全国初の電気・ガス・水道料金の共同自動検針 積水ハウス 豊橋市の大型分譲地で導入

「コモンステージ ミラまち」
積水ハウスは7月2日、豊橋市の大規模複合開発「ミラまち」内で分譲中の「コモンステージ ミラまち」で、電力スマートメーターの通信技術を活用した電気・ガス・水道共同での自動検針を2019年10月から全国で初めて実用導入すると発表した。
豊橋市、第一環境、中部電力及び中部ガスが、電力スマートメーターの通信技術を利用した水道・電気・都市ガス共同自動検針の実施に合意したもの。
「ミラまち」は総開発面積約27万㎡の開発エリアに約400区画の戸建住宅と、商業施設・業務施設を設けるまちづくりプロジェクト。
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記者は以前から電気・ガス・水道代の検針を一度にできないかずっと思っていた。他の地域は分からないが、多摩市では電気代とガス代は月に1度、水道代は2カ月に一度、使用量と料金が書かれた紙が郵便ポストあるいは新聞受けに入れられている。
その検針に係る費用は馬鹿にならないと思ったので調べてみた。東京都水道局はホームページで「水道メータの検針から料金の請求、お支払い関係などに必要となる経費は、23区で年間約156億円必要となっております。(平成15年度)この金額は水道事業全体の約8%となっており、内訳は次のとおり」とし、検針や料金算定、料金に対する問い合わせに係る費用は39%としている。つまり、156×39%=60.8億円が人的検針などにかかる費用とみられる。
そのままの経費が減るのか、水道局に問い合わせたら、担当者は「自動検針にする場合のシステム変更・維持管理にも費用が掛かるので、自動検針に切り替えたら人的検針の費用がそのまま減るわけではない。逆に費用増ということもありうる」という回答だった。
同じ質問を東京ガスにもしたら、「自動検針については実験・準備を行っている段階で、いつ実施すかなどは未定」(広報)としている。
さて、どうなるのか。そのうちに新聞やNHKの受信料の集金人はなくなるかもしれない。ヤクルトや牛乳はどうなっているのか。
敷地制約を逆手に取ったプラン 旭化成不レジ「四谷コーポラス」建て替え成功の理由

「アトラス四谷本塩町(旧四谷コーポラス)」
旭化成ホームズは7月1日、「小規模マンションの建替え」をテーマにした第8回「高経年マンション再生問題 メディア懇談会」を行ない、同時に8月に竣工する「アトラス四谷本塩町(旧四谷コーポラス)」の竣工見学会を開催した。
冒頭、旭化成不動産レジデンス代表取締役社長・兒玉芳樹氏は、「今回の懇談会への参加者は過去最多の約40名にのぼり、関心の高さを実感している。地権者と共同の夢を実現する当社の建て替え事業はオンリーワン・ナンバーワンの事業として築きつつある」と挨拶した。
また、同社常務取締役マンション建替え研究所所長・阿佐部肇氏は、「私自身、研究所を立ち上げたときから関わってきた」と話し、マンション建て替えの現状、同社の事業トピックスについて説明した。
同研究所副所長・大木祐悟氏は、都心マンションの建て替えの合意形成を阻害する要因として①区分所有者の無関心②区分所有者間の路線対立③経済的問題④リーダーの欠如⑤管理組合のガバナンスの5つを指摘。最近は、建て替えを比較的容易にする容積率に余剰があるマンションは少なくなっていると報告した。小規模マンションの建て替えでは合意形成を進めるうえで区分所有者の一票が重くなり、建て替えを検討する際の費用負担が過重になり、さらに小規模敷地は日影規制など建築上の制約が多いことなどを説明した。
「四谷コーポラス」では、建て替え決議は区分所有者25名のうち2名が反対したが、決議後の催告に応じ建て替えに参画し、結果として全員合意で実現し、建て替えを成功に導いた理由として、区分所有者のコミュニティ意識が高かったこと、プランを33パターン用意するなど区分所有者の要望を計画に盛り込んだことなどを上げた。その結果、再取得者は9割に達したと報告した。
同社開発営業本部 首都圏営業部 企画推進課・佐藤安澄氏は、都心マンション敷地の制約を克服した事例として「四谷コーポラス」「市ヶ谷ハイツ」「河田町住宅」「宇田川住宅」を上げ、「四谷コーポラス」は、敷地が南北に細長く高低差がある制約がある中で、地下にエントランス・共用部分、容積不算入の地下住戸(4戸、約176㎡)を設け、構造計算上は地上7階建てでなく地上6階・地下1階建てとするなど難点を逆手に取った計画となっていることを強調した。

