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「subaCO(スバコ)」完成予想図

 東急不動産は9月3日、同社が事業参画している神宮前六丁目地区市街地再開発事業着手までの期間限定でエリア内の既存建物を活用し、誰でも気軽に立ち寄れる街の情報発信拠点・地域の交流スペース「subaCO(スバコ)」を9月7日(金)に開設すると発表した。

 同社は、これまでも再開発エリア内における建物有効活用とエリアの賑わい創出を目的に、路面リノベーション型期間限定情報発信スペース「Qʼs spot(キューズスポット)」を展開している。

 今回の「subaCO(スバコ)」は、街の魅力向上につながる情報発信拠点として、地域の人々や来街者をはじめとする全ての人々に開かれた空間として、誰もが気軽に立ち寄れるコミュニティサロンを目指す。

 「subaCO(スバコ)」は東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅から徒歩1分、渋谷区神宮前六丁目31−21オリンピアアネックス1階、延床面積約100㎡。営業日は月、木~日曜日(13:00~18:00)。神宮前六丁目地区市街地再開発事業は敷地約3,000㎡。2022年に竣工予定。

 

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「デュオセーヌ国立」完成予想図

 フージャースケアデザインのシニア向け所有権付き分譲マンション「デュオセーヌ国立」と「デュオセーヌ豊田」の共通モデルルームを見学した。〝デュオセーヌ〟シリーズを見学するのは5件目だが、どんどん進化しているのを実感した。

 「国立」は、JR中央線国立駅から徒歩22分、国分寺市西町一丁目に位置する5階建て全228戸。専有面積は45.50~75.50㎡、第1期(50戸)の価格は2,998万~6,898万円。坪単価は260万円。管理費は53,510~81,620円。竣工予定は2019年10月下旬。

 「豊田」は、JR中央線豊田駅から徒歩17分、日野市旭が丘三丁目に位置する8階建て全118戸。現在分譲中の第2期(20戸)の専有面積は42.00~70.07㎡、価格は2,998万~5,398万円(最多価格帯3100万円台)。坪単価は240万円。管理費は53,130~88,640円。竣工予定は2019年7月中旬。

 双方に共通するのは、設計・監理・施工は長谷工コーポレーション、入居条件は満50歳以上、入居者1名増加につき追加ライフサービス費23,000円、食費は1日3食(朝食500円昼食800円夕食900円)30日/66,000円など。

 このほか、レストラン、大浴場、ゲストルーム、多目的室、カラオケルーム、健康相談室、内部内廊下などの共用施設も共通。

 モデルルームは72㎡のタイプ。玄関・クローゼットの広さは約3.5畳大と広く、廊下幅は芯心約1m、開口時のトイレの折れ戸幅は77cm、浴室の横引きドア幅は82cm、引き戸は全てソフトクローズ機能付き。

 「国立」は第1期の登録が始まったばかりで、「豊田」は6月から分譲が始まっており、これまでに30戸弱が申し込み済み。販売担当の同社シニア営業部課長代理・吉澤博氏は「都内初のシニア向けであるということが評価されている。『国立』はすごい反響で、月に100件の資料請求がある。どこまで登録が入るか楽しみ。『豊田』はバス停がすぐそば。30戸弱が申し込み済みなので、販売は順調に進んでいる。中古の成約事例は多くはないが、分譲時の価格と比べ概ね90~95%で推移しており、中には100%もある」と話している。

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 同社の「デュオセーヌ」シリーズを見学するのは「つくばみらい」150戸(2014年竣工)「柏の葉キャンパス」270戸(2017年竣工)「緑山」82戸(2016年竣工)「千葉ちはら台」208戸(2017年竣工)に続き5件目だ。

 充実している共用施設はもちろん、住戸プランがユニバーサルデザイン仕様になっているのがいい。同社だけでなく他のデベロッパーも一般的な分譲マンションにもぜひ取り入れてほしい。高齢者が使いやすいということは健常者や子どもにとっても便利なはずだし、ファミリー向けでも入居者の将来を考慮して商品化するのは当然ではないか。廊下幅を広げろとかトイレの位置やドア幅を考えろとずいぶん前から主張してきたが、まともに考えたのは扶桑レクセルくらいだった。積水ハウスはまずまず。

 もう一つは、やはり共用施設の維持管理費やサービスに伴う管理費が一般的な分譲やサ高住、賃貸マンションと比べ高いということだ。これを引き下げるため、戸数を増やせる条件の敷地を選び、賃貸やサ高住との選択制、さらにはファミリー型を併設し、施設は利用の都度課金するようにはならないかということだ。そうすれば価格を引き下げることができ、多様なニーズも取り込めると考えるのだが…そんなに甘くないか。

