ハウスドゥ 2021年6月期2Q 売上、利益とも過去最高を更新
ハウスドゥは2月10日、2021年6月期第2四半期決算を発表。売上高187億円(前年同期比29.1%増)、営業利益12億円(同135.3%増)、経常利益11億円(同157.6%増)、純利益7億円(同173.2%増)となった。主力のフランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、不動産売買事業などが伸長し、売上高、利益とも過去最高を更新した。
三菱地所 2021年3月期3Q 減収経常増益 通期業績予想を上方修正 増配へ
三菱地所は2月10日、2021年3月期第3四半期決算を発表。売上高7,778億円(前年同期比6.0%減)、営業利益1,394億円(同6.7%減)、経常利益1,394億円(同3.9%増)、純利益887億円(同2.5%増)となった。
分譲住宅事業は堅調で、3Qのモデルルーム来場者数は前年を上回る⽔準で推移し、完成在庫は期初の373戸から240戸へ減少。通期はほぼ前期並みの売り上げとなる見込み。
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同社は同日、通期業績予想を前回発表の11月11日から上方修正した。売上高は1兆2,000億円(前回予想比5.1%増)、営業利益2,170億円(同13.6%増)、経常利益2,050億円(同17.1%増)、純利益1,300億円(同18.2%増)となる見通し。営業利益の増加要因は、国内分譲マンション事業での販売好調、ビル賃貸事業でのコスト圧縮、国内外での物件売却益の増加など。
純利益の増加により、通期配当額を期初予想の25円から30円に5円増額する予定。
ケイアイスター 2021年3月期3Q 売上、利益とも過去最高 業績予想も上方修正 増配
ケイアイスター不動産は2月9日、2021年3月期第3四半期決算を発表。売上高1,098億円(前年同期比26.1%増)、営業利益82億円(同92.7%増)、経常利益82億円(同103.0%増)、純利益48億円(同94.0%増)と大幅増収増益。いずれも過去最高となった。
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同社は同日、好業績を受けて前回8月11日に公表した通期業績予想を修正。売上高1,480億円(前回予想比13.8%増)、営業利益118億円(同66.2%増)、経常利益116億円(同65.7%増)、純利益70億円(同66.7%増)とした。
期末配当も前回予想の44円から95円へ増配する予定。
飯田グループHD 2021年3Q 大幅増収増益 主力の戸建ては6社で35,746戸
飯田グループホールディングスは2月9日、2021年3月期第3四半期決算を発表。売上高1兆1,018億円(前年同期比13.7%増)、営業利益867億円(同32.9%増)、税引前利益848億円(同34.5%増)、純利益574億円(同34.1%増)となった。
主力の戸建分譲事業(土地売り含む)は35,746戸、売上高9,739億円(同14.2%増)、マンション分譲事業は1,183戸、549億円(同29.7%増)。
戸建事業のグループ会社別は次の通り。計上戸数、売上高(前年同期比増減)の順。
・一建設 9,834戸 2,591億円(同18.9%増)
・飯田産業 5,703戸 1,826億円(同 8.1%増)
・東栄住宅 3,978戸 1,309億円(同16.2%増)
・タクトホーム 3,791戸 1,091億円(同20.2%増)
・アーネストワン9,232戸 2,117億円(同10.5%増)
・アイディホーム3,201戸 801億円(同14.1%増)
三井不レジ・鹿島・清水「勝どき」第1期1・2次333戸完売/選好上位にワークスペース
「パークタワー勝どきミッド/サウス」