左から兒玉氏、阿佐部氏、大木氏、佐藤氏
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この物件については、建て替え前の見学会が行なわれており、記事にもしているのでそちらを参照していただきたい。
竣工したマンションのエントランスホール・ラウンジなど共用部分は非常によくできていた。壁面にはレンガタイルを張り巡らし、従前のブルーのドア、外壁に用いられていたロートアイアンや居室内のコンセントなどを飾りとして再利用していた。
住戸内は3タイプ見学したが、いずれもリビング天井高は2400ミリしかなかった。これは「日影規制がもっとも影響した」(佐藤氏)ためのようだ。
地階と1階のメゾネット(99㎡)は置き型バス、防犯ガラスが採用され、地階と1階にそれぞれエントランスが設けられていた。
全体の設備仕様は坪単価からして「こんなもんか」という印象を受けた。賃貸は14戸だという。

ラウンジに飾られていた従前のドアなど

共用廊下

エントランスホール
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一つだけ気になったことを指摘したい。「共用部分は非常によくできている」と書いたのだが、エントランスホール中央にでんと据えられていたドライフラワーとフェイクを組み合わせた〝奇怪〟なフラワーオブジェだけは気に入らなかった。
記者はこれまで何度も「フェイクをやめよ」と書いてきた。1戸数千万円もするマンションの居住者が毎日通るエントランスホールの真ん中にいかにもフェイクの造花を飾る神経が理解できない。画竜点睛を欠くとはこのことだ。参考までにいくつか記事を添付する。
まあ、しかし、総務省の家計調査年報による一世帯の年間切り花支出金額は、トマトの8.1千円、アイスクリーム・シャーベットの9.7千円と大差ない約8.2千円であることを考えると、もうみんな花や緑に関心を示さないのかもしれない。その一方で自動車関連に28万円、通信費に16万円(別にネット接続費2.8万円)、菓子類に8.4万円かけている。酒類は4.0万円、たばこは1.0万円、こづかいは10.6万円。
わが家はどうかというと、自動車関連はゼロで、酒類は12万円、たばこは12.4万円、こづかいは? 。自慢できるのはトマトで9.6万円。普通の家庭の10倍以上だ。狂っているのは記者か世の中か…多分両方。

手前の緑と白は全てフェイク

東急不「ブランズ ザ・ハウス一番町」のロビー(生花は池坊が生けた)

自宅やオフィスの机に飾っているポトス・ドクダミ(全てただ)
民間マンション第一号建て替え 旭化成不レジ「アトラス四谷本塩町」完売(2018/11/13)
旭化成不レジ 民間初の分譲「四谷コーポラス」建て替え説明会・見学会に80名(2017/9/5)
旭化成ホームズ 「宇田川町住宅」建て替え竣工見学会(2013/10/30)
パーカーズとコラボの第三弾 コスモスイニシア「中央湊」の緑の質と量に感動(2019/6/3)
三菱地所ホーム 家の中に自然の中低木 最新モデルハウス「ONE ORDER」横浜に開設(2017/10/20)
これぞ正統派の億ション 話題の東急不動産「ブランズ ザ・ハウス一番町」竣工(2017/1/23)
ペンシル戸建てと一線画す 都心ど真ん中に3階建て分譲 大和ハウス「四谷三栄町」

「セキュレア四谷三栄町」
大和ハウス工業が分譲中の戸建て「セキュレア四谷三栄町」を見学した。四ツ谷駅から徒歩8分の3階建て全8戸。マンションやペンシル戸建てに飽き足りない戸建て派に支持されると見た。
物件は、JR中央本線四ツ谷駅から徒歩8分・東京地下鉄丸ノ内線四谷三丁目駅から徒歩8分、新宿区四谷三栄町の建ぺい率60%、容積率300%の第一種中高層住居専用地域に位置する開発面積854.91㎡の全8戸。現在分譲中の住戸(2戸)の敷地面積は88.62・89.82㎡、建物面積は103.08・118.40㎡、価格は13,150万・16,970万円。建物は木造3階建て、完成済み。4月から分譲を開始し、これまでに4戸が成約済み。
現地は、新宿通りから一歩入った閑静な住宅街の一角。電柱の地中化とインターロッキング舗道が整備された三栄通りからすぐ。一帯は第一種中高層住居専用地域だが、建基法の道路制限、斜線制限、日影規制などを受けるためか高い建物はほとんどなく、2~3階建ての戸建て・マンションが建っている住宅街。
敷地の従前は賃貸マンションで、開発道路を整備し、敷地を25坪以上とし、延床面積を100㎡以上確保しているのが特徴。
同社東京本店 住宅事業部 東京分譲住宅事業部所長・中岡敬典氏は「都心部の分譲戸建ては敷地面積が20坪以下の3階建てが多いが、最低25坪を確保し、建物も30坪以上としたプランが、ペンシル戸建てに満足されない富裕層の方に響いている。億ションと比較しても管理費、駐車料金などを加味すると月額返済額は同等かむしろ安いくらい。同様の戸建て計画をあと2カ所で進めている」と話した。

