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「アグレシオプラス西新井IV」(写真提供は同社、撮影はカメラマン・重松善樹氏)

 アグレ都市デザインが分譲中の戸建て「アグレシオプラス西新井IV」を見学した。分譲開始5カ月で全23戸のうち約半数が契約済み。順調な売れ行きを見せている。

 物件は、東武スカイツリーライン西新井駅から徒歩15分、足立区島根四丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)・近隣商業地域(同60%・同300%)に位置する全23戸。先着順で分譲中の住戸(8戸)の土地面積は70.05~82.24㎡、建物面積は98.12~125.85㎡、価格は4,180万~5,180万円。完成予定は2021年3月上旬~2021年6月中旬。構造は木造軸組工法3階建て。設計・施工はアグレ都市デザイン。今年1月から販売を開始しており、全棟完成前の建築中のプロジェクトであるが、これまでに約半数が契約済み。

 現地は、旧日光街道から一歩入った戸建て住宅街。モデルハウスは建物面積119.83㎡3階建て。1階はフリーウォールで仕切られた5.3帖と6.1帖の居室とトイレなど。2階が19.6帖のLDKと洗面・浴室、トイレ、3階が7.1帖と5.1帖の居室2室。

 主な基本性能・設備仕様は、防犯アルミ樹脂複合サッシ、Low-E複層ガラス、食洗機など。

 同社東京支店次長・平川正寿氏は、「販売は順調。当社は棟数だけで勝負せず、ミドル、アッパーミドルをメインターゲットにデザイン性と質にこだわっている。最近は完成するまでに完売する物件も多い」と語った。

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 同社の分譲戸建てを見学するのは2010年12月以来、実に10年振りだった。間隔が空いた理由はとくにないが、最近の業績がよく、供給戸数を伸ばしているので見学を申し込んだ。

 今回の物件は足立区の第一次取得層向けだが、実績からするとアッパーミドル向けの23区の西側、多摩エリアが多いので、また見学をお願いしレポートしたい。

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アグレ都市2021年3月期 売上高、利益とも過去最高更新 配当も前期末18円⇒42円へ(2021/5/6)

販売も好調 会社設立1年半で売上20億円 グレ都市デザイン(2010/12/14)

 明和地所は5月10日、2021年3月期決算を発表。売上高50,109百万円(前期比23.6%増)、営業利益3,626百万円(同121.3%増)、経常利益3,007百万円(同184.0%増)、純利益2,721百万円(同448.3%増)と大幅増収増益となった。

 主力の不動産販売事業は、新型コロナ対策としてマンションの引渡しを前期から当期に変更した住戸があったため830戸(前期比86戸増)、中古マンション69戸(前期比16戸増)の引渡しを行ったことなどから売上高は43,666百万円(前期比27.5%増)、セグメント利益は3,621百万円(同126.7%増)となった。

 2022年3月期業績予想は売上高52,100百万円、営業利益3,900百万円、経常利益3,100百万円、純利益2,600百万円を予想。2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」を適用するため、対前期増減率は記載していない。

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「ヴェレーナシティ西新井」

 大和地所レジデンスが分譲中の「ヴェレーナシティ西新井」を見学した。グロス指向が極めて強い足立区で、駅から徒歩14分の駅距離ながら、販売開始5か月で全118戸のうち60戸弱を成約するなど好調な売れ行きを見せている。オープンエアリビング・ルーフバルコニー付きなど多彩なプランを用意した商品企画が光る。中広域からも集客できているのがそれを証明している。

 物件は、東武スカイツリーライン西新井駅から徒歩14分、足立区六月二丁目の第一種住居・第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率249.60%)に位置する10階建て全118戸。先着順の住戸(11戸)の専有面積は65.78~75.68㎡、価格は4,108万〜5,598万円(最多価格帯4,100万円台)、坪単価は210万円。竣工予定は2022年5月中旬。設計・監理は建築計画。施工は長谷工コーポレーション。

 昨年12月18日から販売を開始し、これまでに高額住戸を中心に半数近い60戸弱を成約。購入者は地元中心だが、高額住戸購入者は中広域から集客した顧客が目立つという。

 現地は、戸建てや低中層の公営住宅などが建ち並ぶ住宅街の一角。建物はTの字型で、標準階1フロア南向きが7戸、西向きが9戸。

 主な基本性能・設備仕様は、直床・二重天井、リビング天井高は2450~2600ミリ、御影石キッチンカウンター(人造大理石などとセレクト制)、食洗機、ミストサウナ、芯心1m廊下など。共用施設では、コワーキングラウンジ・スペース、キッズ&パーテールーム、ペアレンツサロン、デッキテラス、オーナーズパークなど。

 販売担当の同社営業第4部次長・山下文博氏は、「購入者の半分は地元の方ですが、中広域からも集客できており、オーブンエアリビング付きやルーフバルコニー付きの5,000万円を超えるタイプもよく売れています。『ここに住めばいい住宅に住める。駅距離は許容できる』という声もお客さんから聞かれます。来春の竣工までの完売が目標」などと語った。