三井不動産レジデンシャル、鹿島建設、清水建設の3社は2月9日、勝どき駅直結の分譲マンション「パークタワー勝どきミッド/サウス」全2,786戸のうち第1期1次・2次333戸全戸に申し込みが入ったと発表した。
第1期1次(237戸)の来場総数は約1,900組で、登録申し込み期間は2020年11月20日~2020年11月28日、登録申し込み総数は約650件、最高27倍、平均約2.7倍。価格は7,260万~3億3,980万円、専有面積は55.80~153.05㎡。
第1期2次(96戸)の来場総数は約270組で、登録申し込み期間は2021年1月29日~2021年1月31日、登録申し込み総数は約310件、最高14倍、平均約3.2倍。価格は8,750万~2億3,310万円、専有面積は70.37~122.86㎡。
コワーキングスペース
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三井不動産レジデンシャルは同時に、「パークタワー勝どきミッド」第1期1次契約者(n=166)を対象にしたアンケート調査結果をまとめ発表した。
これによると、契約者の94%が、成約の理由として「勝どき駅直結」と回答したほか、「商業施設の利便性(28.9%)」、「三井不動産レジデンシャル、鹿島建設、清水建設の信頼性(27.1%)」が続いている。
契約世帯で働いている人のうち5割以上が引き続きリモートワークを実施するとしており、新型コロナウイルス感染拡大以前には契約者全体で合計9.0%だった「専有部内の書斎部屋等のワークスペース有無」、「共用施設内のワークスペースの有無」が、コロナ禍では合計30.1%に上昇していることも明らかになった。
契約世帯の約2世帯に1世帯の割合で子どもがおり、商業併設の利便性が成約理由になっている。
このほか、約8割がコワーキングスペースを始めとしたワークスペースを利用したいと回答。パーソナルユースに対応した共有設備に関しても約7割が利用したいと回答した。
三井不レジ・鹿島・清水「パークタワー勝どき」第1期1次は237戸 坪単価425万円(2020/11/18)
進化するポラスのコンパクト「三郷中央」 全戸にSC換気窓 8割に浴室窓
「ルピアシェリール三郷中央」(写真は現地以外すべて同社・塚本氏提供)
ポラスグループ中央住宅が分譲中のコンパクトマンション「ルピアシェリール三郷中央」を見学した。三郷中央駅から徒歩4分の全57戸で、坪単価約280万円(同駅圏最高値のはず)ながらこれまで20戸を成約するなど好調なスタートを切った。きめ細かなプラン提案が評価されているようだ。
物件は、つくばエクスプレス三郷中央駅から徒歩4分、三郷市中央三丁目の第1種住居地域に位置する12階建て全57戸。2月下旬に販売予定の第3期(戸数未定)の専有面積は32.03~38.41㎡、予定価格は2,400万円台~3,400万円台(最多価格帯3,000万円台)。坪単価は約280万円。竣工予定は2021年10月中旬。駐車場は平置き18台。施工は川村工営。販売代理は長谷工アーベスト。
昨年12月から分譲を開始しており、これまでに20戸を成約している。
現地は、敷地南側、東側、北側に接道。つくばエクスプレス線路に近接しているが、商業エリアから外れているので嫌悪施設や日照を疎外する建物などは周辺にない。
住戸プランは全戸南向きで、1フロア5戸構成。すべて30㎡台だが、間口はコンパクトにしては広い4.3~4.8m確保されている。
主な基本性能・設備仕様は二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、備え付け食器棚、シューズインクローク(SC)換気窓、浴室窓(全住戸の約8割)、キッチンかくれんBOX、リモートワーク用「イコイノ」(Aタイプメニュープラン)、ホスクリーン、埋め込み引手、アーチウォール(一部のみ)、ソフトクローズ機能付き引き戸、どこでもスピーカー、玄関鏡など。
