セルリアンタワー東急ホテル アクティブシニア向け 年間500万円宿泊プラン開始

「セルリアンタワー東急ホテル」
東急ホテルズは9月28日、東急ラヴィエールと協働し、アクティブシニア層向けの1年間にわたる長期宿泊プラン「ロングステイ 365days」を「セルリアンタワー東急ホテル」で2021年10月1日(金)から開始すると発表した。募集開始から1週間ですでに約30組の応募があるという。
宿泊期間を長期の1年間とすることで、「スタッフが家族の一員のように毎日の暮らしに寄り添い、日常を支える存在となり、我が家のような暮らしがホテルで叶う」をコンセプトにしている。
宿泊プランは、参考部屋タイプ:スーペリアツイン/キング(19~31F、37.6㎡)、参考価格:1室(最大2名)、一括払い500万円(サービス料込・消費税・東京都宿泊税込)、月払いの場合(前払い制)1か月当たり平均42万円。フィットネスクラブの利用やランドリー・駐車場利用無料などの特典のほか、エグゼクティブラウンジ利用券(月5回利用)、バースデーディナー招待券をプレゼントする。
東急は、アクティブシニアに対しワンストップでサービス提供を目指す東急ラヴィエールを設立。本プランは東急ホテルズが企画し、東急ラヴィエールがTOKYU POINT会員を対象とした約36万人(1都3県、40歳以上)に対して、計4回の「いきいきわくわく東急ラヴィエールだより」を配信し、本プランを紹介していく。
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5つ星ホテルに年間500万円で宿泊できるなんて羨ましい。その他、食事代などの費用を含めたら最低で年間1,000万円だろう。「ザ・キャピトルホテル東急」も追加しないのだろうか。
世界に誇れる隈研吾氏デザインの「ザ・キャピトルホテル東急」(2011/2/25)
明和地所 江ノ島の一等地で67戸 億ションの100㎡超プレミアム住戸も16戸

「クリオ湘南江ノ島グランマーレ」
明和地所は9月22日、「クリオ湘南江ノ島グランマーレ」を9月24日(金)から販売開始すると発表した。小田急線片瀬江ノ島駅から徒歩4分の全67戸で、オーシャンビュー&富士山の眺望が期待できる江ノ島の一等地であることから人気は必至だ。16戸用意した100㎡超は同駅エリアでは19年ぶりという。坪単価は400万円を突破するか。
物件は、小田急江ノ島線片瀬江ノ島駅から徒歩4分、江ノ島電鉄江ノ島駅から徒歩 3 分藤沢市片瀬海岸一丁目の商業地域に位置する地上13階・地下1階建て全67戸。専有面積は55.04~111.01㎡。第1期(30戸)販売価格は4,353.2万~17,998.3万円(最多価格帯7,500万円台)。竣工は2023年3月下旬。設計は共同エンジニアリング。施工は三井住友建設。デザイン監修はウイ・アンド・エフヴィジョン石倉雅俊氏。
現地は、小田急線と江ノ電・江ノ島駅のほぼ中間。メイン通りに面しており、境川がすぐそば、片瀬江ノ島海岸-江ノ島から富士山も眺望できる絶好の立地。三方道路に接道。建物は内廊下設計。
住戸プランは、標準階フロアは東向きのオーシャンビュータイプが3戸と富士山ビューの西向きが3戸の6戸構成。角住戸は1フロア4戸。100㎡超のプレミアムプランは16戸。ロングボードにも対応した洗い場付きサーフボード置場、Wi-Fi対応のオーナーズラウンジを備える。
主な基本性能・設備仕様は、食洗機、ディスポーザー、二重床・二重天井、インテリアを好みに合わせて自由に設定できるセレクトシステム「conomi(コノミ)」、バルコニースロップシンクなど。
同社の建設担当者は「江ノ島の風景と美しく調和するアースカラーを基調として低層部と上層部のデザインに動きをつけ、エントランスアプローチは、ロートアイアンの門扉と木目調のキャノピーが海辺の邸宅らしさを演出し、エントランスホール脇のラウンジは水盤と緑に彩られたテラスと一続きの空間となり、リゾートのような寛ぎの時間を過ごしていただけるよう計画。各住戸プランは、オーシャンビューが中心で、もうひとつのリビング空間として江ノ島の海を間近に感じられる2m幅のバルコニーを設えています」とコメントしている。

水盤ラウンジ

集会室
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現地は今年6月に確認済み。海好きにはたまらない立地だ。第1期の分譲戸数が30戸と全住戸の半分近いということからも人気になりそうなことがうかがわれる。