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モデルルーム

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モデルルーム

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 取材の約束の時間まで1時間余りあったので、現地の道路を隔てて対面にある小公園のベンチに座り、缶コーヒーを飲みタバコを吸いながら(足立区の公園は禁煙になっていないようだ)、いつものようにマンションの坪単価と売れ行きを予測した。小生は事前に価格などをチェックしない。自分の目利き力を養うためだ。

 駅からは14分の表示だ。現地周辺は戸建てや低中層の公営住宅ばかりで、商業施設は少ない。土地代がただでも坪単価170万円以下はありえないとは考えたが、売れる価格としてはじき出したのはグロスで4,000万円、坪180万円だ。それでも年間40戸を売るのがやっとで、完売まで3年近くかかると予想した。

 これはあてずっぽうではない。確信がある。東武伊勢崎線は極めてグロス指向の強い沿線だ。今でも昭和57年分譲の日本ランディック「パークハイツ越谷」339戸を思い出す。質が高かったにもかかわらず、それが災いしさっぱり売れず、1戸当たり500万円も値引きせざるを得なかった。当時は2,500万円の厚い壁があった。東武鉄道から苦情をもらうのを覚悟して〝魔の伊勢崎線〟と書いた。

 いまもそれは変わらない。10年以上前になるが、駅近の東武鉄道「リライズガーデン」(738戸)は坪196万円と安かったが、完売まで数年かかったはずだ。最近の事例では、極めてレベルが高かった駅から徒歩9分の坪単価210万円のコスモスイニシア「イニシア西新井」(81戸)も竣工までに完売できなかった。

 大和地所レジデンスは2020年3月期の870戸に続き、2021年3月期の完成戸数898戸を3月の時点で完売したと発表した。「西新井」は来期物件だが、この期末完売記録は途絶えるのが必至だと結論づけた。

 しかし、記者の予想は見事に覆された。坪210万円(建築費を考えるとありえない単価ではないが)で、しかも、わずか5か月で半数近く売れるなどというのは信じられない。残り60戸を売るのは容易でないと思うが、山下氏は自信たっぷりだった。

 一つだけ言い訳。グロス4,000万円予想は当たらずとも遠からず。全118戸の平均専有面積は69.82㎡(21.2坪)。単純計算すれば坪210万円×21.2坪=4,452万円だが、これは同社の〝十八番〟オープンエアリビングタイプ13戸をはじめ、ルーフバルコニー付き10戸、角住戸タイプ17戸などの高額住戸が単価を引き上げており、それ以外は4,000万円台の前半に価格を抑えている。

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建設現地

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対面の喫煙可能の公園(利用者は1時間の間、記者のほかに老女2人と老犬1匹のみ。砂場は犬猫のフン害を防ぐためのネット)

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 「ここに住めばいい部屋(住宅)に住める。駅距離は許容できる」とお客さん自身が語ったそうだが、この言葉にすべてが言い尽くされている。難点をカバーして余りある商品企画がユーザーの心をとらえたといえる。

 専有面積71㎡のモデルルームがそれを象徴している。10.53㎡のオープンエアリビング、6.12㎡のテラス、30.58㎡の専用庭を合わせ100㎡超の居住空間を演出している。玄関ホール・廊下幅はオプションだが1.4mあった。また、ルーフバルコニー付きや角住戸は5,000万円を超えるが、これを見せられたら背伸びしてでも購入しようと考えるはずだ。

 設備仕様レベルも単価からすれば水準以上だ。この姿勢は立派だ。前段で2021年3月期完成戸数898戸を完売したことを紹介した。年間1,000戸近くを供給し、毎年のように完成在庫を出さないのは、そうした姿勢が消費者に評価されているのだろう。

天晴れ!大和地所レジ 仕入れの妙 商品企画にも生かす「赤羽北フロント」(2020/9/9)

東京都初の子育て支援認定マンション コスモスイニシア「西新井」竣工(2018/3/20)

駅前再開発の最終分譲 大京「西新井」好調スタート(2013/4/8)

 当欄の5月3日付「『屋外でマスク付けていても感染相次ぐ』西村大臣発言 具体的数値・事例示すべき」記事に補足を加え、以下のように修正する。当社のスタッフから参考になるテレビ番組の記事を紹介され読んだからだ。その番組では、屋外でマスクを付けてはいたが、車座になってジュースを飲み、会話を交わして感染した事例が報告されていた。

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 当初、メディア報道を聞いたとき、歩いていてもつまり空気感染も変異株はありうるのかと思ってしまった。

 出掛けるのは週に1度か2度の取材のほかは、散歩、図書館(現在は貸し出しのみ)くらいで、人と話すのもヤクルトファンの酒屋の親父と「西武どうした」「ヤクルト強いね」(現在、勝率は西武より上)などと一言二言、お互いの傷口に塩をすり込むか、なめあうことくらいしかやっていないので、高齢者&糖尿の記者はよけいに西村発言にショックを受けた。