リビング

バスルーム
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「四谷三栄町」の住宅街に足を踏み入れたのは初めてだった。隣接する「荒木町」は以前よく飲み歩いたところで、道路が狭く坂も多く袋小路になっているので、一つ間違うと目的地にたどり着けない。行きつ戻りつした経験がある。
「四谷三栄町」にもそんなイメージしかなかったので、「荒木町」とは全く異なる街並みの落差に驚いた。
仮に、現地にマンションを建てたら坪単価は450万円になるとはじいた。30坪で1億3,500万円だ。この価格と比べても同社の戸建ては〝安い〟と思った。中岡氏が話した通りだ。購入者も同じように考えたのではないか。最近は敷地面積が20坪以下の狭小住宅がかなり分譲されているようだが、そのような住宅購入者と明らかに異なるははずだ。
一つ考えたのは、もう少し設備仕様レベルを上げて億ション並みにしたらどうかということだ。仮にマンションで坪500万円のエリアなら20坪で1億円として、戸建てなら30坪で2億円というのは釣り合うのではないか。同社にはぜひ挑戦してほしい。

現地近くの三栄通り(奥の建築中の建物は再開発ビル)
大手デベロッパー6社全てが「(倒産の)危険水域」!? 「週刊ダイヤモンド」に仰天
毎号面白い特集記事を組んでいる「週刊ダイヤモンド」の6月22日号の「最新版 倒産」記事には仰天した。「(倒産の)危険水域 ランキング完全版423社」のうちワースト250社に不動産会社が実に43社も入っているではないか。不動産業で上場している企業は145社(ネットによる)だから、約3分の1は危ないというのだ。
発表されたランキングの中には、確かにどうして存続しているのか不思議なくらいの〝死に体〟企業はあるが、何と東京建物のワースト22位を筆頭に東急不動産ホールディングスが52位、住友不動産が77位、野村不動産ホールディングスが81位、三井不動産が163位、三菱地所が174位、つまり上場不動産会社の売上高ベスト6社が〝堂々〟と200社までに入っている。この6社が〝危ない〟のであれば、他の不動産会社で〝安全〟なのはどこか知りたいくらいだ(逆に〝安全〟ランキングを発表すれば、雑誌は爆発的に売れ、株価も暴騰するのではないか)。
なぜ驚天動地のこのようなランキングが発表されたか。同誌は冒頭で①金融機関の融資の厳格化②人手不足③後継者不在④米中貿易戦争-などを背景に挙げ、6年ぶりに倒産危険度ランキング特集を復活させたとその理由を明らかにしている。
記者もこれには同意する。説得力があると思う。スルガ銀行の不適切融資は今後不動産業界全体に波及するのではないかと恐れている。
だが、しかし、わが不動産会社のベスト6全てが〝危ない〟と書かれたら反論しないわけにはいかない。
同誌によると、調査は①運転資金の増加分=資金繰り②内部留保③税引前営業利益④時価総額と有利子負債の額⑤総資産回転率-の5つの倒産危険度(Zスコア)を機械的に数値化して行われたもので、1.81未満は「倒産の懸念を否定できない」としている。
さすがに、大手デベロッパーのほかほとんどの電力会社や鉄道会社もランクインしていることに気が引けたのか、「不動産会社や鉄道会社のように、業種の特性上、他業種に比べ有利子負債が大きくなりやすく、総資産が膨らむ傾向にある業種の場合は、スコアは低めに出やすい」と言い訳をしているのだが、この機械的な処理に全て問題がある。
不動産業は有利子負債が多い業態であることは言うまでもない。バブル崩壊で売上高を上回る負債を抱えていた多くの企業が破綻したのはそのためだ。
しかし、超低金利の現在、有利子負債の多寡が即企業の存続につながるかどうかは分からない。負債を抱える力があるかどうかを見るべきだ。
そして、記者がもっとも不適切だと思うのは総資産回転率の計算だ。不動産業はプロジェクトが多額で長期化するケースが多く、マンションでも土地の仕入れから分譲-引き渡しまで最低2年はかかる。再開発の案件などでは数年どころか四半世紀に及ぶものも少なくない。
その間の景気の動向、地価変動リスクが伴う。これを危険といえば危険だが、そうした様々なリスクに耐えられる体力として資産は極めて重要なファクターになってくる。保有資産が大きいからこそ、回転率は低くてもビッグプロジェクトに取り組めるのが大手デベロッパーだ。回転寿司屋と不動産業を同じまな板に載せるからこんな結果になる。
同誌は、ストレートに数値をはじき出すのではなく、業種に応じて補正すればまったく異なった結果が出るはずだ。まあ、しかし、今回の特集は倒産危機の警鐘を鳴らした意味のある企画だと思う。