 似たようなものは皆無ではない。最近取材した旭化成ホームズのシニア向け賃貸「ヘーベルVillage」は参考になる。

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レストラン

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「国立」には武蔵野モダニズムをテーマにした一般の人も利用できる「欅ガーデン」が設置される。デザインを担当しているのは建築家・小野由記子氏とパンフレットに記載されていた。かつて、小野氏の分譲マンションのデザインにほれ込んだことがある。最近はケアデザインに力を注がれているようだ。どのようなガーデンになるのか興味が引かれる。

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欅ガーデン

ニッチからコアへ 旭化成ホームズ シニア向け賃貸「ヘーベルVillage」受注加速(2018/8/24)

新潟県最大級 シェアハウスを併設した326戸の複合賃貸竣工 大和ハウスほか(2018/8/24)

江古田の杜 コミュニティ施設に「Casita(カシータ)」のサニーテーブル(2017/12/12)

積水ハウス サ高住と子育て賃貸共存型の「神楽坂」完成(2015/4/27)

子育て住宅と高齢者住宅の複合賃貸 積水ハウス・積和不動産「マストライフ古河庭園」(2012/3/1)

 

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「子どもたちに希望と笑顔を贈るこすもす公園」(写真提供は藤井氏)

 ハウジングアンドコミュニティ財団は9月1日、平成29年度「地域・コミュニティ活動助成事業」の対象となった10団体の活動成果発表会&まちづくりNPO交流の集いを開催し、関係者ら約100名が参加、様々な社会課題を解決するのは経済価値では計れないコミュニティ活動の力であることを確認しあった。

 同財団は、住まいとコミュニティづくりに必要な施設の調査研究、技術開発、デザイン開発、政策提言や、これらの諸活動を支援することを目的に平成4年(1992年)に設立。理事長には大栗育夫氏(長谷工コーポレーション代表取締役会長)が就任。これまでNPOや市民活動団体に延べ378件の助成を行っている。平成30年度は全国40都道府県から166件の応募があり、合計20件が助成対象団体に選ばれている。

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 集いは、早稲田大学教授・卯月盛夫氏の「コミュニティ活動からの地域づくり-その新しい潮流」と題する基調講話から始まり、各団体が10分間プレゼンを行い、選考委員らがコメントする形で進められ、合計で約4時間にわたって行われた。

 ここで一つひとつ紹介するゆとりはない。記者がもっとも驚いたのは、震災後に自らの田んぼ(3,000㎡)を地域住民に開放し、「子どもたちに希望と笑顔を贈る(私設)こすもす公園整備活動」をしている岩手県釜石市の藤井了さん(72)の報告だった。まず、これから紹介する。

 藤井さん夫婦はその日、窓口が閉まる午後3時に着けるよう銀行に急いでいた。「グラッグラッと来た。これは大きい、きっと津波が襲ってくる、とっさに判断して逃げた。あと5分逃げ遅れていたら、この場で皆さんにこのような報告はできなかった」と切り出した。

 震災後、学校や公園などの広場はことごとく仮設住宅になった。遊び場さえも奪われた子どもたちのストレスが溜まっていることに心を痛めた藤井さんは「生かされた者として何かみんなのために貢献したい」と思い、自分の田んぼを子どもたちに開放することを決断した。震災前、田んぼにコスモスを植え、摘むのを自由にしていた経験がヒントになった。

 ボランティアなどのスタッフは5名。公園整備に当たっては、怪我のないよう、また耕作に影響を与えないようクギや石の使用は避け、木造チップを敷き詰め、パートスタッフが遊具の点検や草取りを入念に行った。

 様々なイベントや体験学習なども積極的に行った結果、年間の来園者は約5万人にのぼっている。

 藤井さんは「公園の維持管理には毎年約200万円かかる。震災後の7年間のうち5年間は民間の助成で運営してきた。わたしは元県の職員。県も(財政的に)大変なのがよくわかっている。だから(助成してとは)頭が下げられない」と話した。

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 都市公園に関する、とりわけ利用者側の視点に立ったデータは少ない。国土交通省の「平成26年度都市公園利用実態調査」では、全国53の2,500㎡が標準規模の街区公園の1日当たりの利用者数は約220人(年間約80,000万人)という数字があるが、人口約12万人の小金井市の小長久保公園(2,464㎡)は40人(同約14,600人)、三楽公園(3,473㎡)は144人(同約53,000人)というデータもある。

 釜石市の人口は約3.5万人だ。同市都市計画課管理係は「統計を取っていないので分からないが、その規模で年間5万人の来園者というのは他市も含めて極めて稀なケースではないか」と話している。

 都内でもっとも都市公園が充実していると言われる多摩市の公園緑地課担当者は「それはすごい。3,000㎡というのは街区公園の広さ。総合公園の多摩中央公園(98,500㎡)でも〝遊ぶ〟でくくったらそんなにないのではないか」と驚いていた。

