「HARUMI FLAG」土地代の安さ 価格に反映を 坪250万円が妥当と考えるが…
「HARUMI FLAG」の分譲価格(単価)に関する記事・書き込みがネット上でヒートアップしている。明後日(23日)にはメディア向け説明会が行われるので取材してレポートするが、その前に、記者自身の立ち位置をはっきりしておきたい。
記者は、東京都がデベロッパー11社に「HARUMI FLAG」の用地約13.4haを約130億円で売却した時点で「東京2020オリ・パラ選手村 敷地売却価格は地価公示の10分の1以下の〝怪〟」(2016/8/4)のWeb記事を書き、その価格の安さ(容積率1種当たり坪8万円)から判断して分譲坪単価は250万円と予想した。
記事を書いた当時は、Web記事は日経新聞のWeb「住宅サーチ」に転載されていたこともあり、ものすごい反響がありアクセスが殺到した。
都民も〝異常な価格の安さ〟に驚いたようで、「譲渡価格は違法・不当であり、損害の回復等必要な措置を講じることを求める」住民監査請求(2017年5月19日付)が提起され、監査委員は手続き、鑑定評価手法、譲渡価格の妥当性など全てにおいて適法・適正に行われたとして住民監査請求を退けた(2017年7月19日付)。
鑑定評価手法については、事業地は選手村として一時使用され、開発期間が長期にわたる特殊要因を考慮した結果、通常の取引事例比較法ではなく、「開発法」による評価手法が用いられ、土地価格は予想される住宅の販売総額・賃貸収入額を契約時点の価格に割り戻し、その額から想定される支出(建築工事費、販売経費など)を差し引いて適正に算定されたとしている。
これを不服とした住民ら「晴海選手村土地投げ売りを正す会」は2017年8月18日、小池百合子東京都知事を被告として、売却妥当額との差額1,200億円を支払うよう不動産会社11社に請求せよという民事訴訟を提起し、現在審理が行われている。
裁判がどうなるかはともかく、監査委員が全て適法・適正と判断を下した以上、これ以上この問題に深入りはしない。以下は監査委員の裁定を是としたうえで、いくつか問題を提起する。
まず分譲価格(単価)について。基本的にはいくらで売るかはデベロッパーの自由裁量であり、買うか買わないかは消費者が決めることだ。われわれ外野がとやかく言う問題でない。
しかし、今回の事業地は都民の財産だ。地価公示の10分の1以下という安値で売買されたのであるから、デベロッパーはそれに見合う適正価格で分譲し、土地値が安い分だけ購入者に還元すべきというのが記者の意見・主張だ。
いったい、1種8万円という値がどれほど安いか。アクセス、規模、開発期間などが「HARUMI FLAG」とよく似ている「幕張ベイパーク」の例を紹介する。
2015年、三井不動産レジデンシャルら民間7社が千葉県企業局から用地約17.5ha(計画戸数約4,500戸)を取得した額は280億円(1坪52.6万円)だった。容積率は300%くらいのはずで、1種当たりだと17.5万円となる。「HARUMI FLAG」の2倍以上だ。
この「幕張」の現在の坪単価は210万円だ。もちろん単純比較はできないが、「HARUMI FLAG」を坪250万円と予想・主張するのは的外れでないと思う。
この予想・主張を〝補強〟する材料もある。都とデベロッパーが交わした敷地譲渡契約には譲渡契約金額の変更に関する次のような条項がある。
「敷地譲渡契約締結後、東京都の事由により事業計画を変更する場合及び特定建築者が応募時に提案した資金計画に比べ著しく収益増となることが明らかとなった場合は、敷地譲渡金額について協議するものとします」
いったい「著しく」とはどの程度なのかについて、都は「『著しく』がどの程度のことを指すか弁護士と相談する」としているが、極めて難しい問題だ。モノサシなどないからだ。
記者は、そのモノサシとしてマンションの売上から原価(土地取得費、建築工事費)を差し引いた粗利益率を考えた。直近の11社のマンション粗利益率は29.8%(2018年12月期)の東京建物が断トツで、他の三井不動産、住友不動産、三菱地所、野村不動産、東急不動産などは20%前後だ。
つまり、東建の粗利益率30%を越えたら「著しく」と考え、その分岐点は坪250万円とはじいた。
ただ、デベロッパーはみんな欲張りで、30%程度の粗利益率では「著しく」とは考えないふしもあり、基本性能・設備仕様レベルが高くなるともっと高くなるか。これは自信がない。
そしてまた、「良心に従い、誠実に鑑定評価等業務を行うとともに、不動産鑑定士の信用を傷つけるような行為をしてはならない」(不動産鑑定士法)不動産鑑定士によって「(公示地価の10分の1以下の)敷地譲渡予定価格は合理的な根拠に基づき算出され、かつ厳正に審査された、適正な価格である」(監査委員)とすれば、「著しく収益増」となる事態にはならないとも考えられる。
仮に「著しく収益増」となる事態が発生したら、それこそ不動産鑑定の鼎の軽重が問われることになる。
従って、「HARUMI FLAG」の坪単価は〝妥当〟とされる可能性が高い-というのが現時点での記者の考えだ。
監査委員は「本件事業の今後の実施に際しては、重要な決定に当たり、専門家の意見を十分に聞く等の内部牽制体制を強化することや、意思決定過程及び決定内容についてきめ細やかな対外説明を行うことなどにより、これまで以上に透明性の確保に努められたい」と意見を述べている。
この意見を汲み、当事者からきちんとした説明がされることを願うのみだ。
サスティナビリティ特化 東建 ベンチャーコミュニティ「City Lab Ventures」始動

