ヒートショック予備軍 最多は千葉・宮崎 最少は長野 リンナイが都道府県ランキング
リンナイが11月1日、全国47都道府県の20~60代の男女計2,350名を対象にした「入浴」に関する同社初の「全国47都道府県別徹底調査」結果を公表した。調査で分かったことは次の通り。
①ヒートショック予備軍がもっとも多い県は千葉県・宮崎県、もっとも少ないのは長野県②ヒートショックの内容・対策法を知っている人はわずか2割未満③日本人の平均入浴時間は12.6分、日本一の長風呂県は千葉県④ヒートショック危険度の高い「41°C」以上の温度で入浴している人は半数以上、日本一の熱風呂県は愛媛県⑤深夜の1人風呂がもっとも多かったのは茨城県⑥母親より父親が子どもをお風呂に入れる「パパ風呂家庭」がもっとも多いのは青森県⑦風呂の掃除を担当するのは「父(夫)」がもっとも多い県は三重県⑧浴室暖房機の設置率は関西地方が一番高い—など。
入浴科学者の東京都市大学人間科学部教授・早坂信哉氏は早坂教授は結果について、「ヒートショック危険度の高い県は意外にも暖かい と考えられる千葉県、宮崎県、沖縄県などでした。西日本でヒートショックの危険度が高いのは、暖かいからと油断をしているせいかもしれません。逆に危険度の低いのが長寿で有名な長野県、埼玉県、寒いと思われる北海道などでした。温かい地方だからと言っても冬は脱衣室の室温は下がりますので油断せず、備えをしてもらいたいものです。ヒートショックの認知度が高いにも関わらず、危険度が高い県もあり、認知と対策の実行に差があるのは意外な結果でした」とコメントしている。
ニュースリリースには早坂教授による「ヒートショック危険度チェックシート」やコメント、ヒートショックから身を守る「入浴前準備呼吸」も紹介されている。
「ヒートショック危険度チェックシート」は10項目あり、チェック数が5個以上ある人は「ヒートショック予備軍」だそうだ。シートは次の通り。
①メタボ、肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症、心臓・肺や気管が悪いなどと言われたことがある②自宅の浴室に暖房設備がない③自宅の脱衣室に暖房設備がない④一番風呂に入ることが多いほうだ⑤42度以上の熱い風呂が大好きだ⑥飲酒後に入浴することがある⑦浴槽に入る前のかけ湯をしない、または簡単にすませる⑧シャワーやかけ湯は肩や体の中心からかける⑨入浴前に水やお茶など水分をとらない⑩1人暮らしである、または家族に何も言わずにお風呂に入る
「入浴前準備呼吸」は①脱衣室で下着になる②両手をへその上に置いて、お腹を膨らませながら鼻から3秒で息を吸う③口から5秒で息を吐く。②-③を5回繰り返す。④浴室にはいって下着を脱ぐ
詳細は次の同社ホームページへ。
PDF
https://www.rinnai.co.jp/releases/2018/1101/images2/releases20181101.pdf
Web
https://www.rinnai.co.jp/releases/2018/1101/index_2.html
◇ ◆ ◇
興味深い結果だ。記者も予備軍は寒冷地のほうが圧倒的に多いのではと思っていたが、そうではないのが意外だった。
予備軍の割合がもっとも多いワーストワンは千葉県(宮崎県も同じ値)なのに、隣接の埼玉県はベスト2位なのはどうしてか解せないが、こんなデータが公表されたら、千葉県のポテンシャルがまた下がるのではないかと心配だ。
サイトで調べた。千葉県がランキング上位なのは、読売新聞、日経新聞の販売部数、15歳以上買い物時間、自動車盗認知件数、女性の家事労働時間、非正規労働者数など。逆に下位にあるのはホテル軒数、名勝数、睡眠時間、1世帯あたり負債額に占める住宅ローン比率(首都圏マンションの価格は一番低いのになぜか)などだ。
長野県はどうか。長野県は死亡率が低い県でソープやギャンブルがないことは記者も知っているが、相対的貧困世帯率、生活保護受給世帯数も全国トップレベルで少なく、2017年衆議院比例代表:自由民主党得票率がもっとも低く(一番高いのは安倍総理の地元山口県)、インスタントラーメン消費量、労働時間、プロ野球選手出身地、殺人事件被害者数、待機児童数、殺人事件被害者数なども少ない。
まだある。これは最近知ったのだが、長野県民のほとんどが歌えるという県歌「信濃の国」について。明治時代につくられたもので、「海こそなけれ 物さわに 万足らわぬ 事ぞなき」「山と聳えて 世に仰ぎ 川と流れて 名は尽きず」などと韻を踏んだ七五調で、気候風土が豊か、学問、武芸でも秀でた人を輩出しているという「県民意識」を高揚させる歌詞になっている。6番まである。みんなが歌えるというのが信じられない。
そこで、生まれてから離れるまで18年間、一度も聞いたことがないわが故郷三重県歌を調べてみた。1番は「明けゆく朝の陽に映(は)えて むらさき匂う吉田山 展(ひ)らける街に 野に山に みんな明るく 呼び交わす ああ三重県は 躍進の 希望にもえる ふるさとよ」だ。3番まで同じ調子だ。
伊勢出身の記者は「むらさき匂う吉田山」が理解できない。「吉田山」は聞いたことがあるような気がするが、津市の県庁が所在する高台一帯のことのようだ。しかし、このことを知っているのは地元の人だけだろう。「むらさき」はムラサキツユクサかムラサキシキブか。しかし、この花は匂わないし、におい立つような花ではない。ひょっとしたら醤油のことかもしれないが、醤油は伊勢醤油のほうが有名だ。「躍進の 希望にもえる ふるさとよ」などと言われると赤面するしかない。これはもう完全に長野県にかなわない。
参考までに。記者もチェックシートに添って数えたら6~7つあった。糖尿だし脱衣場、浴室に暖房設備はないし、風呂は嫌いだから冬以外は浴槽に入らないし、浴槽に入ると寝入ってしまい、たたき起こされることもしばしば。だいいち毎日酒を飲む。飲む前に風呂に入るのは温泉旅館くらいだ>
三井不・菰田社長17分の独演会 岩沙会長 デフレ脱却宣言 藤林社長は孤軍奮闘 懇親会
菰田社長
三井不動産グループは11月2日、恒例の記者懇親会を開いた。冒頭、三井不動産・菰田正信社長は、6期連続増収増益、4期連続最高益の一点の曇りもない快晴の業績を背景に、普段より2分長い17分を掛けて事業全般について説明。岩沙弘道会長は、SDGsを引き合いに出し、〝非財務〟のCSR活動を強調するなどバランスを取った。2020東京オリンピック・パラリンピック選手村の会場になる「HARUMI FRAG」の幹事会社である〝時の人〟三井不動産レジデンシャル・藤林清隆社長は菰田社長、岩沙会長を上回る蟻のように群がった報道陣に対し「決まっていないことは答えようがない」と煙に巻き逃げ切った。
岩沙会長
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菰田社長は約17分間、「ミッドタウン日比谷の来街者は半年で年間目標を達成した」「木更津は日本一」「街づくりの膨大なデータを活用してイノベーションを加速させる」「グローバルカンパニーとして海外事業比率を30%にする」「ホテル一万室達成は確実」などと、いつものハスキーな声でよどみなく話した。不祥事などもなく〝一人勝ち〟を印象付けた。
よほど気分がよかったのか、女性記者にはリップサービスも披露。「これからは環境にやさしい、人にやさしい木造がいいかも」と。三井ホームを完全子会社化したことと関連があるのか。同社が本格的に木造事業に乗り出したらどうなるのか。同社は住友林業には負けるが、デベロッパーでは断トツの山持ち企業だ。三井物産と合わせれば第4位。
いつもよりスピーチが長かったことについては、「中長期計画2025もありますから約17分。来年からはまた15分に戻ります」(同社広報担当)とのことだ。
続いて登壇した岩沙会長のスピーチは約10分。「社長が全て話しましたので」と切り出し、SDGsなどCSR活動についても触れ、懇親の席では「話が素敵」という女性記者に取り囲まれ、「わたしは少なくとも資産デフレは脱却したと思う」と、デフレ脱却を宣言。「日本橋川の高速を取り払うのにあと30年? そんなことはない。わたしが生きているうちに実現できる」と自信たっぷりに話した。(冷酒が熱燗になり、ビールの泡が消えた江戸・坪井時代は挨拶だけで1時間はあったことを思えばものすごく短い。〝スピード〟を強調したのは岩沙氏だ)
〝孤軍奮闘〟したのが三井レジ・藤林社長。住宅関連の三井ホーム、三井不動産リアルティなどは幹部が3~4人出席していたのに、同社は藤林社長のみ。男女の別なくもっとも多くの記者に取り囲まれながら、言質を与えるようなコメントは一切しなかった。(記者の「板状は免震ですか」という質問には即座に「そうではない」と答えた。全て知り尽くしているはず)
メディアも策がない。野党議員のように伝聞を頼りに攻め立てたって社長がぼろを出すわけがない。搦め手から攻めれば何か引き出せたかも。
藤林社長はさすがにうんざりしたのか、最後のほうは顔が青ざめていたように映った。「社長、何人の人と名刺交換されましたか? 」「数えてなんかいない。名刺切れちゃったよ」-ぶ然なのか安堵なのか、表情からは読み取れなかった。
書き忘れた。元ヤクルト投手で、オール三井の野球大会でチームを優勝に導きRBAの優勝候補にもなっている三井不動産レジデンシャルリースの土肥選手がわずか数カ月しか勉強していないのに宅建試験で44点の高得点を挙げたことを同社・長谷裕社長に話したたら、「わたしは48点だった。設問が40問から50問に変わった最初の昭和56年。土肥の44点どうして知ってるの? 」 長谷社長、RBAの記事も読んでください。
会話ができ、音も香りも風も吹く 日本橋「未来ののれん展」11/11まで開催
会話ができる・通ると音がし、香りも嗅げる・動きに合わせて風が吹く暖簾-こんなユニークなイベント「未来ののれん展」が11月1日(木)~11月11日(日)、日本橋・中央通りの「コレド室町」周辺で行われる。
2018年7月、日本橋の企業と若手クリエイターが立ち上げた「nihonbashi β」(代表:朴正義氏)が主催するもので、日本橋の伝統と文化を象徴する「暖簾」と新しい感性と共創させ、未来につなげようという企画。
学生2人を含めた4チーム16名(平均年齢28歳)が、3カ月にわたりセミナーやワークショップを重ね、様々なソフトウェア、人感センサー、バイオメタル、超指向性スピーカーなどの最新の技術を駆使して作り上げた。
「β」の文字には、前例のないチャレンジを歓迎する開かれた街でありたいという想いと、日本橋から世界に羽ばたくクリエイターを生み出したいという希望が込められているという。掲出されるのは次の4種類。
「のれんさま/コレド室町」(クリエイター:髙橋紗登美、成田敬、深谷泰士、 藤木良祐)は幅4.5m ×高さ2m。人感センサー・加速度センサーを使用し、暖簾をくぐる人に話しかけるのが特徴。220種のことばを喋れるという。
「のれんさま/コレド室町」
「響きあう、今と昔/三井ガーデンホテル日本橋プレミア」(同:石川貴之、佐藤哲朗、鈴木和真、水野直子)は幅2.3m×高さ2.5m。バイオメタル(形状記憶合金)を使用し、静音性の高いのれんの上下運動を実現することによって、暖簾のモアレ現象を増幅させる。
「響きあう、今と昔/三井ガーデンホテル日本橋プレミア」
「日本橋 音ノ場/にんべん日本橋本店」(同:小田部剛、馬場隆介、水野諒大、森幸浩)は幅3.5m ×高さ1.5m。max/msp(ソフトウェア)を使用し、調理音を音楽として再構築し、超指向性スピーカーで耳元から音が聞こえるようなシステムを構築。出汁が煮える音、鰹節を削る音のほか、香りも漂う(暖簾自体から香りが出るわけではないが)というのが〝味噌〟。
「日本橋 音ノ場/にんべん日本橋本店」
「マンダリン オリエンタル 東京の風/マンダリン オリエンタル 東京」(同:五十嵐優作、斧涼之介、佐藤達哉、水村真理子)は幅7m ×高さ2.7m ×奥行き2m。ファンと音を制御し、測域センサーを使用し、人の動きに合わせて暖簾が美しくなびき、移ろいゆく森の音を体験することができる。
「マンダリン オリエンタル 東京の風/マンダリン オリエンタル 東京」
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記者は、開催に先立って10月31日に行われたオープニングセレモニーを取材した。4チームがそれぞれプレゼンを行い、7名のアーテイスト、デザイナーなどによる審査委員のトークセッションが行われた。
一つひとつ紹介する余裕はないが、審査委員からは「清々しいテーマ」「可能性を感じた」「すごい」「面白い」「のれんなくてもよかった」「話せる暖簾なんて世界初じゃないか」「精度高い」「感動した」「パチンコ屋のような電飾がつくられるのではないかと心配したが、杞憂に終わった」「何を置いても似合う」「みんな頑張った」「想像を超えた」「(商品を)買いたくなる」「音が香りを引き出した」「大きな一歩」「プロセスが大事」「(企業の代表などと)フラットで話し合える」「経験は次に生きる」「街とつながる」などと感嘆・絶賛の声が上がった。
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「暖簾」と言えば、記者などは木綿か麻でできているものしか浮かばないが、マンダリンホテルのそれは「レーヨン」(化繊)で出来ていて、白いカーテンのようだった。しかも5層の奥行きもあり、足元には既設の水盤もあった。日本橋に本社を構える東レが制作に協力していると聞き、なるほどと思った。「暖簾」の既成概念を根本的に変えた作品だ。
にんべんの出汁が煮える音とか鰹節を削る音も流れるという暖簾にもびっくりした。審査員の方も「すぐ買いたくなる」と話したのも大げさではない。これはすごい。だが、しかし、出汁(煮込みか)が煮える音は、窯ゆでにされたような恐怖を覚えないか。入る客も逃げ出さないか、少し心配になった。記者はかつて鰹節を削り、最上の昆布で味噌汁をつくっていたが、だし汁が沸騰する音は聞こえない。
それにしても、奇想天外な発想に呆れかえりもし、無限の可能性も感じた。あらゆる商品が〝五感に訴える〟時代がやってくるのではないか。〝シズル〟は広告業界の永遠のテーマなのだろう。
オープンセレモニー 参加者と審査員など
駅前の一等地 大京「金沢」第1期1次70戸が即日完売 4割は地元以外
「ザ・レジデンス金沢」完成予想図(手前の上層部がマンション)
大京は11月1日、オリックスが開発を進めている石川県金沢市の「金沢駅西口大規模複合開発プロジェク ト」内に建設中の分譲マンション「ザ・レジデンス金沢」 のモデルルームを11月3日にオープンすると発表した。
「金沢駅西口大規模複合開発プロジェクト」は、金沢駅西広場に隣接。新たなランドマークとして位置づけられているツインタワー。
同マンションのほか、外資系ホテル「ハイアット セントリック 金沢」「ハイアット ハウス 金沢」や外部庭園、商業施設が建設される。
第1期1次(70)が10月19日に抽選分譲され全戸に申し込みが入った。専有面積は42.07から180.77㎡、価格は3,040万~1億9,980万円(最多価格帯5,200万円台=約75㎡)。申込者の約6割が地元居住者で、残りの4割は北は北海道から九州まで全国にわたっている。同社は「想定外を超える反響」としている。
物件は、北陸本線金沢駅から徒歩2分、15階建て全114戸。第1期2次(戸数未定)の専有面積は50.03~85.65㎡。竣工予定は2020年4月下旬。設計・施工は竹中工務店。
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記者は昨年、金沢に取材のために行った。駅東口も立派なアートに圧倒されるが、西口は実に広々としており最高の立地だ。5,200万円台(坪229万円)はわが多摩センターより安い。人気になるのは当然か。
三菱地所レジ 北陸初マンションは北國銀行本店跡地 坪単価は最高峰の200万円超か(2017/6/5)
大京穴吹 リノベ新提案 〝クラフトマンシップに心が震えた〟田渕氏
「アメリカン・ヴィンテージの暮らし」モデルルーム
大京グループの大京穴吹不動産は11月1日、同社が展開する専有1戸単位のリノベマンションブランド「Renoα(リノアルファ)」に、インテリアブランド「ACME Furniture(アクメファニチャー)」を展開するACMEとコラボレーションし、内装仕様・インテリアコーディネート・家具などの生活空間を提案する「アメリカン・ヴィンテージの暮らし」を加え、その第1号物件を発売すると発表した。
フローリングにダメージ加工のワイルドヒッコリーの無垢材(厚さ18ミリ)フローリングを採用しているほか、建具は框組、モールガラスなどのデザイン扉、ブラケット・スタンド照明を多用しているのが特徴。ディススプレイ家具は120万円で販売する。
大京穴吹不動産取締役リノベーション事業部長・櫻田強氏は、「感性とセンス、今後の中古&リフォームの展開という2つのチャレンジの側面から採用した」と新提案の目的について述べ、同社事業統括部研究開発室係長・田渕裕美氏は「ACMEさんのクラフトマンシップに共鳴し、心が震えた」などと絶賛した。
「Renoα(リノアルファ)」は年間約1,500戸、累計約7,000戸の販売実績がある。物件は、東急大井町線上野毛駅から7分、世田谷区上野毛4丁目に位置する築40年の「ライオンズマンション上野毛A棟」の79.38㎡。登録申し込みは2019年1月10日(木)~14日(日)。販売価格は4,980万円(税込、リノベ費用950万円含む)。
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「アメリカン・ヴィンテージの暮らし」は、BtoBビジネスの拡大を狙うACMEとぴったりで、ACME CCO・辻雅彦氏が「わたしたちの家具はデイリーユースがコンセプト」と話したのにも同感だ。
露悪趣味ではないかと思えるほどのこれ見よがしの途轍もなく高そうなアンティーク家具はマンションモデルルームでたくさん見てきた記者も、この値段(坪単価208万円)の中古マンションにはぴったりだと感じた。田渕氏のように「心が震える」ほどではなかったが、ダメージ加工のワイルドヒッコリー(くるみ材)の無垢材はとてもよかった。
以下は、田渕氏が企画主旨について話された一部だ。記者はほとんど手を加えていない。
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(当社は)蓄積した実績やノウハウに限定せず、異業種さまとの共創によりもたらされる新たな感性やセンスを取り入れることにより、多様化する住空間のニーズにアプローチし、当社ではリーチできなかった新たな顧客層の開拓を推し進めていきたいと考えております。
今回コラボレーションとしてふさわしいと思い、こちらからお声掛けさせていただいた株式会社ACMEさまですが、ACMEさまとお話しさせていく中で、取り扱っていらっしゃるヴィンテージ家具といった古いものに手を加えながら大切に使い続けていくということと、そして、ACMEさまより言葉をお借りすると〝We are Craftsman〟という表現ですが、家具を大切にするだけにとどまらず、新たなデザインや専門職人による匠の技術により、さらなる価値を加え家具を輝かせる『クラフトマンシップ』というスピリットをお聞かせいただきました。
これは、まさに大京グループにおける、ものづくりのスタンスに共鳴するものがあり、お話しを聞きながら心が震え、このお考えは、当社の中古住宅をリノベーションという形で甦らせ、古いものを長く維持しつづけるという考えと親和性があると考え、今回のコラボレーションの実現にいたりました。
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なぜ紹介したか。田渕氏が、ACMEの理念は「当社のものづくりのスタンスに共鳴するものがあり、お話をききながら心が震えた…」と話された部分に記者もビビッと来たからだ。だから見出しにも取った。
田渕氏は全体で1,200字くらい話されたのだが、時間にして3分くらいだったか。記者がメモを取るにはやや早口だとは感じたが、ほぼ完璧の内容だと思った。「えー」「あのー」などの無機能語はほとんどなかった。
これは取材していつも感じることだが、挨拶される皆さんは第一に話が長すぎるし、早口すぎる。分量としてはよく言われるように1分間に300字だ。そして訴えることもできれば1つ、限界は3つ。ちあきなおみさんの「四つのお願い」は欲張りすぎだ。
この点で言えば、先日行われた木住協の第21回「作文コンクール」表彰式での国土交通省住宅局住宅生産課長・長谷川貴彦氏の挨拶は最高に素晴らしかった。「木のいいところ」として、「木は人にやさしい」「木は環境にやさしい」「木は地球にやさしい」(メモをなくしたので定かでないがほぼ間違いない)の3つを挙げられた。
記者のようなweb記事は文字数に制限はないが、紙媒体は指数に限りがある。3分間話しても、記事にするのは限られる。挨拶される方は、「詳細はニュースリリースを読んでください。わたしの強調したいのは1つ(あるいは3つのお願い)」くらいにとどめたらどうか。わたしは、リンカーンの「government of the people, by the people, for the people」を超える挨拶を期待しているのだが…。
最近の挨拶で一番だと思うのは、矢野龍氏の木住協会長の退任の挨拶だった。ここに添付する。
左からACME池田耕太郎氏、辻氏、田渕氏
「time flies like an arrow 光陰〝矢野〟如し」 木住協・矢野会長(住林会長)が退任(2016/5/30)
記者が馬鹿だった…選手村はスケルトンで都と組織委が賃借し、解体費を含め全額負担
昨日(10月31日)書いた2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村にもなる「HARUMI FLAG」の記事のうち、次の文章を削除する。
「大会終了後の改修費について他の記者の方が質問されたが、これも明確な返事はなかった。報道では約500億円とあるが、これを住宅戸数で割ると887万円になる(タワー棟を除けば1戸当たり1,000万円くらいか)。これはあり得ない。三菱地所ホームの全館空調フルリフォームだってこんなにしない。
大会組織委員会が負担するのであれば、間違いなく国民の批判を浴びる。どのような契約になっているのか情報を開示すべきだ。開発法ではこの改修費をどこが負担することになっているのか聞きたいものだが…。」
削除するのは、新たな事実が分かったからだ。東京都オリンピック・パラリンピック準備局が平成30年5月7日付で都議会用に作成・公開した「選手村宿泊棟の整備について」と題する文書を入手した。(誰でもホームページで閲覧できる)
そこには、「東京都が施行する市街地再開発事業において特定建築者が整備中の住宅棟を選手村の宿泊棟として一時借用して活用」「構造躯体の状態まで整備した住宅棟に、組織委員会が大会用の仮設内装を付加し、大会期間中に使用した後、撤去」「大会終了後、大会中に一時使用した宿泊棟は、特定建築者が分譲・賃貸住宅等として改修」「ベッドやテーブル、椅子などの備品は組織委員会が調達」とある。
また、宿泊棟の大会時内装工事については、住宅棟を選手村として使用するための内装、設備等の新設工事及び解体工事(工事監理業務等を含む)の金額は約444.9億円(工事費:約441億円、工事監理費:約4億円)で、組織委員会と特定建築者の間で平成30年3月27日に契約が交わされたとある。
費用負担は、宿泊棟の大会時内装工事等の費用、メインダイニングなどの仮設施設を整備する費用、住宅棟等を特定建築者から選手村として借りる費用を東京都が、備品の調達など運営等に係る費用は組織委員会がそれぞれ負担するとある。
さらに文書には、「選手村宿泊室(イメージ)」の簡単な間取り図が添付されており、給湯器、室内ダンボール建具、シャワーユニット・トイレ、3点ユニットバス、壁ボード、フローリング、天井ボード、エアコンなどは撤去するとしている。
◇ ◆ ◇
この文書から、東京都と組織委員会が特定事業者から建物がスケルトンの状態で借り、組織委員会が内装工事を施し、大会終了後に撤去し、その費用負担は都と組織委員会が追うことが決まっていることが分かる。
文書を読まれれば、記者が「あり得ない金額だ。三菱地所ホームの全館空調フルリフォームだってこんなにしない」と書いたのはいかに的外れであるかもわかる。知らなかった記者が馬鹿だということだ。
なので、取り消すが、記者は昨年8月、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に施設の設備仕様などについて問い合わせたところ、「大会時の選手村用の施設・設備の仕様等の詳細については、セキュリティの観点などからお伝えすることはできません」と回答があった…これはどういうことか。セキュリティはどうした。ものごとは全て力関係ということか。
昨日だって、きちんと説明すれば誰も不思議に思わなかったはずだ。
選手村としての内装は、キッチンを付けないのは分からないではないが、ダンボール建具や3点ユニットバスを採用するとは…ビジネスホテルと一緒だ。世界トップクラスの選手に失礼ではないか。有名なサッカー、バスケットボール、メジャーリーグの選手は絶対泊まらないと思う。アメリカでは紙のドアは当たり前かもしれないが、この前見た末長組のウォルナットのリビングドアは重さ60キロだった。いっそのこと、伴茂さんの〝紙の家〟にしてはどうか。
分譲する住戸のリビングの標準天井高は2500ミリで、サッシ高は身長が高い選手が頭をぶつけるような1800ミリということはないようだ。
聞きたいことは不明オリ・パラ選手村の街の名称「HARUMI FLAG」来春分譲(2018/10/31)
東京オリンピック・パラリンピック選手村「施設・設備の仕様は非公開」なぜ(2017/8/1)
メセナ大賞は講談社「本とあそぼう全国訪問おはなし隊」 企業メセナ協
「本とあそぼう全国訪問おはなし隊」
企業メセナ協議会は10月26日、「メセナアワード2018」の受賞活動7件を決定。メセナ大賞には講談社「本とあそぼう全国訪問おはなし隊」が選ばれた。
「本とあそぼう全国訪問おはなし隊」は、同社の創業90周年の1999年にスタート。全国47都道府県におはなしを届け、本好きな子どもに育ってほしいという願いから始まった活動。4トン車を改造したキャラバンカー2台に、他社の寄贈本もあわせた約550冊の絵本や児童書を積載し、それぞれ1つの県を1カ月かけて巡回する。
キャラバンカーはどこへでも走り続け、2018年3月までに訪問回数は21,447回、走行距離は約104.2万キロとなっている。
受章の喜びを同社広報室読書推進グループ担当部長・藤安里氏は、「少子高齢化を背景に本を読む人が少なくなり、書籍の売り上げが減りつつあるアゲインストの風を何とかしないといけないという切実な思いから始まった活動。地域ボランティアの助けも借りて、参加者は200万人を突破した。今後も継続していきたい」と語った。
このほか、優秀賞には、「みんな笑顔で賞」にアコム「笑顔のおてつだい バリアフリーコンサートアコム“みる”コンサート物語」、「アートで未来盛り上げ賞」損害保険ジャパン日本興亜「SOMPOアート・ファンド」、「芸術創庫賞」に東横イン「ART FACTORY 城南島の運営」、「酒芸の極み賞」に八戸酒造「sake × art 日本酒を通じた陸奥八仙の取り組み」、「瞬間の芸術賞」に富士フイルム「写真の過去・現在・未来」を発信し、『人』」と『人』をつなぐFUJIFILM SQUARE(フジフイルムスクエア)の活動」、特別賞の文化庁長官賞はぺんてる/キヤノンマーケティングジャパン「校舎の思い出プロジェクト」が選ばれた。
住宅・不動産業界からは選ばれなかった。
講談社 藤氏
聞きたいことは不明 オリ・パラ選手村の街の名称「HARUMI FLAG」来春分譲
「HARUMI FLAG」全景
三井不動産レジデンシャルを幹事会社とする特定建築者11社は10月31日、2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村にもなる「晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業」の開発区域のタウンネームを「HARUMI FLAG」に決定したと発表。街づくりのコンセプト、テーマなど概要を公表した。同日、オフィシャルサイトを開設し、会員登録の受付を開始した。来年春にモデルルームをオープンし、5月に販売開始する。
HARUMI FLAGは、開発面積約13haの敷地に5,632戸(分譲4,145戸、賃貸1,487戸)の住宅と商業施設の合計24棟から構成され、保育施設、介護住宅などを整備し、多様なライフスタイルを受け入れる人口約12,000人となる街づくり計画。
官民が一体となって創出した直径約100mもの拠点空間であるCENTER CORE(中心広場)や、分譲街区に51室の共用室などを設置し、敷地内にはバリアフリーなアクセシブルルートを設置。2,318台を収容する駐車場は全て地下方式とし、各住宅棟の共用廊下幅も1.5mとする。平均専有面積も一般的なものより広くする。
このほか、次世代のエネルギーを供給する「水素ステーション」が設けられるほか、日本初の街区をまたいだ専用の光ケーブル網を使ったエリアネットワークにより街全体のセキュリティ管理やエネルギーマネジメントなどを効率的に行う。都心直結の新交通システム「BRT」も運行する予定。
事業者を代表して三井不動産レジデンシャル取締役常務執行役員・山田貴夫氏は、「銀座から2.5キロの東京のど真ん中に今までにない街が誕生する。後世に残るレガシーとなる街づくりを進めていく」と話した。
事業は、中央区晴海五丁目に位置する総開発面積約133,906㎡、総計画戸数住宅5,632戸(分譲住宅街区4,145戸、賃貸住宅街区1,487戸(シニア住宅、シェアハウス含む)、他に店舗・介護住宅・保育施設(区画数未定)、施工は東急建設、長谷工コーポレーション、前田建設工業、三井住友建設。再開発コンサルタントは日建設計。設計は日建ハウジングシステム、日本設計、長谷工コーポレーション、三菱地所設計、前田建設工業、三井住友建設。25人のデザイナーを起用し、光井純氏がマスターアーキテクトを担当する。
14~18階建ての住宅棟は大会終了後リニューアルを施したうえ2022年秋に竣工。タワー棟は2024年3月に竣工する。
CENTER CORE(直径は約100m)
FLAG CORE 辻の広場
4街区からの風景
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発表会には約100名の報道陣が詰めかけた。住宅はオリ・パラの選手村となり、東京都が事業者に譲渡した土地の値段が約130億円で、坪単価約32万円、容積率100%当たりの一種は坪約8万円だったことから話題になった割には少ないような気がしたし、予想はしていたが、聞きたいことは10分の1も聞けなかった。肩透かしをくったというのが正直な気持ちだ。以下は大急ぎで書いた記事だ。順次加筆訂正する。
誰もが関心がある坪単価について報道陣が質問した。もちろん「価格は未定」という答えしか返ってこなかった。(本当は返ってこない質問などしてはいけない)「〇年転売禁止」の特約は設けないようだ。
記者は〝東京のど真ん中〟のプロジェクトだから、ストレートに質問しようとも考えたが、変化球を3つ投げた。これは野球と一緒、効果的なときもある。
一つは、「容積率を400%と仮定すると一種当たりの単価は8万円になるが、これに誤りはないか」と。同社の担当者からは、「都の募集に応じた結果であり、答えられない」と返ってきた。(これは想定内。しかし、容積を仮に300%としても一種約11万円の破格値であるのは変わりない)
もう一つは、共用施設はかなり充実しており、2,318台を収容する駐車場は全て地下、共用室は51室もあるように有効率(レンタブル比率)は相当低いと思ったので、「レンタブル比率はどれくらいか」と聞いた。これは後で教えてくれることになっている。この比率が分譲価格・賃料に大きく影響するはずだ。
それでも、土地代がただ同然(と言っては失礼か。ちなみに住友不動産が分譲中の「シティタワーズ東京ベイ」の一種単価は約42万円)だから、分譲単価は抑えられる。2年前、「アッパーで坪250万円ではないか」と書いたのもそのためだ。噂されている価格については、公表された計画から判断すればレベルは高いとは思うが、ものを見ないと何とも言えない。
しかし、いくらで売ろうが、これは事業者の勝手だし、市場が決めることだ。われわれがとやかくいう問題ではない。しかし、そんなに当初の予想が大外れずれることはないと確信した。タワーはもちろんもっと高くなるはずだが…。適正な価格で分譲すべきと考えているだけで、〝安くしろ〟〝高くしろ〟と言っているのではない。
