三井不動産 2021年3月期1Q(4~6月)新型コロナの影響受け経常利益40%減
三井不動産は8月6日、2021年3月期第1四半期決算を発表。売上高は4,070億円(前年同期比△4.7%減)、営業利益は368億円(同27.6%減)、経常利益は297億円(同39.8%減)、純利益は137億円(同58.5%減)となった。特別損失として118億円を計上した。
新型コロナウイルス感染拡大を受け、賃貸部門は首都圏オフィス空室率(単体)は2.1%と堅調に推移したものの商業施設などで影響を受け204億円減収、110億円減益、施設営業はホテル・リゾート施設を休館したことなどにより188億円減収、78億円減益、仲介件数は8,120件(前年同期比2,190件減)となった。
新築マンションの契約進捗率は当期計上予定戸数3,800戸に対して83%と堅調。完成在庫は326戸(2020年3月末は186戸)で、内訳はマンション260戸(同128戸)、戸建て66戸(同58戸)。
全体として業績は期初に公表した連結業績予想の想定の範囲内で推移しているとしている。
積水ハウス afterコロナの新コンセプトモデル発売 最大スパン1階7m 2階10m

1階の大空間
積水ハウスは8月4日、アフターコロナに対応したライフスタイル提案を盛り込んだ戸建住宅の新コンセプトモデル「ファミリースイートおうちプレミアム」を発売したと発表した。同日、オンライン記者発表会で発表した。同社の鉄骨戸建住宅、木造戸建住宅「シャーウッド」の全商品で展開する。
「ファミリースイートおうちプレミアム」は、「自分たちらしい暮らし」を望むミレニアル世代を主なターゲットに置いた商品で、仕切りのない大空間リビング「ファミリースイート」に、「在宅ワーク」「おうちでフィットネス」「うちdeバル」などを提案している。
高い耐震性と設計自由度、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)にも対応可能な優れた断熱性などの先進技術を採用することで、1階は最大幅5m、2.7mの天井高まで達する大開口と最大スパン7m、2階は最大スパン10mの柱や壁のない大空間「ファミリースイート」を実現した。
また、お客さま自身で「ファミリースイート」のプランを作成し、SNSで発信をしたり、360度ビューのVR作成を依頼したりするこができるWEBツール「おうちで幸せプランニング」を提供する。
「ファミリースイート」は2018年10月に販売開始し、これまで戸建て採用率が59%(2020年2〜7月)に達しているヒット商品。

2階大空間
◇ ◆ ◇
この種のafterコロナの「新しい生活様式」を提案する各社の商品が出そろったような気がする。同社の「うちdeバル」と「おうちで幸せプランニング」が他社にはない提案ではないか。
オンライン記者発表会で最初に登壇し、商品開発の背景などについて説明した同社住生活研究所長・河崎由美子氏にはまた〝目も彩〟な赤のスーツを期待したのだが、この日は濃紺たった。なるほど〝目も愛(藍)〟か。そんな質問をしたら顰蹙ものだろうと、沈黙を守った。