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 記事を書き上げた今、胸にこみあげるものがある。震災は言語に絶する被害をもたらした。九死に一生を得たその被災者が「生かされた者として何か貢献できないか」とすぐに立ち上がり、子どもたちに希望と笑顔を贈る活動を始める-NPOの活動家にはこの種の考えの方をする人が実に多いのだが、「強か」とはこういう生き方を言うのか。絶句するしかない。

 平成31年度の国土強靭化のための予算要求は約4.9兆円だ。このうち人材育成にはどれだけ配分されているのか。東北には自然の猛威を「いなす」思想があることを思い出した。

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「地域・コミュニティ活動助成事業 活動成果発表会&まちづくりNPO交流の集い」(御茶ノ水ソラシティで)

哲学、人材育成で議論集中 国交省 都市公園のあり方検討会(2015/7/7)

 優良ストック住宅推進協議会(スムストック)は8月31日、前会長・和田勇氏(元積水ハウス代表取締役会長兼CEO)に代わって阿部俊則氏(積水ハウス代表取締役会長)が就任したと発表。阿部氏は「当協議会は今年6月で10周年を迎え、11年目に入った。これまでの実績を踏まえ信用、発信力を強化し存在感を示したい。建て替えとリフォームの両輪で既存住宅市場を拡大する一翼を担いたい」と抱負を述べた。

 また、①住宅履歴のデータベースを保有②50年以上のメンテナンスプログラム③新耐震以上の耐震性-この3原則を満たす「スムストック」のブランド力向上について、「昨年12月に『安心R住宅』第一号登録を取得したが、この分野でも先頭に立つようチャレンジする。今年度を初年度とする新たな3カ年計画では、年間1万棟の実現もさることながら、捕捉率にこだわりたい。協議会10社の戸建てストックは366万棟あり、このうち年間約1.4万棟が流通しているが、スムストックで仲介した物件は1,740棟で捕捉率は12.4%しかない。ハードルは高く容易なことではないと考えているが、これを何とか20%までに持っていきたい」と話した。

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 スムストックの2017年度の成約数は1,740棟(前年度比6.6%増)、累計成約数は8,562棟(同25.5%増)に伸び、同協議会独自の資格制度「スムストック住宅販売士」の登録者は累計6,103名(同9.5%増)になっている。

 協議会加盟の10社による戸建てストックは現在366万棟で、このうち市場に流通しているのは約1.4万棟/年で、このうちスムストックで仲介した物件は2017年度で1,740棟となっており、課題とされる捕捉率は12.4%にとどまっている。

 捕捉率を20%に拡大するためには新たな連携強化策が必要とし、スムストック住宅販売士制度の改定などを行うとしている。

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「プラウドタワー北浜」完成予想図

 野村不動産(事業比率60%)と大林新星和不動産(同40%)が分譲中の「プラウドタワー北浜」を見学した。Osaka Metro堺筋線北浜駅から徒歩1分の42階建て全281戸で坪単価は362万円。7月から販売を開始しており、高層住戸を中心に155戸を供給済み。極めて好調に推移している。

 物件は、Osaka Metro堺筋線北浜駅から徒歩1分、大阪市中央区高麗橋2丁目に位置する42階建て全281戸。9月分譲予定の第1期3次(戸数未定)の専有面積は37.26~113.65㎡。価格は未定だが平均坪単価は362万円。竣工予定は2020年1月中旬。施工は大林組。

 現地は、北浜の一等地。隣に高麗橋野村ビルディング、徒歩3分に大阪取引所や吉兆本店、徒歩5分に大久保利通・木戸孝允・板垣退助・伊藤博文らが会したという老舗料亭「花外楼」がある。

 建物は、梁の少ない居住空間と自由度の高いプランニングを可能とした大林組の超高層制振構造「デュアル・フレーム・システム」を採用。基壇部は北浜の歴史的建造物を模したタイル張り。

 設備仕様などは、二重床・二重天井、リビング天井高2.6m、食洗機、デイスポーザー、フィオレストーンのカウンタートップ、突板フローリング、大理石張り床、ハンスグローエ水栓、陶器ボウル、ミストサウナ、マホガニーリビングドアなど(一部プレミアム仕様)。

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モデルルーム(142㎡)

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玄関・ホール

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ドレッシングルーム

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 販売事務所の模型などを見て既視感を覚えた。販売を担当する同社関西支社住宅営業部住宅営業二課課長代理・片山博貴氏がすぐ種を明かした。「目と鼻の先にある三井不動産レジデンシャルさんの『北浜ミッドタワー』はかなり意識しました。模型は三井さんと同じ40分の1」と。確かに雰囲気は今年2月に見学した三井の「北浜」とよく似ている。