同社マインドスクェア事業部マンションDv営業企画課・塚本雅美氏は、「三郷中央駅圏ではファミリータイプに次いで2棟目で、コンパクトマンションは3棟目です。コンパクトマンションでは初めてシューズインクロークに換気窓を設置したほか玄関鏡、キッチン食器棚、アーチウォール、どこでもスピーカーなどを設置し、リモートワーク用に約2帖台の『イコイノ』を提案するなど、より進化した設備仕様としたのが特徴です。来場者は30代から50代の女性が中心ですが、地縁のない方が多い。毎月約30組の来場がありますので、想定を上回る人気」と話している。
モデルルーム
リモートワーク用「イコイノ」
「イコイノ」壁面収納フック
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記者は三郷中央駅が開業した2005年から毎年10回くらい乗り降りしている。荒川の河川敷で行われるRBA野球の取材のためだ。戸建てやマンションの取材も結構してきた。戸建てはポラスが他社を圧倒している。これまで600棟くらい供給しているというから、マンション・戸建ての供給量ではポラスがナンバーワンではないか。マンションは、かつて人気になったマンションは駅前の大京「ザ・ライオンズ三郷中央」424戸などいくつかはあるが、苦戦する物件のほうがはるかに多い。
なぜか。これまでの物件の坪単価は200万円以下で、価格の安いのは魅力なのだが、駅前の生活利便施設が貧弱(失礼)なのが難点だ。タバコが吸える飲食店は一つもないはずだ。
なので、同社がコンパクトを分譲すると昨年聞いたときは、コンパクトなので単価は安くなるはずもなく苦戦は必至だとみていた。
ところがどうだ。坪単価約280万円(これは想定内)で分譲開始約2カ月半で20戸を成約し、しかも毎月約30件の来場があるというではないか。予想は大外れだ。
予想を外した理由は考えられなくもない。地縁のある人よりない人の方が多いということがすべてを物語っている。もともとコンパクトは、どこからお客さんが来場するか読めない部分がある。この物件はその典型例だ。
東京駅へ30分圏内という利便性、価格の安さ(都内のコンパクトは軒並み坪400万円以上になりつつある)、広さを求める顧客ニーズを記者はうっかりしていたということだ。
これだけではない。プランのよさだ。全住戸のシューズインクローク(SC)に換気窓と、8割の住戸の浴室に窓を設けたマンションなどファミリータイプも含めて記者は数えるほどしか知らない。コンパクトで5面、6面の採光・換気窓付きなどまずありえないプランだ。
まだある。「イコイノ」だ。壁面にレール付きの棚が設置されており、いろいろな小物などが置けるようになっていた。セレクトメニューだが、これをオプションで設置しようとすれば50万円はするのではないか。これまでリモートワーク用のスペースはかなり見てきたが、コスト・機能性はどこにも負けないはずだ。
このほか、塚本氏は浴室で音楽が聴けるどこでもスピーカーや電動歯ブラシが充電でき収納できる三面鏡をアピールしたが、これはよく分からない。評価を留保する。記者は風呂が好きではなく、入る前からとにかく早く出ることだけをいつも考えている。浴槽に入る習慣は冬場以外なく、浴槽に入ると眠ってしまい叩き起こされるまで気が付かない。記者にとってはスピーカーは無用の長物だ。電動歯ブラシも使ったことは一度もない。そんなにいいものか。
以上、くだくだと書いてきたが、コンパクトに注力しているデベロッパーの皆さんもこの物件のプランは参考になるはず。
ついでに問題提起を一つ。2021年の税制改正でローン控除対象を「50㎡以上」から「40㎡以上」に緩和したのはいいのだが、これは税の公平性から言って不公平だ。業界はなぜ40㎡で満足するのか、単身女性も男性もどうして立ち上がらないのか。記者はずっと前から居住用であれば30㎡に引き下げるべきだと主張してきた。Don’t Be Silent!