なぜ多摩センターはないのか 長谷工アーベスト「住みたい街(駅)ランキング」不思議
長谷工アーベストは6月27日、首都圏居住のモニターを対象に実施したWEBアンケート形式による「住みたい街(駅)ランキング」の調査結果をまとめ発表した。有効回答数は3,166件。
首都圏総合ランキングは、「吉祥寺」が調査を開始して以来15回連続の第1位、第2位は「横浜」第3位は「大宮」。「大宮」は前回13位からの浮上。
このほか「中野」が15位から6位に、前回18位の「立川」が7位に、前回11位の「赤羽」が8位に入り、初のトップ10入り。
ポイント制を加えた都県別ランキングでは、東京23区は「新宿」、東京市部は「吉祥寺」、神奈川は「横浜」、埼玉は「大宮」、千葉は「船橋」がそれぞれ1位。
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この種のランキングが発表されるたびに記者はうんざりする。アンケート回答者の居住地、年代、家族数などは全てトータルしてパーセンテージでしか公表されない。知りたいのはそれぞれどのような層のひとが「住みたい街(駅)」にどんな魅力を感じているのか、さらにまた、記者は最も大事だと思っているのだが、その「住みたい街(駅)」に住める可能性についての調査が欠落しているのが決定的に問題だと思う。そもそも「住む」とはどういうことなのかあいまいだ。
ベスト3の「吉祥寺」「横浜」「大宮」は、マンションなら坪単価は場所によっては500万円以上で、もっとも安くても徒歩圏なら250万円はくだらない。アンケート回答者のうち購入できる人は果たして何人いるか。「吉祥寺」も「大宮」も雑多な街だし、「横浜」だっていいのは、山手、桜木町の一角だ。
「新宿」と「渋谷」がそれぞれ4位、5位に入っているのも解せない。記者は、「渋谷」の高級住宅街を除けば住むところではないと思っている。「新宿」はキャッチバーにつかまって有り金全てを吐き出させられたところだし、「渋谷」は永遠の愛を誓った場所ではあったが、見事に捨てられた場所でもある。今でもトラウマになっている。
それならどうして「東京」はベスト20にも入らないのか。小生はお金があったら、「東京」に住みたい。皇居を見降ろすのは畏れ多いが、坪単価にしたら最低でも坪3,000万円の価値があると思う。
「赤羽」が8位なのは結構なことだと思う。いま長谷工コーポレーションが施工したマンションが分譲中だし、北区も〝住めば北区〟のキャンベーンを展開しているのが奏功したのかもしれない。
だがしかし、もっとも理解できないのが、どうしてわが「多摩センター」は東京市部のベスト10にも入らないことだ。ベスト10には「吉祥寺」「調布」「府中」「八王子」「高尾」の5つの京王線沿線の街(駅)が入っているのは嬉しいが、「多摩センター」が無視され「高尾」が入るなんて信じられない。
同社のニュース・リリースには、1位の「吉祥寺」について「住みたい街ランキングの常連の街であり、自然と都会的な部分のバランス感覚が優れていると感じるから。道を一本入ると庶民的な雰囲気が今なお漂っていて、飲食店数が多いので住みやすそうだと感じます」(20代・単身)とのコメントが付いているが、これはこのままそっくり「多摩センター」にも当てはまることだ。
一つひとつ書かないが、多摩センターほど広範囲に歩車分離の街が形成されているところはわが国にない。少なくとも街を歩いていて、車が突っ込んでくるリスクは皆無だし、子どもも大人も交通事故にあう可能性は極めて少ない。
デパートはなくなったが、ホテルがあり宴会もできる。コンサートホールだってある。飲食はみんなチェーン店になってはまったが、絶滅危惧種の草花をめでることもできる。風俗系の店もラブホテルだってあるし(なくなったか)、京王閣、府中競馬場にも近い。長谷工の立派な研究所だってあるではないか。
同社も含めこれから調査する機関は、アンケートを実施する際に、街(駅)の特徴や土地やマンションの相場なども伝えるべきだと思う。だれもが実現できない街(駅)を「住みたい街(駅)」ランキングとして調査する意味なんてどこにあるのか。みんな〝住めば都〟ではないのか。
記者がアンケートするなら、「住みたい街(駅)」ランキングではなく、「住める街(駅)」ランキングだ。こちらのほうが消費者の役に立つ。そのうち自分でやろうかしら。
地所ホーム、積水ハウスと富裕層向け三重奏・三つ巴 三井ホームの新大久保モデル

