席の強要  33.0

・総会・理事会等における罵声、怒声による威圧 57.4

・理事会役員や居住者等からのセクハラ 2.2

・理事会役員や居住者等からの暴力 4.0

・理事会役員や居住者等からのいやがらせ 16.7

・業務時間外における共用部分の汚物処理などの清掃作業の要求 29.7

・騒音問題における音の確認等、契約業務に含まれない立ち合い要求 70.0

        ◆     ◇

 フロント業務担当者は多くのことに「やりがい」を感じると同時に、理事会役員や居住者などからたくさん「過剰要求」を受けていることが分かる。同報告書のまとめでは、モチベーションの高いフロントほど将来もフロントとして働きたいと考える傾向にあるとし、教育訓練を受けたフロントはモチベーションが高く、全体的に業務範囲が狭いほどモチベーションは高い傾向にあるとし、不当要求を受けたフロントほど、モチベーションが低下する傾向にあると締めくくっている。

 どうすれば不当要求は解消されるか。報告書が指摘する教育訓練も必要だろうが、記者は一番必要なのは「マンション標準管理委託契約書」を周知徹底させることだと思う。理事会への出席など契約業務以外の事項を管理組合は管理会社に求めず、管理会社は過剰な、サービス労働に繋がる要求を受けないことだ。

 もう一つは、良好なコミュニティを形成するための管理組合の取り組みが不可欠だと思う。風通しをよくすれば、居住者間のトラブルは激減するはずだ。

 その意味で、2016年に国土交通省が標準管理規約を改め、コミュニティ条項を削除したのは居住者同士を見えなくし、分断するもので、誤りだったと今でも考えている。どのようなマンションの管理を行うかは、居住者が決めることだ。国が決めることではない。(記事参照)カスハラが増えているとすれば、このコミュニティ条項の削除もその要因の一つではないか。

 さらに言えば、管理会社もまたフロント業務担当者が日々行っている仕事がどのようなものかを居住者に伝え、アンタッチャブルとされてきた専有部へのサービスを強化すべきだと思う。記者は5年前、公共職業安定所(ハローワーク)の就職フォローアップ事業の一つ「マンション管理員業務講習会」を取材し、「掃除は科(化)学」「床は朝日新聞、窓ガラスは読売新聞」「ホコリは取るもの、誇りは持つもの」などという講師の話と手際よいスゴ技に目からうろこが落ちたのを鮮明に覚えている。フロント業務担当者はみんなリスペクトすべきプロだ。

 最近、第三者管理方式を採用するマンションが増えているが、この方式が居住者間のトラブル防止に役立っているか、カスハラの解消につながっているか、とても興味がある。

大山鳴動…コミュニティ条項は玉虫色決着 国交省が大岡裁き(2016/3/15

マンション「コミュニティ条項」削除に反対 首都圏など13の管理組合が意見書(2015/6/3

標準規約からマンションコミュニティ条項が消える? 第10回「管理ルール検討会」(2015/2/27

迷走する「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」(2012/8/30

「機能不全マンション」に第三者管理方式の導入は適当か(2012/8/3

〝掃除は科学 床は朝日、窓は読売〟 マンション管理員のスゴ技を1日体験(2017/2/25

 

 

 

 良好な管理が市場で適正に評価される仕組み「マンション管理適正評価制度」の〝見える化〟が実現しそうだ。9月14日行われたマンション管理業協会(理事長:高松茂・三井不動産レジデンシャルサービス会長)の記者懇談会で明らかになった。

 同制度は、マンションの管理状況や管理組合の運営状態を6段階で評価し、インターネットを通じて情報を公開する仕組みで、2022年4月にスタート。2023年8月末で登録件数は1,503件となっている。同協会は2024年度末までに1万件の登録を目標に掲げている。

 〝見える化〟は、同協会が委託したシンクタンクと学識経験者で検討されているもので、★の数によって仲介段階の査定価格はどうなるのか、売り出しから成約までの期間に影響はあるのかないのか、成約価格は近傍同種の物件と比較してどうなるかなどを定量的に分かるようにする。

 同協会は「現段階ではデータ量が少なく、公開する段階ではないが、〝見える化〟を行う」としている。

 記者は、管理会社別に登録件数や管理件数に占める登録件数比率を公表すべきではないかと質問したが、高松理事長は「内部データとしては収集しているが、公表する予定はない」と語った。