 「屋外でマスクを付けていても感染する事例が相次いでいる」-屋外でマスクを付けていても、多くの人が車座になり、ジュース(あるいは酒)を飲んで会話するのは危険-というのは誰でもよくわかる。

 大臣はそのような事例を念頭に置いて発言したのだろうと善意に解釈することにしたが、やはり言葉足らずだった。具体例を話すべきだったし、メディアも質問して正確に伝えるべきだった。

 不正確だから誤解を生じる-これが今回の教訓だ。みんなストレスは極に達している。だからこそ政治家もメディアも事実に基づいて情報を発しないといけないということだ。

 もう一つ、今回の西村発言で記者なりに考えたのは、間接的な濃厚接触を徹底して避けることが大事ではないかということだ。

 家庭や職場、学校などでの濃厚接触は避けられない。しかし、これらの場でコロナは自然発生しないし、コウモリ説は根強いが犬や猫、ハエや蚊、肉や野菜などから感染した事例もないはずだ。感染源は間違いなく外にある。外から持ち込まれるコロナを入口で徹底して排除する以外はないということだ。

 昨年の今ごろ、WHOは感染者の1割くらいが無症状と発表したが、最近は3~4割くらいではないかと専門家はいう。自覚症状がないまま多くの人を感染させるというのはやはり怖い。これは変異株との関連もありそうだ。

 このことに関して、皆さんにもう一度注意を促したい。今年1月、都営地下鉄大江戸線の運転手間で39人ものクラスターが発生し、間引き運転をせざるを得なかった事例だ。

 東京新聞は「東京都営地下鉄大江戸線が昨年末から今月11日まで間引き運行した原因となった運転士間の新型コロナウイルスの集団感染が、共同利用する庁舎の洗面所の蛇口経由で広がった可能性が高いことが14日、都交通局への取材で分かった。手をかざすと自動的に水が流れるセンサー式ではなく、手で回すタイプの蛇口だった」と報じた。

 コロナ感染を防ぐための手洗いの蛇口が感染源だったとは。ここに悪魔的で狡猾なコロナの実態が垣間見える。

 これを発展的に考えると、電車などの吊革に触らない、座席に座らない、外ではトイレを使用しない、エレベータに乗らない、ドアは足で蹴る、名刺交換はしない…えっ、皆さんはすでに実践している? 

 記者はタバコがやめられず、アウシュビッツのガス室のような公衆喫煙所をたまに利用するが、これはやめていただきたい。誰もいない公園、路上では吸ってもいいようにしていただきたい。

 飲食はよくて、飲酒はだめと一律に要請するのも訳が分からない。酒が悪いのでは断じてない。飲む人が気を付ければ感染は防げるのではないか。こと細かに条件を付けて緩和措置を取るべきだろうと思う。ホテルの対策は涙が出るほど凄い。

 厚労省は「リスクが高まる5つの場面」の一つに「飲酒を伴う懇親会等」を挙げ、「飲酒の影響で気分が高揚すると同時に注意力が低下する。また、聴覚が鈍麻し、大きな声になりやすい。特に敷居などで区切られている狭い空間に、長時間、大人数が滞在すると、感染リスクが高まる。また、回し飲みや箸などの共用が感染のリスクを高める」としている。

 -まあ、これは身に覚えがある。酒で失敗した例は挙げればきりがない。帰りの電車がなくなるのはいいほうで、キャッチバーにつかまり十数万円の持ち金全部(帰りのタクシー代は勘弁してもらったが)を払わされたこと、街頭で〝女〟を買ってしまったこと、みんなと一緒に夜中の公園で大声を出して歌っていたら警官が駆けつけてきたこと(学生のとき、念のため)、銀座のど真ん中でお尻を出したこと、気が付いたら駅のベンチで寝ていたこと…しかし、飲まざるを得ない酒もある。彼女に捨てられ、一人寂しくやけ酒を飲み、滂沱の涙を流したことだって皆さんもあるはずだ。独りであるいは二人くらいで静かに飲む酒のどこが悪いのか。

 ファシズムは気が付かないうちにわれわれを蝕んでいくと誰かが言った。本当に敵はコロナなのか。

「屋外でマスク付けていても感染相次ぐ」西村大臣発言 具体的数値・事例示すべき(2021/5/3)

 東京カンテイが5月6日発表した「2020年 マンションPER」(首都圏版)について記者なりの感想を紹介する。

 「PER」とは、株の世界ではよく用いられる、株価が1株当たり利益の何倍まで買われているかを示す株価収益率(Price Earnings Ratio)のことで、それを新築マンションに当てはめ、マンション価格が同じ駅圏のマンション賃料の何年分に該当するかを求めた数値だ。

 レポートによると、2020年に分譲されたマンションの平均価格は7,743万円(70㎡換算=坪単価365万円)で、分譲マンションの平均賃料256,601円(同=坪賃料12,097円)の24.69(対象駅圏155駅)と高い水準を示した。首都圏平均よりマンションPERが高い駅圏は83駅に達しており、逆にPERが低い比較的割安であることを示す駅圏は周辺3県に点在する程度としている。