「うちdeバル」

「在宅ワーク」
積水ハウスが新商品 「LDK発想」から脱却 約30畳大の〝ファミリースイート〟提案(2018/10/4)
〝幸せ(人間愛)〟のさらなる追求に期待 積水ハウスがわが国初の「幸せ」研究所(2018/7/27)
三井不動産 近郊農業に本格参入 ワールドファームと新会社 将来的に3000haの圃場
三井不動産は8月3日、有限会社ワールドファーム(所在:茨城県つくば市、代表取締役・上野裕志氏)と共同で「三井不動産ワールドファーム株式会社(略称MFWF)」を設立し、8月1日から東京都心近郊地域での農業事業に本格的に参入したと発表した。
①生産・加工一体型の農業事業②集団農法による組織的・計画的な農業運営③加工・業務用野菜に生産を限定④テクノロジーを活用した高い生産性の確保⑤都心と近郊地域の人々によるイノベーション共創拠点の設置-などにより「持続可能なスマート農業事業」を展開していく。
また、多様な形で農業に参画できる就労環境を提供し、「農業」を通して都心と近郊地域の人々が交流し、知恵を出し合うことで、農業の更なる生産性向上、更には農業を基点に都心と近郊地域を繋ぐ新たな産業が創造されていく「都市」の形成を目指す。
2020年8〜9月に栃木県芳賀町と茨城県筑西市周辺エリアにて約6haの圃場運営を順次開始し、2021年春〜夏にはキャベツカット加工用の冷蔵工場の竣工、2023年春〜夏にホウレンソウやブロッコリーの冷凍加工工場の竣工、2025年(予定)に芳賀町と筑西市周辺エリアに約100ha程度に事業規模を拡大。将来的には大都市圏近郊地域に3,000haまで圃場を拡大していく予定。
新会社設立にあたりワールドファーム代表取締役・上野裕志氏は、「ワールドファームは、これまで『儲かる農業』を実践して参りました。三井不動産との提携により、事業をより加速させ、生産量や能力を『伸ばす・Increase』こと、そして世の中に活動を『広げる・Expand』ことが可能になります。これからも『若い力』」と『新たな需要創出』により、農業を振興することで地方を元気にし、日本の明るい未来を構築してまいりたい」とコメント。
三井不動産ワールドファームの代表取締役(三井不動産ベンチャー共創事業部兼任)に就任した岩崎宏文氏は、「「三井不動産は農業そのもののノウハウはないですが、これまで推進してきたオープンイノベーションを活用する共創事業の知見を活かし、儲かる農業を実践するワールドファームとタッグを組み、これら課題解決へと取り組んでまいります」とコメントしている。
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先週の7月28日には、三菱地所ほか6社が建築用木材の生産から流通、施工、販売まで川上から川下までを統合する新たな総合木材事業会社「MEC Industry」を設立し、10年後には売上高100億円を目指すと発表したばかりだ。
1週間後に、今度は三井不動産が近郊野菜を中心に農業事業に本格的に参入すると発表した。
生産性が低く、疲弊する一方の林業や農業に、わが国を代表するデベロッパー2社が相次いで参入するとは夢にも思わなかった。
三菱地所が目指す売上高100億円というのは林業としては大変な額だ。一方のMFWFも将来的には3,000haの圃場を拡大するという。この規模でどれくらいの売上高になるか、三井不動産は数値を公表していないが、何を作るかだろうが3,000haもあれば売上高は数十億円になるのではないか。これまた大変な数字に違いない。
型枠を内装デザイン化 30坪の平屋が1000万円 三菱地所 総合林業会社設立(2020/7/28)
三井不 社内ベンチャー企業 山梨とNZで生食用ぶどう生産 通年で〝旬〟を販売(2020/3/26)
三井不動産 〝ワクワクする〟発表会 ベンチャー共創に50億円投資(2016/2/24)
三井不動産 「フラワーロス」削減に貢献プロジェクト 5つのホテルで実施

「フラワー エール プロジェクト」
三井不動産と同社グループの三井不動産ホテルマネジメント、第一園芸が7月27日から開始したフラワーロス削減を目指す企画「フラワー エール プロジェクト」対象になっている「三井ガーデンホテル日本橋プレミア」を見学した。
すでに行っている赤十字寄付金付プラン、テレワーク応援プラン、ランナー応援プラン、銀座応援プランなどのキャンペーンに次ぐもので、プロジェクトでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、結婚式やイベントの延期や中止が相次ぎ、廃棄を余儀なくされる花が増える「フラワーロス」削減に貢献するのが目的。
第一園芸が「フラワーロス」に直面している花農家から生花を購入し、三井不動産ホテルマネジメントが運営する一部のホテル館内を地域の花でデコレーションする。
ホテル来訪者は実際にコーディネートされたフラワーアレンジメントを鑑賞できるほか、8月18日(火)からはプロジェクトの公式ホームページ(https://corp.gardenhotels.co.jp/campaign/flower-yell/)から同じ産地の花を使ったフラワーアイテムを購入することができる。
対象となるホテルは、「日本橋」のほか「三井ガーデンホテル六本木」「三井ガーデンホテル大阪プレミア」「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」「ホテル ザ セレスティン東京芝」の5つのホテル。
記者が見学した7月30日、「日本橋」のロビーなどにはプロジェクトのアジサイやトルコキキョウなどの生花がさりげなく飾られていた。