三井ホーム「新宿北モデルハウス」
三井ホームが新宿・新大久保駅前の「ハウジングステージ新宿」内に先に完成させた「新宿北モデルハウス」を見学した。昨年4月に発表した「ラングレー」と同じコンセプトで、北欧のパイン材を用いた総木製窓と、ウエスタンレッドシダ―のウッドパネルと深い陰影を演出する軒の外観デザインが特徴の3階建てだ。
「ラングレー」のモデルハウスは昨年4月にも浜田山住宅展示場で見学し、記事にもしているのでそちらを参照していただきたい。
他社のモデルハウスがほとんど外観は木なのか鉄なのかコンクリなのか分からないのに対して、同社のモデルは明らかに木で出来ていそうな外観なのが木造ファンの記者は気に入った。
それと、これが最大の特徴でもあるのだが、「浜田山」のそれと異なるのは延べ床面積313㎡(94坪)の3階建てであることで、3階部分約31坪を全てベッドルーム(20.7畳大)・パウダールーム(8.3畳大)・ドレッシングルーム(7.2畳大)に充てている提案がいい。これほど広い夫婦のみの(あるいは一人か)空間提案を見たことがない。これは支持されるはず。さらに言えば、同じくらいの夫婦別室の提案もあっていいが…。
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新宿・新大久保駅前にある「ハウジングステージ新宿」内のモデルハウスを見学したのは今回で3度目(ほかに何棟か見ているのだが、取材目的でなかったので書かない)。明らかに富裕層向けだった。
すぐ比較したのは、積水ハウスのモデルハウスだった。積水のモデルハウスについては6月5日付の記事で「最高に素晴らしい。カッシーナとコラボし、一分の隙もないモノトーンの空間を見事に演出している。モデルハウスを芸術品の域まで高めた商品だ。
何に例えるべきか迷ってしまうのだが、ミロのヴィーナス像はどうだろう(実在の女性に例えると差しさわりがある)。
だがしかし、あまりにも美しく近づくことも触れることもためらわれそうで、金持ちでも品格がない人は怖気づくのは必至で、住みこなすのは容易なことではないのではないか」と書いた。
今回の三井ホームのモデルハウスは確かに美しいのだが、こちらはうつせみの人、例えば同社のCMに長く登場した吉永小百合さんとか現在の菅野美穂さん(最近お笑いタレントと結婚した三井不動産のCMに出ていた何とかさんはちょっと違うか)も「素敵!」と声を上げそうな、絵画で言えば小磯良平の描く凛としたかつ楚々とした美人画のような美しさだ。
一つ難点を指摘すれば、1階の階段室には観葉植物が置かれていたのだが、みるからにフェイク。これはいかがなものか。三菱地所ホームの「ボタニカル」をテーマにした「浜田山ホームギャラリー」や、家の中に中低木を取り込んだ「ONE ORDER」を意識したのかもしれないが、それを超えないと意味がない。せっかくの素晴らしい空間が台無しだ。
いずれにしろ、三菱地所ホーム、積水ハウス、三井ホームの3つのモデルハウス(住友林業も加わるか)がこの住宅展示場内の富裕層向け三重奏を奏で、かつ三つ巴戦を演じるのではないか。住友不動産のモデルハウスは秋に完成するのでぜひ見学したい。