 もっともPERが高かったのは「学芸大学」の36.00。マンション価格は12,402万円(坪単価585万円)、マンション賃料は287,113円(坪賃料13,535円)だった。以下、「成城学園前」「飯田橋」「自由が丘」「荻窪」「外苑前」「参宮橋」「代々木上原」「神谷町」「東池袋」の順で「割高な駅」としている。

 一方で、もっともPERの低かったのは「志茂」の16.96で、マンション価格は5,181万円(坪単価244万円)、マンション賃料は254,616円(坪賃料12,003円)。以下、「八王子」「三郷中央」「稲毛海岸」「有明テニスの森」「国分寺」「相模大野」「戸塚」「千葉」「八千代緑が丘」の順で「割安な駅」となっている。

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 東京カンテイの調査能力には脱帽するほかない。分譲マンションの賃料も把握しているので、このようなレポートが出せる。「割高な駅」「割安な駅」は思い当たる物件もあり、なるほどと思う。

 実は記者も、もうずいぶん昔だが、分譲マンションの坪単価を駅圏ごとに定点観測したことがある。供給物件の多寡、駅からの距離、ターゲットなどによって変動するのは難点だが、おおよその相場を把握することができ、空白区などは〝穴場〟と考えていたものだ。

 ただ、マンションは基本的には投資商品ではないので、賃料と比較してPERをはじき出すようなことは考えも及ばなかったし、分譲マンションを賃貸に回した場合いくらの賃料になるかなど調べようもなかった。

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 「割高な駅」については、23区では軒並み坪単価は300万円以上となっているので高い数値を示すのは当然だ。ただ、同一駅圏の物件を比較し、「割高」「割安」とするのは比較的容易だが、駅圏そのものを「割高な駅」「割安な駅」とするのはいかがなものか。アルヒの「住みやすい街大賞」に「川口」が選ばれているのと同様だ。何を重視するかで街の評価は一変するはずで、「割高」「割安」を評価するのは投資家であり、ユーザーだ。価格は、物件数が多ければ平準化されるが、少ない場合はその物件特性がそのまま反映されることになり、賃料は面積が広くなるほど坪賃料は低くなるので、単純比較もできないのではないか。

 例えば、レポートでもっとも「割安な駅」とされている南北線「志茂」。駅周辺の1丁目や、赤羽駅に近い2丁目などはまずまずの住宅街を形成しているが、全体として道路は狭く、木密地域が多いエリアだ。4丁目、5丁目は工業系エリアで生活利便施設も乏しい。

 レポートの対象になっているのは、工場跡地の三菱地所他「オイコス赤羽志茂」や道路沿いの物件だろう。坪単価は230~270万円くらいか。安いといえば安いが、周辺の住環境はいいとは言えず、北本通りは交通量が多く騒音も相当だ。小生は評価を保留する。

 2018年~2019年の2年間もっともPERが低かった、わが京王相模原線「京王多摩センター」についても触れざるを得ない。

 PERは15.96だったので「志茂」より低い。「徒歩15分の大規模マンショの影響から価格の割安感が実態よりも過剰に示されている状況が依然として続いている」とレポートにはある。

 「徒歩15分の大規模マンション」はタカラレーベン「レーベン多摩センターBeaut」(240戸)だ。坪単価は170万円くらいだった。2018年に完成し、2020年春ころまでに完売している。

 物件を観ていない(取材を申し込んだが断られた)ので何とも言えないが、住環境は申し分ない。この物件の南側に、今から15年前に分譲された駅徒歩10分の扶桑レクセル「レクセル多摩センターマークレジデンス」(159戸)が建っている。記者は当時「驚きの〝旧価格〟」という見出し記事を書いた。

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 読者の皆さんは、この京王多摩センター駅圏のPERをどう思われるか。やはり株式相場でよく用いられている、同じ業種の銘柄と比較して割安を示す〝割り負け〟を借りれば、信じられないほど割り負けしていると記者は思う。タカラレーベンの物件は、多摩市ではなく八王子市が所在地で、駅から遠く坂が相当きついのでこのような単価になっているのだが、そうした特殊要因を考慮しても安すぎる。これまでも何度も書いたが、デベロッパーは多摩センターの魅力をきちんと伝えきれていないと八つ当たりしたくなる。

 多摩センターの魅力は、何といっても街並みが美しいことだ。駅から徒歩20分圏は完全歩者分離になっており、子どもが交通事故に遭う確率はほとんどゼロだ。緑のネットワークは隣駅の永山駅までつながっている。こんな街は全国どこを探しても見当たらないはずだ。