坪単価は問い合わせ中だが、平均で300万円を突破しそうだ。機会があったら見学してレポートしたい。

モデルルーム
バブル時 坪450万円⇒リノベ 坪211万円 コスモスイニシア「湘南タワーズ」分譲(2021/6/10)
大和ハウス 大和リビングを存続会社として大和リビングマネジメントと合併
大和ハウス工業は9月22日、同社グループの大和リビングマネジメントと大和リビングを2022年1月1日付で合併し、大和リビングを存続会社とすると発表した。意思決定の迅速化とワンストップ体制によるステークホルダーの利便性向上を実現するため。
大和リビングは1989年設立。大和ハウス工業が施工する賃貸住宅の管理・運営を担ってきた。業容拡大を受け2012年、大和リビングマネジメントを設立し、マスターリース・サブリース事業の移管による機能分担の明確化を図るとともに、大和リビングマネジメントを完全親会社、大和リビングを完全子会社とする組織体制の刷新を行った。
大和リビングの2021年3月期の売上高は998億円、経常利益は90億円、純資産は475億円、大和リビングサービスの2021年3月期の売上高は5,311億円、経常利益は208 億円、純資産は139億円。
合併後の大和リビングは、所在地 東京都新宿区西新宿6丁目11番3号、代表者は匝瑳繁夫氏、事業内容はマスターリース・サブリース事業およびメンテナンス関連事業賃貸住宅、賃貸マンションの管理・運営事業など。資本金は1億円。
東急不HDグループ 「森をつなぐ」PJの一環 商業施設で「森のつかい」実施

「森のつかい」キャラクター カタカタ(左)とモリボックリ
東急不動産と東急不動産SCマネジメントは9月22日、環境保全活動「エコマキ」の一環として、自然を守るいきものたちを描いた絵本の展示・動画の上映と、音を奏でる木製のキャラクター「森のつかい」を組み立てるワークショップを関東・関西の全11施設で2021年10月23日(土)から順次開催すると発表した。
開催するのは関東ではデックス東京ビーチ、ノースポート・モール、東急プラザ表参道原宿、東急プラザ銀座、東急プラザ戸塚、東急プラザ渋谷、東急プラザ蒲田。参加人数は各施設とも先着50~180名、開催日時は10月23日から。イベントでは、音のなる「森のつかい」工作キット1つがプレゼントされる。
東急不動産ホールディングスグループは「緑をつなぐ」プロジェクトとして継続的な森林保全の取り組みを推進しており、キットは保全森林である岡山県西粟倉村の間伐材を使用している。
「緑をつなぐ」プロジェクトURL:http://tokyu-midori.com/
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同社の「緑をつなぐ」プロジェクトの代表事例として紹介されている「ブランズタワー梅田North」「渋谷ソラスタ」は観ていないが、「東急プラザ表参道原宿」「世田谷中町プロジェクト」「東京ポートシティ竹芝」は素晴らしい。
「渋谷ソラスタ」に隣接して建設される鉄骨・木造のハイブリッド13階建て「(仮称)道玄坂一丁目計画」の竣工は来年だ。デベロッパーの「木」の取り組み競争が激化しているが、この種の競争はどんどんやってほしい。

「世田谷中町プロジェクト」

「東京ポートシティ竹芝」
基準地価コメント 企業の枠超え持続可能な都市づくり目指す 三菱地所・吉田淳一社長
令和3年 都道府県地価調査は、全国全用途で昨年に引き続き下落となったが、その下落率は縮小した。住宅地の下落率も縮小しており、商業地においては、国内外からの集客増加による店舗・ホテル需要等で上昇していた地域では回復の遅れがみられる一方、都市中心部におけるオフィスの安定的な需要を受け、三大都市圏の商業地は9年連続の上昇となっている。今後も引き続きコロナ禍を契機に加速した人々のワークスタイルやライフスタイルの変化に寄り添いながら、コロナ収束後を見据えて事業を着実に進めていく。
オフィスは、「人が集まって作業をする場」から、「コミュニケーションを通じた社員同士の信頼関係を構築する場」「アイディアの創発を促すディスカッションや意思決定の場」へのシフトが進んでおり、新たなテナントニーズに応え た高付加価値のオフィスは需要が高い。東京駅前常盤橋プロジェクト「TOKYO TORCH」の一部である「常盤橋タワー」(2021年6月末竣工)では、非接触での入館やエレベーター手配、食堂における食事の注文や決済等々が可能になる就業者専用アプリを導入して就業者の利便性・快適性向上を図ったほか、共用スペースを活用した出会いやつながりを生み出す仕掛けを施しており、既に9割の企業が内定しているなど引き合いが強い。