 その他の設備仕様レベルも三井と野村はほぼ互角と見た。単価は三井が342万円に対し、野村は362万円。

 この差はなぜかよく分からないが、野村の142㎡のオーダーメイド仕様のモデルルームは4LDKを敢えて1LDKとしてプランの自由度をよく表現している。同社の首都圏の「六本木」「虎ノ門」とそん色ない。

 玄関を入るとすぐ、幅約2.5m×奥行き約6.8mのホール(約10畳大)のホールが目に飛び込んでくる。この演出が秀逸だ。その正面には見るからに高価そうな椅子が2脚(この前見た同社の「虎ノ門」は1脚100万円だそうだが、それよりは安いが)セットされており、壁の飾り棚にはバカラの花瓶がさりげなく置かれていた。

 片山氏は「一挙にこれだけ供給できたのは、実需中心のお客さまに評価されたと考えている」と話した。未供給住戸は中層部から下のほうが中心なので、三井の「北浜」(残り僅かのようだ)と同様、順調に売れるのは間違いなさそうだ。

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販売状況を示すボード(手前から高層-中層-低層の順)

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販売事務所に置かれている物件イメージを表現した〝玉座〟

「過去に類を見ない反響」 野村不の戸建て「千里円山町」/大阪市は1低層がない!(2018/8/29)

「虎ノ門」アドレス 人気も全国区 野村不動産「プラウド虎ノ門」(2018/8/22)

負けへんぞ横浜北仲に ここは〝北浜〟の一等地 三井レジ他「北浜ミッドタワー」(2018/2/20)

野村不動産の最高峰マンション「プラウド六本木」最高のモデルルームの出来(2016/7/19)

 

 

 

 

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「アトラスタワー草津」完成予想図

 

旭化成不動産レジデンスは830日、滋賀県草津市のJR草津駅徒歩3分の「商業施設・サ高住・住宅」が一体となった再開発免震タワーマンション「アトラスタワー草津」(全265戸、うち販売戸数 246戸)の第1期(150戸)を9月1日に開始すると発表した。

物件は、「北中西・栄町地区第一種市街地再開発事業」として開発中のもので、26階建てが分譲マンションとなり、隣接する4階建て低層棟は「サービス付き高齢者向け住宅」が併設される。

20182月の物件販売サイト開設以降、資料請求数は約2,000件、モデルルーム来場者数は約600組に達している。

第1期の専有面積は60.94135.88㎡、価格は3,538万~11,998万円(最多価格帯4,600万円台)。

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「アドバンスドプレイス船橋・北習志野」

 ポラスグループの中央住宅とポラスガーデンヒルズは8月30日、同社初のIoTを装備した戸建て分譲「アドバンスドプレイス船橋・北習志野」の記者見学会を行った。「家電などの無駄な稼働時間を減らし、家本来が持つ省エネ性能も最大限に発揮し快適性さと同時に、経済性を高めた」(ニュース・リリース)「かゆいところに手が届く」住宅が売りだ。

 物件は、新京成・京葉高速鉄道北習志野駅から徒歩13分、船橋市習志野台2丁目に位置する全91棟。第1期(33棟)の土地面積は100.08~140.10㎡、建物面積は93.46~110.13㎡、価格は3,580万~5,380万円。

 すでに8月11日から分譲を開始しており、分譲開始前の3週間で60組の来場があり、16棟が申し込み済み。申込者の45%が船橋市、25%が近隣市、20%が都内居住者。年齢は30歳代後半が中心。

 現地は、高低差にして10m以上ある南傾斜の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)の官舎跡地。隣接地にはUR都市機構の「高根木戸団地」と幼稚園があり、小・中学校、保育所、病院、船橋アリーナ、日大薬学部キャンパスなどが近接。

 「一歩先を行く未来の快適性」がテーマで、パナソニックの「AiSEG2(アイセグ2)」を採用し、全棟に装備したタブレットにより給湯・照明・エアコンなどの操作や電子回覧板の閲覧が可能で、外出先からの戸締り確認、気象情報と連動させ自動シャッターを閉じたりポーチ灯や外壁灯を自動点灯させたりする同社独自の「灯かりのいえなみ協定」を締結している。

 街並みは3つの街区で構成。「フィンテック街区」(37棟)はHEMS×コンシューマーサービスを標準装備。光熱費の見える化と管理を一元化するHEMSと、三井住友銀行が提供するアプリを使用して、住宅ローンの事前審査や申し込みがタブレットで行えるサービスも用意している。

 「ヒーリング街区」(26棟)では、音と香り、音と灯りを商品企画に取り込み、スピーカ付きダウンライトを標準装備するほか、癒し効果があるとされるフィトンチッドの成分を最大限残したスギパネル、調湿建材の壁を採用。