 街のポテンシャルを計る重要な指標と考える「ホテル・百貨店(大型商業施設)・文化の香り」も揃っている。

 駅を降りてから「パルテノン多摩」(現在は改装中)までの約400mの舗道はレンガタイル敷で、幅員は50mもある。舗道の両サイドにはクスノキの巨木が数十本植えられており、アダプト制度による恵泉女学園大学などの花壇が目を楽しませてくれる。その先には多摩中央公園、多摩市立グリーンライブセンターがあり、その緑量の多さに圧倒されるはずだ。特定外来種のオオキンケイギクが大繁殖しているのは気掛かりだが、絶滅危惧種のキンラン、ギンランも季節になると可憐な花を咲かせる。駅前の京王プラザホテルの和食「あしび」は安くておいしく、多摩市限定販売の日本酒「原峰のいずみ」も飲める。

 名誉か不名誉なのかわからないが、こんなわが多摩センターは2020年の「マンションPER」から消えた。昨年は駅から徒歩4分の山田建設「ミオカステーロ多摩センター」(26戸)が分譲されている。坪単価は260万円くらいのはずだ。そこで、東京カンテイに試算してもらった。

 同社市場調査部主任研究員・高橋雅之氏は「ミオカステーロ多摩センター」について、「まだ登録されていないため、精緻な数値は算出できませんが、当該駅の同じ駅勢圏での賃料相場は概ね18.5万円/70㎡ですので、マンションPERはだいたい23.85くらいとなります。今の価格高騰局面が始まる以前の2013年当時のマンションPERは20~22程度で、それに比べればだいぶ割高感が増してきてはいますが、2020年の首都圏での平均値(24.69)を下回っていますし、東京都下でも22以上や24以上を示す駅は珍しくなくなってきていますので、今の市況の下では賃料見合いで妥当な価格かと思われます」と答えてくれた。

 なるほど。しかし、多摩センター駅圏にはもうマンションの開発余地などほとんどない。「割安な駅」「割高な駅」にはランクされないはずだ。

 ついでに京王線の割り負けについてもう一つ。多摩ニュータウンと街づくりがよく似ている港北ニュータウンの積水ハウスのZEHマンション「センター北」(45戸)は坪単価334万円で人気になっている。一方で、免震でZEHの東京建物他「ブリリアタワー聖蹟桜ヶ丘 ブルーミングレジデンス」(520戸)は人気にはなっているが、坪単価は270万円だ。新宿から15分の調布でさえ坪単価は300万円台の半ばが壁になっている。

 皆さんはポテンシャルの違いと一笑に付すかもしれないが、どうしてこれほどの差がつくのか、記者はさっぱりわからない。これから書く、西新井駅から徒歩14分で、坪単価210万円の大和地所レジデンス「ヴェレーナシティ西新井」(118戸)は、分譲開始5か月で約半分が売れている。

爛漫の春 多摩川のそばZEH&免震 東京建物他「聖蹟桜ヶ丘」第1期は170戸(2021/4/4)

驚天動地 首都圏着工を上回る新規戸建て分譲 成約戸数!スタイルアクト調査(2021/2/19)

〝北千住に負けるな〟割り負け京王線の希少免震 日鉄興和不「つつじケ丘」(2020/1/9)

扶桑レクセルの驚きの〝旧価格〟マンション「多摩センター」(2006/12/21)

 アグレ都市デザインは5月6日、2021年3月期決算を発表。売上高20,485百万円(前期比12.8%増)、営業利益1,305百万円(同85.0%増)、経常利益1,137百万円(114.7%増)、純利益783百万円(同120.5%増)と大幅増収増益となった。売上高・各段階利益ともに過去最高値を更新した。

 主力の戸建販売事業では、自社ブランド「アグレシオ・シリーズ」322棟、土地分譲25区画(アセットソリューション事業4区画を含む)の引渡しを行った。

 期末配当は、3月12日公表の1株当たり38円から4円増配し、1株当たり42円(前期末は18円)とする予定。

 2022年3月期業績予想は、売上高23,779百万円(前期比16.1%増)、営業利益1,438百万円(同10.2%増)、経常利益1,211百万円(同6.5%増)、純利益823百万円(同5.1%増)としている。期末配当も44円と増配を予想している。

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 明日(5月7日)、同社の「アグレシオプラス西新井IV」(全23戸)を見学取材する予定だ。しっかり見学してレポートしたい。


 

 ひどい世の中になってきたものだ。西村経済再生相は一昨日、「屋外でマスクを付けていても感染が相次いでいる」と発言した。外に出るなということか。宣言前はタバコ2本を吸うためにコーヒー代に1,350円も払って京王プラザを利用したが、今はどこも酒、たばこは禁止。昨日は仕方なく、スーパーで缶ビールを買って、公園ベンチに座り、むき出しでは白い目で見られそうなのでビニール袋に入れて、本を読みながら飲んだ。西武ライオンズは負けが込み、ついに5位転落。取材は7日に2本、11日に1本のみ。

 やることがないから、わが業界紙の最新号を読んだ。これがまたひどい。記者のぼやきなど読みたくないだろうが、ざっと以下の通りだ。

 「住宅新報」の5月4日号Web版。面白そうな記事見出しをチェックした。トップは「春の繁忙期 首都圏賃貸住宅市場 コロナ転機、コア業務に注力 需要変化と顧客対応」だが、記者は賃貸住宅市場に興味はないのでスルー。もっとも興味があるマンション・開発分野は、独自取材によるニュースはなし。