また、多様な働き方を支えるワークプレイスの一つとして2018年より各地域と連携して進めている「ワーケーション事業」では、和歌山県・南紀白浜や長野県・軽井沢、静岡県の熱海や伊豆下田においてワーケーションオフィスを開業・運営している。
今後も、新たな価値を生み出すために必要な交流拠点、多様な働き方を支えるワークプレイスを提案していく。
住宅は、テレワーク活用に伴う郊外需要が高まる一方で、利便性の高い都心エリアの需要も継続している。室内の収納スペースをテレワークスペースに変更する「“work”in closet」や、共用部にワークスペースを設置した住宅など、ニーズを捉えた商品企画を推進しており、特に「ザ・パークハウス名古屋」や「ザ・パークハウス 自由が丘ディアナガーデン」などの販売が好調だ。
引き続き、オフィスや住宅などの垣根を超えた、多様なワークスタイル、ライフスタイルに対応する施策を提案していく。
なお、まちづくりを手掛ける当社では、DXで目指すまちづくりのビジョンを示した「三菱地所デジタルビジョン」を策定し、リアルとデジタルが一体となったまちづくりを推進している。DX を通じて一人ひとりの「個」のニーズに 合った快適なライフスタイルをサポートすることを可能にし、まちに関わる個々人がまちにある機能やサービス、商品等々を使い倒せるような仕組みを構築していく。
また、まちづくりにおいては、SDGsに関する各種施策も積極展開しており、例えば、丸の内エリアのビル18棟と横浜ランドマークタワーの計19棟の使用電力すべてをRE100対応の再生可能エネルギーに切り替えた。
丸の内エリア18棟のCO2削減量は約16万トンで、エリアにおける当社所有ビルCO2排出量の約8割に相当する。2022年度には、丸の内エリアにおけるすべての当社所有ビルで再エネ電力を導入し、その他エリアに おいても積極的に導入する。今後も、一企業の枠を超え、行政機関や地域の企業などと一体となって持続可能な都市の姿を示していきたい。
基準地価コメント 価値観やニーズの多様化に的確に対応 野村不動産・松尾大作社長
今回の地価調査は全国全用途で2年連続の下落となったが、下落幅は減少した。住宅地については全国平均で下落幅は縮小したほか、都心部および近郊の交通利便性の高い地域の引き続きの上昇や、昨年より上昇が見られる 地域の範囲拡大などもみられる。一方、東京圏および大阪圏の商業地については、新型コロナウイルス感染症の感染 拡大に伴う先行き不透明感から、概ね横ばいまたは下落に転じている。
住宅市場に関しては、テレワークをはじめ、「住まう」と「働く」の境界が薄まるなか、価値観やニーズの多様化がさらに顕著になっている。都心・駅前立地の新築物件や、交通・生活利便性に優れる物件の評価は依然高いことに加えて、間数・広さを求めての準都心や郊外物件の販売も好調であり、底堅い需要を感じている。また、中古売買についても、グループ会社における本年4月~6月の首都圏での成約件数が過去最高を記録するなど、コロナ禍を受けた住み替 え需要もまだ一巡したとは考えていない。総じて強い需要を感じる状況ではあるが、引き続き市場環境を注視しながら、多様化するニーズに対して幅広い選択肢で応えていく。
オフィス市場に関しては、エリアによって一時的な空室率上昇が見られるものの、今後は単なるテレワークの導入に留まらない働き方の変化が加速すると想定される。コミュニケーションを重視したオフィス空間への変更や本社機能のあり方変化、郊外拠点やシェアオフィス利用を増やすなど、企業のニーズも非常に多様化している。オフィスに集まる意義やオフィスが生み出す価値を見つめ直しながら、時間と場所を選ばない自由な働き方を実現する空間やサービスの提供を続けていく。
商業・ホテル市場に関しては、緊急事態宣言の影響もあり引き続き厳しい状況が続くことは想定しているものの、ワクチン普及などを含む消費経済活動再開への期待は高まっており、需要の回復を注視したい。
物流市場に関しては、eコマースの拡大などを踏まえ、旺盛な投資意欲が継続するものと想定する。