リビング階段の下の観葉植物が気になった

積水ハウス モデルハウス(バスルーム)
木の美しさを全面に 天井高3m実現 三井ホームが新商品「LANGLEY(ラングレー)」(2018/4/11)
分譲戸建て工事額・坪単価・広さ 長野県が1位 平成30年度 国交省住宅着工統計から
⇒PDFの画像文書1.pdf
別表は、国土交通省の住宅着工統計から平成30年度の分譲戸建て住宅の都道府県別戸数、1戸当たり工事予定額、坪単価、1戸当たり広さを調べ一覧にしたものだ。
この表から何が分かるか。まず、着工戸数。戸数が多いのはトップの東京都をはじめ神奈川、埼玉、愛知、千葉、大阪の順。逆に少ないのは鳥取、島根、徳島、高知、長崎の順。
戸数が多いのは大都市圏であり、少ないのは人口の少ない県であるのは当然だが、宮城県、広島県、熊本県などが比較的多いのは自然災害の影響か。
一戸当たり工事予定額は全国平均で1,564万円(坪単価49.8万円)となっており、多くの都道府県は平均値の前後の数値になっている。しかし、長野県は2,109万円と突出しており、隣の山梨県が1,933万円で2位。台風対策のためなのか高知県、沖縄県、三重県が1,800万円を超え、北海道、島根県なども比較的高い。低いのは宮崎県の1,383万円で、全国で唯一1,400万円を割っている。以下、福井県、滋賀県、和歌山県、石川県などが続く。
坪単価は全国平均で49.8万円。トップは長野県の60.4万円で、以下、沖縄県、高知県、山梨県などが50万円台の後半。低いのは福井県の41.6万円で、石川、滋賀県、群馬県などが続く。長野と福井では実に18.8万円の差がある。
一戸当たりの広さでは、全国平均は31.4坪。全国でもっとも広いのは長野県の34.9坪。以下、岐阜県、富山県、三重県、福井県、石川県が続く。狭いのはもちろん地価が高い東京の28.6坪で、京都府、青森県、神奈川県などが30坪を切っている。長野と東京の差は6.3坪。12畳大以上だ。
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面白いのは長野県だ。どうして住宅にお金を掛けるのか理由は分からないが、豪雪対策か地震対策か、健康住宅が浸透しているためか、それとも「海こそなけれ物さわに 万(よろ)ず足らわぬ事ぞなき」の長野県歌を知らない人はいないという勤勉で自立心が強く、反中央集権的県民性によるのか。少し昔だが、学校の図書館には「資本論」が備えられていたそうだ。
長野県宅地建物取引業協会事務局に聞いた。「個人的な見解ですが、土地が30坪の分譲戸建てなどはほとんどなく、車がないと動けない山岳部も多く、寒冷地でもあり、車が置けるスペースや防寒対策に費用をかけたりしているからではないか。飯田グループ? ほとんど聞きません。圧倒的に多いのは大手のハウスメーカー」とのことだった。
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もう一つ、分譲戸建てのガリバー企業、飯田グループホールディングスの影響が全国の分譲戸建て市場に大きな影響を及ぼしていると考えざるを得ない。
同社グループの2019年3月期の売上計上戸数は44,677戸で、単純比較はできないにしろ2018年度の住宅着工戸数の実に30.9%を占める。1戸当たり価格は2,678万円。土地代と建物価格の割合は分からないが、建物価格は坪30万円台のはずで、圧倒的な価格優位性を誇っている。
参考までに同社グループの空白区を紹介すると、富山県、鳥取県、島根県、高知県、長崎県、宮崎県の6件のみ。
ヒートショック予備軍 最多は千葉・宮崎 最少は長野 リンナイが都道府県ランキング(2018/11/3)
ポラス2019年3月期 売上高2,163億円 分譲戸建て契約2,654棟 ともに過去最高