 これは、同協会としては公表しないということだが、個社が公表することを縛るものではないと解釈できる。理事長会社として三井不動産レジデンシャルサービス(三井不動産レジデンシャル)は公表すべきだと思う。同社が公表したら、野村不動産パートナーズ(野村不動産)だって、伊藤忠アーバンコミュニティ(伊藤忠都市開発)だって負けていないはずで、各社が競いあえば、制度の普及スピードは加速する。消費者への認知度も飛躍的に高まる。

★5つは21% 会員間の競争を促すべき マンション管理協 マンション適正評価制度(2023/8/21)

星の数より件数2年後の適正管理評価1万件目指す マンション管理協 総会・懇親会(2023/6/14)

登録件数1000件突破 ★5つ最多は伊藤忠アーバン マンション管理適正評価(2023/4/2)

 

 大和ハウス工業は914日、2023年基準地価の取材に資する記者レクチャー会をリアル・オンライン形式で開催し、同社マンション事業本部事業統括部部長・角田卓也氏が分譲マンションについて、同社住宅事業本部事業統括部分譲住宅グループ次長・中岡敬典氏が分譲戸建てについて、同社流通店舗事業本部事業統括部開発事業部事業部長・岡林弘治氏がホテル・オフィスについて、同社建築事業本部営業統括部・Dプロジェクト推進室 担当次長・廣渡政和氏が物流事業についてそれぞれ説明した。

 角田氏は、首都圏マンションは都心部では富裕層やパワーカップルなどの需要が旺盛で、インバウンド需要がみられるとし、郊外部は実需層の安定した購入動向が見受けられ、販売価格も高水準が続いているが、需給バランスが均衡しているため下落傾向にはないと語った。

近畿圏は、首都圏と同様に都心部における販売進捗は比較的安定しており、供給が増加している京都府の郊外物件では首都圏のような需要は生まれていないと説明。地方圏では、「コンパクトシティ」への関心が高く、販売も安定的に進捗していると語った。

用地の仕入れについては、首都圏は前回の地価レクチャー会(2023年3月)から更に用地価格は上昇し、近畿圏では施工を自社で行う企業が入札案件では優位にあり、地方圏では計画通りに用地取得ができていないデベロッパーの進出が目立ち、用地の高騰が続いていると語った。投資需要、インバウンド需要も継続していると話した。

角田氏が売れ行き好調と紹介した物件の坪単価は、東京都昭島市の「プレミスト昭島モリパークレジデンス」(481戸)は250万円、北海道札幌市の「モンドミオ札幌 南三条通」(38戸)は310万円、秋田県秋田市の「プレミスト秋田中通ザ・レジデンス」(147戸)は170万円、京都府京都市の「プレミスト京都 四条堀川」(54戸)は370万円、愛媛県松山市の「プレミスト松山二番町」(93戸)は200万円、沖縄県浦添市の「プレミスト浦添港川」(168戸)は230万円。「昭島」の第1期は7月の段階では200戸の予定と話したが、反響が多いことからか262戸に積み増しすることを明らかにした。

 戸建分譲住宅について中岡氏は、対前年同期比の契約は土地が24%、分譲住宅が14%それぞれ増加、用地企画マネージャーによる用地確保も進んでいると語った。地価は首都圏・大都市圏は上昇基調にあり、資材全般・住宅設備機器も仕入れ価格は高度糊していると説明した。

分譲住宅の20234月~7月のZEH率は99%で、内訳は「ZEH」が19%、「NearlyZEH」が77%、「ZEH Oriented」が3%。202210月~20231月の95%を上回ったと話した。

木造分譲住宅の拡大に向けた取り組みとして、鉄骨系と同じ910モジュールを採用し、施工を効率化することでコストを抑制すると語った。今年度の着工計画は約150棟。

岡林氏は今後のホテル開発について、建築コストの上昇は客室単価の引き上げだけではカバーしきれず、人材不足もあり、以前より慎重な判断と開発段階でのコストコントロールが必要となってきたと語った。

オフィス開発については、潜在的ニーズがある地方での開発に引き続き力を入れていくとした。

廣渡氏は、首都圏の物流施設供給量は直近3年間で過去最大の供給が発生し、調整局面に入ったと説明。主な新規開発案件では東京23区で約14.8ha、千葉県で約30.6ha、群馬県で約2.4haのプロジェクトが進行中と話した。