このように長引くコロナ禍は社会や人々の価値観に大きな影響を与え、不動産関連事業にも様々なニーズの変化をもたらしている。当社としては、グループ全体としてDXやサステナビリティの取り組みを強力に推進しながら、これまで同様、個人・法人に関わらずお客様に寄り添い、ニーズを的確に捉えた独創性の高い商品・サービスの提供を続ける。
地価調査は、不動産の取引動向や中期的な展望を反映したものであり、様々なマクロ指標と合わせて今後も重要指標のひとつとして注視していく。
「開発法」の具体的事例は把握せず 依頼者プレッシャーには触れず 鑑定協から回答
記者が日本不動産鑑定士協会連合会(鑑定協)に対して質問していた、不動産鑑定手法の一つである「開発法」や「依頼者(クライアント)プレッシャー」などについて、鑑定協から9月20日付で以下の通り回答があった。全文を紹介します。
1 開発法について
開発法は更地の評価にあたって適用される手法の一つで、原価法、取引事例比較法及び収益還元法の三手法の考え方を活用した手法とされます。
マンション分譲や土地分譲が最有効使用と判定される更地の評価において広く一般的に適用される手法です。
なお、具体的事例については、不動産鑑定士の守秘義務の関係もあり、連合会では把握しておりませんので、お答えしかねます。
2 鑑定評価の条件について
「不動産鑑定評価基準運用上の留意事項(国土交通省)」によれば、鑑定評価の条件設定の意義は以下のように示されています。
「鑑定評価に際しては、現実の用途及び権利の態様並びに地域要因及び個別的要因を所与として不動産の価格を求めることのみでは多様な不動産取引の実態に即応することができず、社会的な需要に応ずることができない場合があるので、条件設定の必要性が生じてくる。
条件の設定は、依頼目的に応じて対象不動産の内容を確定し(対象確定条件)、設定する地域要因若しくは個別的要因についての想定上の条件を明確にし、又は不動産鑑定士の通常の調査では事実の確認が困難な特定の価格形成要因について調査の範囲を明確にするもの(調査範囲等条件)である。したがって、条件設定は、鑑定評価の妥当する範囲及び鑑定評価を行った不動産鑑定士の責任の範囲を示すという意義を持つものである」
以上から、鑑定評価の条件設定は、依頼者の最大の利益を引き出す目的のものではないと理解されます。
3 社会的地位の向上について
当連合会では、さまざまな活動によって不動産鑑定士の社会的地位の向上に資するよう努めてまいります。引き続き、ご指導賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
回答は以上となります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
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記者の質問は以下の通り。
オリンピック選手村の鑑定評価に当たっては、都から依頼された日本不動産研究所が不動産鑑定手法の一つ「開発法」により評価額を地価公示のほぼ10の1の価格をはじき出しました。
一方で、この価格が「不当」として住民らが原告となって都知事に対し、「適正価格」との差額約1200億円の請求を事業者に求める裁判が行われております。
原告側は「適正価格」を算出するに当たって不動産鑑定士に依頼しています。裁判は結審し、年末には判決が出るものと思われます。
私は、原告と被告の不動産鑑定価格はともに瑕疵はないと思っており、都は都民に対して説明責任を果たしているかどうかの問題はさておき、被告側の不動産鑑定が法律的にも手続き的にも違法でないとすれば、被告が勝訴すると思っています。
しかし、言葉は悪いですが、前提条件次第で不動産鑑定価格はどうにでもなることが今回の裁判でも明らかになり、不動産鑑定のあり方が改めて問われることになると考えます。
そこで、お聞きします。
不動産鑑定のいわゆる三手法(原価法、収益還元法、取引事例比較法)と開発法の関係はどのように理解すればいいのでしょうか。私は原価法に近いのではないかと思っていますが。
これまで開発法手法によって鑑定評価された事例はどれくらいあるのでしょうか。具体的事例もお聞きしたいと思います。