左から自然電力 風力・水力・バイオマス事業部長・花吉哲芝氏、ボーダレス・ジャパン副社長・鈴木雅剛氏、ウィファブリック社長・福屋剛氏、東京建物専務執行役員・福居賢悟氏、TBM代表取締役CEO・山﨑敦義氏、ユーグレナ特命担当室テクニカルディレクター・村花宏史氏、DG TAKANO代表取締役・高野雅彰氏
東京建物は4月19日、同社が運営するコワーキング・スペースとカンファレンススペースからなる「City Lab TOKYO(シティラボ東京)」で、サスティナビリティ特化型ベンチャー6 社を発起人とするベンチャーコミュニティ「City Lab Ventures(シティラボ ベンチャーズ)」を始動したと発表した。
発起人は、サステイナビリティへの貢献を事業の中核としているTBM、ウィファブリック、ユーグレナ、ボーダレス・ジャパン、DG TAKANO、自然電力の6社。4月19日から「City Lab TOKYO」を拠点に活動を展開していく。
◇ ◆ ◇
先月は三菱地所の「アクセラレータープログラムDemo Day」を取材した。訳の分からないことばかりだったが、それだけにワクワクさせられ、とても楽しい時間を過ごさせてもらった。
今回は、他の取材もあり場所を間違ったため、途中からの取材となった。会場に着いたときはユーグレナの村花氏のプレゼンだった。この会社は創業当時から注目していたが、わずか15年で東証に上場し、売上高は100億円を超える。ミドリムシ(ユーグレナ)をバイオに活用するなどという奇想天外な発想が面白い。
次のボーダレス・ジャパンの田口氏はいきなりプロジェクターに「資本主義」の文字を大写しした。マルクス・ガブリエル氏のような難解な哲学論でもぶつのかと思ったら、資本主義社会が抱える様々な社会課題を解決するという強いメッセージだった。田口氏はまた「当社は23の事業を展開しており、1つ紹介するのに5分はかかる」と話したように、ぶっ通しで2時間くらい話してもらってもよかった。
DG TAKANOの高野氏の話がまた面白かった。1000分の2の誤差しか許されない父親の金属加工技術を生かし、洗浄力を高めながら95%の節水を実現したノズルを開発したというではないか。バーチャル・ウォーターという考えがある。節水ノズルとバーチャル・ウォーターを融合させたら革命が起きる。記者が投資家だったらこの会社に投資する。
自然電力の花吉氏の話も説得力があった。地産地消の100%再生可能エネルギー事業を展開しており、社員約200人のうち40~50人は外国人の多国籍企業だという。こういう会社が社会を変えるのだろう。座布団3枚!
◇ ◆ ◇
東建へ。いま企業はESG、SDGsの取り組みに懸命だ。今回の「City Lab Ventures」はサスティナビリティに特化しているのがいい。三菱地所は先にスタートアップ企業やベンチャーキャピタルへの出資額が100億円に達したと発表した。負けないよう頑張ってほしい。
一つ問題もある。配布された資料に「CLT」があった。えっと思った。「CLT」は「クロス・ラミネーティッド・ティンバー(Cross-Laminated-Timber)」しか知らなかった。同社はそうではなく「City Lab TOKYO」の略だそうだ。今後の活動次第だが、国家事業の木造の「CLT」に飲み込まれるのは必至だ。存在感を示すためにもどんどん情報を発信してほしい。(先の三菱地所のイベントは酒のふるまいもあった)
無限の可能性秘める 三菱地所「アクセラレータープログラムDemo Day」(2019/3/26)
〝安心が途切れないシームレスな住宅〟 旭化成ホームズ 要介護向けサ高住に参入
旭化成ホームズは4月19日、「要介護期」を対象としたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)「Village(ヴィラージュ)リーシュ」シリーズを立ち上げたと発表した。これまで展開してきた健常期からフレイル(虚弱)期のシニア向け賃貸住宅「へーベルVillage(ヴィレッジ)」シリーズが好調に推移しており、健康や家族の状況に応じて〝安心が途切れないシームレスな住宅〟を提供するのが狙い。
シニア・中高層事業推進本部長・田辺弘之氏は、「2005年に始めた自立型の『へーベルVillage』は35棟464戸を運営しており、入居率は95%超に達している。他にないコミュニティラウンジ、相談室などの共用部を備えているのが評価されている。2025年度までに500棟6,000戸に拡大する。『Village リーシュ』は、健康や家族の状況に応じて〝安心が途切れないシームレスな住宅〟を提供できるよう訪問看護・居宅介護支援事業所を併設する」などと話した。
第一号の「Village リーシュ上石神井」は、西武新宿線上石神井駅から徒歩9分の3階建て53戸。専用面積は18.90~21.68㎡。18.99㎡の月額料金は254,000円(家賃130,000円、共益費39,000円、生活支援サービス費35,000円、食費50,000円)。事業主は4月1日付で設立した同社100%出資の子会社「リーシュライフケア」。運営委託はやさしい手。今年10月に開業する。
◇ ◆ ◇
自立型シニア向け賃貸「ヘーベルVillage」が好調に推移していることから、介護付きサ高住への参入は予想されたことだ。
記者も見学した「ヘーベルVillage」は、田辺氏も話したように特別な設備仕様が施されているわけではないが、爆発的に増やしているのは、他の賃貸住宅やサ高住にはないニーズにしっかり応えているからだろう。
逆に言えば、圧倒的多数派の自立型高齢者が入居をためらう玉石混交のサ高住のあり方が問われている。国交省のサ高住に関する有識者による懇談会がどのような方向を示すか注目したいし、〝入居を拒否しない〟セーフティネット住宅についても〝貧困ビジネス〟にならないよう注視する必要がある。
サ高住は老人福祉法の「施設」の受け皿・代替えになるか 国交省・懇談会(2019/3/11)
ニッチからコアへ 旭化成ホームズ シニア向け賃貸「ヘーベルVillage」受注加速(2018/8/24)
恵比寿駅圏の最高峰 坪900万に迫る 野村不「恵比寿ヒルサイドガーデン」が人気

「プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン」
恵比寿駅圏の坪単価記録を大幅に更新した野村不動産「プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン」(88戸)を見学した。坪900万円弱で、住友不動産が先に竣工した「シティタワー恵比寿」(310戸)の坪750万円を大幅に塗り替えた。売れ行きも好調で、約7割が成約済みだ。
物件は、JR恵比寿駅から徒歩5分、渋谷区恵比寿南三丁目の第一種住居地域に位置する敷地面積約4,035㎡、地下2階・地上11階建て全88戸。専有面積は60.00~200.20㎡、坪単価は900万円弱。竣工予定は2020年1月中旬。設計・監理は日建ハウジングシステム・鴻池組。施工は鴻池組。
現地は、商業エリアを抜けた第一種住居地域に位置する南北に細長い四方道路の傾斜地で、比高差は約7メートル。敷地は元公務員宿舎。
建物は、敷地面積が3,000㎡以上で緑化率を21%に高めたことで高さ規制30mを39mに緩和されており、通常なら13階まで建築可能だが、敢えて11階建てとしているのも特徴。建物の北側の一部はホテル・レストランになる。
住戸プランは内廊下方式で、スケルトン・インフィルを採用。さらに水回りの位置のレイアウトを容易にする「ミライフル」システムを採用。住戸は南向きに加え南西向き。
インテリアデザインはHBAを起用。主な設備仕様は、リビング天井高2620~3150ミリ、グローエ水栓、ヴィトラ社手洗いボウル、ジェシー社水栓金具、スカラベオ社の陶器手洗いボウルなど。
1月から分譲を開始し、これまでに約7割が成約済みと好調。
過去20年間、山手線内徒歩5分以内の物件は276件で、うち住居系は58件、恵比寿駅が最寄りは6件(うち野村は今回を含め3件)しかなく、しかも今回の敷地面積は約4,035㎡と広く、この希少性が富裕層の心を捉えた。

