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「さとづくり48」プロジェクト

 みなさん、冒頭の写真を見ていただきたい。今年度から創設された、都市の種々な課題解決や良好な環境の創造、地域の価値向上を図る先導的な取り組みなどを表彰する国土交通省「まちづくりアワード」の特別賞を受賞した、福岡県宗像市の「さとづくり48(フォーティーエイト)~宗像市日の里団地における団地再生プロジェクト~」(西部ガス・東邦レオ)の外観写真だ。

 築50年以上のUR都市機構(当時は日本住宅公団)日の里団地48号棟からネーミングされた複合生活利便施設なので、マンションではないかもしれないが、居住者と利用者が緩やかにつながり、コミュニティを形成するという理想的な街づくりが行われていると思った。

 と同時に、時代は大きく変わったのに、経済設計の均質的な田の字型プランが幅を利かすマンション市場を考えざるを得ない。記者は3年前、「時代遅れの建基法用途規制とマンション『専ら住宅』を見直すべき」の見出しの記事を書いた。「専ら住宅」を取り外せば、「さとづくり48」プロジェクトのようなマンションが実現するのではないか。

◇                  ◆     ◇

 東京都の令和2年の国勢調査データによると、総人口は14,047,594人で、単独世帯は3,625,810世帯で、一般世帯の50.3%を占め、65歳以上の単独世帯も一般世帯の1割を超え、一般世帯の1世帯当たり人員は1.9人で、2人を下回っている。

 つまり、夫婦と子どもからなる「核家族」は崩壊したとまではいわないまでも多数派ではなくなった。家族がいない単身者にとってLDKや部屋数は意味をなさないし、日照条件もたいした問題ではないはずだ。

 だとするならば、多様なニーズを限られたスペースにどのように取り込むかが商品企画のポイントになる。キッチンやトイレ、浴室の水回りをコンパクトにまとめたり、あるいは浴室をなくしたりする試みは、そうした時代の変化に対応したプランといえる。また、コロナを経て在宅勤務、テレワークに対応するのも常識となった。共用部にリモートワーク、洗濯スペースを設置するマンションが増え、東京建物は「上野」のマンションの一部を町内会に開放し、住友不動産のように賃貸だけでなく分譲タイプにもSOHO(Small Office/Home Office)を採用するのもよく理解できる。

 時代は完全に変わった。しかし、変わらないのは国土交通省のマンション標準管理規約第12条にある「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」の「専ら住宅」規制だ。

 分譲にしろ賃貸にしろ、この「専ら住宅」の規制があるから、起業家は自宅に法人登記はできず、住宅ローン・家賃支払いとオフィス賃料支払いという二重ローン・家賃負担を強いられる。その金額は少なくないはずだ。

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 いったい「専ら住宅」の縛りがないマンションはどれくらい存在するか考えてみた。国土交通省やマンション管理センター、マンション管理業協会に聞いたが、そのような統計は取っていないということだった。

 そこで、国土交通省の平成30年度マンション総合調査結果から、「専ら住宅」の規制がなさそうなマンションの数を推計してみた。

 それによると、管理規約がある管理組合は98.3%で、1.7%は規約そのものがないと答えている。管理規約がある組合のうち標準管理規約に準拠していない管理組合は2.8%あり、不明も9.8%ある。

 住居以外の店舗や事務所などの複合用途型のマンションは21.1%となっている。また、マンション標準管理規約認知度については「知らない」が21.5%となっており、一方で「民泊」については、「民泊を全面禁止とした」が95.2%を占めている。

 これらのデータから大胆に類推すると、「専ら住宅」の規定がないマンションは少なくとも10%はあるとみた。

 「専ら住宅」を取り外せば近隣とのトラブルが増加するという声もあるが、むしろ逆だ。居住者・利用者どうしのコミュニティを密にすればするほどトラブルは減るはずだ。マンションは地域の価値向上にどうかかわるか、デベロッパーは考えるべきだ。

西部ガス・東邦レオ「さとづくり48」にほれ込んだ 国交省 「まちづくりアワード」(2022/6/22)

時代遅れの建基法用途規制とマンション「専ら住宅」を見直すべき(2019/12/19)

 

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OSI(沖縄観光産業研究会)創立20周年記念祝賀会後の記念写真(上野氏のカメラによる撮影)

 特定非営利活動法人OSI(沖縄観光産業研究会)は7月16日、定時総会を開催し、令和4年度は創立20周年を迎えることから記念祝賀会を行った。

 冒頭、同研究会・権代美重子理事長は、「今年は研究会20周年であるとともに、研究会立ち上げにご尽力された学識深く、見識高く、実績豊富な明治大学名誉教授・百瀬恵夫会長の米寿の年。先生、一言お願いいたします」と挨拶。

 これを受けて百瀬氏は「(令和3年度の研究会の会計が赤字になったことについて)赤字を解消するのは簡単。泡盛を飲むことだ。沖縄県酒造協同組合の『ジャイアンツ応援泡盛』の販売に協力したが、『ジャイアンツは嫌いだが、百瀬先生は好き』という方がたくさんいらっしゃり、お陰様で完売した。今年度は酒造協同組合などと連携を強化し、若い方に会員になってもらうような活動をしていただきたい」と語った。

 同研究会は2003年(平成15年)、百瀬氏らが中心となり設立。オニヒトデの異常発生により壊滅的な打撃を受けたサンゴの養殖・移植ツアーを実施するなど大きな成果を上げてきた。

 令和3年度は、コロナ禍での活動の停滞、会員の高齢化による収入減と、経費増により純損失を計上。今年度は、勉強会を再開するとともに、「首里城」復元状況の把握、「ビオスの丘」視察、沖縄県酒造協同組合・組合員の蔵元視察などを行い、会員増を積極化し黒字に転換する。

 法人会員には沖縄県酒蔵協同組合などのほか、第三企画も久米信廣代表が明治大学大学院政治経済学研究科博士後期課程を修了、経済学博士を取得した縁で加入している。

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左から権代氏、百瀬氏(上野氏撮影)

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前列左から権代氏、百瀬氏、加藤嘉彦氏(腕が悪いのかカメラのせいか記者撮影、加藤氏は百瀬ゼミの一期生だったか)

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ジャイアンツ応援泡盛

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 「ジャイアンツは嫌いだが、百瀬先生は好き」というのは小生もそうだ。10歳の時から西鉄(西武)ファン、アンチ巨人の小生も先生が好きだからこそ6本入りセットを購入した。

 なぜ、〝百瀬教〟にはまるか。一言でいえば、中小企業や社会的に恵まれない人に対する「愛」だ。実践に裏打ちされた理論にみんなとりこになる。小生も20年くらい前か。先生が政経学部教授を退任された際の最終講義の聴講を特別に許可して頂いたのだが、先生が「中小企業はもちろん、あらゆる企業はCAT(Compliance Accountability Traceability)を守らないと生き残れない」と熱く語られたのを忘れない。これは取材される企業も取材するメディアも同じだ。生命線だ。

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左から会員の玉川憲志氏と上野周雄氏

2022年 年頭挨拶 沖縄復帰50年OSI研究会・百瀬恵夫会長&権代美重子理事長(2022/1/5)

 


 

 

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「アクアイグニス淡路島」

 タカラレーベンとグループのタカラアセットマネジメントは7月15日、事業参画している複合型天然温泉リゾート「アクアイグニス淡路島」が7月13日にオープンしたと発表した。

 施設は国内で初めて認定された国営公園Park-PFI事業で、淡路島の北端に位置する敷地面積約8,800㎡。関西方面からのアクセスに優れていることから、通過点となっていた淡路島を目的地とし、“食と健康”をテーマに淡路島の特産品を活用したレストランやBBQ施設、屋外温泉やスパ、レンタルサイクルのサービスを提供していく。

 タカラレーベンは全国の地域活性化に貢献することを新たな目標として掲げており、アクアイグニス社が展開している三重県の「アクアイグニス」や「VISON」同様のポテンシャルを秘めていると判断し、出資を決定した。タカラアセットマネジメントが事業資金の運用管理を行っていく。

 オープンセレモニーには斎藤元彦兵庫県知事を始め多くの来賓、関係者が参加して事業の成功を祈念した。地元からは「国生みの島淡路島から地域振興のモデルとなるような事業として発展してほしい」「地方の過疎化という日本の数多くの地域での課題解決に貢献するモデルとなってほしい」などの声が寄せられた。

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オープンセレモニー

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伊弉冉(いざなみ)の湯湯

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ITALIAN ペスケリア・アンコラ

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鮨 贈(ぞう)

公園が旅の目的になる わが国初のPFI事業 三菱地所他「光と風の広場」開業(2022/3/11)

 

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高松氏

 マンション管理業協会は7月14日、コロナ禍で中止になっていた恒例の記者懇談会を3年ぶりに開催。任期満了に伴う役員人事で、前理事長・岡本潮氏(東急コミュニティー特別顧問)に代わって6月7日付で新理事長に就任した高松茂氏(三井不動産レジデンシャルサービス会長)は、「岡本前理事長体制を踏襲し、今年度が最終年度である中期事業計画で掲げたマンション管理業界の成長と発展、従事者の処遇の改善・社会的評価の確立に取り組んでいく。今年4月からスタートした『マンション管理適正評価制度』の普及促進に向け職員が一丸となって説明していく」と述べた。

 マンション管理適正評価制度は、マンションの管理体制、建築・設備、管理組合収支、耐震診断、生活関連の5つのカテゴリーから構成されており、総合点を★6つ(★5つからゼロ)の段階で評価する制度。高松氏は「国との連携も図り、国の認定基準である17項目を含め30項目にわたる客観的なデータに基づき評価制度を作成した。ワンストップで評価することができるので、区分所有者のメリットは大きい」と語った。

 同協会によると、現段階で★5つ(特に優れている)が1件、★4つ(優れている)が7件、★3つ(良好)が4件、合計12件が登録済み。向こう3年間で12,000組合の登録を目標に掲げている。

◇        ◆     ◇

 自分が購入を検討しているマンションの管理状況を★の数によって判断できるので、とても分かりやすい制度だと思う。いったい全国のマンションストックの9割以上をカバーしている同協会会員の受託マンション約627万戸・約10万組合(令和3年4月1日現在)のうちどれくらいが登録し、★6つの分布はどうなるのか。

 同協会が掲げる3年間で12,000組合が登録すると仮定すると約1割だ。三井不動産レジデンシャルサービスは全組合に説明を行っていると高松氏が話したように、登録するのは大手デベロッパー系のマンションが中心になるはずだ。★の分布は★5つや★4つが多数を占め、★3つを加えると圧倒的多数を占めると思われる。

 これらのマンションが中古マンション市場で高い評価を受けるのは間違いないが、近隣相場と比較してどれくらいの価格アップになるかはスタートしてみないと分からない。同制度と似たものではCASBEE(東京都はマンション環境評価制度)があるが、最高ランクの「S」(都は★5つ)は極めて少なく、価格にどれだけオンされているかは不明だ。(Sは相場より少なくとも1割高の価値はあると思うが)

 問題は、★2つ以下の〝劣等生〟の評価しか受けられない管理組合はどうなるかだ。常識的に考えたら、自ら劣等生であることをまず管理組合は表明しないだろうから、登録しないと予想できる。つまり、一部の〝優良〟マンション以外はグレーゾーンとして依然として管理状況を把握するのは難しいということになる。優良物件に対するインセンティブが大きくないのも普及促進の壁になる。

 記者が危惧するのは、★2以下の劣等生の烙印を押されたマンションはいつまでたっても「優」はもちろん「良」に浮上することは不可能で、管理不全マンションは根雪のように毎年積みあがっていくのではないかということだ。

 この点について、高松理事長は「管理不全マンションは一定数存在する」と話し、同協会専務理事・広畑義久氏は「協会としてはそれらの管理不全マンションには手が出せない。自治体などがどう支援していくかだ」と語った。

 識者らの推定によると、管理不全マンションは数%存在すると言われており、全国のストック約686万戸(2021年末時点)のうち35万戸以上、数千組合が該当することになる。

 これらの管理組合に自治体などがどのような支援を行うかだが、マンションは公共財の側面がないわけではないが、基本的には私的財産だ。公的機関が財政的な支援を行うのは税の公平性からいって難しい。記者はそれらのマンションを国や自治体が買い取って、セーフティネット住宅にすればいいと思うがどうだろう。

「マンション管理適正評価制度」スタート 第1号は東急リバブルのサイト(2022/7/5)

 

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東急不動産は714日、コンパクトビル「COERU(コエル)」シリーズの第一弾として、木・鉄骨のハイブリッド耐震システム「木鋼組子®(モッコウクミコ)」を国内で初めて採用したビル「COERU SHIBUYA(コエル シブヤ)」が630日に竣工したと発表した。

建物は、外部から視認性の高いファサード2面に、ラチス状(組格子)の木・鉄骨のハイブリッド耐震システム「木鋼組子®」を使用し、10階から13階の上層階の柱梁に木質ハイブリッド集成材を採用。エントランスホールにも一部天然木を使用することで、建物内外から木材のぬくもりを感じられるようにした。国土交通省「サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されており、グリーン電力の導入も決定している。

「木鋼組子®」は、前田建設工業とホルツストラが共同開発したもので、鋼板の芯材の外周を木で挟み一体化したものを、ラチス形状にユニット化したシステム。圧縮力に強いと引張力に強い鉄骨を組み合わせることで、高層鉄骨造のビルなどに適用することを可能にした。階高13階建ては、鉄骨造・木造によるハイブリッド構造のオフィスとしては国内最高階数となる。木材にはフィンランド産の欧州アカマツを使用。

木質ハイブリット集成材は、鉄骨造でありながら集成材を耐火被覆として木質感ある仕上げにするのが特徴。見た目は木造でありながら、鉄骨造と同様の構造計算が可能な木質構造部材。木は長野県産材の信州カラマツが採用されている。

物件は、渋谷駅から徒歩6分、渋谷区道玄坂一丁目に位置する敷地面積約174㎡、鉄骨造、一部木造13階建て延べ床面積約1,408㎡。用途は事務所・店舗。設計・施工は前田建設工業。竣工は2022630日。

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「木鋼組子®(モッコウクミコ)」

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木質ハイブリット集成材
 

 

 

 

 

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「レーベン東川口GRANDEST」

 タカラレーベンと共同事業者である埼玉建興は7月13日、埼玉県川口市で今年2月に販売を開始した「レーベン東川口GRANDEST」が6月30日に全戸完売したと発表した。

 物件は、JR武蔵野線東川口駅・東京メトロ南北線(埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線)東川口駅から徒歩1分、川口市戸塚二丁目の商業地域に位置する18階建て全143戸。専有面積は56.14~77.13㎡。竣工予定は2023年11月中旬。設計・監理はGA建築設計社。施工は埼玉建興。デザイン監修はウイ・アンド・エフ ヴィジョン。

. 駅前ロータリーに面した、埼玉県の分譲マンションで初となる「PPP(官民連携)事業」に認定されており、(仮称)東川口駅前行政センターや交番などの公共施設が併設される。

 2021年12月にモデルルームをオープンしてから1,190件の資料請求があり、466組の来場があった。

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 価格については触れないという約束で取材し記事にもしているので、参照していただきたい。安いといえば安いし、高いといえば高いマンションだ。

 しかし、わずか4か月で完売したのだから、地元居住者をはじめ検討者はみんな〝安い〟と判断したのだろう。

 武蔵野線沿線(南浦和以東)でこれほどの規模のマンションがこれほどの短期間で完売した事例はあるか、記憶をたどっているのだが一つ思い出した。2016年分譲の京阪電鉄不動産他「ファインシティ東松戸モール&レジデンス」だ。坪単価170万円で、圧倒的な人気を呼んだ。

威力絶大PPP×企画提案力 タカラレーベン「レーベン東川口GRANDEST」(2022/3/17)

〝三方一両損〟で3,500万円の3LDKを死守 京阪電鉄不「東松戸」が大健闘(2016/8/26)

埼玉県で2件目の免震&長期優良住宅認定 三井不レジ・大栄不「パークホームズLaLa 新三郷」(2013/6/12)

大京「グランアルト越谷レイクタウン」駅前の一等地で坪単価130万円を切る模様(2012/10/24)

 

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「イニシア横浜天王町」エントランスホール

 コスモスイニシアは3月13日、3月に入居開始となったマンション「イニシア横浜天王町」(65戸)で、空間デザインブランド「parkERs(パーカーズ)」監修による暮らしに緑や花を取り入れる「Living With Green」サービスの提供を開始したと発表した。

 「Living With Green」サービスは、①切り花一輪お届けサービス(毎月一度、エントランスに配置した生花の中から一輪を自由に持ち帰れる)②専有部内植物育成相談サービス(毎月二度、エントランスホールで専有部内の植物についての育成相談ができる)③建物共用部内の植栽メンテナンスサービス(毎月二度、エントランスホールに配置した植栽のメンテナンスを行う)などからなる。

 物件は、相鉄線天王町駅から徒歩3分、横浜市保土ケ谷区天王町2丁目の近隣商業地域に位置する7階建て65戸。現在分譲中の住戸(5戸)の価格は3,658万~6,398万円、専有面積は35.00~62.15㎡。建物は2022年2月竣工済。施工は木内建設。

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建物共用部内の植栽メンテナンスサービスイメージ

 

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 いいサービスだと思う。同業他社はこのようなサービスを行っていないのだろうか。観葉植物のレンタルサービスもありうるし、嫌われものの雑草を生かすことはできないのだろうか。

 ただ、月に一度、全65戸の家庭が持ち帰れる生花はどんな花なのか。1か月も枯れない花などあるのだろうか。

 

 野村不動産ホールディングスは7月13日、コロナ禍で中断していた恒例の「記者懇談会」を3年ぶりに開催した。会場となったYUITO日本橋室町野村ビル6階の野村コンファレンスプラザ日本橋に用意された6つの円卓に18人の同社役員が3人ずつ席に着き、10分ごとに席を移動して参加した約40名のメディアに対応した。テーブルはお茶と水のみで、お酒、料理などの提供はなかったが、希望者には同ビル内のレストランでの昼食が懇談会後に振舞われた。

 冒頭、同社代表取締役社長兼執行役員グループCEO・沓掛英二氏が今期を初年度とし、2031年3月期を最終年度とする中長期経営計画「まだ見ぬ、Life&Time Developerへ」について説明。続いて同社代表取締役副社長兼副社長執行役員グループCOO・松尾大作氏が8つの部門を担当する役員と直近のトピックスなどを紹介。大トリは同社取締役兼執行役員グループCFO・黒川洋氏で、三本締めでピシャリとお開きとした。

◇        ◆     ◇

 18人すべての役員の方と話すことはできなかったが、最大の収穫は沓掛氏から直接話を聞けたことだ。3年前とほとんど変わらず、住宅や都市開発事業だけでなく資産運用、仲介、海外事業も伸長していることから、中計目標達成に自信を見せた。

 沓掛氏は、同社執行役員海外部門長 海外事業統括・賀来高志氏と一緒に小生などの席に着くと、「賀来が旗を振る。一回だけでなく、二回、三回、フィリピンやベトナムの見学会をやりたい。フィリピンでは現地デベロッパーと1億円の合弁会社(同社持ち分34%)を設立した。中長期にわたって7,700億円規模の事業を行う。ベトナムはハノイとプノンペンに絞る。両国ともわが国の昭和30年代から40年代の高度成長期によく似ている。それとインド。この三か国V・I・P戦略が重要になる。タイ? タイは競争も激しい。カントリーリスク? もちろん考えている」と、同業他社と比べて立ち遅れている東南アジアを中心とした海外事業の展開に意欲を見せた。

 同社の中計では、2025年3月期の海外事業利益割合は3%だが、年平均8%の成長を見込んでおり、最終年度の2031年3月期は全体利益1,800億円以上のうち海外は住宅部門と肩を並べる20%近い比率を目指す。

 このほか、同社執行役員住宅部門長・中村治彦氏からは「プラウドタワー目黒MARC」と「プラウドシティ豊田多摩平の森」の見学取材のOKを頂いたし、同社執行役員開発事業担当・山本成幸氏からは地方再開発の見学お勧め物件を紹介してもらった。松尾氏だったと思うが、松尾氏は「芝浦プロジェクト」での分譲マンションの可能性を否定しなかった。

 同社唯一の女性役員で執行役員グループダイバーシティ&インクルージョン推進担当兼グループ人材開発部長嘱託・宇佐美直子氏も元気な姿を見せた。野村不動産野球部の主砲にしがみついている同社常務執行役員芝浦プロジェクト本部長・松﨑雅嗣氏とは野球の話をしたかったが、その暇はなかった。

 同社が他社に先駆けて記者懇を再開したことで、他社も再開するのは間違いない。楽しみだ。
 

 

 千代田区・神田警察通りのイチョウ並木の伐採の是非を問う住民監査請求中に千代田区が2本のイチョウを伐採したことに対し、伐採に反対する住民が「精神的苦痛を受けた」として22万円の損害賠償を求めた住民訴訟の第1回公判が712日東京地裁で行われ、原告側2人が意見陳述を行った。

 裁判を提起した経緯は省略する。以下、原告の意見陳述を紹介する。

        ◆     ◇

1 私は、神田警察通りの沿道に親の代から住んでおります●●です。

自宅前にもイチョウの木が3本あり、親しみを持って世話をしてきました。

2 昨年12月に突然、神田警察通りⅡ期工事区間のイチョウの伐採告知があり、びっくりして、住民は皆、寝耳に水の状況でした。区の広報などにも書かれていませんでした。

そのため、住民がⅠ期工事と同様に既存のイチョウを生かして道路整備をするよう申し入れをしたにも関わらず、1月にはイチョウ一本一本に伐採のお知らせが貼られました。

3 その後、神田警察通り沿道の住民の多くが伐採反対であることがわかり、皆さんと「神田警察通りの街路樹を守る会」を作り、署名、陳情、要望などいたしました。

しかし、今日まで、区役所は「決まったことだ」「10年間話し合いをしてきた」「Ⅲ期からの工事をやるときは意見を聞く」というのを繰り返すだけです。

4 その後、住民にもイチョウ保存への賛同者が増え、ネット署名でも1万3千人ほどが賛同し、新聞やテレビにも取り上げられました。

本年4月21日には住民監査請求を提出しました。そして、その監査請求の審査中にもかかわらず、本年4月27日未明に区役所は、伐採を強行しました。区の要請で出動した警察は区側に対し、工事を中止して住民側と話し合いをするようにという提案をしました。しかしながら、区は話し合いを拒否して、工事を続行し、住民が抗議する中、無理やりに2本のイチョウを伐採しました。

そのことは今も、強いショックが残っています。

5 神田警察通りのイチョウは街路樹として、70年以上も地域とともに成長してきました。

春を告げる芽吹きから新緑、元気に茂った樹々は陽射しを防ぎ緑陰を提供し、雨の時には、雨宿りできる傘にもなります。そして、秋には見事なゴールデンリーフとなり、冬の訪れとともに落葉して暖かな陽射しが降り注ぎます。これらの利点は、車イス利用者、ベビーカー利用者をはじめ全ての通行する人々の役に立っています。

さらに、大気の浄化にも大きな役割を果たしています。

イチョウという樹は、病気や虫の害に強く、防災効果が高い利点もあります。

大木になり、管理には費用がかかりますが、区民の納める税金から捻出できる区役所だからこそ、維持管理が可能であり、いまあるイチョウを街路樹として活用する利点は充分あります。

6 千代田区が自転車整備道路計画を立てた当初の予定どおり、白山通りのプラタナスと神田警察通りのイチョウ並木の緑の十字は戦後の歴史とともに育った既存の街路樹を生かしての素晴らしい景観であり、神保町、一ツ橋、錦町と、他所にはない歴史学術ゾーンであり、訪れた人々に落ち着いた印象を与える都心の貴重な存在になると思います。

私たちは「歴史あるイチョウの街路樹を残して道路整備をしてください」とお願いしているだけなのです。

7 切られてしまった2本のイチョウの樹は、神田警察通りのⅡ期の工事区間のシンボルとなり、私たちに、住民自治の基本である情報公開、民主主義の基本であるそれぞれの意見を尊重して、違いがあれば充分な話し合いをして、決して一方の都合により打ち切ったりしない教訓の象徴として訴え続ける所存であります。

8 今回、私たちが、千代田区の監査委員に対して、監査請求をしたにもかかわらず、その審理が始まろうとしている段階で、2本のイチョウの樹が伐採されてしまいました。

この裁判は、それに対して、千代田区の責任を追及するための裁判であり、裁判所に置かれては、以上のような事情を十分にご理解いただいた上で審理をお願いしたいと思います。

        ◆     ◇

 1 私は、正に、今回の第Ⅱ期工事区間に居住している者で、このたびイチョウの木を伐採するという寝耳に水の話に大変驚いております。

 我が家には工事に関するアンケートが配られることもなく、千代田区や町会長からのアナウンスもまったくありませんでした。そこで千代田区や千代田区長に対して陳情や要望書を提出し、なお且つ、千代田区の担当者へ電話をしたり、千代田区長への面会を何度も依頼してきましたが、すべて無視され、我々の気持ちを伝えて、理解を求めることができませんでした。

 2 それどころか、住民監査請求を提出中であるにもかかわらず、4月27日の深夜030分頃、イチョウを見守る私たちを騙し討ちにするべく、区から依頼を受けた業者が2本の元気なイチョウの木を切り刻みました。その悲しい有様はその場に居合わせた住民たちを大いにいたぶり、失望させ、心を深く傷つけました。

 その光景は今も頭から離れることなく、大型車両の走行音で反応したり、工事作業車を見ては指先が震え、フェンスに囲まれている自分の夢を見たり、毎日があの日のトラウマとなって私たちを苦しめております。

 3 私たちは神田警察通りに歩道拡張工事の計画があることは以前から知っておりました。共立学園前のイチョウが伐採されることなく、無事に立派な歩道と自転車道が完成したのは誰もが知る話です。ですから、その後の工事も引き続き同じ工法で進められていくものと信じて疑いませんでした。

 しかし、昨年12月、千代田区がイチョウの伐採を始めようとしていること、そして、それを後押しする町会長たちを取りまとめているのが、我が町の町会長、副町会長であることを知り、この方々への説得は困難であることを承知している私たちは、錦町三丁目町会を脱会し、「伐採反対」を前面に出て訴える決意をいたしました。

 これは娘共々、大好きな「神田祭」にも参加できなくなるという、私たちにとっては非常に大きな決断でもありました。

 4 ところが、私たちは2本のイチョウを守り切ることができませんでした。あの日、4月26日の夜は風の強い日で深夜からは雨の予報も出ていました。おそらく今夜の工事は無しだろうということで、午前0時、4人の住人を残してほとんどの仲間が帰宅していきました。

 そして、その30分後にとうとう区の騙し討ちが強行されたのです。私たちが見守っていた当初の工事区間ではなく、思いもよらぬ場所に作業車を止め、伐採の準備を始めていました。気づいた時には時すでに遅く、歩道にフェンスが置かれ私たちは一歩たりとも足を踏み入れることが許されませんでした。それでも、私の娘二人と駆けつけた仲間の1人がフェンス内に入り工事を止めさせるべく前進しようとすると、区の職員がフェンスを使って押し返すというようなやり取りが続きました。

 この間にチェーンソーは轟音とともに1枝、2枝とイチョウを切り刻み始めたのです。いつの間にか警官たちも中の3人を取り囲み、フェンスの外からの「止めて!」「切らないで!」という叫びも虚しく、あっという間に2本の元気で立派なイチョウの木を切り落としてしまいました。

 5 私は、もう二度とこのような悔しく悲しい思いはしたくありません。これはまさに住民や署名・陳情を出してきた人々を無視する騙し討ち行為であり、これを行った区や区の職員、またそれを指示した区長を訴えるに値するものと思います。

 街のシンボルである2本のイチョウを伐採し、なおかつ住民を無視して苦しめる千代田区に対し、損害賠償を請求いたしますので、そり審理をお願いします。

        ◆     ◇

 これまでも何度も書いてきた。記者は原告の側でも被告の側でもなく、ましてやそれを裁く清廉潔白・公平無私の裁判官でもない。この20年間〝街路樹が泣いている〟の見出し記事を書き続けてきた街路樹の味方だ。

 だが、しかし、今回の問題は、街路樹の立場を抜きにしても、どう贔屓目にみても落ち度は千代田区にある。住民合意のイロハである地域住民の声を聞いていないことが明々白々だ。当然踏むべきプロセスを全く経ていない。第Ⅰ期工事で「説明不足」と認めイチョウを残しながら、その意趣返しのように第Ⅱ期では〝伐採ありき〟を貫いてきた。

 専門家の声を「聞き置く」にとどめ、町会組織を下請け機関のように扱い、子供だましのような恣意的なアンケートを実施し、ひたすらアリバイ作りに狂奔してきた。SDGsESGの視点は欠片もない。

 裁判官がどのような決断を下すか。その行方は分からないが、原告側の今回の訴えは今後の街路樹のあり方に一石を投じる、エポックメーキングになるような気がする。街路樹をどうするかの問題は、マンション管理でいえば、全員合意か5分の4の賛成が必要な重要な事案ではないか。

 ただ一つ、イチョウの立場からすれば、原告側が損害賠償額を2本で22万円としたのは理解できない。小生の1年間の酒代とたばこ代を合わせた額より少ない。損得を抜きにしたけなげな姿勢には涙が出るほど嬉しいが、どうしてそんな安値なのか。閉店間際のスーパーの食材と一緒にしていいのか。