 「サードプレイス街区」(28棟)は、第三の居場所×スタディスペースをコンセプトに各棟にスタディリビングをプランニングし、未来の働き方・暮らし方につながる「自宅のサードプレイス化」を提案する。

 中央住宅戸建分譲千葉事業部事業部長・田中弘樹氏は「当社の船橋事業所は平成25年に設立し、6年で50現場、600棟の実績があるが、今回は北習志野駅圏最大級。千葉で実績が豊富なグループのポラスガーデンヒルズと組んだことが相乗効果となり、販売も好調に進んでいる。9月には注文住宅の拠点も開設し、エリアの事業拡大を進めていく」と話し、同社戸建分譲千葉事業部船橋事業所営業課課長・高橋元毅氏は「例年8月の分譲は集客が厳しいが、順調に販売が進んでいる。共働き世帯の申し込みより、夫のみの収入の方のほうが多かったのは想定外で、IoTの(販促)効果は現段階で不明」と語った。

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アリーナ

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 IoTを標準装備した戸建ては一昨日、大阪吹田市の野村不動産「プラウドシーズン千里円山町」の記事を書いたのでそちらも参照していただきたい。

 「千里」は梅田から30分圏内、「北習志野」は大手町から30分圏内と都心からの距離はよく似ているが、価格は倍くらいの差がある。大阪の高級住宅地もすごいということか。官舎跡地で、機種がパナソニックなのは同じ。用途地域は「千里」が第一種低層住居専用地域、「北習志野」は第一種中高層住居専用地域。「北習志野」の隣接地には野村不動産「オハナ北習志野」があるのは単なる偶然か。

 スマホすら満足に扱えない記者だが、IoTは結構なことだと思う。ただ、機器に向かって「寒い、温かくして」「暑い!温度を下げよ」「開けゴマ」などと声を掛けるのはためらわれる。家族間の「上げよ」「下げよ」の声が飛び交ったら機器はどう反応するのか。権力を握る者にこびへつらうようになったら怖い。

 そんなことより、物件の基本性能、商品企画をじっくり観察した。1階の天井高が2.7mあるからこそキッチン・リビングにあえて段差(約20~40cm)を設けて空間を演出していたのはさすがポラスだ。窓サッシの位置を工夫し、遮熱性の高いものを採用しているためか、断熱性能もずいぶん向上したと実感した。

 酷暑の夏にこれほど売れているのにも正直驚いた。商品企画が優れているからだろう。これだけの広さのマンションなら最低でも4,500万円はする。デベロッパーが戸建てにシフトし、ユーザーも戸建てを志向する流れになるのもよく理解できる。

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キャンパス

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 〝商品企画がいい〟と褒めたら、同社の広報マンが「IoTもそうだが、うちはかゆいところに手が届く商品を供給している」と返事した。

 なるほどと思ったが、「痒くなる」ノミやシラミなどが一般家庭から姿を消してどれくらいたつのか。「かゆいところに手が届く」は死語と化し、麻姑掻痒(まこようそう)=孫の手も意味不明の時代になったということか。この前、ある量販店で巨大ネズミが徘徊しているのを見て心臓が飛び出しそうになった。害獣がはびこる時代の到来か。

 おまけ。今回のIoT商品で言えば、今回のモデルハウスにはなかったが、「ヒーリング街区」「サードプレイス街区」がいい。映像も含めた音や香りなど五感に訴える工夫が住まいを変えるかもしれない。

 例えば、ひばりのような夜鷹のよがり声、ヒキガエルに似た息が詰まる夫のいびき、絶滅危惧種トキ(鬨)の雄たけび、かわいい七つの子のカラスの勝手口のきしみ、寒さに震えるキリギリスの虫の息、遠き島より流れ寄る椰子の実を胸に聞く伊良子岬の波の音、マリアナ海溝の海底に棲む深海魚の寝息、マダタスカル(いつもの誤植ではない。念のため)で発見されるかもしれぬ不死鳥の羽音、催眠と催淫がごちゃ混ぜになった麝香の香り、えも言えぬ心鎮まる可憐なドクダミとヘクソカズラのブレンド香、荒城の月の月下美人の花の蜜…そんな音や香りが自由自在に体感できる時代がやってくると考えただけでワクワクするではないか。パナソニックのスピーカ付きダウンライトはとても音がいい。「千里」で体感した。

 さらに言えば、風呂のお湯張りも結構だが、だれが風呂掃除をするのか考えたほうがいい。部屋掃除もしかり。風呂を洗い、階段を上って部屋を掃除するロボットを開発したら拍手喝采してやってもいい。

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ビストロ

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プラザ

「過去に類を見ない反響」 野村不の戸建て「千里円山町」/大阪市は1低層がない!(2018/8/29)