前提条件次第で鑑定価格に大きな差が出るということは、貴連合会が問題視されている依頼者(クライアント)プレッシャーを生むことにつながっていると私は理解しますが、いっそのこと、不動産鑑定は、弁護士と同じようにそれぞれの依頼者の立場から最大の利益を引き出すようにしたほうが分かりやすいと思いますが、いかがでしょうか。分かりやすく言えばエージェントです。
不動産鑑定士の合格者の平均年齢は30歳を超えています。司法試験合格者は30歳を切っているはずです。大学を卒業してからとても難しい試験に合格するまで10年間も費やし、それに比して報酬額はとても低い。
私の知り合いは、大学を卒業してから数年後に資格を取得したのに、会社からはびた一文も出ない(宅建士は数万円の手当てを出す会社があります)と嘆いていました。不動産鑑定士の社会的地位の向上のために改革が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
以上、よろしくお願いいたします。参考までにこれまでのいくつかの記事を添付いたします。
またも平行線 「早く結審を」(被告)「議事録開示を」(原告)第8回選手村裁判(2020/1/18)
オリンピック選手村裁判 原告側桝本鑑定士の意見書は証拠価値なし 被告側が意見陳述
「HARUMI FLAG」 土地と建物の価格比率は調整区域並みの7:93 算定は妥当
オリンピック選手村住民訴訟も佳境に 原告、被告双方 相手を「著しく」非難
「晴海」坪250万円予想の根拠 「週刊文春」も裏付け 当初単価は244万円と報道
東京2020オリ・パラ選手村 敷地売却価格は地価公示の10分の1以下の?怪?(2016/8/4)
不動産鑑定のあり方が問われている 「士」を安売りすべきでない(2017/3/4)
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質問後にRBAのホームページにアップした記事は次の通り。
選手村裁判 開発法による鑑定手法が適法なら当初の坪単価250万円は妥当(2021/9/19)
選手村裁判 不可解な調査報告書は2つ&掘削工事の事実ない 原告の準備書面(2021/9/19)
選手村裁判が結審 「HARUMI FLAG」利益は消費者(購入者)に還元すべき(2021/9/9)
7/14以降の感染者 累計の半数占める 8月死亡者340人 うち男性66% 都のコロナ

東京都の新型コロナ感染者と死亡者をグラフと表にまとめた。
累計感染者は9月17日現在、370,544人となり、年代別では20代の106,909人が最多で、全感染者に占める割合は28.9%を占めている。以下、30代の73,374人(比率19.8%)、40代の58,685人(同15.8%)の順。人口10万人当たり感染者は2,677となっている。
累計感染者の男女比 男性56.0%:女性44.0%

男女別では男性が207,679人(比率56.0%)、女性が162,865人(同44.0%)。これを年代・男女別にみると、10歳未満は男51.7%:女48.3%、10代は男52.8%:女47.2%、20代が男53.3%:女46.7%、30代が男59.6%:女40.4%、40代は男61.2%:女38.8%、50代は男58.6%:女41.4%、60代は男58.9%:女41.1%、70代は男52.3%:女47.7%、80代は男41.4%:女58.6%、90歳以上は男27.2%:女72.8%となっている。
年代によって微妙に異なるのは、ジェンダー性差(格差)、就業形態、人口構成など複合的な要因が理由と思われる。
直近2か月で累計感染者のほぼ半数 デルタ株の脅威裏付け


累計感染者を若年層が激増し始めた今年7月14日以降とそれ以前では大きな差異がみられる。
これをデルタ株のbefore/afterとすると、7月14日から9月17日現在の感染者は187,593人で、それ以前は182,951人となっており、累計感染者の約半数がこの2か月間で感染したことになる。デルタ株が猛威を振るっていることが数字からもうかがえる。
年代では、20歳未満の感染者はbeforeの15,499人(比率8.5%)からafterの28,214人(比率15.0%)へ人数、比率とも大幅に増加している。20代もbefore の26.9%からafterは30.8%へ3.9ポイント上昇。このほか30代、40代も比率はそれぞれ1.4ポイント、0.7ポイント上昇している。
逆に、ワクチン接種効果だと思われる70歳以上のafterはbeforeから7.4ポイント減少し、人数は約9,800人減少している。同じように60代は半減し、50代も人数、比率ともafterは減少している。