        ◆     ◇

記者にとって最大の収穫は、建設業の2024年問題も絡んだ建築コストの上昇が深刻化しそうな状況にあることを確認できたことだ。廣渡氏は「これから発注する㎡当たりの建築原価は、これまでの40万円から60万円になることを覚悟しないといけないと社内では話し合っている」旨の発言を行った。坪単価に換算すると132万円から198万円へと、実に5割のアップだ。これには驚いた。

建築原価の上昇は、日本建設業連合会(日建連)の「建設資材高騰・労務費の上昇等の現状」パンフレット(20237月版)でも確認しているが、パンフレットでは「この29か月間で全建設コストは1618%上昇している」とある。廣渡氏はこれから更に50%上昇する可能性があると語ったのだ。

S造の物流施設とRC造のマンションと単純比較はできないにしろ、建築原価がこの先5割もアップしたら、首都圏では坪200万円以下のマンションは姿を消すことになる。記者は一次取得層が無理なく取得できる限界は坪250万円だと見ているが、郊外部でも限りなく取得限界に近づくということか。

「昭島」第1期は200戸、坪250万円 「徳山」が完売 大和ハウス マンション説明会(2023/7/31

マンションは1,000戸「昭島」 戸建ては〝3点セット〟注目 大和ハウス レクチャー会(2023/3/17

長谷工総研「CRI2023年下期のマンション市場見通し/カバー率、工期を考える(2023/8/15

Screenshot 2023-09-14 at 07-51-21 メール - 第三企画㈱ 牧田司 - Outlook.png
「コートヤード・バイ・マリオット札幌」

積水ハウスとマリオット・インターナショナルは913日、「コートヤード・バイ・マリオット札幌」(321室)を2024年夏に開業すると発表した。

「コートヤード・バイ・マリオット」ホテルは、世界60以上の国と地域に1,265軒以上を展開。わが国では「東京ステーション」「新大阪ステーション」「大阪本町」「銀座東武ホテル」「白馬」「名古屋」に次いで7施設目。

積水ハウスとマリオット・インターナショナルは、「セントレジス大阪」「ザ・リッツ・カールトン京都」「W大阪」「ウェスティンホテル横浜」「モクシー大阪新梅田」や「Trip Base 道の駅プロジェクト」などでコラボレーションを推進している。

施設は、札幌市中央区南10条西1丁目に位置する敷地面積約3,380㎡、13階建て延床面積約14,971㎡の全321室。レストラン、ロビーバー、フィットネス、大浴場を備える。

 

 

 野村不動産と長谷工コーポレーションは9月11日、松戸市の「北小金駅南口東地区第一種市街地再開発事業」に参加組合員として事業に参画すると発表した。事業は2022年9月に都市計画決定されており、組合は2023年8月18日に設立が認可されていた。

 同事業の施行面積は約0.9haで、延べ面積は1街区が約22,150㎡、2街区が約9,400 ㎡。主要用途は住宅・商業・駐車場等。住宅は約370戸の予定。事業コンサルはURリンケージ。2025年度に着工し、竣工は2027年度の予定。狭隘道路、老朽化した建物、駐車場等の低未利用地の課題を解消し、防災性の向上、オープンスペースの創出、住環境の整備などの基盤整備を行う。

 

1_WETS HILL棟 完成予想イメージ.jpg
WEST HILL棟」完成予想図

三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスは912日、旧逓信省簡易保険局庁舎跡地で開発を進めている「三田ガーデンヒルズ」の第二期事前案内会(完全予約制)を915日から開始すると発表した。

同物件は、持続可能な社会の実現に向けて既存建物と既存樹木の一部保存・再生、価値ある緑豊かな環境を維持するため約7,700㎡のランドスケープデザイン、太陽光発電設備や燃料電池の実装、全戸ZEH-Orientedの取得など、様々な環境配慮施策を実施しているが、第二期で販売予定の「WEST HILL棟」(8階建て)では、更なる環境配慮への工夫を取り入れたウェルビーイングの向上を目指した企画となっている。

特徴は、①より身近にを享受することが可能な本物件唯一の8階建てウェルビーイングの向上を目指した2つの「自然調和型プラン」より快適なくらしを実現する「ライフスタイルサポート企画」の3つ。

①では、中庭のみならず、建物の西側にも豊富な植栽帯をレイアウトし、住戸面積約56㎡~約182㎡まで豊富なプランバリエーションを用意し、「大型テラス(平均面積約49㎡)」と「大型ルーフバルコニー(平均面積約44㎡)」を提案する。