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「プラウドシーズン千里円山町」

 野村不動産は8月28日、同社初のIoTを搭載した「プラウドシーズン千里円山町」の記者見学会を行った。梅田駅直結21分、阪急千里線関大前駅から徒歩4分の高台立地の全76戸の大規模で、府下で2000年以降、駅から5分以内で第一種低層住居専用地域に立地する50戸以上の住宅開発は初めてという希少性が評価され、6月からの問い合わせが約600件に達するなど関西圏の戸建て市場でも稀にみる注目物件のようだ。

 物件は、阪急電鉄阪急千里線関大前駅から徒歩4分、大阪府吹田市円山町な位置する第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率100%)の全76戸。敷地面積は150.03~180.87㎡、建物面積101.84~126.38㎡、予定価格は6,000万円台の半ばから9,000万円台の後半。構造規模は木造(2×4) 地上2階建て。竣工時期は2018年8月下旬・10月下旬。設計・施工は昭和工務店・西武建設。分譲予定は10月中旬。

 現地は、高級住宅街として知られている標高50m、関大前駅との比高差約30mの「円山町」アドレスの高台で、財務省の官舎跡地。近接地では日本生命スタジアム跡地で大林新星和不動産が300区画前後の宅地造成を行っている。

 同社初のIoTを全戸に搭載しているのが特徴で、「宅配便の対応」「玄関ドア操作」「照明スイッチ遠隔操作」「室内カメラを通じての会話」などが住設機器とスマートフォンを繋げることで可能となる。

 また、パナソニックのスマートフォンで接続でき、ステレオやテレビの音声も再生できる新製品「スピーカー付きダウンライト」(定価39,500円)も標準装備。

 同社関西支社住宅営業部副部長兼住宅営業第二課長・今村恒一氏は、「6月末に広告を開始して以来600件近い反響がある。業界全体としても過去に類を見ない多さ。2000年以降、駅から徒歩5分以内で50区画以上の供給事例もなく、大阪市内にはない第一種低層住居専用地域というのも評価されている」と話した。

 開発二課長・小林和人氏は「関西圏で立地・街並み・品質を重視し、年間80~180戸をコンスタントに供給しているデベロッパーは当社くらい。この物件を旗艦物件として位置づけ、仕入れを強化していく」と語った。

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 関西圏の戸建ては京都、奈良、芦屋などを取材したことがある。首都圏の田園調布や成城に負けない住宅地だったが、大阪府は初めてだった。

 首都圏の同社の「プラウドシーズン」と比べると、外観デザイン・外構は若干異なるが、質的には高いレベルにあると思う。名古屋や東京からも問い合わせがあるというから、大阪に縁のある人は「円山町」がどのような住宅地であるかはご存じの方か多いのだろう。関大キャンパスもあり学園都市としても知られているのだろう。価格が高いのか安いのかはまったく分からない。

 モデルハウスでは、先に紹介した「スピーカー付きダウンライト」がなかなかのスグレモノだ。いい音が出ていた。

 パナソニックが今年2月に発売開始したもので、この種の機器を販売しているのは同社のみという。売れ行きも好調と聞いた。

 このほか、子ども部屋には籠れる下屋裏収納がついていた。これも首都圏にはあまりないアイデアだ。

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下屋裏収納

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 驚いたのは同社関係者から「大阪市内には第一種低層住居専用地域(1低層)がまったくない」ということを知らされたことだ。早速、大阪市にも問い合わせた。その通りで、平成4年に法律が改正される前の用途地域指定でも「第一種住居専用地域」はなく、現在もまた「第2種低層住居専用地域」も含めて「低層住居専用地域」はどこにもないとのことだった。市の担当者は「規制の手法はいろいろあるので、野放図ということではない」と話した。

 全国的に見ても大都市圏で1低層が1カ所もないのは大阪市だけのはずだ。

 大阪市には大変失礼だが、「低層住宅の良好な住環境を守るための地域」が一つもないことが、東京と比べポテンシャルが圧倒的に低い一因ではないか。それとも、これが大阪人の「負けたらあかんで東京に」(天童よしみさん「道頓堀人情」)の意地か。

 東京都23区はどうかというと、区域面積全体に占める1低層の割合は19.4%で、1低層が指定されていないのは千代田、中央、台東、墨田、江東、北、荒川の7区しかない。

 首都圏ではこのほか埼玉県の八潮市、戸田市、蕨市、杉戸町などが指定されていない。

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大林新星和不動産の開発地

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第三企画・殿様連(第62回高円寺阿波踊り)写真は全てプロカメラマン・中村人士氏撮影

 カン カン カン ドドン コ ドン チャチャン チャチャン チャン チャン チャン ドドン ドドン ドン ドン ドン ヤットサー ヤット ヤット ドン ドン ドン…踊る阿呆(あほう)に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損々…