 びっくりしたのは、「野村不HD 21年度売上高、利益とも過去最高 住宅と海外が業績をけん引」の記事だ。同社の2021年3月期はコロナの影響を受け減収減益たったのでフェイクニュースかと思ったら、なんと2022年3月期の予想記事だった。決算数字は遅行指標だから、次期決算予想について書くのは勝手だが、コロナがどうなるかわからない時点でこの種の記事を書くのはいかがなものか(同社は商業、ホテル事業の比率は高くないのは理解できるが)。まず事実から先に報じるべきだ。

 〝羊頭狗肉〟の極めつけは「ニュースが分かる! Q&A エリア別首都圏コンパクトM事情 高額化で供給エリア変動」だった。このところのコンパクトマンションの価格(坪単価)上昇について触れたものだが、自ら足で稼いだ情報(情報源は予想がつく)ではないので、真新しい具体的な動きについてはなにもなし。「先輩」と「後輩」のばかばかしい漫才で終始している。紙がもったいない。

 蛇足ながら、人の財布の中身を探りたいのは小生も同じ。「後輩」の方は足立区の40㎡のマンションを購入したそうだが、北千住はあるかどうか知らないが、坪単価は300万円以上だろうし、他のエリアでも坪280万円以下はありえない。「後輩」の方、貴殿の買ったマンションは3,600万~3,800万円くらいと予想したがどうだろう。記者なら、彼女が出来ても困らないようもっとポテンシャルの高いエリアを選ぶ。大きなお世話か。

 〝なるほど〟と思わせる記事もあった。「GW商戦に向け新商品相次ぐ スキップフロア、ニューノーマル対応を提案 富裕層向けや普及価格の大空間も」だ。セキスイハイムやパナソニックホームズが平屋商品を発売するのは時代のニーズに合っていると思う。大和ハウスの富裕層向け「希(まれ)」は、記者もオンラインで取材したが、同紙の記事はあっさりしたものだったのは意外な気がした。

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 4月26日付「週刊住宅」は、「水害より地震、物件価格に影響 分譲マンション約9%低下 倒壊への不安、8割以上に タワマン、弱点露呈」などと長ったらしい見出しの記事がトップだ。「災害リスクが分譲マンション価格にどのような影響を及ぼすか考察してみた」とあるので読んだが、中身は全くなし。ニッセイ基礎研究所や東京都の公表データをなぞっただけ。「考察」の使い方を間違っている。あとはプレス・リリースのオンパレード。現時点(5月4日)で5月3日号のWeb版はまだ掲載されていない。

 コロナが猛威を振るっているのに同調するのか、両紙にはそれでも業界紙かといいたい。情けない。独自・現場取材をしなくなったら記者じゃない。かくいう記者は先週、5件の現場取材記事を書いた。読み比べていただきたい。

 ついでに、不動産流通研究所のWeb「R.E.port」について。同紙は評論記事は少ないが、プレス・リリースはもちろん発表会・見学会の模様は過不足なく伝えている。小生の記事よりはるかにまとまっているものも少なくない。購読は無料だし、1週間遅れの新報や週刊住宅より業界の動きがよくわかる。「日刊不動産経済」は購読していないのでよくわからないが、独自取材記事もあるようだ。

 東京都の5月2日の新型コロナ感染者は879人となり、日曜日の感染者数としては1月24日の986人に次ぐ高い数値を示した(累計感染者数は141,005人、人口比で約1.0%)。変異株の影響か、10代の感染者が激増しているのが特徴で、2~3月では1日平均18人だったのが、4月以降は43人と2.4倍に増加、最近は連日のように60人を突破している。

 4月9日にまん延防止等重点措置が取られてから20日以上、4月25日の緊急事態宣言から1週間経過した。第一波のときは、5月3日(日)に93人と100人を切ってから5月17日(日)には5人まで減少し、7月2日(木)に107人を記録するまで約2か月間は2ケタにとどまっていた。今回の第四波はどのように推移するのか、目が離せない。11日の宣言解除まで8日間しかない。

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 メディアはこの日(5月2日)、西村康稔経済再生担当相が記者会見で「変異ウイルスの感染力の強さに注意を促し、『屋外でマスクを付けていても感染が確認される事例の報告が相次いでいる』と警戒を呼び掛けた」と報じた。

 記者は、この西村大臣の発言にショックを受けた。確かにゼロリスクはありえない。「杞憂」はもはや死語と化しつつある。車が歩道に突っ込み、時には空からも人や車が降り注ぐこともある。一寸先は闇、何でもありの時代だ。