②では、「カーボンニュートラルデザインプラン」と「バイオフィリックデザインプラン」の2つを用意。「カーボンニュートラルデザインプラン」では、一次エネルギー消費量削減率約53%を実現。日本家屋に見られるパッシブデザインの考え方を取り込んでいる。また、建築的なプランニングの工夫による省エネへの取り組みとして通風改善(スライドドア)、日射遮蔽(オーニング、ブラインド)、外気温中和(サーマルコンフォートスペース)、断熱強化(高断熱サッシ)、排熱利用(エネファーム)などを採用する。

「バイオフィリックデザインプラン」では、 三井不動産レジのブランドコンセプト「Life-styling × 経年優化」と三菱地所レジのブランドコンセプト「一生ものに、住む。」を元に、室内における植栽育成・配置の工夫、室内におけるインドアグリーンの視認性を高める工夫を行い、五感で自然を体感できる映像・環境音、照明、匂い・質感・味覚などの仕掛けを提案している。

③では、家事負荷軽減をサポートするハウスキーパー対応プラン、住戸内の簡易清掃・料理代行・食材買い物代行・洗濯、衣類整理・ネットオークションへの出品代行・コミュニケーションケアサポートなどを行う。

また、三井不動産グループの三井デザインテックと協働し、環境に配慮した建材・家具・小物などを提案する。

物件は、東京メトロ南北線・都営地下鉄大江戸線麻布十番駅から徒歩5分~7分、港区三田一丁目の第二種住居地域・第一種文教地区で建設中の敷地面積約25,246㎡、地下2階地上14階建て全1,002戸。専有面積は29.34376.50㎡。第二期販売開始は202311月。竣工予定は20253月。設計・施工は大成建設。

4_カーボンニュートラルデザインプラン 完成予想イメージ(1).jpg
「カーボンニュートラルデザインプラン」

10_バイオフィリックデザインプラン 完成予想イメージ.jpg
「バイオフィリックデザインプラン」

11_グリーンポケット・ハンギングプランター 完成予想イメージ.jpg
「グリーンポケット・ハンギングプランター」

        ◆     ◇

 上段は、プレス・リリースを引き写したもので、隔靴掻痒、もどかしさを覚えるが、リリースを読んだ限りでは現時点で基本性能・設備仕様レベルは最高峰だと思う(もう一つの物件もそうではないかとみているが取材は不可)。

920日にはプレス向けモデルルーム見学会が開催されるので、しっかり見学してレポートしたい。とくにインドアグリーン、五感で自然を感じる工夫をチェックしたい。これらは個々の物件や一つ二つくらい盛り込まれているものがあるが、全て採用されているものは過去にないはずだ。

 単価について。昨年4月にプロジェクトの概要発表のリリースに対して、記者は無謀にも「坪単価は1,300万円でどうか」と書いた。アクセスが殺到し、瞬く間に1万件を突破した。いまのところどこからも苦情は届いていない。当たっているのか外れているのかも確認したい。

14_LDK~コミュニケーションラウンジ 完成予想イメージ.jpg
LDK~コミュニケーションラウンジ」

8_サーマルコンフォートスペース 完成予想イメージ(1).jpg
「サーマルコンフォートスペース」

16_窓型スマートディスプレイ 完成予想イメージ.jpg
「窓型スマートディスプレイ」

1300万円でどうか 旧逓信省庁舎跡地の三井&三菱「三田ガーデンヒルズ」(2022/4/30

「麻布霞町」を超えるか 三井不レジ「パークマンション三田綱町ザ フォレスト」(2014/7/4)

 

 

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は9月11日、首都圏の2023年8月度の不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は2,367件(前年同月比0.9%増)、坪単価は244.5万円(同10.1%上昇)、成約価格は4,704万円(同9.9%上昇)、専有面積は63.50㎡(同0.2%減)、築後年数は24.19年(前年同月は23.87年)となり、成約件数は3か月連続で前年同月を上回り、坪単価は20年5月から40か月連続の上昇、成約価格は20年6月から39か月連続で前年同月を上回った。

 中古戸建住宅の成約件数は873件(同4.6%減)、成約価格は3,725万円(同1.4%減)、土地面積は138.36㎡(同9.1%減)、建物面積は102.68㎡(同2.4%減)、築後年数は22.62年(前年同月は22.62年)。成約件数は22年1月から20か月連続で前年同月を下回った。