ドレッシングルーム
◇ ◆ ◇
190㎡のモデルルームの出来が出色だ。洗面・浴室はラグジュアリーホテルのスイートと同様で、来場者の評価も高いという。
オーダーメイド仕様だが、バスルーム・ドレッシングルームの広さは約8.3畳大、リビングは約40畳大。壁は突板パネルか大理石。キッチンカウンタートップは水晶の比率が94%のサイルストーン。
玄関扉はクリスタルをイメージした京都・傳來工房によるアルミ素材の扉をそれぞれ採用。玄関の施錠・開錠はTeblaリーダーのボタンを押すだけで可能だ。

リビングルーム

バスルーム
住友林業 バンコクで初の高級マンション311戸 平均6,700万円台
住友林業は4月18日、タイ・バンコクの現地企業と共同開発したランドマークとなる高級分譲マンション「Hyde Heritage Thonglor」を4月から本格販売したと発表した。同国では初の開発プロジェクト。
同社の100%子会社Sumitomo Forestry Singapore Ltd.(SFS社)と現地のProperty Perfect PCL社(PF社)、PF社傘下のGrande Asset Hotels & Property PCL社(GA社)の3社合弁の特定目的会社Grand Star社(GS社)が分譲するもので44階建て311戸。販売価格 3,800万円から(平均分譲価格約6,700万円)。GS社の出資比率はSFS社49%、GA社40%、PF社11%。
PF社、GA社はタイで戸建とマンションの分譲事業、ホテル事業を展開する大手不動産開発会社で、この2社とは第2弾のリバーサイド高級分譲マンションの共同開発も決定しており、タイ・バンコクで長期的なパートナー関係を継続し、質の高い住宅を提供するとしている。
料理をもっと楽しく 栗原はるみプロデュース「harumi's kitchen」トクラス発売