 だが、しかし、屋外でマスクを付けていても感染する事例が相次いでいるというのは具体的にどのようなケースか、空気感染もありうるのか。

 この西村大臣発言と、厚労省の「新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、他の人に感染させているのは2割以下で、多くの人は他の人に感染させていないと考えられています。このため、感染防護なしに3密(密閉・密集・密接)の環境で多くの人と接するなどによって1人の感染者が何人もの人に感染させてしまうことがなければ、新型コロナウイルス感染症の流行を抑えることができます」(この日本語は分かりづらい=多くの感染者は他人に感染させる率は低いといいながら、すぐ打ち消して、1人の感染者が何人もの人に感染させるとはどういう意味か=新型コロナウイルス感染症の〝いま〟に関する11の知識)とはどこで整合するのか。

 そういえば、菅総理も第三波の緊急事態宣言を発令するとき「経路不明の大半は飲食関係とする専門家の知見がある」と発言した。しかし、「大半」はどの程度なのか説明はなかった。

 具体的数値・知見を示さず「相次ぐ」「大半」を語ったところで、コロナの嘲りに対する反撃にはならない。疑心暗鬼を招くだけだ。

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 記者がどうしても腑に落ちないのは、改正「特措法」「感染症法」が2月13日に施行され、保健婦を増強し、積極的疫学調査に力を入れているはずなのに一向に感染経路不明率が下がらないことだ。

 都の経路不明率は4月に入ってから5割を切ったのは1度もなく、逆に6割超は11日もあり、1日平均58.4%に達している。〝5割の壁〟は突破できていない。この5割超の不明者のうち「大半」は飲食関係なのか、「屋外でマスク付けていても感染」するのは本当か。

2日は879人 第四波突入 日曜としては1/24以来の高水準 東京都 新型コロナ感染者

 


 

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「Sumi-Ka+ №.3 空の稔」

 ポラスグループ中央住宅が分譲中の「Sumi-Ka+ №.3 空の稔」を見学した。共働き夫婦など小家族向けにターゲットに絞り込み、建物面積を80㎡に抑えることで価格もファミリー向けより500万円くらい低く設定し、プランも1LDKにするなど工夫を凝らしている。分譲戸建ての常識を覆す商品企画が注目される。

 物件は、新京成電鉄みのり台駅から徒歩7分、松戸市稔台7丁目の第二種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する子育てファミリー向けの「HITO-TO-KI」(14棟)と共働き夫婦向けの「Sumi-Ka+」(4棟)からなる全18棟。従前は社宅。現在分譲中の「Sumi-Ka+」(2戸)の土地面積は120.10~120.11㎡、建物面積79.49~83.63㎡、価格は3,780万円。構造は木造在来工法2階建て。施工はポラテック。建物は完成済み。

 現地は、分譲済みのファミリー向けの「HITO-TO-KI」との一体開発だが、「Sumi-Ka+」は東西軸が細長い敷地形状で、南西側の前面道路も4~5mしかなく、住宅も道路から約2.6mの擁壁の上に建っており、駅からほぼフラットで全面道路幅も10mの「HITO-TO-KI」と比べ立地条件はやや劣る。

 コンセプトは、「共働き夫婦2人の住処」「2~3人家族の住処」「Farst Stage家族」。住戸プランは、2階にグランピングバルコニーを設けたものも2戸あるが、残りの2戸はバルコニーが付いておらず、どちらかといえば外に閉じられたプランだ。小家族の居住を想定しているため、1階は広々としたLDKのほかは2ボウルのパウダールーム、浴室、トイレなどで、2階は寝室にもなるセカンドリビング、主寝室、SOHOルーム、室内物干しスペースなどとしているのが特徴。間取りは1~2LDK。

 設計を担当した同社不動産ソリューション事業部不動産開発部のプロジェクトリーダー・村田嵩胤氏は、「コロナ禍でチラシなど広告などを打っておらず、ホームページによる告知のみだが、コンセプトに共感を頂いている。この種のプランに対するニーズが存在することは同じプランの『浦和』でも経験済みで、他のエリアでの展開も考えている」と話した。

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住棟配置(右側がファミリー向け「HITO-TO-KI」)

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「HITO-TO-KI」

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 「Sumi-Ka+」は、従来の分譲戸建てのイメージ・概念の盲点をついた商品だ。これまでの分譲戸建てはほとんど100%子育てファミリーの入居を想定している2~3階建てで、間取りも4~5LDKというのが一般的だ。共働き夫婦二人向けなどは、郊外部でたまに供給される高齢者向け平屋建てくらいしかない。

 しかし、「Sumi-Ka+」はDINKS向けにターゲットを絞り込んだ商品のため、難点を逆手に取った大胆な提案を可能にしている。土地・建物面積を小さくする一方で、2人の豊かな居住空間を作り出し、価格は同じ道路付けの「HITO-TO-KI」と比べ500万円くらい低く抑えられている。

 こうした大胆な提案ができるのは、不動産ソリューション事業部の仲介部門からもたらされるお客さんの個別情報に基づくニーズがあることを把握しているからだろう。

 確かに、個人住宅ならともかく、ファミリー住宅で構成される中大規模住宅地では、コミュニティの輪に入っていけない世帯は少なくないのも事実だ。

 例えば、子どもが欲しくてもつくれない、あるいは子どもを欲しくない共働き世帯。そうした世帯にとって、親子が楽しそうに遊ぶ場面など見たくないかもしれない。老夫婦だってそうだ。3~4部屋などいらない。2階を物置にしている世帯も多い。