フロントカウンター
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生花を鑑賞しながら考えたのは、ホテルこそが万全の新型コロナ感染防止対策を取っているのではないかということだった。
三井不動産ホテルマネジメントは6月24日、新型コロナ対策強化を図るため、衛生管理や水、食品安全などのソリューションとサービスをグローバルに提供するECOLAB(エコラボ)協力のもと、「3密回避」「衛生管理」を徹底する「新オペレーションガイドライン」策定したと発表した。
「日本橋」を見学した翌日(7月31日)、野村不動産グループの野村不動産ホテルズとUHMもそれぞれ運営する「NOHGA HOTEL UENO TOKYO」「庭のホテル 東京」「東京グリーンホテル後楽園」に世界最大級の試験・検査・認証機関ビューローベリタスが定めた国際的基準を満たす施設に全世界共通で発行される「SAFEGUARD(セーフガード)ラベル」を日本国内のホテルとして初めて取得したと発表した。
記者は3月以降テレワークに突入。三密を回避するため街中で外食することをやめたが、きちんと対策を練っているホテルなら利用してもいいと思う。
参考までに、三井不動産グループが今年に入ってオープンした(一部予定)は次の通り。
・「三井ガーデンホテル六本木プレミア」(1月24日)
・「三井ガーデンホテル札幌ウエスト」(2月20日)
・「三井ガーデンホテル福岡中洲」(7月1日)
・「三井ガーデンホテル京都四条」増築棟(7月1日)
・「sequence MIYASHITA PARK」(8月1日)
・「sequence KYOTO GOJO」(8月7日)
・「MGH Mitsui Garden Hotel」(8月18日)
・「三井ガーデンホテル豊洲ベイサイドクロス」(8月10日)
・「フォーシーズンズ東京大手町」(9月1日)
・「三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺」(9月28日)
・「sequence SUIDOBASHI」(今秋)

ホテルロビー(この生花は対象外)
激減する利用者 激増する1人当たり占有面積 公園のあり方考える

「於玉ヶ池(おたまがいけ)」跡
皆さんは「於玉ヶ池(おたまがいけ)」をご存じか。小生は、十八番(とはいえ歌えるのは数曲)である三波春夫「大利根無情」の台詞に〝思い出すなぁ お玉が池の千葉道場か…〟とあるのでその名前だけは小さいころから知っていた。
1カ月前だ。都営新宿線岩本町駅から歩いて数分、マンションの取材に向かう途中だった。どこかにタバコが吸える場所はないかとうろついていたら、十人は下らない人が小さな公園にたむろしてタバコを吸っていた。仲間に加わろうとしたら、公園の名前は「お玉が池児童遊園」とあり、あちこちに〝禁煙〟〝隣近所が迷惑している〟のステッカーが貼ってあるではないか。
「お玉」と「千葉道場」に出会えてうれしくなると同時に〝禁煙〟を無視していいのかと咎めるもう一人の自分がいたが、〝みんな吸ってますよ〟との声に励まされて2本吸った。〝お玉、見逃してくれ〟
改正健康増進法とコロナ対策で喫煙者は世の中からはじき出されているが、ここは無法地帯だった。小生が喫煙者でなければ見逃していた異様な光景だった。
気になったので、あとで区役所に問い合わせた。区の説明によると、この児童遊園は2,000円の過料を科す条例の適用対象外になっているので〝黙認〟せざるを得ないということだった。
ウィキペディアによると、「於玉ヶ池」は「江戸期にあった池の近隣の茶屋にいた看板娘の名前『お玉』からとされる。『江戸名所図会』によると、あるとき『人がらも品形(しなかたち)もおなじさまなる男二人』が彼女に心を通わせ、悩んだお玉は池に身を投じ、亡骸(なきがら)は池の畔(ほとり)に葬られたとある。人々が彼女の死を哀れに思い、…この池を於玉ヶ池と呼ぶようになり、またお玉稲荷を建立して彼女の霊を慰めた」「北辰一刀流の道場『玄武館』があった場所として有名で、千葉周作は『お玉ヶ池の先生』と呼ばれた」とある。