◇        ◆     ◇

 新築マンションと連動しているからだろう、中古マンションの価格(単価)上昇が続いている。成約価格は過去10年間で約85%上昇し、成約件数もほぼ毎月2,500件以上となっている。一方で、中古戸建住宅は、この10年間で約23%しか上昇しておらず、成約件数もマンションの半数以下だ。

 いったいこの差は何か。マンションは、戸建てと比べ相対的に耐用年数が長く、交通便など利便性が高く、投資的価値も高いからだろうが、これほど大きな差が開くと、もっと中古戸建て市場が盛り上がっていいような気がするがどうだろう。

積水ハウスグラフ.png

積水ハウス表.png

積水ハウスは98日、2023年度2Q経営計画説明会を開催。同社代表取締役社長執行役員兼CEO・仲井嘉浩氏は「2Qの営業利益1,249億円は、突出して高かった前期(1,464億円)に次ぐ過去2番目。下期は利益率の高い3rdレンジの戸建住宅の受注残も潤沢で、他のセグメントもすべてオンラインで推移しており、通期目標を達成できると考えている」と説明した。また、2026年度以降の第7次中期計画の布石としてスタートさせた「life knit design」や「SI事業」に注力していくと話した。

20241月期第2四半期決算は、売上高14,624億円(前年同期比2.7%増)、営業利益1,249億円(同14.75減)、経常利益1,252億円(同15.2%減)、当期利益924億円(同11.15減)となった。2024年1月期の業績予想の変更はない。

IMG_0192 (2).jpg
仲井氏

        ◆     ◇

 別表・グラフは、同社の戸建住宅の売上高、売上棟数、1棟単価、坪単価の推移を見たものだ。売上高は、このところの厳しい市況を反映してほぼ横ばいで推移している。売上棟数も同様に、2020年以降は1万戸を割り込んでいる。それでも持家の着工戸数が今年7月まで20か月連続して減少し、減少幅も令和4年度は前年度比11.8%減と2ケタ減となっていることを考えると大健闘といえる。

 営業利益率は資材価格の高騰などから2022年2Qの9.5%から2023年1Qは5.9%へ3.6ポイント落ち込んだが、その後は工場出荷の平準化・価格転嫁が進み、2023年度通期では前年比0.4ポイント増の9.1%を見込んでいる。

 注目すべきは1棟単価だ。2023年度2Q4,885万円となっており、2018年度の3,875万円から約1,000万円、26.1%上昇している。同社は販売価格別で3,000万円未満を1stレンジ、3,000万円から5,000万円未満を2ndレンジ、5,000万円以上を3rdレンジに分けているが、受注棟数比率では2021年度の1stレンジが9%、3rdレンジが22%であったのに対し、20232Q時点では1stレンジは3%、3rdレンジは30%となっているように、ZEHの推進(2022年度のZEH比率は過去最高の93%)、スマートホームサービスなどバード・ソフト・サービスの融合が奏功している結果だ。

もう一つ、土地なしの2ndレンジ、3rdレンジの顧客向けの土地分譲事業の伸びにも注目したい。積水ハウス単独の土地分譲事業は2020年度の売上高は429億円だったのが2022年度は575億円と伸び、2023年度2Q2022年度比59%にのぼり、積水ハウス不動産グループの仲介・不動産事業も2020年度の784億円から2022年度は1,634億円に増加している。1stレンジ顧客向けについて仲井社長は、「政府が求めている断熱性や耐震性の高い住宅を1,000万円台で作るのは難しい」と語った。価格ありきの建売住宅市場には参入しないことを改めて表明し、「SI事業」や「ノイエ」を強化するということだろうと受け止めた。

残念だったのは、記者の取材守備範囲である分譲マンションについて、歴代の社長もそうだったように、仲井社長は一言も言及しなかったことだ。記者団から質問する人もいなかった。

2023年度の売上高予想30,800億円のうち約3.6%、1,100億円でしかないマンション事業について触れないのは当然だし、メディアの方々も関心がないのかもしれないが、記者が先日見学した3階建て全674戸の「The山手プロジェクト」には触れてほしかった。マンションデベロッパーのそれとはまったく異なる商品企画が見事だった。

建ぺい率40%、容積率80%の1低層に全6棟 積水ハウス「The 山手プロジェクト」(2023/9/5

〝生活を紡ぐ(life knit)〟積水ハウスの新提案モデルハウス「HUE(ヒュー)」(2023/7/27

 

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン