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「プレミスト湘南辻堂」

 大和ハウス工業は1月22日、神奈川中央交通と長谷工コーポレーションと共同で開発を進めている神奈川県藤沢市の大型分譲マンション「プレミスト湘南辻堂」全街区が同日完成したと発表した。

 「プレミスト湘南辻堂」は、35 000㎡超の敷地に建設した総戸数914戸で、全16か所の多彩な共用施設を設けた湘南エリア最大級のマンション。2017年から分譲開始されている。

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 この物件については、分譲開始時と第1街区が完成したときの記者見学会の模様を記事にしているので、こちらも参照していただきたい。

 一つだけ、プレス・リリースにもあるのだが、辻堂エリアがARUHI presentsの「本当に住みやすい街大賞2021」で3位にランクされたことについて触れておきたい。

 どこが「本当に住みやすい街大賞」として祭り上げるのは勝手だが、小生はどうして川口が2年連続でトップとなり、2位の大泉学園に次いで辻堂が3位になっているのか全然理解できない。どう読んでも根拠が希薄だ。

 川口は商住混在の雑多な街だ。マンション価格も駅近は坪300万円をはるかに突破する。大泉学園も、同じレベルの街なら100か所くらいあるのではないか。

 辻堂はどうか。〝海好き〟の記者は辻堂に限らず湘南の藤沢、茅ヶ崎、平塚、大磯…もいいと思うが、「住みやすいか」と問われても答えようがない。何をもって住みやすいか、それは人それぞれ〝住めば都〟だからだ。辻堂に住む人は、どうして川口や大泉学園に〝負ける〟のか理解できないのではないか。

 その一方で、「本当に住みやすい街大賞2021」のシニアランキングは1位が武蔵小山で、2位は南大沢、3位は平塚だ。これも根拠はまったく不明。少なくとも南大沢よりわが街・多摩センターのほうがはるかに住みやすいと思うし、平塚と辻堂はどちらのほうがシニア向けで上位か知りたいものだ。

 まあ、こんなことを書いてもARUHIの宣伝に加担するだけなのでこれくらいでやめる。

 辻堂のマンションについては、大京の「湘南 C-X」と関電不動産他の「シエリア湘南辻堂」の記事などを添付するので参照していただきたい。

 大和ハウス工業の大規模マンションでは「プレミスト船橋塚田」が素晴らしいので、こちらも記事を添付する。

実質10か月で300戸超の驚異的売れ行き 大和ハウス「プレミスト船橋塚田」(2020/10/20)

川口元郷-現地-川口 徒歩30分 街路樹は1本もなし 「本当に住みやすい街大賞」? (2020/2/25)

植栽計画がいい シニア層はもっと増やせるはず 大和ハウス「湘南辻堂」A敷地竣工(2019/3/20)

業界初の体力測定装置に狂喜 大和ハウス「プレミスト湘南辻堂」 同社は販売に自信(2017/9/11)

首都圏第1弾「シエリア湘南辻堂」第1~3期1次199戸が登録完売 関電不動産開発(2016/11/8)

大京「ライオンズ一条レジデンス 湘南C-X」1期100戸が即日完売 買い換え・買い増し58%!(2011/11/21)

人気必至 積和不・東建・陽栄「辻堂ザ・テラス」(2011/11/15)

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壁面レール収納(左)と壁面デスク

 大京は1月22日、壁面レール収納や壁面デスクなどテレワーク機能付きの間取りを導入した新築賃貸マンション「ライオンズフォーシア秋葉原イースト」「ライオンズフォーシア築地ステーション」の入居を2021年1月下旬から開始すると発表した。

 「ライオンズフォーシア秋葉原イースト」は、東京メトロ日比谷線秋葉原駅から徒歩6分に位置する全38戸。専用面積25.82~52.34(1K~2LDK)、賃料は127,000円~250,000円。5戸にオリジナルの壁面レール収納を導入した。

 「ライオンズフォーシア築地ステーション」は、東京メトロ日比谷線築地駅から徒歩2分の全37戸。専用面積は25.89~57.51㎡(1K~2LDK)、賃料は156,000円~305,000円。10戸に壁面収納をアレンジしたデスクを標準装備しも上部にはプリンターなどを置ける2段の棚収納を設けている。

 壁面レール収納は、壁面に設置したレールにカウンターデスク、棚板、ハンガー棚を自由に組み合わせてワークスペースを作ることができる。

 壁面デスクは、幅86センチ、奥行き58センチ、高さ70センチ。部屋の畳数を損なわず、限られたスペースで集中できる環境づくりを目指している。上部に設けた棚板は高さを変更でき、プリンターや書類などデスク周りのものを収納可能。

 同社はまた、昨年5月に実施した一都三県(一部エリアを除く)の新築マンション購入予定者935人を対象としたアンケート調査結果によると、約8割が在宅勤務を実施しており、「ワークスペースがほしい」「生活と仕事の空間を分けたい」などの声が寄せられたとしている。

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 壁面レール収納も壁面デスクもいい提案だ。それほどコストもかからないだろうから分譲マンションにも採用できる。

 アンケートで「ワークスペースがほしい」と答えた人が多かったのも当然だろう。この種のアンケート結果は出尽くした観があるが、総合住宅展示場ハウジングステージのアンケート調査では、「コロナ禍で今後の住まいや暮らしに欲しくなったもの」の男性1位は「自分専用の個室や間仕切りされたスペース」の52.6%で、女性1位は「遊べる広い庭・屋上・バルコニー」の52.2%となっている。戸建て志向の人は当然だろう。

 記者が注目しているのは、三井不動産レジデンシャルが行った「三井のすまいLOOP会員(n=6,169)」と「三井不動産レジデンシャル販売物件資料請求者・来場者(n=1,343)」を対象とした「アフターコロナのすまいやくらしに関する意識調査」の結果だ。

 この結果については「パークタワー勝どき」の記事でも書いたのだが、もう一度紹介する。

 アンケートによると、回答者(うち約70%が共働き世帯)の73.2%がテレワーク(出社/在宅の併用を含む)を経験したと答え、75.1%が収束後には「オフィスとテレワーク」の併用を希望。

 また、テレワークを経験した人に対して「今後のテレワーク場所の意向」を調査したところ、自宅内の「書斎」「自分の部屋」のニーズが高く、在宅勤務経験者の55.1%は「自宅・オフィス以外」のテレワークも希望していることが分かった。

 さらに、共働き比率の高い住宅検討層にとってもっとも譲れないのは「生活利便性の高さ」(68.5%)、「住環境が良いこと」(54.9%)が高い数値を示した。

 コロナ前後の住宅希望エリアの変化(2020年3月以前からの住宅検討者:n=1,590)を聞いたところ、「都心エリア希望で変わらず」は57.4%、「郊外エリア希望で変わらず」は16.5%、「都心エリア⇒郊外エリア希望に変化」は7.5%、「郊外エリア⇒都心エリア希望に変化」は1.3%だった。

 つまり、戸建て派であろうとマンション派であろうと、自宅内の「書斎」「自分の部屋」を希望している人が極めて多いという結果が出た。

 地価・建築費の高止まりで、デベロッパー各社はマンションの価格を抑制するためにダウンサイジングに懸命だが、専有面積の圧縮は当然居住性の低下につながる。現状の2LDKや3LDKにもう一部屋増やすのは容易ではない。

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コモリワーク

 この難しい問題の解決のために各社は取り組んでおり、今回の大京もその一つだ。これまで記事にしたテレワークなどに対応した具体例を添付する。

 記者が〝スグレモノ〟だと思ったのは、コスモスイニシアのリコーと共同開発した「コモリワーク」だ。これは、「エド・コモン西早稲田」(東西線早稲田駅から徒歩13分)をリノベーションした1室(専有面積約67㎡)に採用したもので、床から1段30cm×3段=90cmの部分に1.2×2.0mのスペースを設けている。腰掛けることも寝転ぶこともできるので仕事や趣味室として最適だ。その下部は収納などに利用できる。

 大和地所レジデンス「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」の提案もよかった。最上階8戸のリビング天井高3,050ミリとし、スキップフロアを採用。下段には約21畳大の床下収納を設置していた。収納部分の高さは740ミリなので仕事場にはならないだろうが、その上段部分は天井高が十分確保できる。

 この「コモリワーク」と「赤羽北フロント」をかけ合わせれば素敵なプランが完成する。

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「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」モデルルーム(このスキップフロアの下部が床下収納)

 もう一つ、東急不動産のコクヨと共同開発したインテリアオプションにも注目している。「ブランズシティ世田谷中町」と「ブランズ浦和別所沼公園」に導入したもので、写真のように収納や家具の一部にワークスペースを組み込み、居住性を損なわずインテリア性の高いワークスペース空間を提案している。収納の一部に化すのに抵抗を感じる人もいるだろうが、ユーザーはどのような反応を示しているのだろうか。

 このほか、伊藤忠都市開発「クレヴィア小杉御殿町」の「離れ」、積水ハウス・清水総合開発「世田谷喜多見ザ・テラス」のメゾネットも時宜を得たプランだ。

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東急不動産の提案

稀有な駅近で大規模な1低層 積水ハウス・清水総合開発「世田谷喜多見ザ・テラス」(2021/1/16)

東急リバブル 検温機能付き顔認証システム 賃貸マンションに導入(2020/12/21)

三井不レジ・鹿島・清水「パークタワー勝どき」第1期1次は237戸 坪単価425万円(2020/11/18)

6か所に「ボイド」 専有・共用に9室の「離れ」付き 伊藤忠都市「小杉御殿町」(2020/10/28)

天晴れ!大和地所レジ 仕入れの妙 商品企画にも生かす「赤羽北フロント」(2020/9/9)

大和ハウス工業 テレワークを想定した空間 戸建て用に提案開始(2020/6/1)

野村不 多様なニーズに対応する「DOMA-STYLE」×「つながROOM」開発(2020/8/1)

東急不動産 在宅テレワークに対応したインテリアオプション マンションに導入(2020/7/15)

「Doma(土間)」とLDK一体化 コスモスイニシア「日暮里テラス」企画秀逸(2020/6/26)

Afterコロナ先取り ポラス「東京5LDK@練馬光が丘」テレワーク想定した企画ヒット(2020/6/19)

コスモスイニシアとリコー共創 住空間×働き方テーマに新提案 リノベに採用(2020/4/3)

三井不レジ家の中まで宅配物を届ける「ナカ配サービス」第一弾は「月島二丁目」(2020/1/23)

不在時の受け取り・受け渡し可能 トランクルームサービス 「日暮里」に採用 野村不(2019/12/7)

ダウンサイジング流行りにぴったり 三菱地所〝部屋の中の小屋〟「箱の間」発売(2019/8/27)

穴吹工務店 日本初のマンション入館&宅配ボックス顔認証システム導入(2017/10/4)

 


 

 三菱地所は1月21日、丸ビルや新丸ビルなど丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)の18棟と横浜ランドマークタワー計19棟(延床面積計約250万㎡)の全電力を2021年度から再生可能エネルギー由来(以下、再エネ電力)とすると発表した。これによりCO2削減量は年間約18万トンを見込んでいる。

 今回導入する再エネ電力は、「生グリーン電力」及び「トラッキング付FIT非化石証書」を併用して「RE100」対応としており、かつビルで使用する電力量の全量であるため、対象ビルの入居企業は自社で再エネ電力を利用していると認められる。

 この取り組みは、同社グループの長期経営計画2030の重要テーマの一つである「Environment:気候変動や環境課題に積極的に取り組む持続可能なまちづくり」の一環で、また、「RE100」参加(2020年1月)にあわせて策定した再エネ電力比率(2030年までに25%、2050年までに100%)については約30%となる見込みであり、2030年までの中間目標を前倒しで達成する予定。

 丸の内エリアにおけるCO2削減量は年間約16万トンで、同社所有ビルCO2排出量の約8割に相当する。


 

 〝ミニ戸建てがブーム〟などと新型コロナの変異種が発生したかのような衝撃的な見出しを掲げ、大上段に構えたものの、ぬゑのようなつかみどころのない相手にたじろぎ、結局は腰砕けとなり、太刀を振り下ろすどころか鞘に収めることすらできずすごすごと逃げ去った-こんなたとえがぴったりの記事が1月18日付「週刊住宅」に掲載されていた。

 読んだのはWeb版なので紙媒体ではどのように扱われているのか分からないが、かなりのスペースを割いているはずだ。記事の書き出しはこうだ。

 「コロナの蔓延(まんえん)で新築戸建ての需要が伸びている。中でも急伸しているのがミニ戸建てと呼ばれる物件だ。いまなぜミニ戸建ての需要が伸びているのか。その理由を探るとともに、戸建てブームは今後も続くのか考察してみたい」

 小生は、この段階で地団太を踏んだ。〝抜かれた〟と思った。小生も一昨年、「狭小住宅」の実態に迫ろうと挑戦したことがあるからだ。その時の記事を添付する。3週間くらいにわたり資料をあさり、現場を見学し、狭小住宅専門の業者に取材を申し込んだがかなわず、結局はなにも分からずじまいに終わったことが読んで頂ければわかるはずだ。

 狭小住宅が隠花植物のようにじわじわと領域を広げているのはなんとなくわかるのだが、そもそも建売住宅のデータはほとんどないし、住宅着工統計では戸数や住宅の面積は把握できるが、敷地面積の記載はない。民間の調査会社もどこも市場を把握できていない。

 なのに、ミニ戸建てがブームであることを週刊住宅が突き止めたとなれば、脱帽するほかない。

 ところが、同紙の記事をどこまで読み進めても、新築や中古マンションのデータや住宅購入予定者の意識調査結果ばかりで、肝心のミニ戸建てについての言及がない。同紙は「新築戸建ての需要が伸びている」と書くが、本当だろうか。住宅着工統計では持家も分譲戸建てもこの1年間というもの毎月ずっと二ケタ近い減少を示している。着工と分譲とは時差があるので、あるいは需要増を背景に今後は着工も伸びるのか。(その可能性はあると思う)

 やっと登場するのは、全体の分量2,000字の半分を過ぎたころだ。

 だしぬけに「業績がV字回復したのがオープンハウスだ」(これは誤り。落ち込んだのは緊急事態宣言時のみ。同社はずっと業績を伸ばしてきた=記者注)とあり、「オープンハウスが取り扱う物件は都心の戸建てが中心。それもミニ戸建てと呼ばれる物件が多い。ミニ戸建ての厳密な定義はないが、多くの場合狭い土地に建てられた建て売りを指し、敷地面積は60~80平方メートル以下、1階に駐車場を持つ3階建てタイプが標準と言えるだろう。

 オープンハウスの戸建て仲介契約件数は、20年4月は前年同月比39.1%減であったが、5月には反転し43.0%増、6月には52.3%増と大幅に伸長した。その結果、20年9月期の連結経営成績は前年度の約540億円(5,403億円の誤り=記者注)から575億円超(5,759億円の誤り=同)に伸びている。

 コロナ禍を受けての好況はオープンハウスに限らず、ケイアイスターの不動産(これもケイアイスター不動産の=記者注)分譲住宅契約金額の対前年比増加率は32%と急伸しており、新築戸建て人気は数字の上でも見て取ることができる」とある。

 長々と引用したが、ここで初めてミニ戸建ては敷地面積が「50~80㎡以下」ということが分かる。そして、その代表格としてオープンハウスとケイアイスター不動産を取り上げた。よく読むと、両社の決算数字など開示データをそのまま記しているに過ぎないのだが、それにしても何の根拠も示さずミニ戸建て=オープンハウス、ケイアイスター不動産と断定的に書くのは乱暴に過ぎる。

 そこで、小生はオープンハウスに確認した。同社広報によると、グループの分譲戸建てを展開するオープンハウス・ディベロップメントが展開する分譲戸建ての敷地面積が「60~80㎡以下」の供給比率は50%に達しており(2020年9月期の戸建て計上戸数は2,804戸)少なくはないが、ミニ戸建て=オープンハウスにはならない。また、記事にある同社の営業成績の数値は一桁少ない。売上1兆円を目指す企業だ。荒井正昭社長が知ったら激怒するのではないか。(笑い飛ばすか)

 そして同紙は「都心のマンション需要は高値の花になりつつあり、加えて部屋数の少なさがマンションの弱点として露呈した。持ち家事情の変化は、選ぶ側のニーズに対応して今後も(ミニ戸建て人気が)加速する気配が濃厚だ」などと遁辞でもって締めくくっている。

 はっきり言って記事のすべてが旧聞で、自らの足で書いた真新しい事実は皆無だ。結局、「60~80㎡以下」のミニ戸建ての市場は〝闇〟のままだ。ひょっとしたら、書いた記者の方は一度もミニ戸建ても建売住宅も見ていないのかもしれない。そうでなければ、記事に添えられている立派な分譲戸建ての街並み写真を使うはずがない。この写真は敷地規模が60~80㎡以下のミニ戸建てでないことは明らかだ。どうしてこのような写真を使ったのか。写真も記事のうちだ。刺身のツマのように扱うのはいかがか。

 ここまで結構辛辣なことを書いた。〝何もここまで〟と思う読者の方もいるかもしれないが、同紙は数少ない業界紙として影響力を持っているはずだし、持つべきだと思うからこそ、誤った記事に対してはきちんと記事で批判すべきというのが小生の立場だ。他意はない。小生の願いはいい記事を書いてほしい-この一点だ。

 この小生の批判記事を同紙も読んでくれるはずだ。今度は素晴らしいミニ戸建ての第2弾、第3弾の記事を発信してほしい。小生が知りたいのは、ミニ戸建てが中古市場でどのような評価を受けるのかということだ。ここに焦点を当てるのもいいのではないか。不動産流通会社やレインズは狭小住宅のデータはないのだろうか。スムストックはきちんとデータを収集しているではないか。

敷地60㎡未満の分譲「狭小住宅」 都心部は軒並み50%超 最少の練馬は1.9%(2019/8/19)

 


 

 日本政府観光局(JNTO)は1月20日、2020年12月の訪日客は前年同月比97.7%減の58,700人で、15カ月連続で前年同月を下回り、2020年の訪日客は前年比87.1%減の4,115,900人となったと発表した。

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「リーフィア世田谷喜多見」

 小田急不動産は1月20日、昨年10月31日から販売を開始していた分譲戸建て「リーフィア世田谷喜多見」(総戸数10戸)が11月22日に完売したと発表した。

 2020年7月に公式ホームページを公開してから、資料請求は441件、9月からの来場者は155組に達した。

 人気の要因として、同社は①新しい生活様式に対応したプランニング②街並み・外観のデザイン性③生活利便性と緑あふれる住環境など、コロナ禍で定着した「在宅勤務」やステイホームによる「おうち時間」に対応した商品展開がニーズとマッチしたとしている。

 物件は、小田急線喜多見駅から徒歩12分、世田谷区喜多見七丁目に位置する全10棟。敷地面積は106.66~116.34㎡、建物面積87.79~98.01㎡。構造・規模は木造2階建(2×4工法)。施工は細田工務店。

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モデルホーム

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 この物件は昨年11月上旬に見学している。その時も残り1戸だったので、早期に完売となるのは間違いないと読んでいた。

 ランドスケープデザインが抜群で、平均6,000万円台後半の価格もものすごく安いと思った。

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ダイニングスタディカウンター

残り1戸 すこぶる好調 小田急不動産の戸建て「世田谷喜多見」全10棟(2020/11/9)
 

 野村不動産ホールディングスは1月19日、環境・社会双方の課題解決に貢献する施策・プロジェクトに充当する資金の調達手段として、同社初の「サステナビリティボンド」を発行することを決定したと発表した。

 発行予定は2021 年2 月以降で、発行額は100億円。資金使途はPMO(ピーエムオー)、H¹T (エイチワンティー)、OUKAS(オウカス)に要した資金のリファイナンスを目的とした子会社への投融資資金。

 不動産業界では、東京建物が昨年7月、200億円(発行年限5年)と200億円(発行年限10年)の、東急不動産ホールディングスが昨年12月、300億円(発行年限40年)のサステナビリティボンドをそれぞれ発行している。

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「THE WAVES AKIHABARA」

 サンフロンティア不動産は1月18日、リプランニング®(不動産再生事業)の「THE WAVES AKIHABARA」が1月20日に竣工するのに伴う報道陣向け内覧会を行った。「暮らしに近いワークスタイル」をテーマに、社員の「快適性」と「健康」を追求している意欲的な商品企画だ。

 物件は、東京メトロ日比谷線秋葉原駅から徒歩8分、都営新宿線岩本町駅から徒歩6分、JR総武線馬喰町駅から徒歩4分、千代田区東神田2丁目に位置する1985年3月竣工の敷地面積約422㎡、9階建て延べ床面積約2,304㎡。2年前に1棟ごと取得し、従前テナントが入居している4フロアを除きリノベーションしたもの。改修費は約2億8,000万円。

 最大の特徴は、従前は閉ざされた駐車場だった最大天井高4300ミリの1階のスペース約73坪を「心地よい自然風が通り抜ける社員の快適性と健康を追求」したオフィスにしたこと。

 幅員約20mの前面道路とその裏側の道路に面した外壁に開口部を設けることで風通しのいい空間に変えた。エントランスには約30㎡の「土間」とそれに続く「縁側」を設置。ドアはスライド式にして小型車を入れたり展示スペースにしたりできる多目的空間を演出。オフィス裏側には専用テラス・車庫を設置している。オフィス部分にはキッチンも設置し、靴を脱いで働くことやペット持ち込みも可能としている。

 2階ほかの4フロアは、「日本らしさを感じられるdesing」をテーマにグレー、アイボリーを基調としたカラーリングとし、縁側ゾーンや堀こたつ式ブースを設け、コーヒー豆を再利用した消臭効果のある壁材、壁にそのままメモなどを書き込めるボードなども配置している。

 「快適性」「健康」の取り組みとしては、アルコール什器、空気循環式紫外線清浄機、抗菌塗装、高性能フィルター付き換気設備、テレカンブース、音響設備、バイクシェア、カーシェア、屋上ガーデン(交流の場)を整備している。

 同社リプランニング事業部2課第1グループ次長・寺田健氏は、「生産性向上と快適性を掛け合わせた新しいワークスタイルを提案した。従前の賃料は1.5~1.6万円/坪だったのをセットアップし1階は2.8万円/坪、そのほかは2.1万円/坪に設定した。1階は水曜日から募集を開始する。他の4フロアのうち2フロアはテナントが決まっている」などと話した。

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エントランス

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アルコール什器(手をかざすと「thank you」の文字が手のひらに浮かび上がる)

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土間

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 同社のリプランニング物件は、「A YOTSUYA(エー ヨツヤ)」に続き2度目だが、「利他」を社是・経営理念に掲げるだけあって痒いところに手が届く商品企画だと思う。全体的にグレーを基調にしたカラーリング・デザインがいい。

 驚いたのはペットの持ち込みを可能にしたことだ。記者はオフィス事情には疎いが、この種の規模でペット可のオフィスはまずないのではないか。このような自宅と働く場をシームレスにつなぐ取り組み・企画は支持されるはずだ。(ペット同士が恋に陥り、子どもを胎ませ胎ませられたらどうするのかという質問をぐっとこらえたが)

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風の通り道

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アクティブコミュニティファニチャー

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1階オフィス内観

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2階オフィス内観

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屋上ガーデン

〝日本初 全てがアート〟 サンフロンティア不 シェアオフィス「A YOTSUYA」(2021/11/28)

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 東京都の新型コロナ感染者は爆発的に増加しているが、気になるのは高齢者の感染増加だ。別表とグラフで最近の60歳以上の高齢者の感染者数と全体に占める割合を示した。

 60歳以上の高齢者の感染比率は病院などでクラスターが発生した以外は第一波から概ね毎日10%前後で推移していた。

 ところが9月15日に23区の時間短縮営業が解除され、その後、10月に入ってGo Toキャンペーンが始まったころから常時10%を超え、10月26日の9.8%(102人)を最後に10%以下はなくなり、1月15日にはそれまで最多だった1月7日の337人を大幅に上回る415人(20.7%)を記録、その翌日の16日は404人(22.3%)と2日連続して400人を超えた。

 この2日間の年代別感染者でも、60代は15日、16日とも152人で過去最多となったほか、70代の15日の131人、80代の16日の123人、90代の34人はいずれも過去最多を記録した。90代は累計で1,000人を突破する1,007人となっている。

 また、10歳未満の15日と16日の感染者は65人で、2日連続して過去最多タイとなっている。

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 記者は7月23日付記事で、「コロナから逃げて逃げて逃げまくろうではないか.。」と書いた。当時は高齢者の1日当たり感染者は20人台だった。今はけた違いどころか20倍に増加している。

 新型コロナの先はまだ読めず〝一寸先は闇〟が待ち構えているかもしれないが、三菱地所・吉田淳一社長は昨年の入社式で「明けない夜はない」と呼びかけた。高齢者の皆さん、この言葉を信じようではないか。地の果てまで逃げおおせたら何が待っているか…そんなことは神のみぞ知る。われわれの知ったことではない。

新型コロナ 高齢者もじわり増加 〝逃げるが勝ち〟逃げて逃げて逃げまくろう(2020/7/23)

 

 


 

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「世田谷喜多見ザ・テラス」

 積水ハウス(事業比率80%)と清水総合開発(同20%)の「世田谷喜多見ザ・テラス」を見学した。小田急線喜多見駅から徒歩3分の全134戸で、積水ハウスの〝5本の樹〟計画を採用し、光と風を取り込んだプランが優れている。昨年末から第1期58戸が販売開始されており、現在約40戸が成約済み。50歳以上の購入比率が4割を超えているのが特徴だ。

 物件は、小田急電鉄小田原線喜多見駅から徒歩3分、世田谷区喜多見9丁目の第一種低層住居専用地域に位置する敷地面積約6,300㎡、地上5階地下1階建て全134戸。専有面積は59.10~88.89㎡、現在分譲中の住戸(9戸)の価格は6,498万~8,798万円(61.90~84.64㎡)、坪単価は375万円。竣工予定は2022年1月中旬。設計・監理はINA新建築研究所。施工は東急建設。

 現地は社宅跡地で、三方に接道。用途地域は西側道路に面した敷地の一部は第一種中高層住居専用地域だが、ほとんどが第一種低層住居専用地域。

 建物は中庭を中央に配したロの字型で、三方に〝5本の樹〟計画による植栽を施し、住戸内に光と風を取り込むため吹き抜け(ボイド)を26か所に設置している。

 4階部分の住戸プランは、南向きが10戸、西向きが7戸、東向きが5戸、中庭に面した南向きが9戸。29戸が1・2階のメゾネットプラン。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高は2450~2500ミリ、食洗器、ディスポーザー、御影石キッチン天板、メーターモジュール廊下幅など。共用施設としてコモン&ワークスペースを設置している。

 積水ハウス東京マンション事業部部長・伊藤啓一氏は、「駅近の1低層でこれほどの規模の用地は、世田谷区内では今後まず取得できないはずです。地元の人はよくご存じの土地で、いよいよ始まったかと待たれていた方がかなりいらっしゃる。50歳以上の購入比率が4割強というのも特徴です。プランにはワークスペースやこどもの遊びスペースを設けたメゾネットやユニバーサルデザイン、キッズデザインなども採用しています」などと語った。

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メゾネットタイプのテラス(奥行きは最大6m)

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 住戸内に光と風を取り込む吹き抜け(ボイド)をこれほどたくさん設けたマンションを久々に見た。昭和50年代後半から60年代にかけて各社が競って採用したが、最近はめったにお目にかかれなくなった。建築コストを抑えるためだ。

 メゾネットタイプが多いのも特徴の一つだ。コロナ禍で在宅勤務用の個室を求めるユーザーが激増しており、このプランはぴったりか。

 価格について。ここが成城学園アドレスだったら坪単価は600万円でも安いと思うが、喜多見のこの場所でこの計画であれば決して高くない。トータルとしての質は間違いなく高い。これを訴えきれるかどうか。

 記者は同社のマンションを結構見学しているので驚きはしないのだが、メーターモジュールの廊下幅、プッシュプル・壁面セットバックドア、指詰めストッパードアなどユニバーサルデザイン、キッズデザインをふんだんに盛り込んでいることを強調しておきたい。竣工したら〝5本の樹〟計画や出隅入隅を多用した外観は存在感を示すはずだ。

 参考までに、積水ハウス「グランドメゾン狛江」と「グランドメゾン江古田の杜」の記事を添付する。これも伊藤氏から説明を受けた物件だ。

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中庭

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現地

緑の質量に圧倒 エントランスに樹齢100年巨木「江古田の杜」街びらきに千数百人(2018/9/23)

里山を見るような見事な植栽 積水ハウス「グランドメゾン狛江」竣工(2013?9/12)

 

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