 本場の徳島とともに日本三大阿波踊りと呼ばれ、すっかり夏の風物詩として定着している「第62回高円寺阿波踊り」と「第34回南越谷阿波踊り」が8月25日(土)~26日(日)同時開催された。参加連は高円寺が119連、南越谷が79連、観客は高円寺が例年より若干少ない97万人、南越谷が過去最多の75万人だった。

 鉦と太鼓が地を揺らし、おとこ踊りが阿呆を演じ、おんな踊りが優雅に天を舞う-そんな連と観客が一体となり、何の恨みがあるのかぎらぎらと照り付ける太陽と白々しい冷笑を浴びせかける月に十分すぎるお返しをした。

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 記者はこの十数年間、双方の阿波踊りを見学している。高円寺では踊り子や観客の「阿呆」ぶりを虫の目と鳥の目でしっかり観察してきた。南越谷はハウスメーカーの広報担当者と取材記者との懇親会を兼ねたもので、見学する前にかなり酒を飲みすっかり出来上がっており、肝心の有名連による舞台踊りは熟睡していることも多いのだが、芸術の域まで達した踊りを堪能している。

 今年は一念発起。考えるより行動するのが記者の真骨頂だ。鳴り物の音量と観客の歓声・盛り上りを何とか数値化できないかと仮説をたてた。早速、デジタル測定器で測ることにした。

 25日、高円寺阿波踊りの桃園演舞場近くの店舗の軒下に立ち、開始の午後5時から8時までの3時間、ほとんど一歩も動かず、左手に測定器を右手にボールペンを握り、2秒ごとに更新される数値(dBA)をクリップボードの用紙に書き込んだ。

 単純なことだが、これか実に大変、疲れる。タバコも吸えず酒も飲めず、トイレにも行けない。鳴り物や踊りはちらちらと覗くだけで、数字とにらめっこしっぱなしだ。デジタル文字の「8」と「9」が目まぐるしく変わると、実際の数字と残像がごちゃまぜになる。じっとしているだけなのに背中やわきの下、太ももに汗がしたたり落ちる。記者の領土に侵入を企てる狼藉ものも少なくない。押し合いへし合いだ。

 50連のMAXの数値を記し終えたときは息も絶え絶え、歩くことすらできなかった。歩かないのに足が痛くなることを初めて知った。(中学生の頃はいつも廊下に立たされていたが、せいぜい45分だ)RBA野球の取材のほうがはるかに楽だ。

 その結果が別表だ。測定数字には手心を一切加えていない。かわいい子どもや美しい女踊りの連には数値が上がってほしいと願ったが、測定器がそんな気持ちを忖度して誤作動した可能性は皆無のはずだ。

 測定できたのは50連だから、この日の全参加連の3分の2くらいはカバーできた。もっとも音が大きかったのは東京天水連で109。2位は吹鼓・天水連で108、3位は第三企画・殿様連、むさし南連、華純連が同数の107。このあたりの連の音はそれこそ五臓六腑が揺さぶられ、苦痛とも快感ともつかぬ感覚が鼓膜を通じて脳天を貫いた。全ての連が96以上だった。

 翌日は、踊りと観客の距離が近いパル演舞場で一部だが計測した。第三企画。殿様連がトップとなった。鳴り物の鉦を叩くのは本場仕込みの久米信廣で、太鼓はふだん重い紙を自由自在に操る川口工場の猛者が中心。日頃の鍛え方が違うのが断トツの結果をもたらしたと思われる。

 説明するまでもないが、90デシベルはカラオケの店内や怒鳴り声の大きさで、100デシベルは電車が走るガード下か声楽家の声、110デシベルは車のクラクション並みのようだ。

 こんな馬鹿馬鹿しい企みを実行に移すのは記者くらいで、前代未聞、空前絶後の愚行だろうが、数値化する意味はあるはずだ。鳴り物の音と歓声は周波数が異なるだろうから、双方を測れる測定器を使えばもっと詳細なデータが集まるのではないか。美醜を測定するロボットも開発されるのではないか。(来年はそれこそ〝美〟に焦点を当てようかしら)

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 以下は記者の独断と偏見による推論だ。正論とはかなりかけ離れているかもしれないが、それほど的は外していないのではないか。

 阿波踊りの起源や歴史については諸説があるようだが、江戸時代の百姓や町人の盆踊りだったとする説に賛成だ。武士と町人が一緒に踊ったという説もあるようだが、絶対的な階級社会ではまずありえない。この日だけは豊作祈願にかこつけ、無礼講で日ごろのうっ憤を晴らしたのではないか。