〝禁煙〟〝ポイ捨て禁止〟マナーの注意書き
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ここに目黒区の「公園等利用実態調査報告書」がある。平成26年に調査したもので、施設数は125、総面積は約340,184㎡、平日の総利用者は5,370人、100㎡当たり利用者数は1.58人となっている。このうち2割近い21か所の公園・児童遊園の利用者は一人もいないと報告されている。
もちろん公園・緑地は利用価値だけでなく、存在すること自体に価値があるが、分かりやすくするために乱暴ではあるが利用価値を金額に置き換えてみた。目黒区内の地価公示の平均額は1㎡当たり127万円(坪418万円)だ。施設総面積を地価公示価格並みの金額に換算すると340,184×127=43,203,368万円となる。毎日5,370人が利用すると仮定すると、年間の利用者一人当たり利用金額は43,203,368÷(5,370×365)=約22万円となる。
目黒区は地価水準が高いからこのような数値になったが、額の大きさに驚かされる。
もう一つ、公園自体の利用者が激減しているデータを示そう。国土交通省の平成26年度「都市公園利用実態調査報告書」によると、規模が1か所平均0.3haと比較的小さい街区公園の平日の最大時在園者は昭和51年の63人から、平成26年は26人へと約6割も減少した。その他の近隣公園、運動公園、総合公園、広域公園、国営公園も23~54%減少。増加しているのは地区公園のみで、こちらは36%増加している。
当然のことながら、最大在園時の一人当たり占有面積は逆に増加しており、街区公園は42㎡から108㎡へと約2.6倍に増加している。
この理由を報告書では触れていないが、最大の理由は加速度的に進行している少子高齢化だろうと推測されるが、果たしてそれだけか。記者は、指定管理者制度の導入など維持管理費の削減と管理責任を回避する利用制限の強化もその一因だとみている。
一つ例示しよう。5年前に立川市のマンションを取材したときだ(別掲記事参照)。公園の周囲は鍵付きのフェンスで覆われており、開園するのは平日の9時から午後4時までで、土・日曜日は閉園するほか酒気、寝泊り、迷惑行為、ペットの放し飼いなどが禁止されていた。泥酔者による喧嘩等の不法行為が多数発生するようになり、連日昼夜を問わず大騒ぎの状況になり…たかりや恐かつとも思われる犯罪行為も発生したための規制だった。近くの保育園児はフェンスの中でハイハイをして遊んでいた。
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長々と公園での喫煙と利用者減、規制強化などについて書いたが、言いたいのは公園のあり方を行政任せにしないで、利用者のわれわれも積極的にかかわらなければならない時に来ているのではないかということだ。先日、トーセイの「相模原」のマンションを見学してつくづくそう思った。
東京ドームに換算すると約35個分の161haの公園面積を誇るわが多摩市の「多摩市みどりのあり方懇談会」(2013~2014年)の懇談会会長を務めた涌井史郎氏は、「多摩市には、多様な公園緑地がたくさんあります。市民ニーズを上手く反映しながら公園緑地の利用効用と存在効用の拡充を図るために、自分が積極的に関わって意見を言い、自らもそこに責任を果たしていく。こういう協働の関係性を、公園緑地を媒体にして作り上げていくことが、多摩市のみどりのルネッサンスではないかと考えます」と締めくくっている。
記者は民設民営を提案したい。公園利用者は劇的に増加するはずだ。

「お玉が池児童遊園」
老いも若きも愚者も賢者も…平等貫く新型コロナ/自死したはずのセミが生き返った

pdfはこちら 高齢者.pdf

新型コロナの爆発的な感染が止まらない。東京都の8月1日の感染者は472人となり3日連続して過去最多を更新した。20代女性は前日の83人から87人へ増え過去最多となり、20代男性も前日の129人と同数の過去最多タイ。感染経路不明者は前日の289人を上回る305人(不明率64.6%)となり過去最多を更新した。
厚生労働省のデータによると、全国の感染者は8月1日現在35,836人で、死亡者は1,011名となっている。
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気になる高齢者の感染もじわじわと増加している。7月の半ばまでは70歳以上の感染者は10人を下回る日が多かったが、15日に10人を記録すると、その後はほとんど10人を超え、20人台に乗った日も3日ある。
新型コロナは老いも若きも、愚者も賢者も、富める者も貧しき者も、生きとし生けるもの、差別など全くせずあまねく平等・公平に降り注ぐ。〝夜の街〟などと差別を助長し分断を図ろうとしているのはわれわれだ。
触らぬ神に祟りなしというではないか。先日も書いた。高齢者の皆さん、逃げて逃げて逃げまくろうではないか。外に出てもタバコは吸えず、小池さんは酒も控えろというではないか。
ここまで書いて、先の〝逃げて逃げて逃げまくれ〟の記事のアクセス数を調べたら、わずか100件強しかなかった。2年前、丸の内の「逃亡犬」に〝逃げて逃げて逃げまくれ〟と書いた記事のアクセス数は何と3,335件もあるではないか。小生の声は逃亡犬には届くのに高齢者には全然届かない。これはどうしたことだ。
RBAの読者の皆さん、小生は一人でも多くの人が生き延びられるようにと連日コロナの記事を発信している。どなたでもいい。「#(ハッシュタグ)」をつけて記事を拡散していただけないか。
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昨日(8月1日)わが家のベランダで〝自死〟したはずのセミが生き返り、この日(8月2日)しばし休息したのち何もしゃべらず飛び去った。〝自死〟というのは小生の早合点で、あるいは単なる休息だったのか、死んだふりをして夢でも見ていたのかもしれないが、何はともあれ目出度しめでたし。
それにしてもセミが死んだり休息したりするときは必ず仰向けだ。なぜか。
⇒詳しい人がいるもんだ。ネットで調べたら、セミは飛翔コントロールが悪く(西武の投手と一緒)、落ちると重い背中側から落ちるそうで、コンクリなどでは起き上がれず死に至るとあった。
なるほど。今朝も寝転がって足をバタバタしているのをかみさんが割りばしで起こしてやったから飛び立ったのか。小生は砂糖水(死に水ではない)を添えてやったが、全然飲まなかった。挨拶くらいしろよ。

before(前日) after(今日)のセミ
都の新型コロナ感染者463人2日連続して過去最多更新20~30代で72%(2020/8/1)
野村不 多様なニーズに対応する「DOMA-STYLE」×「つながROOM」開発
野村不動産は7月31日、多様なニーズに対応する間取り提案「DOMA-STYLE(ドマスタイル)」×「つながROOM」を開発、近く分譲する「プラウド湘南藤沢ガーデン」に導入すると発表した。
「DOMA-STYLE」×「つながROOM」は、同社の入居者向けアンケート調査から生まれたアイデア。「玄関まわりのスペースが狭くて不便」という悩みに対して、専有面積に占める玄関スペースの割合を通常よりも高めることで多用途に使用できる土間スペース「DOMA-STYLE」を実現。
また、「ライフスタイルや家族の成長に合わせた間取り」という希望に対して、その時々のニーズに合わせて「子供部屋コーディネート」「仕事部屋コーディネート」など自由自在に用途を変えられる空間「つながROOM」を開発した。
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この種の提案は、マンションも分譲戸建ても必須条件になる。最近取材した事例ではコスモスイニシア「日暮里テラス」の提案が秀逸だった。
野村不動産も10年前に分譲した「中野ツインマークタワー」で、「土間」スペースと「LDK」などを緩やかにつなぐ「ライフガレージスペース」を提案したことがある。

「Doma(土間)」とLDK一体化 コスモスイニシア「日暮里テラス」企画秀逸(2020/6/26)
都の新型コロナ感染者463人 2日連続して過去最多更新 20~30代で72%

pdf 東京都 新型コロナ 月日別・年代別・男女別 感染者の推移.pdf
7月31日の東京都の新型コロナ感染者は463人となり、前日の367人に続いて2日連続で過去最多を更新した。うち289人が経路不明者で、こちらも7月23日の225人を上回る過去最多となった。
年代・性別では、20代男性が129人となり、これまでの最多だった7月10日の89人を大幅に上回り、20代女性は前日の72人から83人へ2日連続して過去最多を更新。30代男性はこれまで最多だった7月23日の56人を上回り、過去最多となった。20~30代で332人となり、全体の71.7%を占めた。
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昨日、「セミが元気」と書いた。そのセミかどうかは分からないが、ベランダで〝自死〟していた。そんなに傷つけるような記事ではなかったはずだが…。そういえば今日は音なしの西武打線と遺書(一緒と書いたつもりがなぜ遺書になるのか、パソコンまで馬鹿にするのか)静かだ。

ベランダで〝自死〟していたセミ
地域との親和性重視したランドプラン優れる トーセイ「相模原」竣工完売

「THEパームス相模原パークブライティア」(大通りに面した北西側)
トーセイが竣工完売した「THEパームス相模原パークブライティア」を見学した。スーパーを併設したJR相模原駅圏最大級の全243戸で、地域との親和性に配慮したランドプランが優れている。
物件は、JR横浜線相模原駅から徒歩5分、相模原市中央区相模原三丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率500%)に位置する敷地面積約4,301㎡の15階建て243戸。専有面積は57.68~75.75㎡、坪単価は175万円。建物は2020年2月末に竣工済み。デザイン監修は南條設計室。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
2018年秋から分譲開始し、キャンセル住戸は発生したがほぼ3月末までに完売。5月に引き渡しも完了した。来場者は約1,000組、歩留まり率は約25%にのぼった。市内の購入者属性は、市内居住者が約7割で、勤務先は市内が約5割、60歳以上の高齢者が2割強。キャッシュでの購入も目立ったという。
現地は、車道・歩道合わせ幅員25メートルのさがみ夢大通りに面したスーパーの跡地。建物は1~2階にスーパー・店舗を配置し、スーパーの利用者の利便性と、地域との親和性を高めるためメインストリート・スーパーに面したもっとも条件のいいエリアに約270㎡の提供公園を設置し、2層吹き抜けエントランス-ライブラリー・フォレストラウンジ-隣地の緑へとつなげる〝グリーンチェイン〟を実現した。
共用部にはゲストルーム、パーティルーム、ライブラリーラウンジ、キッズルーム、スタディルーム、エアリーテラスなどを設置。住戸プランは70㎡台の角住戸を除きすべて57~68㎡台の南東向き2LDK~3LDK。
プロジェクトを主導した同社アセットソリューション第3本部第1事業部サブマネージャー・上野裕二氏は、「戸数は当社物件では過去最大。他社マンションや戸建てとの差別化を図るため共用施設を充実させたのが、広域集客ができ、歩留まり率の高さ、60歳以上の購入比率、キャッシュで買われる方の多さにつながった。プランニングでは、これまで植栽が充実したマンションの販売を担当しており、今回もデザイン監修に南條洋雄氏を起用。隣地の緑の借景と敷地内の緑のつながりを重視したランドプランにした。生垣・中高木は雑木林をイメージし混植にした。高木は私自身が川口の造園業者さんに足を運んで選んだもの。機械式駐車場の外観は敢えてデザインに取り込んだ」と語った。