中内氏
ポラスグループは6月24日、2019年3月期決算を発表。売上高は2,163億円(前年比8.4%増)、営業利益は129億円(同5.2%増)、経常利益は137億円(同7.2%減)、当期純利益は38億円(同9.7%減)となり、売上高は過去最高、2,000億円を初めて突破した。
セグメント別では、分譲住宅契約が2,654棟(同15.4%増)と過去最高となり、マンションも「浦和美園」や「新越谷」が好調で、契約戸数は468戸(同82.8%増)とこちらも過去最高。
戸建て注文住宅の契約棟数は576棟(同15.7%減)となり、分譲と注文の合計契約棟数は3,230棟(同8.3%増)となった。
プレカット事業などを手掛けるポラテックは、5工場体制による生産量の拡大や木造非住宅の強化により、売上高は810億円(同6.6%増)となり3期連続で過去最高を更新。
その他、仲介手数料は23億円(同7.6%増)、リフォーム受注高は79億円(同8.3%増)。
2020年3月期の連結業績予想は、売上高2,250億円(前年比4.0%増)、経常利益150億円(同9.0%増)としている。
発表会に臨んだ中内晃次郎・ポラスグループ代表は「2019年は創業50周年の記念すべき年であり、次の50年を誇りある未来にすべく『自他共存』の経営を推進し、圧倒的に美しい街づくり、デザイン・技術に優れた住まいの提案によるエリアシェアの強化を進める」と語った。
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記者が驚いたのは、品川典久・中央住宅社長が、総じて好調に推移している分譲住宅について語った中で、「江東、墨田などの城東エリアは、1宅地12、3坪の4,000万円を切る価格ありきの市場の中で苦戦している。数年前の年間140~150戸をピークに販売棟数は減少しており、昨年度は78棟に落ち込んだ。深刻な状況。より豊かな暮らしを提案する当社の経営理念からしてそのような戸建てとは競争したくないが、対策を考えないといけない」と話したことだ。
記者は、昭和50年代から60年代の前半にかけて徹底してミニ開発を批判する記事を書いた。定義は難しいが、概ね一宅地が30坪以下の数棟現場の建売住宅とした。
当時、都内の各区は開発指導要綱でミニ開発を排除する動きを示していたが、ひどい事例では、例えば60坪の土地に開発申請時は長屋として申請し、完成後は切り離した実質一宅地15坪の建売住宅がかなり供給された。ミニ開発のほとんどが建基法違反だった。そのような住宅を専門に分譲する業者が暗躍した。
事態を重く見た都市銀行などは一宅地30坪未満の戸建て分譲に対しては融資をしない措置を取った。
その後、時代は変わった。違反建築物はかなり減ったはずで、都市型戸建てに都市型3階建ても加わり、平成14年の都市計画法の改正により、自治体が面的な規制により最低面積を定めやすくなった背景もあり、一概に狭小住宅を「悪」と言えない市場(住宅は「幸せ」を売る商売であり、消費者が支持するものを「悪」と決めつけるのは難しい)が形成されているのも事実だ。
それでも、この問題は等閑視できない。どうして一宅地12、3坪の分譲が可能なのか、各区の対応はどうなっているのか、銀行融資はどうなっているのかなど時間をかけてでも取材して記事にしたい。
品川社長、そんな家とも呼べないような戸建てと競争などしないでいただきたい。きれいさっぱりそんなエリアと決別すべきだと思う。自治体の首長は、街のポテンシャルを引き下げるような戸建てをどうして放置しているのか。銀行はどうなっているのか。

品川氏
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決算発表会は記者懇親会とセットで行われているもので、記者も末席を汚している。懇親会ではいつも同社グループの料亭のような飲食店がつくった1500キロカロリーはありそうな弁当が配布され、酒も提供される。
記者はカロリーを気にしながら、きれいな女性からビールを勧められて断るのも失礼だと思い、一生懸命食べかつ飲んでいたら突然、「牧田さん、何かありませんか」と同社の広報マンから声がかかった。
一瞬ひるんだが、ただで弁当を貰いビールを飲ませてもらったのに何もしゃべらなければ、もう二度と声がかからないのではと思い、同社のマンションと戸建てについてひとこと話した。
マンションについては、「ルピアグランデ浦和美園」の商品企画を褒め、戸建てでは、数年前に三井不動産レジデンシャルが分譲してよく売れた「ファインコート浦和美園」の施工がポラテックであり、三井レジは「施工がポラスグループ」であることをパンフレットで大々的に扱ったことを紹介した。
広報マンは「うちの物件の取材をたくさんやってください」とまぜっかえしたので、「それは違う。ポラスの物件の取材ばかりしていたら、他社の商品企画がわからない。たくさんみて比較検討することが大事」だと言い返してやった。
どうもハウスメーカー担当の記者の方は、デベロッパーのマンションや戸建てを取材しない。これじゃ正確な市場を把握できないと思う。最近の分譲戸建てのリビング天井高が高くなってきたのは、間違いなくポラスの影響だと思う。
建築基準不適合物件は約3,800棟 前回発表より倍増 大和ハウス工業
大和ハウス工業は6月18日、建築基準の不適合問題に関する外部委員会の「調査報告書」を発表し、前回4月12日に公表した数値にデータ漏れがあり再調査した結果、建築基準不適合物件は戸建て・賃貸を含め追加棟数は1,885棟にのぼり、前回発表時の1,878棟と合わせ合計3,763棟に増加したと訂正。同時に再発防止策を発表した。
外部調査委員会は「調査を進めるなかで、驚きを禁じ得なかったことは、日本を代表するハウスメーカーである大和ハウス工業が、型式適合認定制度の在り方について、あまりにも迂闊に集団的な誤信を起こしてしまった経緯である」「大和ハウス工業は、本件不備により社会的信頼を損なったことを虚心坦懐に受け止めて、今後の改革に活かしていただくことを期待する」としている。
型式適合認定制度の理解・認識不足 大和ハウスの建基法不適合問題 外部調査委報告(2019/6/2)
「機能的な快適性」「手が届く上質」目指す Jプロ新ブランド「プレディア府中西府」