可動式ワゴンについて説明する栗原氏(栗原さんはそんな服を着て調理されるのか)
トクラスは4月17日、料理家・栗原はるみ氏がプロデュースした「harumi's kitchen」発売記念イベントを開催した。同社とゆとりの空間、東邦ガスの3社が〝料理をもっと楽しく〟をコンセプトに共同開発した商品で、キャスター付きのワークトップワゴン、奥行き70cmの人造大理石カウンター、好みのものが置ける棚などが特徴。4月22日から発売する。
イベントに出席した栗原氏は「わたしは家を6回住み替え、キッチンは11回模様替えしました。一日中いますから使い勝手がいいだけではだめで、シンプルなのも問題がある。両方を兼ね備えた楽しく過ごせるようにすることが大切」「白と紺が好きで、今日の衣服も白と紺。キッチン収納扉もややブルー掛った紺にしましたし、カウンターはグレーに近い人造大理石ですが、汚れが目立たないからいいかも。子ども用の椅子も用意しました」などと話した。
企画担当の東邦ガスリベナスショールーム所長・久米むなみ氏は「当社はリフォームを強化する取り組みを行っており、食を支えるキッチンが重要だと考え、平成20年からCMなどに出ていただいている栗原さんに相談したらとんとん拍子に企画が進みました」と開発の経緯について話した。
開発担当のトクラス経営企画部商品事業戦略マネージャー・緒方彰氏は「当社は旧ヤマハ時代、キッチンメーカーとして1976年にわが国で初めて人造大理石カウンターキッチンを発売した実績がある。今回の新商品をプロモーションしたら97%の方にワゴンを欲しいと仰っていただいた」と語った。
また、ユーザーに情報を発信するコミュニティ組織「harumi's kitchen ambassador」について、同部副部長・水野宇多子氏は「女性の管理職比率、働き方改革では時間を単位に目標を掲げますが、会社でも家庭でも『もっと楽しむ』という『仕事の質』を上げることが人生を豊かにし、世の中の発展にもつながる」「まだまだ古い体質の残るこの建築業界で女性がリーダーシップをとる面白いWAVEになれば」などと説明した。
メインキッチンの標準仕様は幅255cm×奥行70cm×高さ85cm。価格は1,598,000円(税別)。食洗器付きは1,731,600円(税別)。

左から緒方氏、水野氏、久米氏、栗原氏
◇ ◆ ◇
女房を亡くしたために約10年間、小さい子ども2人を育て、少なくとも食事だけはほぼ完ぺきにこなしたと思っている記者は、この日のイベントを楽しみにしていた。栗原氏がいかに楽しく料理をしているかはよく伝わってきた。何事も楽しくなければつまらない。揚げ物は苦手だったが、鰹節を削って利尻昆布でタイの潮汁を作ってごらんなさい。アップルパイもよくつくった。
しかし、その一方で、調理が楽しくならない現実をずっと考え続けた。マンションも戸建ても普通の家庭が持てるのは20坪から30坪の住宅だ。キッチンの広さも3畳大から広くても5畳大あるかどうかだ。
油がパチパチと音を立て、湯が沸騰しているキッチンは戦場と化す。記者の経験からいって広さ3畳大では夫婦や子どもと一緒に調理するのは難しい。危ない。そこにはゴミ箱があり古新聞のラックがあり、ビールケースなどもある。ワゴンは便利だが、すぐ物置になる。住宅のなかでもっとも冷たいのはキッチンではないか。
なので、「夫婦と子ども1~2人の理想のキッチンスペースはどれくらいか」と聞いたら、緒方氏は「キッチン・ダイニング合わせて18畳大を想定している」と回答した。この広さを確保できる住宅に住む家庭はどれくらいあるだろうか。多くはリビングスペースを含めてこれくらいではないか。
もう一つ、記者は「楽しく」料理するためには、中華は絶対ガスがいいし、安全性を考えるとIHもまた必須ではないか考えるので、「ハイブリッドの商品はないか」と聞いたら、「(需要がないためか)15年前にやめた」(緒方氏)ということだった。ハイブリッドはそれだけ什器が必要だが、あおりがうまくいったせいでチャーハンやホイコーローがプロ並みにできたときの嬉しさは何にも代え難い。失敗したらしたで〝今度こそ成功するぞ〟という闘志も湧く。
さらに追加。最近のキッチンカウンターは水返しがなくなった。あっても床が水浸しになることがあるのになくして大丈夫か。解せない。
言いたいことはほかにもあるがこの辺でやめておく。「料理を楽しく」というアプローチはとてもいいと思う。住設メーカーもデベロッパーもハウスメーカーもそのようなキッチンの開発をどんどん進めてほしい。