シューズインクローク換気窓(左)とキッチン窓
電動歯ブラシ置きスペース
現地
ポラス中央住宅 コンパクトマンション「南浦和」 順調な売れ行き(2020/10/16)
東急不動産 2021年3月期3Q 新型コロナの影響受け大幅減益
東急不動産は2月8日、2021年3月期第3四半期決算を発表。都市事業は投資家向けのビルなど売却収益の増加により増収増益となったものの、ウェルネス事業やハンズ事業を中心に新型コロナウイルス感染拡大による影響を受け、売上高5,926億円(前年同期比1.4%減)、営業利益301億円(同32.2%減)、経常利益230億円(同36.3%減)、純利益107億円(同48.5%減)と減収減益となった。
都市事業は、新規開業物件「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」が2020年9月に満室開業。空室率(オフィスビル・商業施設)は0.9%と引き続き低水準を維持している。住宅事業は、通期予想1,400億円に対する契約済み進捗率は93%と順調。
10年の活動を綴った「さくら茶屋物語」発刊 団地再生目指すすべての人に薦めたい
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記者もささやかながらクラウドファンディングに協力した「NPO法人さくら茶屋にししば」が発行した「コミュニティカフェ さくら茶屋物語 居場所は街を動かす」(発行:フェミックス)が届いた。
「さくら茶屋」がどのような活動を行ってきたかは添付した「住民主導のもう一つの『奇跡の街』 横浜・金沢文庫 西柴団地『さくら茶屋』」の記事を読んでいただきたい。
〝奇跡の街〟などと最大級の誉め言葉を使った街はこの20年間に4か所ある。山万「ユーカリが丘」、ポラス「パレットコート七光台」、入間市「ジョンソンタウン」と、そして3年前の今ごろ取材した「さくら茶屋」だ。あのときの感動がまざまざと蘇ってくる。
「記念本」には、当初予定では、活動開始10周年を記念したパーティのようなものだったのが、新型コロナを経験することで「こんな時代だからこそ…私たちの思いと経験を伝えるものにしないといけない」という結論に達したことが書かれている。
そして、クラウドファンディングによって258名もの賛同を得て、当初目標の100万円の2倍195万円超の寄付を集めて発行に至ったものだ。
巻末にはさくら茶屋の活動を支えている85人のボランティアの方々のアンケート調査結果も紹介されている。回答者83人の平均年齢は66.3歳だが、80歳代の10人と70歳代の38人で全体の58%を占める。男女比は分からないが、90人近い自由回答記述者は圧倒的に女性が多い。そのパワーに驚きを禁じ得ない。
この本が、団地再生を考えるすべての関係者の方々に読んでいただきたい。街を元気にするヒントがここにある。
「さくら茶屋物語」は四六判並製256ページ、定価本体1800円+税。連絡先は〒236-0017 横浜市金沢区西柴3-17-6 NPO法人さくら茶屋にししば 電話/FAX:045-516-8560 E-mail:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
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〝街の再生〟などという、明るい未来など描けない大きなテーマに取り組むのは骨の折れる仕事だ。できれば目をつぶり避けて通りたい。
しかし、土地神話を信じて疑わず、バブルの波に乗ってさんざん郊外住宅地をほめそやしてきた小生の心の奥底には自責の念が燠のようにくすぶり、あるいは澱のように沈殿し苛んできた。
そこで9年前だ。意を決して取材することを決めた。首都圏郊外のある住宅地だ。人口はほぼ半減し、55歳以上の人口比率が50%近くに達するなどほとんど限界集落に近い悲惨な状況にあることを知ったときは愕然とし暗澹たる気持ちになった。どっと疲れた。
その街の所在を明らかにすることの反動が怖く匿名にしたほどだ。記事は予想外の反響を呼んだ。アクセス数は数万件に達した。
国はいま、「住宅団地再生連絡会議」を立ち上げ、全国に数千か所あるといわれる団地の再生に取り組んでいる。前途は多難だと思うが、住民参加が欠かせないことを「さくら茶屋」の事例は教えている。
「記念本」に寄稿している早稲田大学社会科学総合学術院教授・卯月盛夫氏は、「従来のように税金のみで建設され運営されるコミュニティ施設に対して、さくら茶屋のように市民が企画、計画、建設、運営するコミュニティ施設の方が圧倒的にコストパフォーマンスが高く、加えて市民のコミュニティ意識を大きく向上させてきたことは、誰もが認めるところである」(219ページ)と述べている。
設立10周年 さくら茶屋が出版計画 クラウドファンディングで資金募集(2020/10/18)