「プレディア府中西府」完成予想図
JR西日本プロパティーズのマンション新ブランド〝PREDEAR(プレディア)〟の「プレディア府中西府」を見学した。最高のブランド名で、商品企画もなかなかいい。
物件は、JR南武線西府駅から徒歩2分、府中市本宿町1丁目に位置する8階建て全20戸。専有面積は57.84~72.76㎡、現在先着順で分譲中の住戸(3戸)の価格は4,238万円~4,948万円。坪単価は237万円。竣工は2019年4月、入居は2019年9月下旬。設計・施工・監理は風越建設。販売代理はCity Innovation(シティイノベーション)。
現地は、西府駅前通りの二方道路の角地。建物は内廊下方式で、基本階は1フロア3戸(7~8階は2戸)構成。住戸プランは59・70・72㎡が中心。主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、御影石カウンター、食洗機、ソフトクローズ収納、リビング天井高2450ミリ、横入り玄関(一部)など。
建物完成後の4月27日から完成販売を行っている。
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西府駅圏のマンション取材は今回で3回目だった。いつものように駅に降りて単価予想をした。3年前見学したタカラレーベンの近接マンションは坪230万円だった。それよりも間違いなく高く、250万円くらいだろうが、同社はそんなに高くしないで240万円くらいにするのではないかと考えた。
最初、販売担当者から220万円くらいと聞いて、そんなはずはないと思ったら、やはり平均は237万円だった。どんぴしゃりではなかったが、ほぼ的中した。二方道路の角地の立地であることを考慮すれば間違いなく早期完売すると読んだ。
プランもなかなかいい。59㎡(6戸)の北西角住戸はL字型キッチンが約4.1畳大で多目的に利用できるスペースを確保している。70㎡(6戸)の南東角住戸9300ミリのワイドスパン、72㎡の南西角住戸(6戸)は多面採光。
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同社の不動産企画部企画グループ長・前川元氏(不動産鑑定士)らに新ブランド〝PREDEAR(プレディア)〟について説明を受け、これはいいとすぐ思った。大手デベロッパーのブランドに負けないからだ。
さて、皆さん、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産、東急不動産、東京建物、大和ハウス工業のマンションブランド名はご存じだろう。改めて書くまでもないが、それぞれパークホームズ、(ザ・)パークハウス、プラウド、ブランズ、ブリリア、プレミストだ。
もうお分かりだろう。みんな「ハ行」から始まる。ここに割って入る意図があるのかどうか知らないが、前川氏によると新ブランドは、特別な意味を表わす「PREMIUM(プレミアム)」と、大切な人への想いやつながりを表わす「DEAR(ディア)」を掛け合わせた造語で、「三菱重工のものづくりへのこだわりを引き継ぎ、JR西日本グループが大切にしてきたまちづくりを通じて『機能的な快適性』と『手が届く上質』の両方の価値を兼ね備えたレジデンスの供給を目指す」そうだ。
今回の商品企画では、横入り玄関、ソフトクローズ収納、広めのキッチンスペース、二段の浴室タオル掛けなどにその哲学・思想が盛り込まれていると見た。
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一つだけ気になった点がある。モデルルームのインテリアだ。これはみんないわばお飾りだから、記者がとやかく言う問題でもないが、たくさん置かれていた観葉植物は全てフェイクで、造作家具類も安物ではなかったが決して高価なものではなかった。これが「手が届く上質」なのかもしれないが、せっかくのプランがみんな安物に見えた。白粉を塗りたくったモデルルームも考えものだが、もう少し上質な空間を演出してもお客さんに失礼にはあたらないのではないか。
次は「プレディア横浜三ツ沢」をお届けする。

モデルルーム