「この棚は奥行きがないから好みのものが置けるんです。大きいと鍋などを置いてしまう」(なるほど、これはいい)

可動式ワゴン(記者も物販店で買って重宝したが、そのうちに物置になった)
ヴェール脱ぐ 全185区画、敷地170㎡以上の小田急不「リーフィア南大沢ガーデンズ」

「リーフィア南大沢ガーデンズ」
小田急不動産の全185区画の大規模戸建て住宅地「リーフィア南大沢ガーデンズ」がいよいよヴェールを脱ぐ。敷地面積は最低でも170㎡あり、最近ではほとんどみられなくなったレベルの高い住宅地だ。4月27日(土)に街びらきを行う。
物件は、京王相模原線南大沢駅からバス11分、徒歩1分(多摩境駅から徒歩16分)、八王子市鑓水2丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する全185区画。5月中旬に分譲開始する第1期24戸の土地面積は171.59~208.47㎡、建物面積は94.33~113.86㎡、予定価格は4100万円台~4900万円台(最多価額帯・4300万円台・4500万円台)。建物は2019年2~3月に竣工済み。構造・規模は木造2階建(2×4工法)。施工は細田工務店、小田急ハウジング(建物)、ランドフローラ(外構・植栽)。

集会所

エントランス
◇ ◆ ◇
現地をみたとたん「小田急elタウン南大沢フロンティア」を思い出した。15年前だ。区画数は31区画で、東京都から土地を取得して分譲したものだ。敷地の広さに圧倒されると同時に、一方では、最低面積を定めた東京都の無慈悲に怒りすら覚えた。バブルが崩壊し市場が一変し、戸建ての敷地面積はみんな30坪(100㎡)になった。最低170㎡(約50坪)はあまりにも厳しい規制だったからだ。
物件は素晴らしかったが、販売は苦労するだろうと思った。完売まで相当の時間がかかったはずだ。添付した記事は当時、同僚の記者が書いたものだが、想いは小生も同じだ。
そして今回も同じ規制がかけられているという。しかも規模は、「elタウン」より、2013~2016に供給した全68区画の「リーフィア南大沢」よりもはるかに大きい。
戸数の多さとアクセスに難はあるが、この厳しい規制を逆手にとって他では得難い街並みの美しさをアピールしてほしい。4,300万円台・4,500万円台が最多という価格も信じられないほど安いはずだ。(失礼)
モデルハウスは見学できなかったが、敷地の間口が10m以上で、対面の住宅までの距離も10mくらいあり、豊かな外構が施されていた住宅ばかりだった。戸建て3棟分の費用をかけた集会所も完成していた。
全体の街並みは完成していないが、その見本は隣接地にある。「小田急elタウン南大沢フロンティア」と「リーフィア南大沢」だ。
ここには「昭和」の時代はごく当たり前で、「平成」になり姿を消した街並みがある。同社はいまも「昭和」の街づくりを行っている唯一のデベロッパーかもしれない。(都は「令和」になってもこの最低面積規制を墨守するのだろうか)
余談だが、住宅地に隣接する道路の見事な街路樹が目に入った。ユリノキだった。同社住宅事業本部住宅販売部第1販売グループ上席チーフ・加藤浩二氏は、「(住宅地に日陰を落とし、落ち葉の処理も困るだろうからという意味か)市から伐りましょうかという相談があったのですが、『とりあえずそのままにしてください』と返事しました。わたし個人的にも強剪定は好きではない」と話した。
ユリノキは樹高20mにも30mにもなる高木だが、多摩ニュータウンに「ユリノキ通り」があるように素晴らしい街並みを形成している。そもそもケヤキ、ユリノキ、クスノキなどの高木の剪定は最小限にとどめるべきだと記者は思う。街路樹は街のポテンシャルを引き上げる大きな役割を果たす。

「小田急elタウン南大沢フロンティア」(中央にあるのは記者の影)