累計死亡者は340人 男性65.6%:女性34.4%

8月の累計死亡者は340人(9月18日現在)で、男女別にみると男性223人(比率65.6%)で、女性は117人(比率34.4%)となっている。調査対象は異なるが、累計感染者の男女比は56.0%:44.0%だから、男性のほうが際立って多いことが分かる。
年代では80代の91人(比率26.8%)が最多で、以下、70代の63人(比率18.5%)、50代の57人(比率16.8)、60代の49人(比率14.4%)となっている。
年代別・男女別では、年代が低いほど男性の比率が高く、高齢者は比率が低くなっているが、これは感染者の男女比を考えると、高齢者もやはり男性のほうの死亡率は高いと言えそうだ。
この点について、厚労省のQ&A(2020年10月時点)では「新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人の割合や死亡する人の割合は年齢によって異なり、高齢者は高く、若者は低い傾向にあります。 重症化する割合や死亡する割合は以前と比べて低下しており、2020年6月以降に診断された人の中では、①重症化する人の割合は 約1.6%(50歳代以下で0.3%、60歳代以上で8.5%)②死亡する人の割合は 約1.0%(50歳代以下で0.06%、60歳代以上で5.7%)となっています。
新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち重症化しやすいのは、高齢者と基礎疾患のある方、一部の妊娠後期の方です。重症化のリスクとなる基礎疾患等には慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、 心血管疾患、肥満、喫煙があります」としている。
選手村裁判 開発法による鑑定手法が適法なら当初の坪単価250万円は妥当
今回の選手村裁判は、鑑定手法・前提条件が異なれば、価格はいかようにもなることが明らかになった。
東京地裁はどのような判決を下すかわからないが、仮に被告の東京都が勝訴すれば、日本不動産研究所が当初はじき出した用地の坪単価32万円(1種8万円=記者推定)による「HARUMI FLAG」の分譲坪単価250万円は極めて妥当な価格で、分譲価格に占める土地価格:建物価格の割合が7%:93%という調整区域か林地に建つマンション並みというのもまた納得できる。
そうなれば、原告側が「原告らの準備書面(15)」で主張する「広大な本件土地を時価の10分の1以下という水準で売却したということで、不動産鑑定制度の信頼性、土地の公正な価格水準を破壊するだけでなく、ひいては将来的には、不動産価格市場の安定性、公平性までもゆがめるものである」という懸念は拭い去れないが、ここでは開発法による今回の鑑定手法が適法ということを前提条件に原告側の桝本鑑定の問題点を指摘することにした。
当初の分譲単価250万円は極めて妥当
「原告ら準備書面(14)」では、「被告側調査価格の問題点」の一つに「販売価格が著しく低額である」とし、「被告側調査報告書ではそもそもマンションの販売(予想)価格について、8年後も含めて十分検討されておらず、70数万円(平米当たり)で想定されていたが(但し、板状棟)、実際の販売価格が平均価格で大体90万円(平米当たり)を超えており、これだけ販売価格が著しく低額であると、調査価格を押し下げることになる。タワー棟はまだ販売されていないが、同様に調査価格91万6,000円(平米当たり)は低過ぎると言わざるを得ない(原告桝本は120万円(平米当たり)と想定)」と述べている。
しかし、これは明らかに間違いだ。調査報告書が作成されたのは2016年であり、開発法手法が妥当とすれば、この手法によって導き出された坪32万円(1種当たり8万円=記者想定)から分譲単価を割り出すと70数万円(坪単価約250万円)は妥当な価格だ。記者はその時点で「アッパーで坪250万円くらいではないか」と書いたが、今でも記事は間違っていないと思う。
よって、販売価格は著しく低額とは言えない。実際の販売価格90万円(297万円)は、むしろ高いと思う。1種8万円という〝ただ同然の価格〟で土地を取得したのだから、それを分譲価格に反映させ、利益は購入者に還元すべきと考えているからだ。