3つ目の質問は、「せっかくレガシーマンションにするのだから、各選手にサインやら手形やら足形を壁などに残してもらって、オークションにかければ世界中から申し込みが殺到するのではないか」と、エールを送る意味で聞いた。これには「我々には権限がないので、組織委員会に声として伝える」と前向きな返事をもらった。
おそらく組織委はやらないだろうが、これは前例がある。住友不動産が品川の「ワールドシティタワーズ」で実施した。確か坪単価は800万円くらいしたのでなかったか。暴利を貪ったら批判されるかもしれないので、余剰金は寄付でもすれば誰も文句は言わないのではないか。
このほか、たくさん聞きたいことはあったが、他の記者の方に失礼と思ったので、これだけにとどめた。本当は、一種8万円になった根拠である、不動産鑑定評価手法に選んだ開発法の是非について質問したかったのだが、これも絶対に返事は返ってこなかったはずだ。〝専門家が評価した価格に瑕疵はない〟というのが当局の判断だ。鑑定業界には〝クライアントプレッシャー〟なる不思議な言葉があるのだか…。
DOTS PLAZA(敷地内には約3,900本、約100種の樹木が植えられる)
11社の代表(それぞれ一言コメントを聞きたかった)
東京2020オリ・パラ選手村 敷地売却価格は地価公示の10分の1以下の〝怪〟(2016/8/4)
72年の〝超長期〟定借で価格も〝超々〟割安 住友不動産「シティタワー品川」(2008/8/1)
大京 福岡・札幌・熊本でホテル開発事業
「札幌」の外観イメージ
大京は10月30日、ホテル開発事業を福岡市、札幌市、熊本市でそれぞれ行うと発表した。
同社は2017年度を初年度とする「大京グループ中期経営計画」で、新たな事業の柱として不動産ソリューション事業に注力するとしており、「ホテル開発事業」「賃貸マンション開発事業」「CRE 戦略支援事業」「オフィスビル開発事業」などを行う「ソリューション事業部」を今年6月に立ち上げた。年間売り上げ目標は300億円。
「福岡」は、福岡市地下鉄七隈線渡辺通駅から徒歩4分、敷地面積約1,241㎡の12階建て242 室(予定)。開業予定は2021年9 月。
「札幌」は、札幌市営地下鉄南北線大通駅から徒歩4分、敷地面積約1,071㎡の12階建て全182室(予定)。 開業予定は2020年6 月。
「熊本」は、熊本市電辛島町駅から徒歩2分、敷地面積約788㎡の10 階建て200 室(予定)。 開業予定は2021年1月。
配偶者を愛している84% 健気で円満なDINKS層浮き彫り アットホーム調査
「配偶者を愛している」84%-不動産情報サービスのアットホームは10月29日、「共働き夫婦の実態」調査をまとめ発表した。11月22日の“いい夫婦の日”に合わせて行ったもので、一都三県で持ち家に住み、子どものいない共働き夫婦(DINKS)の男女548名を対象にしたもので、住宅取得価格は平均4,179万円で、「配偶者を愛している」比率は84%、「一緒に風呂」が30%に達するなど〝円満夫婦〟であることを浮き彫りにした。
調査によると、①自宅の購入価格は平均4,179万円、住宅ローンの借入額は平均3,243万円②住宅ローンを完済した世帯は14.6%③自宅は夫婦共同名義 51.1%④それぞれが自分の給料を個別に管理する世帯は50.5%⑤今後も共働きの生活を継続したいは86.3%⑥配偶者を愛している度合いは平均84.2点-などがわかった。
このほか、生活が安定している世帯は平均67.7%、仕事に満足している人は65.3%、自由に使えるお金は6.4万円、家事負担は夫が3.3割、妻が6.7割、帰宅時間は夫が18:56、妻が18:34、一緒に風呂に入るが30.3%だった。
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予想通りの結果となった。取得価格からして23区の駅近マンションは絶望的であることを改めて印象付けたが、極めて健気で仲良し夫婦像が浮かび上がり、とても嬉しくなった。
やや意外だったのは、自宅の延床面積が平均83.9㎡と広いことだが、これは中古マンション(16.1%)、新築建売住宅(20.6%)、中古一戸建て(5.5%)の購入者も合計で42%に上っていることの反映か。
「配偶者の年収を知っているか」の問いでは夫の74.8%、妻の88.3%が知っていると答えたが、知らない人が少なくないのに少し驚いた。
一緒に風呂に入る世帯が30.3%にも上ったのには嫉妬を感じたが、30代、40代の子どもなしでは当然か。子どもができてごらんよ…野暮なことは書かない。記者は二十歳を過ぎてもお父さんと風呂に入っていた女性を知っている。
これらの結果をデベロッパーはよく研究すべきだ。70㎡台の平凡な間取りではDINKS層を満足させられないということだ。主寝室を広くする、風呂を豪華にする-などはすぐ実行すべきだ。