「小田急elタウン南大沢フロンティア」
「小田急elタウン南大沢フロンティア」
わが国初 既存ビル含め非常時も電力安定供給 プラントは住宅300戸分 三井不・東ガス

左から内田氏、菰田氏(日本橋室町三井タワーで)
三井不動産と東京ガスは4月15日、日本初となる既存ビルを含む日本橋室町周辺地域に電気と熱を安定供給する「日本橋スマートエネルギープロジェクト」を開始したと発表した。
プロジェクトは、平常時はもちろん、非常時でもエネルギー供給が可能なエネルギーレジリエンス向上や省エネ・省CO2を達成するエコフレンドリーな街づくりを実現し、災害に強く、国際競争力の高い街・日本橋を目指すもの。
共同で設立した三井不動産TGスマートエナジー(持ち株比率三井70%、東ガス30%)を通じ、このほど竣工した「日本橋室町三井タワー」内の「日本橋エネルギーセンター」にプラントを設置して稼働させた。
都市ガスを活用した分散型電源である大型CGS(ガスコジェネレーションシステム)と系統東京電力による電源の多重化を実現し、日本初の既存ビルを含めた周辺地域へ電力を供給し、CGSが生む発電時の排熱とCGSが生む発電時の廃熱と高効率熱源設備を活用した熱供給の効率化を図り、供給エリアのCO2を約30%削減する。広域停電時にも建物のBCP(Business Continuity Plan)に必要な電気の供給(年間ピークの50%)が可能。
両社は今後、豊洲(2020年竣工予定)など他エリアでも連携し、国内外に向けて発信できる「スマートエネルギー事業」の先進モデルを構築していく。
会見に臨んだ三井不動産・菰田正信社長は、「これまでも『柏の葉』『日本橋再生』『ミッドタウン』などのプロジェクトでもスマートシティの取り組みを進めてきたが、今回、東京ガスさんと共同で、災害時でも安定的に電力を供給し、地球環境へも貢献し、都市防災力を強化し環境性能の向上につなげる。経年優化の街づくりにもSGDsの理念にもかなうもの」と挨拶した。
また、東京ガス・内田高史社長は、「今回のプロジェクトに採用する当社の中圧ガス導管は、阪神・淡路や東日本大震災でもほとんど影響を受けなかった。地域の既存ビルにも電力を供給するのは当社も初の試みだが、エネルギーレジリエンス向上と省エネ・省CO2の取り組みを今後も強化していく」と話した。
「日本橋室町三井タワー」は、区域面積約2.1haの「日本橋室町三丁目地区第一種市街地再開発事業」によって建設された地上26階建て・地下3階建て延べ床面積約168,000㎡。3月38日に竣工した。テナントは全て決まっている。
プラントは約8,000㎡。供給範囲は日本橋室町・本町地区の一部約150,000m、延床面積約1,000,000m²。予定電力供給能力は一般家庭約14,000戸に供給するのと同じ約4.3万kW。冷熱は約110GJ/h、温熱は約60GJ/h。ガスエンジンは7,800kW×3台。廃熱ボイラは4t/h×3台。

供給エリア

CGS(ガスコジェネレーションシステム)プラント
◇ ◆ ◇
1時間近くにわたって難しい説明を受けた。記者はちんぷんかんぷん。しかし、原理そのものは、愛を与え奪い分かち合う、時には自家発電も行う男女関係とよく似ている。中学の理科で学んだのと一緒。熱を与えたり奪ったり、冷ましたりするもので、水力やら火力、天然ガス、原子力、再生可能エネルギーを電力に変換することに変わりはないと理解した。
それより記者が驚いたのはプラント設備の大きさだ。地下3階の心臓部といえるCGSと地下二階の最新のICT技術を導入した中央監視室などプラント全体の面積は約8,000㎡もある。
ただ広いだけではない。地下3階は天井高が約8mだから、一般的なマンションのリビング天井高の3層分だ。つまり8,000㎡を容積に換算すると約24,000㎡にもなり、これを一般的な専有面積70㎡のマンションに置き換えると300戸近い大規模マンションになる。
プラントはもちろん容積不算入で、国土交通省、経済産業省、東京都からの補助も受けている。東京ガス・内田社長は「補助金がなければ、既存のビルのオーナーが(持ち出しが増えるので)納得したかどうか」と話した。
どうして太陽光や地熱やら再生可能エネルギーも採用しなかったのかという疑問も湧くが、関係者によると検討はしたが、安定的に電力を供給することを優先して決断したという。
もう一つ、よく分かったようでわからないのがプラントの災害対策。「壺型潜水艦構造」により、地震などの揺れの影響が小さい地階3回に設置し、しかも浸水を防ぐためにプラント全体をすっぽりと包み、出入り口には22トンもの水圧に耐えられる厚さ約30センチの放水扉を施しているという。どうして福島原発にはなかったのか。