 神田警察通りのイチョウが東京オリンピックの1964年に植えられたとすれば、その後58年間、異議を唱えることも推進派と反対派を差別することなく、ひたすら役に立つことだけを考え立ち尽くしてきたことに対する評価は、1本当たり年間約1,900円、月額で158円、1日当たり5円だ。1日少なくとも1,000人に恩恵を施してきたとすれば、1人当たり0,005円だ。毛ほどの価値もないことになる。

 損害賠償額は、皆さんの精神的苦痛を金額に換算した額ではあることは承知しているが、皆さんの苦痛はイチョウも同じだ。どう考えてもこれは間尺に合わない。それだけではない。イチョウはこの先、よほどのことがなければ日々成長し100年、200年生きられる。将来利益を考慮すれば、11,000万円、2,000万円の評価だってありうる。わが国も街路樹の価値を定量的に計る物差しをつくる必要がある。

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「オーベル千葉エアーズ」

 大成有楽不動産が分譲中の「オーベル千葉エアーズ」を見学した。東千葉駅から徒歩3分、千葉駅からでも徒歩11分の立地でありながら坪単価は200万円。即日完売してもおかしくない価格だが…。

 物件は、JR千葉駅から徒歩11分、東千葉駅から徒歩3分、千葉市中央区要町3丁目の商業地域に位置する14階建て全78戸。現在先着順で分譲中の住戸(10戸)の専有面積は66.12~74.10㎡、価格は3,298万~4,758万円(最多価格帯3,900万円台)、坪単価は200万円。竣工予定は2023年10月中旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

 現地は、地元の人に良く知られた駅弁・弁当屋の万葉軒の工場跡地で、椿森陸橋に近接。敷地の南側は道路を挟んで葭川が流れ、西側は小公園・要町公園に隣接。2階以上の住戸は全戸南向きで1フロア6戸。66㎡が中心。

 主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2450~2500ミリ、全窓二重サッシ、食洗機、同社オリジナルの収納「O-rangeLABO(オレンジラボ)」、ホームライブラリー、クローゼット一体型スタディインクローゼット(選択制)、浴室タオル掛け1か所など。

 販売状況は、2月にホームページを開設、ゴールデンウィークにモデルルームをオープン。エントリー数は約400件で、来場者は89組。5月30日から第1期20戸を販売開始。これまでに10戸が成約・申し込み済み。

 契約者の約6割が地元居住者、他は市内や船橋市など。DINKS・プレファミリーが多く、3人家族は少ないという。

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ホームライブラリー(左)とクローゼット一体型スタディインクローゼット

◇        ◆     ◇

 今年に入って千葉駅圏のマンションを見学するのは、マリモ「グラディス千葉駅前」、新日本建設など5社JV「エクセレント ザ タワー」に次いで3物件目だ。マリモの物件は駅から徒歩2分、新日本建設の物件は千葉パルコの跡地。それでも坪単価は300万円に届かない。埼玉県の浦和駅や大宮駅では坪400万円をはるかに超えているのに、どうして千葉県の県都は取り残されているのか不思議だ(以前から千葉県の物件はそのような評価をされていたが…)。

 今回の物件も、現地を見るまでは信じられないような価格の安さだった。なぜ安いか。ヒントは、椿森陸橋に近接しているため二重サッシを全窓に採用していることと、中央区栄町に近いことだ。記者は名前だけは聞いていたが、栄町に足を踏み入れるのは初めてだった。ファミリー層が二の足を踏むのはよく分かる。しかし、物件を評価するのはマンション購入検討者だ。これ以上書かない。

 もう一つ、タオル掛けについて。小生と一緒に見学した他社の女性記者の方は千葉が地元で5人家族。浴室にはタオル掛けがないが、「使ったら洗濯機に投げ込むだけだから全然平気」とこともなげに話した。1日20枚くらい洗うこともあるという。

 なるほど。人はそれぞれだ。風呂に入る回数を減らす、バスタオルはもっと小型にする、使い回しをする、2度3度使う-こういう習慣のほうが合理的だと思うが、皆さんはいかがか。

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現地

坪270万円 第1期1次100戸 即完スタート 新日本建設など5社JV「ザ タワー」(2022/4/1)

坪300万円の壁厚く…駅2分のマリモ「千葉駅前」はいくらか 競合物件は早期完売狙う(2022/1/17)
 

 

 

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