タワー棟の調査価格91万6,000円(坪302万円)も極めて妥当な値段だと記者は考える。桝本鑑定士は120万円(坪396万円)を想定しているようだが、これは価格時点ではありえない単価設定だ。当時(2016年時点)で三井不動産レジデンシャルが分譲した「パークシティ中央湊」の坪単価は440万円だった。今年から分譲開始された勝どき駅前の再開発マンション「パークタワー勝どきミッド/サウス」でも坪単価は425万円だ。
不動産鑑定を否定する利益折半やるべきでない
さらに言うなら、小池都知事が「最終的な住宅分譲販売収入が当初の想定を1%以上上回った場合、増収分の半額を特定建築者が東京都に追納することで合意した」と2019年7月に発表した特別条項を適用するのは基本的に反対だ。利益折半などというのはやくざのやることだ。不動産鑑定制度を否定し、「開発法」を有名無実化するものでもある。
準備書面はまた、「桝本鑑定士の尋問に対する批判は考慮に値しないこと」の中で「販売単価について」も言及しており、「日本不動産研究所の予想販売価格は、実際の販売価格よりも1㎡当たり15~18万円、割合にすれば20%程実際の価格よりも安く算定していたということである。日本不動産研究所の調査報告は平成28年2月23日付(これは平成28年4月23日付の誤植=記者注)であり、HARUMI FLAGの価格が発表されたのは令和元年7月である。すなわち、日本不動産研究所は、わずか3年5か月後の販売価格について、実際の販売価格と2割もずれた価格を前提に計算していたのであり、この点について水戸部証人は何ら合理的な理由を述べていない」としている。
この指摘も当たらないと記者は思う。そもそもが「開発法」を用いた予想販売価格(鑑定価格)は、先に指摘したように価格時点つまり2016年4月の時点の価格をはじき出したものだ。土地代を1種8万円と想定すれば妥当な単価設定だ。
また、準備書面は「わずか3年5か月後の販売価格について…」としているが、バブル崩壊もリーマン・ショックも3.11も今回の新型コロナも同様だ。一寸先は闇のことなど誰も予測できない。調査報告書はそのような未来予測を含めて価格を算定したのではないのは明らかだ。
ただし、「水戸部証人は何ら合理的な理由を述べていない」というのはよくわからない。記者は民事訴訟のことなどさっぱりわからないが、当事者の原告、被告が嘘をついても罪には問われないはずで、証人も「嘘はつきません」と宣誓しなければ偽証罪に問われないのではないか。
水戸部証人は別の尋問で「覚えていない」を多発されたようだが、不動産鑑定士の資格をはく奪されるのではないかと心配し、金縛りにあって説明できなかったのか。これまた不思議だ。
選手村裁判が結審 「HARUMI FLAG」利益は消費者(購入者)に還元すべき(2021/9/9)
選手村裁判 不可解な調査報告書は2つ&掘削工事の事実ない 原告の準備書面

「晴海選手村土地投げ売りを正す会 第4回総会」(豊洲文化センターで)
昨日(9月18日)の午後6時30分から午後8時過ぎまで行われた「晴海選手村土地投げ売りを正す会 第4回総会」の取材を許可されたので、一部始終を取材した。総会には「正す会」会員と支援者ら約30人が参加した。
「正す会」の代表・中野幸則氏は「長い4年間の裁判の過程で事業の不当性を明らかにした一方で、行政訴訟の参加を足止めするような国や行政の姿がはっきりした。裁判の結果は予断を許さないが、都民の目から見た正しい司法の判断をしていただきたい。悪人をこのままほったらかすようなことはあってはならない。勝利を目指して頑張りましょう」と呼び掛けた。
事務局長の市川隆夫氏は「万々が一(われわれが)勝利した場合、相手も控訴するだろうから長生きしないといけない。負けた場合は、新しい証拠を提出しないといけないし、メディア対策を練らないといけない」などと語った。活動資金は残り7万円しかないことも明らかにした。
弁護団を代表して参加した千葉恵子氏は「(原告側が勝訴しても一銭も入らないのに)被告側の原告に対する批判は言えば言うほど自ら墓穴を掘り進んでいるのではないかと感じた」と一連の裁判を通じた率直な印象を述べた。
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まず、取材を許可していただいた「正す会」に感謝申し上げる。記者は用意されていたお菓子は頂かなかったが、参加費(資料代)500円をきちんと支払い、座るのもためらわれたので最後尾で立ちっぱなしで話を聞いた。