「日本橋室町三井タワー」

中央監視室
広い軒下空間をリビングに取り込んだ「ファミリー スイート」発売 積水ハウス

「ファミリー スイート」内観
積水ハウスは4月10日、「幸せ」研究と先進技術の成果で家族の幸せを実現する「ファミリー スイート」の新しいコンセプトを盛り込んだ新商品を発売したと発表した。
昨年発売した大空間リビングのファミリー スイートが好評なのを受け、新たに広い軒下空間をリビングに取り込むことで、より「くつろぎ」のある家族の暮らし方を提案する。
構造(鉄骨造・木造)や内外装のテーストを問わず対応する。
鉄骨住宅「IS ROY+E(イス・ロイエ)WA MODERN」の価格は3.3㎡当たり72.4万円から(本体のみ・税抜)。販売目標は6,000棟/年。
木造住宅シャーウッド「Gravis Bellsa(グラヴィス ベルサ)モダンライン」の価格は3.3㎡当たり73.8万円から(本体のみ・税抜)。販売目標は1,500棟/年。
昨年10月に発売した「IS ROY+E Family Suite(イズロイエ ファミリースイート)」は約3割のお客様が大空間リビングのファミリースイート提案を採用しているという。
販売順調に納得 坪単価200万円は希少 大和ハウス「東京王子」

「プレミスト東京王子」完成予想図
大和ハウス工業・コスモスイニシアが分譲中の「プレミスト東京王子」を見学した。バス便ではあるが、南東のバルコニー側前面に幅約100mの隅田川・スーパー堤防などが広がり、坪単価も23区内では希少な200万円。この1カ月強で全222戸のうち70戸を成約するなど順調なスタートを切った。
物件は、JR京浜東北線・東京メトロ南北線王子駅からバス約8分、徒歩3分の北区豊島4丁目に位置する15階建て222戸。専有面積は68.58~88.42㎡、6月上旬分譲予定の第2期(戸数未定)の予定価格は3,400万円台~5,900万円台(最多価格帯4,100万円台)、坪単価200万円。竣工予定は2020年2月中旬。施工は長谷工コーポレーション。
現地の用途地域は工業地域だが、住宅化が進んでいるエリア。用地はUR都市機構から同社など4社が取得したもので、敷地北側に今春開業した大規模商業施設との住商一体複合開発。
南東に面したバルコニーの前面には幅約100mのスーパー堤防-隅田川があり、その先は高速道路が走っている。敷地東側と西側にはそれぞれ広場も整備される。
主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2450~2550ミリ、ディスポーザー、スロップシンクなど。スマートウェルネスサービスも提供する。

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約100m先の高速道路をどう評価するかだが、販売担当の大和ハウス工業マンション事業部第二事業部営業第一課販売事務所長・松本諭吉氏は、「距離は問題でなく、音を気にされるお客さまがいらっしゃるのでしっかり説明している。複合開発でこの価格の安さは他にないはず」と話した。
確かに坪単価はやすい。記者は近隣の物件が強気な価格設定をしていたので坪単価は220~230万円くらいとはじいていたが、坪200万円というのは23区では城東エリアに一部あるくらいだろう。
バス利用時間も含めてほとんど都心まで30~40分圏というのは魅力だ。第一期で70戸を成約できたのも納得だ。

建設現場