 阿波踊りが全国区になったのは、単純なリズムが覚えやすく、どこかお上を批判する意味が込められているような「阿呆」という言葉が共感を呼び、人を食った珍妙な男踊りもさることながら、やはり妖艶な女踊りにみんな魅了されたからではないか。

 とにかく衣装デザインがいい。基本のカラーは白、赤、黒、黄、青の五色。五行思想と関連があるのではないか。それぞれの色は補色の関係にあり、ややもすると滑稽な姿になるが、阿波踊りは満艦飾でありながらそれぞれの色が引き立つようにデザインされている。派手な配色も意表をついて面白い。

 そして、何よりも美しいのがチラリズムだ。浴衣姿の女性がつま先立ち、脚を上げるごとに覗くふくらはぎが男心をそそる。実にコケティッシュだ。吉田兼好の「徒然草」にある「久米の仙人の、物洗ふ女の脛の白きを見て、通(神通力)を失ひけんは、誠に手足・はだへなどのきよらに、肥えあぶらづきたらんは、外の色ならねば、さもあらんかし」そのものだ。

 現在の女踊りは浴衣の下には何もつけず、ショーツにストッキングを穿いて踊るようだが、昔は湯文字(ゆもじ)を着ていたのではなかろうか。ウィキペディアによると、「江戸の湯文字は緋色か白で老女は浅葱色、大阪では遊女が赤で素人は白、三重では黄色が主に用いられた」とある。その名残か。多くの女踊りの浴衣の裏地は緋色のはずだ。

 そればかりではない。女性を美しく際立てるのに半月形の編み笠も大きな役割を果たしている。身長を大きく見せる効果と、上部からの光を覆うことでうなじから顎、鼻のラインを浮き立たせる効き目もある。電灯などがなかった昔は篝火をたいたはずで、そのゆらゆらと揺れる光が妖艶な表情をいや増しにしたのではないか。

 編み笠の起源は鳥追い笠とあるから、これもまた傀儡(くぐつ)、白拍子(街娼)が身に着けていたものと結びつく。その文化は平安の時代から受け継がれてきたのではないか。

 こうしてみると、阿波踊り・盆踊りは「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」という死生観を漂わせながら死者を供養するとともに、庶民の性の解放を高らかに謳った舞でもあったのではないか。古今東西、文化を創るのは「阿呆」=庶民であることが証明されているようでうれしい。

 記者は「おわら風の盆」を一度見たいと思っている。高橋治の小説「風の盆恋歌」(新潮文庫)はお勧めだ。

 

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 長谷工コーポレーションは8月24日、建築を志す学生を対象とした第12回「長谷工 住まいのデザインコンペティション」を実施すると発表した。

 コンペは、社会貢献活動の一環として2007年から実施しているもので、今回のテーマは「働き方を変える集合住宅」。長時間労働や少子高齢化に伴う労働人口減少、保育や介護との両立などの問題が生じ、働き方が社会問題となっている一方で、中古マンションの販売数が新築を超えるなどストック型社会への移行が顕在化し、シェアハウスや民泊など、所有せずシェアするという概念も現れてきていることから、働き方を変える創造的な集合住宅を提案してもらうのが狙い。

 審査委員長は隈研吾氏(隈研吾建築都市設計事務所代表・東京大学教授)が務める。

 応募資格は2018年12月31日時点で学生であること。賞金は最優秀賞(1点)が100万円。登録・作品提出締切は2018年11月13日(火)必着。登録方法はデザインコンペティションホームページhttp://www.japan-architect.co.jp/haseko/2018/へ。

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 ワクワクするようなテーマだ。記者は普通のファミリーが無理なく質が高い(基本的には広さ)住宅を取得できることを願っているのだが、世の中は閉塞感が充満し、どんどん逆方向へ突き進んでいるとしか思えない。「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」なる本が売れる時代だ。

 その流れを止め、本流に戻すためには働き方改革しかないと思っている。しかし、政府が目指す働き方改革は「働き方改革こそが、労働生産性を改善するための最良の手段である。生産性向上の成果を働く人に分配することで、賃金の上昇、需要の拡大を通じた成長を図る『成長と分配の好循環』が構築される」(働き方改革実現会議)とあるように「生産性の向上」が大前提であり、一人ひとりの働き方が優先されるわけではない。残念ながら「生産性の向上」に〝貢献〟できる労働者はごく限られた人に過ぎないのではないか。圧倒的多数派の経営者も労働者も回し車のネズミと化すのではないかと記者は危惧する。

 このような時代の流れを建築系の学生さんがどうとらえ、「働き方」そのものを変える集合住宅にどうチャレンジするか。

 同社は、結果を「新建築」2019年2月号とコンペティションホームページ上で発表するとしているが、是非とも審査模様をメディアに公表してほしい。驚天動地のプランが出現するのではないか。

 

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