東京地裁裁判長宛ての「判決にあたっての要請」ハガキも資料封筒に入っていた。「都民に多大な損失を与え、違法・不当に開発業者に奉仕する都政の是正を願う」というフレーズをそのまま受け入れるわけにはいかないので返そうと思ったのだが、返し忘れた。
4年間で150万円しか弁護士報酬が払えず、活動資金は残り7万円しかない「正す会」の財政事情を考えると、これは84円の封書で返すのも失礼なので、カンパでもしようか。
一番の収穫は、被告の東京都(小池都知事)は日本不動産研究所(不動研)にわずか5か月の間に2度にわたり鑑定評価を依頼し、総額約1,810万円を支払っていることを原告側が「原告ら準備書面(15)」で明らかにしていることだ。(原告、被告とも「調査報告書」を鑑定評価書とみなしていないようにも受け取れるが、名称のいかんを問わず鑑定基準に基づいたものであるのは明らかだ。報酬額も半端でない)
「原告ら準備書面(15)」によると、都は平成27年9月25日付で日本不動産研究所と約993万円で委託契約を結び、不動研は同年11月30日を発行日とする「調査報告書」をまとめ、額は約110億円(坪27.1万円、価格時点11月1日)としている。(第1回目)
そして、都は平成28年2月23日付で不動研と約817万円で委託契約を結び、不動研は同年2月23日を発行日※とする「調査報告書」をまとめ、額は約130億円(坪31.9万円、価格時点4月1日)としている。(第2回目)
※これは明らかに誤植。2月23日に契約を結び、同日付で報告書をまとめられるはずがない。「4月23日」の誤りではないか。
それにしてもわずか5カ月の間に、前提条件は若干異なるにしろ、2度にわたって調査依頼する理由はなにか。(平成29年7月の都の住民の監査請求に対する監査報告でも第1回目の調査報告書の存在は明らかにされていない)
更に不可解なのは、被告側の水戸部証人は2回の調査委託があったことを認めたものの、第1回目の調査報告については「分からない」「よく覚えていない」を繰り返したことだ。
「原告ら準備書面(15)」には次のようにある。
淵脇(原告側弁護士) じゃあ、1回目は何だったんですか。(略)
水戸部証人 1回目…もうちょっとそこは私は、申し訳ないですけれども、よく覚えていません。
その後、関連する質問を淵脇氏は2度行っているが、水戸部証人は「いや、そこもちょっと覚えていません」「今頭の中にありません」「ちょっと前のほう(第1回目)、その評価額というものをちょっと覚えていないので」「個別のこういった案件の詳細については、部下にまかせているのはたしかなのでそこでちょっと覚えていません」を繰り返している。
不可解なのはまだある。関係者間では既知の事実であるはずのパシフィックコンサルタンツが平成25年9月に作成した報告書に記載されている110億円について、水戸部証人は額はもちろん、報告書の存在すら知らなかったと証言したことだ。淵脇氏と水戸部証人のやり取りには次のようにある。
淵脇 このパシフィックコンサルタンツ作成の「平成25年9月」の報告書、これをご覧になったことありますか。
水戸部証人 ありません。今回の裁判で初めて、こういうものがあるというのを知りました。
◇ ◆ ◇
この日、桝本不動産鑑定事務所・桝本行男氏も総会に出席されていた。桝本氏は「日本丸」のファンで、年間10回、もう50年も晴海ふ頭を訪れており、選手村の現地をよく知っているとのことだった。
「原告ら準備書面(14)」には、桝本氏は「特に掘削の必要のない地下駐車場を建築費増大の理由としていることは不合理である」とし、「そもそも掘削工事は行われていない」と証言したことが記述されている。
これが事実なら大問題だ。「HARUMI FLAG」のプロジェクトを発表したとき、事業者は駐車台数分(2,318台)を全て地下化すると発表した。裁判でも被告側はこれをコスト増大の理由の一つに挙げている。
桝本鑑定士の証言が事実かどうか、記者も現地見学を申し込んでみる。いま「HARUMI FLAG」の物件概要を確認した。建物は全て地下1階がある。住戸は2階以上だ。記者は地階に平置き駐車場が整備されると思っていたのだが、構造は機械式となっている。ピット式だと可能なのだろうが、地上部分は駐車スペースにならないのか。
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