鳩山NT活性化を「私自身がアート」藝大卒・菅沼朋香氏「ニュー喫茶 幻」開業(2019/3/23)
住民主導のもう一つの「奇跡の街」 横浜・金沢文庫 西柴団地「さくら茶屋」見学(2018/2/14)
「さくら茶屋にししば」など全国先進事例を報告 第2回「住宅団地再生連絡会議」(2018/1/23)
なぜ80年間も持続できたのか 奇跡の街 入間市の「ジョンソンタウン」を歩く(2017/10/16)
全国276団体が参加する「住宅団地再生連絡会議」設立 国土交通省(2017/1/31)
ポラス 〝奇跡の街〟野田市七光台に地域コミュニティ支援のカフェ オープン(2016/11/19)
70歳以上の比率は20%超続く 100歳以上も増加 都の新型コロナ感染者
敵もさるもの-東京都の新型コロナは緊急事態宣言発出からほぼ1か月が経過した。感染者は減少傾向にあり、政府が目指す1日当たり500人まであと1歩と迫ってはいるが、70歳以上の高齢者の感染者はそれほど減ってはおらず、全体の感染者に占める割合はむしろ上昇傾向にある。
グラフは1月以降の70歳以上の感染者の数と全体感染者に占める割合を示したものだ。1月5日に131人を記録すると、その後は100人を割る日は1日しかなく、期待するほどの数値になっていない。
感染比率も、昨年までは10%を切っていたが12日に12.2%となると、その後はどんどん上昇し、最近は20%前後で推移している。
100歳以上も1月半ばから連日のように感染しており、2月6日現在では男性12人、女性47人、累計59人に達した。
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コロナは押しなべて平等にわれわれを処するかと思っていたが、その逆だ。社会的弱者を容赦なくいたぶるつもりのようだ。コロナを貴殿か貴女か貴様かお前と呼ぶのかわからないが、惻隠の情はないのか憐みのいたわりの慰撫する気持など微塵もないのか。
高齢者の皆さん、こうなったら徹底して逃げて、逃げて、逃げて地の果てまで逃げ切ろうではないか。その先には何があるか、神か仏かあるいは地獄か。そんなことは知ったことではない。
多分80歳以上の人はご存じのはずの、われわれ団塊世代も意味だけは知っているはずの、そしてまたそれ以下の年代の人にとって死語と化したはずの〝欲しがりません勝つまでは〟が亡霊のように蘇ってきた-ン? われわれはいったい何を欲しているのか。
三井不の分譲事業 海外・投資向けがマンション・戸建てを抜く可能性大
三井不動産の2021年3月期第3四半期決算は増収減益となったが、分譲セグメントでは、海外住宅を含む投資家向けの売上高が前年同期比3倍増の2,769億円となり、分譲住宅の2,495億円を上回った。通期でも投資向けが初めて(※)分譲を上回る可能性が強まった。
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別表・グラフに過去14年度の同社の分譲住宅と投資向け物件の売上高推移を示した。分譲住宅は多少の変動はあるが、市場構造の変化を受け減少傾向にあるが、投資向けはここ数年増加傾向にある。2020年3月期は分譲住宅の2,686億円に対して、投資向けは2,554億円と132億円差に迫っている。
そして今期第3四半期決算では海外物件や、賃貸オフィス、物量、賃貸マンションなど投資向けが分譲を上回った。残り3か月でどうなるかは不明だが、分譲住宅の計上予定の進捗率は97%に達しており、通期でも投資向け物件の売り上げが分譲住宅を初めて上回ることがほぼ確定した。
※2007年3月期以前の決算数字は調べていないが、バブル期も含めて分譲住宅が投資向けより低かったというのはまずありえない
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記者は、最近のマンション市場は新型コロナの影響を受け供給量が激減し、低迷しているかのように伝えられているのは、表層的な一面でしかないと思っている。約6万戸の住宅着工戸数の半分しか供給されていないはずはない。
残りの約3万戸はどこにいったのかは謎だが、今回の三井不動産の決算発表でもわかるようにも、当初分譲予定の少なくない戸数が賃貸やリート市場などへ流れていると推測する。海外住宅も数値の変化に大きな影響を与えているはずだ。
一方で、三井不動産の投資向け物件はどのようなものか、取得する機関投資家などは何を基準に取得しているのか、外資はどう動くのか、活況を呈す株式市場との関連はあるのかどうか、新型コロナとの関連はどうなのか、リスクも少なくない分譲の質は置き去りにされるのか…誰か解明してほしい。
三井不2021年3月期3Q 増収減益 投資家向け分譲が前年同期比3倍増の2,769億円(2021/2/5)
首都圏マンション28年ぶり3万戸割れ それでも市場は低調ではない その逆だ(2021/1/31)