南東側

エントランス
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横浜線沿線には大企業の工場・研究所などが多く、以前からマンション需要が旺盛だが、他の沿線と連絡する新横浜、長津田、町田、橋本を除き戸建てとの競合もあり、単価的には坪200万円の壁が厚く、数年前には坪150万円を割る物件も分譲されるなどグロス志向の強い沿線だ。
同社のマンションはもう少し強気の価格設定も可能だと思ったが、当時、他社物件との競合もあり、冒険はしたくなかったのだろう。坪175万円はリーズナブルな価格ではないか。
優れているのはランドスケープデザインだ。隣地のソメイヨシノの大木などの借景と調和するよう敷地四囲に緑地帯(歩道状空地)を巡らせ、提供公園(公開空地)と合わせ緑をふんだんに盛り込んでいる。記者が見たところ、メインストリートにはイチョウの街路樹や植え込み以外、緑を配した建築物はほとんどないので、異彩を放っていた。
緑地帯、提供公園は市の建築基準条例に基づいて整備されたものだろうが、メインストリートに面して約270㎡の公園を配するなど、総合設計制度に適合した建築物以外ではまず常識的には考えられない。過去に事例がないか記憶を手繰り寄せたが、一つも思い浮かばなかった(住居系立地はかなりあるが)。
この点について、上野氏は「提供公園は市に譲地するから計画に不要な場所(建築計画の影響の少ない場所)を譲地するのがセオリー。最も良い場所を購入者が得るべきというのが業界の常識なので、社内でも賛否両論があった。施工の長谷工さん、南條設計室とも何度も検討を重ね実現した」と経緯を語った。
取材後、併設されているスーパーで昼食代わりに缶ビールを買い、提供公園のベンチに腰掛けて飲んだが、公園-2層吹き抜けのエントランスラウンジ-隣地まで数十メートルにわたる緑が見渡せた。商業エリアのマンションこそ、このような地域との親和性を重視すべきだとつくづく思った。市も「この公園はマンション事業者から提供されたものです」くらいの銘板を設置していいのではないか。

植栽

提供公園
連日更新される「過去最多」に意味はあるのか 都の新型コロナ感染者367人

連日のように更新されるので「過去最多」の見出しにいかほどの値打ちがあるか分からないが、東京都の新型コロナの感染者は7月30日、これまで最多だった7月23日の366人を一人上回る367人となり、過去最多を記録した。うち感染経路不明者は204人(不明率55.6%)で、こちらは7月23日の225人に次ぐ多さだった。
年代・性別で過去最多となったのは次の通り。( )内はそれまでの過去最多。
・20代男女147人(7月17日147人)
・20代女性 72人(7月16日68人)
・30代女性39人(7月23日、7月24日37人)
・40代男女53人(7月23日51人)
・40代男性37人(4月11日、7月25日34人)
70歳以上の高齢者の感染も7月に入って増加傾向にあるが、20人以下に収まっており、中野江古田病院の院内感染が判明した4月12日の73人のような数値になっていないのが唯一の救いか。
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いま一つ焦点が定かでなく、愁いを含んでいるのか慈愛のまなざしなのか、それとも蔑みの視線かは読み取れなかったが、メジロとは逆の目の周りが黒く縁取りされた小池都知事の口から〝日常〟とほぼ同義語の〝特別(警報)〟なる言葉が飛び出したのをテレビで観て、これがwith&afterコロナだと覚悟を決めた。
そしてこの日(7月31日)取材から帰り、この記事を書こうとしたら31日の感染者は463人になったとテレビが報じた。
街も人も元気がない分だけ今年のセミはやけに元気だ。〝そらみたか〟と聞こえてならない。セミにまで馬鹿にされたか。
新型コロナ感染者・感染率(7月28日現在)上位10都道府県の感染者で全体の86%(2020/7/29)
https://www.rbayakyu.jp/rbay-kodawari/item/5571-7-28-10-86