 意表を突いた商品企画ではあるが、潜在的なニーズは間違いなくある。記者は爆発的にヒットしても驚かない。わが国の世帯構成は、高齢化も背景にはあるが、「夫婦のみ」がどんどん増加し、ほぼ3分の1を占めている。

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モデルハウス1

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モデルハウス2

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造作ダイニングキッチン

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 価格が安いからといって、基本性能・設備仕様が低いわけではない。リビング天井高は2.7mだし、サッシ高も2.2mある。全棟造作ダイニングキッチン、防犯ガラス・電動シャッター付きだ。2ボウルの洗面室など普通の分譲戸建てにはないはずだ。見学した2戸にはトップライトもついていた。主寝室にはセカンドシンク&冷蔵庫を設けるなど細かな配慮も見られる。

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2ボウルパウダールーム

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下部は冷蔵庫置き場にもなるシンク

納得の即日完売 デザイン・設備仕様レベル高い ポラス「市川菅野」16棟

コミュニティ育む仕掛けに驚嘆 従来の常識覆す ポラス「Sumi-Ka 新故郷」

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「佇美の家~たびのいえ~市川・菅野」

 ポラスグループ・ポラスガーデンヒルズの分譲戸建て「佇美の家~たびのいえ~市川・菅野」を見学した。高級住宅街として知られる「市川菅野」に位置しており、2月13日の販売開始の時点で即日完売した。デザイン・設備仕様レベルが高く、納得の即日完売だ。

 物件は、京成本線菅野駅から徒歩7分(JR市川駅から徒歩15分)、市川市菅野三丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する開発面積約2,500㎡の全16棟。土地面積は104.60~110.50㎡、建物面積は95.43~108.90㎡、価格は5,790万~6,690万円。構造は木造在来工法2階建て。施工はポラテック。建物は完成済み。

 現地は、古くから別荘地として栄え、「東の鎌倉」として多くの文人などが住んだ「市川菅野」の高級住宅街に位置。良好な住宅地を形成するため、地区計画により最低敷地面積は110㎡以上と定められているエリアの一角。従前敷地はコインパークだが、以前は隣接する日出学園の敷地。

 建物外周にイロハモミジ、アオダモ、シマトネリコなどの中高木をふんだんに植え、自然石を採用した門柱、ベンチ、花壇、花台を設置しているのが特徴。樹木は有限会社田主丸緑地建設の協力を得て、九州のGreen Tankから取り寄せた山採り樹形が美しい樹木を選び、門柱は割肌仕上げのブラックの凝灰岩、植え込みの立ち上がり部分は「ランダムサイズ」「凹凸のある表情」がある天然石で仕上げている。

 各住棟は、和テイストの「趣」、非日常を提案した「彩」、食を楽しむ「心」を提案。天井化粧梁、突板フローリング、いぐさ畳、エコカラット壁、エンボス仕上げのキッチンカウンター、ミストサウナ、アルミ&樹脂複合サッシなどを装備。リビング天井高2.7m、サッシ高は2.2m。

 10月23日から予告広告を出し、2月13日の販売開始まで約380件の反響を集め最高5倍の倍率を集め即日完売。キャンセル住戸が1戸出たため、その後30件の上積みがあった。

 設計を担当した同社設計部企画設計課課長・工藤政希氏は、「営業と一体となった空間づくりを行ってきた成果。最近は外構、エクステリア、デザインに力を入れており、街づくりに磨きをかたい」などと語った。

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インテリアカラー:ブラックチェリー

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インテリアカラー:イタヤカエデ

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モデルハウス

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モデルハウス

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工藤氏

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 昨日記事にした「Sumi-Ka №.2 新故郷」(松戸市)にはインパクトの点で負けるが、即日完売は当然と思える出来栄えだ。添付した写真を見ていただきたい。敷地が100坪を優に超える周辺の邸宅にはかなわないが、きちんと街づくりを行っている。外構のカエデモミジなどの樹木は10m以上のものもあった。竣工の段階でここまでの高木を植えるデベロッパーは少ないはずだ。その緑を取り込む窓にも工夫を凝らしている。

 天然木のナラ、イタヤカエデ、ブラックチェリーの突板フローリングや、花壇、ベンチ、門柱などに自然石をふんだんに用いているのも目を引く。

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花壇

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門柱

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コミュニティ育む仕掛けに驚嘆従来の常識覆すポラス「Sumi-Ka 新故郷」(2021/5/1)

なぜ人気ポラス「船橋・北習志野」91戸潜在ニーズ引き出す「ヒーリング街区」①(2018/12/17)

なぜ人気ポラス「船橋・北習志野」在宅ワークも視野に「サードプレイス街区」②(2018/12/19)

 

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